JPH10308301A - 抵抗型温度センサー - Google Patents

抵抗型温度センサー

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JPH10308301A
JPH10308301A JP11827897A JP11827897A JPH10308301A JP H10308301 A JPH10308301 A JP H10308301A JP 11827897 A JP11827897 A JP 11827897A JP 11827897 A JP11827897 A JP 11827897A JP H10308301 A JPH10308301 A JP H10308301A
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JP
Japan
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temperature
volume
temperature sensor
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less
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Application number
JP11827897A
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English (en)
Inventor
Nobuo Kaihara
伸男 海原
Minoru Ogasawara
稔 小笠原
Masatada Yodogawa
正忠 淀川
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】室温から1000℃〜1300℃程度までの温
度範囲を、短時間に検出することができ、かつ耐熱性、
耐環境性に優れ、長時間の使用に耐え得る抵抗型温度セ
ンサーを提供する。 【解決手段】アルミナを主成分とする絶縁体と、金属珪
化物を含む感温抵抗体とを積層し焼結することにより積
層体内部に感温抵抗回路を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車排ガ
ス、石油ストーブ、ガスコンロ等の高温度雰囲気の温度
を検出する抵抗型温度センサーに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば1000℃以上の高温度を短時間
に検出する温度センサーには、耐熱性、耐環境性、耐衝
撃性に優れ、かつその熱容量が小さいことが要求され
る。言い換えれば、温度センサーに対して、高温度の環
境に長時間曝されても化学変化が生じにくく、自動車排
ガスや燃料燃焼ガス中の硫黄化合物等の腐食性ガスに対
する十分な耐食性を具備している必要がある。
【0003】従来、高温を検出する温度センサーとし
て、例えば感温部材料にタングステンや白金等の耐熱性
を有する金属化合物もしくは金属が用いられことがあ
る。また、感温部材料として、金属に代えて、金属酸化
物からなるサーミスターを使用し、サーミスター層をセ
ラミック基体上に形成した抵抗型温度センサーが実開平
2−45603号公報に記載され、また、金属とセラミ
ック混合物であるサーメットを使用し、サーメット層を
セラミック基体上に形成した抵抗型温度センサーが、特
開平7−190863号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】温度センサーによる測
定結果の温度に対する応答性をよくするためには、感温
部の熱容量を小さくすることにより、温度追随性を確保
する必要がある。そして、熱容量を小さくすることは、
感温部の形状寸法を小さくすることによって実現でき
る。しかし、例えば温度センサーを自動車に搭載する等
の過酷な環境で使用する場合には、装置動作中の振動、
衝撃に耐え得る機械的強度が必要となるし、また、温度
センサーを強固に組み付ける必要があるので、組み付け
工程において、作業に支障の無い程度の機械的強度が必
要とされる。
【0005】従って、前記公報に記載のように、セラミ
ック基体上にサーミスターやサーメット層を形成した温
度センサーにおいては、感温部がある程度の大きさを必
要とするセラミック基体上に形成されているので、感温
部の形状寸法の小型化には必然的に限界があり、熱容量
の低減にも限界がある。
【0006】また、前述のように、タングステンや白金
等の耐熱性を有する金属化合物もしくは金属を用いた温
度センサーにおいては、これらの耐熱性金属や金属化合
物は十分な耐熱性、耐環境性がないため、その表面に耐
熱性、耐環境性材料で被覆することが行われるため、感
温部の形状寸法の小型化には必然的に限界があり、熱容
量の低減にも限界がある。
【0007】このように、従来の温度センサーによれ
ば、室温から1000℃以上の高温度までの温度範囲に
わたって、短時間でその温度を長時間にわたって検出す
ることが困難であった。
【0008】本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑
み、室温から1000℃〜1300℃程度までの温度範
囲を、短時間に検出することができ、かつ耐熱性、耐環
境性に優れ、長時間の使用に耐え得る抵抗型温度センサ
ーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、アルミナ(Al23)を主成分とする絶
縁体と、金属珪化物を含む感温抵抗体とを積層し焼結す
ることにより積層体内部に感温抵抗回路を形成したこと
を特徴とする(請求項1)。
【0010】また、本発明は、金属珪化物を含む導体材
料により、少なくとも、感温抵抗体と、外部との接続用
電極部と、該電極部と感温抵抗体との間の接続部とから
なる感温抵抗回路を形成し、アルミナを主成分とする絶
縁体と前記感温抵抗回路を含む積層焼結体を構成したこ
とを特徴とする(請求項2)。
【0011】また、本発明は、金属珪化物を含む導体材
料により、少なくとも、感温抵抗体と、外部との接続用
電極部と、該電極部と感温抵抗体との間の接続部とから
なる感温抵抗回路を形成し、アルミナを主成分とする絶
縁体と前記感温抵抗回路を含む積層焼結体を、感温抵抗
体を複数層内蔵させて構成し、積層方向に隣接する感温
抵抗体間を、スルーホールに前記感温抵抗体、電極部ま
たは接続部と同一材料によって充填された導体によって
接続したことを特徴とする(請求項3)。
【0012】また、本発明は、金属珪化物を含む導体材
料により、少なくとも、感温抵抗体と、外部との接続用
電極部と、該電極部と感温抵抗体との間の接続部とから
なる感温抵抗回路を形成し、前記電極部を形成する導体
層と、アルミナを主成分とする絶縁体層とが厚膜積層に
より同層に横並びに形成され、電極部は、実質的に、複
数の導体層が絶縁体を介在させずに一体に積層、焼結さ
れて形成されてなることを特徴とする(請求項4)。
【0013】また、本発明は、前記感温抵抗体が内蔵さ
れた感温部の各層の感温抵抗体間に、絶縁体層を介し
て、前記電極部、接続部または感温部のいずれかと同じ
材料からなる導体層を介在させたことを特徴とする(請
求項5)。
【0014】また、本発明は、前記感温抵抗体が内蔵さ
れた感温部を、前記積層により形成される温度センサー
素体の厚さより薄く形成したことを特徴とする(請求項
6)。
【0015】また、本発明は、温度センサー素体の積層
方向の両端のうちの少なくとも一端において、感温部の
周囲に、前記感温部、接続部または電極部のいずれかと
同じ導体材料と絶縁体材料との積層部を形成することに
より、感温部の厚みを、温度センサー素体の厚みより薄
くしたことを特徴とする(請求項7)。
【0016】また、本発明は、少なくとも感温部が、ア
ルミナまたはシリカ(SiO2)を主成分とする保護膜
により覆われていることを特徴とする(請求項8)。
【0017】また、本発明は、前記感温抵抗体の材料の
主成分が、主成分全体を100体積%として、金属珪化
物を30〜100体積%、アルミナを70体積%以下、
ムライト(SiO2−Al23)を15体積%以下含有
し、感温抵抗体の添加物は、前記主成分を含めて全体が
100重量%となるように、マグネシア(MgO)を5
重量%以下、シリカを0.5重量%以下添加したものか
らなり、前記電極部または前記接続部の導体材料の主成
分は、主成分全体を100体積%として、金属珪化物を
50〜100体積%、アルミナを50体積%以下、ムラ
イトを15体積%以下含有し、電極部または接続部の導
体材料の添加物は、前記主成分を含めて全体が100重
量%となるように、マグネシアを5重量%以下添加した
ものからなり、前記絶縁体材料の主成分は、該主成分全
体を100体積%として、アルミナを85〜100体積
%、ムライトを15体積%以下含有し、該絶縁体材料の
添加物は、前記主成分を含めて全体が100重量%とな
るように、マグネシアを0.5重量%以下、シリカを
0.5重量%以下含有するものからなることを特徴とす
る(請求項9)。
【0018】また、本発明は、前記感温抵抗体の材料の
主成分が、主成分全体を100体積%として、金属珪化
物を30〜100体積%、アルミナを70体積%以下、
ムライトを15体積%以下含有し、感温抵抗体の添加物
は、前記主成分を含めて全体が100重量%となるよう
に、マグネシアを5重量%以下、シリカを0.5重量%
以下添加したものからなり、前記電極部または前記接続
部の導体材料の主成分は、主成分全体を100体積%と
して、金属珪化物を50〜100体積%、アルミナを5
0体積%以下、ムライトを15体積%以下含有し、電極
部または接続部の導体材料の添加物は、前記主成分を含
めて全体が100重量%となるように、マグネシアを5
重量%以下添加したものからなり、前記感温抵抗体の材
料、前記電極部または前記接続部の材料の少なくとも1
つが、硼化チタンまたは炭化チタンの少なくともいずれ
かを含み、かつこれらの材料全体を100重量%とし
て、硼化チタンと炭化チタンとの合計が0.1〜5.5
重量%添加され、前記絶縁体材料の主成分は、該主成分
全体を100体積%として、アルミナを85〜100体
積%、ムライトを15体積%以下含有し、該絶縁体材料
の添加物は、前記主成分を含めて全体が100重量%と
なるように、マグネシアを0.5重量%以下、シリカを
0.5重量%以下含有するものからなることを特徴とす
る(請求項10)。
【0019】感温抵抗体材料に使用される金属珪化物と
して、アルミナ主成分の絶縁体と熱膨張係数が同程度の
珪化モリブデン(MoSi2)が最適であり、感温抵抗
体にアルミナやムライト等の絶縁物を混合することによ
り、抵抗値を調整することができる。
【0020】本発明は各種材料に金属珪化物を用いる
