JPH10319113A - レーダ装置 - Google Patents

レーダ装置

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JPH10319113A
JPH10319113A JP13124297A JP13124297A JPH10319113A JP H10319113 A JPH10319113 A JP H10319113A JP 13124297 A JP13124297 A JP 13124297A JP 13124297 A JP13124297 A JP 13124297A JP H10319113 A JPH10319113 A JP H10319113A
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JP
Japan
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signal
frequency
beat
mixer
local
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JP13124297A
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English (en)
Inventor
Masanobu Yukimatsu
正伸 行松
Yoriji Utsu
順志 宇津
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成にて低周波雑音の影響を除去可能
なレーダ装置の提供。 【解決手段】 電圧制御発振器12からの信号Ssを電
力分配して送信信号Sf及びローカル信号L1,L2を
生成する第1及び第2分配器16,18、送信信号Sf
の周波数を2倍にして送信アンテナ22に供給する周波
数逓倍回路20、受信アンテナ24からの受信信号Sr
にローカル信号L1を混合する高周波用ミキサ26にて
生成される第1検波信号S1から、これら信号Sr,L
1の差の周波数を有する信号成分P1を抽出するバンド
パスフィルタ28,狭帯域増幅器30、信号成分P1に
ローカル信号L2を混合してビート周波数fuの信号成
分(ビート信号Sb)を生成する変換用ミキサ32を備
える。高周波用ミキサ26にて重畳される低周波ノイズ
は、その周波数が信号成分P1より十分に小さいので、
信号成分P1を抽出する際に確実に除去される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動体の衝突防止
等に使用され、周波数変調されたレーダ波を送受信する
ことにより、目標物体との相対距離や相対速度に関する
情報を取り出すFMCW方式のレーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年レーダ装置を自動車に搭載し、衝突
防止等の安全装置として応用する試みがなされている
が、車載用のレーダ装置としては、目標物の距離と相対
速度とを同時に検出可能であり、しかも構成が比較的簡
単で小型化・低価格化に適したFMCW方式のレーダ装
置(以下、FMCWレーダ装置とよぶ)が用いられてい
る。
【0003】このFMCWレーダ装置では、図9(a)
に実線で示すように、三角波状の変調信号により周波数
変調され、周波数が時間に対して直線的に漸次増減する
送信信号Ssをレーダ波として送信し、目標物体により
反射されたレーダ波を受信する。この時、受信信号Sr
は、図9(a)に点線で示すように、レーダ波が目標物
体との間を往復するのに要する時間、即ち目標物体まで
の距離に応じた時間Tdだけ遅延し、レーダと目標物体
との相対速度に応じた周波数Fdだけドップラシフトす
る。
【0004】そして、このような受信信号Srと送信信
号Ssとをミキサで混合することにより、図9(b)に
示すように、これら信号Sr,Ssの差の周波数成分で
あるビート信号Sbを発生させ、送信信号Ssの周波数
が増加する時のビート信号Sbの周波数(以下、上り変
調時のビート周波数とよぶ)をfu、送信信号Ssの周
波数が減少する時のビート周波数(以下、下り変調時の
ビート周波数とよぶ)をfdとして、目標物体との距離
R及び相対速度Vを、以下の(1)(2)式を用いて算
出するように構成されている。
【0005】
【数1】
【0006】
【数2】
【0007】なお、cは電波伝搬速度、Tは送信信号を
変調する三角波の周期、△Fは送信信号の周波数変動
幅、Foは送信信号の中心周波数である。ここで、この
ようなFMCWレーダ装置を車載用レーダ装置として適
用するには、約100〜200mを最大距離として、そ
れ以下の範囲内にある目標物体を、少なくとも数mの距
離分解能で検出できるように構成する必要がある。な
お、FMCWレーダ装置の距離分解能△Rは、(3)式
で表されることが知られている。
【0008】
【数3】
【0009】この(3)式から明かなように、数mの距
離分解能を得るためには、周波数変動幅△Fを、100
MHz程度に設定する必要があり、また、このような周
波数変動幅△Fを確保するためには、送信信号の中心周
波数Foを、ミリ波と呼ばれる周波数帯(数十GHz〜
数百GHz)に設定する必要がある。
【0010】そして、例えば、送信信号Ssを△F=1
00MHz、T=1msとした場合、目標物体との相対
速度Vが0(即ちfu=fd)で、目標物体との距離R
が100mの時には、検出されるビート周波数fu,f
dは、133KHzとなる。そして、100m以内の距
