JPH09275002A - 厚膜抵抗体とそれを用いたチップ抵抗器およびその製造方法 - Google Patents

厚膜抵抗体とそれを用いたチップ抵抗器およびその製造方法

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JPH09275002A
JPH09275002A JP8083682A JP8368296A JPH09275002A JP H09275002 A JPH09275002 A JP H09275002A JP 8083682 A JP8083682 A JP 8083682A JP 8368296 A JP8368296 A JP 8368296A JP H09275002 A JPH09275002 A JP H09275002A
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剛司 檜森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種電気機器回路部品に使用される卑金属合
金抵抗器を作製することにおいて、抵抗体と基材の接着
強度を高め、低抵抗値、低TCR特性を実現することを
目的とする。 【解決手段】 抵抗体ペースト組成に銅/ニッケル合金
粉中に焼結助剤として銅粉を存在させ、そのペーストを
基材上に印刷し、窒素雰囲気或いは還元雰囲気中にて焼
成を行って抵抗器を作製することにより合金/銅粉界面
にて銅の活性な反応性を利用して合金抵抗膜の焼結を十
分に行い、速い抵抗膜の結晶成長を実現し、合金抵抗体
膜成分に銅元素を十分に拡散させることによって高接着
強度、低抵抗値、低TCR抵抗器を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子回路に広く使わ
れるチップ抵抗器に関し、特に低抵抗、低TCR特性を
有する高精度厚膜抵抗体とそれを用いたチップ抵抗器お
よびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話、ムービー、ノートパソ
コンなどに代表されるように、小型電子機器の需要は高
まる一方であり、今後これらの電子機器の小型化、高性
能化はこれに用いられるチップ型電子部品の小型化、高
性能化に依存していると言って過言でない。厚膜抵抗体
としては酸化ルテニウムおよびその複合酸化物であるル
テニウム酸ビスマスやルテニウム酸鉛を主成分とする組
成物が知られており(特公昭58−37963号公
報)、種々の分野で利用されている。
【0003】従来のチップ抵抗器の製造方法の一例につ
いて図面に基づいて説明する。図3は、従来の角形チッ
プ抵抗器の構造の一例を示す斜視図であり、図4は図3
のA−A′部における断面図である。まず、96%アル
ミナからなるチップ状のアルミナ基板10の上面に、上
面電極11を形成する。次にアルミナ基板10の上面の
一部に、上記上面電極と接続するように抵抗体12を形
成する。この抵抗体12を完全に覆うように、ホウケイ
酸鉛系ガラスからなる保護膜14を形成する。一般的に
は、上記保護膜14は、スクリーン印刷によりパターン
形成を行った後、500〜800℃という高温で焼成す
る事により形成される。次に上記アルミナ基板10の端
面部に、上面電極11とを接続するようにAg系の厚膜
でなる端面電極13を形成する。この端面電極13は、
一般に600℃付近の高温で焼成する事により形成され
る。最後に、はんだ付けを行うときの信頼性を確保する
ために、上記端面電極13を覆うようにNiめっき膜1
5を電気めっきにより形成し、そしてはんだめっき膜1
6をこのNiめっき膜15を覆うように形成する。
【0004】上記のような製造方法にて製造されるチッ
プ抵抗器においては、抵抗体となる導電粒子として酸化
ルテニウムを主成分とする厚膜グレーズ抵抗体材料が用
いられる。酸化ルテニウムのみからなる抵抗体材料では
抵抗値の温度変化を示す抵抗温度係数(以下、TCRと
いう)を、金属酸化物などのTCR調整材を添加するこ
とにより±50ppm/℃程度以内という低い値にする
ことが可能である。しかし、このような抵抗体材料を用
いた場合、酸化ルテニウムの比抵抗が高いために、1Ω
以下の低い抵抗値を有するチップ抵抗器を形成すること
ができない。そのため、銅/ニッケル合金はJIS C
2521や同C2532に記載されているように温度抵
抗係数の小さい標準抵抗組成物として公知のものであ
る。この合金材料を箔または板の形状に加工してアルミ