が、金属珪化物を構成する金属により、その電気的特
性、物理的特性、化学的特性が異なっている。高温雰囲
気の温度検出の用途では、耐熱性と耐酸化性に優れたも
のが望ましく、本発明の場合のように、最高使用温度が
1300℃付近である場合、珪化モリブデン、珪化タン
グステン(WSi2)、珪化チタン(TiSi2)、珪化
タンタル(TaSi2)等が好適であり、その中でも材
料価格、製造の難易導体等を総合的に判断して珪化モリ
ブデンを用いることが好ましい。しかし珪化タングステ
ン等他の金属珪化物を用いても高温使用に十分耐える抵
抗型温度センサーを実現できる。
【0021】また、最高使用温度が1000℃付近の比
較的低い温度範囲の用途である場合、これ以外の殆どの
金属珪化物を使用できる。特に、周期律表のIVA族元
素、VA族元素、VIA族元素、VIII族元素の金属珪化物
が使用できる。中でも、珪化クロム(CrSi2)、珪
化鉄(FeSi2)、珪化コバルト(CoSi2)等が材
料価格、製造の難易度等を総合的に判断して適当であり
望ましい材料である。
【0022】これらの珪化クロム、珪化鉄、珪化コバル
ト等は、珪化モリブデン、珪化タングステン等の金属珪
化物よりは耐熱性と耐酸化性に関して性能は劣るが、最
高使用温度が1000℃付近の比較的低い温度範囲の用
途である場合、高価な珪化モリブデン、珪化タングステ
ン等の金属珪化物に代えて、より安価な珪化クロム、珪
化鉄、珪化コバルト等を使用しても、十分使用に耐える
抵抗型温度センサーが実現できる。
【0023】
【作用】請求項1においては、感温抵抗体として、絶縁
体であるアルミナと熱膨張係数が同じ程度に小さい金属
珪化物を用い、これらを交互に積層した積層体によって
温度センサーを構成することにより、結果として、アル
ミナを主成分とする絶縁セラミック材料より優れた熱衝
撃特性を有する珪化モリブデン等の金属珪化物を主体と
する導体材料の熱衝撃特性を殆ど損なわない優れた熱衝
撃特性を有する素体が得られる。
【0024】また、このように熱衝撃特性が優れた緻密
なセラミック主体の積層構造で構成されているので、感
温部の熱容量が小さい寸法でも十分な機械的強度を呈す
る。従って、感温部の熱容量を小さくでき、速い応答速
度が得られる温度センサーが実現される。
【0025】また、アルミナを主成分とする絶縁セラミ
ック材料は、十分な耐熱性、耐環境性を有している上、
珪化モリブデン等の金属珪化物を主体とする導体材料
は、空気中で熱処理されることにより、その表面にシリ
カの膜を形成し、このシリカの膜が形成された珪化モリ
ブデン等の金属珪化物を主体とする導体材料は、十分な
耐熱性、耐環境性を有している。
【0026】このように、本発明による温度センサー素
体の感温部は、耐熱性、耐環境性を付与するために表面
に耐熱性、耐環境性付与のための材料を被覆する必要が
なく、このことは、さらなる小型化、応答速度の向上に
寄与する。
【0027】請求項2においては、外部との接続用電極
部と、該電極部と感温抵抗体との間の接続部も、金属珪
化物を含む導体材料により構成し、これらとアルミナを
主成分とする絶縁体との積層焼結体を構成したので、温
度センサー素体全体の耐熱性、耐環境性、熱衝撃特性、
強度の向上、小型化が達成できる。
【0028】請求項3においては、前記温度センサーに
おいて、積層方向に隣接する感温抵抗体間を、スルーホ
ールに前記感温抵抗体、電極部または接続部と同一材料
によって充填された導体によって接続したので、各感温
抵抗体間のスルーホール形成部分における接着強度が大
となる。
【0029】請求項4においては、前記電極部を形成す
る導体層と、アルミナを主成分とする絶縁体層とが厚膜
積層により同層に横並びに形成され、電極部は、実質的
に、複数の導体層が絶縁体を介在させずに一体に積層、
焼結されて形成されてなるため、電極部の電気抵抗が小
さくなり、小型化に寄与しうる。
【0030】請求項5においては、前記感温抵抗体が内
蔵された感温部の各層の感温抵抗体間に、絶縁体層を介
して、前記電極部、接続部または感温部のいずれかと同
じ材料からなる導体層を介在させたので、単に各層の感
温抵抗体間をスルーホールによって接続する構造に比較
し、強度や熱衝撃特性等の向上に寄与できる金属珪化物
の層を増やすことができ、熱衝撃特性を向上させること
ができる。
【0031】請求項6においては、前記感温抵抗体が内
蔵された感温部を、前記積層により形成される温度セン
サー素体の厚さより薄く形成したので、感温部の熱容量
をさらに小さくすることができ、かつ十分な機械的強度
を呈する素体を実現することができる。
【0032】請求項7においては、温度センサー素体の
積層方向の両端のうちの少なくとも一端において、感温
部の周囲に、前記感温部、接続部または電極部のいずれ
かと同じ導体材料と絶縁体材料との積層部を形成するこ
とにより、感温部が保護される。
【0033】請求項8において、電極部を除いた少なく
とも感温部が、アルミナまたはシリカを主成分とする薄
い保護層により覆われているため、さらに優れた耐熱
性、耐環境性が得られる。
【0034】請求項9においては、絶縁体以外の、感温
抵抗体、電極部導体、接続部導体として、金属珪化物を
含む導体が用いられる。これらの導体は、電気回路を構
成するために、絶縁材料によって電気的に絶縁される必
要がある。
【0035】絶縁機能を有する材料に要求される絶縁抵
抗値は、望ましくは100MΩ以上少なくとも1MΩ以
上あれば実用に供しうる。本発明におけるアルミナを主
成分とする絶縁材料は、高温度で1010Ω・cm程度の
比抵抗を有するので、本発明における代表的な一層の感
温部寸法(幅1mm×長さ6mm×一層厚み20μm)
において、層間絶縁抵抗は3×1012Ωとなり、要求さ
れる絶縁機能を十分発揮することができる。
【0036】感温部の抵抗値は、絶縁体との抵抗値の比
が概ね1000あれば、漏れ電流値が1/1000とな
り、実用的な精度で温度を測定することができる。感温
部の抵抗値が数十KΩ以上の感温部の抵抗値の場合、実
用的な測定電圧では測定電流が微小で測定精度を維持す
る困難さがあり、そのため、感温部の抵抗値は数KΩ以
下が望ましい。
【0037】本発明で採用可能な他の代表的な一層の感
温部寸法(幅0.7mm×長さ12mm×一層厚み20
μm)において、1KΩの抵抗値を呈するためには、感
温抵抗体は0.1Ω・cm程度の比抵抗となる。この比
抵抗は、感温抵抗体材料の珪化モリブデン等の組成を概
ね30体積%以上とすることで得られる。従って、珪化
モリブデン等の組成は、概ね30体積%以上あれば抵抗
値が数十KΩ以下の抵抗回路が形成でき、要求される抵
抗値の感温抵抗体を構成することができる。なお、所定
の抵抗値を得るためには、抵抗材料にアルミナなムライ
ト等の絶縁物を混合して抵抗値を調整することができ
る。
【0038】電極部および接続部の抵抗値は、絶縁部と
同様に、感温部との抵抗値の比が概ね1000あれば、
電圧降下が1/1000となるため、実用的な精度で測
定が可能な抵抗値、例えば抵抗値数Ω以下の回路を形成
することで、要求される抵抗値の電極部および接続部が
構成できる。本発明における代表的な一層の感温部寸法
(幅1mm×長さ6mm×一層厚み20μm)におい
て、1Ωの抵抗値を呈するためには、接続部や電極部の
導体の比抵抗は3×10-4Ω・cm程度の値となり、珪
化モリブデンの組成は概ね50体積%でこの比抵抗が得
られる。従って、珪化モリブデンの組成は概ね50体積
%以上であれば抵抗値数Ω以下の回路が形成でき、本発
明における要求を満たす電極部および接続部が構成でき
る。
【0039】なお、電極部や接続部の材料は、感温部の
抵抗体と同じものでも異なるものでも良いが、接続部や
電極部の抵抗値は、感温部の抵抗値より低いことが好ま
しい。電極部や接続部に感温部と同じ材料を使用する場
合には、電極部や接続部の断面積を感温部より大きくし
て低い抵抗値になるようにすることが好ましい。
【0040】本発明の温度センサー素体を構成する主要
な材料は珪化モリブデン等の金属珪化物とアルミナであ
るが、緻密な焼結体を形成するための焼成時の焼結反応
を望ましい状態で制御する必要がある。例えば珪化モリ
ブデンの焼結時の挙動は分解によりモリブデンが蒸発揮
散し、もう一方の化学成分であるシリカが残留し、感温
抵抗体材料もしくは導体材料の比抵抗値がモリブデンの
蒸発揮散量で変動が生じ、従って抵抗値制御のために厳
密な管理が必要である。
【0041】感温抵抗体材料もしくは接続部や電極部の
導体材料の比抵抗値制御を目的にアルミナ主成分の絶縁
物を混合するが、残留したシリカとアルミナとが反応し
てムライト系の化合物を生成する。ムライトを含有しな
いで導体材料を構成しても本発明の温度センサーを形成
するために工程条件の厳密な管理をすれば問題は無い
が、ムライトを含有することで珪化モリブデンの分解を
抑制し、より容易に導体材料比抵抗値制御ができる。感
温抵抗体材料もしくは導体材料は、主成分として金属珪
化物を100体積%含むものでもよいが、焼結強度を高
めるためには、主成分中アルミナを2体積%以上含むこ
とが好ましい。導体材料に添加物としてシリカを0.5
重量%以下加える理由は、後述のように絶縁体材料との
接着性を得るためである。
【0042】また、マグネシアが含有されていると、コ
ージュライト系の化合物を生成し、ムライトと同様に珪
化モリブデンの分解を抑制することができ、より容易に
感温抵抗体材料もしくは導体材料の比抵抗値制御ができ
る。ただし、ムライトが約15体積%、マグネシアが約
5重量%を超えると感温抵抗体材料もしくは導体材料の
焼結を阻害し、緻密な焼結体を得るのが困難となるた
め、ムライトとマグネシアの含有量はそれぞれこれらの
含有量以下に抑える必要がある。なお、この場合、ムラ
イトとマグネシアを共存させても、それぞれ単独で共存
させてもよい。また、ムライトやマグネシアの添加によ
る抵抗値の調整が不要である場合には、これらを添加す
る必要はないが、珪化モリブデンの分解を抑制する効果
を得る上では、全成分を100重量%としてムライトの
場合は3.0重量%以上、マグネシアの場合は0.1重
量%以上添加することが好ましい。
【0043】絶縁体材料と導体材料を焼結する際の要件
として強固な接着性を有することが必要である。従って
導体材料に含有する絶縁体材料と同様の材料を含むもの
であることが好ましい。そこで、絶縁体材料は、主成分
として、アルミナを85〜100体積%、ムライトを1
5体積%以下含有させ、該絶縁体材料の添加物は、前記
主成分を含めて全体が100重量%となるように、マグ
ネシアを0.5重量%以下、シリカを0.5重量%以下
含有させる。また、導体材料と絶縁体材料にの双方に、
シリカを0.05重量%以上含有させることによってよ
り好ましい素体を形成できる。ただし、絶縁体材料、導
体材料のいずれにシリカを含有させるにしても、約0.
