JP3391886B2 - スペクトル拡散方式を用いた自動車用レーダ装置及びこの装置における周波数ドリフト相殺方法 - Google Patents
スペクトル拡散方式を用いた自動車用レーダ装置及びこの装置における周波数ドリフト相殺方法Info
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- JP3391886B2 JP3391886B2 JP08278994A JP8278994A JP3391886B2 JP 3391886 B2 JP3391886 B2 JP 3391886B2 JP 08278994 A JP08278994 A JP 08278994A JP 8278994 A JP8278994 A JP 8278994A JP 3391886 B2 JP3391886 B2 JP 3391886B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スペクトル拡散(S
S:spread spectrum )式レーダ装置に関し、特にこの
装置における周波数ドリフト相殺方法に関する。
S:spread spectrum )式レーダ装置に関し、特にこの
装置における周波数ドリフト相殺方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レーダ装置としては光学式レーダ及び電
波式レーダが知られている。光学式レーダはレーザ光や
赤外光を搬送波とするレーダであり、電波式レーダは電
波領域の電磁波、例えばミリ波等の電波を搬送波とする
レーダである。また、レーダ装置を変調方式により分類
した場合、FMCW(周波数変調連続波)式、パルス
式、2周波CW式等に分類できる。
波式レーダが知られている。光学式レーダはレーザ光や
赤外光を搬送波とするレーダであり、電波式レーダは電
波領域の電磁波、例えばミリ波等の電波を搬送波とする
レーダである。また、レーダ装置を変調方式により分類
した場合、FMCW(周波数変調連続波)式、パルス
式、2周波CW式等に分類できる。
【0003】近年注目されている変調方式としてはSS
変調方式がある。この方式においては、所定の符号系列
である擬似雑音(PN:pseudo noise)符号によって搬
送波のスペクトルが拡散され、スペクトルが拡散した変
調波が目標(例えば車載用レーダ装置の場合、前方車
両、ガードレール、建物等)の方向に送信される。さら
に、目標によって反射された変調波が受信されこの変調
波に含まれるPN符号の位相と送信時に変調に用いたP
N符号の位相とが比較される。両PN符号間の位相差は
目標までの電波の往復伝搬時間に相当しているから、遅
延回路の制御等によってこの位相差を検出することによ
り、目標の存在及びその距離を検出することができる。
さらには、受信した反射波の周波数は目標の相対移動に
よってドプラシフトしているから、このドプラシフトを
検出することにより目標の相対速度を検出することがで
きる。この方式の利点は、搬送波のスペクトルが相関特
性の鋭いPN符号によって拡散されているため他のシス
テムからの干渉を受けにくい点にある。
変調方式がある。この方式においては、所定の符号系列
である擬似雑音(PN:pseudo noise)符号によって搬
送波のスペクトルが拡散され、スペクトルが拡散した変
調波が目標(例えば車載用レーダ装置の場合、前方車
両、ガードレール、建物等)の方向に送信される。さら
に、目標によって反射された変調波が受信されこの変調
波に含まれるPN符号の位相と送信時に変調に用いたP
N符号の位相とが比較される。両PN符号間の位相差は
目標までの電波の往復伝搬時間に相当しているから、遅
延回路の制御等によってこの位相差を検出することによ
り、目標の存在及びその距離を検出することができる。
さらには、受信した反射波の周波数は目標の相対移動に
よってドプラシフトしているから、このドプラシフトを
検出することにより目標の相対速度を検出することがで
きる。この方式の利点は、搬送波のスペクトルが相関特
性の鋭いPN符号によって拡散されているため他のシス
テムからの干渉を受けにくい点にある。
【0004】SS変調方式の典型例としては、直接拡散
(DS:direct spread )方式がある。この方式におい
ては、送信用搬送波が擬似雑音符号によって直接位相変
調され、目標に向けて送信される。目標からの反射波を
復調するためには、この反射波から搬送波を取り出しこ
れに同期する手段、例えばコスタスループ等の高速搬送
波同期回路が必要である。このようにすると、反射波に
同期した搬送波(コヒーレントキャリア)が得られるた
め、受信した反射波に位相変調成分として含まれている
PN符号を好適に復調でき、また目標の相対移動によっ
て生じるドプラシフトを反射波から好適に抽出すること
ができる。
(DS:direct spread )方式がある。この方式におい
ては、送信用搬送波が擬似雑音符号によって直接位相変
調され、目標に向けて送信される。目標からの反射波を
復調するためには、この反射波から搬送波を取り出しこ
れに同期する手段、例えばコスタスループ等の高速搬送
波同期回路が必要である。このようにすると、反射波に
同期した搬送波(コヒーレントキャリア)が得られるた
め、受信した反射波に位相変調成分として含まれている
PN符号を好適に復調でき、また目標の相対移動によっ
て生じるドプラシフトを反射波から好適に抽出すること
ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
ミリ波帯レーダ装置においてSS変調方式を採用する場
合には、目標から受信する反射波の周波数の安定性や、
送信用搬送波の純度が問題となる。すなわち、受信した
反射波の周波数がある程度安定でないと、PN符号を好
適に復調することができず、従って目標の存在や距離の
検出を正常に実行できなくなる。また、送信用反射波の
純度が十分に高くないと、車載用レーダ装置の場合数十