離に目標物体がある場合には、133KHz以下のビー
ト信号Sbが検出され、また、相対速度Vが0ではない
場合、相対速度Vが0の時の周波数を中心にして、ドッ
プラシフト分だけ増減した周波数を有するビート信号S
bが検出されることになる。即ち、車載用レーダ装置と
して使用する場合、数十KHz〜数百KHzのビート信
号を検出できることが要求されるのである。
【0011】ところがミリ波のような高周波帯の信号を
扱う高周波用ミキサでは、信号強度の揺らぎの周波数成
分からなるAM−FM変換ノイズや、周波数に反比例し
た強度を有する1/fノイズがミキサの出力に重畳され
る。しかも、これらAM−FM変換ノイズ及び1/fノ
イズ(以下、合わせて低周波ノイズとよぶ)の強度は、
ビート信号Sbと同じ数十KHz〜数百KHzの周波数
領域で比較的強いため、ビート信号SbのS/N比を劣
化させてしまうという問題があった。
【0012】これに対して、例えば特開平5−4016
9号公報には、図10に示すように、高周波の送信信号
Ssを生成する高周波発振器112と、高周波発振器1
12が生成する送信信号Ssの周波数を三角波状に直線
的に変調するための変調信号Smを生成する変調信号生
成回路126と、高周波発振器112からの送信信号S
sをレーダ波として送信する送信アンテナ116と、目
標物体に反射したレーダ波を受信する受信アンテナ12
0と、受信アンテナ120からの受信信号Srに送信信
号Ssを分配する分配器118からのローカル信号Lを
混合する高周波用ミキサ122とを備えた一般的な構成
を有するFMCWレーダ装置において、更に、ビート信
号Sbの2倍以上の周波数を有するスイッチング信号を
生成する第2の発振器136と、このスイッチング信号
により受信アンテナ120からの受信信号Srを周期的
にオン/オフするスイッチング回路138と、高周波用
ミキサ122にて、スイッチングされた受信信号にロー
カル信号Lが混合されることにより、スイッチング周波
数に応じた周波数領域に発生する信号S1の周波数成分
を抽出するバンドパスフィルタ132と、バンドパスフ
ィルタ132にて抽出された周波数成分を、更に第2の
発振器136からのスイッチング信号をバンドパスフィ
ルタ140によって整形した信号と混合することによっ
て、信号S1をビート信号Sb本来の周波数帯(数十K
Hz〜数百KHz)に変換する中間周波用ミキサ134
と、を備えたFMCWレーダ装置110が開示されてい
る。
【0013】この装置110では、スイッチング信号の
周波数を数MHz程度に設定すれば、低周波ノイズの影
響が十分に小さくなる領域(数MHz程度)に信号S1
の周波数成分を発生させることができ、また、中間周波
用ミキサ134は、高周波用ミキサ122が取り扱うミ
リ波に比べて周波数の低いビート信号やスイッチング信
号(いずれも数MHz程度)を扱うので、その出力に重
畳される低周波ノイズは、高周波用ミキサ122に比べ
て十分に小さい。
【0014】即ち、高周波用ミキサ122では、低周波
ノイズの影響が小さい周波数領域に信号S1を発生さ
せ、この信号S1の周波数成分を、低周波ノイズの少な
い中間周波用ミキサ134にてビート信号Sb本来の周
波数帯に変換しているので、低周波ノイズの影響を低減
でき、ビート信号SbのSN比が改善されるのである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この装置11
0では、受信アンテナ120と高周波用ミキサ122と
の間、即ちミリ波帯の高周波信号である受信信号Srの
伝送経路にスイッチング回路138が挿入されているた
め、目標物体に反射して戻ってきた微弱なレーダ波の受
信信号Srを一層減衰させてしまい、その結果、検出感
度が劣化するという問題があった。
【0016】なお、上記公報には、高周波発振器112
と送信アンテナ116との間に変調手段を挿入する旨も
開示されているが、このように送信波に変調をかける
と、送信されるレーダ波の送信帯域が広がり、即ち様々
な周波数に電力が分配されてしまうので、検出に必要な
周波数を有する信号成分の強度が低下し、その結果、受
信波に変調をかける場合と同様に、検出感度が劣化する
という問題があった。
【0017】本発明は、上記問題点を解決するために、
簡易な構成にて低周波ノイズの影響を除去可能なレーダ
装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた請求項1に記載のレーダ装置では、信号生成
手段が、時間に対して直線的に周波数が変化するように
変調された信号を生成し、信号分岐手段が、この信号を
電力分配して、送信信号及びローカル信号を生成する。
【0019】そして、周波数逓倍手段が、送信信号を、
その周波数がn(但し、n≧2の整数)倍となるように
変換した後、送信アンテナに供給することにより、送信
アンテナからレーダ波が放射される。このレーダ波は、
目標物体にて反射し受信アンテナにて受信される。この
時、受信アンテナから出力される受信信号は、レーダ波
が目標物体までの距離を往復することによる遅延と、目
標物体との相対速度に応じて発生する周波数のドップラ
シフトとによって決まるビート周波数fu(通常、送信
信号の上り変調時のビート周波数をfu,下り変調時の
ビート周波数をfdで表すが、以下では、特に断わらな
い限りfuにて両ビート周波数を代表させるものとす
る。)だけ送信信号からシフトしたものとなる。
【0020】この受信アンテナからの受信信号と信号分
岐手段からのローカル信号とを高周波用ミキサが混合
し、信号抽出手段が、高周波用ミキサの出力信号から、
