JPH10312907A - サーミスタ素子とその製造方法 - Google Patents
サーミスタ素子とその製造方法Info
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- JPH10312907A JPH10312907A JP11926697A JP11926697A JPH10312907A JP H10312907 A JPH10312907 A JP H10312907A JP 11926697 A JP11926697 A JP 11926697A JP 11926697 A JP11926697 A JP 11926697A JP H10312907 A JPH10312907 A JP H10312907A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 高温下で安定した抵抗温度特性を有すると共
に耐熱性、耐熱衝撃性に優れたサーミスタ素子を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 2枚の絶縁構造材料セラミック板2,4
と、この絶縁構造材料セラミック板2,4間に設けたサ
ーミスタ層1と、このサーミスタ層1に連結した電極3
とを有し、サーミスタ層1は、絶縁構造材料セラミック
板2,4と同一の結晶構造を有するサーミスタ材料を用
いて形成されている。
に耐熱性、耐熱衝撃性に優れたサーミスタ素子を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 2枚の絶縁構造材料セラミック板2,4
と、この絶縁構造材料セラミック板2,4間に設けたサ
ーミスタ層1と、このサーミスタ層1に連結した電極3
とを有し、サーミスタ層1は、絶縁構造材料セラミック
板2,4と同一の結晶構造を有するサーミスタ材料を用
いて形成されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性等に優れた
サーミスタ素子とその製造方法に関するものである。
サーミスタ素子とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーミスタ素子は、高温用温度センサに
用いるなど様々な分野で広く利用されている。例えば、
ガス燃焼制御用温度センサ、自動車用排気温センサ等に
用いられている。
用いるなど様々な分野で広く利用されている。例えば、
ガス燃焼制御用温度センサ、自動車用排気温センサ等に
用いられている。
【0003】このようなサーミスタ素子は、アルミナ基
板間にサーミスタ層とこのサーミスタ層に接続した電極
とを備えたものが知られている(特開平7−29706
号公報参照)。
板間にサーミスタ層とこのサーミスタ層に接続した電極
とを備えたものが知られている(特開平7−29706
号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成によるとアルミナ基板とサーミスタ層との熱膨張係数
の違いにより、高温下で使用された場合、サーミスタ層
にクラックが入ったり、剥離したりして熱衝撃に耐えら
れないという問題点を有していた。
成によるとアルミナ基板とサーミスタ層との熱膨張係数
の違いにより、高温下で使用された場合、サーミスタ層
にクラックが入ったり、剥離したりして熱衝撃に耐えら
れないという問題点を有していた。
【0005】そこで本発明は、高温下で安定した抵抗温
度特性を有すると共に耐熱性、耐熱衝撃性に優れたサー
ミスタ素子を提供することを目的とするものである。
度特性を有すると共に耐熱性、耐熱衝撃性に優れたサー
ミスタ素子を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のサーミスタ素子は、絶縁構造材料で形成され
た少なくとも2枚の絶縁構造材料セラミック板と、この
絶縁構造材料セラミック板間に設けたサーミスタ層と、
このサーミスタ層に連結した電極とを有し、前記サーミ
