JPH10320750A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH10320750A
JPH10320750A JP12579097A JP12579097A JPH10320750A JP H10320750 A JPH10320750 A JP H10320750A JP 12579097 A JP12579097 A JP 12579097A JP 12579097 A JP12579097 A JP 12579097A JP H10320750 A JPH10320750 A JP H10320750A
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magnetic recording
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JP12579097A
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Inventor
Akira Ishikawa
彰 石川
Mitsuhiro Katashima
充弘 片嶋
Katsutoshi Hara
克俊 原
Kazutoshi Otsuka
和俊 大塚
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で入手容易なポリエステル系のフィルム
を用いて、電磁変換特性と耐久性とを兼ね備えた高容
量、高密度の磁気記録媒体を提供すること。 【解決手段】 非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤
とを含む磁性層を具備する磁気記録媒体において、上記
非磁性支持体が、厚み1.5〜5.5μmで、幅方向の
ヤング率が800〜1200kg/mm2 で、JIS−
B0601−1994で定義される表面粗さRaが0.
0010〜0.0080μmで且つJIS−B0601
−1994で定義される表面粗さRzが0.010〜
0.070μmである、ポリエステル系フィルムからな
り、上記磁気記録媒体の全厚みが上記非磁性支持体の厚
みの1倍超1.5倍以下であることを特徴とする磁気記
録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁変換特性に優
れる磁気記録媒体に関し、特に薄型でありながら高容量
を達成するのに適した磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
コンピュータ用のデータ記憶用としての磁気記録媒体に
対して、記録の高容量化の要求が急速に高まってきてい
る。記録の高容量化の方策としては、磁気記録媒体にお
ける記録密度を高める方法と、磁気記録媒体の記録層の
面積を大きくして記録容量を増やす方法等が挙げられ
る。前者の方法としては、塗布型の磁気記録媒体媒体に
おいては保磁力が高く、しかも粒径の小さい強磁性粉末
を用いる方法や、磁性塗料中のバインダ量を減らして強
磁性粉末の密度を増加させる方法等が考えられる。ま
た、後者の方法としては、例えば磁気テープの様にテー
プ状媒体をカセット内に収納するタイプの場合には、テ
ープの厚みを薄くすることによって収納できるテープの
量を増やすことにより記録容量を増やす方法等が考えら
れる。
【0003】しかしながら、上述した記録密度を上げる
のに、強磁性粉末の粒径を小さくする方法をとった場
合、磁性塗料中での強磁性粉末を良好に分散させること
が難しいため、粒径を小さくすることには現在のところ
限界がある。また、バインダ量を減らして強磁性粉末の
量を相対的に増やす方法は、磁性層の強度に影響を及ぼ
すために耐久性の面で問題が生じる可能性が高い。
【0004】また、上述した記録容量を増やすのに媒体
の厚みを薄くする方法をとった場合、必然的にベースフ
ィルムの厚みを薄くする必要がある。この場合には、薄
いベースフィルム上に適当な厚みの塗膜を設けるので、
ベースフィルムには適度な強度が要求されることにな
る。現在最も一般的にベースフィルムとして使用されて
いる材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエ
ステル系フィルムが挙げられる。これらの材料をベース
フィルムとして用いた従来の磁気記録媒体においては、
該ベースフィルムの厚みが6μm〜20μmのものが一
般的に使用されている。これらをたとえば4μm等の薄
いものとすると、強度および弾性が不足してしまい、磁
性塗膜を設けるとたわみが生じ易くなるので、磁気記録
媒体として使用することが困難となる。
【0005】ポリエステル系フィルムの代わりに用い得
る、薄くても適度な強度を有する材料として、ポリアミ
ド系のフィルムが挙げられるが、これは工業的な製造方
法が現在のところ複雑な行程を要するので、高価であ
り、しかも安定に入手することが困難な状態である。従
って、現在のところ工業的にはポリエステル系フィルム
を使用する方が供給の点からは有利である。
【0006】従って、本発明の目的は、安価で入手容易
なポリエステル系のフィルムを用いて、電磁変換特性と
耐久性とを兼ね備えた高容量、高密度の磁気記録媒体を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を行った結果、非磁性支持体として
用いられるポリエステル系フィルムの厚みと幅方向の弾
性と表面粗さとを特定の範囲の値に規定し、しかも磁気
記録媒体の全厚みを該フィルム厚みに対して特定の範囲
に規定することによって、電磁変換特性および耐久性を
損ねることなく記録容量を向上し得る磁気記録媒体が得
らることを知見した。
【0008】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤とを含む磁
性層を具備する磁気記録媒体において、上記非磁性支持
体が、厚み1.5〜5.5μmで、幅方向のヤング率が