受信信号とローカル信号との差の周波数近傍の信号成分
を抽出する。ところで、ローカル信号および受信信号の
ある時刻tにおける瞬時的な周波数を夫々Ft,Frと
すると、送信アンテナに供給される送信信号の周波数は
n×Ftで表され、つまり、検出すべきビート信号fu
は、(4)式にて表される。
【0021】 fu=|Fr−n×Ft| (4) また、高周波用ミキサにて生成され、信号抽出手段にて
抽出される信号成分は、図8に示すように、受信信号と
ローカル信号との差の周波数Fr−Ftを有しており、
(5a)(5b)式にて表される。
【0022】 Fr−Ft=(n−1)×Ft+fu 但し、Fr≧nFt (5a) Fr−Ft=(n−1)×Ft−fu 但し、Fr<nFt (5b) なお、ローカル信号の周波数Ftは、受信信号の周波数
Fr(数十GHz)の約1/nであり、従って信号抽出
手段が抽出する信号成分の周波数Fr−Ftは、最も小
さくなる場合(n=2)でも、受信信号の周波数Frの
約1/2である。つまり、この信号成分の周波数Fr−
Ftは、低周波ノイズの強い周波数領域(数百kHz以
下)より十分に大きいため、信号抽出手段では、高周波
用ミキサにて重畳された低周波ノイズを簡単かつ確実に
除去することができる。
【0023】そして、信号変換手段は、信号抽出手段が
抽出した信号成分を、信号分岐手段からのローカル信号
に基づいて、周波数がn倍にされた送信信号と受信信号
との差の周波数成分を含んだビート信号に変換する。こ
の信号変換手段が処理する信号の周波数は、受信信号の
周波数Frの(n−1)/nであり、受信信号の周波数
Frより確実に小さくなる。従って、高周波用ミキサ等
に用いられるような極めて高速に動作するHEMT等、
低周波ノイズの大きい素子を用いることなく、より低周
波ノイズの少ない素子を用いて信号変換手段を構成する
ことができ、信号変換手段で発生する低周波ノイズを減
少させることができる。ところで、nが小さいほど信号
変換手段が処理すべき周波数が小さくなるのでn=2の
場合が最もよい。
【0024】なお図8は、上述の送信信号(周波数n×
Ft)、受信信号(周波数Fr)、高周波用ミキサにて
生成され信号抽出手段にて抽出される信号(周波数Fr
−Ft)、及び信号変換手段にて変換された結果出力さ
れるビート信号(周波数fu)の関係を表すスペクトル
図である。
【0025】このように、本発明のレーダ装置によれ
ば、送信信号の周波数(即ち受信信号の周波数)をロー
カル信号の周波数のn倍とし、高周波用ミキサが生成す
る信号が、低周波ノイズの影響が十分に小さい周波数領
域に信号成分を有するようにされているため、信号抽出
手段により低周波ノイズを確実に除去できる。
【0026】また、この低周波ノイズが除去された信号
を、信号変換手段により、ビート周波数fuの信号成分
を含むビート信号に変換しているので、低周波ノイズの
影響が十分に抑制されたSN比の良好なビート信号を得
ることができる。従って、本発明のレーダ装置を用いれ
ば、このSN比の優れたビート信号を用いて、ビート周
波数を精度よく検出することができるため、目標物体と
の距離や相対速度を精度よく求めることができる。
【0027】しかも、本発明のレーダ装置によれば、信
号生成手段は、送信アンテナに供給する送信信号の1/
nの周波数を有する信号を生成すればよいので、送信信
号と同じ周波数の信号を生成する従来装置に比べて、信
号生成手段を簡単かつ安価に構成できる。
【0028】また、本発明のレーダ装置では、従来装置
のように送信アンテナに供給する送信信号及び受信アン
テナからの受信信号を変調することがないので、送信波
の帯域が広がったり、受信信号を減衰させてしまうこと
がなく、検出感度を良好に維持することができる。
【0029】なお、信号抽出手段としては、受信信号と
ローカル信号との差の周波数近傍以外の信号成分を除去
するバンドパスフィルタや、受信信号とローカル信号と
の差の周波数近傍の信号成分を増幅する狭帯域増幅器等
を用いることができ、いずれか一方だけでなく両方を同
時に用いてもよい。
【0030】次に請求項2に記載のレーダ装置は、請求
項1に記載のレーダ装置において、信号変換手段が、信
号抽出手段が抽出する信号成分に、信号分岐手段からの
ローカル信号の周波数をn−1倍して混合するn−1次
のハーモニックミキサからなることを特徴とする。
【0031】このように構成された本発明のレーダ装置
では、n−1次のハーモニックミキサが、高周波用ミキ
サで生成され信号抽出手段にて抽出された信号成分(周
波数Fr−Ft)に、周波数がn−1倍されたローカル
信号(周波数(n−1)×Ft)を混合する。これら混
合された信号の差の周波数成分がビート周波数fuとな
ることは明かである。
【0032】このように、本発明のレーダ装置によれ
ば、信号変換手段を単一のハーモニックミキサにて構成
できるため、当該レーダ装置の構成を簡易なものとする
ことができる。次に請求項3に記載のレーダ装置は、請
求項1に記載のレーダ装置において、信号変換手段が、
ローカル信号と前段のミキサからの出力信号とを混合す
るn−1個の変換用ミキサを備えることを特徴とする。
【0033】このように構成された本発明のレーダ装置
では、i(=1〜n−1)段目の変換用ミキサが、順
次、周波数|Fr−(i+1)×Ft|の信号成分を生
成する。つまり、最終段の変換用ミキサ(i=n−1)
が生成する信号成分の周波数|Fr−n×Ft|は、受
信信号の周波数Frと送信信号の周波数n×Ftとの
差、即ちビート周波数fuとなるのである。
【0034】このように本発明のレーダ装置によれば、
