JP4912968B2 - 非メタン炭化水素ガス検知素子 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化物イオン伝導性を有する固体電解質と、当該固体電解質の表面に形成した検知極及び参照極とを備え、前記検知極と前記参照極との間の起電力に基づいて非メタン炭化水素ガスの濃度を測定する非メタン炭化水素ガス検知素子に関する。
従来、ガス検知素子の一種として、検知極と参照極とを固体電解質の表面に設け、検知極において平衡となる2種類の電気化学反応を利用する混成電位型のガス検知素子が知られている。混成電位型のガス検知素子は、例えば、酸化物イオン伝導性を有する固体電解質の表面に、被検知ガスと酸素とに活性を有する検知極と、酸素のみに活性を有する参照極とを形成し、検知極と参照極との間の起電力を測定することにより、被検知ガスの濃度を検知することができる。
この種のガス検知素子としては、イットリア安定化ジルコニア等の酸化物イオン伝導性を有する固体電解質の上に、白金とロジウムとからなる合金電極等を検知極とし、白金を参照極として設け、炭化水素ガスを検知する炭化水素ガス検知素子(例えば、特許文献1参照)が提案されている。
このような炭化水素ガス検知素子によって、例えば、光化学オキシダント発生原因の一種となる大気環境中の非メタン炭化水素ガスの濃度を検知することができれば、従来の大型で高価で、しかもリアルタイムの測定が難しい水素炎イオン検出器を用いた直説法ガスクロマトグラフィやガスクロマトグラフ質量分析法に代わる手段として期待される。
特開2000−28573号公報
前記の通り、非メタン炭化水素ガスは光化学オキシダント発生原因となるため、大気環境中における非メタン炭化水素ガスの濃度は、行政指針により、例えば午前6〜9時の3時間の平均値が0.2〜0.31ppmCと定められている。
しかし、前記従来の炭化水素ガス検知素子では、非メタン炭化水素ガスに対する感度が不十分であり、1ppm以下の低濃度の非メタン炭化水素ガスを検知できないという問題があった。このため、大気環境中の非メタン炭化水素ガスの濃度を正しく測定することは、実質不可能であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ppbレベルの非メタン炭化水素ガスを検知することができる非メタン炭化水素ガス検知素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る非メタン炭化水素ガス検知素子の第1特徴構成は、酸化物イオン伝導性を有する固体電解質と、当該固体電解質の表面に形成した検知極及び参照極とを備え、前記検知極と前記参照極との間の起電力に基づいて非メタン炭化水素ガスの濃度を測定する非メタン炭化水素ガス検知素子において、前記起電力は、400〜550℃における前記検知極の混成電位に基づくものであり、前記検知極は、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニッケルのうち少なくとも一種の金属酸化物を含有し、かつ前記固体電解質の構成物を0.05〜10wt%含有するものであって、400〜550℃で金属酸化物として存在し、電子伝導性を有すると共に、前記固体電解質との界面において非メタン炭化水素ガスに対して電気化学活性を有する点にある。
本構成によれば、検知極は金属酸化物を含有するため、非メタン炭化水素ガスが少量であっても、検知極と固体電解質との界面に到達し、電気化学反応を進行させる。したがって、本構成に係る非メタン炭化水素ガス検知素子は、ppbレベルの非メタン炭化水素を検知することが可能となる。
非メタン炭化水素ガス検知素子の動作温度が高いと、非メタン炭化水素ガスは検知極の表層で酸化され、検知極と固体電解質との界面に到達し難くなる。
本構成によれば、400〜550℃における検知極の混成電位に基づく起電力によって非メタン炭化水素ガスの濃度を測定するため、非メタン炭化水素ガスは酸化されることなく検知極と固体電解質との界面により到達し易くなる。よって、より低濃度の非メタン炭化水素ガスに対しても検知することが可能となる。
本構成によれば、400〜550℃で動作させることができるため、低濃度の非メタン炭化水素ガスであっても酸化されることなく検知極と固体電解質との界面に到達でき、検知することが可能となる。