スタ層は、前記絶縁構造材料セラミック板と同一の結晶
構造を有するサーミスタ材料を用いて形成されているこ
とを特徴とするものであり、サーミスタ層と絶縁構造材
料セラミック板との熱膨張係数の差を実使用上問題のな
いレベルまで低減できるので上記目的を達成することが
できる。
に本発明のサーミスタ素子は、絶縁構造材料で形成され
た少なくとも2枚の絶縁構造材料セラミック板と、この
絶縁構造材料セラミック板間に設けたサーミスタ層と、
このサーミスタ層に連結した電極とを有し、前記サーミ
スタ層は、前記絶縁構造材料セラミック板と同一の結晶
構造を有するサーミスタ材料を用いて形成されているこ
とを特徴とするものであり、サーミスタ層と絶縁構造材
料セラミック板との熱膨張係数の差を実使用上問題のな
いレベルまで低減できるので上記目的を達成することが
できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、絶縁構造材料で形成された少なくとも2枚の絶縁構
造材料セラミック板と、この絶縁構造材料セラミック板
間に設けたサーミスタ層と、このサーミスタ層に連結し
た電極とを有し、前記サーミスタ層は、前記絶縁構造材
料セラミック板と同一の結晶構造を有するサーミスタ材
料を用いて形成されていることを特徴とするサーミスタ
素子であり、高温下で安定した抵抗温度特性を有すると
共に耐熱性、耐熱衝撃性に優れたものである。
は、絶縁構造材料で形成された少なくとも2枚の絶縁構
造材料セラミック板と、この絶縁構造材料セラミック板
間に設けたサーミスタ層と、このサーミスタ層に連結し
た電極とを有し、前記サーミスタ層は、前記絶縁構造材
料セラミック板と同一の結晶構造を有するサーミスタ材
料を用いて形成されていることを特徴とするサーミスタ
素子であり、高温下で安定した抵抗温度特性を有すると
共に耐熱性、耐熱衝撃性に優れたものである。
【0008】請求項2に記載の発明は、サーミスタ層を
Mg(Al,Cr,Fe)2O4系、Mg(Al,Cr)
2O4系、Mg(Al,Cr,Mn)2O4系、(Zn,M
g)(Al,Cr,Fe)2O4系の内から選ばれる一種
類以上を用いて形成し、絶縁構造材料セラミック板の主
成分をMgAl2O4とすることを特徴とする請求項1に
記載のサーミスタ素子であり、サーミスタ層を高温安定
性の高いスピネル型結晶構造を有する高温サーミスタ材
料を用いて形成するとともに、絶縁構造材料セラミック
板をサーミスタ層と同一の結晶構造を有するMgAl2
O4を主成分とする絶縁構造材料セラミックを用いて形
成することにより高温安定性の高いものとなる。
Mg(Al,Cr,Fe)2O4系、Mg(Al,Cr)
2O4系、Mg(Al,Cr,Mn)2O4系、(Zn,M
g)(Al,Cr,Fe)2O4系の内から選ばれる一種
類以上を用いて形成し、絶縁構造材料セラミック板の主
成分をMgAl2O4とすることを特徴とする請求項1に
記載のサーミスタ素子であり、サーミスタ層を高温安定
性の高いスピネル型結晶構造を有する高温サーミスタ材
料を用いて形成するとともに、絶縁構造材料セラミック
板をサーミスタ層と同一の結晶構造を有するMgAl2
O4を主成分とする絶縁構造材料セラミックを用いて形
成することにより高温安定性の高いものとなる。
【0009】請求項3に記載の発明は、絶縁構造材料セ
ラミック板は、サーミスタ層のサーミスタ材料と同一の
材料系を用いたことを特徴とする請求項1に記載のサー
ミスタ素子であり、絶縁構造材料セラミック板とサーミ
スタ層とを同一の材料系を用いて構成することにより、
さらに熱膨張係数の差を小さくでき、より信頼性の高い
ものとなる。
ラミック板は、サーミスタ層のサーミスタ材料と同一の
材料系を用いたことを特徴とする請求項1に記載のサー
ミスタ素子であり、絶縁構造材料セラミック板とサーミ
スタ層とを同一の材料系を用いて構成することにより、
さらに熱膨張係数の差を小さくでき、より信頼性の高い
ものとなる。
【0010】請求項4に記載の発明は、サーミスタ層の
主成分を(Al,Cr,Fe)2O3系、絶縁構造材料セ
