JP4671253B2 - 可燃性ガス濃度測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車、船舶、飛行機等の内燃機関に用いるガス濃度測定装置に関する。特には、燃焼ガス中の可燃性ガス濃度を検出するための可燃性ガス濃度測定装置に関する。内燃機関の燃焼排気ガスに含まれる可燃性ガス(炭化水素ガス等)の濃度を測定することができる。特に、リーンバーンエンジン等に好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】
近年、内燃機関の排ガス規制の強化の要請が高まっている。これまで、内燃機関において燃焼しきれなかった燃焼排気ガスに含まれる可燃性ガスの燃焼をできる限り進行させるために、燃焼排気ガス中に含まれる酸素の割合を測定し、この酸素の割合を最適化することにより燃焼及び排気ガスの燃焼効率を最適化してきた。
【0003】
しかし、近年、更なる排気ガス規制の強化から、排ガスの清浄化を促進するために、排ガスに含まれる可燃性ガス濃度を直接的に検出し、エンジン制御や浄化触媒のコントロールを行うためのガス濃度測定装置の開発が検討されている。
【0004】
排ガスに含まれる可燃性ガス濃度を、酸素イオン導伝体上に形成した基準電極と検知電極の間に発生する起電力に基づいて検出するセンサが、特表平8−5108号公報、特開平10−82763号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年、燃料を大幅に節減できるためにリーンバーンエンジンが急速に普及しつつある。しかし、このエンジンは従来のエンジンに比べて酸素濃度の変化が大きく、リーン条件では酸素濃度が特に高くなる。このような酸素が高い濃度で存在し、酸素濃度の変化が大きい混合気体中において、これらの影響を受けずに可燃性ガスの濃度を測定することは非常に困難である。
【0006】
従来の酸素イオン導伝体を利用したセンサから得られるガス濃度に対応する出力信号(センサ出力Sm)は、ガス濃度に対する直線性が乏しい、または、被検ガスに含まれる酸素濃度に対して依存性が大きい、といった問題がある。その結果、ガス成分がまったく存在しないにもかかわらず出力信号(誤差出力Sz)が発生したり、酸素濃度が高い程にセンサの感度が減少したりするため、真のガス濃度(Cm)に対応する正確な出力信号を得ることが困難であった。
【0007】
また、これまで触媒コンバーターが装着されていなかったディーゼルエンジンにおいても窒素酸化物の排出量が多いため触媒の装着が望まれるようになっている。これら窒素酸化物の含有量が多い排気ガスを浄化するシステムとして図16に示すような排気管(23)に装着された触媒コンバーター(24)の後のセンサ素子(30)で測定したデータをフィードバックして排気ガスの燃焼効率を最適化するように燃料等をインジェクタ(29)によりディーゼルエンジン(22)へ噴射するシステムや、図17に示すように触媒コンバーター(24)の前後に可燃性ガス濃度を測定するセンサ素子(31、32)を配置したり、図18に示すような触媒コンバーター(24)自身の劣化を感知するための可燃性ガス濃度を測定するセンサ素子(33)を配置したシステムが検討されている。しかし、このようなシステムに使用できる混合気体中から所望の可燃性ガスの濃度を選択的に測定できる装置は知られていない。
【0008】
本発明は上記課題を解決するものであり、高濃度で存在する酸素、酸素の濃度変化、被測定ガス温度等による影響を受け難く、混合ガス中から所望の可燃性ガス又は炭化水素ガスを選択的に測定することができ、更には、安定して、鋭敏に且つ正確にこれらを測定できるガス濃度測定装置を提供することを目的とする。被検ガスの酸素濃度に左右されることなく、目的とする所定のガス濃度に対応する正確な出力信号を得ることが可能なガス濃度測定装置を提供することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被検ガスの酸素濃度に関する情報に基づいて、センサから得られるガス濃度に対応する出力信号(センサ出力Sm)を補正することで、真のガス濃度に対応する正確な情報を得ることが可能な可燃性ガス濃度測定装置である。より具体的には、被検ガス中の酸素濃度が既知であるか、他に酸素濃度検出部を設けるか、或いは、外部から被検ガス中の酸素濃度の情報を得ることにより、センサ素子からのガス濃度に対応する出力信号(センサ出力Sm)の酸素濃度に起因する誤差を補正し、かつ、最小限のマップデータや補正式を用いるのみで高精度なガス濃度の補正、測定が具体的な可能な可燃性ガス濃度測定装置である。
【0010】
具体的な一態様としては、図3に示すS1からS5のステップを行う手段を有するガス濃度測定装置を例示することができる。
【0011】
S1のステップは、酸素濃度検出手段から得た被検ガスの酸素濃度(Oc)を検出するステップを行う。S2のステップは、ガス濃度検出手段から得た被検ガス中のガス濃度に対応するセンサ出力(Sm)を検出するステップを行う。なお、このS1のステップとS2のステップは、順序が逆転していてもよい。また、同時に進行してもよい。ようするに、これらのステップから得られる情報(Oc及びSm)が、続くS3のステップまでに得られていればよい。
【0012】
S3のステップは、酸素濃度(Oc)とセンサ出力(Sm)とに基づいて、対応する換算ガス濃度(Cc)を求めるステップを行う。被検ガス中のガス濃度に対応するセンサ出力(Sm)自体は、酸素濃度(Oc)の影響による誤差出力(Sz)を含んだ出力になっているため、目的とする所定のガス濃度(Cm)自体を表わす出力ではない。そこで、酸素濃度(Oc)の影響による誤差出力(Sz)分をセンサ出力(Sm)から除いた出力であるセンサ感度出力(Ss)を求め、それに対応するガス濃度に換算して、換算ガス濃度(Cc)を求める必要がある。
【0013】
S4のステップは、被検ガス中の酸素濃度(Oc)に対応する補正係数(Ki)を得るステップを行う。この補正係数(Ki)は、通常、酸素濃度の関数として得られる。このS4のステップは、S1のステップ以降であれば、S2、S3のステップと前後しても、同時に進行してもよい。ようするに、これらのステップから得られる情報(Ki及びCc)が、続くS5のステップまでに得られていればよい。
【0014】
S5のステップは、被検ガス中の酸素濃度(Oc)に対応する補正係数(Ki)を用いて、酸素濃度(Oc)の影響による誤差出力(Sz)分をセンサ出力(Sm)から除いた出力であるセンサ感度出力(Ss)をガス濃度に換算した換算ガス濃度(Cc)を補正して、目的とする所定のガス濃度(Cm)を得るステップを行う。酸素濃度の変化による誤差の影響を補正することで、目的とする所定のガス濃度(Cm)自体を得ることができる。
【0015】
以下に、上記手段の各ステップに含まれる構成要件について順次説明する。
【0016】
本発明における酸素濃度検出手段とは、被検ガスの酸素濃度(Oc)に関する情報を、その酸素濃度に対応する電気的信号、機械的信号等として供給する手段をいう。被検ガスの酸素濃度(Oc)が既知で一定の場合は、その一定値に対応する信号を供給し、被検ガスの酸素濃度(Oc)が環境に応じて逐次変化する場合は、連続的あるいは断続的に検出した値に対応する信号を供給するものであればよい。
【0017】
