JP6082171B1 - 包装装置、包装材の張力制御方法、包装材の端末処理システムおよび包装材の端末処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、被包装物に対して包装を開始する際にはシャトルに搭載された包装材をある程度引き出すことが必要になるし、包装を終了する際にはシャトルと被包装物の間に位置する包装材を切断する必要が生じることになる。
この特許文献4に開示された包装材の端末処理装置は、クランプアーム56に搭載されたアッセンブリ54を備えている。そしてこのアッセンブリ54には、クランプ、カッター、およびシーラー(封止手段)が搭載されている。
この特許文献4が開示する包装材の端末処理装置によれば、包装材が被包装物に対してスリップせずにラッピングを行うことができ、更には作業者に過度な負荷が生じることなくラッピング時間も短縮することが可能となっている。
すなわち、例えば特許文献1に開示された包装装置では、限られた空間であるループ体の内部空間を周回しなければならないがその構造・動作が効率的になされているとは言い難い。
また、特許文献2に開示された包装装置では、台車駆動手段としての歯付きベルトを環状軌道の内周面全体に亘って設置しているため、台車を駆動するための駆動機構がどうしても複雑になってしまう。
さらに特許文献1〜3によれば、シャトルあるいは台車に搭載された包装材を引っ張り出して被包装物を包装するのであるが、この包装材を引っ張り出す際の包装材にかかる張力を一定化することに関しては何ら着目がなされていない。
より具体的に特許文献4では、包装材の切断後における包装材の本体からの余り(余剰材とも称する)の長さが一定ではないことから、次の包装処理で被包装材を巻く際に弛みが生じる可能性もある。さらに特許文献4に開示された構成では、包装材の切断位置と封止位置の間に位置する包装材(残余材とも称する)については特に言及がなく、この部位の包装材が原因となって包装が解けてしまう可能性も否めない。
また、本発明は、上記した課題の少なくとも1つを解決するためになされたもので、構造が簡単で且つ上記した張力を一定にするための機構を実現した包装装置およびその張力制御の方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記した課題の少なくとも1つを解決するためになされたもので、引き出された包装材の姿勢に対して容易に追従が可能であるとともに、包装材を切断した後における一方の側(余剰材)の長さがほぼ一定となり、且つ、他方の側(残余材)も着実に被包装物に添加可能な包装材の端末処理システムおよび包装材の端末処理方法を提供することを目的とする。
また、上記(2)の包装装置においては、(3)前記無限軌道は、直線部と曲線部とを有し、前記複数のスプロケットは、前記直線部に配置されるとともに前記第1従動チェーンに対応した第1スプロケットと、前記曲線部に配置されるとともに前記第2従動チェーンに対応した第2スプロケットと、を含むことが好ましい。
なお、上記(4)の包装装置においては、(5)前記張力制御機構は、前記支持部に支持された包装材と接触して前記包装材の一部を巻き込むロール部材と、前記ロール部材を支持し、前記包装材の外径変化に追従して前記ロール部材を前記包装材の半径方向に移動可能な回動部材と、前記包装材の一部が引き出される方向と逆向きの方向に減速を与える減速機構と、を含むことが好ましい。
また、上記(4)又は(5)の包装装置においては、前記ロール部材は回転可能に構成され、前記減速機構は、前記ロール部材の回転を抑制するブレーキ機構を含んでいてもよい。
また、上記(4)〜(6)のいずれかの包装装置においては、前記包装材供給装置は、前記張力制御機構の後段に配置されて、引き出された前記包装材の一部に生じた緩みを解消するルーパー部材をさらに有していてもよい。
さらに、上記(8)又は(9)の包装材の端末処理システムにおいては、(10)前記第2クランプ装置は、前記包装材の一部を把持する第2把持ハンドと、前記第2把持ハンドを6軸自由度で駆動する駆動アームと、前記被包装物又は当該被包装物に包装された包装材に対する距離を計測する計測センサーと、を含むことが好ましい。
