JPH09270302A - 機能性部材及びその製造方法 - Google Patents

機能性部材及びその製造方法

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JPH09270302A
JPH09270302A JP10371896A JP10371896A JPH09270302A JP H09270302 A JPH09270302 A JP H09270302A JP 10371896 A JP10371896 A JP 10371896A JP 10371896 A JP10371896 A JP 10371896A JP H09270302 A JPH09270302 A JP H09270302A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温での機械的強度や耐熱衝撃性に優れた機
能性部材(例えば、サーミスタ、コンデンサー、バリス
ター、ヒーター)及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 酸化物層、又はY,Zr,Si,Al,
Mg,Ca,Li,Tiのうちの少なくとも1種の元素
を含む化合物からなる接合層が表面に形成された電気絶
縁用の非酸化物系セラミックス基板と、該基板の酸化物
層上に積層して設けられた機能性酸化物層と、該機能性
酸化物層に接続された対電極とからなる機能性部材、並
びに各構成要素を順次積層して積層体を形成し、次いで
該積層体を酸素の存在する雰囲気中で焼成することから
なる機能性部材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーミスタ,コン
デンサー,バリスター,ヒーター等として利用可能な機
能性部材及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーミスタ等の機能性部材は、一般的
に、電気絶縁用のセラミックス基板上に無機酸化物から
なる機能性物質(例:サーミスタ材)を積層させたもの
である。電気絶縁用のセラミックスとしては、無機酸化
物からなる機能性物質との接合強度(馴染み性)などを
考慮して、従来、アルミナ等の酸化物系セラミックスが
利用されていた。例えば、特開平7−29706号公報
には、電気絶縁用のセラミックス基板上に、サーミスタ
層と該サーミスタ層に接続された対電極とが設けられた
高温用温度センサにおいて、前記サーミスタ層がZnC
2 4 を含有している高温用温度センサが開示されて
おり、好ましいセラミックス基板として、アルミナ,ム
ライト,MgO,ZrO2 ,TiO2 ,ステアタイト,
フォルステライト,BeOが挙げられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】機能性部材の高温での
機械的強度や耐熱衝撃性は、基板の材質に左右される。
しかしながら、従来のアルミナ等の酸化物系セラミック
ス基板は、高温での機械的強度や耐熱衝撃性が低い。他
方、非酸化物系セラミックス、例えば窒化物系セラミッ
クスや炭化物系セラミックスからなる基板は、一般的
に、酸化物系セラミックス基板よりも高温での機械的強
度や耐熱衝撃性が高い。それ故、サーミスタ等の機能性
部材の製造において、高温での機械的強度や耐熱衝撃性
を向上させるために、酸化物系セラミックス基板に代え
て非酸化物系セラミックス基板を使用することが考えら
れる。
【0004】非酸化物系セラミックス基板上に機能性酸
化物層を設ける場合には、非酸化物と酸化物という異種
材料同士を焼成により接合させることとなるので、焼成
条件の選定が重要である。機能性酸化物は雰囲気中の酸
素分圧によって特性が大きく変化するため、安定した特
性を確保するためには、酸素分圧を調整した雰囲気中
(酸素の存在する雰囲気中)で焼成する必要がある。他
方、非酸化物系セラミックス基板を酸素の存在する雰囲
