JP2005331486A - 温度センサ - Google Patents

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Katsura Matsubara
桂 松原
Nobuyuki Hotta
信行 堀田
Koji Funaki
浩二 舟木
Masaya Ito
正也 伊藤
Isao Matsuoka
松岡  功
Masaki Iwatani
雅樹 岩谷
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Abstract

【課題】 信頼性および応答性に優れた温度センサを提供する。
【解決手段】 絶縁性セラミックを材料として成形したセラミック基体20の内部に、導電性セラミックにより感温部21を形成する。さらに外部から抵抗値測定用の電流を印加できるように、導電部22,23、電極取出部24,25を形成する。そして同時焼結を行い、感温部21、導電部22,23をセラミック基体20の内部に埋設する。すると感温部21とセラミック基体20との間に空気層が形成されず、外部の温度変化が阻害なく感温部21に熱伝導され、温度センサの応答性を向上できる。また感温部21が外部に露出されないので、感温部にスス等が付着することにより抵抗値変動が生じたり、酸化雰囲気によって感温部が酸化したり昇華したりすることで抵抗値変動が生じたりすることを防止し、温度センサ自体の信頼性を向上できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、被検出流体の温度を検出するための温度センサに関するものである。
従来、例えば自動車の排気温度等を検出するための温度センサとして、熱電対やサーミスタ素子等の感温素子を利用したものが知られている。このような温度センサの感温素子は、後端側が主体金具に組み付けられた金属製の外筒の先端側にて、外筒内を挿通された一対の導線に電気的に接続され、耐熱金属製で有底筒状の金属キャップにより保護されている。そして、この金属キャップの開口部側の内周面と外筒の外周面とを重ね合わせ、レーザ溶接等により全周溶接することで、感温素子はキャップ内に封入されている(例えば特許文献1参照。)。
こうした温度センサは、感温素子の設けられた感温部が排気ガス通路内に配置されるように、排気ガス通路に取り付けられ、排気温度の検出が行われる。感温素子は金属キャップに保護されているので、直接排気ガス雰囲気には曝されることがなく、耐食性は良好であった。また感温部において、排気温度の検出は金属キャップと感温素子との間の空間を介して行われるため、空間を減らして感温部の外径の細径化をしたり、そのキャップ内に内容物(セメント等)を充填したりして感温部までの熱伝導性の向上を図り応答性を向上させている。
一方、上記温度センサとは別に、耐食性に優れ、熱伝導性が高い導電性セラミック材料を感温部に用いたセラミック製の温度センサが提案されている(例えば特許文献2参照。)。この温度センサは、絶縁性のセラミック層の外側に導電性セラミック材料で導電経路を形成し、温度によって変動した導電性セラミック材料の抵抗値を検出することによって機能する。このような温度センサは、感温部自体の耐食性が高いので、金属キャップを伴わずに検出されるべき領域中に導入することができる。よって導電性セラミック材料の抵抗値変動が迅速であり、応答性が良好となる。
特開2000−162051号公報 特表2003−521118号公報
しかしながら、このようなセラミック製の温度センサの感温部を直接、排気ガスの還元雰囲気中に曝すと、その導電性セラミック材料の表面上にススなどの排気ガス成分が付着することによって抵抗値変動が生じ、温度の検出精度が低下することがある。これを防止するため、従来の温度センサのように感温部にキャップを被せ保護する場合、キャップを感温部の形状に合わせてぴったりするように形成したとしても、感温部とキャップとの間の隙間を完全になくすことは難しく、空気層により感温部への熱伝導が阻害されるため応答性が低下するという問題があった。また、排気ガスの状態が酸化雰囲気となると、この露出した導電性セラミック材料は酸化したり昇華したりして、抵抗値変動を生じさせてしまうという問題もある。