また、上記(11)の包装材の端末処理方法では、前記被包装物に対する包装処理を完了するとき前記第1把持ハンドと第2把持ハンドで当該包装材を把持した後で、前記第1把持ハンドと第2把持ハンドの間に位置する前記包装材の一部をカット機構で切断し、前記包装材を切断した後で、前記包装材の端末を把持する前記第2把持ハンドを前記被包装物に対して接近させるとともに、前記第2クランプ装置の添付機構で前記包装材の端末を既に前記被包装物に包装された包装材上に添加することが好ましい。
又は、本発明によれば、引き出される一部の包装材にかかる張力を一定にすることができるので、無限軌道を周回するシャトルの位置に関わらず包装材の緩みを抑制することができ、過大なテンションによるフィルムの破断を防ぐことができる。これにより、構造を複雑化させることなく引き出される包装材の緩みを有効に抑制することが可能となる。
又は、本発明によれば、包装材の姿勢が一様でないとしても容易に追従が可能であるとともに、切断した包装材の端末のうち余剰材を適切に処置することができる。さらには、切断した包装材の端末のうち残余材についても着実に被包装物に添加することができる。これにより、包装材の端末における処理のバラつきを抑制しつつ信頼性が高い包装を実現することが可能となる。
<包装装置1の構成>
図1は本発明の実施形態にかかる包装装置1を示す模式図である。
同図から明らかなとおり、本実施形態にかかる包装装置1は、少なくとも一部で開閉が可能な無限軌道2と、この無限軌道2上で周回可能なシャトル3と、このシャトル3に搭載されて包装材L(後述)を保持する包装材供給装置4と、この包装材Lにより包装される被包装物Sを支持する支持装置5と、を少なくとも具備している。
また、図1(b)に特に示されるように、本実施形態の包装装置1は、包装材Lの端末を処理するための第1クランプ装置60および第2クランプ装置70を含んで構成されている。なお、図1では説明の便宜上、1つのシャトル3が描かれているが、これに限られず2つ以上の任意の数のシャトル3(及び包装材供給装置4)が無限軌道2上で周回される形態であってもよい。
また、包装材Lは、上述した被包装物Sを拘束するための材料であれば種々適用が可能であり、例えば公知の延伸性樹脂フィルムや拘束用途の弾性変形可能な紙材などが挙げられる。
シャトル3は、無限軌道2上を周回可能な構造体であって、例えば一般構造用圧延鋼材(SS400など)やアルミニウムなどの金属で形成されている。そしてシャトル3は無限軌道2内に設置された駆動部からの推力が伝達される従動チェーン33などを備えている。
包装材供給装置4は、シャトル3に搭載されるとともに、上述した包装材Lを支持してシャトル3の周回に伴って包装材Lを引き出すことができる。また、包装材供給装置4は、引き出される包装材Lの一部に生ずる張力が一定となるように維持する張力制御機構41を備えている。換言すれば、本実施形態の包装材供給装置4は、シャトル3に搭載されるとともに、シャトル3の周回に伴って引き出される包装材Lを保持する機能を有している。この包装材供給装置4は、後に別途図面を用いて詳述される。
一方、支持装置5内には電動モータ54が搭載され、上述した制御装置53の制御の下で電動モータ54を介して被包装物支持部52を回転させることにより、包装処理中に被包装物Sが順次回転して適切なラッピングが可能となっている。なお、この電動モータ54は不図示の商用電源と接続されて電力が適宜供給されるようになっている。
なお第1クランプ装置60の詳細な構成は、後に図6を用いて詳述する。
なお第2クランプ装置70の詳細な構成は、後に図7を用いて詳述する。
なお、図2(a)は無限軌道2のうち直線部Dにおける部分斜視図を示し、図2(b)は曲線部Cにおける部分斜視図を示し、図2(c)は無限軌道2における直線部Dと曲線部Cの位置関係を示している。
本実施形態の無限軌道2は、構造躯体としてのフレーム20、フレーム20内で回転可能に接地される複数のスプロケット21、このスプロケット21を回転させるための駆動チェーン22、この無限軌道2の一部を開閉させるための開閉機構23、および駆動チェーン22を駆動させる電動モータ24などを含んで構成されている。