800〜1200kg/mm2 で、日本工業規格JIS
−B0601−1994で定義される表面粗さRa(算
術平均粗さ)が0.0010〜0.0080μmで且つ
日本工業規格JIS−B0601−1994で定義され
る表面粗さRz(十点平均粗さ)が0.010〜0.0
70μmである、ポリエステル系フィルムからなり、上
記磁気記録媒体の全厚みが上記非磁性支持体の厚みの1
倍超1.5倍以下であることを特徴とする磁気記録媒体
を提供することにより上記目的を達成したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体の好
ましい実施形態について、図面を参照して詳細に説明す
る。ここで、図1は、本発明の磁気録媒体の第1の実施
形態の構造を示す模式図である。
【0010】図1に例示した実施形態の磁気記録媒体1
においては、非磁性支持体2の一方の面上に磁性層3が
設けられ、他方の面上にバックコート層4が設けられて
いる。以下、斯かる磁気記録媒体1における非磁性支持
体2及び各層の詳細について説明する。
【0011】上記非磁性支持体2は、ポリエステル系フ
ィルムよりなる。具体的には、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレン
ジメチレンテレフタレート、ポリエチレンビスフェノキ
シカルボキシレートなどが挙げられ、使用に際してはこ
れらより選ばれる一種または二種以上を組み合わせたも
のが使用できる。これらのうちで、PET,PENが工
業的には製造が容易で、比較的安価であり、強度の面か
らも好ましく、特にPENが好ましい。
【0012】上記支持体2としては、幅方向のヤング率
が800〜1200kg/mm2 の範囲ものが使用され
ることが本発明の特徴の一つである。即ち、支持体の幅
方向のヤング率を特定の範囲に規定した点が本発明の特
徴の一つである。当該範囲のものを使用することによっ
て、該支持体上に磁性層を設けた磁気記録媒体の電磁変
換特性および耐久性が良好な状態となる。即ち、該幅方
向のヤング率が800kg/mm2 未満である場合に
は、再生時の出力が安定して得られにくくなり、しかも
磁性層の表面に強い衝撃が加わった場合には磁性層が破
損しやすい。一方、ヤング率が1200kg/mm2
超えるものは工業的に製造が困難であることから、当該
範囲とするものである。該幅方向のヤング率は850〜
1200kg/mm2 のものが磁性層の耐久性を高める
目的で好ましく、特に900〜1150kg/mm2
ものを使用することが好ましい。
【0013】また、上記支持体2の長手方向のヤング率
は、幅方向のヤング率の50〜200%の範囲であるこ
とが好ましい。長手方向のヤング率が当該範囲である
と、後述する実施例から明らかなように、薄型の磁気記
録媒体(例えば全厚み5μm以下)としたときのドロッ
プアウトが低減し電磁変換特性が良好となる。該長手方
向のヤング率が、特に60〜170%、更には80〜1
50%であると、磁気記録媒体を高速で回転させる場合
(即ち、磁気ディスクとして用いる場合)に歪みやたわ
みが生じにくくなり、出力安定性が良好となるので好ま
しい。尚、明細書において、支持体の長手方向とは、該
支持体を構成する上記ポリエステル系フィルムの製造過
程における該ポリエステル系フィルムの流れ方向(機械
方向、MD)をいい、幅方向とは、上記長手方向と直角
な方向いう。また、ヤング率は以下の様にして測定され
るものである。 <ヤング率の測定方法>本明細書におけるヤング率と
は、ASTM規格(ASTM D882)に準拠して引
張試験法にて測定されるヤング率をいう。上記引張試験
法は、支持体(フィルム)のチャッキング部分(Jaw )
の両端間の間隔を一定速度で増加させる方法による定速
法である。測定結果は、縦軸にチャッキング部分にかか
る荷重(kg単位)をとり、横軸にフィルムの伸び率
(%単位)をとった引張試験のチャートのうち、伸び率
がゼロに近い部分に存在する、フックの法則が適用でき
る領域(荷重と伸び率との関係に直線性が成り立つ領
域)に接線を引くことにより、ヤング率E(kg/mm
2 単位)を次式により計算する。 E=〔上記接線の傾き〕×〔1/(W×D)〕 式中、Wは引張試験する前のフィルム片の幅(mm単
位)、Dは引張試験する前のフィルム片の厚み(mm単
位)とする。本明細書におけるヤング率の測定では、サ
ンプル(フィルム片)サイズを幅5mm、チャッキング
間隔を100mm、引張速度を50mm/分としたが、
サンプル(フィルム片)サイズは、これと多少変わって
もよいものとする。測定は、23℃±2℃、相対湿度5
0±5%で行い、測定前に40時間以上、測定環境に保
管しエージング処理を行う。
【0014】上記支持体2の厚みは1.5〜5.5μm
である。該支持体2の厚みが当該範囲内であると、後述
する磁気記録媒体の全厚みとの関係において初めて高耐
久性を実現し得ることになる。従って、上記支持体2の
厚みが1.5μm未満である場合には、たとえ磁気記録
媒体の全厚みと該支持体2の厚みとの比が後述するよう
に1.5倍以下であっても磁性層が強度に欠けるものと
なってしまう。一方、上記支持体2の厚みが5.5μm
を超える場合には、磁気記録媒体に強い衝撃が加わった
場合に磁性層が破損し易く、また、磁気記録媒体の全厚
みを薄くして記録容量を増大させる目的からも好ましく
ない。上記支持体2の厚みは、2.0〜5.0μmであ
ると、後述するように、磁性層の厚みを薄くでき、エン
ベロープ特性上有利であるので好ましい。
【0015】図1に示す磁気記録媒体1の全厚みは、上
記支持体2の厚みの1倍超1.5倍以下である。当該範
囲内であると、該支持体上2に磁性層を設けたときの変
形が起こりにくい。磁気記録媒体1の全厚みは、上記支
持体2の厚みの1倍超1.3倍以下であることが好まし
い。また、磁気記録媒体1の全厚みは、上記支持体2の
厚みとの関係において、2.5〜8.0μmであること
が好ましく、特に薄型の磁気記録媒体を得る点から2.