kHz程度の周波数となるドプラシフトの検出が困難に
なり、速度の正確な検出が難しくなる。
ミリ波帯レーダ装置においてSS変調方式を採用する場
合には、目標から受信する反射波の周波数の安定性や、
送信用搬送波の純度が問題となる。すなわち、受信した
反射波の周波数がある程度安定でないと、PN符号を好
適に復調することができず、従って目標の存在や距離の
検出を正常に実行できなくなる。また、送信用反射波の
純度が十分に高くないと、車載用レーダ装置の場合数十
kHz程度の周波数となるドプラシフトの検出が困難に
なり、速度の正確な検出が難しくなる。
【0006】さらに、搬送波同期回路を用いる場合に
は、反射波の搬送波に同期するための時間が問題とな
る。特に、車載用ミリ波帯レーダ装置のように数百mの
測距範囲が要求される場合には、同期時間の影響を極力
抑えるべく超高速の搬送波同期回路が必要となり、回路
構成の複雑化やコストの増大を余儀なくされる。
は、反射波の搬送波に同期するための時間が問題とな
る。特に、車載用ミリ波帯レーダ装置のように数百mの
測距範囲が要求される場合には、同期時間の影響を極力
抑えるべく超高速の搬送波同期回路が必要となり、回路
構成の複雑化やコストの増大を余儀なくされる。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、距離や速度の検出
に先立ち、受信した反射波又はこれを周波数変換して得
られる中間周波数(IF:intermediate frequency)信
号に含まれる周波数ドリフトを相殺することにより、反
射波の周波数が安定な場合と同じく好適な処理を実行可
能にすることを目的とする。また、本発明は、高速搬送
波同期回路が不要なSS式レーダ装置を実現することを
目的とする。
とを課題としてなされたものであり、距離や速度の検出
に先立ち、受信した反射波又はこれを周波数変換して得
られる中間周波数(IF:intermediate frequency)信
号に含まれる周波数ドリフトを相殺することにより、反
射波の周波数が安定な場合と同じく好適な処理を実行可
能にすることを目的とする。また、本発明は、高速搬送
波同期回路が不要なSS式レーダ装置を実現することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この様な目的を達成する
ために、本発明の周波数ドリフト相殺方法は、周波数ド
リフトΔf1を伴う送信用搬送波を中間周波数に変換し
更にPN符号によりスペクトル拡散変調することによ
り、周波数ドリフトΔf1を伴う局部発振信号を発生さ
せるステップと、上記局部発振信号を乗ずることによ
り、周波数ドリフトΔf1を伴いかつ上記PN符号と同
系列の符号によりスペクトル拡散変調されている目標か
らの反射波を、スペクトル逆拡散変調すると共に周波数
ドリフトΔf1を相殺し、PN符号の位相差の検出に供
するステップと、を有することを特徴とする。
ために、本発明の周波数ドリフト相殺方法は、周波数ド
リフトΔf1を伴う送信用搬送波を中間周波数に変換し
更にPN符号によりスペクトル拡散変調することによ
り、周波数ドリフトΔf1を伴う局部発振信号を発生さ
せるステップと、上記局部発振信号を乗ずることによ
り、周波数ドリフトΔf1を伴いかつ上記PN符号と同
系列の符号によりスペクトル拡散変調されている目標か
らの反射波を、スペクトル逆拡散変調すると共に周波数
ドリフトΔf1を相殺し、PN符号の位相差の検出に供
するステップと、を有することを特徴とする。
【0009】本発明の周波数ドリフト相殺方法は、ま
た、周波数ドリフトΔf2を伴う第1参照信号に周波数
ドリフトΔf1を伴う送信用搬送波を混合しさらにPN
符号によりスペクトル拡散変調することにより、周波数
ドリフトΔf1−Δf2を伴う局部発振信号を発生させ
るステップと、周波数ドリフトΔf1を伴いかつ上記P
N符号と同系列の符号によりスペクトル拡散変調されて
いる目標からの反射波に、少なくとも上記第1参照信号
を混合することにより、周波数ドリフトΔf1−Δf2
を伴うIF信号を発生させるステップと、上記局部発振
信号を乗ずることにより上記IF信号をスペクトル逆拡
散変調すると共に周波数ドリフトΔf1−Δf2を相殺
し、PN符号の位相差の検出に供するステップと、を有
することを特徴とする。
た、周波数ドリフトΔf2を伴う第1参照信号に周波数
ドリフトΔf1を伴う送信用搬送波を混合しさらにPN
符号によりスペクトル拡散変調することにより、周波数
ドリフトΔf1−Δf2を伴う局部発振信号を発生させ
るステップと、周波数ドリフトΔf1を伴いかつ上記P
N符号と同系列の符号によりスペクトル拡散変調されて
いる目標からの反射波に、少なくとも上記第1参照信号
を混合することにより、周波数ドリフトΔf1−Δf2
を伴うIF信号を発生させるステップと、上記局部発振
信号を乗ずることにより上記IF信号をスペクトル逆拡
散変調すると共に周波数ドリフトΔf1−Δf2を相殺
し、PN符号の位相差の検出に供するステップと、を有
することを特徴とする。
【0010】本発明の周波数ドリフト相殺方法は、さら
に、安定化された周波数f3を有する第2参照信号を混
合することにより、周波数ドリフトΔf1を伴う反射波
又は周波数ドリフトΔf1−Δf2を伴うIF信号を周
波数変換するステップと、安定化された周波数f4を有
する第3参照信号を混合することにより、周波数ドリフ
トΔf1又はΔf1−Δf2を伴う局部発振信号を周波
数変換するステップと、を有することを特徴とする。
に、安定化された周波数f3を有する第2参照信号を混
合することにより、周波数ドリフトΔf1を伴う反射波
又は周波数ドリフトΔf1−Δf2を伴うIF信号を周
波数変換するステップと、安定化された周波数f4を有
する第3参照信号を混合することにより、周波数ドリフ
トΔf1又はΔf1−Δf2を伴う局部発振信号を周波
数変換するステップと、を有することを特徴とする。
【0011】そして、本発明のスペクトル拡散式レーダ
