JPH10318976A - 一酸化窒素酸化転換器およびその使用方法およびそれを用いたNOx計測装置 - Google Patents

一酸化窒素酸化転換器およびその使用方法およびそれを用いたNOx計測装置

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JPH10318976A
JPH10318976A JP9127741A JP12774197A JPH10318976A JP H10318976 A JPH10318976 A JP H10318976A JP 9127741 A JP9127741 A JP 9127741A JP 12774197 A JP12774197 A JP 12774197A JP H10318976 A JPH10318976 A JP H10318976A
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nitric oxide
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ozone
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JP9127741A
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Yoshio Hanasato
善夫 花里
Makoto Miyamoto
誠 宮本
Saori Kimura
さおり 木村
Mitsuyuki Imaizumi
三之 今泉
Tokuji Yokomatsu
徳滋 横松
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Mitsubishi Electric Corp
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OPT D D MELCO LAB KK
Mitsubishi Electric Corp
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  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 除湿機能を有し、比較的簡単な構造で小型化
でき、メインテナンスが簡単な一酸化窒素酸化転換器を
得る。また、除湿機能を有する一酸化窒素酸化転換器を
用い、トータルNOx濃度を計測できるNOx計測装置
を得る。 【解決手段】 供給ガスを除湿する除湿機能および供給
ガス中のNOをNO2 に酸化する酸化機能を兼ね備えた
一酸化窒素酸化転換器を構成する。電極11,12でプ
ロトン電導体10を狭持し、電源13で電極に電圧を印
加する。ガス供給口15からNOおよびNO2 を含むガ
スを反応室14に導入し、電極12に接触して除湿機能
を呈する反応と酸化機能を呈する反応を生ぜしめ、NO
をNO2 に変換してガス出口16から導出する。また、
導出したガスのNO2 に選択的に応答する検出器を備え
てNOx計測装置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気拡散した5p
pm以下の極低濃度の窒素酸化物のトータル濃度(一酸
化窒素と二酸化窒素の濃度の和)を計測するために必要
な一酸化窒素の二酸化窒素への酸化転換器およびこれを
用いたNOx計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】窒素酸化物は、大気汚染物質として常時
監視されている物質である。窒素酸化物ガスを計測する
手段としては、セラミック半導体および有機半導体の電
気伝導度を計測するセンサ、有機半導体膜へのガス吸着
の質量変化を圧電素子の周波数変化として計測するセン
サ、有機物の蛍光強度の変化を計測するセンサ、および
固体電解質に生ずる起電力を計測するセンサなどが報告
されている。5ppm以下の極低濃度の窒素酸化物を検
出する方法としては、有機半導体を利用したセンサが有
望であり、この場合、有機半導体に選択的に吸着する二
酸化窒素に応答するセンサの研究例が報告されている。
【0003】窒素酸化物とは一酸化窒素と二酸化窒素の
総称であり、環境基準が設定されているのは二酸化窒素
だけである。しかし、二酸化窒素は、発生源から排出さ
れる量が一酸化窒素に比べ1/10程度と少ない量であ
り、また、一酸化窒素は光化学反応や自然酸化などの化
学反応を通して徐々に二酸化窒素に変化する。このこと
から、発生源に対し何らかの制御をしようとした場合
は、二酸化窒素の濃度のみでは発生源の大気汚染に関与
する窒素酸化物の濃度を反映しているとはいえない。一
般に発生源の窒素酸化物を制御する場合は、このような
低濃度で色々な化学反応因子が絡む二酸化窒素を監視対
象とするよりは、一酸化窒素と二酸化窒素の合計量であ
るトータルNOx濃度を監視検出するほうが有効であ
る。ここでは一酸化窒素(以下、NOと記す)や二酸化
窒素(以下、NO2 と記す)のような窒素酸化物のこと
をNOxと称している。
【0004】上記に示した従来の種々のセンサは二酸化
窒素に選択的に感応するものがほとんどで、トータルN
Ox濃度を計測しようとした場合にはそのままの使用で
は不可能である。例えば、トータルNOx濃度を検出す
るには、センサに被検ガスを導入する前に、被検ガスの
一酸化窒素を二酸化窒素に酸化する必要があると同時
に、通常、センサの応答が湿度に影響を受けるため、被
検ガス中の湿度を除去する必要がある。
【0005】図13は、特願平8−698090号明細
書に記載されている二酸化窒素センサを用いたNOx計
測装置を示す概略構成図である。図において、31は空
気中のダストを除去するフィルター、32は空気中の湿
度を減少させる除湿器、33はNOをNO2 に変換する
酸化転換器、34は配管を2つに分岐するための電磁
弁、35はNO2 をNOに変換する還元転換器、36は
NO2 に選択的に感応するNO2 センサである。NO2
センサ36に妨害応答を与える湿度を一定にするための
除湿器32と、トータルNOx濃度を検出するために必
要なNOをNO2に酸化する酸化転換器33がそれぞれ
NO2 センサ36の手前に設置されている。