ナ基板上に張りつける構造をとったり、最近では銅粉、
ニッケル粉そしてガラスフリットを有機ビヒクルにて混
練した抵抗体ペーストをアルミナ基板上に印刷した後、
不活性雰囲気中にて焼成する事によって合金膜を形成す
る特許が公開されている(特開平2−308501号公
報、特開平3−270104号公報参照)。
【0005】合金箔或いは合金板を加工する方法はチッ
プ部品の形状が益々小型化の方向に進んでおり限界があ
る。またコスト的にも印刷方法に比較して不利であり、
あまり量産性に優れているとはいえない。
【0006】また、前記公開特許などにみられる銅、ニ
ッケル粉を用いたペースト法では抵抗値が100mΩ以
上であり、さらに低い抵抗値の実現が困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のごとく、チップ
抵抗器の形状は益々小型化の傾向となる一方、電子回路
の電流検出などに用いられる低抵抗でかつ低TCR特性
を有するチップ抵抗器が求められていた。
【0008】本発明は1Ω以下特に100mΩ以下の低
抵抗を持ち、かつ低TCRの特性を有する厚膜抵抗体と
それを用いたチップ抵抗器およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のチップ抵抗器は
絶縁基板と、この絶縁基板の少なくとも片面に形成した
銅−ニッケル合金からなる抵抗層と前記絶縁基板の対向
する一対の両端部に前記抵抗層を接続するように設けた
端面電極とを有するチップ抵抗器である。特に抵抗層が
銅/ニッケル合金粉に銅粉、ガラスフリット及び有機ビ
ヒクル成分からなる厚膜抵抗体ペーストを印刷し、焼成
して形成した合金抵抗層からなるものである。
【0010】本発明により、低抵抗でかつ低TCRのチ
ップ抵抗器が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1記載の発明は絶
縁基板と、この絶縁基板の少なくとも片面に形成した銅
/ニッケル合金からなる抵抗層と前記絶縁基板の対向す
る一対の両端部に前記抵抗層を接続するように設けた端
面電極とを有するチップ抵抗器としたものであり、低抵
抗、低TCRのチップ抵抗器を得ることができる。
【0012】請求項2に記載の発明は抵抗層が銅/ニッ
ケル合金粉に銅粉、ガラスフリット及び有機ビヒクル成
分からなる厚膜抵抗体ペーストを印刷し、焼成して形成
した合金層からなるものであり、低抵抗、低TCR特性
が得られる。
【0013】請求項3に記載の発明は抵抗層が、銅/ニ
ッケル合金比において88/12〜37/63からなる
ものでありこの組成範囲において低抵抗、低TCR特性
が得られる。
【0014】請求項4に記載の発明はガラスフリットが
硼硅酸鉛系、硼硅酸亜鉛系またはこれらの混合物系であ
るとしたものであり、アルミナ基板に対して高接着強度
を実現するという作用を有する。
【0015】請求項5に記載の発明はガラスフリット成
分が金属成分に対して重量比で0.5〜10%からなる
厚膜抵抗体としたものであり、高接着強度、低抵抗、低
TCR特性を実現する。
【0016】請求項6に記載の発明は抵抗体組成物を窒
素雰囲気下で600〜1000℃の温度にて焼成して得
られる厚膜抵抗体としたものであり、高接着強度、低抵
抗、低TCR特性を実現する。
【0017】請求項7に記載の発明は抵抗体組成物を水
素を含んだ還元雰囲気下で600〜1000℃の温度に
て焼成して得られる厚膜抵抗体としたものであり、高接
着強度、低抵抗、低TCR特性を実現する。
【0018】請求項8に記載の発明は絶縁基板の少なく
とも片面に銅/ニッケル合金粉と銅粉およびガラスフリ
ットを含んだ厚膜抵抗体を形成し、熱処理によって抵抗
層を形成する工程と、前記絶縁基板の対向する一対の両
端部に前記抵抗層と接続するように端面電極を形成する
工程とを有することを特徴とするチップ抵抗器の製造方
法であり高接着強度、低抵抗、低TCR特性を実現する
チップ抵抗器を実現する。
【0019】請求項9に記載の発明は絶縁基板の少なく
とも片面に銅/ニッケル合金粉と銅粉およびガラスフリ
ットを含んだ厚膜抵抗体を形成し、前記絶縁基板の対向
する一対の両端部に前記抵抗層と接続するように端面電
極を形成する工程とを形成した後、同時熱処理によって
抵抗層と端面電極を形成する工程とを有することを特徴
とするチップ抵抗器の製造方法であり高接着強度、低抵
抗、低TCR特性を実現する。