ラミック板の主成分をAl2O3とすることを特徴とする
請求項1に記載のサーミスタ素子であり、サーミスタ層
を高温安定性の高いコランダム型結晶構造を有する高温
サーミスタ材料で、絶縁構造材料セラミック板をサーミ
スタ層と同一の結晶構造を有するAl2O3を主成分とす
る絶縁構造材料セラミックを用いて形成することにより
高温安定性の高いものとなる。
主成分を(Al,Cr,Fe)2O3系、絶縁構造材料セ
ラミック板の主成分をAl2O3とすることを特徴とする
請求項1に記載のサーミスタ素子であり、サーミスタ層
を高温安定性の高いコランダム型結晶構造を有する高温
サーミスタ材料で、絶縁構造材料セラミック板をサーミ
スタ層と同一の結晶構造を有するAl2O3を主成分とす
る絶縁構造材料セラミックを用いて形成することにより
高温安定性の高いものとなる。
【0011】請求項5に記載の発明は、絶縁構造材料を
用いて形成したセラミックグリーンシートの表面にサー
ミスタ材料を用いてサーミスタ層を形成するとともに、
このサーミスタ層に接続するように少なくとも一対の電
極を形成する第1の工程と、次に前記セラミックグリー
ンシートのサーミスタ層を形成した上に絶縁構造材料を
用いて形成したセラミックグリーンシートを積層して積
層体を得る第2の工程と、次いで前記積層体を圧着した
後に焼成する第3の工程とを備え、前記セラミックグリ
ーンシートと前記サーミスタ層とは同一の結晶構造を有
する材料を用いて形成することを特徴とするサーミスタ
素子の製造方法であり、信頼性の高いサーミスタ素子を
容易にかつ量産性高く製作できるものである。
用いて形成したセラミックグリーンシートの表面にサー
ミスタ材料を用いてサーミスタ層を形成するとともに、
このサーミスタ層に接続するように少なくとも一対の電
極を形成する第1の工程と、次に前記セラミックグリー
ンシートのサーミスタ層を形成した上に絶縁構造材料を
用いて形成したセラミックグリーンシートを積層して積
層体を得る第2の工程と、次いで前記積層体を圧着した
後に焼成する第3の工程とを備え、前記セラミックグリ
ーンシートと前記サーミスタ層とは同一の結晶構造を有
する材料を用いて形成することを特徴とするサーミスタ
素子の製造方法であり、信頼性の高いサーミスタ素子を
容易にかつ量産性高く製作できるものである。
【0012】請求項6に記載の発明は、第1の工程にお
いて、サーミスタ層は、サーミスタ材料を用いて形成し
たセラミックグリーンシートを用いて形成するか、ある
いは絶縁構造材料を用いて形成したセラミックグリーン
シートの表面にサーミスタ材料からなるセラミックペー
ストを印刷して形成することを特徴とする請求項5に記
載のサーミスタ素子の製造方法であり、信頼性の高い本
発明のサーミスタ素子を容易に量産性高く製作できるも
のである。
いて、サーミスタ層は、サーミスタ材料を用いて形成し
たセラミックグリーンシートを用いて形成するか、ある
いは絶縁構造材料を用いて形成したセラミックグリーン
シートの表面にサーミスタ材料からなるセラミックペー
ストを印刷して形成することを特徴とする請求項5に記
載のサーミスタ素子の製造方法であり、信頼性の高い本
発明のサーミスタ素子を容易に量産性高く製作できるも
のである。
【0013】請求項7に記載の発明は、第1の工程及び
第2の工程において、絶縁構造材料とサーミスタ材料の
平均粒子径をほぼ同一とすることを特徴とする請求項5
に記載のサーミスタ素子の製造方法であり、焼成時に収
縮率の違いによる、クラック等の不良の発生を防ぐこと
ができるものである。
第2の工程において、絶縁構造材料とサーミスタ材料の
平均粒子径をほぼ同一とすることを特徴とする請求項5
に記載のサーミスタ素子の製造方法であり、焼成時に収
縮率の違いによる、クラック等の不良の発生を防ぐこと
ができるものである。
【0014】請求項8に記載の発明は、第1の工程の前
に、絶縁構造材料とサーミスタ材料とをそれぞれ仮焼す
るとともに、前記絶縁構造材料の仮焼温度は前記サーミ
スタ材料の仮焼温度よりも高いことを特徴とする請求項
