JPH10324456A - ワイヤ巻出し自動切り替え装置及び自動切り替え方法 - Google Patents

ワイヤ巻出し自動切り替え装置及び自動切り替え方法

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JPH10324456A
JPH10324456A JP15023797A JP15023797A JPH10324456A JP H10324456 A JPH10324456 A JP H10324456A JP 15023797 A JP15023797 A JP 15023797A JP 15023797 A JP15023797 A JP 15023797A JP H10324456 A JPH10324456 A JP H10324456A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、ワイヤに熱処理或いは伸線加工等
の処理を施す場合のリ−ルからの連続及び自動巻出しに
関する新規な提案である。 【解決手段】2以上のリ−ル軸を備えた繰り出し回転ア
−ム方式のワイヤ巻出し装置であって、リ−ル軸を支持
する支持台の回転を固定する止め具と、2つのリ−ルに
巻かれたワイヤ端部を貯線する貯線治具と、前記止め具
の固定を解除する解除治具を有し、繰り出し回転ア−ム
の側のリ−ル軸がその反対側のリ−ル軸に対して下がる
ようにリ−ル軸支持台の架台を設置したワイヤ巻出し自
動切り替え装置において、前記貯線治具は、支持台上に
固定して設置されるリング支持部と、リング支持部につ
ながる水平に固定配置される貯線リングとからなる装
置。 A、B‥リ−ル、3‥支持台、4‥貯線治具、42 ‥貯
線リング、5‥回転止め具、6‥解除装置、10‥回転
繰り出しア−ム、20‥ワイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ワイヤに熱処理
或いは伸線加工等の処理を施す場合のリ−ルからの連続
及び自動巻出しに関するものであリ、更に言えば、リ−
ルに巻かれたワイヤを連続的に処理する場合の、一つの
リ−ルから他のリ−ルに自動的に切り替える方法及びそ
の自動切り替え装置に係るものである。
【0002】
【従来の技術】スチ−ルコ−ド等の線材では、製品とし
て線材に必要な特性を付加するために、熱処理、めっき
処理又は伸線加工等の処理を施すが、通常、上記の処理
はリ−ルに巻かれたワイヤを巻出しから繰り出して処理
を施し、これを再度巻き取る方法で連続して行われる。
【0003】しかるに、繰り出し回転ア−ムを用いワイ
ヤに施す処理を中断することなく一つのリ−ルから他の
リ−ルに連続的に切り替える方法として、図6に示す巻
き出し装置が知られている。これは一つの繰り出し回転
ア−ム34に対して、二つのリ−ル軸311 、312
有する巻き出し方法であって、この二つのリ−ル軸31
1 、312 は水平面で回転可能であり、繰り出し回転ア
−ムの位置にいずれのリ−ルも回転移動できるようにな
したものである。そして連続的に切り替える方法は、予
め二つのリ−ル311 、312 のワイヤ321 、322
を、初めのリ−ル331 の巻き始めワイヤ321 と次の
リ−ル332 の巻き終りワイヤ322 とを溶接接合し、
最初のワイヤ321 の処理が終了する時に次のリ−ル3
2 が繰り出し回転ア−ム34に対して所定の位置にな
るようにリ−ル軸311 、312の回転移動を行って連
続的に処理する方法である。
【0004】しかしながら、この連続処理を行いながら
2つのリ−ル331 、332 を切り替える方法は、従来
は作業者による観察で切り替え時期を判断し、切り替え
作業も又作業者の人力によるものであり大きな作業負荷
になっていた。
【0005】このような課題を解決するため、発明者等
は既に繰り出し回転ア−ムを有する巻き出し方法及びそ
の装置を提供している。即ち、二つのリ−ルを自動的に
切り替える方法及び装置を提案したものであって(特開
平6−183642号)、図7及び図8にてその概要を
示す。この提案は、繰り出し回転ア−ム方式のワイヤ巻
き出しにおいて、支持台3より伸びる回転軸に対し、両
側に張り出すリ−ル軸1、2を備え、各リ−ル軸1、2
に夫々ワイヤが巻かれたリ−ルA、Bを装着し、初めに