被検ガスの酸素濃度(Oc)に対応する信号の供給方法としては、ケーブルを介して電気的信号を供給する方法、赤外線や無線を用いて信号を供給する方法、油圧やモーターなどの駆動手段を用いて機械的に供給する方法などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。マイクロプロセッサを用いた演算処理を高速、円滑に行うためには、電気的信号として供給するのがよい。
【0018】
被検ガスの酸素濃度(Oc)に関する情報は、ガス濃度測定装置自体に酸素濃度を検出するためのセンサ素子を設けて得るのが良い。ガス濃度を測定する位置と酸素濃度を測定する位置とが近いため、より現実的なガス濃度と酸素濃度に基づいた補正が可能となるからである。
【0019】
ガス濃度を測定する位置と酸素濃度を測定する位置とが離れていてもガス濃度と酸素濃度に基づいた補正が可能な場合は、酸素濃度を検出するためのセンサ素子をガス濃度測定装置の外部に設けて、そこから酸素濃度に関する情報を得るのが良い。ガス濃度を検出するためのセンサ素子と酸素濃度を検出するためのセンサ素子とを別体化することで、それぞれに高性能で安価な素子を適宜選択してガス濃度測定装置を組み上げることができるため、製造コストの低減が可能となるからである。
【0020】
具体的には、酸素濃度データ(309、311)をエンジン制御用の全領域酸素センサ(UEGOセンサ)(28)から得て、可燃性ガス濃度を測定するためのセンサ素子(27)からの信号(310)をCPU(26)によって補正し、ECU(25)にフィードバックしてリーンバーンエンジン(220)を制御する場合(図14)や、ほぼ一定の条件下で使用される発電用エンジン(221)のように、運転条件(回転数、燃料消費量等)のデータ(313、314)と排気ガス中の酸素濃度の関係を測定して予めマップを作製してCPU(26)のメモリに記憶させておいて、このマップから酸素濃度を既知データとして得て、可燃性ガス濃度を測定するためのセンサ素子(27)からの信号(315)をCPU(26)によって補正する場合(図15)を例示することができる。他には、酸素濃度分析計から得られる酸素濃度データや、起電力型の酸素センサから得られる酸素濃度データを用いることができる。
【0021】
酸素濃度検出手段としては、ジルコニア系焼結体(例:イットリア安定型ジルコニア、以下、「YSZ」と称する。)、LaGaO3系焼結体等の酸素イオン導電性を有する固体電解質を利用した酸素センサを用いるのがよい。
その形状は特には限定されないが、有底円筒型、板型、積層板型、薄膜型等適宜選択して使用することができる。
【0022】
本発明におけるガス濃度検出手段とは、被検ガスのガス濃度に関する情報を、そのガス濃度に対応する電気的信号、機械的信号等として供給する手段をいう。被検ガスのガス濃度に対応する信号の供給方法としては、ケーブルを介して電気的信号を供給する方法、赤外線や無線を用いて信号を供給する方法、油圧やモーターなどの駆動手段を用いて機械的に供給する方法などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。マイクロプロセッサを用いた演算処理を高速、円滑に行うためには、電気的信号として供給するのがよい。
【0023】
前述したように、酸素イオン導伝体を利用したガス濃度検出手段自体から得られるガス濃度に対応する出力信号は、誤差出力(Sz)の影響を受けたり、感度が減少した出力であるため、目的とする所定のガス濃度(Cm)に対応する正確な出力信号とはいえない可能性が高い。
【0024】
これは、固体電解質と電極と気相とが構成するいわゆる「三相界面」における可燃性ガス成分の気相燃焼による誤差が原因と言われている。つまり、酸素濃度が高い程、可燃性ガスの気相燃焼の割合も大きくなった結果、「三相界面」に到達する可燃性ガスの割合も少なり、センサ感度が低下するのである。
【0025】
目的とする所定のガス濃度(Cm)に対応する正確な出力信号を得るためには、酸素濃度検出手段の検出値である酸素濃度(Oc)とガス濃度検出手段の検出値であるセンサ出力(Sm)とに基づいて得られる換算ガス濃度(Cc)を、酸素濃度に対応する補正係数(Ki)を用いて補正して、目的とする所定のガス濃度(Cm)を得るステップを行う補正手段を用いるとよい。酸素濃度(Oc)の影響による誤差出力(Sz)分をセンサ出力(Sm)から差し引いた出力であるセンサ感度出力(Ss)を濃度換算した換算ガス濃度(Cc)と目的とする所定のガス濃度(Cm)の間には、各酸素濃度のレベル毎に、所定の比例関係が成立するからである。酸素濃度に起因して発生する誤差を、酸素濃度に対応する補正係数(Ki)を用いて補正するため、マイクロプロセッサを用いた演算処理が容易に行える利点がある。
【0026】
補正手段としては、図4に示すような、以下の(S12)、(S14)、(S15)、(S16)、(S17)のステップを行うものであるとよい。酸素濃度に起因して発生する誤差を補正する作業が、コンピュータを用いた演算処理により容易に行える利点があるからである。
以下に、補正手段について説明する。
【0027】
酸素濃度検出手段から取得された酸素濃度(Oc)の検出値に基づいて、被検ガスのガス成分が実質的に0の場合における誤差出力(Sz)を得るステップ(S12)を行う誤差出力選択手段を含むこと。
【0028】
予め、可燃性ガスを含まない雰囲気の酸素濃度を変化させながら、酸素濃度検出手段からの酸素濃度(Oc)の検出値である誤差出力(Sz)を測定し、酸素濃度(Oc)と誤差出力(Sz)の関係を求めておけば、必要時にその測定条件に対応する値を「選択」し、その値に基づいて補正すればよいため、補正作業やシステムの構成が簡単、容易になる利点がある。
【0029】
ガス濃度測定装置自体に、ガス成分と酸素とを分離する分離膜等の分離手段が備え付けられている場合や、ガス成分と酸素濃度とを各々独立に分離して測定する手段(例:センサ素子に可燃性ガスには反応しない電極を設けて、ガス成分と酸素濃度とを同時に測定。)が備え付けられている場合には、酸素濃度(Oc)と誤差出力(Sz)の関係は、必要に応じてその都度求めるのがよい。温度、気圧等の測定条件が同一なので、よりリアルタイムな情報を供給できるからである。
【0030】
ところで、酸素濃度(Oc)と誤差出力(Sz)の関係は、用いる酸素濃度検出手段に固有のものである場合が多い。したがって、上記(S12)のステップを行う誤差出力選択手段は、以下の(S120)のステップを行う誤差出力選択手段のように、関数式又はマップを作製してガス濃度測定装置のメモリに予め記憶して用いるのがよい。
【0031】
酸素濃度(Oc)とそれに対応する誤差出力(Sz)との関係を示す関数式又はマップを作製して予め記憶しておき、その関数式又はマップに基づいて、酸素濃度検出手段により取得された前記酸素濃度(Oc)の検出値に対応する前記誤差出力(Sz)を得るステップ(S120)を行う誤差出力選択手段を含むこと。
【0032】
酸素濃度(Oc)とそれに対応する誤差出力(Sz)の関係を必要な都度求める場合よりも、このように、関数式又はマップを作製して予め記憶しておき、必要時に測定条件にあった値を「選択」する方が、CPUやメモリへの負担の軽減や演算処理の高速化が図れるからである。補正作業をコンピュータを用いた演算処理により行う際に便利である。