装置は、上記搬送波をPN符号によりスペクトル拡散変
調し目標方向に送信する手段と、上記反射波を受信する
手段と、本発明の周波数ドリフト相殺方法を実行する手
段と、目標との往復距離に相当する位相となるよう、周
波数ドリフト相殺処理をへた反射波を用いて上記PN符
号の位相差を検出し、当該位相差が目標との往復距離に
相当している場合にこの位相差に基づき目標までの距離
及び/又は目標の相対速度を求める手段と、を備えるこ
とを特徴とする。
装置は、上記搬送波をPN符号によりスペクトル拡散変
調し目標方向に送信する手段と、上記反射波を受信する
手段と、本発明の周波数ドリフト相殺方法を実行する手
段と、目標との往復距離に相当する位相となるよう、周
波数ドリフト相殺処理をへた反射波を用いて上記PN符
号の位相差を検出し、当該位相差が目標との往復距離に
相当している場合にこの位相差に基づき目標までの距離
及び/又は目標の相対速度を求める手段と、を備えるこ
とを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明においては、検波、積分、相関判定等の
処理に先立ち、目標から受信した反射波に含まれる周波
数ドリフトが相殺される。ここに、送信用搬送波がΔf
1の周波数ドリフトを有しているとする。目標から受信
する反射波は、目標の相対移動に起因するドプラシフト
の他、この周波数ドリフトΔf1を有している。目標か
ら受信した反射波には、少なくとも、周波数ドリフトΔ
f1を伴いかつスペクトル拡散変調された局部発振信号
が混合される。この結果得られる信号(スペクトル逆拡
散信号)は、送信の際に使用したPN符号と受信した反
射波に係るPN符号の相関の度合い(有無)を示しかつ
周波数ドリフトΔf1が相殺された信号となる。この信
号は、PN符号の位相差の検出(具体的には、検波、積
分、相関判定、PN符号の遅延等の処理)に供せられ
る。従って、本発明においては、送信用搬送波を発振す
る発振器に周波数ドリフトΔf1があったとしても、こ
れと同じ周波数ドリフトΔf1を有する局部発振信号に
より反射波中の周波数ドリフトΔf1が相殺されるか
ら、反射波の周波数安定性が高い場合と同様に好適な処
理が実現される。
処理に先立ち、目標から受信した反射波に含まれる周波
数ドリフトが相殺される。ここに、送信用搬送波がΔf
1の周波数ドリフトを有しているとする。目標から受信
する反射波は、目標の相対移動に起因するドプラシフト
の他、この周波数ドリフトΔf1を有している。目標か
ら受信した反射波には、少なくとも、周波数ドリフトΔ
f1を伴いかつスペクトル拡散変調された局部発振信号
が混合される。この結果得られる信号(スペクトル逆拡
散信号)は、送信の際に使用したPN符号と受信した反
射波に係るPN符号の相関の度合い(有無)を示しかつ
周波数ドリフトΔf1が相殺された信号となる。この信
号は、PN符号の位相差の検出(具体的には、検波、積
分、相関判定、PN符号の遅延等の処理)に供せられ
る。従って、本発明においては、送信用搬送波を発振す
る発振器に周波数ドリフトΔf1があったとしても、こ
れと同じ周波数ドリフトΔf1を有する局部発振信号に
より反射波中の周波数ドリフトΔf1が相殺されるか
ら、反射波の周波数安定性が高い場合と同様に好適な処
理が実現される。
【0013】本発明においては、さらに、周波数ドリフ
トΔf1の相殺に先立ち、第1参照信号を用いた周波数
変換を行うことが可能である。すなわち、目標から受信
した反射波には周波数ドリフトΔf2を伴う第1参照信
号が混合されこれにより周波数ドリフトΔf1−Δf2
を伴うIF信号が生成される一方で、局部発振信号の生
成の際さらに送信用搬送波にこの第1参照信号が乗ぜら
れ周波数ドリフトΔf1−Δf2を伴う局部発振信号が
生成される。このようにして得られた局部発振信号をI
F信号に乗ずると、局部発振信号の周波数ドリフトΔf
1−Δf2によって上記IF信号の周波数ドリフトΔf
1−Δf2が相殺される。周波数ドリフトΔf1−Δf
2が相殺されたスペクトル逆拡散信号は、PN符号の位
相差の検出に供せられる。このような構成とすることに
より、IF帯域での局部発振信号との乗算、すなわち周
波数ドリフトの相殺及びスペクトル逆拡散が可能にな
り、また周波数変換用の発振器のうち局部発振信号及び
IF信号で共用できるものについては、ある程度の周波
数ドリフトΔf2を許容可能になる。
トΔf1の相殺に先立ち、第1参照信号を用いた周波数
変換を行うことが可能である。すなわち、目標から受信
した反射波には周波数ドリフトΔf2を伴う第1参照信
号が混合されこれにより周波数ドリフトΔf1−Δf2
を伴うIF信号が生成される一方で、局部発振信号の生
成の際さらに送信用搬送波にこの第1参照信号が乗ぜら
れ周波数ドリフトΔf1−Δf2を伴う局部発振信号が
生成される。このようにして得られた局部発振信号をI
F信号に乗ずると、局部発振信号の周波数ドリフトΔf
1−Δf2によって上記IF信号の周波数ドリフトΔf
1−Δf2が相殺される。周波数ドリフトΔf1−Δf
2が相殺されたスペクトル逆拡散信号は、PN符号の位
相差の検出に供せられる。このような構成とすることに
より、IF帯域での局部発振信号との乗算、すなわち周
波数ドリフトの相殺及びスペクトル逆拡散が可能にな
り、また周波数変換用の発振器のうち局部発振信号及び
IF信号で共用できるものについては、ある程度の周波
数ドリフトΔf2を許容可能になる。
【0014】本発明においては、さらに、安定化された
周波数f3を有する第2参照信号が反射波又はIF信号
に、安定化された周波数f4を有する第3参照信号が局
部発振信号に、それぞれ乗ぜられる。これら反射波又は
IF信号と局部発振信号とを乗じて得られる信号の周波
数は|f4−f3|となる。従って、本発明において
は、この信号から|f4−f3|近傍の周波数成分を取
り出しスペクトル逆拡散信号として送受信間のPN符号
の位相差検出に供すればよいため、スペクトル逆拡散が
簡素な構成で実現される。また、周波数が安定化された
