JPH10318446A - 高圧ホース - Google Patents

高圧ホース

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JPH10318446A
JPH10318446A JP13139697A JP13139697A JPH10318446A JP H10318446 A JPH10318446 A JP H10318446A JP 13139697 A JP13139697 A JP 13139697A JP 13139697 A JP13139697 A JP 13139697A JP H10318446 A JPH10318446 A JP H10318446A
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奈須雄 青柳
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長さ方向の引張荷重に対する抗力が高く、か
つ内圧負荷時の長さ方向の変形量を低減することを可能
にする高圧ホースを提供する。 【解決手段】 内面ゴム層1と外面ゴム層5との間にワ
イヤ編組からなる2層の補強層2,4を埋没した高圧ホ
ースにおいて、2層の補強層2,4のうち、内側の補強
層2の編組角度αを114°〜140°にすると共に、
外側の補強層4の編組角度βを80°〜96°にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内面ゴム層と外面
ゴム層との間にワイヤ編組からなる補強層を埋設した高
圧ホースに関し、更に詳しくは、吊り下げ等により引張
荷重を受けながら、或いはリールに巻き取られた状態で
使用される場合に好適な高圧ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】トンネル掘削用ホース等として高圧液体
を圧送する高圧ホースは、吊り下げ或いはリールへの巻
取り等により引張荷重を受けながら使用されるため、高
内圧に耐え得ることに加えて引張荷重に対抗するような
構造を有することが要求される。従来、このような高圧
ホースとして、内面ゴム層と外面ゴム層との間にワイヤ
編組からなる2層の補強層を埋設し、内側の補強層の編
組角度を理論静止角度である109.5°に近い角度に
すると共に、外側の補強層の編組角度を80〜100°
にした高圧ホース(実公平1−33904号公報)が提
案されている。この高圧ホースでは、内側の補強層が内
圧負荷を負担する一方で、外側の補強層が長さ方向の引
張荷重を負担するようになっている。
【0003】しかしながら、上述した高圧ホースは、内
外2層の補強層の平均編組角度が94.75°〜10
4.75°となり理論静止角度109.5°よりも小さ
いため、内圧負荷時に必ず長さ方向に収縮するという問
題があった。また、上記ホースは、引張荷重を受けなが
ら使用される場合、一般のホースよりは伸びが少ないも
のの、伸びている状態で内圧を負荷されると、その収縮
量が更に大きくなってしまう。
【0004】そして、ホースを繰り返しリールに巻き込
んだり、吊るしたりする使用条件において、加圧や減圧
を繰り返すたびに長さ方向の伸長や収縮を繰り返すた
め、吊るした状態ではホースが暴れ、リールに巻き込ま
れている状態ではリールを締め付けるためリールを破損
したり、或いは継手金具部に内圧による断面荷重に加え
てホース収縮による引張荷重が加わることよりホースが
継手金具から抜けやすいという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、長さ
方向の引張荷重に対する抗力が高く、かつ内圧負荷時の
長さ方向の変形量を低減することを可能にする高圧ホー
スを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の高圧ホースは、内面ゴム層と外面ゴム層との
間にワイヤ編組からなる2層の補強層を埋設した高圧ホ
ースにおいて、前記2層の補強層のうち、内側の補強層
の編組角度を114°〜140°にすると共に、外側の
補強層の編組角度を80°〜96°にしたことを特徴と
するものである。
【0007】このように外側の補強層の編組角度を80
°〜96°の範囲で静止角度109.5°より小さくす
ることにより、長さ方向の引張荷重に対する抗力を高く
することができ、しかも内側の補強層の編組角度を11
4°〜140°の範囲で静止角度109.5°より大き
くすることにより、無加圧で引張荷重を受けた時のホー
ス伸びを小さくすると共に、内圧保持を可能にしながら
内圧負荷時の長さ方向の変形量を低減することができ
る。即ち、内側の補強層の編組角度を理論静止角度であ
る109.5°に対して上記範囲で大きくすると、内圧
負荷時に外側の補強層が収縮しようとするのに対して、
内側の補強層が伸長しようとして互いに相殺し合うこと
によって、全体としての内圧負荷時の長さ方向の変形量
が極めて少なくなり、しかもホースの長さ方向の加圧変
化が伸長方向になる。
【0008】なお、本発明において、「編組角度」と
は、ホースの軸方向を挟んで互いに交差するワイヤコー
ドがなす角度をいう。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付
の図面を参照して詳細に説明する。図1及び図2は、本
発明の実施形態からなる高圧ホースを示すものである。
図において、内面ゴム層1と外面ゴム層5との間には、
複数本の金属ワイヤを互いに交差するように編組してな
る2層の補強層2,4が挿入されており、これら2層の
補強層2,4間に中間ゴム層3が介在している。内面ゴ
ム層1、補強層2、中間ゴム層3、補強層4及び外面ゴ
ム層5は積層されて一体的に管状の高圧ホースに成形さ
れている。内側の補強層2は、その編組角度αが114
°〜140°の範囲に設定されている。この補強層2は
主として内圧負荷を負担するものである。一方、外側の
補強層4は、その編組角度βが80°〜96°の範囲に
設定されている。この補強層4は主として引張荷重を負
担し、ホースの伸長を防止するものである。
【0010】上述のように構成される高圧ホースは、外
面ゴム層5側の補強層4の編組角度βが上記範囲で静止
角度より小さくなっているので、長さ方向の引張荷重に