ワイヤが巻き出されるリ−ルAにおけるワイヤの巻き始
め部と、リ−ルBにおける巻き終り部のワイヤとを一定
長さ貯線をして接合し、初めのリ−ルAにおけるワイヤ
の巻き出し終了を検知するセンサ−を備え、このセンサ
−の作動により回転軸の係止を解除し、回転軸を回転し
て前記リ−ルAの位置にリ−ルBを移動してこの回転軸
を再度係止し、回転ア−ムより連続してワイヤを巻き出
す自動切り替えにかかるものである。
【0006】そして前記回転軸は鉛直方向に対しリ−ル
A側にやや傾いて設置し、リ−ルAとリ−ルBの重量差
で自然回転させるものであり、更に、リ−ル軸1、2を
支持する支持台3の回転を固定する止め具5と、二つの
リ−ルA、Bに巻かれたワイヤ端部を貯線する貯線治具
4と、前記止め具5の固定を解除する解除治具6を備
え、繰り出し回転ア−ム側のリ−ル軸1がその反対側の
リ−ル軸2に対して下がるようにリ−ル軸支持台3の架
台32 を水平面に対して傾斜して設置したワイヤ20の
巻き出し自動切り替え装置である。かかる貯線治具4は
回転軸上方の横梁(リング支持部)41 に釣り下げられ
た貯線リング42 を主体とし、貯線リング42 にはワイ
ヤ20を係止するためのピン43 が設けられるもので、
ワイヤ20を貯線リング42 の外周に巻き付けることで
貯線し、リ−ルの切り替え時に貯線リング42 からワイ
ヤ20を引き出すことができるものである。
【0007】しかるに、この提案の巻き出し装置の貯線
治具4は回転軸上方から横梁41 に吊り下げられ固定さ
れているため、貯線治具4からワイヤ20を繰り出す時
にワイヤ20は貯線リング42 外周上を移動回転しなが
ら繰り出されることになる。即ち、貯線リング42 外周
に貯線されたワイヤ20が、係止ピン43 をはずれて順
次繰り出される場合、一つのピン43 で拘束が解除され
て次のピン43 で拘束されるように次々に拘束と解除が
繰り返され、ワイヤ20は拘束力が絶えず変化しながら
貯線リング42 から繰り出される動きをすることにな
り、このため、ワイヤ20は貯線リング42 から繰り出
し時に振動ブレを起こすことがある。
【0008】そして、貯線リング42 からワイヤ20を
繰り出す時に振動ブレを起こす他の要因として、ワイヤ
20に加わる捩れがある。即ち、二つのリ−ルA、Bの
ワイヤ20を溶接して捩れの入っていないワイヤ20を
貯線リング42 に巻き付ける時にワイヤ20に捩れが生
成する。又、捩れが入らないように一つのリ−ルの解放
端をリ−ルに巻き付けその後に溶接した場合には、ワイ
ヤ20を貯線リング42 から繰り出す時に捩れが生成す
る。このように、いずれの場合にも貯線リング42 から
繰り出す時には捩れの変化を生じ、その捩れの変化は貯
線リング42 上のピン43 によるワイヤの拘束開放によ
って断続的に発生するため振動ブレを起こすことにな
る。
【0009】特にワイヤ20の線径が大きく(例えば2
mm以上)なると弾発性や反発性が高くなり、かかる弾
発性や反発性の高いワイヤ20を前記貯線リング42
ら繰り出す時に発生する振動ブレは大きくなり、又、弾
発的に変化する捩れ力も大きくなるために振動ブレの力
は大きくなり、このため、貯線リング42 上でのピン4
3 による係止が振動ブレによって解除されるため、貯線
リング42 外周上の貯線が外れ、ワイヤ20がもつれて
繰り出すことができなくなるというケ−スもある。
【0010】更に、既提案の巻き出し装置の貯線治具4
は、二つのリ−ルA、B間の中間に貯線リング42 が垂
直に配置されているために、リ−ルAに巻かれたワイヤ
20を貯線リング42 に貯線する時、ワイヤ20はリ−
ルAに巻き付けられた方向から、貯線リング42 に向か
う方向に方向を変え、貯線リング42 に接近したら貯線
リング42 外周に巻き付ける方向に再度向きを変えるた
め、線径の太いワイヤ20を貯線リング42 に貯線する
ために大きな力でワイヤ20を曲げなければならず、ワ
イヤ20を適正に係止貯線することが難しい場合も考え
られる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、2つのリ−ル軸を支持する支持台の回転を
固定する止め具と、2つのリ−ルに巻かれたワイヤ端部
