JP2006105357A - 高圧ゴムホース及び車両用ブレーキホース - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐疲労性に優れた高圧ゴムホース及び車両用ブレーキホースを提供する。
【解決手段】 内層ゴム2と、その内層ゴム2の外周に設けられた補強繊維層3と、最外周部に位置する外層ゴム6とを少なくとも備えた高圧ゴムホースであって、上記補強繊維層3を、上記内層ゴム2と補強繊維層3以外の層を全て除去して内層ゴム2と補強繊維層3のみの状態として、その内層ゴム2及び補強繊維層3に所定の内圧を加えたときの上記内層ゴム2及び補強繊維層3の長手方向の変形率が、その自由長に対して−0.5%以上となるように、形成したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高圧ゴムホース及び車両用ブレーキホースに係り、特に、耐疲労性の向上を図った高圧ゴムホース及び車両用ブレーキホースに関するものである。
高圧流体を伝送するための高圧ゴムホースの一例として、車両用ブレーキホースが挙げられる。このブレーキホースは、シャーシとホイールキャリパ間で液圧を伝達して車両の制動を制御するものであり、重要保安部品に指定されている。
係るブレーキホースは、ハンドルの繰り返し操作による屈曲、転舵や車輪の揺動等により過酷な機械的ストレスを受けるため、優れた耐疲労性を有することが要求される。特に、近年ではサスペンションの複雑化等を背景にブレーキホースのレイアウトが厳しくなっているため、ブレーキホースが受ける負荷がますます高くなっており、より一層高い耐疲労性が求められている。
そこで、特許文献1にも開示されているように、ブレーキホースの構成材料(より詳しくはブレーキホースの補強繊維層の材料)をより耐疲労性に優れたものに代える提案がなされている。
特開2001−21068号公報
このように、ブレーキホースの構成材料を変更又は開発することで耐疲労性の向上が図れるのだが、今後、ブレーキホースに要求される耐疲労性が更に高まると予想されることから、材料面のみならず、構造面からも耐疲労性の向上を図ることが望まれている。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、耐疲労性に優れた高圧ゴムホース及び車両用ブレーキホースを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、内層ゴムと、その内層ゴムの外周に設けられた補強繊維層と、最外周部に位置する外層ゴムとを少なくとも備えた高圧ゴムホースであって、上記補強繊維層を、上記内層ゴムと補強繊維層以外の層を全て除去して内層ゴムと補強繊維層のみの状態として、その内層ゴム及び補強繊維層に所定の内圧を加えたときの上記内層ゴム及び補強繊維層の長手方向の変形率が、その自由長に対して−0.5%以上となるように、形成したものである。
ここで、上記補強繊維層を、上記内層ゴムと補強繊維層に所定の内圧を加えたときの上記内層ゴム及び補強繊維層の長手方向の変形率が、その自由長に対して+2.5%以下となるように形成しても良い。
また、上記補強繊維層の編組ピッチを、上記内層ゴムと補強繊維層のみに所定の内圧を加えたときの上記内層ゴム及び補強繊維層の長手方向の変形率が、その自由長に対して−0.5〜+2.5%の範囲内となるように設定しても良い。
また、上記所定の内圧を、上記高圧ゴムホースの実使用時の最大内圧とほぼ等しく設定しても良い。
また、上記補強繊維層が、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維、ポリビニルアルコール繊維及びレーヨン繊維のいずれかから選択される一つ又は複数の繊維層により構成されても良い。