スプロケット21は、例えば一般構造用圧延鋼材(SS400など)や機械構造用炭素鋼(S45Cなど)等の金属をプレス加工や切削加工などすることにより製造され、上述したとおり直線部D内で設置される第1スプロケット21a(図2(a))と、曲線部C内に配置される第2スプロケット21b(図2(b))とを含んで構成されている。換言すれば、本実施形態の第1スプロケット21aは、直線部Dに配置されるとともに第1従動チェーン(後述)に対応している。また、第2スプロケット21bは、曲線部Cに配置されるとともに第2従動チェーン(後述)に対応している。
開閉機構23は、被包装物Sを無限軌道2に対して着脱する際に、開口端部E(図1参照)を境にして無限軌道2の一部を不図示のモータを介して開閉させる機構である。このモータも、上記した商用電源と接続されている。なお、開閉機構23はモータを介さずに上記した無限軌道2の一部を開閉させてもよい。
より詳細には、図3に示されるとおり、曲線部Cにおいては、A−A断面、B−B断面およびC−C断面で示されるように第2スプロケット21bが第2配置形態で配置されている。一方で、直線部Dにおいては、D−D断面およびE−E断面で示されるように第1スプロケット21aが第1配置形態で配置されている。
まず図4(a)〜(c)に示されるように、本実施形態のシャトル3は、基台31と、基台31内に配置される従動チェーン33(33a、33b)を含んで構成されている。さらにシャトル3は、基台31上に包装材供給装置4を支持可能となっている。
基台31は例えば一般構造用圧延鋼材(SS400など)やアルミニウムなどの金属で構成され、基台31の上面には不図示の締結部材を介して包装材供給装置4が固定される。また、基台31の下面にはチェーンマウンター32を介して一組の従動チェーン33が設置される。
本実施形態では、第1スプロケット21aは無限軌道2の直線部D(図1参照)に配置されているので、図4(b)に示すように第1従動チェーン33aはその外形が直線状となっている。一方、第2スプロケット21bは無限軌道2の曲線部C(図1参照)に配置されているので、図4(c)に示すように第2従動チェーン33bは曲線部Cに倣うようにその外形形状は曲線状となっている。
また、直線部Dにおいても、隣り合う第1スプロケット21a間の距離P1(図4(b)参照)は、第1従動チェーン33aの進行方向(X方向)における長さよりも短くなっている。従って、シャトル3が無限軌道2上を周回する際に、直線部Dにおいても推進力が途切れなく第1スプロケット21aを通じて伝達されることになる。
より具体的に本実施形態の包装材供給装置4は、包装材Lを回転可能に支持する支持部41を有するとともに、シャトル3の周回に伴って支持部41に支持された包装材Lの一部を引き出す機能を備えている。
そして本実施形態の包装材供給装置4は、引き出される包装材Lの一部に生ずる張力が一定となるように維持する張力制御機構42を更に備えていることが特徴の1つとなっている。
なお、本実施形態においては、シャトル3には包装材供給装置4のスプリング部材43が搭載されている。これにより、外部から動力の伝達を受けることなくスプリング部材43によってロール部材42aを包装材Lに押し付けることができるとともに、回動部材42bによってロール部材42aを半径方向Rに移動させることが可能となっている。
ここで本実施形態の減速機構42cは、図5(b)に示すように、ロール部材41aの回転を抑制するブレーキ機構Brを含んで構成されている。このブレーキ機構Brとしては、例えば自動車や自転車などにも適用されているディスクブレーキが例示でき、ロール部材42aの少なくとも一端面に設置される。そして図5(b)に示すとおり、ロール部材42aを所定の圧を以って挟持することで、ブレーキ機構Brはロール部材42aの回転に所定の減速効果を付与することが可能となっている。
また、包装材供給装置4は、上記以外にもガイドローラーなど上述した特許文献などにも用いられる公知の構成を含んでいてもよいが、ここではその説明は省略する。
すなわち、図5(c)に示すとおり、支持部41に支持された包装材Lの一部が包装材供給装置4により引き出されたことを想定する。