を貯線する貯線治具と、前記止め具の固定を解除する解
除治具を有し、繰り出し回転ア−ムの側のリ−ル軸がそ
の反対側のリ−ル軸に対して下がるようにリ−ル軸支持
台の架台を水平面に対して傾斜して設置したワイヤの巻
出し自動切り替え装置において、ワイヤの線径が太い等
の要因で高い弾発性と曲げ加工が困難なワイヤをリ−ル
から巻き出し2つのリ−ルを自動的に切り替える際に、
ワイヤを簡便正常に貯線治具に係止貯線し、ワイヤが貯
線治具から外れることなく、切り替え時に正常に順次ピ
ンからワイヤが繰り出すことができる貯線治具を有する
連続してワイヤを巻き出す自動切り替え装置及びその方
法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するために本発明は以下のような構成としたものであ
る。即ち、発明の第1は、2以上のリ−ル軸を備えた繰
り出し回転ア−ム方式のワイヤ巻出し装置であって、リ
−ル軸を支持する支持台の回転を固定する止め具と、2
つのリ−ルに巻かれたワイヤ端部を貯線する貯線治具
と、前記止め具の固定を解除する解除治具を有し、繰り
出し回転ア−ムの側のリ−ル軸がその反対側のリ−ル軸
に対して下がるようにリ−ル軸支持台の架台を設置した
ワイヤ巻出し自動切り替え装置において、前記貯線治具
は、支持台上に固定して設置されるリング支持部と、リ
ング支持部につながる水平に固定配置される貯線リング
とからなることを特徴とするワイヤの巻出し自動切り替
え装置にかかるものである。
【0013】そして、特に貯線リングの大きさは、その
リング外周の長さ未満の長さのワイヤでもって、切り替
えが開始して終了するまでの時間にワイヤを繰り出すこ
とができる大きさであり、貯線リング外周上にはワイヤ
を係止するためのピンが備えられ、ピンの配置は貯線の
ための係止及び繰り出しのための係止の解除をワイヤを
水平方向に或いは垂直方向に移動させて行うことができ
るようにピンが配置されるものである。
【0014】支持台の固定の止め具の解除装置の具体的
形態としては、支持具と検出用梁と落下用梁と落下治具
とよりなり、当該支持具はリング支持部に固定され、こ
の支持具に検出用梁及び落下用梁の夫々を天秤状に支持
するものであって、この検出用梁はその一端が検出端で
他端は落下用梁を係止し、一方、落下用梁は一端が落下
治具を懸架し、他端が検出用梁によって係止される構造
としたものである。
【0015】発明の第2は、支持台より伸びる回転軸に
対し、両側に張り出すリ−ル軸を備え、各リ−ル軸に夫
々ワイヤが巻かれたリ−ルA、Bを装着し、初めにワイ
ヤが巻き出されるリ−ルAにおけるワイヤの巻初め部
と、リ−ルBにおける巻き終わり部のワイヤとを接合
し、支持台上に固定して設置されるリング支持部と、リ
ング支持部につながる水平に固定配置される貯線リング
とからなる貯線治具に、前記接合した一定長さのワイヤ
をリ−ルAから出発して当該リングに巻き付け、かかる
巻き付け方向がリ−ル切り替え時に支持台が回転する方
向と反対の方向に巻き付けて貯線をし、初めのリ−ルA
におけるワイヤの巻き出し終了を検知するセンサ−を備
え、このセンサ−の作動により回転軸の係止を解除し、
回転軸を回転して前記リ−ルAの位置にリ−ルBを移動
してこの回転軸を再度係止し、回転ア−ムより連続して
ワイヤを巻き出すリ−ルの自動切り替え方法にかかるも
のである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は以上の通りの構造を有す
るワイヤの巻出し自動切り替え装置及びその自動切り替
え方法であって、初めのリ−ルAと次のリ−ルBを夫々
リ−ル軸に装着し、リ−ルAの巻初め端とリ−ルBの巻
き終わり端を溶接する、次に溶接で連続したリ−ルA、
BのワイヤでA側のワイヤを止め具の固定を解除する解
除治具に係止設定し、次いで貯線リングに外周一周未満
分巻き付けて貯線し、リ−ルBに繋がるように設定す
る。
【0017】ここでワイヤを貯線リングに巻き付ける
が、リ−ルAから出発して貯線リングに巻き付ける方向
が切り替え時に支持台が回転する方向と反対の方向に巻
き付ける。又、リ−ルBのリ−ル軸への装着は貯線リン
グからリ−ルBに繋がるワイヤが折り返すことなくリ−
ルBに巻かれるようにリ−ルの向きを定めて装着するも
のである。