第2及び第3参照信号は、比較的低周波でよいから、P
LL(phase locked loop )等を用いて発生させればよ
い。
周波数f3を有する第2参照信号が反射波又はIF信号
に、安定化された周波数f4を有する第3参照信号が局
部発振信号に、それぞれ乗ぜられる。これら反射波又は
IF信号と局部発振信号とを乗じて得られる信号の周波
数は|f4−f3|となる。従って、本発明において
は、この信号から|f4−f3|近傍の周波数成分を取
り出しスペクトル逆拡散信号として送受信間のPN符号
の位相差検出に供すればよいため、スペクトル逆拡散が
簡素な構成で実現される。また、周波数が安定化された
第2及び第3参照信号は、比較的低周波でよいから、P
LL(phase locked loop )等を用いて発生させればよ
い。
【0015】そして、本発明においては、周波数ドリフ
トの相殺処理をへた後の反射波又は中間周波数信号に基
づき送受信間のPN符号の位相差が検出され、この位相
差に基づき、目標までの距離や目標の相対速度が検出さ
れる。このように、周波数が安定した信号に基づきPN
符号の位相差が検出されるため、送信用搬送波の周波数
ドリフトΔf1にかかわらず距離や相対速度が正常かつ
正確に得られる。また、反射波からのドプラシフトの検
出が不要になり、高速搬送波同期回路が不要になる。
トの相殺処理をへた後の反射波又は中間周波数信号に基
づき送受信間のPN符号の位相差が検出され、この位相
差に基づき、目標までの距離や目標の相対速度が検出さ
れる。このように、周波数が安定した信号に基づきPN
符号の位相差が検出されるため、送信用搬送波の周波数
ドリフトΔf1にかかわらず距離や相対速度が正常かつ
正確に得られる。また、反射波からのドプラシフトの検
出が不要になり、高速搬送波同期回路が不要になる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。
基づき説明する。
【0017】図1には、本発明の一実施例に係るSS式
レーダ装置の構成が示されている。この図に示される装
置は、車載用ミリ波レーダ装置として構成されている。
レーダ装置の構成が示されている。この図に示される装
置は、車載用ミリ波レーダ装置として構成されている。
【0018】ミリ波発振器1は周波数f1の送信用搬送
波を発生させる発振器であり、その発振出力は変調器3
に供給されている。変調器3は、発振器1から供給され
る搬送波をPN符号により直接拡散変調し、送信用空中
線4により車両前方又は後方、すなわち他車等の目標が
存在する可能性のある方向に、直接拡散変調された搬送
波(スペクトル拡散波)を送信する。搬送波の変調に用
いられるPN符号は所定の高速符号系列であり、符号発
生器12によって生成されている。
波を発生させる発振器であり、その発振出力は変調器3
に供給されている。変調器3は、発振器1から供給され
る搬送波をPN符号により直接拡散変調し、送信用空中
線4により車両前方又は後方、すなわち他車等の目標が
存在する可能性のある方向に、直接拡散変調された搬送
波(スペクトル拡散波)を送信する。搬送波の変調に用
いられるPN符号は所定の高速符号系列であり、符号発
生器12によって生成されている。
【0019】送信方向に目標が存在している場合、送信
したスペクトル拡散波はこの目標によって反射され、反
射波が受信用空中線5によって受信される。受信された
反射波は周波数変換回路6及び7によってIFに周波数
変換(ダウンコンバート)される。周波数変換回路6に
おけるダウンコンバートの際に参照信号として使用され
る信号(以下、第1参照信号という)はミリ波発振器2
によって、周波数変換回路7におけるダウンコンバート
の際に参照信号として使用される信号(以下、第2参照
信号という)は安定化発振器8によって、それぞれ生成
されている。発振器2の発振周波数はf2であり、発振
器8の発振周波数はf3である。従って、上述の周波数
変換により得られるIF信号の周波数は、発振器1及び
2の周波数ドリフト及び目標の相対移動によるドプラシ
フトを無視した場合、f1−f2−f3となる。
したスペクトル拡散波はこの目標によって反射され、反
射波が受信用空中線5によって受信される。受信された
反射波は周波数変換回路6及び7によってIFに周波数
変換(ダウンコンバート)される。周波数変換回路6に
おけるダウンコンバートの際に参照信号として使用され
る信号(以下、第1参照信号という)はミリ波発振器2
によって、周波数変換回路7におけるダウンコンバート
の際に参照信号として使用される信号(以下、第2参照
信号という)は安定化発振器8によって、それぞれ生成
されている。発振器2の発振周波数はf2であり、発振
器8の発振周波数はf3である。従って、上述の周波数
変換により得られるIF信号の周波数は、発振器1及び
2の周波数ドリフト及び目標の相対移動によるドプラシ
フトを無視した場合、f1−f2−f3となる。
【0020】このIF信号は乗算器15において局部発
振信号と乗ぜられ、これによってスペクトル逆拡散信号
が生成される。乗算器15において使用される局部発振
信号は、ミリ波発振器1及び2の他、周波数変換回路9
及び10並びに変調器14によって生成される。すなわ
ち、まず発振器1の発振出力(送信用搬送波)が、第1
参照信号により周波数変換回路9において周波数f1−
f2に周波数変換される(但し発振器2の周波数ドリフ
トを無視する)。得られた信号は、さらに、周波数f4
(実施例においてはf4>f3。但し、本発明はf3>
f4であっても構わない)で発振する安定化発振器11
の発振出力(以下、第3参照信号という)により、周波
数変換回路9において周波数f1−f2−f4に周波数
変換される。周波数変換回路10によって周波数変換さ
れた信号は、変調器14において直接拡散変調される。
この直接拡散変調に用いられるPN符号は符号発生器1
2の出力を遅延回路13により遅延させて得られる符号
である。この変調の結果として得られる局部発振信号