このとき、引き出された包装材Lは、ロール部材42aの接触面に倣って引き出し方向を変化させながら、後段に設置される部材(上記したルーパー部材44など)へと引き出されていく。
ここで図5(c)に示すように、支持部41から引き出された包装材Lにかかる張力をT1とし、引き出された包装材Lがロール部材42aの接触面と接触する角度をθとする。すると、上述したとおりロール部材42aの上記接触面は摩擦係数がμ0であるので、ロール部材42aを経て引き出された包装材Lにかかる張力T2は以下に示す式(1)で表現される。
T2=eμ0θ・T1 ・・・(1)
これに対して本実施形態では、包装材Lの使用によってその径が変化したとしても、回動部材42bとスプリング部材43の作用により、ロール部材42aは包装材Lの最外周面に常時接近していることができる。
したがって、式(1)で表現されるT2の値も実質的に変化せず、包装材Lの径の変化(すなわち使用の状態)に依らず一定の値となる。
例えば包装材Lにおける径の変化を検出する公知の厚み検出センサー(光学センサーや超音波測定器、厚みゲージなど)を包装材供給装置4に配置し、この厚み検出センサーの検出結果に応じて減速機構42c(ブレーキ機構Br)がロール部材42aに付与する圧力を調整してもよい。
また、減速機構42c(ブレーキ機構Br)によるブレーキ度合を変化させる場合には、回動部材42bも省略してもよく、この場合にはロール部材42aは半径方向Rに移動せず固定して包装材供給装置4に設置される。
まず図6に示すとおり、第1クランプ装置60は、引き出された包装材Lの一部を把持する機能を有し、直動機構61、回転機構62、クランプハンド63、およびカット機構64を含んで構成されている。この第1クランプ装置60は、包装材Lの端末処理において第2クランプ装置70と協働する機能を有している。
直動機構61は、第1クランプ装置60の「駆動部」に相当し、後述するクランプハンド63をY方向に関して進退移動させる。この直動機構61としては種々の公知の構成が適用可能であり、例えばモータとベアリングを用いた組み合わせなどが挙げられる。
このように、本実施形態では、直動機構61と回転機構62により駆動部が構成されている。これにより、クランプハンド63を無限軌道2の内側に対して進退移動させるとともに、進退移動する方向を軸としてクランプハンド63を回転させることが可能となっている。
カット機構64は、第1クランプ装置60に搭載され、例えば被包装物Sとクランプハンド63の把持位置の間に位置する包装材の一部を切断する機能を有している。なおカット機構64としては、例えば物理的に鋭利な刃を用いてもよいし、熱を利用して焼き切るヒートカッティング機構を用いてもよい。
具体的に図7に示すとおり、第2クランプ装置70は、接続端71、本体72、クランプハンド73、添付機構74、および計測センサー75を含んで構成されている。
接続端71は、駆動アームRA(図1参照)と接続される部位であり、例えばボルトなど公知の締結材を介して本体72側と駆動アームRAとが固定される。なお駆動アームRAは、クランプハンド73を6自由度で移動可能であり、例えば6自由度を有するロボットハンドが好適である。また、駆動アームRAは、6自由度のロボットハンドでなくともよく他の公知の駆動機構を用いてもよい。
クランプハンド73は、第2クランプ装置70の「第2把持ハンド」に相当し、包装材Lの一部を把持することが可能となっている。なおクランプハンド73としては種々の公知の挟み機構が適用可能であり、片開きタイプや両開きタイプなど適宜用いることができる。
計測センサー75は、被包装物S又は当該被包装物Sに包装された包装材Lに対する距離を計測する機能を有している(詳細な動作は後述する)。本実施形態の計測センサー75は、本体72に取り付けられて角度調整が可能となっている。この計測センサー75の機構としては特に制限はなく、例えば光学センサーなど種々の公知のセンサーを適用することができる。
次に、上記した実施形態における包装装置1を用いた包装動作の一例を説明する。
[初期準備]
包装材Lを用いて被包装物Sをラッピングするに際し、まず作業者は制御装置53を操作して開閉機構23を駆動させて無限軌道2の一部を開状態にさせる。