【0033】
酸素濃度(Oc)とそれに対応する誤差出力(Sz)の関係式は、理論上ネルンストの式に従うため、以下の数式1に示す対数関数に近似して扱うことができる。なお、ここにいう(a)、(b)は所定の係数を示し、(Ln)は自然対数を示す。素子の特性に応じて関係式を求めてメモリに記憶しておくことで、被検ガス中の酸素濃度が急激に変化しても、精度の高い測定が可能となる。
【0034】
【数1】
(Sz)=(a)×(Ln)[(Oc)]+(b)
【0035】
より正確にガス濃度に対応する出力信号を得るには、以下の(S14)に示すステップを行うセンサ感度出力算出手段により、誤差出力選択手段から得られた誤差出力(Sz)を減じて算出ずる必要がある。
【0036】
ガス濃度検出手段から取得されたセンサ出力(Sm)から誤差出力(Sz)を減じてセンサ感度出力(Ss)を得るステップ(S14)を行うセンサ感度出力算出手段を含むこと。
【0037】
本発明におけるセンサ感度出力算出手段とは、被検ガスのガス濃度に対応して、ガス濃度検出手段から取得された電気的信号、機械的信号等であるセンサ出力(Sm)から、予め酸素濃度に依存する誤差である誤差出力(Sz)を減じて、本来的なセンサ感度に対応するセンサ感度出力(Ss)を算出する手段である。
【0038】
センサ出力(Sm)から誤差出力(Sz)を減じてセンサ感度出力(Ss)を算出する演算処理を行うのみであるから、この演算処理を行う際にCPUやメモリに過大な負担をかけることはない利点がある。
【0039】
次いで、上記(S14)のステップを行うセンサ感度出力算出手段から得られた、本来的なセンサ感度に対応するセンサ感度出力(Ss)を、ガス濃度に換算する必要がある。以下の(S15)のステップを含むガス濃度換算手段を用いて、対応する換算ガス濃度(Cc)に変換するのがよい。
【0040】
センサ感度出力(Ss)に基づいて換算ガス濃度(Cc)を得るステップ(S15)を行うガス濃度換算手段を含むこと。
【0041】
本発明におけるガス濃度換算手段とは、センサ感度出力算出手段から得られた電気的信号、機械的信号等であるセンサ感度出力(Ss)を、それに対応するガス濃度である換算ガス濃度(Cc)に換算する手段をいう。酸素濃度に依存する誤差出力(Sz)を除いてあるため、より目的とする所定のガス濃度(Cm)に近い濃度値を得ることができる。
【0042】
ところで、センサ感度出力(Ss)と換算ガス濃度(Cc)の関係は、用いるガス濃度検出手段に固有のものである場合が多い。したがって、上記ガス濃度換算手段は、以下の(S150)のステップを行うガス濃度換算手段のように、関数式又はマップを作製してガス濃度測定装置のメモリに予め記憶して用いるのがよい。
【0043】
所定の酸素濃度(Oc)におけるガス濃度とそれに対応するセンサ感度出力(Ss)との関係を示す関数式又はマップを作製して予め記憶しておき、その関数式又はマップに基づいて、取得された前記センサ感度出力(Ss)の検出値に対応する前記換算ガス濃度(Cc)を得るステップ(S150)を行うガス濃度換算手段を含むこと。
【0044】
センサ感度出力(Ss)とそれに対応する換算ガス濃度(Cc)の関係を必要な都度求める場合よりも、このように、関数式又はマップを作製して予め記憶しておき、必要時にセンサ感度出力(Ss)にあった値を選択して「換算」する方が、CPUやメモリへの負担の軽減や演算処理の高速化が図れるからである。換算作業をコンピュータを用いた演算処理により行う際に便利である。
【0045】
センサ感度出力(Ss)とそれに対応する換算ガス濃度(Cc)の関係式は、固体電解質を用いた素子を用いた場合、経験上、以下の数式2に示すようなセンサ感度出力(Ss)の3次式に近似して扱うことができる。なお、ここにいう(c)、(d)、(e)は所定の係数を示す。素子の特性に応じて関係式を求めてメモリに記憶しておくことで、被検ガス中の酸素濃度が急激に変化しても、精度の高い測定が可能となる。
【0046】
【数2】
(Cc)=(c)×[(Ss)]3+(d)×[(Ss)]2+(e)×[(Ss)]
【0047】
ここで得られた換算ガス濃度(Cc)は、まだ目的とする所定のガス濃度(Cm)を表わすものではない。実際には、被検ガスの酸素濃度のレベル毎に対応する所定量の誤差を含有している。そこで、この被検ガスの酸素濃度のレベル毎に所定量の誤差を補正するために、(S16)のステップを行う補正係数算出手段及び以下の(S17)のステップを行うガス濃度補正手段が必要となる。
【0048】
酸素濃度(Oc)の検出値に基づいて、対応する補正係数(Ki)を得るステップ(S16)を行う補正係数算出手段を含むこと。
【0049】
換算ガス濃度(Cc)に、酸素濃度に対応する補正係数(Ki)を乗じて、目的とする所定のガス濃度(Cm)を得るステップ(S17)を行うガス濃度補正手段を含むこと。
【0050】
換算ガス濃度(Cc)に含まれる誤差は、目的とする所定のガス濃度(Cm)に対して絶対値が一致していない程度の、相対的な誤差にまで抑えられている。しかし、この相対的な誤差を補正しなければ、目的とする所定のガス濃度(Cm)を得ることはできない。ここでは、この相対的な誤差を補正する手段として、酸素濃度に対応する補正係数(Ki)を用いる。
【0051】
補正係数(Ki)は酸素濃度に対応して定まるものであるため、この補正係数(Ki)を用いれば、被検ガス中の酸素濃度が急激に変化しても、精度の高い補正が可能となる。補正に関する演算処理も、基本的には、換算ガス濃度(Cc)に補正係数(Ki)を乗ずるのみで極めて簡単な処理で済むため、演算システムを簡略に構成することができる。より好ましくは、以下の(S160)のステップを行う補正係数算出手段を用いるのがよい。
【0052】
所定の酸素濃度(Oc)に対応する補正係数(Ki)との関係を示す関数式又はマップを作製して予め記憶しておき、その関数式又はマップに基づいて対応する補正係数(Ki)を求めるステップ(S160)を行う補正係数算出手段を含むこと。
【0053】
酸素濃度(Oc)とそれに対応する補正係数(Ki)の関係を必要な都度求める場合よりも、このように、関数式又はマップを作製して予め記憶しておき、必要時に酸素濃度(Oc)にあった値を選択して「補正」する方が、CPUやメモリへの負担の軽減や演算処理の高速化が図れるからである。補正作業をコンピュータを用いた演算処理により行う際に便利である。
【0054】
酸素濃度(Oc)とそれに対応する補正係数(Ki)の関係式は、固体電解質を用いた素子を用いた場合、経験上、以下の数式3に示すような酸素濃度(Oc)の2次式に近似して扱うことができる。なお、ここにいう(f)、(g)、(h)は所定の係数を示す。素子の特性に応じて関係式を求めてメモリに記憶しておくことで、被検ガス中の酸素濃度が急激に変化しても、精度の高い補正が可能となる。
【0055】
【数3】
(Ki)=(f)×[(Oc)]2+(g)×[(Oc)]+(h)
【0056】
このガス濃度換算手段は、以下の(S161)のステップを行う補正係数算出手段により補正係数(Ki)を求め、かつ、関数式又はマップを作製してガス濃度測定装置のメモリに予め記憶して用いるのがよい。補正作業をコンピュータを用いた演算処理により行う際に便利だからである。
【0057】