5に記載のサーミスタ素子の製造方法であり、絶縁構造
材料セラミック板とサーミスタ層の熱膨張係数の差の更
に小さいサーミスタ素子を得ることができる。
に、絶縁構造材料とサーミスタ材料とをそれぞれ仮焼す
るとともに、前記絶縁構造材料の仮焼温度は前記サーミ
スタ材料の仮焼温度よりも高いことを特徴とする請求項
5に記載のサーミスタ素子の製造方法であり、絶縁構造
材料セラミック板とサーミスタ層の熱膨張係数の差の更
に小さいサーミスタ素子を得ることができる。
【0015】以下本発明の一実施の形態について図面を
参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は、本実施の形態におけるサーミ
スタ素子の分解斜視図、図2は同斜視図であり、絶縁構
造材料セラミック板2の上面先端部にはサーミスタ層1
を形成し、このサーミスタ層1に電気的に接合するよう
に二本の電極3を設け、これらの上面には、絶縁構造材
料セラミック板4が圧着、焼結一体化され、サーミスタ
素子31が形成されている。
参照しながら説明する。 (実施の形態1)図1は、本実施の形態におけるサーミ
スタ素子の分解斜視図、図2は同斜視図であり、絶縁構
造材料セラミック板2の上面先端部にはサーミスタ層1
を形成し、このサーミスタ層1に電気的に接合するよう
に二本の電極3を設け、これらの上面には、絶縁構造材
料セラミック板4が圧着、焼結一体化され、サーミスタ
素子31が形成されている。
【0016】図3は図1及び図2に示すサーミスタ素子
を用いた温度センサの側面図であり、サーミスタ素子3
1に対して取り付け支持部32と電極3に電気的に接続
したリード線33を設けたものである。図4は図3に示
す温度センサの抵抗値の温度依存性を示す特性図であ
る。
を用いた温度センサの側面図であり、サーミスタ素子3
1に対して取り付け支持部32と電極3に電気的に接続
したリード線33を設けたものである。図4は図3に示
す温度センサの抵抗値の温度依存性を示す特性図であ
る。
【0017】サーミスタ層1は、(Al,Cr,Fe)
2O3系サーミスタ材料を、絶縁構造材料セラミック板
2,4は高温絶縁材料のAl2O3を用いて形成してい
る。
2O3系サーミスタ材料を、絶縁構造材料セラミック板
2,4は高温絶縁材料のAl2O3を用いて形成してい
る。
【0018】次に、このサーミスタ素子の製造方法につ
いて説明する。まず出発原料のAl2O3,Cr2O3,F
e2O3を所定量に配合し、ポットに入れ、ボールミルで
湿式混合する。次に、この混合乾燥粉末を500〜15
00℃で仮焼し、再度ボールミルで湿式粉砕して、平均
粒径1.5μmの(Al,Cr,Fe)2O3系サーミス
タ材料粉末を得る。次に、有機ビヒクルを加えてスラリ
ーにする。これをドクターブレード法により厚さ20μ
mのグリーンシートを製作し、2mm×5mmに切断し
てサーミスタ層1となるサーミスタグリーンシートを得
る。また同様に(Al,Cr,Fe)2O3系サーミスタ
材料と同じく平均粒径1.5μmのAl2O3を用いて厚
さ約100μmのAl2O3セラミックグリーンシートを
製作し、これを10層積層して厚さ1mmの積層体を得
る。ただし粒径調整前のAl2O3の仮焼温度は500〜
1500℃で(Al,Cr,Fe) 2O3系サーミスタ材
料粉末の仮焼温度よりも高くしている。これはAl2O3
の熱膨張係数が(Al,Cr,Fe)2O3系サーミスタ
層の熱膨張係数よりも大きいため、最初に仮焼温度を高
くして熱膨張を抑制し、(Al,Cr,Fe)2O3系サ
ーミスタ層の熱膨張係数により近づけるものである。
いて説明する。まず出発原料のAl2O3,Cr2O3,F
e2O3を所定量に配合し、ポットに入れ、ボールミルで
湿式混合する。次に、この混合乾燥粉末を500〜15
00℃で仮焼し、再度ボールミルで湿式粉砕して、平均
粒径1.5μmの(Al,Cr,Fe)2O3系サーミス
タ材料粉末を得る。次に、有機ビヒクルを加えてスラリ
ーにする。これをドクターブレード法により厚さ20μ
mのグリーンシートを製作し、2mm×5mmに切断し