そして開口端部Eが開いた状態で、例えば不図示の台車に載置された被包装物S(上記した線材コイルなど)を被包装物支持部52上に載置する。このとき、被包装物Sの少なくとも一部は、無限軌道2の内側に挿入された状態(図2など参照)となっている。
一方で、シャトル3に固定された包装材供給装置4の包装材支持軸41には、被包装物Sを包装するための包装材Lが、その端末が少しだけ引き出された状態で設置される。なお、この包装材Lの設置方法としては種々の方法が適用可能であり、例えばフォークリフトやクレーンなどの搬送用機械を用いて設置してもよいし人力によって包装材Lを包装材支持軸41に設置してもよい。
[包装処理]
すなわち、まずステップ1として、フィルム(包装材L)交換後の最初の包装か否かが判断される。後述のとおり、包装材Lを使い切るまでに複数個の被包装物Sをラッピングすることもある。包装材Lを最初に使うときは、二回目以降と動作が異なるため本ステップで最初の包装か否かを判断しているのである。
本実施形態の第1開始シーケンスについて、図9及び図11を用いて具体的に説明する。
最初に、第1把持ハンド(クランプハンド63)を待機位置(Y方向に直進すれば図11(b)の位置となる場所)に移動させるとともに、シャトル3を原点位置(例えば無限軌道2のうち下側の直線部Dにおける端部。図11(a)参照)へそれぞれ移動させる(ステップ21)。
次に、図11(a)に示すように、第2把持ハンド(クランプハンド73)で包装材供給装置4に搭載された包装材Lを把持して引き出す処理を行う(ステップ22)。これにより、包装材Lの一部を把持したまま第2把持ハンドは被包装物Sの上方へ移動して位置付けられる。
続いて、第2把持ハンドが包装材Lを把持した状態で第1把持ハンドも包装材Lを把持した後に、第1クランプ装置60のカット機構64で包装材Lの一部を切断する処理を行う(ステップ24)。
ステップ24で包装材Lを切断した後は、図11(c)に示すように、第2把持ハンドは包装材Lの切れ端を把持したまま無限軌道2内から退避し、これと並行して第1把持ハンドは回転機構62によって回転するとともにシャトル3が無限軌道2内で周回を開始する(ステップ25)。なお、第2把持ハンドは、上記退避動作の過程において包装材Lの切れ端を不図示の排気ボックスに廃棄する動作を行ってもよい。
また、制御装置53は、シャトル3が周回する動作を行っている最中には第2支持部52を適宜駆動させて被包装物SをXθ方向に回転させる制御を行う。なお、この制御は作業者が目視で操作してもよいし、予めプログラミングして制御装置53により自動で行ってもよい。
続いて、図11(e)に示すように、シャトル3が2周目に入った後で、第1把持ハンドは包装材Lの把持を解放する(ステップ27)。より具体的には、包装材Lが被包装物Sに対して二重に重なる部位が出た以降に、第1把持ハンドは包装材Lの把持を解放する動作を行う。これにより、二重に重なった包装材L同士で摩擦力が働いて被包装物Sから包装材Lが抜けてしまうことが抑制される。
なお、上記把持を解放するタイミングとしては、シャトル3が上記原点位置を基準として二周目に入った後、且つ、シャトル3が無限軌道2のうち下側の直線部(被包装物Sの内部を通過する軌道)に入った後となることが好ましい。
そしてステップ27で第1把持ハンドが包装材Lを解放した後は、図11(f)に示すように、シャトル3が無限軌道上を所定の回数だけ周回する(ステップ28)。この「所定の回数」は、被包装物Sの大きさや包装の厚みなどを考慮して適宜設定される。
すると、回転するスプロケット21と噛み合っている従動チェーン33を備えたシャトル3は、無限軌道2上で周回移動を開始する。なお、本実施形態では曲線部Cにおいては第2従動チェーン33bが曲線部Cの曲率半径と同様に曲がっているため、スプロケット21bからの推力が高い効率で第2従動チェーン33bへ伝達される。
このようにしてシャトル3が無限軌道2上における移動を継続して周回することで、包装材供給装置4から供給される包装材Lが被包装物Sに巻き付き、被包装物Sがラッピングされる。
このとき、上記した張力制御機構42の作用により、ロール部材42aを経て引き出された包装材Lにかかる張力T2はほぼ一定の値となっており、これにより被包装物Sに包装材Lをシワ無くラッピングすることが可能となっている。