5〜7.0μmであることが好ましい。
【0016】上記支持体2の表面粗さは、日本工業規格
JIS−B0601−1994で定義される表面粗さR
a(算術平均粗さ)で0.0010〜0.0080μm
で且つ日本工業規格JIS−B0601−1994で定
義される表面粗さRz(十点平均粗さ)で0.010〜
0.070μmである。Ra及びRzが当該範囲内であ
ると、磁気記録媒体の出力安定性が更に向上する。本発
明において、上記支持体2のRa(算術平均粗さ)のみ
ならず、Rz(十点平均粗さ)を規定した理由は、支持
体の表面粗さが、支持体上に塗布される塗布層の表面粗
さに反映されて、塗布層の表面性が損なわれることを防
止するためである。上記表面粗さの範囲は、Raで0.
0015〜0.0080μm、特に0.0015〜0.
0050μmであることが好ましく、またRzで0.0
15〜0.060μm、特に0.025〜0.050μ
mであることが出力安定性の面から好ましい。本明細書
にいう支持体のRa及びRzとは該支持体における、少
なくとも磁性層が設けられた側の面の表面粗さのことで
あり、下記のようにして測定されるものである。
【0017】<Ra及びRzの測定条件> (1)Raの測定 触針式表面粗さ計を用い、JIS−B0601−199
4に準じ、次の条件にて測定した。尚、Raは下記式
(i)で定義される。 ・針:針径 1.5〜2.5μm、曲率 60° ・触針圧:5〜30mg ・測定長:400μm ・カットオフ:80μm
【0018】
【数1】
【0019】測定片は、顕微鏡用のJIS−R−350
2を満足する物性のスライドグラス〔本明細書では、松
浪硝子(株)製のスライドグラスを使用したがこれに限
定されない〕上に、水又はエタノールにて貼付け測定す
る。この際、過剰の水又はエタノールがあると再現性の
良い結果が得られないので、ある程度の水又はエタノー
ルが蒸発し、スライドグラスの裏側から見て干渉縞が見
える状態の間に測定したものをRaとする。 (2)Rzの測定 JIS−B0601−1994に準じ、Raと同様の条
件下で、下記式(ii)にて求めた。尚、測定片は上記R
aと同じであり、基準長さl=80μm、評価長さl0
=400μmとした。
【0020】
【数2】
【0021】上記支持体2の表面粗さは、そのRzが磁
性層中に含まれる強磁性粉末の平均粒径rとの関係にお
いて、rとRzとの比(r/Rz)が0.5〜3.0で
あることが好ましい。当該範囲外であると、上述の様な
比較的薄い支持体を使用して磁気記録媒体を作製した場
合にしわが発生しやすくなり、出力安定性が損われやす
くなることがある。上記r/Rzの範囲は0.5〜2.
8、特に0.5〜2.5であると高記録密度としたとき
の出力の安定性が良好となるので好ましい。
【0022】次に、図1に示す磁気記録媒体1における
磁性層3について説明する。該磁性層3は、強磁性粉
末、結合剤および溶剤を主成分をする磁性塗料を用いて
形成されている。
【0023】上記強磁性粉末としては、例えばγ−Fe
2 3 、Co被着γ−Fe2 3 などの強磁性酸化鉄系
粉末、鉄を主体とする強磁性金属粉末及び強磁性六方晶
系フェライト粉末などが挙げられるが、高密度記録を達
成するためには、鉄を主体とする強磁性金属粉末が好ま
しい。
【0024】上記強磁性金属粉末としては、金属分が5
0重量%以上であり、該金属分の60%以上が鉄である
強磁性金属粉末が挙げられる。該強磁性金属粉末の具体
例としては、例えばFe−Co、Fe−Ni、Fe−A
l、Fe−Ni−Al,Fe−Co−Ni、Fe−Ni
−Al−Zn、Fe−Al−Siなどが挙げられる。上
記鉄を主体とする強磁性金属粉末では、その形状は針状
または紡錘状であることが好ましい。そしてその長軸長
は、好ましくは0.05〜0.25μm、更に好ましく
は0.05〜0.2μmである。また、好ましい針状比
は3〜20、好ましいX線粒径は130〜250Åであ
り、好ましいBET比表面積は30〜80m2 /gであ
る。
【0025】また、上記強磁性六方晶系フェライト粉末
としては、微小平板状のバリウムフェライト及びストロ
ンチウムフェライト並びにそれらのFe原子の一部がT
i,Co,Ni,Zn,Vなどの原子で置換された強磁
性粉末などが挙げられる。該強磁性六方晶系フェライト
粉末は、好ましい板径が0.02〜0.09μmであ
り、好ましい板状比が2〜7であり、好ましいBET比
表面積は30〜70m2/gである。
【0026】上記強磁性粉末の保持力は1500〜25
00Oeであることが好ましく、特に1600〜240
0Oeが好ましい。上記範囲内であれば全波長領域での
RF出力が過不足なく得られ、しかもオーバーライト特
性も良好となる。
【0027】また、上記強磁性金属粉末の飽和磁化は1
00〜180eum/gであることが好ましく、特に1
10〜160eum/gであることが好ましい。一方、
上記強磁性六方晶系フェライト粉末の飽和磁化は30〜
70eum/gであることが好ましく、特に45〜70
eum/gであることが好ましい。上記範囲内であれば
十分な再生出力が得られる。
【0028】また、上記強磁性粉末には、必要に応じて
希土類元素や遷移金属元素を含有させることができる。
具体的には、Al,Si,S,Sc,Ti,V,Cr,
Mn,Cu,Zn,Y,Mo、Rh、Pd,Ag,S
n,Sb,Te,Ba,Ta,W,Re,Au,Hg,