気中で焼成すると、非酸化物系セラミックス基板が酸化
され、酸化が内部にまで及んだ場合には全て酸化物に変
化するので、非酸化物系セラミックス基板としての長所
が失われる。それ故、非酸化物系セラミックス基板は酸
素の存在しない雰囲気中で焼成することが好ましい。
【0005】前述の如く、機能性酸化物にとって好まし
い焼成雰囲気(酸化性雰囲気)と非酸化物系セラミック
ス基板にとって好ましい焼成雰囲気(非酸化性雰囲気)
とは正反対であるため、従来、機能性酸化物と非酸化物
系セラミックス基板とを組み合わせて使用した機能性部
材は知られていなかった。又、機能性酸化物と非酸化物
系セラミックス基板とを組み合わせても両者の密着性は
高くない。そのため、機能性酸化物が測定雰囲気の影響
を受け易く、機能性部材の特性が低下する。
【0006】本発明は前記従来技術の問題点を解決する
ためのものであり、その目的とするところは、高温での
機械的強度や耐熱衝撃性に優れた機能性部材(例えば、
サーミスタ、コンデンサー、バリスター、ヒーター)及
びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本第一発明の
機能性部材は、酸化物層が表面に形成された電気絶縁用
の非酸化物系セラミックス基板と、該基板の酸化物層上
に積層して設けられた機能性酸化物層と、該機能性酸化
物層に接続された対電極とからなることを特徴とする。
本第一発明の機能性部材の製造方法は、電気絶縁用の非
酸化物系セラミックス基板を酸化雰囲気中で焼成して表
面に酸化物層を形成する第一工程と、該基板の酸化物層
上に機能性酸化物層を積層し且つ該機能性酸化物層に対
電極を接続して積層体を形成する第二工程と、該積層体
を酸素の存在する雰囲気中で焼成する第三工程とからな
ることを特徴とする。又、本第二発明の機能性部材は、
Y,Zr,Si,Al,Mg,Ca,Li,Tiのうち
の少なくとも1種の元素を含む化合物からなる接合層が
表面に形成された電気絶縁用の非酸化物系セラミックス
基板と、該基板の接合層上に積層して設けられた機能性
酸化物層と、該機能性酸化物層に接続された対電極とか
らなることを特徴とする。本第二発明の機能性部材の製
造方法は、電気絶縁用の非酸化物系セラミックス基板の
表面に、Y,Zr,Si,Al,Mg,Ca,Li,T
iのうちの少なくとも1種の元素を含む化合物からなる
接合層を形成する第一工程と、該基板の接合層上に機能
性酸化物層を積層し且つ該機能性酸化物層に対電極を接
続して積層体を形成する第二工程と、該積層体を酸素の
存在する雰囲気中で焼成する第三工程とからなることを
特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本第一発明及び第二発明の機能性
部材においては、種々の機能性酸化物を使用することが
できる。機能性酸化物の代表的な例は以下のものであ
る。 LaCrO3 系,BaTiO3 系酸化物等に代表され
る抵抗発熱体用酸化物。 Mg(Cr,Fe)O4 系,Y(Cr,Mn)O
3 系,(Cr,Al)2 3系酸化物等に代表されるN
TC(負特性)サーミスタ用酸化物。 BaTiO3 系酸化物等に代表されるPTC(正特
性)サーミスタ用酸化物。 BaTiO3 系,ZnO系,SrTiO3 系,Fe2
3 系,TiO2 系酸化物等に代表されるバリスタ用酸
化物。 MgTiO3 系,CaTiO3 系,SrTiO3 系,
BaTiO3 ,TiO2系酸化物等に代表される各種誘
電体素子用酸化物。
【0009】機能性酸化物は1種類を使用してもよい
し、又は、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
機能性酸化物の粒子の平均粒径や、2種類以上の機能性
酸化物を使用する場合の各成分の組成比は所望の要求特
性が得られるように適宜選択する。
【0010】本第一発明及び第二発明の機能性部材にお
いて基板として使用し得る非酸化物系セラミックスとし