所定の酸素濃度(Oc)に対応する換算ガス濃度(Cc)とそれに対応するガス濃度との関係をプロットし、各酸素濃度毎に切片を0とする直線近似処理を行って得られた傾き(Δ)の逆数を補正係数(Ki)として、酸素濃度(Oc)に対応する補正係数(Ki)との関係を示す関係式又はマップを作製して予め記憶しておき、その関数式又はマップに基づいて対応する補正係数(Ki)を求めるステップ(S161)を行う補正係数算出手段を含むこと。
【0058】
酸素濃度(Oc)に対応する補正係数(Ki)との関係を示す関係式又はマップは、以下のように作製する。まず、所定の酸素濃度(Oc)に対応する換算ガス濃度(Cc)を縦軸に、それに対応するガス濃度を横軸にとってプロットする。このプロットは、各酸素濃度毎にプロットする。得られたプロットは、各酸素濃度毎にそれら各酸素濃度に対応する種々の傾きを有する。
【0059】
次いで、得られたプロットに対して、各酸素濃度毎に切片を0とする直線近似処理を行う。直線近似処理には、最小二乗法を用いるのがよい。この近似直線の傾き(Δ)を求め、その傾きの逆数(1/Δ)を補正係数(Ki)として求める。そして、酸素濃度(Oc)と、それに対応して得られた補正係数(Ki)との関係を示す関係式又はマップを作製する。
【0060】
補正係数(Ki)は酸素濃度に対応して定まるものであるため、この補正係数(Ki)を用いれば、被検ガス中の酸素濃度が急激に変化しても、精度の高い補正が可能となる。補正に関する演算処理も、基本的には、換算ガス濃度(Cc)に補正係数(Ki)を乗ずるのみで極めて簡単な処理で済むため、演算システムを簡略に構成することができる。
【0061】
この関係式又はマップは、必要な都度求めるよりも、関数式又はマップを作製して予め記憶しておき、必要時に酸素濃度(Oc)にあった補正係数(Ki)を選択して「補正」する方が、CPUやメモリへの負担の軽減や演算処理の高速化が図れる利点がある。換算作業をコンピュータを用いた演算処理により行う際に便利である。
【0062】
このようにして得られた補正係数(Ki)を用いて目的とする所定のガス濃度(Cm)を得るには、以下の(S17)のステップを行うガス濃度補正手段を用いるのがよい。
【0063】
換算ガス濃度(Cc)に補正係数(Ki)を乗じて、目的とする所定のガス濃度(Cm)を得るステップ(S17)を行うガス濃度補正手段を含むこと。
【0064】
酸素濃度に対応して定まる補正係数(Ki)を用いるため、被検ガス中の酸素濃度が急激に変化しても、精度の高い補正が可能となる。補正に関する演算処理も、基本的には、換算ガス濃度(Cc)に補正係数(Ki)を乗ずるのみで極めて簡単な処理で済むため、演算システムを簡略に構成することができる。
【0065】
以下に本発明の具体的な実施の態様を例示して説明する。
図1は、本発明のガス濃度測定装置の一態様を示すもので、いわゆる筒型センサ素子を用いた例である。酸素イオン導電性を有する固体電解質(2)と、固体電解質に形成された基準電極(3)及び検知電極(6)と、固体電解質を加熱するヒータ素子(7)とを備えるセンサ素子(1)を用いたガス濃度測定装置(200)である。センサ素子の形状は特に制限されないが、図1のように、筒型のセンサ素子を用いるのがよい。機械的強度に優れ、信頼性が高いからである。
【0066】
ガス濃度検出手段(1、8)は、センサ素子(1)の基準電極(3)と検知電極(6)の間に発生する起電力をセンサ出力測定装置兼内部抵抗測定装置(8)で測定して、これに基づいて被検ガスのガス濃度を検出する。得られたガス濃度に対応する信号(301)と酸素濃度測定装置(9)からの酸素濃度(Oc)に対応する信号(302)とをCPU(11)に送り、前述した補正手段を用いて補正演算処理することで、所望のガス濃度を示す信号(300)を得る。ここでは、CPU(11)にメモリされたマップや関数式を用いて一連の補正処理を行っているため、ガス濃度換算手段(11)と補正係数算出手段(11)と補正手段(11)とが同じCPU(11)として図示されている。
【0067】
センサ素子(1)にはヒータ素子(7)がついており、ヒータ制御装置(10)により、センサ素子の動作温度が一定になるように調整して、固体電解質の酸素イオン伝導性を一定に保っている。具体的には、以下のように調整している。
【0068】
まず、センサ素子(1)の基準電極(3)と検知電極(6)の間に一定間隔で瞬間的に0.1mA〜5mAの電流を通じて、その時に発生する起電力を、センサ出力測定装置兼内部抵抗測定装置(8)を用いて測定する。この測定値は温度に依存するので、次いで、その値が一定になるようにヒータ素子の温度を制御すればよい。すなわち、その測定値を温度制御手段であるヒータ制御装置(10)にフィードバック(303)し、その結果に基づいてヒータ素子(7)への通電量を制御すれば、センサ素子の動作温度が一定の温度を保つようになる。
【0069】
これらのヒータ制御装置(10)、センサ出力測定装置兼内部抵抗測定装置(8)、CPU(11)は、別々の装置として構成されていてもよいが、これらをユニット化して一つのセンサコントローラ(12)を構成するようにするのがよい。ユニット化することにより、アッセンブリ作業が簡便にできるからである。
【0070】
酸素濃度検出手段(9)は、被検ガスの酸素濃度(Oc)を検出する酸素濃度検出装置であれば特には限定されない。センサ素子自体に酸素濃度を検出する機能があれば、そこから酸素濃度のデータを入手すればよい。また、外部の装置を酸素濃度検出手段として用いてもよい。センサ素子から酸素濃度検出部を省略できるため、センサ素子の更なる小型化、簡略化が可能になるからである。
【0071】
例えば、図14に示すように、リーンバーンエンジン(220)のエンジン制御用に用いる全領域酸素センサ(UEGOセンサ)(28)から酸素濃度のデータ信号(309、311)を入手することができる。この酸素濃度のデータに基づいて、可燃性ガスの濃度を検知するセンサ素子(27)からの信号(310)をCPU(26)で演算処理して補正すればよい。補正後のデータ信号(312)をECU(25)に送り、エンジン制御用の信号(308)を出力すればよい。
【0072】
また、図15に示すように、一定の条件下で運転される発電エンジン(221)のように排ガス中の酸素濃度が一定になるものについては、エンジンの運転条件(例:回転数、燃料消費量等)と排ガス中の酸素濃度との関係を予め測定してマップを作製してメモリーしておき、運転条件のデータ信号(313)に応じてCPU(26)のメモリ中のマップから酸素濃度のデータを入手することができる。この酸素濃度のデータに基づいて、可燃性ガスの濃度を検知するセンサ素子(27)からの信号(315)をCPU(26)で演算処理して補正すればよい。
【0073】
外部の装置の他の例としては、酸素濃度分析計を用いたり、起電力型の酸素センサを用いることができる。
【0074】
図2は、本発明のガス濃度測定装置の別の一態様を示すもので、いわゆる積層板型センサ素子を用いた例である。酸素イオン導電性を有する固体電解質(14)と、固体電解質に形成された基準電極(15)、検知電極(18)及び酸素濃度検知電極(19)と、該固体電解質を加熱するヒータ素子(70)とを備えるセンサ素子(101)を用いたガス濃度測定装置(201)である。センサ素子の形状は特に制限されないが、図2のように、積層板型のセンサ素子を用いるのがよい。電極を複数形成するのに有利だからである。
【0075】