信号変換手段を単純なミキサにて構成することができ
る。次に、請求項4に記載のレーダ装置は、請求項3に
記載のレーダ装置において、変換用ミキサ毎に、該変換
用ミキサの出力信号から、該変換用ミキサの入力信号と
ローカル信号との差の周波数近傍の信号成分を抽出する
第2の信号抽出手段を設けたことを特徴とする。
【0035】従って、本発明のレーダ装置によれば、よ
り確実に低周波ノイズを除去することができ、装置の検
出感度を向上させることができる。即ち、周波数逓倍手
段で送信信号の周波数が逓倍される倍数nを大きくする
と、変換用ミキサが比較的高い周波数の信号を扱わねば
ならないため、変換用ミキサの低周波ノイズが十分に低
減されない場合があるが、各変換用ミキサ毎に第2の信
号抽出手段を設ければ、比較的高い周波数の信号を扱う
変換用ミキサにて重畳される低周波ノイズも確実に除去
できるのである。
【0036】なお、第2の信号抽出手段は、全ての変換
用ミキサに設けるのではなく、比較的高い周波数の信号
を扱う変換用ミキサにのみ設けてもよい。また、上述し
た請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のレーダ装
置は、請求項5に記載のように、ビート信号生成手段が
生成するビート信号に基づいて目標物体との距離及び相
対速度を求める演算手段が一体に設けられていてもよ
い。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1は、第1実施例の障害物検出用レーダ
装置10の全体構成を表すブロック図であり、図2は、
このレーダ装置10が装着された車両2を表す説明図で
ある。
【0038】図2に示すように、本実施例のレーダ装置
10は、前方に位置する他の車両C等の目標物体を検出
できるように、車両2の前面に取り付けられている。な
お、レーダ装置10を取り付ける場所は、車両2の前面
に限らず側面や後面に取り付けて、後方や側方に位置す
る目標物体を検出できるようにしてもよい。
【0039】そして、本実施例のレーダ装置10は、図
1に示すように、変調信号Smを入力することにより発
振周波数を制御可能な電圧制御発振器12と、時間に対
して直線的に周波数が増減するよう電圧制御発振器12
に変調を行わせるための三角波(周期T)状の変調信号
Smを生成する三角波発振器14と、電圧制御発振器1
2の出力信号Ssを電力分配し、送信信号Sfおよびロ
ーカル信号Lを生成する第1分配器16と、ローカル信
号Lを更に2つの信号L1,L2に分岐する第2分配器
18と、第1分配器16からの送信信号Sfの周波数を
2倍に逓倍する周波数逓倍回路20と、周波数逓倍回路
20にて周波数が2倍にされた送信信号S2fに従ってレ
ーダ波を放射する送信アンテナ22と、レーダ波を受信
する受信アンテナ24と、受信アンテナ24からの受信
信号Srに、第2分配器18からのローカル信号Lを混
合して第1検波信号S1を生成する高周波用ミキサ26
と、高周波用ミキサ26が生成する第1検波信号S1か
ら、受信信号Sr及びローカル信号Lの差の周波数近傍
以外の信号成分を除去するバンドパスフィルタ(BP
F)28と、BPF28の出力を増幅する狭帯域増幅器
30と、狭帯域増幅器30からの出力信号に、第2分配
器18からのローカル信号を混合して第2検波信号S2
を生成する変換用ミキサ32と、第2検波信号S2から
不用な高周波成分を除去して、ビート周波数fuの信号
成分からなるビート信号S1を生成するローパスフィル
タ(LPF)34と、ビート信号Sbに基づいて、目標
物体との距離、及び相対速度を検出する信号処理部36
とを備えている。
【0040】なお、信号処理部36は、CPU,RO
M,RAMからなる周知のマイクロコンピュータを中心
に構成され、ビート信号Sbをデジタル値に変換してC
PUに取り込むためのA/D変換器、A/D変換器を介
して取り込んだデータについて、高速フーリエ変換(F
FT)を高速に実行するための演算処理装置等を備えて
いる。
【0041】このように構成された本実施例のレーダ装
置10では、電圧制御発振器12が、三角波発振器14
からの変調信号Smに従って周波数変調された信号Ss
を生成し、第1分配器16がこの信号を電力分配して送
信信号Sfとローカル信号Lとを生成すると共に、第1
分配器16からのローカル信号Lを第2分配器18が更
にローカル信号L1,L2に2分割する。
【0042】そして、周波数逓倍回路20が、第1分配
器16からの送信信号Sfの周波数を2倍に逓倍して送
信アンテナ22に供給し、送信アンテナ22が、この周
波数が逓倍された送信信号S2fをレーダ波として放射す
る。ところで、電圧制御発振器12が生成する信号Ss
の中心周波数F0/2の角速度をω(=2π・F0/
2)とすると、信号Ssは(6)式にて表わされる。
【0043】 Ss=A・cos{ωt+M(t)} (6) 但し、M(t)=△ω・∫m(t)dtであり、△ωは電圧制
御発振器12の単位電圧当りの角速度変化量、m(t) は
変調信号Smの電圧値である。この信号Ssを第1分配
器16及び第2分配器18にて電力分配してなるローカ
ル信号L1,L2は、信号Ssとは振幅A1(<A)の
値が異なるだけで(6)と同様の式にて表され、ある時
刻tにおける周波数をFtとすると瞬時的には(7)式
で表される。
【0044】 L1=L2=A1・cos{ωt+M(t)} =A1・cos{2π・Ft・t} (7) また、信号Ssを電力分配し、更にその周波数を逓倍し
てなる送信信号S2fは、(8)式にて表され、その周波