ては、例えば、窒化珪素系,炭化珪素系,窒化アルミニ
ウム系,窒化ホウ素系,炭化ホウ素系の各セラミックス
が挙げられる。これらのうち、高温での機械的強度が優
れていることから、窒化珪素系,炭化珪素系,窒化アル
ミニウム系の各セラミックスが望ましい。
【0011】本第一発明の機能性部材で非酸化物系セラ
ミックス基板の表面に形成する酸化物層の酸化物として
は、非酸化物系セラミックスを酸化させたものが望まし
い。例えば、非酸化物系セラミックスが窒化珪素、炭化
珪素である場合には、酸化物としては酸化珪素が望まし
く、又、非酸化物系セラミックスがサイアロンである場
合には、酸化物としてはムライトが望ましく、更に、非
酸化物系セラミックスが窒化アルミニウムである場合に
は、酸化物としては酸化アルミニウムが望ましい。これ
らの酸化物であれば、非酸化物系セラミックス基板と機
能性酸化物層との密着性が更に向上する。
【0012】本第二発明の機能性部材で接合層として使
用する化合物は、Y,Zr,Si,Al,Mg,Ca,
Li,Tiのうちの少なくとも1種の元素を含む酸化
物、炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物等又はこれらの組み
合わせから構成されていてよく、結晶質及び非晶質の何
れであってもよい。望ましい化合物としては、アルミナ
系酸化物、シリカ系酸化物、マグネシア系酸化物、チタ
ニア系酸化物、ムライト系酸化物、コーディエライト系
酸化物、チタン酸アルミニウム系酸化物、シリカ系ガラ
ス、アルミノ・シリケート系ガラス等の他、炭酸リチウ
ム、炭酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム等が挙
げられる。
【0013】本第一発明の機能性部材で非酸化物系セラ
ミックス基板の表面に形成する層、本第二発明の機能性
部材での接合層として、酸化物以外で、且つY,Zr,
Si,Al,Mg,Ca,Li,Ti以外の元素の化合
物を使用すると、焼成後の接合層が低融点ガラスに変化
する場合があるため、非酸化物系セラミックス基板と機
能性酸化物層との高温における接合を維持することがで
きない。
【0014】本第一発明及び第二発明の機能性部材の機
能性酸化物層に接続する対電極は通常は一対でよいが、
所望により二対以上設けてもよい。対電極としては、例
えば、スクリーン印刷法などにより形成した白金電極が
挙げられる。対電極に更にリード線を接続してもよい。
対電極の大きさや形状は適宜選択する。
【0015】本第一発明及び第二発明の機能性部材の製
造方法における第一工程での電気絶縁用の非酸化物系セ
ラミックス基板の状態は、相対密度が80%以上である
ことが望ましい。この値よりも相対密度が低い場合、最
終的に得られた基板の強度が低くなり、酸化物系セラミ
ックス基板(例えばアルミナ基板)を用いた場合と強度
的に大差が無くなる。
【0016】本第一発明の機能性部材の製造方法におけ
る第一工程で基板の表面に設ける酸化物層、及び本第二
発明の機能性部材の製造方法における第一工程で基板の
表面に設ける接合層は、積層体の一体化を容易にし、
又、機能性物質に特性変化を殆ど与えない。酸化物層又
は接合層の厚さは0.1μm以上が望ましい。これより
も酸化物層又は接合層の厚さが薄い場合には、非酸化物
系セラミックス基板と機能性酸化物層との間に十分な気
密性を持たせて且つ充分な接合強度で積層体を一体化さ
せることが困難になる。
【0017】本発明の機能性部材において、機能性酸化
物層は、使用時に環境雰囲気に直接触れない構造である
ことが望ましい。何故ならば、機能性酸化物層の特性は
雰囲気中の酸素分圧に依存するので、機能性酸化物層が
環境雰囲気に直接触れている様な構造である場合には、
機能性部材の使用環境が限定される。それ故、本発明の
機能性部材及びその製造方法(特に、第二工程)におい
て、 (a) 電気絶縁用の非酸化物系セラミックス基板上に適す