ガス濃度検出手段(18、15、140、80)は、固体電解質14のうち、センサ素子(101)の基準電極(15)と検知電極(18)とに挟まれた部分(140)に発生する各電極間の電位差に基づいて発生する起電力をセンサ出力測定装置(80)で測定して、これに基づいて被検ガスのガス濃度を検出する。得られたガス濃度に対応する信号(304)と酸素濃度測定装置(90)からの酸素濃度(Oc)に対応する信号(305)とをCPU(110)に送り、前述した補正手段を用いて補正演算処理することで、所望のガス濃度を示す信号(306)を得る。ここでは、CPU(110)にメモリされたマップや関数式を用いて一連の補正処理を行っているため、ガス濃度換算手段(110)と補正係数算出手段(110)と補正手段(110)とが同じCPU(110)として図示されている。
【0076】
センサ素子(101)にはヒータ素子(70)への通電量を制御する温度制御手段であるヒータ制御装置(100)がついており、固体電解質の内部抵抗が一定になるように調整している。センサ素子の動作温度を一定に保つためである。
具体的には、以下のように制御している。
【0077】
まず、基準電極(15)と固体電解質の内部抵抗を測定するための内部抵抗測定電極(20)の間に一定間隔で瞬間的に0.1mA〜5mAの電流を通じて、その時に発生する起電力を、固体電解質の内部抵抗測定装置(81)を用いて測定する。この測定値は温度に依存するので、次いで、その値が一定になるようにヒータ素子の温度を制御すればよい。すなわち、その測定値を温度制御手段であるヒータ制御装置(100)にフィードバック(307)し、その結果に基づいてヒータ素子(70)への通電量を制御すれば、センサ素子の動作温度が一定の温度を保つようになる。
【0078】
この内部抵抗測定電極(20)は、上記の温度制御以外にも、基準電極(15)に一定量の酸素を供給する機能も果たす。内部抵抗測定電極(20)が基準電極(15)に一定量の酸素を供給することで、一定圧の酸素が基準電極に溜まるようになり、その結果、自己生成した酸素基準が形成できるからである。
【0079】
酸素濃度検出手段(19、141、15、90)は、固体電解質(14)のうち、酸素検知電極(19)と基準電極(15)に挟まれた部分(141)に発生する各電極間の電位差に基づいて発生する起電力を酸素濃度測定装置(90)で測定して、被検ガスの酸素濃度(Oc)を検出するものである。固体電解質と電極との多層積層技術を用いて酸素濃度検出部をコンパクトに一体形成できるため、センサ素子の更なる小型化、簡略化が可能になる。
【0080】
これらのヒータ制御装置(100)、センサ出力測定装置(80)、内部抵抗測定装置(81)、酸素濃度測定装置(90)、CPU(110)は、別々の装置として構成されていてもよいが、これらをユニット化して一つのセンサコントローラ(120)を構成するようにするのがよい。ユニット化することにより、アッセンブリ作業が簡便にできるからである。
【0081】
以下に、これら具体的構成を例示したガス濃度測定装置に共通して好適に適用可能な構成について説明する。
【0082】
上記「固体電解質体」は、一対の電極(例えば、基準電極と検知電極)をその表面に備えることにより酸素濃淡電池を形成することができる。この固体電解質体の種類は特に限定されないが、酸素イオン導電性を有するジルコニア系焼結体(例:YSZ)や、LaGaO3系焼結体等を用いることができる。
【0083】
上記「基準電極」は、基準ガスと接する電極、酸素ポンプ作用により形成された一定圧力の酸素雰囲気下におかれる電極、被測定ガス中の可燃性ガス成分と接触した場合に検知電極よりも低い電位を示す電極、の少なくともいずれかである。上記「検知電極」は被測定ガスと接触する電極である。
【0084】
このように測定できる可燃性ガスの種類、その感度及び応答性等の諸特性を良好にするためには、上記「検知電極」を、第1電極層及び第2電極層の少なくとも2層から構成される複層構造とするのがよい。「第1電極層」は、その一面が固体電解質体に接する電極層である。「第2電極層」は、その一面が第1電極層に接し、他面が被測定ガスに接する電極である。図1を例にすれば、検知電極(6)を第1電極層(4)及び第2電極層(5)の2層構造にしたり、図2を例にすれば、検知電極(18)を第1電極層(17)及び第2電極層(16)の2層構造にすることをいう。
【0085】
上記「ヒータ素子」は固体電解質体を加熱し、所定の温度に加熱保持するための素子であり、このような特性を有すれば形状、材質等特に限定されない。固体電解質体が有底円筒型である場合は、丸棒状及び平板状等の棒状ヒータ素子を用いることができる。一方、積層板型の場合は、ヒータ素子を積層体の一部に一体に備えてもよく、固体電解質体の近傍に別体に備えてもよい。このヒータ素子は、通常、内部に発熱抵抗体と、この発熱抵抗体から延設されたリード部とを備える。発熱抵抗体は、リード部を伝って外部から印加された電圧により発熱する。
【0086】
本発明の装置により測定できる可燃性ガスとしては、例えば、炭化水素類(ヘテロ原子を有する有機化合物を含む)、水素、一酸化炭素、アンモニア等を挙げることができる。特に、炭素数2〜15の不飽和炭化水素、アンモニア等を選択的に測定することもできる。
【0087】
検知電極の表面には、更に拡散層を備えることが好ましい。図1を例にすれば拡散層(13)、図2を例にすれば拡散層(21)である。上記「拡散層」は、被測定ガス中に含まれる可燃性ガスを検知電極まで通過させることができる層であればよく、通常、スピネル、アルミナ及びジルコニア等の少なくとも1種を主成分として形成される。
【0088】
この拡散層は、被測定ガスが拡散層の表面に達するまでの流速及び流量に関わらず、この拡散層を通過することにより検知電極に到達する被測定ガスの流速及び流量をほぼ一定に保つことができる。即ち、被測定ガスの流速及び流量に対する依存性を低減することができる。この層は被毒に対する保護層及び強度を増すための補強層等の効果も同時に有することができる。また、この拡散層は組成の異なる2層以上から形成されていてもよい。
【0089】
【実施例】
以下に、筒型センサ素子及び積層板型センサ素子を用いた実施例によって本発明を詳しく説明する。これらのガス濃度測定装置の基本構成は、図1及び図2に示す構成とする。ここで、酸素濃度測定手段には、磁気圧式酸素分析計を用いる。
実施例1は、本発明のステップを詳細に説明するための実施例である。実施例2は、本発明と補正をしない比較例との対比実施例である。実施例3は、積層板型センサ素子を用いてここから酸素濃度に関するデータを得ることができることを示す実施例である。
【0090】
(実施例1)
(1)筒型センサ素子の作製
4.5モル%のYを含有するイットリア安定化ジルコニア(以下、単にYSZという。)の粉末をゴム型に充填し、加圧成形する。得られた成形体の外表面に検知電極リード線となるペーストを印刷、焼成して検知電極リード線が配設された有底円筒型の固体電解質体を得る。得られた固体電解質体の内表面に白金めっきを施し、基準電極を形成する。
【0091】
その後、該当箇所に有機金化合物を塗布して大気中880℃で10分間焼き付けて第1電極層を形成した後、更に、平均粒径1μmの金粉末と酸化インジウム粉末を9:1で含有するペーストを塗布し、大気中880℃で1時間焼き付けて第2電極層を形成する。