Pb、Bi,La,Ce,Pr,Nb,Sm,Eu,G
d,Tb,Dy,Ho,Yb,Lu,B,Pが挙げられ
る。
【0029】なお、本発明においては上記強磁性粉末の
分散性などを向上させるために、該強磁性粉末に表面処
理を施してもよい。上記表面処理は「Characterization
ofPowder Surfaces 」(T.J.Wiseman ら著,Academic
Press,1976)に記載されている方法などと同様の方法
により行うことができ、例えば上記強磁性体粉末の表面
を無機質酸化物で被覆する方法が挙げられている。この
際用いることができる無機質酸化物としては、Al2
3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO2、Sb2
3 、ZnOなどが挙げられ、使用に際してはこれらを
単独で用いても二種以上を混合して用いてもよい。な
お、上記表面処理は上記の方法以外にシランカップリン
グ処理、チタンカップリング処理及びアルミニウムカッ
プリング処理などの有機処理によっても行うことができ
る。
【0030】ところで、上記強磁性粉末の平均粒径r
は、上述したように、上記支持体2の表面粗さRzとの
間にr/Rz=0.5〜3.0の関係にあることが好ま
しい。更に、上記強磁性粉末の平均粒径rは上記支持体
2の厚みの1/250〜1/10であることが好まし
い。上記強磁性粉末の平均粒径rが当該範囲内である
と、薄型の磁気記録媒体の場合に出力安定性が良好とな
り、しかも高記録密度化と高記録容量化の両立が容易と
なる。上記強磁性粉末の平均粒径rは上記支持体2の厚
みの1/250〜1/10、特に1/200〜1/1
5、とりわけ1/150〜1/20であるとその効果が
顕著となるので特に好ましい。
【0031】尚、本明細書において強磁性粉末の平均粒
径rとは、該強磁性粉末において寸法が最も大きい部分
の長さを測定して算出される平均値をいい、具体的には
下記の方法によって測定される。従って、上記強磁性粉
末が針状または紡錘状の場合には、平均粒径rは、その
長軸長によって決定され、上記強磁性粉末が板状の場合
には、平均粒径rは、その板径によって決定される。
【0032】<平均粒径rの測定>強磁性粉末サンプル
を通常用いられる方法で透過型電子顕微鏡により観察
し、6万倍の写真を撮影する。これを更に2倍に拡大し
たものについて、デジタル表示付ノギスで寸法が最も大
きい部分の長さを測定し、その加算平均値を平均粒径と
する。測定は200〜500個の強磁性粉末について行
うものとする。
【0033】上記磁性層3に含まれる上記結合剤は、磁
気記録媒体に用いられる公知のものなら特に制限なく用
いることが出来る。例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂
および反応型樹脂ならびにこれらの混合物等が挙げられ
る。具体的には、塩化ビニルの共重合体及びその変成
物、アクリル酸、メタクリル酸及びそのエステルの共重
合物、アクリロニトリルの共重合体(ゴム系の樹脂)、
ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、
繊維素系樹脂、ポリアミド樹脂等を用いることができ
る。上記結合剤の数平均分子量は2,000〜200,
000であることが好ましい。分散性を向上させるた
め、上記結合剤に、水酸基、カルボキシル基またはその
塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸基またはその
塩、ニトロ基または硝酸エステル基、アセチル基、硫酸
エステル基またはその塩、エポキシ基、ニトリル基、カ
ルボニル基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルキルア
ンモニウム塩基、スルホベタイン、カルボベタイン等の
ベタイン構造等の分極性の官能基(所謂、極性基)を含
有させてもよい。
【0034】上記磁性層3の形成に用いられる磁性塗料
に含有される溶剤としては、ケトン系の溶剤、エステル
系の溶剤、エーテル系の溶剤、芳香族炭化水素系の溶剤
及び塩素化炭化水素系の溶剤などが挙げられ、具体的に
は特開昭57−162128号公報の第3頁右下欄17
行〜第4頁左下欄10行などに記載されている溶剤を用
いることができる。上記溶剤の使用料は、上記強磁性粉
末100重量部に対して80〜500重量部とすること
が好ましく、100〜350重量部とすることがさらに
好ましい。
【0035】また、上記磁性層3の形成に用いられる磁
性塗料には、分散剤、潤滑剤、研磨材、帯電防止剤、防
錆剤、防黴剤及び抗黴剤などの通常の磁気記録媒体に用
いられる添加剤を必要に応じて添加することができる。
上記添加剤として具体的には、特開昭57−16212
8号公報の第2頁左下欄6行〜第2頁右下欄10行及び
第3頁左下欄6行〜第3頁右上欄18行などに記載され
ている種々の添加剤を挙げることができる。
【0036】上記磁性層3の厚みは0.02〜10μm
であることが好ましく、特に0.05〜5μmであるこ
とが好ましい。磁性層3の厚みが当該範囲内であると高
記録密度化が容易となり、しかも高記録容量化の設計も
容易となる。
【0037】また、上記磁性層3のRa及びRzは、高
密度記録のため高出力を達成するために、それぞれ0.