る大きさ、形状、深さの凹部を形成し、この凹部内にほ
ぼ凹部の厚さと同じ厚さの酸化物層を設ける、及び/又
は (b) 電気絶縁用の非酸化物系セラミックス基板と機能性
酸化物層とからなる積層体上に更に電気絶縁用の非酸化
物系セラミックス基板を積層した後、焼成してもよい。
前記(b) の場合、更に設ける電気絶縁用の非酸化物系セ
ラミックス基板は一枚使用してもよいし、又は、二枚以
上使用する場合には、例えば適当な貫通孔を設けた基板
をスペーサーとして重ね、この貫通孔を(a) の場合の凹
部と同様に機能させてもよい。
【0018】本第一発明及び第二発明の機能性部材の製
造方法における第三工程において、積層体の焼成雰囲気
中の酸素分圧は、機能性酸化物層の機能を発現させるた
めに必要な酸素分圧にすればよく、非酸化物系セラミッ
クスの種類等には依らない。焼成温度は、焼成雰囲気中
の酸素分圧と焼成時間にも依存するが、1600℃以下
が望ましい。これを越える温度で、且つ空気中で焼成を
行うと、非酸化物系セラミックス基板の表面からの酸化
が著しくなり、得られた機能性部材の高温における強度
低下をもたらす恐れが生ずる。非酸化物系セラミックス
基板を二枚以上使用する場合には、焼成時に加圧するこ
とも、非酸化物系セラミックス基板同士の接合強度を向
上させるために望ましい。又、焼成後に熱処理を施し、
ガラス化した接合層を結晶化させることにより、非酸化
物系セラミックス基板同士の接合強度を更に向上させる
こともできる。
【0019】
【実施例】以下の実施例及び比較例により、本発明を更
に詳細に説明する。実施例1(試料No.11) 本例の機能性部材及びその製造方法を、図1を用いて説
明する。本例の機能性部材1は、図1(分解斜視図)に
示す通り、貫通孔17を有し、表面酸化物層13を有す
る電気絶縁用セラミック基板12と、その表面の端部の
凹部内に設けた機能性酸化物層11と、該機能性酸化物
層に接続された二本の電極16とを有し、これらの上面
に、更に表面酸化物層15を有する電気絶縁用セラミッ
ク基板14が接合された、積層構造となっている。電気
絶縁用セラミック基板12,14は、窒化珪素セラミッ
クの表面を酸化させた材料であり、機能性酸化物層11
は、Mn−Cr−Alスピネル型酸化物NTCサーミス
タ材である。
【0020】I.電気絶縁用セラミック基板の製造 窒化珪素粉末SN−5Y−2A(Si3 4 −5wt%Y
2 3 −2wt%Al23 )をボールミルで粉砕し、つ
いで可塑剤としてジブチルフタレート、結合剤としてポ
リビニルブチラール、溶剤として酢酸n−ブチルを添加
し、粘度調整してスラリーとした。該スラリーをドクタ
ーブレード法で成形し、厚さ0.5mmのセラミックグ
リーンシートとした。該グリーンシートのうちの一枚の
片方の端部に凹部を形成し、反対側の端部に二個の貫通
孔を形成して、凹部や貫通孔を形成しないものと合わせ
て二種のグリーンシートを作製した。該グリーンシート
を窒素雰囲気下、1850℃、4時間の条件で焼成し、
焼結体とした。該焼結体を、空気中、1400℃、2時
間の条件で表面を酸化し、セラミック基板を得た。
【0021】II.機能性酸化物粉末及び機能性酸化物ペ
ーストの製造 MnO2 ,Cr2 3 ,Al2 3 の各粉末を、例えば
使用目的に合った特性を得るために、Mn:Cr:Al
=58.8:39.2:2.0原子%となる割合で混合
し、1200℃で仮焼した後、ボールミルで粉砕して機
能性酸化物粉末を得た。更に、該機能性酸化物粉末と有
機バインダ溶液とを粘度を調整しながら混練して、機能
性酸化物ペーストを得た。有機バインダ溶液は、有機バ
インダとしてのエチルセルロース(10wt%)を溶剤と
してのテレピン油(90wt%)に溶かして調整した。
【0022】III .機能性部材の製造 図1に示すように、凹部を有する電気絶縁用セラミック
基板12の凹部を覆うように前記機能性酸化物ペースト
をスクリーン印刷した。120℃で5分間乾燥した後、