5重量%を超えた含有量では焼結を阻害し、緻密化が困
難となる。また、絶縁体材料は、全成分を100重量%
としてムライトの場合は3.0重量%以上、マグネシア
の場合は0.1重量%以上添加することが、導体材料と
の強固な接着性を得る上で好ましい。
【0044】請求項10においては、前記感温抵抗体の
材料、電極部または接続部の材料の少なくとも1つが、
硼化チタンまたは炭化チタンの少なくともいずれかを含
み、かつ金属珪化物と絶縁物の合計に対し、硼化チタン
と炭化チタンとの合計が0.1〜5重量%としたもので
ある。
【0045】珪化モリブデン等の金属珪化物は難焼結材
料であり、後で記すように、焼成条件としてホットプレ
ス焼成やHIP焼成の手段で焼結させるが、両方もしく
はどちらか一方の方法で焼成することで、焼結を促進さ
せることができ、より緻密な焼結体を形成できる。
【0046】抵抗体材料もしくは導体材料の金属珪化物
とアルミナを主成分とした絶縁物の合計に対して、炭化
チタンおよび硼化チタンの少なくとも一種類を含み、炭
化チタンと硼化チタンとの含有量合計が0.1〜5.5
重量%の範囲が望ましい。後述するように、炭化チタン
と硼化チタンの含有量合計が0.1重量%未満では焼結
を促進させる効果が乏しく、また、5.5重量%を超え
ると、抵抗体材料もしくは導体材料の抵抗値の温度によ
る変化率が高温度領域で低下し、抵抗比が5を下回り、
かつ絶縁体との熱膨張係数の違いが大きくなり、熱衝撃
特性が劣化するので望ましくない。
【0047】[製法]次に本発明の温度センサーを製造
する方法について記載する。 (a)材料の製造 積層構造の基体を製造するときに要する材料の性状は、
材料の乾燥性、粘性が適当であって、厚膜の形成時にク
ラックや乾燥むらが生じないこと、厚膜の表面の平滑度
に問題がないこと等である。望ましい材料の性状を実現
するために、材料の粉体特性に応じて塗料の濃度、バイ
ンダーの種類と添加量が適切に選択される。
【0048】また、積層体を形成した後、焼成工程で焼
結反応により素体を形成する必要がある場合、材料の塗
料を製造する時点で、最適な粒度分布や分散度を実現し
ていることが望ましい。
【0049】一般に、本発明に使用される金属珪化物の
ような難焼結性の材料の場合、材料を十分微細に粉砕し
て焼結時の活性度を高めて製造することで、より低い焼
成温度での焼結が可能となる。ところが、最適な粒度分
布や分散度を実現するための材料の製造条件は、多くの
場合異なっており、塗料を製造する前に、適当な粉体特
性の材料に前処理をしておく必要がある。
【0050】本発明に使用される金属珪化物のような材
料の場合、活性度を高めるために微細に粉砕処理をする
と、空気中で容易に酸化される。また、多くの場合、前
処理の製造条件は、塗料の製造条件より溶媒の濃度が高
く、すなわちスラリー濃度が低いのが一般的である。従
って、前処理工程では粉砕後に乾燥してから、所定の塗
料組成になるように塗料を構成する原材料を調合する必
要がある。
【0051】本発明に使用される金属珪化物のような材
料の場合、上述のように前処理後の材料の取り扱いに、
酸化を防止するために真空中や窒素ガス中等の非酸化雰
囲気中で取り扱うとか、溶剤分が残留している時は酸化
による発熱での発火が起こらないように取り扱う等の注
意が必要である。以下に記す製造方法では以上に記した
問題点を解決し、かつ工程が短縮される。
【0052】すなわち、最適の粉砕条件で粉砕した後
で、真空脱気装置、フィルタープレス等の濃縮機で溶媒
を一部除去し、その後で不足のバインダー、可塑剤等の
塗料成分を調合し、最適の塗料を製造する方法である。
この方法により、粉砕後の微細な、活性度の高い材料粉
体は溶剤スラリーとして取り扱われ、空気中の酸化や酸
化による発火等が容易に防止される。
【0053】また、乾燥工程や、酸化防止保管工程を省
略できる。また、粉砕工程でのスラリー粘度を塗料の粘
度より低くすることができるため、ボールミル、メディ
アミル等の分散装置から材料を取り出す時、およびメデ
ィアと分離する時、歩留り良く材料が回収できる。
【0054】(b)積層体の製造 本発明の素子の積層体は、同一層に二種類以上の材料厚
膜を積層した構造で、積層体を構成する厚膜層は、部分
的に異なる特性の厚膜層が同一の厚膜層に形成されたも
のである。本発明の素子の積層体を構成する層の主たる
層はシート工法による厚膜を用いるのが望ましい。それ
は、膜全体の厚み寸法のばらつきが少ないからである。
【0055】積層体を構成する厚膜層は、所定の特性
(導電性または絶縁性)を有する材料の塗料をポリエチ
レンフィルム等のフィルム上に塗布乾燥し、たとえば導
体(絶縁体)厚膜不要部分を剥離し、剥離後の部分に絶
縁体(導体)でなる他の材料厚膜層を結果として埋め込
むことで形成することができる。
【0056】このように導体、絶縁体を同層に形成する
方法としては、積層用基板の大きさのシートは、不要部
分を剥離した後に切断しても良く、また、切断した後に
不要部分を剥離しても良い。また、所定の特性を有する
材料の塗料を前記ポリエチレンフィルム等上に塗布乾燥
し、適当な大きさにシートを切断した後で埋め込むこと
によっても形成することができる。
【0057】また、切断前に、不要部分を剥離した後に
再度ポリエチレンフィルムシートをコーターにセットし
て、他の材料を剥離部分に塗布乾燥し、厚膜層を形成し
ても良い。
【0058】さらに、厚み寸法の精度が要求されない時
は、他の材料をスクリーン印刷により剥離部分に厚膜層
を形成することもできるが、厚み寸法の精度がシート法
より劣り望ましくない。
【0059】あるいは、所定の特性を有する材料の塗料
をポリエチレンフィルム上に剥離部分を若干はみ出させ
て塗布乾燥することにより厚膜層を形成し、はみだした
不要部分を剥離除去して所定の寸法の厚膜層を形成して
も良い。
【0060】感温部の抵抗回路をスクリーン印刷により
形成する場合は、印刷されるシートのどの段階でも印刷
して良い。すなわち、剥離前後、埋め込み後いずれの時
でも印刷できる。しかし、本発明の素子構造では、導体
積層体の一部分を抵抗回路の接続部として機能させてい
るので、印刷パターンを導体厚膜に接続するために、導
体厚膜の上に印刷する必要があり、埋め込み後に印刷す
るのが望ましい。
【0061】積層工程中に印刷工程を組み入れると、装
置が複雑になり、かつ印刷面の高さ位置を、層毎に調節
制御しなければならないので、一層毎に、埋め込まれた
シートに印刷をした後で積層するのが望ましい。
【0062】一層毎に印刷する工程では、積層前に各層
に印刷されているので、積層装置と印刷装置は分離で
き、印刷装置の構造が単純になるからである。
【0063】(c)焼成条件 本発明の素子の積層体は、いわゆる難焼結性の金属珪化
物を構成成分として含んでいるので、望ましくは、14
00℃以上の温度、少なくとも1200℃の温度で焼成
する必要がある。また、金属珪化物は200℃程度の低
温度範囲で空気中で容易に酸化されるので、非酸化性雰
囲気で焼成する必要がある。非酸化性雰囲気はアルゴン
ガス雰囲気が好ましく、窒素雰囲気は金属珪化物を窒化
する傾向があり、結果として抵抗の温度特性を変化させ
るので、好ましくない。
【0064】金属珪化物は空気中で容易に酸化されるの
で、本発明の温度センサー素子の実使用条件下で、金属
珪化物の酸化はその性能の安定性を低下させることにな
り、酸化を抑制する必要がある。そのために、焼結後の
素体の密度を可能な限り高めることが望ましい。焼結後
の素体の密度を高めるために、昇温過程の一部、もしく
は昇温過程の一部と、安定部の一部を50Torr以下の真
空度、望ましくは10Torr以下の真空度にすることによ
り、焼結後の素体の密度を高めることができる。焼成過
程の一部を真空にする効果は、焼結が進展しえ、結晶組
織の空孔が緻密化に伴い閉気孔になった時、焼成雰囲気
が真空度の高い時は、閉気孔内の雰囲気も真空度の高い
状態で、その後、さらに緻密化が進むと閉気孔は消滅
し、高密度が達成されるところにある。
【0065】また、焼成の全工程を真空度の高い条件と
した場合は、成分時にシリカの蒸発が著しくなるので好
ましくない。焼成過程で圧力を加えて焼成するのは、緻
密化を促進するので好ましい。加圧焼成は、いわゆるホ
ットプレス焼成でもHIP焼成でもいずれの加圧焼成も
好ましい。ただ、加圧焼成は常圧焼成より費用がかかる
ので、常圧焼成で目的とする緻密化が達成できる場合に
は常圧焼成を行う。
【0066】1800℃を超える温度での焼成は、アル
ミナを主成分とするセラミック基体の融点に近く、具体
的には、セラミック基体の一部が融解、もしくは蒸発し
て消滅もしくは金属珪化物と反応し、目的とする構造を
形成するのが困難で好ましくない。
【0067】
【発明の実施の形態】
[実施例1]図1は本発明による抵抗型温度センサーの
一実施例であり、素体の積層構造を示す斜視図である。
図2はその断面図である。図3は積層体形成に使用され
る厚膜パターンであり、図示のパターンA〜Fのうち、
C〜Fのパターン上に図4に示す感温抵抗体パターンG
またはHが形成される。図2に示すように、この抵抗型
温度センサー素体は、図3に示すパターンA−C−B−
C−D−…D−E−B−E−F−E…C−B−C−Aの
ように合計35層積層することにより構成される。そし
て、感温抵抗回路は、パターンC、D、F上に形成され
る感温抵抗部(パターンGまたはH)と、パターンBの
導体15とにより構成される。導体15が主体となるパ
ターンBを感温抵抗体G、H間に介在させて感温部1が
構成される。
【0068】図1、図2に示すように、このような構造
に積層された抵抗型温度センサーは、絶縁材料が1層以
上積層された絶縁部1を挟んで導体材料が積層された電
極部2、3が形成され、これらの電極部2、3には上層
部と下層部において、接続部5、6を介して感温部1の
両端が接続される。また、感温部1の上下面には保護層
7および8が設けられる。図5はこの接続関係を示す透
視図である。
【0069】次に上記パターンA〜Fについてさらに詳
細に説明すると、図3に示された厚膜体パターンC〜F
の絶縁体14にはスルーホール10〜13が設けられ、
各スルーホール10〜13には、パターンG、Hの感温
抵抗体、接続部5、6の導体あるいは電極部2、3の導
体と同一材料でなる導体が埋め込まれている。
【0070】図3に示された各厚膜体は、白地で示す絶
縁体14が、90体積%のアルミナと、10体積%のム
ライトである基本組成に、3重量%のマグネシアと0.