【0020】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図2を用いて説明する。図1は本発明の構造図を示
し、図1において抵抗層は低抵抗、低TCR特性を有す
るもので、抵抗層が銅/ニッケル合金粉に銅粉、ガラス
フリット及び有機ビヒクル成分からなる厚膜抵抗体ペー
ストを印刷し、請求項6,7記載の焼成条件にて焼結さ
せた合金層から構成される。
【0021】図2は本発明の製造方法を示し、請求項
2,3,4,5記載の厚膜抵抗体のペーストを用いてア
ルミナ基板上に請求項6,7の条件にて焼結させて高接
着強度、低抵抗、低TCR特性を有するチップ抵抗器を
得る。
【0022】このような構成によって、低抵抗値を有し
ながら同時に低TCR特性を有する高精度のチップ抵抗
器を安価な製造方法で得ることができる。合金成分と金
属膜の焼結助剤としての銅粉が十分に拡散することによ
って金属膜の膜質が緻密になるとともに、絶縁体基板と
の密着性の向上に対してはガラスフリットの比率によっ
て得られるというそれぞれの役割を分担させた抵抗体膜
が形成されることによって実現できるものである。
【0023】(実施の形態1)図1は本実施の形態のチ
ップ抵抗器の断面を示す。このチップ抵抗器において
は、方形の基板1の片面に第1表に示す合金組成になる
抵抗体ペーストを用いてスクリーン印刷などの厚膜技術
により抵抗層3を形成し、そしてこの抵抗層3の一部を
覆うように保護膜層4を形成する。つぎに基板1の対向
する一対の両端部をコ字状に覆い、かつ、抵抗層3の保
護膜層4で覆われていない部分とを接続するように、端
面電極5を形成する。さらにこの端面電極5を覆うNi
めっき膜6を形成し、このNiめっき膜6上にはんだめ
っき膜7を形成する。
【0024】抵抗体ペーストの作製方法について以下に
示す。銅/ニッケル合金粉は平均粒子径12μmのアト
マイズ粉を用い、銅粉は平均粒子径2μmの球状粉を用
いた。これにガラスフリットを添加した混合粉体を無機
組成物とした。本実施の形態1では合金粉;90重量
%、銅粉;10重量%の比率にて混合し、銅/ニッケル
の合金比率は第1表に示した組成になるように、最終の
焼成にて焼結助剤として添加された銅粉量を考慮しなが
ら合金組成を検討した(例えば、焼成後において80/
20の合金組成比にする場合に、75/25の合金比組
成の合金粉に対して銅粉を添加して焼成する事によって
銅が合金相に拡散し、最終の合金組成比である80/2
0とする事ができる)。
【0025】ガラスフリットは硼硅酸鉛ガラスを金属粉
に対して3重量%の割合にて添加した。また、ビヒクル
成分には有機バインダであるエチルセルロースをターピ
ネオールで溶かしたものを用い、これを有機ビヒクル組
成物とした。これらの無機組成物と有機ビヒクル組成物
を三本ロールにて混練し抵抗体ペーストとした。このよ
うにして調製した抵抗体ペーストをスクリーン版を用い
て基板1(96%アルミナ基板)上に印刷し、100℃
の温度で10分間乾燥させた。次にこの基板1を窒素雰
囲気焼成のできるベルト炉を用いて、(表1)に示すと
ころの焼成温度及びイン−アウト60分の焼成プロファ
イルにて抵抗体の焼成を行って抵抗層3を形成し、端面
電極5として銅電極を設けた後、抵抗値、抵抗値の温度
係数(TCR)、基板1との接着強度について評価し
た。
【0026】また、比較例として合金粉とガラスと有機
ビヒクルを前記と同様にペースト化したものを基板1
(96%アルミナ基板)上に印刷し、100℃の温度で
10分間乾燥させた後、N2雰囲気下で900℃−10
分の焼成条件にて加熱して、抵抗体の焼成を行った。
【0027】次に焼成後の抵抗器の評価方法について示
す。抵抗値は試料を温度25±3℃、湿度65±10%
RHの雰囲気に30分間以上静置したのち4端子法で求
めた。抵抗体の接着強度は直径1.3mmの円柱金属を抵
抗体表面に樹脂接合し、抵抗体と垂直方向に金属円柱を
引き上げて抵抗体と基材が剥離する力を求めた。また、
TCR特性は抵抗器を恒温槽に入れ試料を温度雰囲気に
30分間以上静置したのち25℃と125℃の抵抗値を
測定しその変化率を求めた。
【0028】作製した抵抗器の合金層断面部をX線回折
装置を用いて結晶構造を明らかにした。
【0029】
【表1】
【0030】(表1)の結果より、合金粉のみにて作成
された比較例の抵抗体膜は合金粉の反応性が低いこと、
粒径が大きいことなどから十分に抵抗値が下がらないこ
とが分かる。その時の膜質を断面観察すると合金膜の密