各々、一部分が該機能性酸化物ペーストに重なり且つ各
々の貫通孔17に達するように白金ペーストを二本印刷
して対電極16を形成した。再度120℃で5分間乾燥
した。更に、凹部を有さない電気絶縁用セラミック基板
14を重ねて、150℃、10MPaで熱圧着し、積層
体を得た。該積層体を空気雰囲気下、1600℃、10
MPa、2時間ホットプレスした後、貫通孔17の内壁
と電気絶縁用セラミック基板12の貫通孔17周辺部
(裏面側)に白金ペーストをスクリーン印刷し、空気雰
囲気下、1100℃で1時間焼き付けることにより、機
能性部材1を製造した。
【0023】IV.機能性部材の性能評価 機能性部材1のサーミスタ特性を示すB値は9000
[K]であった。又、JIS R160に準じ、高温曲
げ強度(4点曲げ強度)σを測定した。又、加熱後20
℃の水中に投入することにより急冷して試料にクラック
が発生する温度差ΔT(加熱温度−20)を測定した。
その結果は、下記表3の通りであった。B値は機能性酸
化物のバルク値(8900[K])をそのまま反映して
いる。このことより、機能性酸化物層と電気絶縁用セラ
ミック基板との密着性が高く、測定雰囲気の影響を受け
難いことが判る。一方、高温での機械的強度、耐熱衝撃
性は、電気絶縁用セラミックス基板としてアルミナを採
用した従来の機能性部材(比較例)と比較して優れてい
た。この効果は、上記表面酸化物層が単に加わったこと
により予想される効果を越える大きなものであった。
【0024】実施例2−9(試料No.12−19) 下記表1に示す如く、非酸化物系セラミックスの種類、
その表面の酸化条件(酸化物膜の製造条件)、機能性酸
化物の種類、積層体の焼成条件を種々に変化させて、実
施例1と同様の方法で機能性部材を作製した。得られた
機能性部材の高温での機械的強度、耐熱衝撃性を実施例
1と同様にして測定した。その結果を表3に示す。下記
表3の如く、何れの試料においても、高温での機械的強
度は、電気絶縁用セラミックス基板としてアルミナを採
用した従来のものと比較して優れていた。この効果は、
上記表面酸化物層が単に加わったことにより予想される
効果を越える大きなものであった。
【表1】 <非酸化物系セラミックスの種類> SN材:窒化珪素セラミックス SC材:炭化珪素セラミックス SA材:サイアロンセラミックス AN材:窒化アルミニウムセラミックス AS材:アルミナ−サイアロン複合セラミックス NO材:窒化アルミニム−アルミナ固溶系セラミックス <機能性酸化物の種類> T−A材:Mn−Cr−Al系スピネル型酸化物NTC
サーミスタ材 T−B材:Y−Cr−Mn系ペロブスカイト型酸化物N
TCサーミスタ材 R−A材:La−Ca−Cr系ペロブスカイト型酸化物
抵抗発熱体材 E−A材:Mg−Ca−Ti系複相酸化物誘電体材
【0025】実施例10(試料No.21) 本例の機能性部材及びその製造方法を、図2を用いて説
明する。本例の機能性部材2は、図2に示す通り、付加
された接合層23を有する電気絶縁用セラミック基板2
2と、その表面の端部に設けた機能性酸化物層21と、
該機能性酸化物層21に接続された二本の電極25と、
それぞれの電極25に接続されたリード線26とを有
し、これらの上面に、更に電気絶縁用セラミック基板2
4が接合された、積層構造となっている。電気絶縁用セ
ラミック基板22,24は、窒化珪素セラミックであ
り、機能性酸化物は、Mn−Cr−Alスピネル型酸化
物NTCサーミスタ材である。
【0026】I.電気絶縁用セラミック基板の製造 窒化珪素粉末SN−5Y−2A(Si3 4 −5wt%Y
2 3 −2wt%Al23 )をボールミルで粉砕し、つ
いで可塑剤としてジブチルフタレート、結合剤としてポ
リビニルブチラール、溶剤として酢酸n−ブチルを添加
し、粘度調整してスラリーとした。該スラリーをドクタ
ーブレード法で成形し、厚さ0.5mmのセラミックグ
リーンシートとした。該グリーンシートのうちの一枚の