てサーミスタ層1となるサーミスタグリーンシートを得
る。また同様に(Al,Cr,Fe)2O3系サーミスタ
材料と同じく平均粒径1.5μmのAl2O3を用いて厚
さ約100μmのAl2O3セラミックグリーンシートを
製作し、これを10層積層して厚さ1mmの積層体を得
る。ただし粒径調整前のAl2O3の仮焼温度は500〜
1500℃で(Al,Cr,Fe) 2O3系サーミスタ材
料粉末の仮焼温度よりも高くしている。これはAl2O3
の熱膨張係数が(Al,Cr,Fe)2O3系サーミスタ
層の熱膨張係数よりも大きいため、最初に仮焼温度を高
くして熱膨張を抑制し、(Al,Cr,Fe)2O3系サ
ーミスタ層の熱膨張係数により近づけるものである。
【0019】このAl2O3セラミックグリーンシートを
幅10mm×長さ70mmおよび幅10mm×長さ60
mmに切断して絶縁構造材料セラミック板2,4となる
絶縁構造材料セラミック板グリーンシートとする(長い
方を2とする)。
幅10mm×長さ70mmおよび幅10mm×長さ60
mmに切断して絶縁構造材料セラミック板2,4となる
絶縁構造材料セラミック板グリーンシートとする(長い
方を2とする)。
【0020】次に、絶縁構造材料セラミック板グリーン
シート上にPtペーストを印刷して二本の電極3を形成
する。この電極3の端部の所定の位置に、サーミスタグ
リーンシートを載置し、サーミスタ層1とする。更に、
上記と同様のもう一枚の短い方の絶縁構造材料セラミッ
ク板グリーンシートを重ねて加熱圧着成形する。この成
形物を、1600℃、5時間焼成し、図2に示すごとく
サーミスタ素子31を得る。次に、図3に示すごとく、
サーミスタ素子31に対して取り付け支持部32と電極
3に電気的に接続したリード線33を設け温度センサと
する。
シート上にPtペーストを印刷して二本の電極3を形成
する。この電極3の端部の所定の位置に、サーミスタグ
リーンシートを載置し、サーミスタ層1とする。更に、
上記と同様のもう一枚の短い方の絶縁構造材料セラミッ
ク板グリーンシートを重ねて加熱圧着成形する。この成
形物を、1600℃、5時間焼成し、図2に示すごとく
サーミスタ素子31を得る。次に、図3に示すごとく、
サーミスタ素子31に対して取り付け支持部32と電極
3に電気的に接続したリード線33を設け温度センサと
する。
【0021】図4に示すように、この温度センサの抵抗
温度特性は測定に適切な抵抗温度特性を有していること
が判る。
温度特性は測定に適切な抵抗温度特性を有していること
が判る。
【0022】(実施の形態2)実施の形態1の構成にお
いて、サーミスタ材料をMg(Al,Cr,Fe)2O4
系、サーミスタ材料に、絶縁構造材料セラミック板材料
をMgAl2O4に変更して温度センサを製作した。
いて、サーミスタ材料をMg(Al,Cr,Fe)2O4
系、サーミスタ材料に、絶縁構造材料セラミック板材料
をMgAl2O4に変更して温度センサを製作した。
【0023】なお、(実施の形態1)及び(実施の形態
2)において、絶縁構造材料セラミック板グリーンシー
トの表面にサーミスタ層1を形成するため、サーミスタ
材料を含有するサーミスタグリーンシートをあらかじめ
所望の形状に加工して、所定の位置に配置したが、サー
ミスタグリーンシートのかわりに乾式成形により得られ
たサーミスタ成型物を用いてもよい。
2)において、絶縁構造材料セラミック板グリーンシー
トの表面にサーミスタ層1を形成するため、サーミスタ
材料を含有するサーミスタグリーンシートをあらかじめ
所望の形状に加工して、所定の位置に配置したが、サー
ミスタグリーンシートのかわりに乾式成形により得られ
たサーミスタ成型物を用いてもよい。
【0024】また、サーミスタ層1の形成の別の方法と
しては、絶縁構造材料セラミック板グリーンシートの表
面にサーミスタペーストを印刷して形成する方法もあ
る。
しては、絶縁構造材料セラミック板グリーンシートの表
面にサーミスタペーストを印刷して形成する方法もあ
る。
【0025】電極3の形成方法としては、サーミスタ層