【0006】NOとNO2 を含んだ被検ガスを図13に
示すNOx計測装置に導入すると、フィルター31,除
湿器32,酸化転換器33を通過して被検ガス中のNO
がNO2 に変換され、トータルNOx濃度と同濃度のN
2 が存在したガスに変換される。電磁弁34は所定の
時間間隔で流路を切り換えるように構成されており、一
方の流路ではガスをそのまま通過させ、他方の流路では
NO2 をNOに変換する還元転換器35を通過させる。
ガスがそのまま通過する流路では、NO2 センサ36に
トータルNOx濃度のNO2 が供給されることになる。
所定時間後に還元転換器35側に流路が切り換えられる
と、還元転換器35でNO2 がすべてNOになり、NO
2 センサ36に供給されることになる。ところがNO2
センサ36はNO2 ガスに選択的に応答し、NOガスに
対しては全く応答しない。従って、NOガスがNO2
ンサ36に作用している時には、切り換わる前に吸着し
ていたNO2 が脱離することになる。そこで2つの流路
におけるNO2 センサ36の出力値の差をとることによ
り、トータルNOx濃度を計測できる。
【0007】また、上記センサの他に、NOとオゾンと
の化学反応により生ずる励起状態のNO2 の基底状態に
戻るときに生ずる蛍光を光電子増倍管で光学的に検出す
る方法も確立されている。この場合もオゾン発生用ガス
や被検ガスは除湿されている必要があるが、被検ガスの
除湿機能と酸化機能は、別々の部分で実施されている。
【0008】また、図14は、大気中の窒素酸化物自動
測定器JIS B 7953-1981に記載されている化
学発光法による窒素酸化物分析計と特開平8−1222
57号公報に開示された化学発光法窒素酸化物計を合成
してNOx計測装置を構成した場合の概略構成図であ
る。図において、37はオゾン発生器、38は反応槽
で、オゾンとNOとを化学反応させてNO2 に変換し、
この酸化による化学発光を検出する。さらに、39はN
2 をNOに変換する還元転換器、40は余剰オゾンを
分解するオゾン分解器である。
【0009】この計測装置において、Aから導入された
ガスを、フィルター31,除湿器32に通過させた後、
オゾン発生器37に導入してオゾンを発生させる。ガス
無声放電でオゾンを発生する場合、水蒸気の存在により
オゾンの発生効率は悪くなるために、オゾン発生用のガ
スは除湿器32であらかじめ除湿する必要がある。一
方、Bから導入したNOおよびNO2 を含む被検ガス
は、フィルター31および電磁弁34を介してそのまま
反応槽38に導入する流路と、還元転換器39を介して
被検ガス中のNO2 がすべてNOに変換されて反応槽3
8に導入する流路とがあり、所定時間間隔で2つの流路
を切り換える。反応槽38ではオゾン発生器37から導
入されるオゾンと被検ガス中のNOが化学反応し、NO
が酸化されてNO2 になる。流路を切り換えることによ
り、検出値の差分をとれば被検ガス中のNO2 濃度を計
測できる。この構成の装置の場合、反応槽38がNO2
酸化器として機能し、除湿器32とは、独立に別個に配
置されている。
【0010】また、図15は、JIS B 7953−
1981に記載されている従来のNO酸化器を示す構成図で
ある。図において、41は、二酸化窒素酸化溶液を貯蔵
するための容器、42はNOを酸化するための酸化水溶
液で、例えば過マンガン酸カリウムの水溶液で、硫酸に
より酸性に調製されたものが用いられている。43はN
Oを含んだ空気の供給口で、先端は酸化水溶液42中に
5cm程度浸漬されている。44は出口である。
【0011】このような構成のNO酸化器は湿式法であ
る。酸化水溶液42中に供給口43からNOを含んだ空
気を導入し、酸化により発生したNO2 ガスを出口44
から導出するものであるが、この湿式法では水溶液の交
換などメインテナンスが煩雑である。
【0012】また、従来の除湿器は、吸着剤を用いるも
の、または冷凍機や電子クーラを利用して低い露点で水
を一旦凝縮させるもの、圧縮して凝縮水として除去する
ものなどがあるが、装置が大型であったり、特に吸着剤
を用いる場合は、吸着剤を交換するなどのメインテナン
スが必要であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の一
酸化窒素酸化転換器やこれを用いたNOx計測装置で
は、NOをNO2 に転換する酸化機能を呈する部分と除
湿機能を呈する部分が独立して存在していたために、装
置自体が大型になり、しかも価格も高価になってしまう
という問題点があった。また、酸化転換器や除湿器は、
メインテナンスが煩雑となるという問題点があった。
【0014】本発明は、上記のような従来の問題点を解
消するためになされたもので、除湿機能を有し、比較的
簡単な構造で小型化でき、メインテナンスが簡単な一酸
化窒素酸化転換器を得ることを目的とするものである。
さらに、除湿機能を有する一酸化窒素酸化転換器を用
い、比較的簡単な構造で小型化でき、メインテナンスが
簡単でトータルNOx濃度を計測できるNOx計測装置
を得ることを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成によ
る一酸化窒素酸化転換器は、供給ガスを除湿する除湿機
能および供給ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化す
る酸化機能を兼ね備えたものである。
【0016】また、本発明の第2の構成による一酸化窒
素酸化転換器は、第1の構成において、供給ガス中の水
分を酸化してオゾンを発生することにより除湿機能を呈
し、オゾンと供給ガス中の一酸化窒素とを反応させるこ
とにより酸化機能を呈することを特徴とするものであ
る。
【0017】また、本発明の第3の構成による一酸化窒
素酸化転換器は、第2の構成において、供給ガス中の水
分を酸化してオゾンを発生する手段は、電極反応による
ものであることを特徴とするものである。
【0018】また、本発明の第4の構成による一酸化窒
素酸化転換器は、第1の構成において、供給ガス中の水
分で一酸化窒素を直接二酸化窒素に酸化することによ
り、除湿機能と同時に酸化機能を呈することを特徴とす
るものである。
【0019】また、本発明の第5の構成による一酸化窒