が、乗算器15においてIF信号に乗ぜられると、周波
数(f1−f2−f3)−(f1−f2−f4)=f4
−f3のスペクトル逆拡散信号が得られる。
振信号と乗ぜられ、これによってスペクトル逆拡散信号
が生成される。乗算器15において使用される局部発振
信号は、ミリ波発振器1及び2の他、周波数変換回路9
及び10並びに変調器14によって生成される。すなわ
ち、まず発振器1の発振出力(送信用搬送波)が、第1
参照信号により周波数変換回路9において周波数f1−
f2に周波数変換される(但し発振器2の周波数ドリフ
トを無視する)。得られた信号は、さらに、周波数f4
(実施例においてはf4>f3。但し、本発明はf3>
f4であっても構わない)で発振する安定化発振器11
の発振出力(以下、第3参照信号という)により、周波
数変換回路9において周波数f1−f2−f4に周波数
変換される。周波数変換回路10によって周波数変換さ
れた信号は、変調器14において直接拡散変調される。
この直接拡散変調に用いられるPN符号は符号発生器1
2の出力を遅延回路13により遅延させて得られる符号
である。この変調の結果として得られる局部発振信号
が、乗算器15においてIF信号に乗ぜられると、周波
数(f1−f2−f3)−(f1−f2−f4)=f4
−f3のスペクトル逆拡散信号が得られる。
【0021】こうして得られたスペクトル逆拡散信号
は、f4−f3近傍の帯域を通過帯域とするフィルタ1
6によって瀘波され、さらに検波器17によって検波さ
れる。検波によって得られるのは、スペクトル逆拡散信
号の基本周波数(f4−f3)成分のレベルである。得
られたレベルは後段の積分器18によってPN符号の1
周期に亘って積分され、これによりスペクトル逆拡散信
号の基本周波数成分の平均レベルが得られる。得られた
平均レベルは相関判定器19に供給される。
は、f4−f3近傍の帯域を通過帯域とするフィルタ1
6によって瀘波され、さらに検波器17によって検波さ
れる。検波によって得られるのは、スペクトル逆拡散信
号の基本周波数(f4−f3)成分のレベルである。得
られたレベルは後段の積分器18によってPN符号の1
周期に亘って積分され、これによりスペクトル逆拡散信
号の基本周波数成分の平均レベルが得られる。得られた
平均レベルは相関判定器19に供給される。
【0022】相関判定器19は、スペクトル逆拡散信号
の基本周波数成分の平均レベルに応じ、遅延回路13に
おける遅延量を制御する。すなわち、変調器14に供給
されるPN符号の位相と、受信した反射波に係るPN符
号の位相とが一致していれば(すなわち相関があれ
ば)、反射波に施されているスペクトル拡散変調が、乗
算器15における乗算により復調されるから、乗算器1
5から得られるスペクトル逆拡散信号のスペクトルは周
波数f4−f3(ドプラシフトは無視する)に集中す
る。逆に、両PN符号の位相が一致していなければ(す
なわち相関がなければ)、反射波に施されているスペク
トル拡散変調は復調されず、乗算器15から得られるス
ペクトル逆拡散信号のスペクトルは広い帯域に拡散した
ままである。
の基本周波数成分の平均レベルに応じ、遅延回路13に
おける遅延量を制御する。すなわち、変調器14に供給
されるPN符号の位相と、受信した反射波に係るPN符
号の位相とが一致していれば(すなわち相関があれ
ば)、反射波に施されているスペクトル拡散変調が、乗
算器15における乗算により復調されるから、乗算器1
5から得られるスペクトル逆拡散信号のスペクトルは周
波数f4−f3(ドプラシフトは無視する)に集中す
る。逆に、両PN符号の位相が一致していなければ(す
なわち相関がなければ)、反射波に施されているスペク
トル拡散変調は復調されず、乗算器15から得られるス
ペクトル逆拡散信号のスペクトルは広い帯域に拡散した
ままである。
【0023】従って、積分器18によって得られる基本
周波数成分の平均レベルが所定値以上であれば、両PN
符号の位相が一致していると見なすことができる。相関
判定器19は、この場合には距離計算部20にトリガを
与え、目標までの距離を遅延回路13の遅延量に基づき
計算させる。さらに、相対速度計算部21は、計算され
た距離を時間を追って監視し、距離の時間変化に基づき
目標の相対速度を計算する。距離計算部20及び相対速
度計算部21により得られる距離及び相対速度は、それ
ぞれ、図示しない表示器や車両制御・制動機構に距離デ
ータ及び相対速度データとして供給される。逆に、積分
器18によって得られる基本周波数成分の平均レベルが
低く、相関ありと見なせない場合には、相関判定器19
は、遅延回路13におけるPN符号遅延量を微小量ずつ
変化させ、相関ありと判定できる遅延量を探索する。
周波数成分の平均レベルが所定値以上であれば、両PN
符号の位相が一致していると見なすことができる。相関
判定器19は、この場合には距離計算部20にトリガを
与え、目標までの距離を遅延回路13の遅延量に基づき
計算させる。さらに、相対速度計算部21は、計算され
た距離を時間を追って監視し、距離の時間変化に基づき
目標の相対速度を計算する。距離計算部20及び相対速
度計算部21により得られる距離及び相対速度は、それ
ぞれ、図示しない表示器や車両制御・制動機構に距離デ
ータ及び相対速度データとして供給される。逆に、積分
器18によって得られる基本周波数成分の平均レベルが
低く、相関ありと見なせない場合には、相関判定器19
は、遅延回路13におけるPN符号遅延量を微小量ずつ
変化させ、相関ありと判定できる遅延量を探索する。
【0024】この実施例の第1の特徴は、ミリ波発振器
1が発生させた搬送波を周波数変換して局部発振信号を
生成することにより、局部発振信号にミリ波発振器1の
周波数ドリフトΔf1を与えていることにある。第2の
特徴は、第1参照信号を周波数変換に用いてIF信号及
び局部発振信号を生成することにより、IF帯域へのダ
ウンコンバートの際に反射波及び搬送波に与える周波数
ドリフトの値を共にミリ波発振器2の周波数ドリフトΔ