また本発明は、内層ゴムと、内層ゴムの外周に設けられた第一補強繊維層と、第一補強繊維層上に形成された中間ゴムと、中間ゴムの外周に形成された第二補強繊維層と、第二補強繊維層上に形成された外層ゴムとを備えた高圧ゴムホースであって、上記第一補強繊維層を、上記内層ゴムと第一補強繊維層以外の層を全て除去して内層ゴムと第一補強繊維層のみの状態として、その内層ゴム及び第一補強繊維層に所定の内圧を加えたときの上記内層ゴム及び第一補強繊維層の長手方向の変形率が、その自由長に対して−0.5%以上となるように、形成したものである。
また本発明は、内層ゴムと、その内層ゴムの外周に設けられた補強繊維層と、最外周部に位置する外層ゴムとを少なくとも備えた車両用ブレーキホースであって、上記補強繊維層を、上記内層ゴムと補強繊維層以外の層を全て除去して内層ゴムと補強繊維層のみの状態として、その内層ゴム及び補強繊維層に9.8MPaの内圧を加えたときの上記内層ゴム及び補強繊維層の長手方向の変形率が、その自由長に対して−0.5〜+2.5%の範囲内となるように、形成したものである。
更に本発明は、内層ゴムと、内層ゴムの外周に設けられた第一補強繊維層と、第一補強繊維層上に形成された中間ゴムと、中間ゴムの外周に形成された第二補強繊維層と、第二補強繊維層上に形成された外層ゴムとを備えた車両用ブレーキホースであって、上記第一補強繊維層を、上記内層ゴムと第一補強繊維層以外の層を全て除去して内層ゴムと第一補強繊維層のみの状態として、その内層ゴム及び第一補強繊維層に所定の内圧を加えたときの上記内層ゴム及び第一補強繊維層の長手方向の変形率が、その自由長に対して−0.5%以上となるように、形成したものである。
本発明の高圧ゴムホース及び車両用ブレーキホースによれば、内圧が加わったときに、ホースが長手方向に大きく収縮することを防止できる。従って、ホースの耐疲労性を悪化させる一因である加圧時の引張力の発生を防止でき、耐疲労性の向上が図れる。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本実施形態の高圧ゴムホースの斜視図である。
図1に示す高圧ゴムホース1は、車両のブレーキシステムに採用される車両用ブレーキホースであり、内部に高圧流体(ブレーキ液)が充填される内層ゴム2と、内層ゴム2の外周に設けられた第一補強繊維層3(特許請求の範囲の請求項1、7における補強繊維層に相当)と、第一補強繊維層3上に形成された中間ゴム4と、中間ゴム4の外周に形成された第二補強繊維層5と、第二補強繊維層5上に形成され、最外周部に位置する外層ゴム6とを備えている。なお、図中7は、ブレーキホース1の端部に取り付けられた口金具を示している。
内層ゴム2、中間ゴム4及び外層ゴム6の材料は、各部位の要求特性に応じて様々なものが選択可能である。例えば、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、イソブチレンゴム(IIR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)等が選択可能であり、その架橋形態及び製造方法は現在知られているあらゆるものが適用可能である。また、これらゴム層2,4,6の材料には、必要に応じて、補強剤、充填剤、可塑剤、軟化剤、加工助剤、活性剤、スコーチ防止剤、老化防止剤等の配合剤を適宜加えても良い。
第一補強繊維層3及び第二補強繊維層5の材料も、各部位の要求特性に応じて様々なものが選択可能である。例えば、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリアリレート繊維、ポリビニルアルコール繊維、ナイロン繊維、アラミド繊維、アクリル繊維、ポリアクリロルニトリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリウレタン繊維、ポリオキシメチレン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリパラフェニレンペンズビスオキサゾール繊維、ポリイミド繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維等の合成繊維、レーヨンやポリノジック等の化学繊維、綿や麻等の天然繊維等が選択可能である。