度が低く空隙が多くみられ焼結による緻密化が十分に進
んでいないことが分かった。一方本発明方法にて作製さ
れた合金膜は微粉の銅粉が合金粉の隙間に介在するため
に銅の反応性を利用して合金粉の表面を活性化させ、銅
元素の拡散焼結によって焼結後は均一な合金相を形成す
る。焼結後の金属膜をX線回折装置にて解析したところ
均一な銅/ニッケル合金相を形成している事が分かっ
た。さらに、膜質を走査型電子顕微鏡にて観察したとこ
ろ空隙の殆ど無い緻密な焼結膜が得られていることが分
かった。
【0031】次に図2の工程図に従ってこのチップ抵抗
器の具体的な製造方法を説明する。銅/ニッケル合金粉
末と銅粉末、ガラスフリットの比率を変えた抵抗体組成
物を三本ロールミルにより混合し、粘度20〜25万パ
スカル・秒の抵抗体ペーストを調製した。
【0032】このペーストをアルミナ基板にスクリーン
印刷により塗布し、乾燥後(抵抗体サイズ:2mm角、乾
燥膜厚:40μm)、窒素雰囲気下で900℃にて10
分間保持して焼成し抵抗体膜を作製した。ついで端面電
極として市販の銅電極ペーストを用いて端面に膜厚約5
0〜100μmになるように塗布し、窒素雰囲気にて8
50℃にて10分間焼成して端面電極を形成した。その
後YAGレーザーにより抵抗体膜を切断トリミングす
る。そして次に保護膜として樹脂ペーストを抵抗体上に
印刷・硬化(硬化膜厚:40μm、150℃にて30分
間硬化保持)して抵抗体を作製した。
【0033】その後、チップ部品とするためにニッケル
めっきおよびはんだめっきを端面に処理することによっ
て実装時のはんだ濡れ性を高める設計を実施した。この
ような製造方法にて得られた抵抗器は(表1)から明ら
かなように、銅/ニッケル合金粉組成と焼結助剤である
銅粉の混合比率を変えることにより、抵抗温度係数(T
CR特性)は400〜−200ppm/℃の範囲で調節
可能であり、また、抵抗値も10mΩまでの低抵抗値範
囲までカバーできる。しかも、抵抗体として要求される
接着強度も優れている。また、その他の信頼性評価にお
いても実用上十分な抵抗体としての耐久性を有してい
た。
【0034】保護膜として本実施例では樹脂ペーストを
用いたが、通常よく使われるガラスペーストを用いても
同じ結果が得られることが容易に考えられる。
【0035】図2において抵抗体と端面電極とを個別に
焼成したが、抵抗体と端面電極とを同時に焼成しても何
ら支障は無く、同じ結果が得られることは言うまでもな
い。
【0036】(実施の形態2)(表2)に示すところの
合金粉と(表2)に示すところの銅粉の混合比組成のも
のを用い、実施の形態1と同様にして調製した抵抗体ペ
ーストを(表2)に示すところの焼成温度にしたほかは
実施の形態1と同様にして印刷焼成して厚膜抵抗体を作
製した。
【0037】このようにして作製した厚膜抵抗体の抵抗
値、基材との接着強度、抵抗値の温度係数(TCR)に
ついて評価した。
【0038】また、比較例として合金粉とガラスフリッ
トと有機ビヒクルを実施の形態1と同様にペースト化し
たものをスクリーン版を用いて基板1(96%アルミナ
基板)上に印刷し、100℃の温度で10分間乾燥させ
た後、実施の形態1と同様に端面電極を形成し、N2
囲気下で1000℃に加熱して、抵抗体の焼成を行っ
た。
【0039】焼成後の抵抗器の評価方法も実施の形態1
と同様の方法で求めた。結果を(表2)に示す。
【0040】
【表2】
【0041】(表2)から明らかなように、合金粉に焼
結助剤として銅粉を添加し、焼成時に銅元素が合金相と
熱拡散反応によって均一な合金相を形成することによっ
て銅/ニッケル合金の優れたTCR特性を示すとともに
焼結が十分に進むことによって抵抗値も非常に低い特性
を示す抵抗器が得られることが分かる。焼成温度が90
0〜1000℃の範囲であれば、抵抗値、抵抗温度係数
について再現性が良好である。
【0042】(実施の形態3)ガラスフリットとして硼
硅酸鉛ガラスと硼硅酸亜鉛ガラスを用い、(表3)に示
す組成としたほかは実施の形態1と同様にして抵抗体ペ
ーストを調製し、実施の形態1と同様にして印刷焼成し
て厚膜抵抗体を作製した。
【0043】得られた厚膜抵抗体につき実施の形態1と
同様にして諸性能を調べた。結果を(表3)に示す。
【0044】
【表3】
【0045】(表3)から明らかなように、30mΩ近
辺の抵抗値を有し、抵抗温度係数±50ppm/℃以内
と非常に優れた抵抗体であり、各種電気特性の信頼性も
優れている。
【0046】比較例として(表3)の合金組成からなる