f2にしていることにある。第3の特徴は、これらの周
波数変換の結果得られるIF信号及び局部発振信号の周
波数ドリフトが共にΔf1−Δf2で等しく、乗算器1
5によりこの周波数ドリフトΔf1−Δf2を相殺して
いることにある。第4の特徴は、発振器8及び11とし
てPLL等を用いることにより第2及び第3参照信号の
発振周波数f3及びf4を安定化し、これを用いてIF
信号及び局部発振信号を生成することにより、スペクト
ル逆拡散信号の基本周波数f4−f3を安定化している
点にある。第5の特徴は、距離の時間変化に着目して相
対速度を計算している点にある。
1が発生させた搬送波を周波数変換して局部発振信号を
生成することにより、局部発振信号にミリ波発振器1の
周波数ドリフトΔf1を与えていることにある。第2の
特徴は、第1参照信号を周波数変換に用いてIF信号及
び局部発振信号を生成することにより、IF帯域へのダ
ウンコンバートの際に反射波及び搬送波に与える周波数
ドリフトの値を共にミリ波発振器2の周波数ドリフトΔ
f2にしていることにある。第3の特徴は、これらの周
波数変換の結果得られるIF信号及び局部発振信号の周
波数ドリフトが共にΔf1−Δf2で等しく、乗算器1
5によりこの周波数ドリフトΔf1−Δf2を相殺して
いることにある。第4の特徴は、発振器8及び11とし
てPLL等を用いることにより第2及び第3参照信号の
発振周波数f3及びf4を安定化し、これを用いてIF
信号及び局部発振信号を生成することにより、スペクト
ル逆拡散信号の基本周波数f4−f3を安定化している
点にある。第5の特徴は、距離の時間変化に着目して相
対速度を計算している点にある。
【0025】図2には、周波数ドリフトやドプラシフト
を考慮にいれた場合の実施例の動作が示されている。
を考慮にいれた場合の実施例の動作が示されている。
【0026】まず、図2(a)に示されるのは、IF信
号のスペクトル分布の一例である。IF信号の周波数
は、上述のように、周波数ドリフト及びドプラシフトを
無視した場合、f1−f2−f3となる。周波数ドリフ
トΔf1を考慮にいれた場合の発振器1の発振周波数は
f1±Δf1、周波数ドリフトΔf2を考慮にいれた場
合の発振器2の発振周波数はf2±Δf2である。従っ
て、さらにドプラシフトΔfdを考慮にいれた場合のI
F信号の周波数は、f1−f2−f3±(Δf1−Δf
2)±Δfdとなる。また、送信される搬送波のスペク
トルは拡散しているから、IF信号のスペクトルも拡散
する。従って、IF信号のスペクトルは、図2(a)に
示されるように周波数f1−f2−f3±(Δf1−Δ
f2)±Δfdを中心として広い帯域に拡散した分布と
なる。
号のスペクトル分布の一例である。IF信号の周波数
は、上述のように、周波数ドリフト及びドプラシフトを
無視した場合、f1−f2−f3となる。周波数ドリフ
トΔf1を考慮にいれた場合の発振器1の発振周波数は
f1±Δf1、周波数ドリフトΔf2を考慮にいれた場
合の発振器2の発振周波数はf2±Δf2である。従っ
て、さらにドプラシフトΔfdを考慮にいれた場合のI
F信号の周波数は、f1−f2−f3±(Δf1−Δf
2)±Δfdとなる。また、送信される搬送波のスペク
トルは拡散しているから、IF信号のスペクトルも拡散
する。従って、IF信号のスペクトルは、図2(a)に
示されるように周波数f1−f2−f3±(Δf1−Δ
f2)±Δfdを中心として広い帯域に拡散した分布と
なる。
【0027】図2(b)に示されるのは、局部発振信号
のスペクトル分布の一例である。局部発振信号の周波数
は、上述のように、周波数ドリフトを無視した場合、f
1−f2−f4となる。周波数ドリフトΔf1及びΔf
2を考慮にいれた場合の局部発振信号の周波数は、f1
−f2−f4±(Δf1−Δf2)となる。また、変調
器14においてスペクトル拡散変調されているから、局
部発振信号のスペクトルも拡散する。従って、局部発振
信号のスペクトルは、図2(b)に示されるように周波
数f1−f2−f4±(Δf1−Δf2)を中心として
広い帯域に拡散した分布となる。
のスペクトル分布の一例である。局部発振信号の周波数
は、上述のように、周波数ドリフトを無視した場合、f
1−f2−f4となる。周波数ドリフトΔf1及びΔf
2を考慮にいれた場合の局部発振信号の周波数は、f1
−f2−f4±(Δf1−Δf2)となる。また、変調
器14においてスペクトル拡散変調されているから、局
部発振信号のスペクトルも拡散する。従って、局部発振
信号のスペクトルは、図2(b)に示されるように周波
数f1−f2−f4±(Δf1−Δf2)を中心として
広い帯域に拡散した分布となる。
【0028】従って、乗算器15により得られるスペク
トル逆拡散信号の周波数は、周波数ドリフトΔf1及び
Δf2並びにドプラシフトΔfdを考慮にいれた場合、
{f1−f2−f3±(Δf1−Δf2)±Δfd}−
{f1−f2−f4±(Δf1−Δf2)}=f4−f
3±Δfdとなる。すなわち、基本周波数f4−f3に
ドプラシフトΔfdを加味した値となる。スペクトル拡
散波が目標までを往復伝搬することにより生じる位相ず
れと、遅延回路13において付与される位相ずれとが一
致している場合には、図2(c)に示されるように周波
数f4−f3±Δfdに鋭い相関ピークが現れ、一致し
ていない場合には図2(d)に示されるように拡散した
スペクトル分布が得られる。
トル逆拡散信号の周波数は、周波数ドリフトΔf1及び
Δf2並びにドプラシフトΔfdを考慮にいれた場合、
{f1−f2−f3±(Δf1−Δf2)±Δfd}−
{f1−f2−f4±(Δf1−Δf2)}=f4−f
3±Δfdとなる。すなわち、基本周波数f4−f3に
ドプラシフトΔfdを加味した値となる。スペクトル拡
散波が目標までを往復伝搬することにより生じる位相ず
れと、遅延回路13において付与される位相ずれとが一
致している場合には、図2(c)に示されるように周波
数f4−f3±Δfdに鋭い相関ピークが現れ、一致し