また、各補強繊維層3,5は、単層で構成しても複数の層で構成しても良い。補強繊維層3,5を複数の層で構成する場合、補強繊維層3,5を構成する各層間で材質を異ならせたり、各層の間に摩滅防止用の中間層を介在させても良い。この中間層の材質、形態、形成方法についても特に制約はないが、例えば、補強繊維層3,5の形成時に層間に未加硫ゴムからなるテープ又はフィルムを巻いたり、溶材に溶かして糊状にしたゴムをコーティングしたり、あるいはディッピングした後に架橋により形成したりすることにより形成可能である。
さて、本実施形態のブレーキホース1は、その耐疲労性を高めるために工夫がなされており、以下、その点について説明する。
まず、本発明者らは、ブレーキホース1に負荷を与える要因を考察し、その結果、ハンドルの繰り返し操作による屈曲や、転舵や車輪の揺動等による機械的なストレスの他に、ブレーキホース1に内圧が加わったとき(つまり、ドライバがブレーキペダルを踏んでブレーキホース1内のブレーキ液圧が上昇したとき)にブレーキホース1が収縮することで、ブレーキホース1に長手方向の引張力が発生し、これが耐疲労性に悪影響を与えていることを見出した。つまり、ブレーキホース1に内圧が加わるたびにブレーキホース1に引張力が発生し、これが上述した機械的ストレスと相まって耐疲労性を悪化させてしまうのである。
そこで、本発明者らは、この内圧による引張力の発生に着目し、これを削除又は軽減することでブレーキホース1の耐疲労性を向上させることを立案した。
また、本発明者らは、内圧が加わったときのブレーキホース1の変形には、ブレーキホース1を構成する各層のうち、第一補強繊維層3の特性が大きく関与していることを見出した。
そこで、本実施形態のブレーキホース1は、第一補強繊維層1の構造及び特性を適切に設定することで、内圧が加わったときにブレーキホース1が長手方向に大きく収縮することを防止して、引張力の発生を削減又は軽減し、耐疲労性の向上を図っている。ここで、加圧時のブレーキホース1の変形に影響を与える因子は、第一補強繊維層3を構成する材料や、より数、編組角度など様々なものがあるが、本実施形態では、図2に示す編組角度θ(編組ピッチと編組径とにより決定される)を適切に設定することで、大きな収縮の発生を防止した。
具体的に説明すると、ブレーキホース1に内圧を加えると、第一補強繊維層3はその編組角度θが理論上の静止角度(例えば54.4°)に近づくように変形するため、編組角度θを静止角度よりも小さく設定すれば、内圧を加えたときのブレーキホース1の変形方向はマイナス側(収縮側)となり、その角度を小さくする程、収縮量は大きくなる。逆に、編組角度θを静止角度よりも大きく設定すれば、内圧を加えたときの変形方向はプラス側(伸長側)となり、その角度を大きくする程、伸長量は大きくなる。従って、編組角度θを調節することで、内圧を加えたときのブレーキホース1の変形方向及び変形量を調節できる。上述したように、編組角度θは編組ピッチと編組径とにより決定されるので、第一補強繊維層3を形成する際に編組ピッチを調節することで、編組角度θを調節できる。
本実施形態のブレーキホース1の第一補強繊維層3は、ブレーキホース1の耐疲労性を十分に確保するために、以下の条件を満たすように形成される。
即ち、ブレーキホース1を構成する各層のうち、内層ゴム2と第一補強繊維層3以外の層(つまり、中間ゴム4、第二補強繊維層5及び外層ゴム6)を全て除去して、内層ゴム2と第一補強繊維層3のみの状態として、その内層ゴム2及び第一補強繊維層3に所定の内圧を加えたときの内層ゴム2及び第一補強繊維層3の長手方向の変形率(変形量/自由長×100%)が−0.5〜+2.5%の範囲内となるように、第一補強繊維層3の編組角度θ(又は編組ピッチ)を設定する。ここで、自由長とは、内圧を加えていない状態での内層ゴム2及び第一補強繊維層3の全長のことである。また、−(マイナス)の変形率とは収縮を意味し、+(プラス)の変形率とは伸長を意味する。なお、上記条件を満たす編組角度θ及び編組ピッチは、第一補強繊維層3の材料や、形成方法、製造設備などにより異なるため、種々の条件を考慮して適宜設定される。