【0092】
次いで、検知電極の表面にスピネルを溶射して拡散層を形成する。その後、先端部が固体電解質体の内底部に接するようにヒータ素子を設置する。次いで、基準電極リード線、検知電極リード線及びヒータ素子リード線を温度制御装置に接続し、可燃性ガス濃度測定装置を得る。
【0093】
(2)測定条件及びセンサ出力の測定
測定条件は以下のようである。
・ガス組成:
▲1▼ベースガス:O2=1%、7%、15%、CO2=10%、H2O=10%、N2=バランス
▲2▼被検ガス:プロピレン(C36)=0ppmC、100ppmC、300ppmC、500ppmC(*「ppmC」は、プロピレンのC換算での濃度(ppm)を示す。)
・ガス温度:300℃
・ガス流量:15L/分
被検ガス中の酸素濃度をO2=1%、7%、15%と変化させて、各条件におけるセンサ出力(Sm)の測定結果を表1に示す。酸素濃度7%における各ガス濃度におけるセンサ出力(Sm)をプロットしたマップを図12に示す。なお、被検ガス濃度が0ppmCにおけるセンサ出力は誤差出力(Sz)に該当する。
【0094】
【表1】
Figure 0004671253
【0095】
(3)誤差出力(Sz)用マップの作製
まず、センサ出力から酸素濃度に起因する誤差を除去するための誤差出力補正用のマップを作製する。各酸素濃度における誤差出力(Sz)の測定結果(表1のC36濃度が0ppmCのときのデータ)をプロットしたマップを図8に示す。
【0096】
前述したように、酸素濃度と誤差出力(Sz)の関係式は、ネルンストの式に従う。上記測定結果から最小二乗法により求めた近似式のプロットを測定結果と併せてマップ図8に示す。近似式は、Sz=−15.09Ln(Oc)+40.109で表わされ、理論通りネルンストの式に従っていることがわかる。1に近いほど実測データと得られた近似式の相関性が高いことを示す相関係数であるR2の値を算出したところ、0.9962と極めて相関性が高い結果である。本例のように相関性が高い場合は、近似式を用いても良好な結果が得られる。
【0097】
マップから求めた誤差出力(Sz)をセンサ出力(Sm)から減ずれば、センサ感度出力(Ss)が求められる。酸素濃度7%における各ガス濃度におけるセンサ感度出力(Ss)をプロットしたマップを図9に示す。
【0098】
(4)換算ガス濃度(Cc)用マップの作製
次いで、センサ感度出力(Ss)を可燃性ガス成分の濃度に換算して換算ガス濃度(Cc)を得るための換算ガス濃度(Cc)用マップを作製する。
【0099】
任意の酸素濃度を選択して、被検ガスを、プロピレン(C36)=0ppmC、100ppmC、300ppmC、500ppmCと変化させて、それらに対応するセンサ感度出力(Ss)を求める。各ガス濃度におけるセンサ感度出力(Ss)は、表1に既に示した結果を用いて求める。この中から任意の酸素濃度におけるデータを選択する。ここでは酸素濃度7%におけるデータを選択するものとする。上記測定結果とともに、最小二乗法により求めた近似式のプロットをマップ図9に示す。
【0100】
前述したように、ガス濃度とセンサ感度出力(Ss)の関係式は、経験上3次式で近似できる。酸素濃度7%におけるデータから得られる近似式は、Cc=0.000216(Ss3−0.026459(Ss2+2.000439(Ss)で表わされる。1に近いほど実測データと得られた近似式の相関性が高いことを示す相関係数であるR2の値を算出したところ、1.0000と極めて相関性が高い結果である。本例のように相関性が高い場合は、近似式を用いて換算しても良好な結果が得られる。
【0101】
このマップを用いて誤差出力(Sz)をセンサ出力から減じて得られるセンサ感度出力(Ss)を可燃性ガス成分の濃度(換算ガス濃度(Cc))に換算することができる。本例のように相関性が極めて高い場合は、近似式を用いて換算しても良好な結果が得られる。換算した結果を表2に示す。
【0102】
【表2】
Figure 0004671253
【0103】
(5)補正係数(Ki)用マップの作製
得られた換算ガス濃度(Cc)と実際のガス成分の添加濃度とを一対一でプロットする。更に図10に示すように、各酸素濃度毎に切片を0とする直線近似を行い、その傾き(Δ)を求める。この傾きの逆数(1/Δ)を求め、これを補正係数(Ki)とする。この補正係数(Ki)と対応する酸素濃度(Oc)との関係を表3に示す。
【0104】
【表3】
Figure 0004671253
【0105】
前述したように、補正係数(Ki)と対応する酸素濃度(Oc)の関係式は、経験上2次式で近似できる。上記測定結果を最小二乗法により求めた近似式のプロットと併せて図11に示す。近似式は、Ki=−0.00294(Oc2+0.12724(Oc)+0.25600で表わされる。1に近いほど実測データと得られた近似式の相関性が高いことを示す相関係数であるR2の値を算出したところ、1.0000と極めて相関性が高い結果である。本例のように相関性が高い場合は、近似式を用いても良好な結果が得られる。
【0106】
(6)可燃性ガス濃度(Cm)の算出
得られた補正係数(Ki)を換算ガス濃度(Cc)に乗じて補正して、所望のガス濃度(Cm)を得る。補正後の結果を表4に示す。
【0107】
【表4】
Figure 0004671253
【0108】
(実施例2)
以下の測定条件にて酸素濃度補正を行った場合と行わない場合との比較実験を行う。用いたマップは、実施例1で作製したものを用いる。
測定条件は以下のようである。以下の条件に従って、実施例1と同様の方法で行う。
・ガス組成:
▲1▼ベースガス:O2=1%、4%、7%、10%、15%、CO2=10%、H2O=10%、N2=バランス
▲2▼被検ガス:プロピレン(C36)=0ppmC、100ppmC、300ppmC、500ppmC(*「ppmC」は、プロピレンのC換算での濃度(ppm)を示す。)
・ガス温度:300℃
・ガス流量:15L/分
【0109】
酸素濃度補正を行った場合の結果を表5〜表9に示す。表5は、センサ出力の測定値である。表6は、マップから求めた誤差出力(Sz)と補正係数(Ki)と各酸素濃度の関係である。表7は、表6の値を用いて得られたセンサ感度出力(Ss)である。表8は、表7のセンサ感度出力(Ss)をマップを用いて換算した換算ガス濃度(Cc)である。表9は、表8の換算ガス濃度(Cc)に表6の補正係数(Ki)を乗じて得られた目的とするガス濃度(Cm)である。
【0110】
一方、酸素濃度補正を行わないで、図12に示した酸素濃度7%におけるセンサ出力(Sm)とプロピレン濃度のマップを用いて、センサ出力(Sm)をガス濃度(Cm)に換算した比較例の結果を表10に示す。
【0111】
【表5】
Figure 0004671253
【0112】
【表6】
Figure 0004671253
【0113】
【表7】
Figure 0004671253
【0114】
【表8】
Figure 0004671253
【0115】
【表9】
Figure 0004671253
【0116】
【表10】
Figure 0004671253
【0117】
これらの結果より、本発明の一態様であるガス濃度測定装置を用いれば、被検ガス中の酸素濃度が変化しても、可燃性ガス成分の濃度が高精度に測定できることがわかる。
【0118】
(実施例3)