本構成のように、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニッケルのうち少なくとも一種の金属酸化物を含有する検知極を用いることにより、固体電解質との界面におけるメタンに対する電気化学活性が低くなる。このため、メタン以外の炭化水素ガスである非メタン炭化水素ガスに対する選択性が向上する。
本構成のように、検知極に固体電解質の構成物を0.05〜10wt%含有させることにより、検知極と固体電解質との界面が増加し、さらに検知極の内部の気孔率を任意に制御可能となる。このため、非メタン炭化水素ガスが検知極と固体電解質との界面に効率よく到達できるようになり、非メタン炭化水素ガスに対する感度をさらに向上する。
本発明に係る非メタン炭化水素ガス検知素子の第特徴構成は、前記固体電解質が安定化ジルコニアを主成分として構成してある点にある。
本構成によれば、安定化ジルコニアは、良好な酸化物イオン伝導性を有するため、これを主成分として固体電解質を構成することにより、非メタン炭化水素ガス検知素子として適用することができる。
本発明に係る非メタン炭化水素ガス検知素子の第特徴構成は、前記参照極が非メタン炭化水素ガスに対して不活性な金属または金属酸化物で構成してある点にある。
本構成によれば、検知極に対して参照極を任意の位置に配置することができるため、非メタン炭化水素ガス検知素子を使用態様に応じた形状に構成することができる。
以下、本発明に係る非メタン炭化水素ガス検知素子の一実施形態について、図面を参照して説明する。ここでは、管状型のガス検知素子に適用した場合を例示するが、これに限られるものではない。その他の非メタン炭化水素ガス検知素子としては、基板の上に固体電解質を設けた基板型のガス検知素子等、従来公知の形態のガス検知素子が挙げられる。また、非メタン炭化水素ガスとしては、エタン、プロパン、ブタン等の飽和炭化水素ガス、エチレン、プロピレン、ブチレン、アセチレン等の二重結合または三重結合を有する不飽和炭化水素ガス等の脂肪族炭化水素ガスや、芳香族炭化水素ガス等が挙げられる。
本実施形態に係る非メタン炭化水素ガス検知素子は、図1に示すように、有底の管状に形成した酸化物イオン伝導性を有する固体電解質1の外側の面に検知極2が帯状に設けてあり、固体電解質1の内側の面には参照極3が設けてある。検知極2と参照極3とはエレクトロメータ(図示しない)等に白金線等により電気的に接続してあり、両極間の起電力を測定できるようになっている。
固体電解質1の外側には検知極2を外界と遮断するための石英管4が設けてある。石英管4の一端には、被検知ガスである非メタン炭化水素ガスを含む測定対象ガスを固体電解質1と石英管4との間に導き、検知極2と接触させるための導入口4aが設けてあり、石英管4の側面には、測定対象ガスを外界へ排気するための排出口4bが設けてある。また、石英管4の他端側は、固体電解質1の内側に空気を流入させつつ、固体電解質1と石英管4との間に空気が流入しないように中空のゴム栓等の封止手段5によって封止してある。
石英管4の外側には電熱ヒータ等の加熱手段6が設けてあり、固体電解質1の内部には熱電対等の温度測定手段7が挿入してある。加熱手段6と温度測定手段7とは温度制御器(図示しない)等に電気的に接続してあり、非メタン炭化水素ガス検知素子を任意の動作温度に設定できるようになっている。
固体電解質1は、酸化物イオン伝導性を有するものであれば特に限定することなく適用することができる。例えば、安定化ジルコニアは酸化物イオンを良好に伝導するため、安定化ジルコニアを主成分として構成したものであれば好ましく適用することができる。安定化ジルコニアとしては、イットリア安定化ジルコニア、カルシア安定化ジルコニア等が例示される。
検知極2は、金属酸化物を含有するものを用いる。これにより、非メタン炭化水素ガスが少量であっても、検知極2と固体電解質1との界面に到達し、電気化学反応を進行させる。したがって、本実施形態に係る非メタン炭化水素ガス検知素子は、ppbレベルの非メタン炭化水素を検知することが可能となる。
金属酸化物としては、特に限定されないが、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニッケルのうち少なくとも一種であることが好ましい。このような金属酸化物を含有する検知極2を用いることにより、固体電解質1との界面におけるメタンに対する電気化学活性が低くなり、非メタン炭化水素ガスに対する選択性を向上させることができる。
検知極2の厚みは、特に制限はなく、非メタン炭化水素ガスの検知極2の内部への拡散のし易さに応じて任意に設定することができる。例えば、検知極2が多孔質である場合には厚くし、緻密な構造である場合には薄くすることもできる。