数変化を表すグラフは、従来装置の送信信号と同様に、
図18に実線で示すようなものとなる。また、(7)式
の周波数Ftを用いて、瞬時的には(9)式にて表され
る。
【0045】 S2f=A2・cos[2*{ωt+M(t)}] (8) =A2・cos{2π・2Ft・t} (9) 一方、送信アンテナ24にて受信されるレーダ波の受信
信号Srは、(10)式に示すように、レーダ波が目標
物体を往復するのに要する時間△tだけ前に送信された
送信信号S2fに、目標物体との速度差に応じたドップラ
シフトの影響αが重畳されたものであり、その周波数の
変化を表すグラフは、図18に点線で示すようなものと
なる。なお、時刻tでの受信信号Srは、この時刻tで
の受信信号Srの周波数をFrとすると、瞬時的には
(11)式にて表わされる。
【0046】 Sr=A2・cos[2*{ω(t-△t)+M(t-△t)+α}] (10) =A2・cos{2π・Fr・t} (11) そして、高周波用ミキサ26が、受信アンテナ24から
の受信信号Srと、第2分配器18からのローカル信号
L1と混合すると、(12)式に示すように、これら混
合された信号の自乗成分(L1+Sr)2 及び高周波用
ミキサ26の低周波ノイズN等を含んだ第1検波信号S
1が生成される。
【0047】 S1=[Sr+L1]2+N (12) =[A2・cos{2π・Fr・t}+A1・cos{2π・Ft・t}]2+N また、BPF28及び狭帯域増幅器30により第1検波
信号S1から抽出される信号成分P1は、BPF28及
び狭帯域増幅器30による振幅の変化を無視すると(1
3)式にて表される。
【0048】 P1=B1・cos{2π・(Fr-Ft)・t} (13) (但し、B1=A1・A2) 更に、変換用ミキサ32が、この抽出された信号成分P
1と第2分配器18からのローカル信号L2とを混合す
ると、(14)式に示すように、これら混合された信号
の自乗成分等を含んだ第2検波信号S2が生成される。
【0049】 S2=[P1+L2]2 (14) =[B1・cos{2π・(Fr-Ft)・t}+A1・cos{2π・Ft・t}]2 この第2検波信号S2から不用な高域成分をLPF34
により除去すると、(15)式に示すビート周波数fu
(=|Fr−2・Ft|)の信号成分が抽出され、この
信号成分がビート信号Sbとして信号処理部36に取り
込まれる。
【0050】 Sb=B2・cos{2π・(Fr-2・Ft)・t} (15) (但し、B2=B1・A1) そして、信号処理部36は、このビート信号Sbを、送
信信号S2fの上り変調時、及び下り変調時の夫々につい
て、A/D変換して取り込み、高速フーリエ変換を施し
て、ビート信号Sbのスペクトラムを求め、そのスペク
トラムから上り変調時のビートfu,及び下り変調時の
ビート周波数fdを検出し、この検出したビート周波数
fu,fdに基づき、上述の(1)(2)式を用いて、
目標物体との距離Rや相対速度Vを算出する処理を実行
する。
【0051】なお、図3は、送信信号S2f、受信信号S
r、ローカル信号L1,L2、第1検波信号S1から抽
出される信号成分P1、及び第2検波信号S2から抽出
されるビート信号Sbの関係を表す説明図であり、
(a)は受信信号の周波数が送信信号の周波数以上の場
合(Fr≧2×Ft)、(b)は受信信号の周波数が送
信信号の周波数より小さい場合(Fr<2×Ft)を表
している。
【0052】以上説明したように、本実施例のレーダ装
置10においては、周波数が送信信号S2fにほぼ等しい
受信信号Sr(数十GHz)に、周波数が送信信号S2f
の1/2であるローカル信号L1を混合することによ
り、周波数が受信信号Srの約1/2である信号成分P
1を含んだ第1検波信号S1を生成している。
【0053】つまり、信号成分P1の周波数は、低周波
ノイズ(数百KHz以下)より十分に大きく、その影響
を受けることがないので、信号成分P1はSN比の良好
なものとなる。そして、更に本実施例では、このSN比
の良好な信号成分P1を第1検波信号S1から抽出して
ローカル信号L2と混合することにより第2検波信号S
2を生成し、この第2検波信号S2からビート周波数f
uの信号成分を抽出することによりビート信号Sbを生
成している。
【0054】従って、本実施例のレーダ装置10によれ
ば、高周波用ミキサ26にて重畳される低周波ノイズの
影響を受けないSN比の優れたビート信号Sbが得ら
れ、このSN比の優れたビート信号Sbに基づいて、信
号処理部36では、ビート周波数fu,fdを精度よく
検出でき、延いては目標物体との距離や相対速度を精度
よく求めることができる。
【0055】また、本実施例のレーダ装置10によれ
ば、電圧制御発振器12が生成する信号Ssの周波数を
2倍に逓倍したものを送信信号S2fとしているので、電
圧制御発振器12は、実際にレーダ波として送出する送
信信号S2fの半分の周波数で発振できればよく、電圧制
御発振器12の出力をそのまま送信信号とする場合に比
べて、電圧制御発振器12を簡単かつ安価に構成でき
る。
【0056】次に第2実施例について説明する。図4
は、本実施例のレーダ装置40の全体構成を表すブロッ
ク図である。なお、第1実施例のレーダ装置10と同じ
構成部分については、同じ符号を付しここでは、その説
明を省略する。
【0057】図4に示すように、本実施例のレーダ装置
40では、周波数逓倍回路42が、送信信号Sfの周波
数をn倍に逓倍すると共に、第2分配器44が、ローカ
ル信号Lを電力分配して、n個のローカル信号L1〜L
nを生成するように構成されている。