図2に示す積層板型センサ素子を用いた例である。
(1).積層板型センサ素子の作製
YSZからなるグリーンシートを2枚用意する。1枚に検知電極リード部、酸素基準電極をPtペーストをスクリーン印刷することより形成する。他の1枚の対向する面に基準電極と内部抵抗測定用電極をPtペーストをスクリーン印刷することより形成する。この2枚のグリーンシートを、基準電極が内側になるように積層圧着してクリーン体を形成する。なお、積層圧着する際、接着用溶剤を積層圧着面に予め塗布して積層圧着を容易にしておくが、別法として、積層圧着時に溶解するステアリルアルコール、ステアリン酸等の低融点樹脂を代わりに添加しても良好な積層圧着が可能となる。このグリーン体を焼成して一体化してセンサ素子焼結体を得る。
【0119】
次いで、検知電極を形成する箇所に有機金化合物からなるペーストを塗布して、大気雰囲気中880℃で10分間焼き付けて第1電極層を形成する。更に、平均粒径1μmの金粉末と酸化インジウム粉末を9:1の重量比で含有する導電ペーストを塗布して、大気雰囲気中880℃で1時間焼き付けて第2電極層を形成する。そして、センサ素子の表面にスピネルを溶射して拡散層を形成する。
【0120】
センサ素子のうち、加熱が必要な箇所にヒータ素子を設置する。そして、基準電極リード線、検知電極リード線及び内部抵抗測定用電極リード線を温度制御手段に接続し、積層板型の可燃性ガス濃度測定装置を得る。同様な方法により炭化水素ガス濃度測定装置を得る。
【0121】
(2)酸素濃度の検出試験
酸素濃度とプロピレン濃度とを変化させながら、基準電極と酸素濃度検知電極の間に発生する起電力の測定をする。結果を図13に示す。この結果より、得られる起電力は、プロピレン濃度の影響を受けることなく、酸素濃度にのみ影響されて変化することがわかる。この基準電極と酸素濃度検知電極とこれらの電極に挟まれた固体電解質とこれらの部分から発生する起電力の測定をする酸素濃度測定装置とを酸素濃度検出手段に用いて酸素濃度を検出して、得られた酸素濃度データを用いて補正を行うことができることがわかる。
【0122】
これらの装置により、有底円筒型の固体電解質体を備える可燃性ガス濃度測定装置と同様に酸素濃度依存性が小さく、被測定ガスの温度に対する依存性が小さい、鋭敏な感知能力及び正確な測定能力が得られる。
【0123】
【発明の効果】
本発明によれば、高濃度で存在する酸素、酸素の濃度変化、被測定ガス温度等による影響を受け難く、混合ガス中から所望の可燃性ガス又は炭化水素ガスを選択的に測定することができ、更には、安定して、鋭敏に且つ正確にこれらを測定できるガス濃度測定装置を提供することができる。被検ガスの酸素濃度に左右されることなく、真のガス濃度に対応する正確な出力信号を得ることが可能なガス濃度測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一態様である筒型センサ素子を用いたガス濃度測定装置の説明図。
【図2】本発明の一態様である積層板型センサ素子を用いたガス濃度測定装置の説明図。
【図3】本発明の一態様であるガス濃度測定装置のS1〜S5からなるステップの説明図。
【図4】本発明の一態様であるガス濃度測定装置のS11〜S17からなるステップの説明図。
【図5】本発明の一態様であるガス濃度測定装置のS11、S120、S13〜S17からなるステップの説明図。
【図6】本発明の一態様であるガス濃度測定装置のS11、S120、S13、S14、S150、S16及びS17からなるステップの説明図。
【図7】本発明の一態様であるガス濃度測定装置のS11、S120、S13、S14、S150、S160及びS17からなるステップの説明図。
【図8】各酸素濃度における誤差出力(Sz)の測定結果及び最小二乗法により求めた近似式をプロットしたマップ。
【図9】酸素濃度7%における各ガス濃度におけるセンサ感度出力(Ss)の測定結果及び最小二乗法により求めた近似式をプロットしたマップ。
【図10】換算ガス濃度(Cc)と実際のガス成分の添加濃度の測定結果及び最小二乗法により求めた近似式のプロットしたマップ。
【図11】補正係数(Ki)と対応する酸素濃度(Oc)の測定結果及び最小二乗法により求めた近似式のプロットしたマップ。
【図12】酸素濃度7%における各ガス濃度におけるセンサ出力(Sm)をプロットしたマップ
【図13】積層板型センサ素子の基準電極と酸素濃度検知電極の間に発生する起電力の測定結果を示すグラフ。
【図14】酸素濃度データをエンジン制御用の全領域酸素センサ(UEGOセンサ)から得る場合におけるエンジン制御方法の説明図。
【図15】酸素濃度データを運転条件(回転数、燃料消費量等)のデータから得る場合におけるエンジン制御方法の説明図。
【図16】ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化するシステムの例を示す説明図。
【図17】ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化するシステムの例を示す説明図。
【図18】ディーゼルエンジンの排気ガスを浄化するシステムの例を示す説明図。
【符号の説明】
S1、S11 酸素濃度検出手段から得た被検ガスの酸素濃度(Oc)を検出するステップ。
S2、S13 ガス濃度検出手段から得た被検ガス中のガス濃度に対応するセンサ出力(Sm)を検出するステップ。
S3 酸素濃度(Oc)とセンサ出力(Sm)とに基づいて、対応する換算ガス濃度(Cc)を求めるステップ。
S4 被検ガス中の酸素濃度(Oc)に対応する補正係数(Ki)を得るステップ。
S5 被検ガス中の酸素濃度(Oc)に対応する補正係数(Ki)を用いて、換算ガス濃度(Cc)を補正して、目的とする所定のガス濃度(Cm)を得るステップ。
S12 酸素濃度検出手段から取得された酸素濃度(Oc)の検出値に基づいて、被検ガスのガス成分が実質的に0の場合における誤差出力(Sz)を得るステップ。
S120 酸素濃度(Oc)とそれに対応する誤差出力(Sz)との関係を示す関数式又はマップを作製して予め記憶しておき、その関数式又はマップに基づいて、酸素濃度(Oc)の検出値に対応する誤差出力(Sz)を得るステップ。
S14 ガス濃度検出手段から取得されたセンサ出力(Sm)から誤差出力(Sz)を減じてセンサ感度出力(Ss)を得るステップ。
S15 センサ感度出力(Ss)に基づいて換算ガス濃度(Cc)を得るステップ。
S150 所定の酸素濃度(Oc)におけるガス濃度とそれに対応するセンサ感度出力(Ss)との関係を示す関数式又はマップを作製して予め記憶しておき、その関数式又はマップに基づいて、センサ感度出力(Ss)の検出値に対応する換算ガス濃度(Cc)を得るステップ
S16 酸素濃度(Oc)の検出値に基づいて、対応する補正係数(Ki)を得るステップ。
S160 所定の酸素濃度(Oc)に対応する補正係数(Ki)との関係を示す関数式又はマップを作製して予め記憶しておき、その関数式又はマップに基づいて対応する補正係数(Ki)を求めるステップ。
S161 所定の酸素濃度(Oc)に対応する換算ガス濃度(Cc)とそれに対応するガス濃度との関係をプロットし、各酸素濃度毎に切片を0とする直線近似処理を行って得られた傾き(Δ)の逆数を補正係数(Ki)として、酸素濃度(Oc)に対応する補正係数(Ki)との関係を示す関係式又はマップを作製して予め記憶しておき、その関数式又はマップに基づいて対応する補正係数(Ki)を求めるステップ