素酸化転換器は、第1ないし第4のいずれかの構成にお
いて、固体高分子電解質、この固体高分子電解質を挟持
する一対の電極、この電極に電圧を印加する電源を備
え、電極に電圧を印加して除湿反応および酸化反応を生
ぜしめることを特徴とするものである。
【0020】また、本発明の第6の構成による一酸化窒
素酸化転換器は、固体高分子電解質、この固体高分子電
解質を狭持し、主に除湿機能を行う一対の第1電極、第
1電極に電圧を印加する第1電源、上記固体高分子電解
質を狭持し、主に酸化機能を行う一対の第2電極、第2
電極に電圧を印加する第2電源、並びに供給ガスを第1
電極および第2電極に接触させる容器を備えたものであ
る。
【0021】また、本発明の第7の構成による一酸化窒
素酸化転換器の使用方法は、第2または第3の構成にお
いて、発生するオゾンの量が供給ガス中の一酸化窒素濃
度と同等かそれよりも高くなるように印加電圧を制御す
るものである。
【0022】また、本発明の第8の構成によるNOx計
測装置は、第1ないし第6のいずれかの構成の一酸化窒
素酸化転換器、およびこの一酸化窒素酸化転換器内を通
過した被検ガス中の二酸化窒素に選択的に応答する検出
器を備えたものである。
【0023】また、本発明の第9の構成によるNOx計
測装置は、第2または第3の構成の一酸化窒素酸化転換
器、この一酸化窒素酸化転換器内を通過した被検ガス中
の余剰のオゾンを分解するオゾン分解器、およびこのオ
ゾン分解器内を通過した被検ガス中の二酸化窒素に選択
的に応答する検出器を備えたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】 実施の形態1.以下、本発明の実施の形態として、除湿
機能と一酸化窒素(NO)の二酸化窒素(NO2 )への
酸化機能を兼ね備えた一酸化窒素酸化転換器について具
体例を用いて説明する。
【0025】図1にこの機能を達成する一酸化窒素酸化
転換器の断面構成を示す。図において、10は固体とし
て形成されたプロトン電導体またはプロトン電導体を支
持体に固定した固体電解質である。例えば、ポリテトラ
フルオロエチレンとポリスルフォニルフルオライドと共
重合高分子でできた膜(NAFION膜として市販され
ている)やアンチモン酸(Sb25・2H2O )を電導
体とし、テフロン粉末と混合しプレス成形したものなど
である。11は、固体電解質10を挟持するように形成
された一対の電極のうちカソード電極として機能するも
ので、空気中で安定な電導材料、例えば金属・グラファ
イト・酸化物半導体・導電性高分子の単体またはこれら
材料の複合体(混合体若しくは積層体)で構成される。
12はアノード電極として機能するものであり、カソー
ド電極11と同様の材料で構成される。13はアノード
電極12,カソード電極11で電気化学的反応を起こす
ための直流電源、14は、アノード電極12を覆うよう
に形成され、供給ガスが流通できる構造の容器で、この
場合は反応室、15は反応室14へのガスの供給口、1
6は反応後のガスを取り出すガス出口である。
【0026】図1のように構成した一酸化窒素酸化転換
器で、例えば固体電解質10としてNAFION膜、カ
ソード電極11として白金を含んだカーボン、アノード
電極12としてTiメッシュに酸化鉛(PbO2 )を塗
布したものを用い、湿度60RH%の空気を700ml
/分の流速で流した。図2(a)に、ガス出口16での
オゾン発生量の電極電圧依存性を示す。図2(a)にお
いて、横軸は印加電圧(V)、縦軸は発生したオゾン濃
度(ppm)を示している。この時の電極11,12は
10cm×10cmの大きさのものを用いた。この場
合、アノード電極12では(1)式の反応が、カソード
電極11では(2)式の反応が進行し、プロトンと電子
が電導体を移動することが知られている。 3H2O → O3 + 6H+ + 6e- ・・・・・(1) O2 + 4H+ + 4e- → 2H2O ・・・・・(2)
【0027】図2(a)から、印加電圧が2.3V程度
以上では、印加電圧が高いほど発生するオゾン量が多い
ことがわかる。供給ガス中にNOを存在させるとオゾン
とNOの間で(3)式の一酸化窒素酸化反応が生ずる。 O3 + NO → NO2 + O2 ・・・・・(3) 従って、湿度がありNOが存在するガスをガス供給口1
5から供給し、オゾン発生量がNO濃度と同等かそれよ
りも高い状態になるように印加電圧を制御すると、アノ
ード電極12で全体として(4)式の反応が起こること
になる。 3H2O + NO → NO2 + O2 + 6H+ + 6e- ・・・・・(4)
【0028】(4)式の反応では大気中または供給ガス
中の水分を酸化してオゾンを発生し、このオゾンと供給
ガス中のNOとが反応してNO2 に変換されているた
め、NOがNO2 に酸化されると同時に、湿度を減少さ
せることができる。実際に印加電圧3.5Vの時の湿度
変化を測定すると、供給ガスの湿度が60RH%の場
合、出口での湿度は55RH%となり除湿機能が認めら
れた。従って、図1に示す構成の装置は、除湿およびN
OのNO2 への酸化転換器として利用できることが明ら
かになった。
【0029】この一酸化窒素酸化転換器は、従来、除湿
部およびNOのNO2 への酸化部を独立して設けなけれ
ばならなかったものが、一つの部分で同時に行うことが
可能となった。このことから、低価格でかつ小型化・軽
量化を図ることができ、また、水溶液や吸着剤を用いる
ことがないのでメインテナンス性に優れたものが得られ
る。
【0030】実施の形態2.実施の形態1でカソード電
極11とアノード電極12間への印加電圧を2.3V程
度以下に設定した場合はオゾンの発生は認められなかっ
たが、NOのNO2への酸化は認められた。図2(b)
にNOのNO2 への酸化変換効率の印加電圧依存性を示
す。図2(b)において、横軸は印加電圧(V)、縦軸
は変換効率(%)を示している。供給ガスの湿度は20
RH%で流量700ml/分、窒素酸化物はNOが約2
00ppm、NO2 が約100ppmの混合ガスを用い
た。図2(b)では、2.3V程度で変換効率が87%
で最大となり、これよりも印加電圧が大きくなっても小
さくなっても変換効率が減少する傾向が見られた。
【0031】実施の形態1で述べたように印加電圧2.