3重量%のシリカとを添加した組成からなる。また、点
を付して示す導体15は、90体積%の珪化モリブデン
と、10体積%のアルミナを基本組成とするものであ
る。このような絶縁体14と導体15とが長方形に組み
合わされる。
【0071】図4に示すように、前記各パターンC〜E
には、GまたはHで示す感温抵抗体のパターンが形成さ
れる。なおパターンCの厚膜体上に、積層方向の両端部
においては、電極部2、3を構成する導体15に感温抵
抗体パターンGを接続するための接続部5または6が設
けられる。なお 感温抵抗体Gの一端または感温抵抗体
Hの両端は、各厚膜体に設けられたスルーホール10〜
13内の1つに充填された導体に接続される。
【0072】このように、パターンG、Hの感温抵抗体
間に絶縁体を介してパターンB等の導体を介在させて厚
膜体が積層され、図5に示すように、各パターンG、H
がスルーホール10〜13により直列に接続されて抵抗
型温度センサー素体を構成する。また、電極部2、3を
形成する導体15層と、アルミナを主成分とする絶縁体
14層とが厚膜積層により同層に横並びに形成され、電
極部2、3は、実質的に、複数の導体層が絶縁体を介在
させずに一体に積層されたものとなる。
【0073】次にこのような抵抗型温度センサーを製造
する工程について説明する。 (1)材料の製造 感温部抵抗材料として、平均粒径2μmの珪化モリブデ
ンを40体積%、平均粒径0.4μmのアルミナを60
体積%、硼化チタンを含まないものと、平均粒径1μm
の硼化チタンをそれぞれ1、2、3重量%の組成で含む
ものを、溶剤としてトルエンを用い、これらの材料をア
ルミナでなる磁器製ポットに投入し、分散用メディアと
してアルミナボールで15時間分散した。分散後、バイ
ンダーとしてエチルセルロース樹脂のトルエン溶液を加
え、撹拌機で混合し、硼化チタンの含有量の異なる4種
類の感温抵抗体塗料を得た。
【0074】また、印刷用接続部材料として、平均粒径
2μmの珪化モリブデンを90体積%、平均粒径0.4
μmのアルミナを10体積%、硼化チタンを含まないも
のと、平均粒径1μmの硼化チタンをそれぞれ1、2、
3重量%の組成で含むものを、溶剤としてトルエンを用
い、これらの材料をアルミナでなる磁器製ポットに投入
し、分散用メディアとしてアルミナボールで15時間分
散した。分散後、バインダーとしてエチルセルロース樹
脂のトルエン溶液を加え、撹拌機で混合し、硼化チタン
の含有量の異なる4種類の導体塗料を得た。
【0075】また、前記厚膜体の導体15の材料とし
て、平均粒径2μmの珪化モリブデンを90体積%、平
均粒径0.40μmのアルミナを10体積%、硼化チタ
ンを含まないものと、平均粒径1μmの硼化チタンをそ
れぞれ1、2、3重量%の組成で含むものを、バインダ
ーとしてメタアクリル樹脂、溶剤としてトルエン、エタ
ノール、可塑剤としてn−ブチルブタリルn−ブチルグ
リコラート(BPBG)を用い、これらの材料をアルミ
ナでなる磁器製ポットに投入し、分散用メディアとして
アルミナボールで15時間分散し、硼化チタンの含有量
の異なる4種類の導体塗料を得た。
【0076】また、絶縁体14の材料として、平均粒径
0.4μmのアルミナを90体積%、平均粒径0.4μ
mのムライトを10体積%を基本組成とし、これに平均
粒径0.4μmのマグネシアを0.3重量%、平均粒径
0.4μmのシリカを0.3重量%添加した組成とし、
厚膜用導体材料と同様にバインダーとしてメタアクリル
樹脂、溶剤としてトルエン、エタノール、可塑剤として
BPBGを用い、これらの材料をアルミナでなる磁器製
ポットに投入し、分散用メディアとしてアルミナボール
で15時間分散し、絶縁体塗料を得た。
【0077】(2)シートの製造 上記工程で製造した厚膜用導体塗料と絶縁体塗料を、乾
燥後の厚さが35μmになるようにドクターブレードの
高さを調節してシートコーターでポリエチレンフィルム
上に塗布膜の幅を80mmにそれぞれ成膜し、導体シー
トおよび絶縁体シートを得た。成膜した導体シートおよ
び絶縁体シートをそれぞれ積層体を製造する際のスタッ
ク寸法に合わせて長さ100mmに切断した。
【0078】(3)厚膜の製造 温度センサーを構成する各厚膜は、図3に示したように
絶縁体14と導体15とから構成される。図6および図
7により、図3に示すパターンBの厚膜を形成する場合
に例をとり、本発明において用いる厚膜の製法を説明す
る。図3(a)に示すものは、上記シートの製造工程に
よって製造された導体シートであり、ポリエチレンフィ
ルム21上に導体厚膜22が塗布形成されている。
【0079】この導体厚膜22に破線で示す切り込み2
3、24を入れ、切り込み23、24に従って導体厚膜
25、26を残してその間の導体厚膜を剥離することに
より、図6(b)に示す素材を得る。
【0080】一方、図6(c)に示すものは、上記シー
トの製造工程により得られた絶縁体シートであり、ポリ
エチレンフィルム27上に絶縁体厚膜28が塗布形成さ
れている。この絶縁体厚膜28に破線で示す切り込み2
9、30を入れ、切り込み29、30に従って絶縁体厚
膜31を残して両側の絶縁体厚膜を剥離することによ
り、図6(d)に示される素材を得る。
【0081】次に、図7(a)に示すように、図6
(d)に示された絶縁体素材の上下を反転させ、図7
(b)に示すように、図6(b)に示した導体素材の導
体厚膜25、26間に絶縁体厚膜31が入り込む位置に
合わせて積層し、0.1kg/cm2の圧力を10秒間
加えた後、ポリエチレンフィルム27を剥すことによ
り、図3のBに示される厚膜が得られる。その他、同様
の工程により、A、C〜Fとして示されるパターンを有
する長さ100mm、幅80mm、厚さ35μmである
6種類の厚膜を得た。
【0082】次に、図3における4種類のパターンC〜
Fの厚膜の所定の位置に、パンチでスルーホール10〜
13を開けた後、スルーホール10〜13に導体15と
硼化チタンの含有量が同じである印刷用導体塗料をスク
リーン印刷で印刷、乾燥し、接続部材料が埋め込まれた
4種類のパターンの厚膜を得た。
【0083】次にパターンCの導体15と硼化チタンの
含有量が同じである感温抵抗体塗料をスクリーン印刷す
ることにより、パターンHの感温抵抗体を印刷、乾燥
し、さらに感温抵抗体パターンGの接続部5または6
を、導体15と硼化チタンの含有量が同じである印刷用
導体塗料をスクリーン印刷によって印刷、乾燥すること
により、図4(a)に示すように、パターンCの厚膜体
上に感温抵抗体パターンGが形成された厚膜を得た。
【0084】同様に、パターンD〜Fに導体15と硼化
チタンの含有量が同じである感温抵抗体塗料をスクリー
ン印刷により印刷、乾燥することにより、図4(b)〜
(d)に示す感温抵抗体パターンHを形成した厚膜を得
た。
【0085】(4)積層体の製造 図1、図2に示した構造に積層するため、各層に相当す
るシートを準備する。準備するシートは硼化チタンの含
有量が同じもの同士を組み合わせて作る。次に各層が図
1に示す構造になるようにシートの種類を変えて所定の
順序で0.1kg/cm2の圧力を10秒間加えた後、
ポリエチレンフィルムを剥すことにより積層した。所定
の積層が終了した後、スタック用基板から積層体を外