ステップ1で最初の包装でないと判定された場合(すなわち被包装物Sは交換したが包装材Lは続けて使用する場合)、第2開始シーケンスが制御装置53で実行される(ステップ3)。
以下、本実施形態の第2開始シーケンスについて、図10及び図11を用いて具体的に説明する。
まず第2開始シーケンスの開始前、すなわち被包装物Sを交換した直後においては、シャトル3および第1把持ハンドは終了位置(例えば前回の包装処理を終えた際の位置。図13(d))にそれぞれ位置している。
続いて、図11(d)に示すように、シャトル3が無限軌道2内で2周目となる前に、第1把持ハンドは包装材Lを把持したまま無限軌道2内から外側(例えば−Y方向)へ退避する動作を行う(ステップ32)。これにより、シャトル3の2周目以降において、シャトル3と第1クランプ装置60(第1把持ハンドなど)とが衝突することを回避することが可能となる。
そしてステップ33で第1把持ハンドが包装材Lを解放した後は、図11(f)に示すように、シャトル3が無限軌道上を所定の回数だけ周回する(ステップ34)。この「所定の回数」は、被包装物Sの大きさや包装の厚みなどを考慮して適宜設定される。
ステップ2又はステップ3における開始シーケンスを実行した後は、制御装置53はシャトル3が所定の回数の周回を終えたか否かを判定する(ステップ4)。そしてステップ4でNoの場合には、シャトル3の周回を継続する制御を行う。
一方、ステップ4でYesの場合、制御装置53は終了シーケンスを実行する(ステップ5)。
まず終了シーケンスが開始されると、被包装物Sと第2把持ハンドとの距離を計測する(ステップ51)。より具体的には、図13(a)に示すとおり、シャトル3が無限軌道2を周回している中において、第2クランプ装置70の計測センサー75を被包装物Sの近傍に近づけて計測を行う。これにより、後述する添付処理が精度よく実行可能となる。
また、図13(b)のとおり、第2クランプ装置70が包装材Lを把持するときは、添付機構74が添付処理を行えるよう当該添付機構74を下方に向けることが好ましい。
カット機構64による切断処理が完了した後は、図13(c)のとおり、添付機構74で包装材Lの端末を被包装物Sに添付する処理を行う(ステップ55)。より具体的には第2クランプ装置70の駆動アームRAは、図13(c)で示した軌跡に基づいて添付機構74を移動させることで、包装材Lの端末が被包装物S上に既に包装された包装材Lに添付される。これにより、包装材Lの端末が確実で綺麗に被包装材Sに包装されることとなる。
以上の動作によって、包装材供給装置4に支持された包装材Lが、シワ無く効率的に被包装物Sに対して包装されることが可能となる。
・第1クランプ装置60の第1把持ハンドを用いて包装材Lの本体(支持部41に支持された部位)と被包装物Sの間に位置する包装材Lの一部を把持すること
・第2クランプ装置70の第2把持ハンドを用いて第1把持ハンドとは異なる位置で当該包装材Lの他の一部を把持すること
・第2把持ハンドで当該包装材Lを把持した後で包装材Lを引き出すこと
・引き出された包装材Lに対して第1把持ハンドで当該包装材の一部を把持すること
・第1把持ハンドが包装材Lを把持した後に第2把持ハンドは包装材Lの把持を解除し、シャトル3の周回に応じて無限軌道2の内側から第1把持ハンドが退避すること
・シャトル3が周回して被包装物Sを包装する包装材Lの一部が重なったとき以降に、第1把持ハンドは包装材Lの把持を解除すること
・第1把持ハンドと第2把持ハンドで当該包装材Lを把持した後で、第1把持ハンドと第2把持ハンドの間に位置する包装材Lの一部をカット機構で切断すること
・包装材Lを切断した後で、包装材Lの端末を把持する第2把持ハンドを被包装物Sに対して接近させるとともに、添付機構74で包装材Lの端末(残余材)を既に被包装物Sに包装された包装材L上に添加すること
図14は、本発明の変形例1にかかる張力制御機構を示す模式図である。
上記した実施形態では、図7に示されるとおり、添付機構74は、クランプハンド73が包装材Lを把持したときに、添付機構74が当該包装材Lとほぼ平行になるように本体72に設けられていた。
これに対して変形例1では、クランプハンド73に把持された包装材Lと添付機構74が非平行となっていることに特徴がある。
なお、上記した傾きθは任意の角度を設定することができる。
そして変形例1によれば、添付機構74が添付処理における移動方向に対して斜めに傾いているため、包装材Lの端末をより綺麗に被包装物Sに添付することが可能となる。
なお、上記した実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
2 無限軌道
3 シャトル
4 包装材供給装置
5 支持装置
20 フレーム
21 スプロケット
22 駆動チェーン
23 開閉機構
24 電動モータ
25 駆動用スプロケット
31 基台
32 チェーンマウンター
33 従動チェーン
41 支持部
42 張力制御機構
42a ロール部材
42b 回動部材
42c 減速機構
43 スプリング部材
44 ルーパー部材
51 第1支持部
52 第2支持部
53 制御装置
54 電動モータ
60 第1クランプ装置
61 直動機構
62 回転機構
63 クランプハンド(第1把持ハンド)
64 カット機構
70 第2クランプ装置
71 接続端
72 本体
73 クランプハンド(第2把持ハンド)
74 添付機構
75 計測センサー
L 包装材
S 被包装物
E 開口端部
Br ブレーキ機構
Claims (4)
- 包装材を搭載するシャトルが無限軌道上で周回することで被包装物に対して包装を行う包装装置における包装材の端末処理システムであって、
引き出された前記包装材の一部を把持可能な第1クランプ装置と、
前記第1クランプ装置に搭載されて前記包装材の一部を切断するカット機構と、
前記第1クランプ装置とは独立して移動制御されるとともに、前記第1クランプ装置が前記包装材を把持する位置とは異なる位置で当該包装材の一部を把持可能な第2クランプ装置と、
前記第2クランプ装置に搭載されて、前記カット機構で切断された前記包装材の端末を、既に前記被包装物に包装された包装材上に添加する添付機構と、
を備えることを特徴とする包装材の端末処理システム。 - 前記第1クランプ装置は、
前記包装材の一部を把持する第1把持ハンドと、
前記第1把持ハンドを前記無限軌道の内側に対して進退移動させるとともに、前記進退移動する方向を軸として前記第1把持ハンドを回転させる駆動部と、
を含む請求項1に記載の包装材の端末処理システム。 - 前記第2クランプ装置は、
前記包装材の一部を把持する第2把持ハンドと、
前記第2把持ハンドを6軸自由度で駆動する駆動アームと、
前記被包装物又は当該被包装物に包装された包装材に対する距離を計測する計測センサーと、
を含む請求項1又は2に記載の包装材の端末処理システム。 - 包装材を搭載するシャトルが無限軌道上で周回することで被包装物に対して包装を行う包装装置における包装材の端末処理方法であって、
引き出された前記包装材の一部を把持可能な第1クランプ装置と、前記第1クランプ装置に搭載されて前記包装材の一部を切断するカット機構と、前記第1クランプ装置とは独立して移動制御されるとともに、前記第1クランプ装置が前記包装材を把持する位置とは異なる位置で当該包装材の一部を把持可能な第2クランプ装置と、前記第2クランプ装置に搭載されて、前記カット機構で切断された前記包装材の端末を、既に前記被包装物に包装された包装材上に添加する添付機構と、を備える包装材の端末処理システムを用い、
前記第1クランプ装置の第1把持ハンドで、前記包装材の本体と前記被包装物の間に位置する前記包装材の一部を把持する工程と、
前記第1クランプ装置とは独立して移動制御される第2クランプ装置の第2把持ハンドで、前記第1把持ハンドとは異なる位置で当該包装材の他の一部を把持する工程と、
前記カット機構で、前記第1把持ハンドおよび前記第2把持ハンドでそれぞれ把持された前記包装材の一部を切断する工程と、
前記添付機構で、前記カット機構で切断された前記包装材の端末を、既に前記被包装物に包装された包装材上に添加する工程と、
を有することを特徴とする包装材の端末処理方法。
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