尚、検知極2の厚みは、薄い方が非メタン炭化水素ガスは検知極2と固体電解質1との界面に到達し易くなるため、非メタン炭化水素ガスに対する感度をより向上させることができる。このような観点からは、検知極2の厚みは、100μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましい。
また、検知極2は、金属酸化物とα−テルピネオール等の溶媒とを混練してペースト状にしたものを固体電解質1に塗布して作製することができるが、検知極2を多孔質とする場合、金属酸化物と溶媒との混合比を変えることにより、検知極2の内部の気孔率を調整することが可能となる。
検知極2と固体電解質1との界面における非メタン炭化水素ガスの反応は、例えば、プロピレンガスに対しては、下記(I)(II)に示す反応が進行し、混成電位が発生する。一方、検知極2の表層では、下記(III)に示す気相酸化反応が進行する。
このため、非メタン炭化水素ガスを気相酸化させることなく、検知極2と固体電解質1との界面にまで到達させ、電気化学反応に伴う混成電位を信号として捉えることにより非メタン炭化水素ガスを検知することが可能となる。
〔化1〕
アノード反応: C3H6 + 9O2- → 3CO2 + 3H20 + 18e- (I)
カソード反応: 9/2O2 + 18e- → 9O2- (II)
〔化2〕
気相酸化反応: C3H6 + 9/2O2 → 3CO2 + 3H20 (III)
本実施形態に係る非メタン炭化水素ガス検知素子の動作温度は、特に限定されないが、600℃以下であることが好ましい。すなわち、従来、固体電解質1の良好な酸化物イオン伝導性を得るために600℃を超える高温で動作させていたが、この温度では非メタン炭化水素ガスは検知極2の表層での気相酸化反応が促進され、検知極2と固体電解質1との界面に到達し難くなり、固体電解質1の酸化物イオン伝導性と非メタン炭化水素ガスに対する感度とはトレードオフの関係となっていた。このため、動作温度は、400〜550℃であることがより好ましい。400〜550℃における検知極2の混成電位に基づく起電力によって非メタン炭化水素ガスの濃度を測定することにより、非メタン炭化水素ガスは酸化されることなく検知極2と固体電解質1との界面により到達し易くなり、より低濃度の非メタン炭化水素ガスに対しても検知することが可能となる。
検知極2は、400〜550℃で金属酸化物として存在し、電子伝導性を有すると共に、固体電解質1との界面において非メタン炭化水素ガスに対して電気化学活性を有するものであることが好ましい。このような電子伝導性の高い金属酸化物を検知極2として用いることにより、400〜550℃の動作温度でも良好な応答性を得ることができる。このため、低濃度の非メタン炭化水素ガスであっても検知することが可能となる。この種の金属酸化物としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニッケルが特に好ましい。
検知極2としては気相酸化活性が低いものを用いることが好ましい。検知極2の気相酸化活性を低くすることによっても、非メタン炭化水素ガスが検知極2の表層で酸化されることを抑えることができる。金属酸化物の中で気相酸化活性が低いものとしては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニッケルを挙げることができ、これらの金属酸化物は、このような観点からも検知極2として好ましく適用することができる。
また、検知極2には、固体電解質1の構成物を0.05〜10wt%含有させることが好ましい。これにより、検知極2と固体電解質1との界面が増加し、さらに検知極2の内部の気孔率を任意に制御可能となる。このため、非メタン炭化水素ガスが検知極2と固体電解質1との界面に効率よく到達できるようになり、非メタン炭化水素ガスに対する感度をさらに向上させることができる。
参照極3は、本実施形態においては非メタン炭化水素ガスから遮断されており、空気とのみ接触するものであるため、酸素に対して活性を有するものを用いればよく、例えば、白金、金、ロジウム、ルテニウム、パラジウム等を用いることができる。
尚、非メタン炭化水素ガス検知素子として、基板型のガス検知素子に適用する場合には、参照極3は検知極2と共に非メタン炭化水素ガスに晒されるため、参照極3には酸素に対して活性を有しつつ、非メタン炭化水素ガスに対して不活性な金属または金属酸化物で構成したものを用いることが好ましい。