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、信頼性および応答性に優れた温度センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の温度センサは、窒化珪素あるいはサイアロンと、金属のホウ化物、炭化物、窒化物、珪化物のうち少なくとも一種以上の物質とからなる導電性複合材料を主成分としてなり、周囲の温度にあわせて抵抗値が変動する感温部と、前記感温部に電気的に接続された一対の導電部と、窒化珪素あるいはサイアロンを主成分としてなり、前記感温部および前記導電部を内部に埋設した絶縁性セラミックからなる基体とを備えている。
また、請求項2に係る発明の温度センサは、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記感温部の抵抗値は、前記感温部および前記導電部の合計の抵抗値の少なくとも0.99倍以上であることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の温度センサは、請求項1または2に記載の発明の構成に加え、前記感温部および前記導電部は、前記基体とともに同時焼結されて埋設されている。
また、請求項4に係る発明の温度センサは、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記基体は緻密体であって、前記基体の全体における気孔の存在率が、少なくとも5%以下であることを特徴とする。
請求項1に係る発明の温度センサでは、周囲の温度にあわせて抵抗値が変動する感温部と、その感温部に電気的に接続された一対の導電部とを絶縁性セラミックからなる基体に埋設したので、感温部と基体との間に空気層が形成されないようにすることができる。このため、基体の外部の温度変化が空気層により阻害されることがなく感温部に熱伝導されるので、温度センサとしての応答性を向上することができる。また、感温部が基体の外部に露出されないので、感温部にスス等が付着することにより抵抗値変動が生じたり、酸化雰囲気によって感温部が酸化したり昇華したりすることで抵抗値変動が生じたりすることを防止し、温度センサ自体の信頼性を向上することができる。
また、請求項2に係る発明の温度センサでは、請求項1に係る発明の効果に加え、感温部の抵抗値が感温部と導電部との合計の抵抗値に対し、少なくとも0.99倍以上となるように構成したので、基体全体が加熱されて感温部だけでなく導電部にも抵抗値変動が生じた場合でも、導電部の抵抗値変動は感温部の抵抗値変動と比べ無視できるほど小さくすることができる。従って、温度センサによって測定される温度変化は、感温部付近の温度変化によるものとみなすことができる。
また、請求項3に係る発明の温度センサでは、請求項1または2に係る発明の効果に加え、感温部と導電部とが基体とともに同時焼結されるので、感温部および導電部と基体との間で、空気層が確実に形成されないようにすることができる。熱伝導を阻害する空気層が形成されなければ、基体の外部の温度変化が確実且つ迅速に感温部に熱伝導されるので、温度センサとしての応答性を向上することができる。また、感温部が基体の外部に露出されないので、感温部にスス等が付着することにより抵抗値変動が生じたり、酸化雰囲気によって感温部が酸化したり昇華したりすることで抵抗値変動が生じたりすることを防止し、温度センサ自体の信頼性を向上することができる。
また、請求項4に係る発明の温度センサでは、請求項1乃至3のいずれかに係る発明の効果に加え、基体を緻密体として形成し、基体全体における気孔の存在率が少なくとも5%以下となるようにしたことで、基体自体の熱伝導性が向上して基体の外部の温度変化が確実且つ迅速に感温部に熱伝導されるため、温度センサとしての応答性を向上することができる。また、基体自体の耐衝撃性を向上することができる。
以下、本発明を具体化した温度センサの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して、本実施の形態の温度センサ100の構成について説明する。図1は、温度センサ100の部分断面図である。この温度センサ100は、熱伝導性が高い導電性セラミック材料を温度検出が行われる感温部21(図2参照)に用いたものであり、この温度センサ100を自動車の排気管、特にディーゼルエンジンの排気ガス後処理装置の前後に装着することにより、感温部21を排気ガスが流れる排気管内に配置させて、排気ガスの温度検出に使用するものである。