3V程度以下では、オゾンの発生が認められないので、
NO2 への酸化がNOとオゾンの化学反応で酸化されて
いるのではなく、アノード電極12で(5)式の反応が
進行し、NOの酸化が生じていると考えられる。 NO + H2O → NO2 + 2H+ + 2e- ・・・・・(5) 即ち、オゾンの発生はなく、供給ガス中の水蒸気でNO
を直接NO2 に酸化している。
【0032】図2(b)で、印加電圧2.3Vの条件が
最もよかったので、印加電圧2.3V、湿度20RH
%、流量700ml/分の条件でNOの濃度を変化させ
た時のNOのNO2 への変換効率を示したものを図3に
示す。図3において、横軸はNOx濃度(ppb)、縦
軸は酸化変換効率(%)を示している。なお、供給ガス
としてNOとNO2 の混合ガスを2:1の割合で混合し
たものを用いた。その結果、大気汚染のひどい場所での
窒素酸化物濃度の標準存在量に相当する200〜800
ppbの範囲で一定の酸化変換効率が得られ、しかもそ
の変換効率が86%と良好であった。なお、この場合、
反応に利用される水蒸気量が少ないので、除湿効果はあ
まり顕著に認められないが、ある程度の除湿は行われて
いる。
【0033】図15に示した従来の酸化転換器では、J
IS B 7953−1981の解説の中でNOのNO2
の酸化率が70%程度と報告されている。これに対し、
印加電圧を制御して2.3V程度での動作を対象とした
本実施の形態による一酸化窒素転換器は、従来の転換器
よりも優れた変換効率が得られる。
【0034】実施の形態3.実施の形態2においては、
NOのNO2 の転換は効率よくできたが、除湿機能は不
十分であった。そこで、実施の形態3ではこの点を考慮
した構成について記載する。
【0035】アノード電極12を白金で構成し、実施の
形態2と同様の実験を行った。図4はこの場合の除湿性
能を示したもので、横軸は除湿前の湿度(RH%)、縦
軸は除湿後の湿度(RH%)を示している。この時の印
加電圧は3Vに設定した。図から、ガス供給口15の湿
度に対し、ガス出口16での湿度がほぼ半減するという
高い除湿性能が得られている。また、この時、ガス出口
16側でオゾン濃度を測定したがオゾンの発生はなかっ
た。
【0036】このことから、アノード電極12に白金を
用いると、アノード電極12では(6)式の反応が優先
的に生じ、(1)式の反応はほとんど生じていないと考
えられる。 2H2O → O2 + 4H+ + 4e- ・・・・・(6)
【0037】また、湿度約20RH%の時に、ガス供給
口15から約200ppbのNOガスを導入し、NO2
への変換効率を測定すると、同じ濃度範囲において印加
電圧3.0Vで約50%の変換効率が得られた。このこ
とから、アノード電極12に白金を用いると(5)式と
(6)式の反応が同時に進行し、オゾンの発生がなく水
分でNOを直接NO2 に酸化することになり、除湿およ
びNOのNO2 への酸化が同時にできることがわかっ
た。
【0038】図5に、アノード電極12として白金を用
いた場合の、NOの酸化変換効率の印加電圧依存性を示
した。図5において、横軸は印加電圧(V)、縦軸はN
Oの酸化変換効率(%)を示している。この図から、印
加電圧2〜4.5Vの範囲では、印加電圧が低い方がN
Oの酸化変換効率が高く、2Vの電圧では約70%の変
換効率を示している。
【0039】実施の形態4.実施の形態3で示したよう
に、アノード電極12に白金を用いる場合、除湿機能と
NOの酸化機能の動作印加電圧が異なる場合がある。そ
こで、実施の形態4ではこの点を考慮した構成について
記載する。
【0040】図6は本実施の形態による一酸化窒素酸化
転換器を示す断面構成図である。図において、17は白
金で構成される第1アノード電極、18は第1アノード
電極17と同じ白金で構成される第2アノード電極であ
る。この構成では、カソード電極11と第1アノード電
極17で、プロトン電導体10を狭持する一対の電極を
構成し、同様にカソード電極11と第2アノード電極1
8で、プロトン電導体10を狭持する一対の電極を構成
している。即ち、この場合は、一対の電極のうちの一方
のカソード電極11を同一の材料とし、共通のものとし
て構成している。そして、第2アノード電極18は第1
アノード電極17とは接触せず、独立に形成している。
19は第1アノード電極17を駆動する第1直流電源、
20は第2アノード電極18を駆動する第2直流電源で
ある。
【0041】除湿機能を考慮した場合には、なるべく高
い電圧で動作する方が高い機能が得られるが、あまり高
いと電極の損傷を招くことがある。このため印加電圧
は、2.5〜5V、望ましくは3V付近で動作するのが
最適である。一方、NOのNO2 への酸化変換効率を考
慮した場合には、図5に示したように電圧が低い方がよ
く、O〜3V、望ましくは0.7V〜2Vの範囲が最適
である。
【0042】原田ら(Proceeding of the 21th Chemica
l Sensor Symposium 講演予稿集、Vol.11、第 141頁〜
第 144頁(1995))によれば、アンチモン酸をプロトン導
電体としそれを白金電極で挟んだものでは、印加電圧が
0.7V以上ではNOがNO2 に酸化される反応が電極
表面で起こり、0.7以下ではNO2 がNOに還元され
る反応が起こることを報告している。従って、本構成の
一酸化窒素酸化転換器においても、O.7V程度以下の
低い電圧では、還元反応が支配的になってしまう。そこ
で、本実施の形態では、アノード電極17,18を独立
に二個備えている。そして、一方のアノード電極、例え