0020〜0.0070μm及び0.015〜0.08
0μmであることが好ましく、0.0025〜0.00
65μm及び0.020〜0.070μmであることが
一層好ましく、0.0025〜0.005μm及び0.
020〜0.065μmであることが最も好ましい。
【0038】次に、バックコート層4について説明す
る。該バックコート層4は従来の方法に従い、バックコ
ート塗料から形成することができる。該バックコート塗
料としては上記磁性層3の形成に使用される磁性塗料と
同様の結合剤、硬化剤、無機粉等を適量配合したものが
使用される。該バックコート層4の厚みは0.05〜
1.0μmが好ましく、特に0.1〜0.8μmである
ことが走行耐久性と高記録容量の両立の点から好まし
い。
【0039】また、上記バックコート層4と上記磁性層
3との厚みの合計は、上記非磁性支持体2の厚みの1/
2以下であることが好ましい。これらの層の厚みの合計
が当該範囲であると、後述する実施例から明らかなよう
に、薄く且つ幅方向に比較的高い範囲のヤング率を有す
る上記支持体2を使用した磁気テープを、ロールへ巻き
取る場合に、たわみやしわの発生が抑制される。上記範
囲は1/3以下、特に1/4以下であることが好まし
い。なお、これらの層の厚みの合計の下限については特
段制限はないが、実用的な範囲としては1/20程度で
ある。尚、本明細書において、バックコート層と磁性層
との厚みの合計というときには、該バックコート層の厚
みと最上層としての磁性層の厚みとの合計を意味し、後
述する第2の実施形態のように最上層としての磁性層に
隣接して磁性中間層を設けた場合には、該磁性中間層の
厚みは含まれない。
【0040】次に、本発明の磁気記録媒体の第2の実施
形態を図2を参照して説明する。ここで、図2は、本発
明の磁気録媒体の第2の実施形態の構造を示す模式図で
ある。なお、図2に示す第2の実施形態においては、第
1の実施形態と異なる点についてのみ説明し、同じ点に
ついては特に説明しないが第1の実施形態に関して詳述
した説明が適宜適用される。また、図2において、図1
と同じ部材については同じ符号を付した。
【0041】図2に示す実施形態の磁気記録媒体1にお
いては、最上層としての上記磁性層3に隣接して中間層
5が設けられている。該中間層5は磁性を有する層であ
っても、非磁性の層であってもよい。上記中間層5が磁
性を有する層である場合には、該中間層5は磁性粉末を
含有する磁性の層(以下、磁性中間層という)であり、
磁性粉末、結合剤及び溶剤を主成分とする磁性塗料を用
いて形成される。一方、上記中間層5が非磁性の層であ
る場合には、該中間層5は非磁性粉末を含有する層(以
下、非磁性中間層という)であり、非磁性粉末、結合剤
及び溶剤を主成分とする非磁性塗料を用いて形成され
る。
【0042】上記磁性中間層の形成に用いられる磁性塗
料に含有される磁体性粉末としては強磁性粉末が好まし
く用いられる。
【0043】上記強磁性粉末としては強磁性酸化鉄系粉
末、鉄を主体とする強磁性金属粉末、強磁性六方晶系フ
ェライト粉末などが挙げられる。上記強磁性粉末として
は、上記磁性層3の形成に用いられる磁性塗料に含有さ
れる強磁性酸化鉄系粉末、強磁性金属粉末及び強磁性六
方晶フェライト粉末と同様のものが用いられる。該強磁
性粉末の保磁力、飽和磁化、形状、BET比表面積など
の物性も、上記磁性層3の形成に用いられる強磁性金属
粉末及び強磁性六方晶フェライト粉末の物性と同様であ
る。
【0044】また、磁性中間層の形成に用いられる磁性
塗料に含有される磁性粉末には必要に応じて希土類元素
や遷移金属元素を含有させることができる。また、上記
磁性層3と同様の表面処理を磁性粉末に施してもよい。
【0045】磁性中間層の形成に用いられる磁性塗料に
含有される溶剤としても、上記磁性層3の形成に用いら
れる磁性塗料に含有される溶剤と同様のものが用いられ
る。上記溶剤の使用量は上記磁性粉末100重量部に対
して80〜500重量部とすることが好ましく、特に1
00〜350重量部とすることが好ましい。
【0046】また、上記磁性中間層の形成に用いられる
磁性塗料には必要に応じて、上記磁性層3の形成に用い
られる磁性塗料に添加される添加剤を添加することがで
きる。また、上記磁性中間層の形成に用いられる磁性塗
料には、後述する非磁性中間層の形成に用いられる非磁
性塗料に含有される非磁性粉末を添加することもでき
る。
【0047】次に非磁性中間層について説明する。非磁
性中間層の形成に用いられる非磁性塗料に含有される非
磁性粉末としては、例えば、カーボンブラック、グラフ
ァイト、酸化チタン、硫酸バリウム、硫化亜鉛、炭酸マ
グネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウ
ム、酸化マグネシウム、二酸化マグネシウム、二硫化タ
ングステン、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、二酸化
錫、二酸化珪素、非磁性の酸化クロム、アルミナ、炭化
珪素、酸化セリウム、コランダム、人造ダイヤモンド、
非磁性の酸化鉄、ザクロ石、ケイ石、窒化珪素、炭化モ
リブデン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭化チタ
ン、ケイソウ土、ドロマイト、樹脂性の粉末などが挙げ
られる。これらの中でも非磁性の酸化鉄、酸化チタン、
カーボンブラック、アルミナ、酸化珪素、窒化ホウ素な
どが好ましく用いられる。これら非磁性粉末は単独で用