図1に示すように、温度センサ100は、縦断面視、軸線方向に延び、先端側内部に温度検出を行うための感温部21(図2参照)を設けた円柱状のセンサ支持体10と、そのセンサ支持体10の後端側周囲を覆って設けられた金属製のフランジ40と、フランジ40に係合するステンレス製で筒状の継手50と、さらにフランジ40に係合し、継手50のフランジ40側の前端部分を覆い、温度センサ100を被測定体に固定するためのナット60とから構成されている。なお、センサ支持体10については後述する。
まず、フランジ40はセンサ支持体10の後端側(図1における上側)の周囲を取り囲んで設けられ、軸線方向後端側に延びる鞘部42と、この鞘部42の先端側(図1における下側)に位置し、径方向外側に向かって突出する突出部41とを有している。突出部41は、先端側に図示しない排気管の取付部のテーパ部に対応したテーパ形状の座面43を有する環状に形成されており、座面43が取付部のテーパ部に密着することで、排気ガスが排気管外部へ漏出するのを防止するようになっている。
また、フランジ40の周囲には、六角ナット部61およびねじ部62を有するナット60が回動自在に嵌挿されている。温度センサ100は、排気管の取付部にフランジ40の突出部41の座面43を当接させ、ナット60により固定される。また、フランジ40の鞘部42の径方向外側には、筒状の継手50が気密状態で接合されている。具体的には、鞘部42の外周面に継手50の内周面が重なり合うように、継手50が鞘部42に圧入され、継手50と鞘部42とが周方向に渡ってレーザ溶接されている。
フランジ40の鞘部42の内周にはセンサ支持体10の後端側周囲が密着保持されており、センサ支持体10の後端部に設けられた2つの電極リング12,13が継手50内に露出されている。この2つの電極リング12,13のそれぞれに、外部回路(例えば車両のECU等)接続用の一対のリード線14,15が溶融接合されており、継手50内にて保護されている。この2本のリード線14,15は、ステンレス合金製の導線と銅製の導線とからなる撚り線を絶縁性の被覆材にて被覆したものであり、継手50の後端側開口に設けられた耐熱ゴム製の補助リング(図示外)に挿通されている。
次に、図2を参照して、センサ支持体10について説明する。図2は、センサ支持体10の断面図である。図2に示すセンサ支持体10は、円柱状のセラミック基体20と、その内部に導電パターンとして印刷された感温部21、および電極取出部24,25と、その感温部21のそれぞれの端部と電極取出部24,25とを接続する導電部22,23と、セラミック基体20の後端側外周に嵌められたリング状の電極リング12,13とから構成される。
セラミック基体20は、窒化珪素あるいはサイアロン(Si−Al−O−N:窒化珪素とアルミナから合成されるセラミック材料)を主成分とする熱伝導性が高く耐食性が良好な絶縁性セラミックからなる。感温部21を構成する導電パターンは、窒化珪素あるいはサイアロンと、金属のホウ化物、炭化物、窒化物、珪化物のうち少なくとも一種以上の物質とからなる導電性複合材料を主成分とする導電性セラミックからなる。そして、セラミック基体20の先端側(図2における下側)において、ジグザグ状に印刷されている。なお、本実施の形態において「主成分」とは、その成分が、含有される全成分のうち70重量%以上を占める成分であることを示す。
また、導電部22,23は、タングステン等の金属線、または、感温部21と同様の導電性複合材料を主成分とする導電性セラミックからなる。導電部22,23は感温部21の両端にそれぞれ接続されており、セラミック基体20の後端側まで平行に延設されている。
ここで、本実施の形態では、感温部21の抵抗値と、導電部22,23の抵抗値との間に差を設けることによって、周囲の温度変化に応じて抵抗値が変動した場合に、その抵抗値変動が感温部21にて生じたものであるとの判断を行えるようにしている。つまり、感温部21の抵抗値が導電部22,23の抵抗値よりも大きくなるように設定している。こうすることで、周囲の温度変化に対応して感温部21のみならず導電部22,23にて抵抗値変動が発生したとしても、導電部22,23における抵抗値変動を無視することが可能となる。具体的に、本実施の形態では、感温部21および導電部22,23のそれぞれの材料や、印刷パターンや線径(電流が流れる方向に対する断面積や距離)に差を設け、感温部21および導電部22,23の合計の抵抗値に対し、感温部21の抵抗値が少なくとも0.99倍以上(室温条件下)となるようにしている。