S17 換算ガス濃度(Cc)に、酸素濃度に対応する補正係数(Ki)を乗じて、所定のガス濃度(Cm)を得るステップ。
1 筒型センサ素子
101 積層板型センサ素子
2、14 固体電解質
3、15 基準電極
4、17 第1電極層
5、16 第2電極層
6、18 検知電極
7、70 ヒータ素子
8 センサ出力測定装置兼内部抵抗測定装置
80 センサ出力測定装置
81 内部抵抗測定装置
9 酸素濃度測定手段
90 酸素濃度測定装置
10、100 ヒータ制御装置
11、110 CPU
12、120 センサコントローラ
13、21 拡散層
19 酸素濃度検知電極
20 内部抵抗測定電極

Claims (8)

  1. 酸素イオン導電性を有する固体電解質と、該固体電解質に形成された基準電極及び検知電極と、該固体電解質を加熱するヒータ素子とを備えるセンサ素子を用いた可燃性ガス濃度測定装置であって、
    被検ガスの酸素濃度(Oc)を検出するステップを行う酸素濃度検出手段と、
    被検ガスに含まれる可燃性ガスのガス濃度を検出するステップを行うガス濃度検出手段と、
    該酸素濃度検出手段の検出値である酸素濃度(Oc)と該ガス濃度検出手段の検出値であるセンサ出力(Sm)とに基づいて、対応する換算ガス濃度(Cc)を得るステップを行うガス濃度換算手段と、
    該酸素濃度(Oc)に対応する補正係数(Ki)を得るステップを行う補正係数算出手段と、
    該補正係数(Ki)を用いて該換算ガス濃度(Cc)を補正して、所定のガス濃度(Cm)を得るステップを行う補正手段と、
    を備えることを特徴とする可燃性ガス濃度測定装置。
  2. 酸素イオン導電性を有する固体電解質と、該固体電解質に形成された基準電極及び検知電極と、該固体電解質を加熱するヒータ素子とを備えるセンサ素子を用いた可燃性ガス濃度測定装置であって、
    該基準電極と該検知電極の間に発生する起電力に基づいて被検ガスに含まれる可燃性ガスのガス濃度を検出するステップを行うガス濃度検出手段と、
    被検ガスの酸素濃度(Oc)を検出するステップを行う酸素濃度検出手段と、
    該ヒータ素子への通電量を制御する温度制御手段と、
    該酸素濃度検出手段の検出値である酸素濃度(Oc)と該ガス濃度検出手段の検出値であるセンサ出力(Sm)とに基づいて、対応する換算ガス濃度(Cc)を得るステップを行うガス濃度換算手段と、
    該酸素濃度(Oc)に対応する補正係数(Ki)を得るステップを行う補正係数算出手段と、
    該補正係数(Ki)を用いて該換算ガス濃度(Cc)を補正して、所定のガス濃度(Cm)を得るステップを行う補正手段と、
    を備えることを特徴とする可燃性ガス濃度測定装置。
  3. 酸素イオン導電性を有する固体電解質と、該固体電解質に形成された基準電極、検知電極及び酸素濃度検知電極と、該固体電解質を加熱するヒータ素子とを備えるセンサ素子を用いた可燃性ガス濃度測定装置であって、
    該基準電極と該酸素濃度検知電極の間に発生する起電力に基づいて被検ガスの酸素濃度(Oc)を検出するステップを行う酸素濃度検出手段と、
    該基準電極と該検知電極の間に発生する起電力に基づいて被検ガスに含まれる可燃性ガスのガス濃度を検出するステップを行うガス濃度検出手段と、
    該ヒータ素子への通電量を制御する温度制御手段と、
    該酸素濃度検出手段の検出値である酸素濃度(Oc)と該ガス濃度検出手段の検出値であるセンサ出力(Sm)とに基づいて、対応する換算ガス濃度(Cc)を得るステップを行うガス濃度換算手段と、
    該酸素濃度(Oc)に対応する補正係数(Ki)を得るステップを行う補正係数算出手段と、
    該補正係数(Ki)を用いて該換算ガス濃度(Cc)を補正して、所定のガス濃度(Cm)を得るステップを行う補正手段と、
    を備えることを特徴とする可燃性ガス濃度測定装置。
  4. 以下の(S12)、(S14)、(S15)、(S16)、(S17)のステップを行う手段を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の可燃性ガス濃度測定装置。
    酸素濃度検出手段から取得された前記酸素濃度(O)の検出値に基づいて、被検ガスに含まれる可燃性ガスのガス成分が実質的に0の場合における誤差出力(S)を得るステップ(S12)を行う誤差出力選択手段。
    ガス濃度検出手段から取得された前記センサ出力(S)から該誤差出力(S)を減じてセンサ感度出力(S)を得るステップ(S14)を行うセンサ感度出力算出手段。
    該センサ感度出力(S)に基づいて換算ガス濃度(C)を得るステップ(S15)を行うガス濃度換算手段。
    前記酸素濃度(O)の検出値に基づいて、対応する補正係数(K)を得るステップ(S16)を行う補正係数算出手段。
    該換算ガス濃度(C)に前記補正係数(K)を乗じて、所定のガス濃度(C)を得るステップ(S17)を行うガス濃度補正手段。
  5. 前記(S12)のステップを行う手段が、以下の(S120)のステップを行う手段であることを特徴とする請求項4に記載の可燃性ガス濃度測定装置。
    酸素濃度(Oc)とそれに対応する誤差出力(Sz)との関係を示す関数式又はマップを作製して予め記憶しておき、その関数式又はマップに基づいて、酸素濃度検出手段により取得された前記酸素濃度(Oc)の検出値に対応する前記誤差出力(Sz)を得るステップ(S120)を行う誤差出力選択手段。
  6. 前記ガス濃度換算手段が、以下の(S150)のステップを行う手段であることを特徴とする請求項4又は5に記載の可燃性ガス濃度測定装置。
    所定の酸素濃度(O)におけるガス濃度とそれに対応するセンサ感度出力(S)との関係を示す関数式又はマップを作製して予め記憶しておき、その関数式又はマップに基づいて、取得された前記センサ感度出力(S)の検出値に対応する前記換算ガス濃度(C)を得るステップ(S150)を行うガス濃度換算手段。
  7. 前記補正係数算出手段が、以下の(S160)のステップを行う手段であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の可燃性ガス濃度測定装置。
    所定の酸素濃度(Oc)に対応する前記補正係数(Ki)との関係を示す関数式又はマップを作製して予め記憶しておき、その関数式又はマップに基づいて対応する補正係数(Ki)を求めるステップ(S160)を行う補正係数算出手段。
  8. 前記補正係数算出手段が、以下の手段であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の可燃性ガス濃度測定装置。
    所定の酸素濃度(O)に対応する換算ガス濃度(C)とそれに対応するガス濃度との関係をプロットし、各酸素濃度毎に切片を0とする直線近似処理を行って得られた傾き(Δ)の逆数を補正係数(K)として、酸素濃度(O)に対応する補正係数(K)との関係を示す関係式又はマップを作製して予め記憶しておき、その関数式又はマップに基づいて対応する補正係数(K)を求めるステップを行う補正係数算出手段。
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