尚、非メタン炭化水素ガス検知素子のその他の構成、機能については、従来公知の混成電位型のガス検知素子と同様である。そして、本発明に係る非メタン炭化水素ガス検知素子は、既知のガス検知回路等に組み込むことにより、非メタン炭化水素ガスセンサ等として適用することができる。
以下に、本実施形態に係る非メタン炭化水素ガス検知素子を用いた実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
固体電解質1として、市販のイットリア安定化ジルコニア(以下「YSZ」と称する)の管(8mol%Y23,NKT社製,内径5mm,外径8mm,長さ300mm)を使用し、外側の面に検知極2として金属酸化物とα−テルピネオールとを重量比1:1となるように混合してペースト状にしたものを帯状に塗布し、内側の面に参照極3として市販の白金ペーストを塗布した。この後、このYSZの管を大気中で自然乾燥させ、次いで、1200℃で2時間焼成した。焼成したYSZの管は、石英管4の内に入れ、電気炉(アサヒ理化製作所製)が備え付けられたセンサ特性評価装置に設置した。そして、動作温度600℃において、加湿合成空気(1.35vol%H2O及び400ppmCO2共存空気)及びサンプルガスを100cm3/minの流速で流通させたときの検知極2と参照極3との間の起電力をエレクトロメータ(アドバンテスト製 R8240)により測定した。
(検知極材料の検討)
検知極2として、ZnO,SnO2,In23,NiO,Fe23,Co34,Cr23のそれぞれの金属酸化物を用いた。それぞれの厚みを30μmとし、50ppbのプロピレンガス(C36)及びその他のサンプルガス(CH4,H2,CO,NO2)を流通させたときの検知極2と参照極3との間の起電力(Δemf)を測定し、それぞれのガスに対する感度を調べた。尚、CH4,H2,CO,NO2の濃度は、一般的な大気中濃度とした。
その結果、図2に示すように、検知極2として、ZnO,SnO2,In23,NiOを用いた場合に、非メタン炭化水素ガスであるC36に対して、特に高い感度を示すことが分かった。
(検知極としてZnOを用いた場合の特性)
検知極2としてZnOを用い、厚みを30μmとし、以下の測定を行った。
36に対する応答特性を調べた。その結果、図3に示すように、C36の濃度が高くなるほど起電力値(Emf)はマイナス側に大きくなり、1.35vol%H2O及び400ppmCO2が共存しているにも関わらず、C36をppbの濃度まで良好に検知できることが分かった。また、C36の濃度の対数と起電力との関係を図4に示した。その結果、測定した50〜300ppbの範囲で、良好な直線性を示すことが分かった。このように、検知極2と参照極3との間に生じる起電力は、ガス濃度の対数と比例関係にあるため、本発明の方式は低濃度ガスの検知に原理上適していると考えられる。
300ppbのC36及びその他のサンプルガス(CH4,H2,CO,NO2)に対する感度を調べた。その結果、図5に示すように、300ppbのC36に対して、良好な選択性を示すことが分かった。
水蒸気濃度を変化させた場合の300ppbのC36に対する感度を調べた。その結果、図6に示すように、水蒸気濃度による感度の変化はほとんどなく、水蒸気の影響が小さいこと分かった。
300ppbのC36に対する感度の経時変化を調べた。その結果、図7に示すように、20日間で感度変化がほとんどなく、長期安定性が良好であることが分かった。
本実施形態に係る非メタン炭化水素ガス検知素子の応答機構が混成電位機構に基づくものであることを証明するために、空気中、及び被検ガス(C36+空気)中での分極曲線の測定を行った。図8には、実測した分極曲線から求めたC36だけに対するアノーディック分極曲線と酸素(空気中)に対するカソーディック分極曲線を示した。この時、両分極曲線の交点から求めた混成電位値は−12.5mVであり、実測した本検知素子の起電力値は−13mVと良好な一致を示した。このことから、本検知素子の応答機構が混成電位モデルに基づいていることが確認できた。
(動作温度の検討)
検知極2として、In23,SnO2,NiO,ZnOのそれぞれの金属酸化物を用いた。それぞれの厚みを30μmとし、各動作温度(450℃、500℃、600℃)における50ppbのC36に対する感度を調べた。その結果、図9に示すように、特にIn23及びNiOを用いた場合には、動作温度は500℃以下で良好な感度を示し、動作温度が低くなるほど感度が高くなることが分かった。
(検知極としてNiOを用いた場合の特性)