次に、電極取出部24,25についても感温部21と同様の導電性複合材料を主成分とする導電性セラミックからなる。電極取出部24はセラミック基体20の後端側にて導電部22に接続されており、その電極取出部24よりもセラミック基体20の軸線方向前方の位置にて、電極取出部25が導電部23に接続されている。そして、電極取出部24,25はそれぞれ、セラミック基体20の外周表面上に露出されている。
また、電極リング12,13は、セラミック基体20の後端側にて軸線方向に互いにずらして嵌められた導電性の金属部材であり、電極リング13は、その内周にて電極取出部24に接触され、電極リング12は、その内周にて電極取出部25に接触されている。この電極リング12,13の外周に、外部回路接続用のリード線14,15が溶融接合され、外部回路より感温部21への電流の印加が可能となる。そして、外部回路において温度センサ100に電流を印加した際の抵抗値変動を感温部21の周囲の温度変化とみなすことにより、温度センサ100による温度の測定が行われる。
このような構成の温度センサ100のセンサ支持体10は、以下の様に作製する。まず、窒化珪素あるいはサイアロンを主成分とする原料粉末に焼結助剤を添加したセラミック基体20の材料となる絶縁性セラミックを、金型を用いてプレス加工し、セラミック基体20を軸線方向に半分の大きさとした半割成形体を作製する。なお、焼結助剤としては、イットリウム、ランタン、セリウム、エルビウム、イッテルビウム等の希土類の酸化物を1〜30重量%と、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化珪素、4a,5a,6a族元素酸化物のうちの少なくとも1種以上が1〜10重量%とが含有されたものを用いる。
次に、感温部21および電極取出部24,25を形成するため、導電性セラミックよりなるペースト状のインクを作製し、これを半割成形体の一方の面に印刷する。さらに、金属線を配置し、あるいは導電性セラミックから作製したペースト状のインクを印刷し、先に印刷した感温部21と電極取出部24,25とを電気的に接続する導電部22,23を形成する。そして、この半割成形体を、感温部21、導電部22,23および電極取出部24,25を印刷した面が内側となるように金型にセットし、上記同様の絶縁性セラミックを用いてプレス加工を行う。これにより、感温部21、導電部22,23および電極取出部24,25が埋設されたセラミック基体20の原型となる一体成形体が得られる。
次いで、この一体成形体を焼結し、感温部21と導電部22,23とを同時焼結した焼結体を形成する。焼結方法としては、公知のホットプレス焼結(HP)、常圧焼結(PLS)、ガス圧焼結(GPS)、熱間等方圧加圧焼結(HIP)、あるいはこれらの組み合わせによる焼結が利用できる。なお、焼結体の粒界相に、希土類元素(以下、「RE」とする。)−Si−O−Nの結晶相が析出していないことが望ましい。すなわち、焼結体の粒界相には、非晶質、または、窒素を含有しない、RE−Si−O、RE−Si−Al−Oのいずれかの結晶相が析出していることが望ましい。このようにすれば焼結体の耐酸化性を向上することができ、温度センサ100を長時間使用してもセラミック基体20が酸化腐食することがないので、セラミック基体20が肉薄となって感温部21が露出するといったトラブルが防止される。
また、上記のように焼結を行うことによって、セラミック基体20を緻密体として形成することができる。緻密体とは、セラミック基体20の全体において気孔がほとんど存在しないものをいうが、その気孔の存在率は、少なくとも5%以下であることが望ましい。セラミック基体20に気孔が存在すると耐久性が劣化し、また、気孔の部分での熱伝導性が悪くなるが、緻密体であれば耐衝撃性が高く、気孔により熱伝導性に与える影響が少ない。特にセラミック基体20の全体に対する気孔の存在率が、少なくとも5%以下であれば、優れた耐衝撃性および熱伝導性を示すことが、実験により明らかとなっている。