ていない場合には図2(d)に示されるように拡散した
スペクトル分布が得られる。
【0029】従って、本実施例によれば、周波数ドリフ
トΔf1−Δf2を伴いかつスペクトル拡散変調された
局部発振信号を、同様に周波数ドリフトΔf1−Δf2
を伴いかつスペクトル拡散変調されているIF信号に混
合し、これにより周波数ドリフトΔf1−Δf2を相殺
するようにしたため、搬送波発生用の発振器1の周波数
ドリフトΔf1やダウンコンバート用の発振器2の周波
数ドリフトΔf2にかかわらず、反射波の周波数安定性
が高い場合と同程度に正確に、目標までの距離や目標の
相対速度を算出できる。さらに、反射波のダウンコンバ
ートに用いた発振器2の発振出力を、局部発振信号を発
生させるため搬送波の周波数変換に用いるようにしたた
め、発振器2の周波数ドリフトΔf2を相殺しながら、
スペクトル逆拡散をIF帯域で実行可能になる。また、
第2参照信号と第3参照信号の周波数差f4−f3を用
いて相関検出を行っているため、発振器8及び11をP
LL等を用いて構成でき、またフィルタ16によってス
ペクトル逆拡散信号の基本周波数f4−f3近傍の成分
を取り出すことができる。従って、装置構成が簡素にな
る。加えて、遅延回路13の遅延量として検出した位相
差に基づき距離、速度等を検出するようにしているた
め、速度の検出に当たってドプラシフト検出が不要にな
り、高速搬送波同期回路が不要になる。
トΔf1−Δf2を伴いかつスペクトル拡散変調された
局部発振信号を、同様に周波数ドリフトΔf1−Δf2
を伴いかつスペクトル拡散変調されているIF信号に混
合し、これにより周波数ドリフトΔf1−Δf2を相殺
するようにしたため、搬送波発生用の発振器1の周波数
ドリフトΔf1やダウンコンバート用の発振器2の周波
数ドリフトΔf2にかかわらず、反射波の周波数安定性
が高い場合と同程度に正確に、目標までの距離や目標の
相対速度を算出できる。さらに、反射波のダウンコンバ
ートに用いた発振器2の発振出力を、局部発振信号を発
生させるため搬送波の周波数変換に用いるようにしたた
め、発振器2の周波数ドリフトΔf2を相殺しながら、
スペクトル逆拡散をIF帯域で実行可能になる。また、
第2参照信号と第3参照信号の周波数差f4−f3を用
いて相関検出を行っているため、発振器8及び11をP
LL等を用いて構成でき、またフィルタ16によってス
ペクトル逆拡散信号の基本周波数f4−f3近傍の成分
を取り出すことができる。従って、装置構成が簡素にな
る。加えて、遅延回路13の遅延量として検出した位相
差に基づき距離、速度等を検出するようにしているた
め、速度の検出に当たってドプラシフト検出が不要にな
り、高速搬送波同期回路が不要になる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
検波、積分、相関判定、遅延制御等の処理に先立ち、周
波数ドリフトΔf1又はΔf1−Δf2を伴いかつスペ
クトル拡散変調された局部発振信号を目標から受信した
反射波又はこれを周波数変換して得られるIF信号に混
合し、これにより周波数ドリフトΔf1又はΔf1−Δ
f2を相殺するようにしたため、送信用搬送波を発振す
る発振器の周波数ドリフトΔf1にかかわらず、反射波
の周波数安定性が高い場合と同様、正確な距離、相対速
度の算出を実現可能になる。さらに、周波数ドリフトΔ
f1の相殺に先立ち、受信した反射波及び局部発振信号
双方について共通する第1参照信号による周波数変換を
施すようにした場合、周波数ドリフトの相殺及びスペク
トル逆拡散をIF帯域で実行可能になる。また、第2参
照信号と第3参照信号の周波数差を用いて相関検出を行
うようにした場合、PLL等を用いて第2及び第3参照
信号を得ることができかつ当該周波数差に係る通過帯域
を有するフィルタによってスペクトル逆拡散信号の基本
周波数を取り出すことができるため、装置構成が簡素に
なる。加えて、検出した位相差に基づき距離、速度等を
検出するようにした場合、速度の検出に当たって反射波
からのドプラシフトの検出が不要になり、高速搬送波同
期回路が不要になる。
検波、積分、相関判定、遅延制御等の処理に先立ち、周
波数ドリフトΔf1又はΔf1−Δf2を伴いかつスペ
クトル拡散変調された局部発振信号を目標から受信した
反射波又はこれを周波数変換して得られるIF信号に混
合し、これにより周波数ドリフトΔf1又はΔf1−Δ
f2を相殺するようにしたため、送信用搬送波を発振す
る発振器の周波数ドリフトΔf1にかかわらず、反射波
の周波数安定性が高い場合と同様、正確な距離、相対速
度の算出を実現可能になる。さらに、周波数ドリフトΔ
f1の相殺に先立ち、受信した反射波及び局部発振信号
双方について共通する第1参照信号による周波数変換を
施すようにした場合、周波数ドリフトの相殺及びスペク
トル逆拡散をIF帯域で実行可能になる。また、第2参
照信号と第3参照信号の周波数差を用いて相関検出を行
うようにした場合、PLL等を用いて第2及び第3参照
信号を得ることができかつ当該周波数差に係る通過帯域
を有するフィルタによってスペクトル逆拡散信号の基本
周波数を取り出すことができるため、装置構成が簡素に
なる。加えて、検出した位相差に基づき距離、速度等を
検出するようにした場合、速度の検出に当たって反射波
からのドプラシフトの検出が不要になり、高速搬送波同
期回路が不要になる。
【図1】本発明の一実施例に係る装置の構成を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図2】(a)〜(d)は、それぞれ、IF信号、局部
発振信号、相関がある場合の逆拡散信号、相関がない場
合の逆拡散信号のスペクトル分布を示す図である。
発振信号、相関がある場合の逆拡散信号、相関がない場
合の逆拡散信号のスペクトル分布を示す図である。
【符号の説明】
1,2 ミリ波発振器
3,14 変調器
6,7,9,10 周波数変換回路
8,11 安定化発振器
12 符号発生器
13 遅延回路
15 乗算器
17 検波器