ば第1アノード電極17は、3.0Vの印加電圧で動作
させるようにし、もう一方の第2アノード電極18は
2.0Vの印加電圧で動作するようにする。これによ
り、印加電圧3.0Vの第1アノード電極17側では主
に除湿機能が効率よく行われ、印加電圧2.0Vの第2
アノード電極18側では主にNOの酸化が効率よく行わ
れる。従って、除湿および酸化の変換効率を同時に向上
させることができる一酸化窒素酸化転換器が得られる。
なお、カソード電極11を共通に構成せず、アノード電
極17,18に対応してそれぞれ設けても、同様の効果
がある。
【0043】実施の形態5.図7は、本発明の実施の形
態5による一酸化窒素酸化転換器を示す断面構成図であ
る。本実施の形態では、それぞれ独立に動作する2個の
アノード電極21,22を備え、その面積を変えてい
る。除湿機能と酸化機能の性能は、適用に応じ最適な性
能を選択する必要がある。除湿機能が優先されるような
用途では、除湿機能用に設定した電極、この場合には第
1アノード電極21の面積を大きくすればよい。また、
逆に、酸化機能が優先される用途では、酸化機能用に設
定した電極、この場合には第2アノード電極22の面積
を大きくすればよい。本実施の形態では、例えば第2ア
ノード電極22の面積を第1アノード電極アノード21
の面積よりも大きく構成し、NOの酸化変換効率を除湿
機能よりも優先させている。
【0044】本実施の形態では、電極面積を例にして述
べたが、実施の形態1〜5で述べたように、除湿機能や
酸化機能は、電極の材質、電極への印加電圧、電極の面
積、電極の形状などにより決定される。従って、異なる
電極面積や、異なる電極材料の2種類の独立して動作す
るアノード電極を備え、除湿機能と酸化機能に合わせて
適宜制御すれば、所望の機能を有する一酸化窒素酸化転
換器が得られる。
【0045】実施の形態6.実施の形態6は、実施の形
態1〜5で述べた一酸化窒素酸化転換器を用い、トータ
ルNOx濃度を計測するNOx計測装置を構成するもの
である。以下、実施の形態1〜5で述べたような一酸化
窒素酸化転換器を除湿・酸化転換器と記す。図8は本実
施の形態によるNOx計測装置を示す概略構成図であ
る。図において、23は実施の形態1〜5のいずれかに
よる除湿・酸化転換器、24はNO2濃度を検出する検
出器で例えばNO2 センサ、31は空気中のダストを除
去する防塵フィルター、34は配管を2分した分岐部分
に設けた電磁弁で、どちらの配管と接続するかを選択す
る機能を有する。35はNO2 をNOに変換する還元転
換器である。
【0046】本実施の形態ではNO2 センサ24とし
て、例えば、表面弾性波(Surface Acoustic Wave :S
AW)素子とNO2 選択吸着膜である CrTPP薄膜を組み
合わせ、NO2 の吸着膜による膜の質量変化を、SAW
エレメントの発振周波数の変化として検出するセンサを
用いた。NO2 センサ24は、一つのセンサ基板上にN
2 選択吸着膜を持つSAWエレメントと吸着膜のない
SAWエレメントが並列に配置されており、それぞれ発
振させ、おのおのの周波数差を検出するように構成し
た。吸着膜のないSAWエレメントは参照用として用い
ることになる。このNO2 センサ24を平面ヒータ上に
装着し、表面温度を120℃に制御しながら動作させ
た。この温度に設定してNO2 を含むガスを供給すると
NO2 の吸着が膜表面におこり、膜の質量が増加する。
しかし、ヒータで加熱しているので、吸着したNO2
一部はまたガス中に脱離する。約120℃の温度設定で
は、吸着速度>脱離速度となっているので、ガス中にN
2 が存在すれば、必ず質量変化を生ずる。一方、ガス
中にNO2 が存在しない状態になると、NO2 の新たな
吸着はなく、表面に吸着NO2 が存在しているとそれが
脱離することになる。
【0047】NOとNO2 を含んだ被検ガスを本計測装
置に導入すると、フィルター31でダストが除去され、
除湿・酸化転換器23を通過して除湿されると同時に被
検ガス中に含まれるNOがNO2 に酸化される。この
後、NO2 センサ24に被検ガスが導入される前に、配
管系が電磁弁34により2分され、一方の流路は被検ガ
スがそのまま通過し、もう一方の流路はNO2 をNOに
還元する還元転換器35を通過する。この2つの流路は
電磁弁34によって所定の時間間隔で切り換えられ、電
磁弁34を通過してそのままNO2センサ24に導入さ
れる場合には、NO2 センサ24にトータルNOx濃度
のNO2 が供給されることになる。所定時間後に還元転
換器35側に流路が切り換えられると、還元転換器35
でNO2 がすべて還元されてNOになり、NO2 センサ
24に供給されることになる。NO2 センサ24はNO
2 ガスに高い選択性を示し、NOガスに対しては全く応
答しない。このため、NOガスがNO2 センサ24に作
用している時には、切り変わる前に吸着していたNO2
が脱離することになる。
【0048】本実施の形態では、そのまま通過させる時
間(NO2 吸着モード)を10分、還元転換器を通過さ
せる時間(NO2 脱離モード)を50分に設定し、NO
2 濃度の計測を行った。応答量はこの操作により生じた
周波数差の出力信号から得られる応答曲線より得た。即
ち、脱離モードでの定常状態応答よりベースラインの値
を計測し、吸着モードにおける応答量のベースラインか
らの変化量をNO2 センサ24の応答量とする。これに
より、トータルNOx濃度が測定できる。
【0049】本実施の形態に用いた除湿・酸化転換器2
3は、実施の形態1と同様、アノード電極としてPbO
2 のTiメッシュ電極を用いたもので、駆動電圧を2.