焼結後、焼結体にセンタレス研磨を行って、本実施の形態のセンサ支持体10としての丸棒形状に成形する。このとき、センサ支持体10の先端は半球状に成形する。そして、センサ支持体10の後端側に電極リング12,13を圧入し、電極取出部25,24にそれぞれ接触させて感温部21との導通を図ることにより、センサ支持体10が完成する。
[実施例1]
上記のように製造されるセンサ支持体10を組み付けた本実施の形態の温度センサ100について本発明の効果を確認するため、以下に説明する条件に基づき作製した温度センサ100を用いて、感温部21と、感温部21および導電部22,23との合計の抵抗値と間の比、耐久性、および応答性についての評価を行った。以下、図1,図2を参照して説明する。
(第1工程) まず、本実施例において、図2に示すセンサ支持体10のセラミック基体20を形成するための原料粉末を、以下の方法で作製した。
平均粒径1.0μmの窒化珪素原料粉末86重量%に対し、焼結助剤として酸化エルビウム8重量%、酸化バナジウム1重量%、酸化タングステン2重量%、2珪化モリブデン3重量%を加え、ボールミル中で40時間湿式混合した。そして、バインダを加えた後、スプレードライにより混合粉末を得た。
(第2工程) 次に、感温部21を形成するための抵抗体インクを、以下の方法で作製した。
平均粒径0.5μmの炭化タングステン原料粉末65重量%、平均粒径1.0μmの窒化珪素原料粉末35重量%、および焼結助剤として酸化エルビウム4重量%、二酸化珪素2重量%をボールミル中で40時間湿式混合した。そして、バインダを添加して、印刷用のインクを得た。
(第3工程) 次いで、以下のように、セラミック基体20の原型を作製した。
第1工程で得たセラミック基体20の原料粉末を、金型を用いてプレス加工し、セラミック基体20を軸線方向に半分の大きさとした半割成形体を作製した。そして、半割成形体の一方の面に、第2工程で作製したインクを用いてパターン印刷を行い、感温部21および電極取出部24,25を形成した。さらに、タングステン線を配置して、感温部21と電極取出部24,25とを電気的に接続する導電部22,23を形成した。先に印刷したインクの乾燥後、この半割成形体を、感温部21等の印刷面が内側となるように金型にセットし、第1工程で得たセラミック基体20の原料粉末を用いてプレス加工を行うことで、セラミック基体20の原型を成形した。このようにして、セラミック基体20の内部に感温部21、導電部22,23および電極取出部24,25を埋設した。このセラミック基体20の原型に、窒素雰囲気下、800℃、1時間の脱バインダ処理を施した。
(第4工程) そして、以下のようにして、セラミック基体20の焼結および研磨を行った。
第3工程で得たセラミック基体20の原型を、プレス圧力30MPa、1750℃、60分の条件で、ホットプレスにより焼結した。焼結後にセンタレス研磨を施し、先端を半球状に仕上げた丸棒状のセラミック基体20の成形体を得た。
(第5工程) 次に、以下のようにしてセンサ支持体10を作製し、温度センサ100を組み立て完成品を得た。
第4工程で得られたセラミック基体20の成形体の後端より電極リング12,13を圧入し、それぞれ、セラミック基体20より露出された電極取出部25,24と電気的に接続することで、センサ支持体10を完成させた。そして、センサ支持体10の電極リング12,13にそれぞれリード線14,15を溶融接合し、このセンサ支持体10を図1に示すフランジ40に組み付け、継手50の溶接、ナット60の組付け等を行って、温度センサ100の完成品を得た。
このようにして得られた温度センサ100について、感温部21と、感温部21および導電部22,23との合計の抵抗値との比について評価した。まず、温度センサ100に室温にて電流を印加して抵抗値を測定したところ、その抵抗値は5Ωであった。次に、センサ支持体10の先端部分を切断し、露出させた感温部21に電流を印加して抵抗値を測定したところ、その抵抗値は4.985Ωであった。その結果、感温部21の抵抗値は、感温部21および導電部22,23の合計の抵抗値に対し、電極取出部24,25やリード線14,15の抵抗値を無視しても0.997倍となり、好適条件とする0.99倍以上を満たすことがわかった。従って、感温部21とともに導電部22,23の抵抗値変動が生じても、その抵抗値変動を無視することができることがわかった。