検知極2としてNiOを用い、厚みを30μmとし、各動作温度(450℃、500℃、600℃)における50ppbのC36に対する応答特性を調べた。その結果、図10に示すように、動作温度が低くなるほど良好となることが分かった。
(検知極としてIn23を用いた場合の特性)
検知極2としてIn23を用い、厚みを30μmとし、各動作温度(450℃、475℃、500℃、550℃、600℃)における50ppbのC36及びその他のサンプルガス(CH4,H2,CO,NO2)に対する感度を調べた。その結果、図11に示すように、動作温度は特に500℃以下で良好な感度を示し、動作温度が低くなるほど感度が高くなることが分かった。
そこで、以下の測定については動作温度を450℃として行った。
検知極2をペーストのIn23とα−テルピネオールとの重量比を1:2として作製し、厚みを20μmとした場合において、C36に対する応答特性を調べ、図12に示した。その結果、C36をppbレベルにおいて良好に検知できることが分かった。
検知極2をペーストのIn23とα−テルピネオールとの重量比をそれぞれ1:1,1:2と変えて作製し、それぞれの厚みを30μm、20μmとした場合において、濃度の対数と起電力との関係を図13に示した。その結果、いずれの場合も測定した20〜200ppbの範囲で、良好な直線性を示すことが分かった。
検知極2としてIn23にYSZをそれぞれ0.05,0.1,0.5,1.5,5wt%混合したものを用い、50ppbのC36及びその他のサンプルガス(CH4,H2,CO,NO2)に対する感度を調べた。その結果、図14に示すように、YSZを混合することで選択性が向上することが分かった。
検知極2としてIn23にYSZ1.5wt%混合したものを用い、各動作温度(425℃、450℃、500℃)における50ppbのC36及びその他のサンプルガス(CH4,H2,CO,NO2)に対する感度を調べた。その結果、図15に示すように、動作温度が低くなるほど感度が高くなり、425℃が最も良好であることが分かった。
本発明に係る非メタン炭化水素ガス検知素子は、大気環境中の炭化水素のモニタリング装置等に適用することができる。
本実施形態に係る非メタン炭化水素ガス検知素子の概略図 各金属酸化物の各種ガスに対する感度を示すグラフ ZnOのC36に対する応答特性を示すグラフ ZnOのC36に対する濃度依存性を示すグラフ ZnOの各種ガスに対する感度を示すグラフ ZnOの水蒸気濃度変化に対する感度を示すグラフ ZnOのC36に対する感度の経時変化を示すグラフ ZnOを用いた非メタン炭化水素ガス検知素子の分極曲線を示すグラフ 各金属酸化物の各動作温度におけるC36に対する感度を示すグラフ NiOの各動作温度におけるC36に対する応答特性を示すグラフ In23の各動作温度における各種ガスに対する感度を示すグラフ In23のC36に対する応答特性を示すグラフ In23のC36に対する濃度依存性を示すグラフ In23にYSZを比率を変えて混合した場合の各種ガスに対する感度を示すグラフ In23にYSZを1.5wt%混合した場合の各動作温度における各種ガスに対する感度を示すグラフ
符号の説明
1 固体電解質
2 検知極
3 参照極

Claims (3)

  1. 酸化物イオン伝導性を有する固体電解質と、当該固体電解質の表面に形成した検知極及び参照極とを備え、前記検知極と前記参照極との間の起電力に基づいて非メタン炭化水素ガスの濃度を測定する非メタン炭化水素ガス検知素子において、
    前記起電力は、400〜550℃における前記検知極の混成電位に基づくものであり、
    前記検知極は、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニッケルのうち少なくとも一種の金属酸化物を含有し、かつ前記固体電解質の構成物を0.05〜10wt%含有するものであって、400〜550℃で金属酸化物として存在し、電子伝導性を有すると共に、前記固体電解質との界面において非メタン炭化水素ガスに対して電気化学活性を有する非メタン炭化水素ガス検知素子。
  2. 前記固体電解質は、安定化ジルコニアを主成分として構成してある請求項1に記載の非メタン炭化水素ガス検知素子。
  3. 前記参照極は、非メタン炭化水素ガスに対して不活性な金属または金属酸化物で構成してある請求項1または2に記載の非メタン炭化水素ガス検知素子。
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