【0018】本発明のワイヤの巻出し自動切り替え方法
の基本的構想は、貯線リングからワイヤを繰り出すとき
に、ワイヤがリ−ル外周上を移動して繰り出すのではな
く、貯線リングが回転してリ−ルを繰り出し、繰り出し
たア−ムの先端と貯線リングからのワイヤ繰り出し位置
が所定の範囲を保つようになしたことである。
【0019】即ち、リ−ル切り替え時に支持台は回転
し、それに伴って支持台に固定されたリング支持部及び
貯線リングが回転するもので、リ−ルの切り替え時の貯
線リングの回転の角度に対応するリ−ル外周上の長さを
ワイヤが繰り出される長さにほぼ相当するようにする。
従って、この貯線リングからワイヤが繰り出される絶対
的な位置はほぼ一定であり、ワイヤが貯線リング外周上
を移動することなく、このためにワイヤの振動を抑制す
ることができることとなったものである。
【0020】一方、既提案の方法であると貯線リングの
中心軸方向から貯線リング外周にワイヤを巻き付け、又
はワイヤを貯線リング外周方向から貯線リング中心軸方
向にワイヤを繰り出すために基本的に捩れの変化を伴っ
ていたが、本発明の方法では貯線リング外周方向から貯
線リング外周に巻き付け、又、貯線リング外周方向から
貯線リング外周方向に繰り出すために、貯線リングに貯
線したりこの貯線リングから繰り出す処理においてワイ
ヤの捩れの変化が生じないこととなったものである。
【0021】更に、既提案の貯線治具は支持台の上空に
あるために、繰り出しア−ム先端から貯線リングまでに
必要な距離を要してしまい、そのために拘束されないワ
イヤの長さが長くなり繰り出し時のワイヤの振動を大き
くしていたが、本発明においては貯線リングを水平に両
リ−ルに跨がるように配置し、ワイヤの繰り出し位置が
ワイヤ繰り出しア−ムの先端の近傍に位置することにな
るので、貯線リングからワイヤ繰り出し個所からア−ム
先端の距離を短くすることができるのでワイヤの振動を
更に低減させることができることとなったものである。
【0022】更に又、上述のように貯線リングを配置
し、ワイヤの貯線リングへの貯線方法及びリ−ルのリ−
ル軸の装着方法を定めたので、リ−ルに巻かれたワイヤ
はその方向を大きく変えることなく貯線リングに貯線で
きるので、容易に貯線リングに貯線することができると
共に、ワイヤを曲げるために起こるワイヤへの損傷を低
減することができることとなった。
【0023】ここで、貯線リングの大きさは切り替え初
めから切り替え終わりまでに繰り出しア−ムから繰り出
されるワイヤの長さと貯線リング外周の半分の長さが正
確に対応する必要はなく、切り替え時に貯線リングに貯
線されて繰り出すことが実質的にできれば繰り出される
ワイヤの長さが貯線リング外周の半分以上であっても半
分以下であってもよい。
【0024】そして、貯線リングが備えられるリング架
台にワイヤを貯線リングに案内する入り側クリップと、
貯線されたワイヤを次のリ−ルに案内するための出側ク
リップを備えてワイヤを貯線する長さを一定の値にする
ことができる。例えば貯線リング外周の約2/3になる
ように各クリップをリング架台に配置することで貯線リ
ングに必要な量を貯線することができると共に、リ−ル
と貯線リングの間のワイヤ−を大きく屈曲することなく
ワイヤを配置することができる。
【0025】尚、貯線リングに貯線するワイヤの長さを
切り替え時に繰り出すワイヤの長さに適正に対応するた
めに、後述する図3の(3)に示すように直径の異なる
貯線リングを段積みにしたものを用いることができる。
【0026】本発明において貯線リング外周上にワイヤ
を係止するピンを、貯線のための係止及び繰り出しのた
めの係止の解除をワイヤを水平方向に移動させて行うよ
うにするのがよいが、場合によっては垂直方向に移動さ
せて行うようにピンを配置することも可能である。ここ
で貯線リングの位置は繰り出しア−ム先端の位置より低
い位置に配置してワイヤを上方に繰り出すようにして貯
線リングに貯線されたワイヤを繰り出すのがよい。
【0027】前者の場合、貯線リングへの貯線のための
係止及び繰り出しのための係止の解除をワイヤを水平方
向に移動させて行うので、貯線リングに1回を越えて巻
き付け貯線した場合には繰り出すことができないため、
貯線リング上に貯線することができるワイヤの長さに制