いても、二種以上を混合して用いてもよい。
【0048】上記非磁性粉末の形状は、球状、板状、針
状、無定形のいずれでもよく、また、その大きさは球
状、板状、無定形のものにおいては5〜200nmであ
ることが好ましく、また、針状のものは長軸長が20〜
300nmで針状比が3〜20であることが好ましい。
【0049】尚、本発明においては上記非磁性粉末の分
散性などを向上させるために、該非磁性粉末に上記磁性
層3の形成に用いられる磁性塗料に含有される強磁性粉
末と同様の表面処理を施すことができる。
【0050】上記非磁性中間層の形成に用いられる非磁
性塗料に含有される溶剤としては、上記磁性層3の形成
に用いられる磁性塗料に含有される溶剤と同様のものが
用いられる。上記溶剤の使用量は上記非磁性粉末100
重量部に対して80〜500重量部とすることが好まし
く、特に100〜350重量部とすることが好ましい。
【0051】また、上記非磁性中間層の形成に用いられ
る非磁性塗料には必要に応じて上記磁性層3の形成に用
いられる磁性塗料に添加される添加剤を添加することが
できる。
【0052】上記中間層(磁性、非磁性)5の厚みは
0.2〜3μmであることが好ましく、特に0.5〜2
μmであることが好ましい。該中間層5の厚みが当該範
囲であれば磁気記録媒体にしわやたわみが発生しにく
く、かつ高記録容量が容易となる。
【0053】次に、本発明の磁気記録媒体を製造する方
法の一例について、図2に示す実施形態の磁気記録媒体
を例にとり、その概略を述べる。まず、上記支持体2に
上記中間層5を形成する磁性または非磁性の塗料と、上
記磁性層3を形成する磁性塗料とを中間層5及び磁性層
3の乾燥厚みが所望の厚みとなるように同時重層塗布法
によって塗膜を形成する。このとき、同時重層塗布法は
特開平5−73883号公報の第42欄31行〜第43
頁31行に記載されている方法に従って行う。次いで、
該塗膜に対して磁場配向処理を行った後乾燥し、カレン
ダ処理を行う。この後に上記支持体2の裏面に上記バッ
クコート塗料を塗布してバックコート層4を設け、乾燥
処理を行う。更に、エージング処理を行った後に所望の
幅に裁断し、その後所定のカセットにローディングす
る。尚、必要に応じて、ローディングの前に、バーニッ
シュ処理やクリーニング処理を施すこともある。
【0054】上記磁場配向処理は、上記中間層5を形成
する上記の磁性または非磁性の塗料及び上記磁性層3を
形成する上記磁性塗料が乾燥する前に行われ、例えば本
発明の磁気記録媒体が磁気テープの場合には上記磁性層
3を形成する磁性塗料の塗布面に対して平行方向に約5
00Oe以上、好ましくは1000〜10000Oeの
磁界を印加する方法や、上記中間層5を形成する磁性ま
たは非磁性の塗料及び上記磁性層3を形成する磁性塗料
が湿潤状態のうちに1000〜10000Oeのソレノ
イドなどの中を通過させる方法などによって行うことが
できる。
【0055】また上記カレンダ処理は、メタルロール及
びコットンロールもしくは合成樹脂ロール、メタルロー
ル及びメタルロールなどの2本のロール間を通すスーパ
ーカレンダ処理などによって行うことができる。
【0056】上記乾燥処理は例えば30〜120℃に加
熱された気体の供給により行うことができ、この際、気
体の温度とその供給量とを制御することにより塗膜の乾
燥程度を制御することができる。
【0057】以上、本発明の磁気記録媒体をその好まし
い実施形態に基づき説明したが、本発明は上記実施形態
に制限されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において
種々の変更が可能である。例えば、上記支持体2と上記
磁性層3(第1の実施形態の場合)又は中間層5(第2
の実施形態の場合)との間にプライマー層を設けたり、
或いは、磁気記録媒体における何れかの層間に長波長信
号を使用するハードシステムに対応してサーボ信号等を
記録するための他の磁性層及びその他の層を設けてもよ
い。また、本発明の磁気記録媒体は、8mmビデオテー
プやDATテープ、DDSテープ、DLTテープ、DV
Cテープ等の磁気テープとして好適であるが、総厚の薄
い他の磁気記録媒体やフレキシブルディスク等の磁気デ
ィスクとしても適用することができる。
【0058】
【実施例】以下、実施例により、本発明の磁気記録媒体
の有効性を例証する。しかしながら、本発明の範囲は斯
かる実施例に制限されるものではない。
【0059】〔実施例1〕厚み、ヤング率および表面粗
さ(Ra及びRz)が表1に示される値を有するPEN
フィルムの表面に、下記配合の磁性塗料Aを乾燥厚みが
表1に示される厚みとなるようにライン速度100m/
分にて塗工し、塗膜が未乾燥のうちに8000Oeの磁
場強度のソレノイドを通過させた後、乾燥させた。イン
ラインカレンダーにて、ロール温度:95℃、線圧:3
50kg/cmのカレンダー条件下でカレンダー処理を
施し、次いで、乾燥厚みが0.5μmとなるよう下記配
合のバックコート塗料を塗布した後、乾燥して巻き取っ
た。この後、50℃にて12時間エージング処理し、
3.81mm巾にスリットした後、表面をバーニッシュ
処理して不織布でクリーニングを行い、磁気テープを得
た。この磁気テープをDDS用カセットに装填し、評価
用のカセットとした。尚、上記磁気テープにおける磁性
層の磁気特性を振動式磁力計(印加磁場10kOe)で
測定したところ、保磁力は1960Oe、飽和磁束密度
は3630ガウス、角型比は0.89であった。また、
バックコート層の表面粗さはRa=0.009μm、R