【0058】また、第1実施例のレーダ装置10におけ
る変換用ミキサ32の代わりに、n−1個の変換用ミキ
サX1〜Xn-1 、及び変換用ミキサXi-1 (i=2〜n
−1)が生成する第i検波信号Siから信号成分Piを
抽出するn−2個のバンドパスフィルタFi-1 (F1〜
Fn-2)からなる変換回路群46が設けられている。な
お、変換用ミキサXi-1 は、信号成分Pi-1 にローカル
信号Liを混合することにより第i検波信号Siを生成
し、バンドパスフィルタFi-1 は、第i検波信号Siか
ら、信号成分Pi-1 とローカル信号Liとの差の周波数
近傍以外の信号成分を除去することにより信号成分Pi
を抽出するように構成されている。
【0059】このように構成された本実施例のレーダ装
置40では、ある時刻tにおけるローカル信号L1〜L
nの瞬時的な周波数をFtとすると、ローカル信号L1
〜Lnは、第1実施例と同様に(7)式にて表され、ま
た、この時刻tにおける送信信号Snfは(8a)式にて
表され、瞬時的には(9a)式にて表される。
【0060】 Snf=A2・cos[n*{ωt+M(t)}] (8a) =A2・cos{2π・n・Ft・t} (9a) 一方、送信アンテナ24にて受信されるレーダ波の受信
信号Srは、第1実施例と同様に(10)式にて表さ
れ、時刻tにおける周波数をFrとすると瞬時的には
(11)式にて表される。
【0061】そして、高周波用ミキサ26が、受信アン
テナ24からの受信信号Srと、第2分配器18からの
ローカル信号L1とを混合すると、第1実施例と同様
に、(12)式が得られ、更に、BPF28及び狭帯域
増幅器30により、(13)式に示す信号成分P1が抽
出される。
【0062】なお、第1実施例では、信号成分P1の周
波数|Fr−Ft|が、受信信号Srの周波数Frの約
1/2であったのに対して、本実施例では周波数Frの
約(n−1)/n、即ち、n=3の時に約2/3、n=
4の時に約3/4となる。以後、変換回路群46では、
変換用ミキサXi-1 (i=2〜n−1)が、信号成分P
iに、ローカル信号Liを混合して第i検波信号Siを
生成し、バンドパスフィルタFi-1 が、この第i検波信
号Siから信号成分Piを順次抽出する。
【0063】 Pi=Bi・cos{2π・(Fr-i・Ft)・t} (13a) (但し、Bi=Bi-1・A1,i=2〜n-1) そして、最終段の変換用ミキサXn-1 が、信号成分Pn-
1 とローカル信号Lnとを混合して、(14a)式に示
すような、これら信号の自乗成分を含む第n検波信号S
nを生成する。
【0064】 Sn=[Pn-1+Ln]2 =[Bn-1・cos{2π・(Fr-(n-1)Ft)・t}+A1・cos{2π・Ft・t}]2 (14a) この第n検波信号SnからLPF34により不用な高域
成分を除去すると、(15a)式に示すビート周波数f
u(=|Fr−n×Ft|)の信号成分が抽出され、こ
の信号成分がビート信号Sbとして信号処理部36に取
り込まれる。
【0065】 Sb=Bn・cos{2π・(Fr-n・Ft)・t} (15a) このビート信号Sbを取り込んだ信号処理部36は、第
1実施例と全く同様の処理を実行する。なお、図5は、
n=4とした場合の送信信号S4f,受信信号Sr,ロー
カル信号L1〜L4,第1〜第3検波信号S1〜S3か
ら抽出される信号成分P1〜P3,及び第4検波信号S
4から抽出されるビート信号Sbの関係を表す説明図で
あり、(a)は受信信号の周波数が送信信号の周波数以
上の場合(Fr≧4×Ft)、(b)は受信信号の周波
数が送信信号の周波数より小さい場合(Fr<4×F
t)を表している。
【0066】以上説明したように、本実施例のレーダ装
置40においては、高周波用ミキサ26が、周波数が受
信信号の周波数Frの約(n−1)/nとなる信号成分
P1を含んだ第1検波信号S1を生成するようにされて
いる。つまり、信号成分P1の周波数は、低周波ノイズ
より十分に大きくその影響を受けることがないので、信
号成分P1はSN比の良好なものとなる。
【0067】そして、変換回路群46では、このSN比
の良好な信号成分P1を第1検波信号S1から抽出し
て、この信号成分P1を初段の入力とし、前段で生成/
抽出された信号成分Pi-1 より、周波数がFtだけ小さ
い信号成分Piを順次生成/抽出することにより、最終
的にビート周波数fuの信号成分を抽出するようにされ
ている。
【0068】つまり、変換回路群46では、段を経る毎
に扱う信号の周波数が低下するので、後段では、高速に
動作する素子、即ち低周波ノイズの大きい素子を用いる
ことなく変換用ミキサXiを構成することができ、換言
すれば、変換用ミキサXiにて重畳される低周波ノイズ
を低減することができる。
【0069】なお、ビート周波数fuの信号成分(ビー
ト信号Sb)を生成する最終段の変換用ミキサXn-1 に
入力される信号成分Pn-1 の周波数は、ローカル信号L
の周波数Ft近傍、即ち送受信信号の周波数(数十GH
z)の1/n程度であるため、nが相当に大きくない限
り信号成分Pn-1 が低周波ノイズの領域に重なることが
ない。たとえ、変換用ミキサXn-2 が生成する第(n−
1)検波信号Sn-1 に低周波ノイズが重畳されていて
も、この低周波ノイズはバンドパスフィルタFn-2 にて
確実に除去されるため、SN比の良好な信号成分Pn-1
が得られ、この信号成分Pn-1 に基づいて、SN比の良
好なビート信号Sbが得られる。
【0070】このように、本発明のレーダ装置40によ
れば、第1実施例と同様に、高周波用ミキサ26にて重