対する抗力が高い。本発明において、内側の補強層2の
編組角度αは理論静止角度である109.5°より大き
く設定してあるので、内圧負荷時に外側の補強層4が収
縮しようとするのに対して、内側の補強層2が伸長しよ
うとしてホース長さ方向の変形を互いに相殺し合うこと
によって、全体としての内圧負荷時の長さ方向の変形量
が極めて少なくなり、しかもホースの長さ方向の加圧変
化が伸長方向になる。
【0011】特に、従来の高圧ホースでは、引張荷重を
受けて僅かに伸長した状態で内圧を負荷されると、加圧
による長さ方向の収縮量が著しく大きくなるという欠点
を有していたが、本発明の高圧ホースでは、たとえ引張
荷重を受けて僅かに伸長した状態で内圧を負荷されて
も、その収縮と伸長が互いに相殺されて長さ方向の変形
量が小さくなるように作用する。従って、本発明の高圧
ホースは、引張荷重を受けながら高い内圧を負荷される
ような使用環境であっても、ホースが暴れたり、或いは
継手金具が抜けることを防止することができる。
【0012】図3は、本発明の高圧ホースにおける内側
の補強層の編組角度αと外側の補強層の編組角度βと内
圧負荷時の長さ変化率との関係を示すものである。即
ち、図3は、編組角度αを112°〜140°の間で変
化させると共に、編組角度βを76°〜100°の間で
変化させ、これら編組角度α,βを種々組み合わせた高
圧ホースに対してそれぞれ10MPaの内圧を負荷し、
無加圧時のホース長さに対する加圧時のホース長さの変
化率(%)を示すものである。なお、図3において、プ
ラスは加圧時にホースが伸長したことを意味し、マイナ
スは加圧時にホースが収縮したことを意味する。
【0013】この図3から明らかなように、編組角度β
が80°〜96°の範囲において、編組角度αを114
°〜140°とした場合、内圧負荷時の長さ変化率が略
0%〜+0.6%と小さくなっているので、この種の高
圧ホースとして好ましい変形特性を有している。また、
編組角度αを118°〜130°とした場合、長さ変化
率が0%〜+0.4%となり、内圧負荷時の変形が伸長
方向に転じ、しかも長さ方向の変形量が極めて小さくな
る。
【0014】従って、内側の補強層2の編組角度αは1
14°〜140°、さらに好ましくは118°〜130
°にする。この編組角度αが114°未満であると、内
圧負荷時にホースが収縮するようになり、逆に140°
より大きくすればするほど内圧保持能力が低下するため
好ましくない。一方、外側の補強層4の編組角度βは8
0°〜96°にする。この編組角度βが96°を超える
と、引張荷重に対するホースの伸びが大きくなってしま
い、逆に80°未満であると、ホースの曲げ力が大きく
なって柔軟性が低下してしまう。
【0015】なお、本発明の高圧ホースは、内側の補強
層2の編組角度αが従来の高圧ホースの内側補強層の編
組角度109.5°と比べて114°〜140°と大き
くなっているので、リール等に巻き取る際に曲げやす
く、しかも引張荷重に対して座屈しにくいという利点も
ある。従って、本発明の高圧ホースは、土木機械、建設
機械、産業機械等で使用されるリール巻取り用、さらに
好ましくは吊り下げて使用される掘削用の高圧ホースと
して好適である。
【0016】
【実施例】図1に示す積層構造を有する高圧ホースにお
いて、内側の補強層の編組角度αと外側の補強層の編組
角度βを種々異ならせた従来ホース1,2及び本発明ホ
ース1〜5をそれぞれ製作した。各ホースについて、内
径を12.7mmとし、外径を22.0mmとした。ま
た、内側の補強層には直径0.3mmの鋼線ワイヤを1
40本使用し、外側の補強層には直径0.25mmの鋼
線ワイヤを140本使用した。
【0017】このようにして得た各高圧ホースに対して
それぞれ10MPaの内圧を負荷し、内圧負荷時のホー
ス長さを測定し、無加圧時のホース長さに対する加圧時
の長さ変化率(%)を求めた。また、各高圧ホースに対
してそれぞれ981Nの引張荷重をかけた時のホースの
伸び変化率(%)、ホースの破裂圧力(MPa)及びホ
ースを最小曲げ半径に曲げたときの曲げ力(N)を測定
し、その結果を表1に示した。
【0018】
【0019】この表1から明らかなように、本発明ホー
ス1〜5はいずれも内圧負荷時における長さ変化率が小
さくなっており、しかも本発明ホース5のように加圧時
の長さ変化率が+0.5%と伸長方向になっているの
で、この種の高圧ホースとして好ましい変形特性を有し
ていた。一方、従来ホースは加圧時の長さ変化率が−
1.8%と大きく、変形が収縮方向に起こっていた。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、内
面ゴム層と外面ゴム層との間にワイヤ編組からなる2層
の補強層を埋設した高圧ホースにおいて、前記2層の補
強層のうち、内側の補強層の編組角度を114°〜14
0°にすると共に、外側の補強層の編組角度を80°〜
96°にしたことにより、長さ方向の引張荷重に対する
抗力を高くし、かつ内圧負荷時の長さ方向の変形量を低
減することができる。従って、本発明によれば、掘削用
ホース等のように引張荷重を受けながら使用される場合
に好適な高圧ホースを構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる高圧ホースを例示す
る斜視断面図である。
【図2】図1の高圧ホースを一部切り欠いて示す側面図
である。
【図3】本発明の高圧ホースにおける内側の補強層の編
組角度αと外側の補強層の編組角度βと内圧負荷時の長
さ変化率との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 内面ゴム層 2 内側の補強層 3 中間ゴム層 4 外側の補強層 5 外面ゴム層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面ゴム層と外面ゴム層との間にワイヤ
    編組からなる2層の補強層を埋没した高圧ホースにおい
    て、前記2層の補強層のうち、内側の補強層の編組角度
    を114°〜140°にすると共に、外側の補強層の編
    組角度を80°〜96°にした高圧ホース。
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