z=0.085μmであった。
【0060】 <磁性塗料Aの配合> ・鉄を主体とする針状強磁性金属粉末 100重量部 〔Fe:Co:Ni:Al:Y:Ca=70:24:1:2:2:1(重量比 )〕 〔平均粒径r(長軸長):0.09μm、軸比:6、保磁力:1910Oe、 飽和磁化:146emu/g、BET比表面積:53m2 /g、X線粒径:0. 015μm〕 ・アルミナ(研磨材、平均子粒径:0.18μm) 8重量部 ・カーボンブラック 0.5重量部 (帯電防止剤、平均一次粒子径:0.018μm) ・塩化ビニル共重合体(結合剤) 10重量部 (平均重合度:280、エポキシ基含有量:3.1重量%、スルホン酸基含有量 :8×10-5当量/g) ・ポリウレタン樹脂(結合剤) 7重量部 (数平均分子量:25000、スルホン酸基含有量:1.2×10-4当量/g、 ガラス転移点:45℃) ・パルミチン酸(潤滑剤) 1.5重量部 ・2−エチルヘキシルオレート(潤滑剤) 2.5重量部 ・ポリイソシアネート(硬化剤) 5重量部 〔日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートL(商品名)〕 ・メチルエチルケトン 120重量部 ・トルエン 80重量部 ・シクロヘキサノン 40重量部
【0061】 <バックコート塗料の配合> ・カーボンブラック 40重量部 (帯電防止剤、平均一次粒子径0.018μm) ・ニッポラン2301(結合剤) 50重量部 〔商品名 日本ポリウレタン工業(株)のポリウレタン〕 ・ポリイソシアネート(硬化剤) 4重量部 〔武田薬品工業(株)製、商品名(D−250N)〕 ・ニトロセルロース 20重量部 ・ステアリン酸 1重量部 ・メチルエチルケトン 140重量部 ・トルエン 140重量部 ・シクロヘキサノン 140重量部
【0062】〔実施例2〜4〕支持体として表1に示す
ものを用いた以外は実施例1と同様にして磁気テープを
得た。
【0063】〔実施例5〕実施例2において、支持体上
に上記磁性塗料A及び下記の配合の中間層非磁性塗料M
を、2つの押出口を持つコーターヘッドを用いて同時重
層塗布して表1に示す厚みをそれぞれ有する磁性/非磁
性の塗布型重層構造とする以外は実施例2と同様にして
磁気テープを得た。上記磁気テープにおける磁性層の磁
気特性を実施例1と同様に測定したところ、保磁力は1
990Oe、飽和磁束密度は3600ガウス、角型比は
0.91であった。
【0064】 <中間層非磁性塗料Mの配合> ・Mn含有α−Fe2 3 100重量部 〔平均粒径(長軸長):0.12μm、軸比:10、比表面積:48m2 /g〕 ・アルミナ(研磨材、平均粒子径:0.15μm) 3重量部 ・カーボンブラック 1重量部 (帯電防止剤、平均一次粒子径:0.018μm) ・塩化ビニル共重合体(結合剤) 12重量部 (平均重合度:280、エポキシ基含有量:1.2重量%、スルホン酸基含有量 :8×10-5当量/g) ・ポリウレタン樹脂(結合剤) 8重量部 (数平均分子量:25000、スルホン酸基含有量:1.2×10-4当量/g、 ガラス転移点:45℃) ・ステアリン酸(潤滑剤) 1重量部 ・2−エチルヘキシルオレート(潤滑剤) 4重量部 ・ポリイソシアネート(硬化剤) 4重量部 〔日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートL(商品名)〕 ・メチルエチルケトン 90重量部 ・トルエン 60重量部 ・シクロヘキサノン 30重量部
【0065】〔実施例6〕実施例2において用いた磁性
塗料Aに代えて下記配合の磁性塗料Bを用いた以外は実
施例2と同様にして磁気テープを得た。上記磁気テープ
における磁性層の磁気特性を実施例1と同様に測定した
ところ、保磁力は1820Oe、飽和磁束密度は221
0ガウス、角型比は0.78であった。
【0066】 <磁性塗料Bの配合> ・Ti−V置換バリウムフェライト粉末 100重量部 〔平均粒径r(板径):0.035μm、板状比:3、保磁力:1720Oe、 飽和磁化:61emu/g〕 ・アルミナ(研磨材、平均粒子径:0.15μm) 6重量部 ・カーボンブラック 3重量部 (帯電防止剤、平均一次粒子径:0.018μm) ・塩化ビニル共重合体(結合剤) 8重量部 (平均重合度:280、エポキシ基含有量:1.2重量%、スルホン酸基含有量 :8×10-5当量/g) ・ポリウレタン樹脂(結合剤) 5重量部 (数平均分子量:25000、スルホン酸基含有量:1.2×10-4当量/g、 ガラス転移点:45℃) ・ステアリン酸(潤滑剤) 2重量部 ・2−エチルヘキシルオレート(潤滑剤) 2重量部 ・ポリイソシアネート(硬化剤) 5重量部 〔日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートL(商品名)〕 ・メチルエチルケトン 81重量部 ・トルエン 54重量部 ・シクロヘキサノン 27重量部
【0067】〔比較例1〜4〕支持体として表1に示す
ものを用いた以外は実施例1と同様にして磁気テープを
得た。
【0068】〔特性の評価〕実施例および比較例で得ら
れた磁気テープの特性を評価するため、下記の方法で原
反の巻き状態、ドロップアウト、C/N及びエンベロー
プ特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0069】<原反の巻き状態>2000mの支持体に
磁性塗料(及び中間層非磁性塗料)を塗工し、カレンダ
ー処理し、更にバックコート塗料を塗工して巻き取られ