片方の端部に凹部を形成し、二種のグリーンシートを作
製した。該グリーンシートを窒素雰囲気下、1850
℃、4時間の条件で焼成し、セラミック基板を作製し
た。
【0027】II.接合層化合物を含む接合ペーストの製
造 Al2 3 ,Y2 3 ,SiO2 の各粉末を、例えば使
用目的に合った特性を得るために、Al2 3 :Y2
3 :SiO2 =20:50:30重量%となる割合で混
合し、1400℃で仮焼した後、ボールミルで粉砕し、
有機バインダと溶媒とを粘度を調整しながら混練して製
造した。 III .機能性酸化物ペーストの製造 機能性酸化物を含むペーストは実施例1と同様な方法に
て製造した。
【0028】IV.機能性部材の製造 図2に示すように、凹部を有する電気絶縁用セラミック
基板22の表面上に接合ペーストをスクリーン印刷し、
更に、凹部を覆うように機能性物質ペーストをスクリー
ン印刷した。120℃で5分間乾燥した後、各々、一部
分が該機能性物質ペーストに重なるように白金ペースト
を二本印刷して対電極25を形成し、更に対電極25に
リード線26を接続した。再度120℃で5分間乾燥し
た。凹部を有さない電気絶縁用セラミック基板24を重
ねて、150℃、10MPaで熱圧着し、積層体を得
た。該積層体を空気雰囲気下、1600℃、10MP
a、2時間ホットプレスして機能性部材2を製造した。
【0029】V.機能性部材の性能評価 機能性部材2のサーミスタ特性を示すB値は9200
[K]であった。又、高温での機械的強度〔高温曲げ強
度(4点曲げ強度)σ〕、耐熱衝撃性(クラックが発生
する温度差ΔT)を実施例1と同様にして測定した。そ
の結果は下記表3の通りであった(試料No.21)。
B値は機能性酸化物のバルク値(8900[K])をそ
のまま反映している。このことより、機能性酸化物層と
電気絶縁用セラミック基板との密着性が高く、測定雰囲
気の影響を受け難いことが判る。一方、高温での機械的
強度、耐熱衝撃性は、電気絶縁用セラミックス基板とし
てアルミナを採用した従来の機能性部材(比較例)と比
較して優れていた。この効果は、上記接合層が単に加わ
ったことにより予想される効果を越える大きなものであ
った。
【0030】実施例11−22(試料No.22−3
3) 下記表2に示す如く、非酸化物系セラミックスの種類、
付加接合層の構成材質原料、機能性酸化物の種類、積層
体の焼成条件を種々に変化させて、実施例10と同様の
方法で機能性部材を作製した。得られた機能性部材の高
温での機械的強度、耐熱衝撃性を実施例1と同様にして
測定した。その結果を表3に示す。下記表3の如く、何
れの試料においても、高温での機械的強度は、電気絶縁
用セラミックス基板としてアルミナを採用した従来のも
のと比較して優れていた。この効果は、上記接合層が単
に加わったことにより予想される効果を越える大きなも
のであった。
【表2】 <非酸化物系セラミックスの種類> SN材:窒化珪素セラミックス SC材:炭化珪素セラミックス SA材:サイアロンセラミックス AN材:窒化アルミニウムセラミックス AS材:アルミナ−サイアロン複合セラミックス NO材:窒化アルミニム−アルミナ固溶系セラミックス <機能性酸化物の種類> T−A材:Mn−Cr−Al系スピネル型酸化物NTC
サーミスタ材 T−B材:Y−Cr−Mn系ペロブスカイト型酸化物N
TCサーミスタ材 T−C材:Mn−Cr−Ni系スピネル型酸化物NTC
サーミスタ材 R−A材:La−Ca−Cr系ペロブスカイト型酸化物
抵抗発熱体材 E−A材:Mg−Ca−Ti系複相酸化物誘電体材 E−B材:Ba−Ca−Ti系酸化物ペロブスカイト型
誘電体材
【0031】比較例 従来の方法によって、電気絶縁用セラミックス基板とし
て、5重量%のマグネシア(焼結助剤)を含むアルミナ
を用い、機能性酸化物として、実施例1と同じ、Mn−
Cr−Al系スピネル型酸化物NTCサーミスタ材を用
いた機能性部材を製造した。比較例の機能性部材の高温