1を形成した絶縁構造材料セラミック板グリーンシート
上に、Pt等の高融点金属導体のペーストを電極として
印刷する。更に、電極3の接続部である絶縁構造材料セ
ラミック板グリーンシートから露出させた部分を除き、
絶縁構造材料セラミック板グリーンシートをその上に載
置し、プレスして圧着し、焼成することによりリード線
33に接続するための電極3の取り出し部を形成する。
1を形成した絶縁構造材料セラミック板グリーンシート
上に、Pt等の高融点金属導体のペーストを電極として
印刷する。更に、電極3の接続部である絶縁構造材料セ
ラミック板グリーンシートから露出させた部分を除き、
絶縁構造材料セラミック板グリーンシートをその上に載
置し、プレスして圧着し、焼成することによりリード線
33に接続するための電極3の取り出し部を形成する。
【0026】またサーミスタ層1と絶縁構造材料セラミ
ック板2,4とを同一の材料系で形成した場合、サーミ
スタ層1がMg(Al,Cr,Fe)2O4系、Mg(A
l,Cr)2O4系、Mg(Al,Cr,Mn)2O4系、
(Zn,Mg)(Al,Cr,Fe)2O4系の内から選
ばれる一種類以上を含有し、絶縁構造材料セラミック板
2,4がMgAl2O4を主成分とする場合、サーミスタ
層1が(Al,Cr,Fe)2O3系を主成分とし、絶縁
構造材料セラミック板2,4がAl2O3を主成分とする
場合についても、上記と同様の温度センサを得ることが
できる。
ック板2,4とを同一の材料系で形成した場合、サーミ
スタ層1がMg(Al,Cr,Fe)2O4系、Mg(A
l,Cr)2O4系、Mg(Al,Cr,Mn)2O4系、
(Zn,Mg)(Al,Cr,Fe)2O4系の内から選
ばれる一種類以上を含有し、絶縁構造材料セラミック板
2,4がMgAl2O4を主成分とする場合、サーミスタ
層1が(Al,Cr,Fe)2O3系を主成分とし、絶縁
構造材料セラミック板2,4がAl2O3を主成分とする
場合についても、上記と同様の温度センサを得ることが
できる。
【0027】サーミスタ層1と絶縁構造材料セラミック
板2,4の最適な焼成温度は組成によって異なるが13
00℃〜1700℃が好ましい。1300℃未満では焼
結が不十分となり、強度及び耐久性に問題を生ずるおそ
れがあり好ましくない。一方1700℃を越えると異常
粒成長等により特性に問題を生じ、高温用温度センサと
しての特性が損なわれる場合があり好ましくない。
板2,4の最適な焼成温度は組成によって異なるが13
00℃〜1700℃が好ましい。1300℃未満では焼
結が不十分となり、強度及び耐久性に問題を生ずるおそ
れがあり好ましくない。一方1700℃を越えると異常
粒成長等により特性に問題を生じ、高温用温度センサと
しての特性が損なわれる場合があり好ましくない。
【0028】絶縁セラミック基板の成形は、ドクターブ
レード法等によるセラミックグリーンシートが一般的で
あるが、押し出し成形、粉末成形であってもよい。
レード法等によるセラミックグリーンシートが一般的で
あるが、押し出し成形、粉末成形であってもよい。
【0029】(比較例1)(実施の形態1)の構成にお
いて、サーミスタ材料のみをMg(Al,Cr,Fe)
2O4に変更して温度センサを製作し、(実施の形態
1)、(実施の形態2)の温度センサとともに1000
℃で5分、常温で5分の熱衝撃試験を1000サイクル
実施し評価したところ、(実施の形態1)、(実施の形
態2)の温度センサには異常はなかったが、サーミスタ
材料のみをMg(Al,Cr,Fe)2O4に変更した
(比較例1)の温度センサは断線状態になっていた。
いて、サーミスタ材料のみをMg(Al,Cr,Fe)
2O4に変更して温度センサを製作し、(実施の形態
1)、(実施の形態2)の温度センサとともに1000
℃で5分、常温で5分の熱衝撃試験を1000サイクル
実施し評価したところ、(実施の形態1)、(実施の形
態2)の温度センサには異常はなかったが、サーミスタ
材料のみをMg(Al,Cr,Fe)2O4に変更した
(比較例1)の温度センサは断線状態になっていた。