0Vに設定して行った。この場合、除湿・酸化転換器2
3でのオゾンの発生はなく、(5)式による酸化反応で
NOがNO2 に直接酸化されている。また、湿度は、N
2 センサ24に応答妨害が少ない20RH%以下に除
湿するように、除湿・酸化転換器23を設定した。
【0050】例えば、道路脇に本実施の形態によるNO
x計測装置と市販されている化学発光型NOx計とを設
置し、両装置によって道路脇のトータルNOx濃度を計
測した。図9はトータルNOx濃度の経時変化を示し、
横軸は時間(時)、縦軸はNOx濃度(ppm)を示
す。図から明らかなように両者はよい一致を示した。ま
た、図10に両者の相関を示し、横軸に従来の化学発光
型NOx計で計測したNOx濃度(ppb)、縦軸に本
実施の形態によるNOx計測装置で計測したNOx濃度
(ppb)を示す。相関係数rは0.93となり、本実
施の形態で空気中のトータルNOx濃度が計測できるこ
とがわかった。従って、従来より簡単な構成で小型化し
た装置によってトータルNOx濃度を計測することがで
きる。また、従来のように水溶液を用いた湿式の酸化転
換器を用いていないため、溶液の交換などのメインテナ
ンスの必要がない。
【0051】なお、本実施の形態において、NO2 セン
サ24として表面弾性波素子を用いてNO2 の選択吸着
膜への吸着による膜質量の変化を検出するセンサを用い
たが、これに限るものではなく、NO2 を感度よく計れ
るセンサであれば同様の効果を奏する。例えば、有機半
導体の電気伝導を検出するものや、酸化物半導体の電気
伝導を検出するもの、固体電解質を用いた電圧または電
流変化を検出するもの、NO2 と物質との相互作用によ
り光学的性質が変化することを利用したセンサなどが利
用できる。
【0052】実施の形態7.図11は本発明の実施の形
態7によるNOx計測装置を示す概略構成図である。図
において、25はオゾン分解器である。また、本実施の
形態における除湿・酸化転換器23は、オゾンとNOと
の反応で酸化する方式によるものとする。実施の形態6
では、除湿・酸化転換器からのオゾンの発生はなかった
が、オゾンとNOとの反応で酸化する方式で実施した場
合、NOとの反応に関与しなかった余剰のオゾンがかな
りの濃度でNO2 センサ24に導入されることになる。
NO2 センサ24はオゾンに比べNO2 に感度が高い
が、測定対象となるNO2 濃度は道路脇ではppb領域
が多く、高くなっても5ppm以下であるのに対し、オ
ゾンの量は数十ppmから条件により数百ppmに達す
ることもあり、この場合、NO2 センサ24の応答に妨
害を与えてしまう。
【0053】本実施の形態では、オゾン分解器25を備
え、除湿・酸化転換器23で発生した余剰のオゾンを除
去する。オゾン分解器25は図に示した場所に限定され
ず、除湿・酸化転換器23とよりも後で、NO2 センサ
24より前の、配管が二分されていない場所に設置すれ
ば同様の効果を示す。オゾン分解器25には、活性炭を
ベースとした触媒で分解する方式のもの、または、熱に
より分解する方式のものがある。本実施の形態では例え
ば温度200℃程度で動作する熱分解方式のものを用い
た。この構成で空気中のトータルNOx濃度の計測を試
みた結果、実施の形態6と同様の効果が得られた。
【0054】実施の形態8.図12は本発明の実施の形
態8によるNOx計測装置を示す概略構成図である。本
実施の形態は、図14に示した従来の化学発光型NOx
計のオゾン発生部と酸化部を一体化した装置に実施の形
態1〜5のいずれかの除湿・酸化転換器を適用したもの
を示す。図において、26は除湿および酸化転換する反
応器、39はNO2 をNOに変換する還元転換器、40
は余剰のオゾンを分解するオゾン分解器である。ただ
し、この反応器26は、今まで実施の形態でのべてきた
除湿・酸化転換器と一部異なっている。即ち、化学発光
型NOx計では、NOとオゾンの化学反応により生ずる
NO2 励起状態からの蛍光強度を測定する構成になって
いるので、反応器26には一部光学窓が設けられ、容器
内の発光が光電子増倍管などの光検出器で捉えられる構
造になっている。
【0055】導入したNOおよびNO2 を含む被検ガス
は、フィルター31および電磁弁34を介してそのまま
反応器26に導入する流路と、還元転換器39を介して
被検ガス中のNO2 がすべてNOに変換されて反応器2
6に導入する流路とがあり、所定時間間隔で2つの流路
を切り換える。反応器26では水分を酸化してオゾンを
発生し、このオゾンと被検ガス中のNOが化学反応し、
NOが酸化されてNO2 になる。流路を切り換えること
により、検出値の差分をとれば被検ガス中のNO2 濃度
を計測できる。
【0056】このような構成にすることにより、図14
に示すように従来オゾン発生器37とオゾン発生用除湿
器32が必要だったものが、反応器26に集約でき、小
型化・軽量化が一層図れ、低価格の製品として供給でき
る。
【0057】また、上記実施の形態では化学発光型NO
x計について述べたが、大気中の窒素酸化物を計測する
既存の装置としてザルツマン法を用いた吸光光度法によ
る装置がある。これは、大気中のNO2 を色素の入った
吸収液に通すことにより、色素とNO2 を反応させ色素
の色変化を生じさせる。この色の変化を吸光光度法で検
出するようになっている。この装置の場合、トータルN