本実施形態では、内層ゴム2及び第一補強繊維層3に加える所定の内圧は、ブレーキホース1の実使用時の最大内圧(最大ブレーキ液圧)とほぼ等しく設定される。この最大内圧は、車種等により異なるものであるが、ここでは9.8MPaである。
第一補強繊維層3が上記条件を満たすように形成された本実施形態のブレーキホース1は、実際に車両に取り付けた後、最大の内圧が加わったときの長手方向の変形率が、少なくとも−0.5%よりも+側(伸長側)となる。ここで、−0.5%の変形率とは、内圧が加わったときにブレーキホース1に発生する引張力がほぼゼロに等しいと見なせる値である。従って、本実施形態のブレーキホース1は、加圧時に発生する引張力がほぼゼロであるため、耐疲労性に悪影響を与える一要因を削除又は軽減でき、ブレーキホース1の耐疲労性が向上する。
なお、内層ゴム2及び第一補強繊維層3の変形率に+側(伸長側)の限界(+2.5%)を設定した理由は、ブレーキホース1の伸長量があまりに大きくなると、ブレーキホース1のレイアウトが変動して、他の部品と干渉する等のおそれが生じるからである。また、ブレーキホース1の伸長量があまりに大きくなると、ブレーキシステムの鋭敏な動作を確保できなくなるという理由もある。
本発明者らは本実施形態のブレーキホース1の耐疲労性向上効果を確認するために、第一補強繊維層3の編組角度θ(編組ピッチ)を調節して、所定内圧(ここでは9.8MPa)を加えたときの内層ゴム2及び第一補強繊維層3の変形率が互いに異なるサンプルを作成し、耐疲労性試験を行った。この実験結果を図3に示す。
サンプル1〜3は、9.8MPaの内圧を加えたときの内層ゴム2及び第一補強繊維層3の自由長に対する変形率がそれぞれ、−0.1%、+1.4%、−1.2%となるように第一補強繊維層3の編組角度θ(編組ピッチ)を調節したものである。つまり、サンプル1,2は、第一補強繊維層3が上述した条件を満たすように形成されたものであるので、以下、サンプル1を実施例1、サンプル2を実施例2と言う。一方、サンプル3は、第一補強繊維層3が上記条件を満たさないように形成されたものであるので、以下サンプル3を比較例1と言う。
まず、内層ゴム2及び第一補強繊維層3の変形率を測定する装置を、図4を用いて説明する。
図中10は架台であり、その上に、内層ゴム2及び第一補強繊維層3のみの状態のブレーキホース1’を支持するための治具11a,11bが設けられる。図中左側の治具11aは架台10上に固定されており、その治具11aにはブレーキホース1’に内圧を付与するための加圧ポンプ12が接続されている。一方、図中右側の治具11bは架台10に対して相対移動可能に設けられており、その治具11bには圧力変換器13と、その圧力変換器13に当接させて設けられ、圧力変換器13を介してブレーキホース1’の長手方向の変形量を検出するための変位変換器(変形量検出器)14とが接続される。圧力変換器13及び変位変換器14はアンプ15を介して記録計16に接続される。
ブレーキホース1’はその両端部に口金具7が装着された後、治具11a,11b間にセットされ、加圧ポンプ12によりその一端から内圧が付与される。この内圧により、ブレーキホース1’の長さが変化すると、その変化に追従して治具11b及び圧力変換器13が移動し、その変位量が変位変換器14により検出される。この検出値に基づいてブレーキホース1’の自由長L(内圧を加える前の長さ)に対する変形量の割合、即ち、変形率が算出される。
図4の装置により各サンプルの内層ゴム2及び第一補強繊維層3の変形率を測定・算出した後、それら内装ゴム2及び第一補強繊維層3の上に、中間ゴム4、第二補強繊維層5及び外層ゴム6を順次形成して、実施例1、実施例2及び比較例1を形成する。