し、加圧用金型に入れ、1.5kg/cm2の圧力を3
00秒間加えた。
【0086】(5)積層体の切断 次に、両面テープを貼り付けた切断用基板に積層体を貼
り付け、幅2.4mmピッチでダイヤモンド刃で切断
し、長さ50mm、厚さ1mmの積層体試料30本を得
た。
【0087】(6)焼結体の製造 切断後の積層体を、窒化硼素の基板に搭載し、窒素ガス
中に600℃、2時間脱バインダー処理を行った後、1
700℃のアルゴンガス中で、2時間焼成した。さら
に、1650℃、2000気圧のアルゴンガス中で2時
間焼成後、1400℃の空気中で1時間表面処理を行っ
た。なお、硼化チタンを3重量%含有する試料は、16
00℃のアルゴンガス中で2時間焼成し、さらに155
0℃、2000気圧のアルゴンガス中で2時間焼成後、
1400℃の空気中で1時間表面処理を行った。
【0088】(7)接続端子加工 表面処理後、図1、図2に示す電極部2、3の積層端面
および上部をサンドブラスト加工した。サンドブラスト
加工した電極部2、3にニッケルメッキ用のパラジウム
触媒を印刷し、乾燥後熱処理し、その後ニッケル無電解
メッキを施した。このようにして得られた抵抗型温度セ
ンサー素体20の外観を図8(a)に示す。図8(a)
の1は前記感温部、5、6は接続部、2、3が外部との
電極部である。
【0089】(8)素子の組み立て、加工 前述のようにニッケル無電解メッキを施した電極部2、
3を洗浄乾燥した後、図8(b)に示すリード部材4
1、42の接続部43、44に素体20の電極部2、3
を挟持させ、そのニッケルメッキ膜部分と銀蝋で接合し
た。
【0090】このように、リード部材41、42が接合
された抵抗型温度センサー素体20を、図8(c)に示
すアルミナ管45に挿入し、図8(d)に示すセラミッ
クセメント46を充填し、90℃で30分乾燥した後、
120℃で2時間熱処理して硬化させた。
【0091】[実施例2]図9(a)は本発明による抵
抗型温度センサーの他の実施例を素体の状態で示す斜視
図である。本実施例は、感温部61の厚みを素体20A
の厚みより薄く形成するため、感温部61の積層方向の
両端面が素体20Aの凹部53、54の底面となるよう
に形成したものである。図9(b)、図9(c)はこの
ような凹部53、54を積層によって形成するため、図
3に示したパターンA〜Fに追加されるパターンであ
り、図9(b)のパターンJは、前記パターンCにおい
て、凹部53、54に相当する広さの打ち抜き部51を
設けたものであり、図9(c)のパターンKは、全体が
導体15でなるパターンに、前記打ち抜き部51に相当
する箇所に同じ広さの打ち抜き部52を設けたものであ
る。
【0092】図10は本実施例の素体20Aの外観図、
図11はその積層構造を示す断面図、図12は該素体2
0Aに電極部62、63を設けた状態を示す外観図であ
る。
【0093】本実施例の素体20Aは、図11に示すよ
うに、図9(b)、(c)に示したパターンJ、Kを、
図2に示した積層体の両端面に積層(69、70)する
ことによって実現できる。より詳しくは、感温部61の
両端の保護層であるパターンAを除く33層の厚膜によ
って温度センサー層が形成される。感温抵抗体パターン
G、Hが前記パターンC〜F上に形成されることは前記
の通りである。
【0094】図11、図12に示すように、本実施例に
おいては、絶縁材料が積層されてなる絶縁部64を挟ん
で、導体材料が積層された接続端子62、63が形成さ
れ、接続部65と66との間には感温部61が接続され
る。また、感温部61の上下面には、保護層67、68
が設けられる。さらに、厚膜体のパターンJとKにおい
て形成された打ち抜き部51、52により、感温部61
の上下に、凹部53、54が形成される。
【0095】本実施例の抵抗型温度センサーの構造は、
厚膜体のパターンJ、Kで形成された絶縁層と導体層が
交互に積層されることにより、内部に凹部53、54を
有する積層部69、70が、実施例1の上下に一体に形
成される。
【0096】このような構造を採ることにより、強度を
確保するために積層部69、70でなる保護層を厚くし
ても、感温部61の厚さを薄くすることができ、感温部
61の感度が鈍化することが避けられる。
【0097】以下、実施例2の製造方法と各種特性等の
測定結果を説明する。なお、実施例2において、実施例
1と同様の部分の説明は省略し、実施例1と異なる部分
だけについて説明する。
【0098】実施例2においては、実施例1と同様に、
各厚膜体は、90体積%の珪化モリブデンと、10体積
%のアルミナである基本組成からなる導体15(図3参
照)と、90体積%のアルミナと10体積%のムライト
である基本組成に、0.3重量%のマグネシアと、0.
3重量%のシリカとを添加した組成からなる絶縁体14
(図3参照)が、前述のように、パターンA〜F、J、
Kとして組み合わされ長方形状に構成される。
【0099】感温抵抗体パターンG、Hと厚膜体パター
ンA〜F、J、Kの関係、および感温抵抗体パターン
G、Hとスルーホール10〜13で形成された感温抵抗
回路は実施例1と同様である。すなわち感温部は、図5
の透視図で描かれた感温抵抗体の直列接続回路で構成さ
れる。実施例2の製造方法は次の通りである。
【0100】(1)材料の製造 感温部抵抗体(パターンG、H)材料、印刷用接続部
(65、66、スルーホール10〜13)材料、厚膜用
導体(15)材料および絶縁体(14)材料を実施例1
と同様に製造し、感温抵抗体塗料、導体塗料、絶縁体塗
料を得た。ただし、感温抵抗体材料、印刷用接続部材
料、および厚膜用導体材料には、実施例1と異なり、硼
化チタンに代えて、平均粒径2μmの炭化チタンを、
1、3、または5重量%含有したものと、平均粒径1μ
mの硼化チタン1重量%と炭化チタン3重量%をそれぞ
れ含有したもの、および硼化チタン2重量%と炭化チタ
ン1重量%それぞれ含有したものの計5種類の硼化チタ
ンおよび炭化チタンの含有量の異なる計5種類の感温抵
抗体材料、印刷用接続部材料、および厚膜用導体材料を
得た。
【0101】(2)シートの製造 上記工程で製造した厚膜用導体塗料と絶縁体塗料とを、
実施例1と同様に乾燥後の厚さが35μmになるように
シートコーターでポリエチレンフィルム上に塗布膜の幅
を80mmにそれぞれ成膜し、導体シートおよび絶縁体
シートを得た後、成膜した導体シートおよび絶縁体シー
トを長さ100mmに切断した。
【0102】(3)厚膜の製造 温度センサーを構成する厚膜層は、実施例1と同様の工
程により図3でパターンA、Bと、スルーホール10〜
13に導体15層と硼化チタンと炭化チタンの含有量が
同じである接続部材料が埋め込まれたパターンC〜Fの
4種類の厚膜と、図9(b)、(c)に示されるパター
ンJ、Kの長さ100mm、幅80mm、厚さ35μm
である8種類の厚膜を得た。次に、厚膜パターンJ、K
にパンチで打ち抜き部51、52を開けた。
【0103】(4)積層体の製造 実施例1と同様に、図11に示す構造となるように積層
するために、各層に相当するシートを準備する。準備す
るシートは硼化チタンと炭化チタンの含有量が同じもの
同士で組み合わせを作る。次に実施例1と同様に、0.