畳される低周波ノイズの影響を受けることのないSN比
の優れたビート信号Sbが得られるため、このSN比の
優れたビート信号Sbに基づいて、信号処理部36で
は、ビート周波数fu,fdを精度よく検出でき、延い
ては目標物体との距離や相対速度を精度よく求めること
ができる。
【0071】また本実施例のレーダ装置40によれば、
電圧制御発振器12が生成する信号Ssの周波数をn倍
に逓倍したものを送信信号Snfとしているので、電圧制
御発振器12は、実際にレーダ波として送出する送信信
号Snfの周波数の1/nの周波数で発振できればよく、
電圧制御発振器12をより簡単かつ安価に構成できる。
【0072】なお、本実施例では、第i検波信号Si
(i=2〜n−1)から信号成分Piを抽出するため
に、バンドパスフィルタFi-1 を設けたが、このバンド
パスフィルタFi-1 の代わりに、このバンドパスフィル
タFi-1 が通過させるのと同じ周波数領域の信号成分を
増幅する狭帯域増幅器を設けてもよい。
【0073】次に第3実施例について説明する。図5
は、本実施例のレーダ装置50の全体構成を表すブロッ
ク図である。なお、第1又は第2実施例のレーダ装置1
0,40と同じ構成部分については、同じ符号を付しこ
こでは、その説明を省略する。
【0074】図5に示すように、本実施例のレーダ装置
50は、周波数逓倍回路42が第2実施例と同様に送信
信号Sfの周波数をn倍に逓倍するように構成されてお
り、また、第1実施例における変換用ミキサ32の代わ
りに、n−1次のハーモニックミキサ52が設けられて
いる。
【0075】このように構成された本実施例のレーダ装
置50では、狭帯域増幅器30の出力、即ち信号成分P
1の抽出までは、第2実施例と全く同様に動作する。そ
して、ハーモニックミキサ52が、信号成分P1と周波
数が(n−1)倍にされたローカル信号L2´とを混合
して、(14b)式に示すような、これら信号の自乗成
分を含む第2検波信号S2を生成する。
【0076】 S2=[S1+L2´]2 =[B1・cos{2π・(Fr-Ft)・t}+A1・cos{2π・(n-1)Ft・t}]2 (14b) この第2検波信号S2からLPF34により不用な高域
成分を除去すると、(15b)式に示すビート周波数f
u(=|Fr−n×Ft|)の信号成分が抽出され、こ
の信号成分がビート信号Sbとして信号処理部36に取
り込まれる。
【0077】 Sb=B2・cos{2π・(Fr-n・Ft)・t} (15b) (但し、B2=B1・A1) このビート信号Sbを取り込んだ信号処理部36は、第
1実施例と全く同様の処理を実行する。
【0078】なお、図7は、n=4とした場合の送信信
号S4f、受信信号Sr、ローカル信号L1,L2、第1
各検波信号S1から抽出される信号成分P1、及び第2
検波信号S4から抽出されるビート信号Sbの関係を表
す説明図であり、(a)は受信信号の周波数が送信信号
の周波数以上の場合(Fr≧4×Ft)、(b)は受信
信号の周波数が送信信号の周波数より小さい場合(Fr
<4×Ft)を表している。
【0079】以上説明したように、本実施例のレーダ装
置50においては、高周波用ミキサ26は、周波数が受
信信号の周波数Frの約(n−1)/nとなる信号成分
P1を含んだ第1検波信号S1を生成するようにされて
いる。つまり、信号成分P1の周波数は、低周波ノイズ
より十分に大きくその影響を受けることがないので、信
号成分P1はSN比の良好なものとなる。
【0080】そして、本実施例では、第1検波信号S1
から抽出したこのSN比の良好な信号成分P1とローカ
ル信号L2とに基づいて、ハーモニックミキサ52にて
第2検波信号S2を生成し、この第2検波信号S2から
ビート周波数fuの信号成分を抽出することによりビー
ト信号Sbを生成している。
【0081】従って、本実施例のレーダ装置10によれ
ば、第1実施例と同様に、高周波用ミキサ26にて重畳
される低周波ノイズの影響を受けることのないSN比の
優れたビート信号Sbが得られ、このSN比の優れたビ
ート信号Sbに基づいて、信号処理部36では、ビート
周波数fu,fdを精度よく検出でき、延いては目標物
体との距離や相対速度を精度よく求めることができる。
また本実施例のレーダ装置50によれば、第2実施例と
同様に、電圧制御発振器12が生成する信号Ssの周波
数をn倍に逓倍したものを送信信号Snfとしているの
で、電圧制御発振器12は、実際にレーダ波として送出
する送信信号Snfの周波数の1/nの周波数で発振でき
ればよく、電圧制御発振器12をより簡単かつ安価に構
成できる。
【0082】更に、本実施例のレーダ装置50では、第
2実施例においてn−1個の変換用ミキサX1〜Xn-1
と、n−2個のバンドパスフィルタF1〜Fn-2 とによ
り実現していた変換回路群46の機能を、単一のハーモ
ニックミキサ52にて実現しているので、当該レーダ装
置50の回路構成を簡易化できる。
【0083】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、様
々な態様にて実施することができる。例えば、上記実施
例では、高周波用ミキサ26が生成する第1検波信号S
1から信号成分P1を抽出するために、BPF28及び
狭帯域増幅器30を設けているが、高周波用ミキサ26
が出力する第1検波信号S1の信号レベルが十分に大き
い場合には、狭帯域増幅器30を省略してもよい。
【0084】また、狭帯域増幅器30の増幅帯域幅が十
分に狭くて、信号成分P1のみが十分に増幅される場合
には、不用な信号成分が相対的に十分に小さくなるの