実施例1、実施例2及び比較例1を構成する各層の材料は全て同一であり、以下に示す通りである。
内層ゴム2:EPDM
第一補強繊維層3:ポリエチレンテレフタレート繊維 1650dtx×2本合糸×24打
中間ゴム4:EPDM
第二補強繊維層5:ポリエチレンテレフタレート繊維 1650dtx×3本合糸×24打
外層ゴム6:EPDM
また、各サンプルの製造方法も同一である。これを説明すると、まず、マンドレル上に内層ゴム2を押出し、これに編組による第一補強繊維層3、押出しによる中間ゴム4、編組による第二補強繊維層5、押出しによる外層ゴム6を順次成形した後、加硫を施してブレーキホースを完成させた。
耐疲労性試験については、各サンプルに対して、100℃の雰囲気で0←→9.8MPaのインパルス圧を加えながら繰り返し屈曲させ、サンプルが破裂したときの屈曲回数を測定した。
図3から分かるように、内層ゴム2及び第一補強繊維層3の変形率が−1.2%である(収縮量が最も大きい)比較例1が、最も少ない屈曲回数(150万回)で破裂しており、耐疲労性が最も悪い。内層ゴム2及び第一補強繊維層3の変形率が−0.1%である(収縮量が極僅かである)実施例1は、比較例1よりも更に110万回の屈曲に耐えており、耐疲労性が比較例1に対して著しく優れていることが分かる。また、内層ゴム2及び第一補強繊維層3の変形率が+1.4%である(加圧時に伸長する)実施例2は、実施例1よりも更に50万回の屈曲に耐えており、耐疲労性が更に優れていることが分かる。
この実験結果から、ブレーキホース1を構成する材料が同じであっても、第一補強繊維層3の構成(構造)により耐疲労性に差が生じ、その耐疲労性は、内圧を加えたときのブレーキホース1の収縮量が小さいほど向上することが分かる。従って、上記条件(所定内圧を加えたときの変形率が−0.5%以上)を満たす第一補強繊維層3を備えた本実施形態のブレーキホース1が、優れた耐疲労性を有することが確認された。
本発明は上記実施形態に限定はされない。
例えば、上記実施形態では、本発明を車両用ブレーキホースに適用した例を示したが、本発明はこの点において限定されず、あらゆる高圧ゴムホースに適用可能である。
また、高圧ゴムホースの構成は図1に示したものに限定されず、少なくとも、内層ゴム2と、その内層ゴム2の外周に設けられた補強繊維層3と、最外周部に位置する外層ゴム6とを備えたものであれば、あらゆる構成の高圧ゴムホースに適用できる。例えば、補強繊維層を三つ以上備えたもの等にも適用可能である。
また、内層ゴム2及び第一補強繊維層3の変形率を測定する際に加える内圧は9.8MPaに限定されず、他の値としても良い。しかしながら、この内圧は、高圧ゴムホースの実使用時の最大内圧に設定することが好ましい。
また、上記実施形態では、編組角度θ(編組ピッチ)を調節することで、内層ゴム2及び第一補強繊維層3の変形率を調節するとしたが、編組角度θに加えて、編組形態や材料などにより変形率を調節するようにしても良い。
更に、本発明の技術的思想は、第一補強繊維層3を製造する際の装置の初期設定に応用することもできる。つまり、編組機により最初に第一補強繊維層3を製造した際に、図4に示した装置等を用いて、内層ゴム2及び第一補強繊維層3の変形率を検出し、その変形率が上述した条件(−0.5〜+2.5%の範囲内)を満たすように、編組機の各条件を調節すれば良い。
あるいは、本発明の技術的思想を用いれば、製造した高圧ゴムホースの合否判定にも応用できる。つまり、同一の条件で製造した多数の高圧ゴムホースのうち一本を取り出し、その高圧ゴムホースにおける内層ゴムと補強繊維層以外の層を全て除去して、内層ゴムと補強繊維層のみの状態として、その内層ゴム及び補強繊維層に所定の内圧を加えてそのときの変形率を検出すれば、その変形率に基づいて高圧ゴムホースの耐疲労性を推定・判断できるので、これにより、同一の条件で製造した高圧ゴムホースが、要求される耐疲労性を備えているか否かを判断できる。