合金粉と有機ビヒクル成分とを3本ロールにて混練し
て、抵抗体ペーストを作製し、本実施例と同じ方法にて
作製した抵抗体膜はアルミナ基板との接着強度が殆ど得
られずに、アルミナ基板から抵抗体膜がはがれた。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、基板と高
接着強度を有し、低抵抗値、低TCR特性を有する抵抗
器を安価に製造できるという有利な効果が得られる。
【0048】以上のように本発明によれば、抵抗値が約
1Ω以下の低抵抗の厚膜抵抗体を提供することができ
る。しかも、得られる厚膜抵抗体は金属成分中の合金粉
と銅粉の比率を変えることにより抵抗温度係数を調節す
ることができ、また金属成分とガラスフリットの比率を
変えることにより抵抗値も調節できる。
【0049】本発明の厚膜抵抗体組成物は抵抗値を下げ
る意味からも高温(600〜1000℃)での焼成であ
り、ガラスフリットはガラス転移点が450〜800℃
の高融点ガラスフリット、特に硼硅酸鉛ガラス系、硼硅
酸亜鉛ガラス系の1種または2種以上が好適である。抵
抗温度係数は一般にはゼロに近い方が好ましいのである
が±400ppm/℃の値が性能、価格などの観点から
求められている。
【0050】基材としては焼成温度である600〜10
00℃の温度に耐えられるものであればよく、たとえば
アルミナ、フォルステライト、ムライト、窒化アルミニ
ウムのほか、ガラスセラミック系の基板が広く使用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の抵抗器の断面模式図
【図2】本発明の一実施の形態の抵抗器の製造工程図
【図3】従来の抵抗器の斜視図
【図4】図3のA−A′部の断面図
【符号の説明】
1 基板 3 抵抗層 4 保護膜層 5 端面電極 6 Niめっき膜 7 はんだめっき膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柏木 吉成 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板と、この絶縁基板の少なくとも
    片面に形成した銅/ニッケル合金からなる抵抗層と前記
    絶縁基板の対向する一対の両端部に前記抵抗層を接続す
    るように設けた端面電極とを有するチップ抵抗器。
  2. 【請求項2】 抵抗層が銅/ニッケル合金粉に銅粉、ガ
    ラスフリット及び有機ビヒクル成分からなる厚膜抵抗体
    ペーストを印刷し、焼成して形成した合金層からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のチップ抵抗器。
  3. 【請求項3】 抵抗層が、銅/ニッケル合金比において
    88/12〜37/63からなる請求項1記載のチップ
    抵抗器。
  4. 【請求項4】 ガラスフリットが硼硅酸鉛系、硼硅酸亜
    鉛系またはこれらの混合物系である請求項2記載の厚膜
    抵抗体。
  5. 【請求項5】 ガラスフリット成分が金属成分に対して
    重量比で0.5〜10%からなる請求項2記載の厚膜抵
    抗体。
  6. 【請求項6】 請求項2,3,4または5記載の抵抗体
    組成物をチッ素雰囲気下で600〜1000℃の温度に
    て焼成して得られる厚膜抵抗体。
  7. 【請求項7】 請求項2,3,4または5記載の組成物
    を水素を含んだ還元雰囲気下で600〜1000℃の温
    度にて焼成して得られる厚膜抵抗体。
  8. 【請求項8】 絶縁基板の少なくとも片面に銅/ニッケ
    ル合金粉と銅粉およびガラスフリットを含んだ厚膜抵抗
    体を形成し、熱処理によって合金抵抗層を形成する工程
    と、前記絶縁基板の対向する一対の両端部に前記抵抗層
    と接続するように端面電極を形成する工程とを有するこ
    とを特徴とするチップ抵抗器の製造方法。
  9. 【請求項9】 絶縁基板の少なくとも片面に銅/ニッケ
    ル合金粉と銅粉およびガラスフリットを含んだ厚膜抵抗
    体を形成し、前記絶縁基板の対向する一対の両端部に前
    記抵抗層と接続するように端面電極を形成する工程とを
    形成した後、同時熱処理によって合金抵抗層と端面電極
    を形成する工程とを有することを特徴とするチップ抵抗
    器の製造方法。
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