18 積分器
19 相関判定器
20 距離計算部
21 相対速度計算部
f1 搬送波の周波数
Δf1 搬送波の周波数ドリフト
f2 第1参照信号の周波数
Δf2 第1参照信号の周波数ドリフト
Δfd ドプラシフト
f3 第2参照信号の周波数
f4 第3参照信号の周波数
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G01S 7/00 - 7/64
G01S 13/00 - 17/95
Claims (4)
- 【請求項1】 周波数ドリフトΔf1を伴う送信用搬送
波を中間周波数に変換し更に擬似雑音符号によりスペク
トル拡散変調することにより、周波数ドリフトΔf1を
伴う局部発振信号を発生させるステップと、 上記局部発振信号を乗ずることにより、周波数ドリフト
Δf1を伴いかつ上記擬似雑音符号と同系列の符号によ
りスペクトル拡散変調されている目標からの反射波を、
スペクトル逆拡散変調すると共にその周波数ドリフトΔ
f1を相殺し、擬似雑音符号の位相差の検出に供するス
テップと、 を有することを特徴とする周波数ドリフト相殺方法。 - 【請求項2】 周波数ドリフトΔf2を伴う第1参照信
号に周波数ドリフトΔf1を伴う送信用搬送波を混合し
さらに擬似雑音符号によりスペクトル拡散変調すること
により、周波数ドリフトΔf1−Δf2を伴う局部発振
信号を発生させるステップと、 周波数ドリフトΔf1を伴いかつ上記擬似雑音符号と同
系列の符号によりスペクトル拡散変調されている目標か
らの反射波に、上記第1参照信号を混合することによ
り、周波数ドリフトΔf1−Δf2を伴う中間周波数信
号を発生させるステップと、 上記局部発振信号を乗ずることにより、上記中間周波数
信号をスペクトル逆拡散変調すると共に周波数ドリフト
Δf1−Δf2を相殺し、擬似雑音符号の位相差の検出
に供するステップと、 を有することを特徴とする周波数ドリフト相殺方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の周波数ドリフト相
殺方法において、 安定化された周波数f3を有する第2参照信号を混合す
ることにより、周波数ドリフトΔf1を伴う反射波又は
周波数ドリフトΔf1−Δf2を伴う中間周波数信号を
周波数変換するステップと、 安定化された周波数f4を有する第3参照信号を混合す
ることにより、周波数ドリフトΔf1又はΔf1−Δf
2を伴う局部発振信号を周波数変換するステップと、 を有することを特徴とする周波数ドリフト相殺方法。 - 【請求項4】 周波数ドリフトΔf1を伴う送信用搬送
波を擬似雑音符号によりスペクトル拡散変調し目標方向
に送信する手段と、 周波数ドリフトΔf1を伴う目標からの反射波を受信す
る手段と、 請求項1乃至3のいずれか一項記載の周波数ドリフト相
殺方法を実行する手段と、 目標との往復距離に相当する位相となるよう、周波数ド
リフトΔf1又はΔf1−Δf2が相殺された反射波又
は中間周波数信号を用いて上記擬似雑音符号の位相差を
検出し、当該位相差が目標との往復距離に相当している
場合にこの位相差に基づき目標までの距離及び/又は目
標の相対速度を求める手段と、 を備えることを特徴とするスペクトル拡散方式を用いた
自動車用レーダ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08278994A JP3391886B2 (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | スペクトル拡散方式を用いた自動車用レーダ装置及びこの装置における周波数ドリフト相殺方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08278994A JP3391886B2 (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | スペクトル拡散方式を用いた自動車用レーダ装置及びこの装置における周波数ドリフト相殺方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07294629A JPH07294629A (ja) | 1995-11-10 |
JP3391886B2 true JP3391886B2 (ja) | 2003-03-31 |
Family
ID=13784181
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP08278994A Expired - Fee Related JP3391886B2 (ja) | 1994-04-21 | 1994-04-21 | スペクトル拡散方式を用いた自動車用レーダ装置及びこの装置における周波数ドリフト相殺方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3391886B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5828333A (en) * | 1997-01-21 | 1998-10-27 | Northrop Grumman Corporation | Multiple access diplex doppler radar |
GB9809039D0 (en) * | 1998-04-29 | 1998-06-24 | Mitel Semiconductor Ltd | Direct sequence spread spectrum radar |
-
1994
- 1994-04-21 JP JP08278994A patent/JP3391886B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07294629A (ja) | 1995-11-10 |
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |