JP6058766B1 - 包装装置およびこの包装装置における張力制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
かかる装置の作動にあたっては、閉鎖した環状軌道内に被包装物の一部を配置して支持手段で支持し、環状軌道に沿って台車駆動手段を設けて台車に連携させつつ台車駆動手段を駆動することにより台車を環状軌道に沿って周回させている。
かかる包装装置によれば、環状案内体の外に配置した包装材供給手段の包装材供給源を大きくする場合であっても、これが原因で環状案内体に沿って移動する移動体が環状案内体の内部空間内に配置される被包装物と干渉することはなくなる。
すなわちこれら特許文献1乃至3によれば、シャトルあるいは台車に搭載された包装材を引っ張り出して被包装物を包装するのであるが、この包装材を引っ張り出す際の包装材にかかる張力を一定化することに関しては何ら着目がなされていない。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたもので、構造が簡単で且つ上記した張力を一定にするための機構を実現した包装装置およびその張力制御の方法を提供することを目的とする。
また、上記(2)又は(3)の包装装置においては、(4)前記ロール部材は回転可能に構成され、前記減速機構は、前記ロール部材の回転を抑制するブレーキ機構を含むことが好ましい。
また、上記(2)又は(3)の包装装置においては、(5)前記減速機構は、前記ロール部材のうち前記包装材の一部が接触する面に施された粗面処理部を含むことが好ましい。
また、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の包装装置においては、(6)前記包装材供給装置は、前記張力制御機構の後段に配置されて、引き出された前記包装材の一部に生じた緩みを解消するルーパー部材をさらに有することが好ましい。
<包装装置1の構成>
図1は本発明の実施形態にかかる包装装置1を示す概略正面図であり、図2はこの包装装置1を示す概略側面図である。
図1および図2から明らかなとおり、本実施形態にかかる包装装置1は、少なくとも一部で開閉が可能な無限軌道2と、この無限軌道2上で周回可能なシャトル3と、このシャトル3に搭載されて包装材L(後述)を保持する包装材供給装置4と、この包装材Lにより包装される被包装物Sを支持する支持装置5と、を具備している。
なお、図1では説明の便宜上、合計7つのシャトル3が描かれているが、これに限られず少なくとも1つのシャトル3(及び包装材供給装置4)が無限軌道2上で周回される形態であればよい。
また、包装材Lは、上述した被包装物Sを拘束するための材料であれば種々適用が可能であり、例えば公知のストレッチ樹脂フィルムや拘束用途の弾性変形可能な紙材などが挙げられる。
シャトル3は、無限軌道2上を周回可能な構造体であって、例えば一般構造用圧延鋼材(SS400など)やアルミニウムなどの金属で形成されている。そしてシャトル3は無限軌道2内に設置された駆動部からの推力が伝達される従動チェーン33などを備えている。
包装材供給装置4は、シャトル3に搭載されるとともに、上述した包装材Lを支持してシャトル3の周回に伴って包装材Lを引き出すことができる。また、包装材供給装置4は、引き出される包装材Lの一部に生ずる張力が一定となるように維持する張力制御機構41を備えている。この包装材供給装置4は、後に別途図面を用いて詳述される。
一方、支持装置5内には電動モータ54が搭載され、上述した制御装置53の制御の下で電動モータ54を介して被包装物支持部52を回転させることにより、包装動作中に被包装物Sが順次回転して適切なラッピングが可能となっている。なお、この電動モータ54は不図示の商用電源と接続されて電力が適宜供給されるようになっている。
本実施形態のシャトル3は、基台31と、基台31内に配置される従動チェーン33(33a、33b)を含んで構成されている。さらにシャトル3は、基台31上に包装材供給装置4を支持可能となっている。
基台31は例えば一般構造用圧延鋼材(SS400など)やアルミニウムなどの金属で構成され、基台31の上面には不図示の締結部材を介して包装材供給装置4が固定される。また、基台31の下面にはチェーンマウンター32を介して一組の従動チェーン33が設置される。
本実施形態では、後述するとおり第1スプロケット21aは無限軌道2の直線部D(図1参照)に配置されているので、図3(b)に示すように第1従動チェーン33aはその外形が直線状となっている。一方、第2スプロケット21bは無限軌道2の曲線部C(図1参照)に配置されているので、図3(c)に示すように第2従動チェーン33bは曲線部Cに倣うようにその外形形状は曲線状となっている。
なお、図4は無限軌道2のうち直線部Dにおける部分斜視図を示し、図5は曲線部Cにおける部分斜視図を示している。
各図から明らかなとおり、本実施形態の無限軌道2は、構造躯体としてのフレーム20、フレーム20内で回転可能に接地される複数のスプロケット21、このスプロケット21を回転させるための駆動チェーン22、この無限軌道2の一部を開閉させるための開閉機構23、および駆動チェーン22を駆動させる電動モータ24などを含んで構成されている。
スプロケット21は、例えば一般構造用圧延鋼材(SS400など)や機械構造用炭素鋼(S45Cなど)等の金属をプレス加工や切削加工などすることにより製造され、上述したとおり直線部D内で設置される第1スプロケット21a(図4)と、曲線部C内に配置される第2スプロケット21b(図5)とを含んで構成されている。
開閉機構23は、被包装物Sを無限軌道2に対して着脱する際に、開口端部E(図1参照)を境にして無限軌道2の一部を不図示の電動モータを介して開閉させる機構である。この電動モータも、上記した商用電源と接続されている。なお、開閉機構23は電動モータを介さずに上記した無限軌道2の一部を開閉させてもよい。
例えば上記した無限軌道2のうち曲線部Cにおいては、シャトル3側の第1従動チェーン33aはスプロケット21とは噛み合っておらず、フリーの状態となっている。一方で駆動チェーン22が駆動することで回転する第2スプロケット21bと第2従動チェーン33bとが噛み合っており、これによりシャトル3は進行方向への推力を得て無限軌道2上を周回可能となっている。
また、直線部Dにおいても、隣り合う第1スプロケット21a間の距離P1(図4(b)参照)は、第1従動チェーン33aの進行方向(X方向)における長さよりも短くなっている。従って、シャトル3が無限軌道2上を周回する際に、直線部Dにおいても推進力が途切れなく第1スプロケット21aを通じて伝達されることになる。
まず図7に、本実施形態のシャトル3に搭載された包装材供給装置4(一例)の外観斜視図を示す。
上述したとおり、この包装材供給装置4は、締結部材などを介してシャトル3の基台31に搭載(固定)され、シャトル3が無限軌道2上を移動することにより包装材Lの一部が引き出されて被包装物Sが包装される仕組みとなっている。
この支持部41は、シャトル3の基台31上に搭載(固定)されてなり、例えば中空又は中実の金属棒がベアリングなどの公知の軸受を介して回転可能に支持された構造となっている。
そして本実施形態の包装材供給装置4は、引き出される包装材Lの一部に生ずる張力が一定となるように維持する張力制御機構42を更に備えていることが特徴の1つとなっている。
なお、本実施形態においては、シャトル3には包装材供給装置4のスプリング部材43が搭載されている。これにより、外部から動力の伝達を受けることなくスプリング部材43によってロール部材42aを包装材Lに押し付けることができるとともに、回動部材42bによってロール部材42aを半径方向Rに移動させることが可能となっている。
ここで本実施形態の減速機構42cは、図9に示すように、ロール部材41aの回転を抑制するブレーキ機構Brを含んで構成されている。このブレーキ機構Brとしては、例えば自動車や自転車などにも適用されているディスクブレーキが例示でき、ロール部材42aの両端にそれぞれ設置される。そして図9に示すとおり、ロール部材42aを所定の圧を以って挟持することで、ブレーキ機構Brはロール部材42aの回転に所定の減速効果を付与することが可能となっている。
また、包装材供給装置4は、上記以外にもガイドローラーなど上述した特許文献などにも用いられる公知の構成を含んでいてもよいが、ここではその説明は省略する。
図10に示すとおり、支持部41に支持された包装材Lの一部が包装材供給装置4により引き出されたことを想定する。
このとき、引き出された包装材Lは、ロール部材42aの接触面に倣って引き出し方向を変化させながら、後段に設置される部材(上記したルーパー部材44など)へと引き出されていく。
ここで図10に示すように、支持部41から引き出された包装材Lにかかる張力をT1とし、引き出された包装材Lがロール部材42aの接触面と接触する角度をθとする。すると、上述したとおりロール部材42aの上記接触面は摩擦係数がμ0であるので、ロール部材42aを経て引き出された包装材Lにかかる張力T2は以下に示す式(1)で表現される。
これに対して本実施形態では、包装材Lの使用によってその径が変化したとしても、回動部材42bとスプリング部材43の作用により、ロール部材42aは包装材Lの最外周面に常時接近していることができる。
したがって、式(1)で表現されるT2の値も実質的に変化せず、包装材Lの径の変化(すなわち使用の状態)に依らず一定の値となる。
例えば包装材Lにおける径の変化を検出する公知の厚み検出センサー(光学センサーや超音波測定器、厚みゲージなど)を包装材供給装置4に配置し、この厚み検出センサーの検出結果に応じて減速機構42c(ブレーキ機構Br)がロール部材42aに付与する圧力を調整してもよい。
また、減速機構42c(ブレーキ機構Br)によるブレーキ度合を変化させる場合には、回動部材42bも省略してもよく、この場合にはロール部材42aは半径方向Rに移動せず固定して包装材供給装置4に設置される。
次に、上記した実施形態における包装装置1を用いた包装動作の一例を説明する。
包装材Lを用いて被包装物Sをラッピングするに際し、まず作業者は制御装置53を用いて開閉機構23を駆動させて無限軌道2の一部を開状態にさせる。
そして開口端部Eが開いた状態で、例えば不図示の台車に載置された被包装物S(上記した線材コイルなど)を被包装物支持部52上に載置する。このとき、被包装物Sの少なくとも一部は、無限軌道2の内側に挿入された状態(図2など参照)となっている。
一方で、シャトル3に固定された包装材供給装置4の包装材支持軸41には、被包装物Sを包装するための包装材Lが設置されている。なお、この包装材Lの設置方法としては種々の方法が適用可能であり、例えばフォークリフトやクレーンなどの搬送用機械を用いて設置してもよいし人力によって包装材Lを包装材支持軸41に設置してもよい。
より具体的には、例えば以下のいずれかの方法で上記引き出し作業が実施される。
すなわち、まず第1包装動作としては次の順に従って作業が実施される。
<第1包装動作>
まず機械又は人手により包装材Lの一部を引き出し、上記した包装材供給装置4内の不図示のテンション調整機構や包装材切断機構を通過させてロール部材42aを経てルーパー部材44まで到達させる。さらにルーパー部材44から包装材Lの一部を更に引き出して被包装物Sに固定させる。なお、この固定方法としては特に限定はなく、例えば被包装物Sに対して一回りだけ包装材Lを巻き付けて固定してもよいし、ピンなどの公知の仮留め部品を用いて一時的に包装材Lの一部を被包装物Sに固定させてもよい。
すると、回転するスプロケット21と噛み合っている従動チェーン33を備えたシャトル3は、無限軌道2上で周回移動を開始する。なお、本実施形態では曲線部Cにおいては第2従動チェーン33bが曲線部Cの曲率半径と同様に曲がっているため、スプロケット21bからの推力が高い効率で第2従動チェーン33bへ伝達される。
制御装置53は、シャトル3が上記周回する動作を行っている最中に適宜電動モータ54を介して第2支持部52を駆動させ、これにより被包装物SをXθ方向に回転させる制御を行う。なお、この制御は作業者が目視で操作してもよいし、予めプログラミングして制御装置53により自動で行ってもよい。
以上の動作によって、包装材供給装置4に支持された包装材Lが、シワ無く効率的に被包装物Sに対して包装される。
第2の方法としては、次の順に従って作業が実施される。
まず図2の状態にあるクランプ装置60により、支持部41に支持された包装材Lの一部(始端など)をクランプさせる。次いで、その状態を維持したまま包装材Lが被包装物Sに接触するようにシャトル3を無限軌道2上で例えば半周〜1周弱ほど周回させる。次いで、クランプ装置60を後退(図2における−Y方向に移動)させることで、被包装物Sと包装材Lとの間でクランプ装置60が挟まれないようにする。
その後は、目的とするラッピングの厚みに応じてシャトル3が無限軌道2上を周回するとともに、上述したとおり適宜電動モータ54を介して第2支持部52が駆動されて被包装物SがXθ方向に回転される制御が行われる。
このとき、上記した張力制御機構42の作用により、ロール部材42aを経て引き出された包装材Lにかかる張力T2はほぼ一定の値となっており、これにより被包装物Sに包装材Lをシワ無くラッピングすることが可能となっている。
このように、第1包装動作と第2包装動作のいずれにおいても、包装材Lの一部が引き出されることによって生じた包装材Lの外径変化に追従させてロール部材42aを移動させることで、包装材Lの一部に生ずる張力を一定の値に維持することが可能となっている。
なお、上記した実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
2 無限軌道
3 シャトル
4 包装材供給装置
5 支持装置
20 フレーム
21 スプロケット
22 駆動チェーン
23 開閉機構
24 電動モータ
25 駆動用スプロケット
31 基台
32 チェーンマウンター
33 従動チェーン
41 支持部
42 張力制御機構
42a ロール部材
42b 回動部材
42c 減速機構
43 スプリング部材
44 ルーパー部材
51 第1支持部
52 第2支持部
53 制御装置
54 電動モータ
60 クランプ機構
L 包装材
S 被包装物
E 開口端部
Br ブレーキ機構
Claims (6)
- 少なくとも一部で開閉が可能であって、所定のピッチで各々配置されて回転可能な複数のスプロケットを備えた無限軌道と、
前記スプロケットから推力が伝達される従動チェーンを備え、前記無限軌道上で周回可能なシャトルと、
前記シャトルに搭載され、包装材を回転可能に支持する支持部を有するとともに前記シャトルの周回に伴って前記支持部に支持された前記包装材の一部を引き出す包装材供給装置と、
少なくとも一部が前記無限軌道に包囲される被包装物を支持する支持装置と、を具備し、
前記従動チェーンは、第1曲線上に配置されて前記スプロケットに連動する第1従動チェーンと、前記第1曲線とは異なる第2曲線上に配置されて前記スプロケットに連動する第2従動チェーンを含み、
前記包装材供給装置は、引き出される前記包装材の一部に生ずる張力が一定となるように維持する張力制御機構を更に備えることを特徴とする包装装置。 - 前記張力制御機構は、
前記支持部に支持された包装材と接触して前記包装材の一部を巻き込むロール部材と、
前記ロール部材を支持し、前記包装材の外径変化に追従して前記ロール部材を前記包装材の半径方向に移動可能な回動部材と、
前記ロール部材に搭載されて、前記包装材の一部が引き出される方向と逆向きの方向に減速を与える減速機構と、
を含む請求項1に記載の包装装置。 - 前記シャトルにはスプリング部材が搭載され、
外部から動力の伝達を受けることなく前記スプリング部材によって前記ロール部材を前記包装材に押し付けつつ、前記回動部材によって前記ロール部材を前記半径方向に移動させる請求項2に記載の包装装置。 - 前記ロール部材は回転可能に構成され、
前記減速機構は、前記ロール部材の回転を抑制するブレーキ機構を含む請求項2又は3に記載の包装装置。 - 前記包装材供給装置は、前記張力制御機構の後段に配置されて、引き出された前記包装材の一部に生じた緩みを解消するルーパー部材をさらに有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の包装装置。
- 所定のピッチで各々配置されて回転可能な複数のスプロケットを備えた無限軌道に少なくとも一部が包囲される被包装物に対し、前記スプロケットから推力が伝達される従動チェーンを備えて当該無限軌道上を周回可能なシャトルに搭載された包装材の一部を引き出して包装を行う包装装置における包装材の張力制御方法であって、
前記従動チェーンは、第1曲線上に配置されて前記スプロケットに連動する第1従動チェーンと、前記第1曲線とは異なる第2曲線上に配置されて前記スプロケットに連動する第2従動チェーンを含み、
前記従動チェーンによる前記シャトルの周回に伴って前記包装材の一部を引き出すことと、
前記引き出された包装材の一部を巻き込むロール部材を前記包装材に押し付けることと、
前記包装材の一部が引き出されることによって生じた前記包装材の外径変化に追従させて前記ロール部材を移動させることで、前記包装材の一部に生ずる張力を一定の値に維持すること、を含むことを特徴とする包装材の張力制御方法。
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