【0030】この結果より、(実施の形態1)及び(実
施の形態2)の構成によれば、耐熱衝撃性の高い温度セ
ンサが得られることが判る。(Al,Cr,Fe)2O3
系サーミスタ、Mg(Al,Cr,Fe)2O4系サーミ
スタ共に充分な耐熱衝撃性を有しているので、この差は
基板となっている絶縁構造材料セラミック板2,4とサ
ーミスタ層1との熱膨張係数の差が原因と思われる。熱
膨張係数の差の小さい(実施の形態1)及び(実施の形
態2)の構成では問題の無かった熱衝撃も熱膨張係数の
差の比較的大きい(比較例1)の構成ではサーミスタ層
1にクラックが入り断線状態に至ったものと考えられ
る。また絶縁構造材料セラミック板2,4によりサーミ
スタ層1が遮蔽されているので、雰囲気の影響を受けに
くいという作用も有する。
施の形態2)の構成によれば、耐熱衝撃性の高い温度セ
ンサが得られることが判る。(Al,Cr,Fe)2O3
系サーミスタ、Mg(Al,Cr,Fe)2O4系サーミ
スタ共に充分な耐熱衝撃性を有しているので、この差は
基板となっている絶縁構造材料セラミック板2,4とサ
ーミスタ層1との熱膨張係数の差が原因と思われる。熱
膨張係数の差の小さい(実施の形態1)及び(実施の形
態2)の構成では問題の無かった熱衝撃も熱膨張係数の
差の比較的大きい(比較例1)の構成ではサーミスタ層
1にクラックが入り断線状態に至ったものと考えられ
る。また絶縁構造材料セラミック板2,4によりサーミ
スタ層1が遮蔽されているので、雰囲気の影響を受けに
くいという作用も有する。
【0031】
【発明の効果】以上本発明によると、サーミスタ層と絶
縁構造材料セラミック板との熱膨張係数の差を実使用上
問題のないレベルまで低減できるので、高温下で安定し
た抵抗温度特性を有すると共に耐熱性、耐熱衝撃性に優
れたサーミスタ素子を得ることができる。
縁構造材料セラミック板との熱膨張係数の差を実使用上
問題のないレベルまで低減できるので、高温下で安定し
た抵抗温度特性を有すると共に耐熱性、耐熱衝撃性に優
れたサーミスタ素子を得ることができる。
【0032】またこのサーミスタ素子を用いた温度セン
サは、優れた抵抗温度特性を有するものとなる。
サは、優れた抵抗温度特性を有するものとなる。
【図1】本発明の一実施の形態におけるサーミスタ素子
の分解斜視図
の分解斜視図
【図2】図1に示すサーミスタ素子の斜視図
【図3】本発明のサーミスタ素子を用いた高温用温度セ
ンサの側面図
ンサの側面図
【図4】本発明の一実施の形態におけるサーミスタ素子
の抵抗値の温度依存性を示す特性図
の抵抗値の温度依存性を示す特性図
1 サーミスタ層 2 絶縁構造材料セラミック板 3 電極 4 絶縁構造材料セラミック板 31 サーミスタ素子
Claims (8)
- 【請求項1】 絶縁構造材料で形成された少なくとも2
枚の絶縁構造材料セラミック板と、この絶縁構造材料セ
ラミック板間に設けたサーミスタ層と、このサーミスタ
層に連結した電極とを有し、前記サーミスタ層は、前記
絶縁構造材料セラミック板と同一の結晶構造を有するサ
ーミスタ材料を用いて形成されていることを特徴とする
サーミスタ素子。 - 【請求項2】 サーミスタ層は、Mg(Al,Cr,F
e)2O4系、Mg(Al,Cr)2O4系、Mg(Al,
Cr,Mn)2O4系、(Zn,Mg)(Al,Cr,F
e)2O4系の内から選ばれる一種類以上を含有し、絶縁
構造材料セラミック板はMgAl2O4を主成分とするこ
とを特徴とする請求項1に記載のサーミスタ素子。 - 【請求項3】 絶縁構造材料セラミック板は、サーミス
タ層のサーミスタ材料と同一の材料系を用いたことを特
徴とする請求項1に記載のサーミスタ素子。 - 【請求項4】 サーミスタ層は、(Al,Cr,Fe)
2O3系を主成分とし、絶縁構造材料セラミック板は、A
l2O3を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載
のサーミスタ素子。 - 【請求項5】 絶縁構造材料を用いて形成したセラミッ
クグリーンシートの表面にサーミスタ材料を用いてサー