限があり、それに対応してワイヤの繰り出し速度も制限
がある。一般にワイヤの線径が大きくなるとメッキ等の
表面処理に多くの処理を要するために処理速度即ち繰り
出し速度は遅いが、線径の細いものは繰り出し速度は速
い場合があり、後者との選択は適宜なされることは言う
までもない。
【0028】後者の場合には、水平に配置した貯線リン
グに貯線されたワイヤを上方に繰り出すので貯線リング
全周にわたって貯線されたワイヤを繰り出すことがで
き、貯線量に制限がない。切り替え中には貯線リングは
回転するので貯線リング上を周回するワイヤの速度を低
減さすこともでき、繰り出し時のワイヤの振動を低減さ
せることもできる。この場合の特徴は、太い線径のもの
も細い線径のものにも即ち遅い繰り出し速度のワイヤと
早い繰り出し速度のワイヤとの両方のワイヤに対して適
正に2つのリ−ルを自動的に切り替えることができる点
である。
【0029】例えば、太い線径で繰り出し速度の遅い場
合は、貯線リングに半分程度貯線して、貯線リングと繰
り出しア−ムの間を所定の位置にすることでワイヤの振
動を低減して繰り出し、一方細い線径で繰り出し速度の
速いワイヤは、切り替え時の繰り出しに必要な量を貯線
リング全周にわたり、若しくは繰り返し巻き付けること
で貯線することができる。
【0030】
【実施例】以下、図面を用いて本発明を更に説明する。
図1は第1発明のワイヤ巻出し自動切り替え装置の一例
を示す全体斜視図であって、2つのリ−ル軸1、2、支
持台3、貯線治具4、回転止め具5、解除装置6とから
なる。リ−ル軸1、2は直径が100mmで長さが54
0mmの棒材で作成され、支持台3を中心に対向した位
置に設置されている、リ−ル軸1、2には、巻胴幅が5
50mmで巻胴長さが410mmでフランジ直径が10
00mmのリ−ルA、Bが懸架され、このリ−ルA、B
には夫々直径が1.5mmから3.0mmのワイヤ20
が1000kg巻き付けられている。又、繰り出しア−
ム10の先端11は、ワイヤ20を案内してリ−ルAの
外周の軌道を周回するように配置されている。
【0031】図2は支持台3を示し、これを構成する支
柱部31 には2つのリ−ル軸1、2が固定され、架台3
2 に回転自在に嵌め込まれている。即ち、支柱部31
架台部32 とは、水平方向で回転自在な状態で連結され
ており、架台部32 にはその回転を所定の個所で固定す
るための止め具5が設けられている。かかる止め具5は
支柱部31 に設けられた凹部33 と架台部32 に設けら
れた凸部34 を噛み合わすことで固定し、固定バネ35
により固定状態を保ち、又、凸部34 に連続した解除押
し部36 を押し下げることでこの固定を解除することが
できる。支持台3は水平面に対し傾斜して設置されてい
る。尚、凹部33 は支柱部31 反対側にも備えられてい
る。
【0032】図3は貯線治具4を示すが、(イ)で示す
貯線治具4は支持台上に固定して設置されるリング支持
部41 と、リング支持部41 に連続して固定される水平
に配置される貯線リング42 とからなる。貯線リング4
2 の直径は600mmで、その配置は高さがリ−ル軸
1、2に装着したリ−ルA、Bの上空で、繰り出しア−
ム10の到達する最高高さ付近までの高さで、支持台3
のほぼ中央になるようにリング支持部41 で支持され
る。この貯線リング42 にはワイヤ20を係止するピン
3 が間隔240mmで設けられ、ワイヤ20を水平方
向に引き出すことができるようにピン43 の水平方向が
解放された構造になっている。
【0033】一方、図3の(ロ)で示す貯線リング42
にはワイヤ20を係止するピン43が間隔240mmで
設けられ、ワイヤ20を上方に引き出すことができるよ
うにピン43 の上方向が解放された構造になっている。
この場合、貯線リング42 の配置は高さがリ−ル軸1、
2に装着したリ−ルA、Bの上空で、繰り出しア−ム1
0の到達する最高高さ以下である。
【0034】更に、図3の(ハ)は直径の異なる貯線リ
ング421を段積みにし、貯線治具4に貯線するワイヤの
長さをリ−ルの切り替え時に繰り出すワイヤの長さに適
正に対応できるように工夫したものである。
【0035】さて、貯線リング42 を設置するリング支
持部41 にワイヤ20を貯線リング42 に案内する入側