1kg/cm2の圧力を10秒間加え、積層した。積層
終了後、積層体を加圧用金型に入れ、1.5kg/cm
2の圧力を300秒間加えた。
【0104】(5)積層体の切断 次に、実施例1と同様に、両面テープを貼り付けた切断
用基板に、積層体を貼り付け、幅2.4mmピッチでダ
イヤモンド刃で切断し、長さ50mm、厚さ1.5mm
の積層体試料30本を得た。
【0105】(6)焼結体の製造 切断後の積層体を、窒化硼素の基板に積載し、600℃
の窒素ガス中で2時間脱バインダーを行った後、炭化チ
タンを1重量%含有する試料は、1700℃のアルゴン
ガス中で2時間焼成した後、1650℃、2000気圧
のアルゴンガス中で2時間焼成し、その後、1400℃
の空気中で1時間表面酸化処理を行った。硼化チタンと
炭化チタンの含有量の合計が3重量%の試料は、165
0℃のアルゴンガス中で2時間焼成し、さらに、160
0℃、2000気圧のアルゴンガス中で2時間焼成後、
1400℃の空気中で1時間表面酸化処理を行った。硼
化チタンと炭化チタンの含有量の合計が3重量%を超え
る試料は、1600℃のアルゴンガス中で2時間焼成
し、さらに、1550℃、2000気圧のアルゴンガス
中で2時間焼成後、1400℃の空気中で1時間表面酸
化処理を行った。
【0106】(7)接続端子加工 表面酸化処理後、図11に示す電極部62、63の積層
端面および上部をサンドブラスト加工した。サンドブラ
スト加工した電極部62、63にニッケルメッキ用のパ
ラジウム触媒を印刷し、乾燥後に熱処理し、その後ニッ
ケル無電解メッキを施した。このようにして得られた抵
抗型温度センサー素体は、図12に示すように、電極部
62、63が一端側にあり、他端側に凹部53、54の
底面を両端面とした感温部61が形成される。電極部6
2、63と感温部61との間が接続部65、66とな
る。
【0107】(8)素子の組み立て、加工 ニッケル無電解メッキを施した電極部62、63を洗浄
乾燥した後、図8(b)に示したリード部材41、4
2、アルミナ管45、セラミックセメント46を用いて
抵抗型温度センサーを実施例1と同様に組み立てた。
【0108】[実施例1、2の評価]このようにして得
られた実施例1、実施例2の温度センサーの組み立て体
の電気的特性を測定した。各グラフに示す試料A0〜A
3は実施例1、B1〜B5は実施例2に関する材料を用
いた場合であり、それぞれ下記の材料を示す。 A0:感温抵抗体材料、印刷用接続部材料、および厚膜
用導体材料に硼化チタンを含有していないもの。 A1:感温抵抗体材料、印刷用接続部材料、および厚膜
用導体材料に硼化チタンを1重量%含有させたもの。 A2:感温抵抗体材料、印刷用接続部材料、および厚膜
用導体材料に硼化チタンを2重量%含有させたもの。 A3:感温抵抗体材料、印刷用接続部材料、および厚膜
用導体材料に硼化チタンを3重量%含有させたもの。 B1:感温抵抗体材料、印刷用接続部材料、および厚膜
用導体材料に炭化チタンを1重量%含有させたもの。 B2:感温抵抗体材料、印刷用接続部材料、および厚膜
用導体材料に炭化チタンを3重量%含有させたもの。 B3:感温抵抗体材料、印刷用接続部材料、および厚膜
用導体材料に炭化チタンを5重量%含有させたもの。 B4:感温抵抗体材料、印刷用接続部材料、および厚膜
用導体材料に硼化チタンを1重量%と炭化チタンを3重
量%含有させたもの。 B5:感温抵抗体材料、印刷用接続部材料、および厚膜
用導体材料に硼化チタンを2重量%と炭化チタンを1重
量%含有させたもの。
【0109】表1および表3は、それぞれ試料A0〜A
3、B1〜B5について、温度を25℃から1300℃
まで変化させた場合の各温度における抵抗値と、25℃
の抵抗値に対する各温度における抵抗値の変化率を示
す。
【0110】また、表2および表4は、それぞれ試料A
0〜A3、B1〜B5について、400℃の硝石融液中
に浸漬することによる時間経過に伴う抵抗値の変化と2
5℃の時の抵抗値に対する各温度における抵抗値の変化
率を示す。
【0111】さらに、図13、図14、図15、図16
はそれぞれ表1、表2、表3、表4をグラフ化したもの
である。
【0112】表1およびこれに対応した図13、並びに
表3およびこれに対応した図15のグラフによれば、実
施例1、実施例2の温度センサーはいずれも温度変化に
対して抵抗値は十分大きく変化していることが明らかで
ある。
【0113】また、表2およびこれに対応した図14、
並びに表4およびこれに対応した図16のグラフによれ
ば、実施例1、実施例2の温度センサーはいずれも十分
な応答速度をもって抵抗値が所期の値に変化しているこ
とが明らかである。
【0114】[硼化チタン、炭化チタンの添加量の検
討]実施例1において、感温抵抗体材料、印刷用電極部
材料、および厚膜用厚膜用導体材料の硼化チタンと炭化
チタンの含有量を、表5〜表8に示す量としたものであ
り、切断後の積層体を、窒化硼素の基板に積載し、60
0℃の窒素ガス中で2時間脱バインダーを行った後、ア
ルゴンガス中で1400℃〜1700℃の温度範囲で2
時間焼成し、さらに1400℃〜1650℃、2000
気圧のアルゴンガス中で2時間焼成後、1400℃の空
気中で1時間表面酸化処理を行った。
【0115】表9〜表12は、硼化チタンや炭化チタン
の添加量による性状である焼結体密度と、室温25℃と
1500℃の各抵抗値の比と、耐熱衝撃性試験の結果を
示すものである。これらの表において、各試料の値は、
添加量毎の各々の試料の中で、上記の温度範囲で焼成し
た中で最も優れた性状を示した試料の結果である。ま
た、これらの表における焼結体密度は理論密度に対する
割合であり、また、耐熱衝撃性は1500℃と室温25
℃の環境を交互に出し入れすることで評価した。表中、
試料番号に*印が付加されている試料は、硼化チタンと
炭化チタンの合計含有量が0.1〜5.5重量%を逸脱
した試料であることを示す。
【0116】[保護膜の検討]感温部や電極部は、緻密
なセラミックで覆われており、環境に対して安定性を保
つことができる。さらに、温度センサー素子を形成した
後で、図2に示すように、その表面にアルミナやシリカ
を主成分とする保護膜17を、焼成によって形成するこ
とにより、耐環境性を向上させることができる。これら
の保護膜はCVDにより形成するか、もしくはアルミナ
やシリカのスラリーに浸漬した後焼成することにより形
成することができる。表13に、表面にアルミナやシリ
カを主成分とする保護膜を形成した時の温度センサーの
性能を示す。表13から、保護膜17を設けることによ
り、応答性を損なうことなく、耐熱性を向上させること
ができることが分かる。また、保護膜17で感温部1を
覆うことにより、耐環境性も向上させることができる。
【0117】なお、これらの試料は、実施例1の試料A
0の表面に保護膜を形成したものであり、表13におけ
る試料1は酸化処理のみで表面に保護膜を形成しない場
合、試料2は表面にシリカを主成分とする保護膜を厚さ
20μmで形成した場合、試料3は表面にアルミナを主
成分とする保護膜を厚さ20μmで形成した場合、試料
4は表面にシリカを主成分とする膜を厚さ10μmで形
成した後、アルミナを主成分とする膜を厚さ20μmで
形成した場合である。
【0118】[実施例3]実施例1、2において用いら
れた金属珪化物は珪化モリブデンであるが、これ以外の
金属珪化物も抵抗型温度センサーを構成するセラミック
材料として使用できる。以下珪化モリブデン以外の金属
珪化物を使用した例について説明する。
【0119】(1)材料の製造 実施例1、2と同様の工程により、感温抵抗体塗料、導
体塗料、絶縁体塗料を得た。感温抵抗体材料、印刷用接
続部材料、厚膜用導体材料の組成として、平均粒径3μ
mの珪化タングステンを40体積%、平均粒径0.4μ
mのアルミナを60体積%、硼化チタンおよび炭化チタ
ンを含まないもの(C0)と、平均粒径1μmの硼化チ
タンを2重量%の組成で含むもの(C1)と、平均粒径
2μmの炭化チタンを3重量%の組成で含むもの(C
2)と、硼化チタンを2重量%と炭化チタンを2重量%
含むもの(C3)、すなわち実施例1、2と同様に、炭
化チタンと硼化チタンの含有量の異なる4種類の感温抵
抗体塗料および導体塗料を得た。
【0120】(2)シートの製造 上記工程で製造した厚膜用導体塗料と絶縁体塗料を、実
施例1、2と同様に乾燥後の厚さが35μm、塗布膜の
幅を80mmでシートコーターでポリエチレンフィルム
上にそれぞれ成膜し、導体シートおよび絶縁体シートを
得た。そして実施例1、2と同様に長さ100mmに切
断した。 (3)厚膜の製造 実施例1、2と同様の工程により、図3で示されるパタ
ーンA、B、スルーホールに導体と硼化チタンと炭化チ
タンの含有量が同じである接続部材料が埋め込まれたパ
ターンC〜Fの合計6種類の厚膜と、図9においてパタ
ーンJ、Kとして示された打ち抜き部51、52がそれ
ぞれ形成された厚膜の長さ100mm、幅80mm、厚
さ35μmの計8種類の厚膜を得た。
【0121】(4)積層体の構造 実施例2と同様に、図10、図11に示す構造となるよ
うに、0.1kg/cm2の圧力を10秒間加えて積層
した。所定の積層が終了した後、スタック用基板から積
層体を外し、加圧用金型に入れ、1.5kg/cm2
圧力を300秒間加えた。
【0122】(5)積層体の切断 次に、実施例1、2と同様に、幅2.4mmピッチでダ
イヤモンド刃で切断し、長さ50mm、厚さ1.5mm
の積層体試料30本を得た。
【0123】(6)焼結体の製造 切断後の積層体を、窒化硼素の基板に積載し、窒素ガス
中で600℃で2時間脱バインダーを行った後、硼化チ
タンと炭化チタンを含有しない試料と硼化チタンを2重
量%含有する試料は、1700℃のアルゴンガス中で2
時間焼成した後、1650℃、2000気圧のアルゴン
ガス中で2時間焼成し、その後、1400℃の空気中で
1時間表面酸化処理を行った。また、炭化チタンを含有
する量が3重量%の試料は、1650℃のアルゴンガス
中で2時間焼成し、さらに1600℃、2000気圧の
アルゴンガス中で2時間焼成し、その後、1400℃の
空気中で1時間表面酸化処理を行った。また、硼化チタ
ンを2重量%と、炭化チタンを2重量%含有する試料
