JPH10318926A - 珪素鋼中Siの発光分光分析方法 - Google Patents

珪素鋼中Siの発光分光分析方法

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JPH10318926A
JPH10318926A JP13007397A JP13007397A JPH10318926A JP H10318926 A JPH10318926 A JP H10318926A JP 13007397 A JP13007397 A JP 13007397A JP 13007397 A JP13007397 A JP 13007397A JP H10318926 A JPH10318926 A JP H10318926A
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JP
Japan
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silicon steel
intensity
sample
discharge
analysis
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JP13007397A
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English (en)
Inventor
Wataru Tanimoto
亘 谷本
Akira Yamamoto
山本  公
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、方式の異なる2方式で行っていた珪
素溶鋼の定量分析を、1方式にすることが可能な珪素鋼
中Siの発光分光分析方法を提供することを目的として
いる。 【解決手段】不活性ガス雰囲気中で珪素鋼試料と対電極
との間で多数回のスパーク放電を行い、各放電で得たス
ペクトル線から該珪素鋼試料中のSiの固有スペクトル
線を選択し、該固有スペクトル線の強度を、予め標準試
料で強度−濃度間の関係として作成されている検量線と
対比させ、それら元素を定量するに際して、前記珪素鋼
試料と対電極との間の距離δを3mm超え5mm未満と
し、発生プラズマ量が少なくなるような小さいエネルギ
ー出力で前記スパーク放電を行うと共に、選択する前記
Siの固有スペクトル線の波長を、212.4nmとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光分光分析方法
に関し、特に、珪素鋼中のSiを定量するのに好適な発
光分光分析方法である。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄鋼業においてスパーク放電発光
分光分析法は、普通鋼中のC、Si、Mnなどの微量元
素の定量分析に適用されるのが主であり、珪素鋼中のS
iのように鋼中に多量に含まれた元素の定量分析では、
精度が悪いという理由であまり利用されていなかった。
その代わり、高濃度域でも精度が高いとされている螢光
X線分析法が、一般に用いられていた。しかし、螢光X
線分析法では、試料を真空中に保持することが必須であ
るため、試料セット及び排気等に時間がかかり、1元素
の分析結果を得るのに数分を要し、迅速性に欠けるとい
う問題があった。
【0003】一方、鉄鋼業における転炉及び脱ガス炉等
を用いる精錬では、精錬下にある溶鋼から試料を採取
し、その試料の分析値に基づき溶鋼の成分調整を行なう
ことが多い。したがって、精錬を迅速に行うには、精錬
中に採取された試料を極めて短時間で分析することが必
要となる。そこで、現在、珪素鋼を溶製するに際して
は、まず、炭素等極めて迅速に成分濃度が必要となる元
素および微量元素を迅速分析可能な発光分光分析法で分
析し、その後に、同一試料を用いてSiを螢光X線分析
法で分析するようにしている。このため、採取した試料
を発光分光分析法で分析した後に螢光X線分析法で分析
するという、まったく方式の異なる2工程が必要であ
り、分析所要時間も長かった。つまり、試料の入れ換
え、搬送等の無駄な時間が含まれ、効率が低く労力のい
る分析が行われていたのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
に鑑み、方式の異なる2方式で行っていた珪素溶鋼の定
量分析を、1方式にすることが可能な珪素鋼中Siの発
光分光分析方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、珪素鋼中のSiを従来の発光分光分析方法
で分析する際に生じる分析精度の低下問題を見直した。
その結果、放電によって発生したプラズマ中のSi蒸気
量に原因があることに気がつき、本発明を着想した。
【0006】すなわち、本発明は、不活性ガス雰囲気中
で珪素鋼試料と対電極との間で多数回のスパーク放電を
行い、各放電で得たスペクトル線から該珪素鋼試料中の
Siの固有スペクトル線を選択し、該固有スペクトル線
の強度を、予め標準試料で強度−濃度間の関係として作
成されている検量線と対比させ、それら元素を定量する
に際して、前記珪素鋼試料と対電極との間の距離δを3
mm超え5mm未満とし、発生プラズマ量が少なくなる
ような小さいエネルギー出力で前記スパーク放電を行う
と共に、選択する前記Siの固有スペクトル線の波長
を、212.4nmとすることを特徴とする珪素鋼中S
iの発光分光分析方法である。
【0007】また、本発明は、各放電で得たSiの固有
スペクトル線の強度値を度数分布に整理し、全域を積分
あるいは部分積分して、前記検量線と対比させる固有ス
ペクトル線強度の代表値とすることを特徴とする珪素鋼
中Siの発光分光分析方法である。さらに、本発明は、
前記部分積分を、度数分布曲線が形成する領域の両端部
5%を切り捨てて行うことを特徴とする珪素鋼中Siの
発光分光分析方法である。
【0008】本発明によれば、小さいエネルギーで放電
させることで発生するプラズマ量が少なくなる。その結
果、従来は、プラズマ量が多いため、その内で生じてい
たSi元素からの発光の所謂自己吸収が防止され、適切
な発光が得られるようになる。つまり、分析感度が従来
より高くなる。また、選択する固有スペクトル線の波長
を最適なものにしたので、さらに分析値の信頼性が大き
くなる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、発明をなす
に至った経緯も含めて、本発明の実施の形態を説明す
る。濃度の高いSiの定量分析精度を向上させるため、
発明者が種々検討した結果、次のことが明らかになっ
た。
【0010】まず、放電を、従来通りの大きなエネルギ
ー出力(図3(a)参照)と、小さな場合(図3(b)
参照)とで行い、分析精度(標準偏差、σで評価)を比
較した。その結果を表1に示すが、後者の場合の方がσ
が小さく、平均繰り返し精度の高いことが判明した。こ
れは、前記したように、放電エネルギーが小さいので、
発生プラズマ中のSi蒸発量が低下し、この元素からの
発光が自己吸収しなくなり、適切な発光量が測光できる
ようになったからと考えられる。また、その際、前記珪
素鋼試料と対電極との間の距離(以下、電極間距離)δ
を、3mm超え5mm未満とした場合が最も精度が良い
ことも知見した。この電極間距離δが変化すると、放電
自体が変化するばかりでなく、分光器への測光(採光)
位置が変わるので、不適切な距離であると、得られる固
有スペクトル線の強度が低下して感度が悪くなる。本発
明では、前記電極間距離の範囲が最も適切であることを
確認し、重要な要件としたのである。
【0011】なお、エネルギー量は、発光時間と与えた
電流値との積で表わし、本発明では、特に、時間65μ
sec以下、及び電流280A以下を好ましいとした。
それらの値を超えると、前記蒸発量が増加するためか、
分析精度の向上程度が低下するからである。
【0012】
【表1】
【0013】次に、発明者は、発光から得たスペクトル
線から選択するSiの固有スペクトル線の波長を検討し
た。その波長は、表2に示すように多種あり、最も適切
なものを選ぶのが、分析精度を高める上で必要だからで
ある。ちなみに、普通鋼の発光分光分析では、251.