で、BPF28を省略してもよい。また更に、次段のミ
キサの入力により低周波成分を十分に除去できる場合
は、BPF28及び狭帯域増幅器30をいずれも省略し
てもよい。即ち、通常、ミキサの入力は、低周波成分を
除去するように構成されているので、この入力にて低周
波ノイズの大きい周波数領域の信号成分を十分に除去で
きるのであれば、BPF28や狭帯域増幅器30を省略
しても十分に使用できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例のレーダ装置の概略構成図であ
る。
【図2】 レーダ装置が取り付けられた車両を表す説明
図である。
【図3】 第1実施例のレーダ装置において、受信信号
の周波数が変換される様子を表す説明図である。
【図4】 第2実施例のレーダ装置の概略構成図であ
る。
【図5】 第2実施例のレーダ装置において、受信信号
の周波数が変換される様子を表す説明図である。
【図6】 第3実施例のレーダ装置の概略構成図であ
る。
【図7】 第3実施例のレーダ装置において、受信信号
の周波数が変換される様子を表す説明図である。
【図8】 本発明において、受信信号の周波数が変換さ
れる様子を表す説明図である。
【図9】 FMCWレーダ装置の動作原理を表す説明図
である。
【図10】 従来のFMCWレーダ装置の概略構成図で
ある。
【符号の説明】 10,40,50…レーダ装置 12…電圧制御
発振器 14…三角波発振器 16…第1分配器 1
8,44…第2分配器 20,42…周波数逓倍回路 22…送信アン
テナ 24…受信アンテナ 26…高周波用ミキサ 28,F1〜Fn-2…バンドパスフィルタ(BPF) 30…狭帯域増幅器 32,X1〜Xn-1…変換用
ミキサ 34…ローパスフィルタ(LPF) 36…信号処理
部 46…変換回路群 52…ハーモニックミキサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間に対して直線的に周波数が変化する
    ように変調された信号を生成する信号生成手段と、 該信号生成手段からの出力信号を電力分配して、送信信
    号及びローカル信号を生成する信号分岐手段と、 該信号分岐手段からの送信信号をレーダ波として送信す
    る送信アンテナと、 目標物体により反射された上記レーダ波を受信する受信
    アンテナと、 上記受信アンテナからの受信信号に上記信号分岐手段か
    らのローカル信号を混合してビート信号を生成するビー
    ト信号生成手段と、 を備えたレーダ装置において、 上記信号分岐手段からの送信信号を、該送信信号の周波
    数がn(但し、n≧2の整数)倍となるように変換して
    送信アンテナに供給する周波数逓倍手段を設け、 上記ビート信号生成手段は、 上記受信アンテナからの受信信号に上記信号分岐手段か
    らのローカル信号を混合する高周波用ミキサと、 該高周波用ミキサの出力信号から上記受信信号と上記ロ
    ーカル信号との差の周波数近傍の信号成分を抽出する信
    号抽出手段と、 該信号抽出手段が抽出した信号成分を、上記信号分岐手
    段からのローカル信号に基づいて、周波数がn倍にされ
    た送信信号と上記受信信号との差の周波数成分を含んだ
    ビート信号に変換する信号変換手段と、 を備えることを特徴とするレーダ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のレーダ装置において、 上記信号変換手段は、上記信号抽出手段が抽出した信号
    成分に、上記信号分岐手段からのローカル信号の周波数
    をn−1倍して混合するn−1次のハーモニックミキサ
    からなることを特徴とするレーダ装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のレーダ装置において、 上記信号変換手段は、上記ローカル信号と前段のミキサ
    からの出力信号とを混合するn−1個の変換用ミキサを
    備えることを特徴とするレーダ装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のレーダ装置において、 上記変換用ミキサ毎に、該変換用ミキサの出力信号か
    ら、該変換用ミキサの入力信号と上記ローカル信号との
    差の周波数近傍の信号成分を抽出する第2の信号抽出手
    段を設けたことを特徴とするレーダ装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載のレーダ装置において、 上記ビート信号生成手段が生成するビート信号に基づい
    て目標物体との距離及び相対速度を求める演算手段を設
    けたことを特徴とするレーダ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000028711A (ja) * 1998-07-09 2000-01-28 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd アレイアンテナの送受信方法および周波数逓倍方式ミリ波二次元映像装置
US7907084B2 (en) 2008-03-25 2011-03-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Radar device and control method of radar device

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