本発明の一実施形態に係る車両用ブレーキホースの斜視図である。 第一補強繊維層の部分側面図である。 耐疲労性試験の試験結果を示す図である。 内層ゴム及び第一補強繊維層の変形率を測定するための装置の図である。
符号の説明
1 ブレーキホース
2 内層ゴム
3 第一補強繊維層(補強繊維層)
4 中間ゴム
5 第二補強繊維層
6 外層ゴム

Claims (8)

  1. 内層ゴムと、その内層ゴムの外周に設けられた補強繊維層と、最外周部に位置する外層ゴムとを少なくとも備えた高圧ゴムホースであって、
    上記補強繊維層を、
    上記内層ゴムと補強繊維層以外の層を全て除去して内層ゴムと補強繊維層のみの状態として、その内層ゴム及び補強繊維層に所定の内圧を加えたときの上記内層ゴム及び補強繊維層の長手方向の変形率が、その自由長に対して−0.5%以上となるように、
    形成したことを特徴とする高圧ゴムホース。
  2. 上記補強繊維層を、上記内層ゴムと補強繊維層のみに所定の内圧を加えたときの上記内層ゴム及び補強繊維層の長手方向の変形率が、その自由長に対して+2.5%以下となるように形成した請求項1記載の高圧ゴムホース。
  3. 上記補強繊維層の編組ピッチを、上記内層ゴムと補強繊維層のみに所定の内圧を加えたときの上記内層ゴム及び補強繊維層の長手方向の変形率が、その自由長に対して−0.5〜+2.5%の範囲内となるように設定した請求項1又は2記載の高圧ゴムホース。
  4. 上記所定の内圧を、上記高圧ゴムホースの実使用時の最大内圧とほぼ等しく設定した請求項1〜3いずれかに記載の高圧ゴムホース。
  5. 上記補強繊維層が、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリエチレン−2,6−ナフタレート繊維、ポリビニルアルコール繊維及びレーヨン繊維のいずれかから選択される一つ又は複数の繊維層により構成される請求項1〜4いずれかに記載の高圧ゴムホース。
  6. 内層ゴムと、内層ゴムの外周に設けられた第一補強繊維層と、第一補強繊維層上に形成された中間ゴムと、中間ゴムの外周に形成された第二補強繊維層と、第二補強繊維層上に形成された外層ゴムとを備えた高圧ゴムホースであって、
    上記第一補強繊維層を、
    上記内層ゴムと第一補強繊維層以外の層を全て除去して内層ゴムと第一補強繊維層のみの状態として、その内層ゴム及び第一補強繊維層に所定の内圧を加えたときの上記内層ゴム及び第一補強繊維層の長手方向の変形率が、その自由長に対して−0.5%以上となるように、
    形成したことを特徴とする高圧ゴムホース。
  7. 内層ゴムと、その内層ゴムの外周に設けられた補強繊維層と、最外周部に位置する外層ゴムとを少なくとも備えた車両用ブレーキホースであって、
    上記補強繊維層を、
    上記内層ゴムと補強繊維層以外の層を全て除去して内層ゴムと補強繊維層のみの状態として、その内層ゴム及び補強繊維層に9.8MPaの内圧を加えたときの上記内層ゴム及び補強繊維層の長手方向の変形率が、その自由長に対して−0.5〜+2.5%の範囲内となるように、
    形成したことを特徴とする車両用ブレーキホース。
  8. 内層ゴムと、内層ゴムの外周に設けられた第一補強繊維層と、第一補強繊維層上に形成された中間ゴムと、中間ゴムの外周に形成された第二補強繊維層と、第二補強繊維層上に形成された外層ゴムとを備えた車両用ブレーキホースであって、
    上記第一補強繊維層を、
    上記内層ゴムと第一補強繊維層以外の層を全て除去して内層ゴムと第一補強繊維層のみの状態として、その内層ゴム及び第一補強繊維層に所定の内圧を加えたときの上記内層ゴム及び第一補強繊維層の長手方向の変形率が、その自由長に対して−0.5%以上となるように、
    形成したことを特徴とする車両用ブレーキホース。
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