6nmの波長を有する固有スペクトル線が利用されてい
た。なお、表2は、日本分光学会発光の測定法シリーズ
2「固体試料分析のためのプラズマ発光法」による。
【0014】
【表2】
【0015】通常、分析精度は、分析対象元素の濃度と
固有スペクトル線の強度との関係(検量線という)にお
いて、線の傾きが大きくかつ、直線性のよいものが好ま
しい。調査した波長で最も好適であったのは、212.
4nmであった。この波長及び従来の251.6nmで
測定した結果を図2に示す。図2より、従来用いられて
いた251.6nmより212.4nmがよいことが判
明した。
【0016】そこで、発明者は、上記した適切な放電形
態と、電極間距離δ、及び固有スペクトル線の選択波長
を組み合わせ、珪素鋼中のSiの分析精度を向上させる
ことで、本発明とし、発光分光分析法による分析を可能
にしたのである。最後に、本発明に係る発光分光分析方
法を用い、種々の珪素鋼でSiを分析した場合の繰り返
し精度を求めた。その際、固有スペクトル線強度の度数
分布から3種類の値、つまり全領域の全積分値、部分積
分値、及び中央値を求め、それらの値をそれぞれ検量線
と対比させる代表強度値とした。結果を図1に一括して
示す。図1によれば、本発明に係る発光分光分析方法
で、しかもデータ整理を全積分値及び部分積分値で求め
た繰り返し精度は、良く一致している。そして、その繰
り返し精度は、別途同一試料で行った螢光X線分析方法
での値とほぼ同程度であった。しかし、中央値を前記し
た代表強度値とした場合には、繰り返し精度がバラツ
キ、好ましい結果にならなかった。
【0017】なお、前記部分積分では、度数分布曲線の
横軸方向で、両側5%の領域をカットして積分が行われ
た。それ以上カットすると、繰り返し精度がバラツクか
らである。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、珪素
鋼中Siが精度良く定量できるようになった。その結
果、従来2方式の分析工程を用いて行っていた珪素溶鋼
の定量分析が、1方式で済むようになり、従来より分析
所要時間の短縮、労力の低減が達成された。
【図面の簡単な説明】
【図1】種々の珪素鋼でSiを発光分光分析し、得られ
た繰り返し精度を、固有スペクトル線強度の処理方法で
差が生じる様子を示す図である。
【図2】Siの固有スペクトル線の波長により、珪素鋼
中のSi濃度とSi/Fe強度比との関係が変化する様
子を示す図である。
【図3】金属試料をスパーク放電させる時のエネルギー
状態を説明する図であり、(a)は大エネルギー出力、
(b)は小エネルギー出力下での放電の概念図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性ガス雰囲気中で珪素鋼試料と対電
    極との間で多数回のスパーク放電を行い、各放電で得た
    スペクトル線から該珪素鋼試料中のSiの固有スペクト
    ル線を選択し、該固有スペクトル線の強度を、予め標準
    試料で強度−濃度間の関係として作成されている検量線
    と対比させ、それら元素を定量するに際して、 前記珪素鋼試料と対電極との間の距離δを3mm超え5
    mm未満とし、発生プラズマ量が少なくなるような小さ
    いエネルギー出力で前記スパーク放電を行うと共に、選
    択する前記Siの固有スペクトル線の波長を、212.
    4nmとすることを特徴とする珪素鋼中Siの発光分光
    分析方法。
  2. 【請求項2】 各放電で得たSiの固有スペクトル線の
    強度値を度数分布に整理し、全域を積分あるいは部分積
    分して、前記検量線と対比させる固有スペクトル線強度
    の代表値とすることを特徴とする請求項1記載の珪素鋼
    中Siの発光分光分析方法。
  3. 【請求項3】 前記部分積分を、度数分布曲線が形成す
    る領域の両端部5%を切り捨てて行うことを特徴とする
    請求項2記載の珪素鋼中Siの発光分光分析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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