Ox濃度を計測するために、図15に示した酸化水溶液
によるNO酸化器を用いている。前にも述べたように、
この酸化転換率は約70%程度である。そこでこのよう
な構成の装置にも本実施の形態で述べた一酸化窒素酸化
転換器を適用することにより、水溶液を使用しない乾式
で、しかも高い変換効率でNOをNO2 に酸化すること
ができ、装置の小型化・軽量化・メインテナンスの軽
減、および安価な装置を提供できるという効果がある。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の構成によれ
ば、供給ガスを除湿する除湿機能および供給ガス中の一
酸化窒素を二酸化窒素に酸化する酸化機能を兼ね備えた
ことにより、小型化でき、かつメインテナンス性を軽減
できる一酸化窒素酸化転換器が得られる効果がある。
【0059】また、本発明の第2の構成によれば、第1
の構成において、供給ガス中の水分を酸化してオゾンを
発生することにより除湿機能を呈し、オゾンと供給ガス
中の一酸化窒素とを反応させることにより酸化機能を呈
することを特徴とすることにより、小型化でき、かつメ
インテナンス性を軽減できる一酸化窒素酸化転換器が得
られる効果がある。
【0060】また、本発明の第3の構成によれば、第2
の構成において、供給ガス中の水分を酸化してオゾンを
発生する手段は、電極反応によるものであることを特徴
とすることにより、小型化でき、かつメインテナンス性
を軽減できる一酸化窒素酸化転換器が得られる効果があ
る。
【0061】また、本発明の第4の構成によれば、第1
の構成において、供給ガス中の水分で一酸化窒素を直接
二酸化窒素に酸化することにより、除湿機能と同時に酸
化機能を呈することを特徴とし、小型化でき、かつメイ
ンテナンス性を軽減できる一酸化窒素酸化転換器が得ら
れる効果がある。
【0062】また、本発明の第5の構成によれば、第1
ないし第4のいずれかの構成において、固体高分子電解
質、この固体高分子電解質を挟持する一対の電極、この
電極に電圧を印加する電源を備え、電極に電圧を印加し
て除湿反応および酸化反応を生ぜしめることを特徴とす
ることにより、小型化でき、かつメインテナンス性を軽
減できる一酸化窒素酸化転換器が得られる効果がある。
【0063】また、本発明の第6の構成によれば、固体
高分子電解質、この固体高分子電解質を狭持し、主に除
湿機能を行う一対の第1電極、第1電極に電圧を印加す
る第1電源、上記固体高分子電解質を狭持し、主に酸化
機能を行う一対の第2電極、第2電極に電圧を印加する
第2電源、並びに供給ガスを第1電極および第2電極に
接触させる容器を備えたことにより、効率よく除湿で
き、かつ変換効率の高い一酸化窒素酸化転換器を得るこ
とができる。
【0064】また、本発明の第7の構成によれば、第2
または第3の構成において、発生するオゾンの量が供給
ガス中の一酸化窒素濃度と同等かそれよりも高くなるよ
うに印加電圧を制御することにより、効率よくオゾンを
発生することができ、除湿機能および酸化機能の向上で
きる一酸化窒素酸化転換器の使用方法が得られる。
【0065】また、本発明の第8の構成によれば、第1
ないし第6のいずれかの構成の一酸化窒素酸化転換器、
およびこの一酸化窒素酸化転換器内を通過した被検ガス
中の二酸化窒素に選択的に応答する検出器を備えたこと
により、小型・軽量性に優れ、メインテナンス性を軽減
でき、従来よりも簡単な構成でトータルNOx濃度を計
測できるNOx計測装置が得られる効果がある。
【0066】また、本発明の第9の構成によれば、第2
または第3の構成の一酸化窒素酸化転換器、この一酸化
窒素酸化転換器内を通過した被検ガス中の余剰のオゾン
を分解するオゾン分解器、およびこのオゾン分解器内を
通過した被検ガス中の二酸化窒素に選択的に応答する検
出器を備えたことにより、小型・軽量性に優れ、メイン
テナンス性を軽減でき、従来よりも簡単な構成でトータ
ルNOx濃度を精度よく計測できるNOx計測装置が得
られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による一酸化窒素酸化
転換器を示す断面構成図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る一酸化窒素酸化転
換器の印加電圧依存性を示す特性図であり、図2(a)
は実施の形態1に係る一酸化窒素酸化転換器のオゾン発
生の印加電圧依存性を示す特性図、図2(b)は実施の
形態2に係る一酸化窒素酸化転換器の転換効率の印加電
圧依存性を示す特性図である。
【図3】 実施の形態2に係る一酸化窒素酸化転換器の
酸化変換効率のNOx濃度依存性示す特性図である。
【図4】 本発明の実施の形態3に係る一酸化窒素酸化
転換器の除湿性能を示す特性図である。
【図5】 実施の形態3に係る一酸化窒素酸化転換器の
NO酸化効率の印加電圧依存性を示す特性図である。
【図6】 本発明の実施の形態4による一酸化窒素酸化
転換器を示す断面構成図である。
【図7】 本発明の実施の形態5による一酸化窒素酸化
転換器を示す断面構成図である。
【図8】 本発明の実施の形態6によるNOx計測装置
を示す概略構成図である。
【図9】 実施の形態6に係るNO2 センサを用いたN
Ox計測装置の性能を示す特性図である。
【図10】 実施の形態6に係るNO2 センサを用いた
NOx計測装置と化学発光型NOx計の測定値の相関を