は、1600℃のアルゴンガス中で2時間焼成し、さら
に1550℃、2000気圧のアルゴンガス中で2時間
焼成し、その後、1400℃の空気中で1時間表面酸化
処理を行った。
【0124】(7)接続端子加工 前述のように表面酸化処理後、実施例1、2と同様に、
端子電極部の積層端面および上部をサンドブラスト加工
した。サンドブラスト加工後、ニッケルメッキ用のパラ
ジウム触媒を印刷、乾燥、熱処理した後、ニッケル無電
解メッキを施し、図12に示す外観の抵抗型温度センサ
ーを得た。
【0125】(8)素子の組み立て、加工 実施例1、2と同様に、ニッケル無電解メッキを施し、
洗浄乾燥後、図8に示したように、リード部材41、4
2に抵抗型温度センサーの電極部を挟持させ、そのニッ
ケルメッキ膜部分と銀蝋で接合した。そして素体をリー
ド部材41、42に挟持させたものをアルミナ管45に
挿入し、セラミックセメント46を充填し、90℃で
0.5時間乾燥した後、120℃で2時間熱処理硬化し
た。
【0126】[実施例4] (1)材料の製造 感温抵抗体材料、印刷用接続部材料、厚膜用導体材料、
および絶縁体材料を実施例1〜3と同様の工程により、
感温抵抗体塗料、導体塗料、絶縁体塗料を得た。感温抵
抗体材料、印刷用接続部材料および厚膜用導体材料の組
成として、下記のように、金属珪化物の異なる試料Dの
群、試料Eの群および試料Fの群について、それぞれ硼
化チタンと炭化チタンの含有量の異なる各々4種類の感
温抵抗体塗料および導体塗料を得た。
【0127】試料Dの群:平均粒径2.5μmの珪化ク
ロムを40体積%、平均粒径0.4μmのアルミナを6
0体積%、硼化チタンおよび炭化チタンを含まないもの
(D0)と、平均粒径1μmの硼化チタンを0.5重量
%の組成で含むもの(D1)と、平均粒径2μmの炭化
チタンを0.5重量%の組成で含むもの(D2)と、硼
化チタンを0.5重量%と炭化チタンを0.5重量%含
むもの(D3)。
【0128】試料Eの群:平均粒径3.4μmの珪化鉄
を40体積%、平均粒径0.4μmのアルミナを60体
積%、硼化チタンおよび炭化チタンを含まないもの(E
0)と、平均粒径1μmの硼化チタンを0.5重量%の
組成で含むもの(E1)と、平均粒径2μmの炭化チタ
ンを0.5重量%の組成で含むもの(E2)と、硼化チ
タンを0.5重量%と炭化チタンを0.5重量%含むも
の(E3)。
【0129】試料Fの群:平均粒径2μmの珪化クロム
を40体積%、平均粒径0.4μmのアルミナを60体
積%、硼化チタンおよび炭化チタンを含まないもの(F
0)と、平均粒径1μmの硼化チタンを0.5重量%の
組成で含むもの(F1)と、平均粒径2μmの炭化チタ
ンを0.5重量%の組成で含むもの(F2)と、硼化チ
タンを0.5重量%と炭化チタンを0.5重量%含むも
の(F3)。
【0130】また、絶縁体材料として、実施例1〜3と
同様の工程により製造し、絶縁体塗料を得た。
【0131】(2)シートの製造 上記工程で製造した厚膜用導体塗料と絶縁体塗料を、実
施例1ないし3と同様に乾燥後の厚さが35μm、塗布
膜の幅を80mmでシートコーターでポリエチレンフィ
ルム上にそれぞれ成膜し、導体シートおよび絶縁体シー
トを得た。そして実施例1〜3と同様に長さ100mm
に切断した。
【0132】(3)厚膜の製造 実施例1〜3と同様の工程により、図3で示されるパタ
ーンA、B、スルーホールに導体15の材料と硼化チタ
ンと炭化チタンの含有量が同じである接続部材料が埋め
込まれたパターンC〜Fの合計6種類の厚膜と、図9に
おいてパターンJ、Kとして示された打ち抜き部51、
52がそれぞれ形成された厚膜の長さ100mm、幅8
0mm、厚さ35μmの計8種類の厚膜を得た。
【0133】(4)積層体の構造 実施例2、3と同様に、図10、図11に示す構造とな
るように、0.1kg/cm2の圧力を10秒間加えて
積層した。所定の積層が終了した後、スタック用基板か
ら積層体を外し、加圧用金型に入れ、1.5kg/cm
2の圧力を300秒間加えた。
【0134】(5)積層体の切断 次に、実施例1〜3と同様に、幅2.4mmピッチでダ
イヤモンド刃で切断し、長さ50mm、厚さ1.5mm
の積層体試料30本を得た。
【0135】(6)焼結体の製造 切断後の積層体を、窒化硼素の基板に積載し、窒素ガス
中で600℃で2時間脱バインダーを行った後、125
0℃のアルゴンガス中で2時間焼成した後、さらにHI
P法により、1200℃、1500気圧のアルゴンガス
中で2時間焼成し、その後、1400℃の空気中で1時
間表面酸化処理を行った。
【0136】(7)接続端子加工 前述のように表面酸化処理後、実施例1〜3と同様に、
端子電極部の積層端面および上部をサンドブラスト加工
した。サンドブラスト加工後、ニッケルメッキ用のパラ
ジウム触媒を印刷、乾燥、熱処理した後、ニッケル無電
解メッキを施し、図12に示す外観の抵抗型温度センサ
ーを得た。
【0137】(8)素子の組み立て、加工 実施例1〜3と同様に、ニッケル無電解メッキを施し、
洗浄乾燥後、図8に示したように、リード部材41、4
2に抵抗型温度センサーの電極部を挟持させ、そのニッ
ケルメッキ膜部分と銀蝋で接合した。そして素体をリー
ド部材41、42に挟持させたものをアルミナ管45に
挿入し、セラミックセメント46を充填し、90℃で
0.5時間乾燥した後、120℃で2時間熱処理硬化し
た。
【0138】[実施例3、4の評価]このようにして得
られた実施例3、4の温度センサー組み立て体の電気的
特性の測定結果を、それぞれ実施例3、4の(1)材料
の製造において示した各組成の材料を使用したものC0
〜C3、D0〜D3、E0〜E3、F0〜F3につい
て、表14〜表21に示す。
【0139】表14、表16、表18および表20に示
されたものは、それぞれ試料C0〜C3、D0〜D3、
E0〜E3、F0〜F3について、温度を25℃から1
300℃まで変化させた場合の各温度における抵抗値
と、25℃の抵抗値に対する変化率を示す。
【0140】また、表15、表17、表19、表21
は、それぞれ試料C0〜C3、D0〜D3、E0〜E
3、F0〜F3について、400℃の硝石融液中に浸漬
することによる時間経過に伴う抵抗値の変化と25℃の
時の抵抗値に対する変化率を示す。さらに、図17〜図
24はそれぞれ表14〜表21をグラフ化したものであ
る。
【0141】表14、表16、表18および表20並び
にこれらにそれぞれ対応した図17、図19、図21、
図23のグラフによれば、実施例3、実施例4の温度セ
ンサーはいずれも温度変化に対して抵抗値は十分大きく
変化していることが明らかである。
【0142】また、表15、表17、表19、表21お
よびこれらにそれぞれ対応した図18、図20、図2
2、図24のグラフによれば、実施例3、実施例4の温
度センサーはいずれも十分な応答速度をもって抵抗値が
所期の値に変化していることが明らかである。
【0143】
【表1】
【表2】
【0144】
【表3】
【表4】
【0145】
【表5】
【0146】
【表6】
【0147】
【表7】
【0148】
【表8】
【0149】
【表9】
【0150】
【表10】
【0151】
【表11】
【0152】
【表12】
【0153】
【表13】
【0154】
【表14】
【表15】
【0155】
【表16】
【表17】
【0156】
【表18】
【表19】
【0157】
【表20】
【表21】
【0158】
【発明の効果】請求項1によれば、感温抵抗体として、
絶縁体であるアルミナと熱膨張係数が同じ程度に小さい
金属珪化物を用い、これらを交互に積層した積層体によ
って温度センサーを構成したので、アルミナを主成分と
する絶縁セラミック材料より優れた熱衝撃特性を有する
金属珪化物を主体とする導体材料の熱衝撃特性を殆ど損
なわない優れた熱衝撃特性を有するものが得られる。
【0159】また、このように熱衝撃特性が優れている
ため、感温部の熱容量が小さい寸法でも十分な機械的強
度が得られ、感温部の熱容量を小さくでき、速い応答速
度が得られる温度センサーが実現される。
【0160】また、アルミナを主成分とする絶縁セラミ
ック材料は、十分な耐熱性、耐環境性を有している上、
珪化モリブデン等の金属珪化物を主体とする導体材料
は、空気中で熱処理されることにより、その表面にシリ
カの膜を形成し、このシリカの膜が形成された珪化モリ
ブデン等の金属珪化物を主体とする導体材料は、十分な
耐熱性、耐環境性を有しているため、耐熱性、耐環境性
の十分な温度センサーが得られる。
【0161】請求項2によれば、外部との接続用電極部
と、該電極部と感温抵抗体との間の電極部も、金属珪化
物を含む導体材料により構成し、これらとアルミナを主
成分とする絶縁体との積層焼結体を構成したので、温度
センサー素体全体の耐熱性、耐環境性、熱衝撃特性、強
度の向上、小型化が達成できる。
【0162】請求項3によれば、前記温度センサーにお
いて、積層方向に隣接する感温抵抗体間を、スルーホー
ルに前記感温抵抗体、電極部または電極部と同一材料に
よって充填された導体によって接続したので、各感温抵
抗体間のスルーホール形成部分における接着強度が確保
される。
【0163】請求項4によれば、前記電極部を形成する
導体層と、アルミナを主成分とする絶縁体層とが厚膜積
層により同層に横並びに形成され、電極部は、実質的
に、複数の導体層が絶縁体を介在させずに一体に積層、
焼結されて形成されてなるため、電極部の電気抵抗が小
さくなり、小型化に寄与しうる。
【0164】請求項5によれば、前記感温抵抗体が内蔵
された感温部の各層の感温抵抗体間に、絶縁体層を介し
て、前記電極部、接続部または感温部のいずれかと同じ
材料からなる導体層を介在させたので、単に各層の感温
抵抗体間をスルーホールによって接続する構造に比較
し、強度や熱衝撃特性等の向上に寄与できる金属珪化物
の層を増やすことができ、熱衝撃特性を向上させること
ができる。
【0165】請求項6によれば、前記感温抵抗体が内蔵
された感温部を、前記積層により形成される温度センサ
ー素体の厚さより薄く形成したので、感温部の熱容量を
さらに小さくすることができ、かつ十分な機械的強度を
呈する素体を実現することができる。