クリップ44 と、貯線されたワイヤ20が次のリ−ル
(B)に案内するための出側クリップ45 は2つのリ−
ルA、Bの上空に配置されるように備えられる。ここで
入側クリップ44 はワイヤ20を貯線リング42 に案内
誘導させると共に、止め具5の解除装置6のセンサ−を
入側クリップ44 近傍に配置するため、クリップ44
よって把持つされたワイヤ20の配置を正確強固なもの
にするために、図のようにコ字形状4にして2か所でワ
イヤ20を係止し、センサ−先端60 がコの字の中に配
置される例を示した。
【0036】図4は支持台3の固定の止め具5の解除装
置6であり、支持具61 、検出用梁62 、落下用梁6
3 、落下治具64 とよりなっている。そして、リング支
持部41 に固定された支持具61 に検出用梁62 及び落
下用梁63 の夫々を天秤状に支持する。検出用梁62
その一端が入側クリップ44 まで延びてセンサ−60
し、他端は下方に広がる斜めの切り口621を有する。一
方、落下用梁63 は一端が落下治具64 を懸架する突起
30を有し、他端は上方に広がる斜めの切り口631、若
しくは梁63 の上部は上方に広がり(631)、梁63
下部は下方に広がる切り口632を有する。検出用梁62
及び落下用梁63 の夫々の切り口621、631は互いに係
止することができるように配置されている。
【0037】上述の解除装置6で、ワイヤ20の通過を
検出して、固定止め具5を解除する動作は次の通りであ
る。図5の(イ)は切り替え前の解除装置6の状態であ
り、検出用梁62 は入側クリップ44 に伸びる一端が下
がるように天秤状に支持され、入側クリップ44 に挟持
されたワイヤ20の上に梁の端60 を配置して梁の端6
0 が下がるのを止めている。又、落下用梁63 は一端が
落下治具64 を懸架し、他の切り口端631は、検出用梁
2 の切り口端621と接合して、落下治具64のある端
が下がるのを止めている。落下治具64 は解除押し部3
6 上に持ち上げられた状態で懸架されている。図5の
(ロ)は検出用梁62 をワイヤ20が通過して梁の端6
0 の係止が解除された状態を示している。図5の(ハ)
は検出用梁62 の切り口端621によって係止されていた
落下用梁63 の係止が解除された状態であり、落下治具
4 が落下する状態を示している。
【0038】勿論、この落下治具64 が解除押し部36
を下に押し下げるものであって、固定バネ35 を伸ば
し、これによって支柱部31 に設けられた凹部33 と架
台部32 に設けられた凸部34 の噛み合わせを解除する
もので、水平面に対して傾斜配置された支持台3が回転
し、これに伴ってリ−ルA、Bが回転して自動的に切り
替えられることとなったものである。
【0039】尚、解除装置6は例えば既提案にて示した
構造の解除装置を用いることもできるが、解除したとき
の梁の傾きため解除装置6上空に必要な空間を要する
が、本発明のように梁を分割して検出用62 と落下用6
3 にすることで、係止を解除するのに必要な空間を小さ
いものとすることができる。
【0040】又、各梁62 、63 の切り口端621、631
は検出用梁62 が落下用梁63 を係止することができる
ものであれば、適正にその形状に定めることができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の巻き出し
装置では、既提案のような貯線リングを設置するための
梁を必要とせず、安価簡便にしかも弾発性、反発性の高
いワイヤのリ−ルを安定して自動的に切り替えることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のワイヤ巻出し自動切り替え装置
の斜視図である。
【図2】図2は図1における支持台の拡大図である。
【図3】図3は図1における貯線治具の拡大図である。
【図4】図4は支持台の固定の止め具の解除装置であ
る。
【図5】図5は図4の解除装置の機構図である。
【図6】図6は従来のワイヤ巻き出し装置の斜視図であ
る。
【図7】図7は特開平6−183642号にて開示した
既提案の斜視図である。
【図8】図8は特開平6−183642号にて開示した
貯線治具の拡大図である。
【符号の説明】