た原反を、目視にて次の4段階に評価した。 VG:非常に良い;巻きじわが入っていない。 G:良い;巻きじわが殆ど無い。 B:悪い;巻きじわが顕著に観察される。 VB:非常に悪い;巻きじわが数ミリピッチの筋となっ
て観測され、スリットした際に、この筋のために端面が
ワカメ状になる。
【0070】<ドロップアウト>DDS−2ドライブに
評価用カセットを装填し、6.75MHzの方形波の記
録・再生を行い、再生出力値が平均値に対して50%と
なるものをドロップアウトとした。12000トラック
に亘りドロップアウト個数を測定し、その数をドロップ
アウト数とした。ドロップアウト数は、その数が少ない
方が欠陥のない磁気テープといえる。
【0071】<C/N>DDS−2ドライブに評価用カ
セットを装填し、13.5MHzの方形波の記録・再生
を行った。13.5MHzの再生信号をキャリア成分
(C)とし、12.5MHzの再生信号レベルをノイズ
成分(N)として、この比C/NをdB単位で表した。
尚、比較例1を基準(0dB)とし、その差で表した。
【0072】<エンベロープ特性>DDS−2ドライブ
に評価用カセットを装填し、6.75MHzの方形波を
記録・再生した。そのときのエンベロープ(1トラック
の出力)をオシロスコープにて測定し、1トラック全長
に亘り出力が均一であるかを観察した。その出力の均一
性を下記の3段階で評価した。 G:出力が均一(エンベロープ形状が良好) M:出力がほぼ均一(実用上は問題のないレベル) B:出力が不均一な部分のエンベロープ形状が歪んでい
る。左右一方または両方が窪んだ形状や中央が窪んだ形
状があり、実用上問題のあるレベルである。
【0073】
【表1】
【0074】表1に示す結果から明らかなように、非磁
性支持体として用いられるポリエステル系フィルムの厚
みと幅方向のヤング率と表面粗さとを特定の範囲の値に
規定し、しかも磁気記録媒体の全厚みを該フィルム厚み
に対して特定の範囲に規定した実施例1〜6の磁気テー
プ(本発明品)においては、比較例1〜4の磁気テープ
に比して、原反の巻き状態が良好であり、ドロップアウ
トが低く、C/Nが高く、エンベロープ特性に優れたも
のであることが判る。特に、磁性/非磁性の塗布型重層
構造を有する実施例5の磁気テープでは、ドロップアウ
トが一層低く、C/Nが一層高いことが判る。
【0075】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明によれば、
安価で入手容易なポリエステル系のフィルムを用いて、
電磁変換特性と耐久性とを兼ね備えた高容量、高密度の
磁気記録媒体が得られる。
【0076】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気録媒体の第1の実施形態の構造を
示す模式図である。
【図2】本発明の磁気録媒体の第2の実施形態の構造を
示す模式図である。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体 2 非磁性支持体 3 磁性層 4 バックコート層 5 中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大塚 和俊 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤
    とを含む磁性層を具備する磁気記録媒体において、 上記非磁性支持体が、厚み1.5〜5.5μmで、幅方
    向のヤング率が800〜1200kg/mm2 で、日本
    工業規格JIS−B0601−1994で定義される表
    面粗さRa(算術平均粗さ)が0.0010〜0.00
    80μmで且つ日本工業規格JIS−B0601−19
    94で定義される表面粗さRz(十点平均粗さ)が0.
    010〜0.070μmである、ポリエステル系フィル
    ムからなり、 上記磁気記録媒体の全厚みが上記非磁性支持体の厚みの
    1倍超1.5倍以下であることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 上記強磁性粉末の平均粒径rと上記非磁
    性支持体のRzとの比(r/Rz)が0.5〜3.0で
    ある、請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記強磁性粉末の平均粒径rが、上記非
    磁性支持体の厚みの1/250〜1/10である、請求
    項1又は2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記非磁性支持体の磁性層が形成される
    面とは反対側の面ににバックコート層が設けられてお
    り、該バックコート層と上記磁性層との厚みの合計が、
    上記非磁性支持体の厚みの1/2以下である、請求項1
    〜3の何れかに記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記非磁性支持体の長手方向のヤング率
    が幅方向のヤング率の50〜200%である、請求項1
    〜4の何れかに記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 上記非磁性支持体がポリエチレンナフタ
    レート(PEN)である、請求項1〜5の何れかに記載
    の磁気記録媒体。
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