【0166】請求項7によれば、温度センサー素体の積
層方向の両端のうちの少なくとも一端において、感温部
の周囲に、前記感温部、電極部または電極部のいずれか
と同じ導体材料と絶縁体材料との積層部を形成すること
により、感温部の厚みを、温度センサー素体の厚みより
薄くしたので、シート法や印刷法による積層工程によ
り、感温部のみを薄くした素体を得ることができる。
【0167】請求項8によれば、電極部を除いた感温部
が、アルミナまたはシリカを主成分とする薄い保護層に
より覆われているため、さらに優れた耐熱性、耐環境性
が得られる。
【0168】請求項9によれば、感温抵抗体、電極部や
接続部の導体の金属珪化物をそれぞれ30体積%、50
体積%としたので、所望の抵抗値、導電性がえられる。
また、ムライト、マグネシアを混合することにより、所
望の抵抗値に調整できる。また、少なくとも絶縁体にシ
リカを混入することにより、感温部や接続部あるいは電
極部との接着性が向上する。
【0169】請求項10によれば、感温抵抗体や導体材
料に硼化チタンと炭化チタンの少なくともいずれかを加
えたことにより、請求項9の効果に加え、温度センサー
の熱衝撃特性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による抵抗型温度センサーの実施例1の
積層構造を示す斜視図である。
【図2】実施例1の積層構造を示す断面図である。
【図3】(a)〜(f)は実施例1に用いる厚膜のパタ
ーン図である。
【図4】(a)〜(d)は実施例1に用いる厚膜のパタ
ーンと感温抵抗体パターンとの関係を示す斜視図であ
る。
【図5】実施例1の感温抵抗体回路の透視図である。
【図6】(a)〜(d)は図3のパターンBの組み立て
工程の一部を示す斜視図である。
【図7】(a)、(b)は図3のパターンBの組み立て
工程の残部を示す側面図である。
【図8】(a)〜(d)は実施例1の温度センサーの組
み立て工程を示す斜視図である。
【図9】(a)は実施例2〜4の外観図、(b)、
(c)は新たに使用される厚膜のパターン図である。
【図10】本発明による抵抗型温度センサーの実施例2
〜4の積層構造を示す斜視図である。
【図11】本発明による抵抗型温度センサーの実施例2
〜4の積層構造を示す断面図である。
【図12】本発明の実施例2〜4の外観図である。
【図13】本発明の実施例1の抵抗値の温度による変化
率を示すグラフである。
【図14】実施例1の抵抗値の変化の応答速度を示すグ
ラフである。
【図15】本発明の実施例2の抵抗値の温度による変化
率を示すグラフである。
【図16】本発明の実施例2の抵抗値の変化の応答速度
を示すグラフである。
【図17】本発明の実施例3の抵抗値の温度による変化
率を示すグラフである。
【図18】本発明の実施例3の抵抗値の変化の応答速度
を示すグラフである。
【図19】本発明の実施例4の抵抗値の温度による変化
率を示すグラフである。
【図20】本発明の実施例4の抵抗値の変化の応答速度
を示すグラフである。
【図21】本発明の実施例4の抵抗値の温度による変化
率を示すグラフである。
【図22】本発明の実施例4の抵抗値の変化の応答速度
を示すグラフである。
【図23】本発明の実施例4の抵抗値の温度による変化
率を示すグラフである。
【図24】本発明の実施例4の抵抗値の変化の応答速度
を示すグラフである。
【符号の説明】
1、61:感温部、2、3、62、63:電極部、4、
64:絶縁部、5、6:65、66:接続部、7、8:
保護層、10〜13:スルーホール、14:絶縁体、1
5:導体、17:保護膜、20、20A:素体、21:
ポリエチレンフィルム、22、25、26:導体厚膜、
23、24、29、30:切り込み、28、31:絶縁
体厚膜、41、42:リード部材、43、44:接続
部、45:アルミナ管、46:セラミックセメント、5
1、52:打ち抜き部、53、54:凹部、69、7
0:積層部、A〜F,J、K:厚膜パターン、G、H:
感温抵抗体パターン

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルミナを主成分とする絶縁体と、金属珪
    化物を含む感温抵抗体とを積層し焼結することにより積
    層体内部に感温抵抗回路を形成したことを特徴とする抵
    抗型温度センサー。
  2. 【請求項2】金属珪化物を含む導体材料により、少なく
    とも、感温抵抗体と、外部との接続用電極部と、該電極
    部と感温抵抗体との間の接続部とからなる感温抵抗回路
    を形成し、 アルミナを主成分とする絶縁体と前記感温抵抗回路を含
    む積層焼結体を構成したことを特徴とする抵抗型温度セ
    ンサー。
  3. 【請求項3】金属珪化物を含む導体材料により、少なく
    とも、感温抵抗体と、外部との接続用電極部と、該電極
    部と感温抵抗体との間の接続部とからなる感温抵抗回路
    を形成し、 アルミナを主成分とする絶縁体と前記感温抵抗回路を含
    む積層焼結体を、感温抵抗体を複数層内蔵させて構成
    し、 積層方向に隣接する感温抵抗体間を、スルーホールに前
    記感温抵抗体、電極部または接続部と同一材料によって
    充填された導体によって接続したことを特徴とする抵抗
    型温度センサー。
  4. 【請求項4】金属珪化物を含む導体材料により、少なく
    とも、感温抵抗体と、外部との接続用電極部と、該電極
    部と感温抵抗体との間の接続部とからなる感温抵抗回路
    を形成し、 前記電極部を形成する導体層と、アルミナを主成分とす
    る絶縁体層とが厚膜積層により同層に横並びに形成さ
    れ、電極部は、実質的に、複数の導体層が絶縁体を介在
    させずに一体に積層、焼結されて形成されてなることを
    特徴とする抵抗型温度センサー。
  5. 【請求項5】請求項1から4までのいずれかにおいて、 前記感温抵抗体が内蔵された感温部の各層の感温抵抗体
    間に、絶縁体層を介して、前記電極部、接続部または感
    温部のいずれかと同じ材料からなる導体層を介在させた
    ことを特徴とする抵抗型温度センサー。
  6. 【請求項6】請求項1から5までのいずれかにおいて、 前記感温抵抗体が内蔵された感温部を、前記積層により
    形成される温度センサー素体の厚さより薄く形成したこ
    とを特徴とする抵抗型温度センサー。
  7. 【請求項7】請求項6において、 温度センサー素体の積層方向の両端のうちの少なくとも
    一端において、感温部の周囲に、前記感温部、接続部ま
    たは電極部のいずれかと同じ導体材料と絶縁体材料との
    積層部を形成することにより、感温部の厚みを、温度セ
    ンサー素体の厚みより薄くしたことを特徴とする抵抗型
    温度センサー。
  8. 【請求項8】請求項1から7までのいずれかにおいて、 少なくとも感温部が、アルミナまたはシリカを主成分と
    する保護膜により覆われていることを特徴とする抵抗型
    温度センサー。
  9. 【請求項9】請求項1から8までのいずれかにおいて、 前記感温抵抗体の材料の主成分は、主成分全体を100
    体積%として、金属珪化物を30〜100体積%、アル
    ミナを70体積%以下、ムライトを15体積%以下含有
    し、感温抵抗体の添加物は、前記主成分を含めて全体が
    100重量%となるように、マグネシアを5重量%以
    下、シリカを0.5重量%以下添加したものからなり、 前記電極部または前記接続部の導体材料の主成分は、主
    成分全体を100体積%として、金属珪化物を50〜1
    00体積%、アルミナを50体積%以下、ムライトを1
    5体積%以下含有し、電極部または接続部の導体材料の
    添加物は、前記主成分を含めて全体が100重量%とな
    るように、マグネシアを5重量%以下添加したものから
    なり、 前記絶縁体材料の主成分は、該主成分全体を100体積
    %として、アルミナを85〜100体積%、ムライトを
    15体積%以下含有し、該絶縁体材料の添加物は、前記
    主成分を含めて全体が100重量%となるように、マグ
    ネシアを0.5重量%以下、シリカを0.5重量%以下
    含有するものからなることを特徴とする抵抗型温度セン
    サー。
  10. 【請求項10】請求項1から8までのいずれかにおい
    て、 前記感温抵抗体の材料の主成分は、主成分全体を100
    体積%として、金属珪化物を30〜100体積%、アル
    ミナを70体積%以下、ムライトを15体積%以下含有
    し、感温抵抗体の添加物は、前記主成分を含めて全体が
    100重量%となるように、マグネシアを5重量%以
    下、シリカを0.5重量%以下添加したものからなり、 前記電極部または前記接続部の導体材料の主成分は、主
    成分全体を100体積%として、金属珪化物を50〜1
    00体積%、アルミナを50体積%以下、ムライトを1
    5体積%以下含有し、電極部または接続部の導体材料の
    添加物は、前記主成分を含めて全体が100重量%とな
    るように、マグネシアを5重量%以下添加したものから
    なり、 前記感温抵抗体の材料、前記電極部または前記接続部の
    材料の少なくとも1つが、硼化チタンまたは炭化チタン
    の少なくともいずれかを含み、かつこれらの材料全体を
    100重量%として、硼化チタンと炭化チタンとの合計
    が0.1〜5.5重量%添加され、 前記絶縁体材料の主成分は、該主成分全体を100体積
    %として、アルミナを85〜100体積%、ムライトを
    15体積%以下含有し、該絶縁体材料の添加物は、前記
    主成分を含めて全体が100重量%となるように、マグ
    ネシアを0.5重量%以下、シリカを0.5重量%以下
    含有するものからなることを特徴とする抵抗型温度セン
    サー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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