ミスタ層を形成するとともに、このサーミスタ層に接続
するように少なくとも一対の電極を形成する第1の工程
と、次に前記セラミックグリーンシートのサーミスタ層
を形成した上に絶縁構造材料を用いて形成したセラミッ
クグリーンシートを積層して積層体を得る第2の工程
と、次いで前記積層体を圧着した後に焼成する第3の工
程とを備え、前記セラミックグリーンシートと前記サー
ミスタ層とは同一の結晶構造を有する材料を用いて形成
することを特徴とするサーミスタ素子の製造方法。 - 【請求項6】 第1の工程において、サーミスタ層は、
サーミスタ材料を用いて形成したセラミックグリーンシ
ートを用いて形成するか、あるいは絶縁構造材料を用い
て形成したセラミックグリーンシートの表面にサーミス
タ材料からなるセラミックペーストを印刷して形成する
ことを特徴とする請求項5に記載のサーミスタ素子の製
造方法。 - 【請求項7】 第1の工程及び第2の工程において、絶
縁構造材料とサーミスタ材料の平均粒子径をほぼ同一と
することを特徴とする請求項5に記載のサーミスタ素子
の製造方法。 - 【請求項8】 第1の工程の前に、絶縁構造材料とサー
ミスタ材料とをそれぞれ仮焼するとともに、前記絶縁構
造材料の仮焼温度は前記サーミスタ材料の仮焼温度より
も高いことを特徴とする請求項5に記載のサーミスタ素
子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11926697A JPH10312907A (ja) | 1997-05-09 | 1997-05-09 | サーミスタ素子とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11926697A JPH10312907A (ja) | 1997-05-09 | 1997-05-09 | サーミスタ素子とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10312907A true JPH10312907A (ja) | 1998-11-24 |
Family
ID=14757096
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11926697A Pending JPH10312907A (ja) | 1997-05-09 | 1997-05-09 | サーミスタ素子とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10312907A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009206498A (ja) * | 2008-01-31 | 2009-09-10 | Mitsubishi Materials Corp | サーミスタ素子及びその製造方法 |
CN112624740A (zh) * | 2020-12-26 | 2021-04-09 | 重庆材料研究院有限公司 | 一种高熵ntc热敏电阻陶瓷材料及其制备方法 |
-
1997
- 1997-05-09 JP JP11926697A patent/JPH10312907A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009206498A (ja) * | 2008-01-31 | 2009-09-10 | Mitsubishi Materials Corp | サーミスタ素子及びその製造方法 |
CN112624740A (zh) * | 2020-12-26 | 2021-04-09 | 重庆材料研究院有限公司 | 一种高熵ntc热敏电阻陶瓷材料及其制备方法 |
CN112624740B (zh) * | 2020-12-26 | 2022-08-02 | 重庆材料研究院有限公司 | 一种高熵ntc热敏电阻陶瓷材料及其制备方法 |
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