A、B‥‥リ−ル、 1、2‥‥リ−ル軸、 3‥‥支持台、 31 ‥‥支柱部、 32 ‥‥架台、 33 ‥‥凹部、 34 ‥‥凸部、 35 ‥‥固定バネ、 36 ‥‥解除押し部、 4‥‥貯線治具、 41 ‥‥リング支持部、 42 、421‥‥貯線リング、 43 ‥‥ピン、 44 ‥‥入側クリップ、 45 ‥‥出側クリップ、 5‥‥回転止め具、 6‥‥解除装置、 60 ‥‥センサ−(検出用梁端)、 61 ‥‥支持具、 62 ‥‥検出用梁、 621‥‥検出用梁切り口、 63 ‥‥落下用梁、 630‥‥落下治具を懸架する突起、 631、632‥‥落下用梁切り口、 64 ‥‥落下治具、 10‥‥回転繰り出しア−ム、 20‥‥ワイヤ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2以上のリ−ル軸を備えた繰り出し回転
    ア−ム方式のワイヤ巻出し装置であって、リ−ル軸を支
    持する支持台の回転を固定する止め具と、2つのリ−ル
    に巻かれたワイヤ端部を貯線する貯線治具と、前記止め
    具の固定を解除する解除治具を有し、繰り出し回転ア−
    ムの側のリ−ル軸がその反対側のリ−ル軸に対して下が
    るようにリ−ル軸支持台の架台を設置したワイヤ巻出し
    自動切り替え装置において、前記貯線治具は、支持台上
    に固定して設置されるリング支持部と、リング支持部に
    つながる水平に固定配置される貯線リングとからなるこ
    とを特徴とするワイヤの巻出し自動切り替え装置。
  2. 【請求項2】 貯線リングの外周上にはワイヤを係止す
    るためのピンが備えられ、前記ピンはワイヤの係止及び
    繰り出しのための係止の解除を水平方向に移動できるよ
    うにピンが配置された請求項第1項記載のワイヤの巻出
    し自動切り替え装置。
  3. 【請求項3】 貯線リングの大きさがその貯線リング外
    周の長さ未満の長さのワイヤでもって、切り替えが開始
    して終了するまでの時間にワイヤを繰り出すことができ
    る請求項第1項記載のワイヤの巻出し自動切り替え装
    置。
  4. 【請求項4】 貯線リングの外周上にはワイヤを係止す
    るためのピンが備えられ、前記ピンはワイヤの係止及び
    繰り出しのための係止の解除を垂直方向に移動できるよ
    うにピンが配置された請求項第1項記載のワイヤの巻出
    し自動切り替え装置。
  5. 【請求項5】 貯線リングが直径が異なるリングを複数
    本積み重ねてなる請求項第1項記載のワイヤの巻出し自
    動切り替え装置。
  6. 【請求項6】 支持台の固定の止め具の解除装置が、支
    持具と検出用梁と落下用梁と落下治具とよりなり、支持
    具はリング支持部に固定され、支持具に検出用梁及び落
    下用梁の夫々を天秤状に支持され、検出用梁はその一端
    が検出端で他端は落下用梁を係止し、落下用梁は一端が
    落下治具を懸架し、検出用梁によって係止される構造と
    した請求項第1項記載のワイヤ巻出し自動切り替え装
    置。
  7. 【請求項7】 支持台より伸びる回転軸に対し、両側に
    張り出すリ−ル軸を備え、各リ−ル軸に夫々ワイヤが巻
    かれたリ−ルA、Bを装着し、初めにワイヤが巻き出さ
    れるリ−ルAにおけるワイヤの巻初め部と、リ−ルBに
    おける巻き終わり部のワイヤとを接合し、支持台上に固
    定して設置されるリング支持部と、リング支持部につな
    がる水平に固定配置される貯線リングとからなる貯線治
    具に、前記接合した一定長さのワイヤをリ−ルAから出
    発して当該リングに巻き付け、かかる巻き付け方向がリ
    −ル切り替え時に支持台が回転する方向と反対の方向に
    巻き付けて貯線をし、初めのリ−ルAにおけるワイヤの
    巻き出し終了を検知するセンサ−を備え、このセンサ−
    の作動により回転軸の係止を解除し、回転軸を回転して
    前記リ−ルAの位置にリ−ルBを移動してこの回転軸を
    再度係止し、回転ア−ムより連続してワイヤを巻き出す
    リ−ルの自動切り替え方法。
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