での機械的強度(高温曲げ強度σ)、耐熱衝撃性(クラ
ック発生温度差ΔT)を実施例1と同様にして測定し
た。その結果を下記表3に示す。比較例の機能性部材は
実施例の機能性部材(試料No.11−19,21−3
3)に比較して、高温曲げ強度σ及びクラック発生温度
差ΔTが共に低いことが判る。
【表3】
【0032】
【発明の効果】本発明の機能性部材は、電気絶縁用の非
酸化物系セラミックス基板の表面に形成した酸化物層
(第一発明の機能性部材)又は特定化合物からなる接合
層(第二発明の機能性部材)により、非酸化物系セラミ
ックス基板と機能性酸化物層とからなる積層体における
非酸化物系セラミックス基板と機能性酸化物層との密着
性を高くすることができる。そのため、使用時に機能性
部材内部の機能性酸化物層が測定雰囲気の影響を受け難
い。又、本発明の機能性部材の基板は非酸化物系セラミ
ックスからなるため、従来の機能性部材の酸化物系セラ
ミックス基板に比較して、高温での機械的強度や耐熱衝
撃性等の特性が優れている。
【0033】本発明の機能性部材の製造方法は、非酸化
物系セラミックス基板の表面に予め酸化物層(第一発明
の機能性部材の製造方法)又は特定化合物からなる接合
層(第二発明の機能性部材の製造方法)を形成して非酸
化物系セラミックス基板と機能性酸化物層との密着性を
高めるため、積層体の焼成温度を低くすることができ、
結果的に、積層体を焼成する際に酸化雰囲気としても酸
素が非酸化物系セラミックス基板内部に侵入せず、それ
故、非酸化物系セラミックス基板内部の酸化を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本第一発明の機能性部材の分解斜視図である。
【図2】本第二発明の機能性部材の分解斜視図である。
【符号の説明】 1,2:機能性部材 11,21:機能性酸化物層 12,14,22,24:セラミックス基板 13,15:表面酸化物層 16,25:電極 17:貫通孔 23:接合層 26:リード線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物層が表面に形成された電気絶縁用
    の非酸化物系セラミックス基板と、該基板の酸化物層上
    に積層して設けられた機能性酸化物層と、該機能性酸化
    物層に接続された対電極とからなることを特徴とする機
    能性部材。
  2. 【請求項2】 電気絶縁用の非酸化物系セラミックス基
    板を酸化雰囲気中で焼成して表面に酸化物層を形成する
    第一工程と、 該基板の酸化物層上に機能性酸化物層を積層し且つ該機
    能性酸化物層に対電極を接続して積層体を形成する第二
    工程と、 該積層体を酸素の存在する雰囲気中で焼成する第三工程
    とからなることを特徴とする機能性部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 Y,Zr,Si,Al,Mg,Ca,L
    i,Tiのうちの少なくとも1種の元素を含む化合物か
    らなる接合層が表面に形成された電気絶縁用の非酸化物
    系セラミックス基板と、該基板の接合層上に積層して設
    けられた機能性酸化物層と、該機能性酸化物層に接続さ
    れた対電極とからなることを特徴とする機能性部材。
  4. 【請求項4】 電気絶縁用の非酸化物系セラミックス基
    板の表面に、Y,Zr,Si,Al,Mg,Ca,L
    i,Tiのうちの少なくとも1種の元素を含む化合物か
    らなる接合層を形成する第一工程と、 該基板の接合層上に機能性酸化物層を積層し且つ該機能
    性酸化物層に対電極を接続して積層体を形成する第二工
    程と、 該積層体を酸素の存在する雰囲気中で焼成する第三工程
    とからなることを特徴とする機能性部材の製造方法。
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