示すグラフである。
【図11】 本発明の実施の形態7によるNOx計測装
置を示す概略構成図である。
【図12】 本発明の実施の形態8によるNOx計測装
置を示す概略構成図である。
【図13】 従来のNO2 センサを用いたNOx計測装
置を示す概略構成図である。
【図14】 従来の化学発光型NOx計を用いたNOx
計測装置を示す概略構成図である。
【図15】 従来の一酸化窒素酸化器を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
10 プロトン電導体、11 カソード電極、12 ア
ノード電極、13 電源、14 反応室、15 ガス供
給口、16 ガス出口、17 第1アノード電極、18
第2アノード電極、19 第1直流電源、20 第2
直流電源、21第1アノード電極、22 第2アノード
電極、23 除湿・酸化転換器、24NO2 センサ、2
5 オゾン分解器、26 反応器、31 フィルター、
32除湿器、34 電磁弁、35 還元転換器、39
還元転換器、40 オゾン分解器。
フロントページの続き (72)発明者 宮本 誠 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 木村 さおり 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 今泉 三之 静岡県小笠郡大東町浜川新田1933−1 株 式会社オプテックディディ・メルコ・ラボ ラトリー内 (72)発明者 横松 徳滋 静岡県小笠郡大東町浜川新田1933−1 株 式会社オプテックディディ・メルコ・ラボ ラトリー内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供給ガスを除湿する除湿機能および上記
    供給ガス中の一酸化窒素を二酸化窒素に酸化する酸化機
    能を兼ね備えた一酸化窒素酸化転換器。
  2. 【請求項2】 供給ガス中の水分を酸化してオゾンを発
    生することにより除湿機能を呈し、上記オゾンと上記供
    給ガス中の一酸化窒素とを反応させることにより酸化機
    能を呈することを特徴とする請求項1記載の一酸化窒素
    酸化転換器。
  3. 【請求項3】 供給ガス中の水分を酸化してオゾンを発
    生する手段は、電極反応によるものであることを特徴と
    する請求項2記載の一酸化窒素酸化転換器。
  4. 【請求項4】 供給ガス中の水分で一酸化窒素を直接二
    酸化窒素に酸化することにより、除湿機能と同時に酸化
    機能を呈することを特徴とする請求項1記載の一酸化窒
    素酸化転換器。
  5. 【請求項5】 固体高分子電解質、この固体高分子電解
    質を挟持する一対の電極、この電極に電圧を印加する電
    源を備え、上記電極に電圧を印加して除湿反応および酸
    化反応を生ぜしめることを特徴とする請求項1ないし請
    求項4のいずれかに記載の一酸化窒素酸化転換器。
  6. 【請求項6】 固体高分子電解質、この固体高分子電解
    質を狭持し、主に除湿機能を行う一対の第1電極、第1
    電極に電圧を印加する第1電源、上記固体高分子電解質
    を狭持し、主に酸化機能を行う一対の第2電極、第2電
    極に電圧を印加する第2電源、並びに供給ガスを第1電
    極および第2電極に接触させる容器を備えた一酸化窒素
    酸化転換器。
  7. 【請求項7】 発生するオゾンの量が供給ガス中の一酸
    化窒素濃度と同等かそれよりも高くなるように印加電圧
    を制御する請求項2または請求項3記載の一酸化窒素酸
    化転換器の使用方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
    載の一酸化窒素酸化転換器、およびこの一酸化窒素酸化
    転換器内を通過した被検ガス中の二酸化窒素に選択的に
    応答する検出器を備えたNOx計測装置。
  9. 【請求項9】 請求項2または請求項3に記載の一酸化
    窒素酸化転換器、この一酸化窒素酸化転換器内を通過し
    た被検ガス中の余剰のオゾンを分解するオゾン分解器、
    およびこのオゾン分解器内を通過した被検ガス中の二酸
    化窒素に選択的に応答する検出器を備えたNOx計測装
    置。
JP9127741A 1997-05-19 1997-05-19 一酸化窒素酸化転換器およびその使用方法およびそれを用いたNOx計測装置 Pending JPH10318976A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101211802B1 (ko) 2009-12-18 2012-12-12 연세대학교 산학협력단 NOx 가스 변환장치 및 분석장치와, 이를 이용한 NOx 가스 분석방법

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KR101211802B1 (ko) 2009-12-18 2012-12-12 연세대학교 산학협력단 NOx 가스 변환장치 및 분석장치와, 이를 이용한 NOx 가스 분석방법

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