次に、上記のようにして完成した温度センサ100を用い、耐久性についての評価を行った。評価試験は以下の通りである。まず、室温にて温度センサ100の抵抗値を測定した。前述したように、その抵抗値は5Ωである。次に、温度センサ100のセンサ支持体10の先端部分を1分間バーナーで加熱し、1分間室温にて冷却した。これを1サイクルとする試験を10万サイクル繰り返して行った後、室温にて温度センサ100の抵抗値を測定したところ、5Ωであった。この試験結果より、セラミック基体20に埋設された感温部21は耐久性の高い絶縁性セラミックにより保護され、セラミック基体20の表面上にスス等が付着しても感温部21には影響が無く、温度センサ100として十分な耐久性を示すことがわかった。
そして、温度センサ100に対し、応答性についての評価を行った。この評価試験は、温度センサ100のセンサ支持体10の先端部分約20mmを、室温から移動させ、600℃の温風ガス中に曝し、そのときの抵抗値変動を測定することで行った。その測定結果を従来の温度センサと比較した結果を図3に示す。なお、温度センサ100および従来の温度センサは、その外径がともに、3.3mmのものを用いた。このとき、初期抵抗値、すなわち室温における抵抗値を0%とし、200秒後の抵抗値が100%飽和であるとして、63%飽和となったときの時間を応答時間として評価した。その結果、図3に示すように、従来の温度センサの応答時間が9.2秒であるのに対し、本実施例の温度センサ100の応答時間は5.7秒であった。これより、本発明に係る温度センサ100は、応答性に優れていることが確認できた。
以上説明したように、本実施の形態の温度センサ100のセンサ支持体10は、セラミック基体20内に感温部21、導電部22,23および電極取出部24,25を形成し、これらが埋設されるようにセラミック基体20を同時焼結した。すなわち同時焼結により、セラミック基体20と感温部21との間には空気層が形成されないので、セラミック基体20を介して伝導されるセンサ支持体10の外部の熱が、阻害されることなく感温部21に熱伝導される。さらに、このセラミック基体20を緻密体として形成することで、セラミック基体20自体が熱伝導性に優れ、温度センサとしての応答性が向上するとともに、耐久性に優れた温度センサを提供することができる。
また、感温部21の抵抗値と導電部22,23の抵抗値との間に抵抗値差を設け、感温部21の抵抗値が、感温部21と導電部22,23の合計の抵抗値の少なくとも0.99倍以上となるようにした。これにより、センサ支持体10の全体が加熱され、感温部21ばかりでなく導電部22,23の抵抗値が変動しても、導電部22,23の抵抗値変動は感温部21の抵抗値変動と比べ無視できるほど小さくなる。従って、温度センサ100によって測定される温度変化は、感温部21付近の温度変化によるものとみなすことができる。
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、感温部21と導電部22,23とはそれぞれ異なる材料を用いることにより両者間に抵抗値差を設けたが、形成時の印刷パターンによって電流の流れる方向における断面積に差を設けることによって、両者間に抵抗値差が生じるようにしてもよい。
被測定体の温度を測定する温度センサや、非加熱体の温度を加熱する加熱装置に適用することができる。
温度センサ100の部分断面図である。 センサ支持体10の断面図である。 温度センサ100の応答性について行った評価試験の結果を示す図である。
符号の説明
20 セラミック基体
21 感温部
22,23 導電部
100 温度センサ

Claims (4)

  1. 窒化珪素あるいはサイアロンと、金属のホウ化物、炭化物、窒化物、珪化物のうち少なくとも一種以上の物質とからなる導電性複合材料を主成分としてなり、周囲の温度にあわせて抵抗値が変動する感温部と、
    前記感温部に電気的に接続された一対の導電部と、
    窒化珪素あるいはサイアロンを主成分としてなり、前記感温部および前記導電部を内部に埋設した絶縁性セラミックからなる基体と
    を備えたことを特徴とする温度センサ。
  2. 前記感温部の抵抗値は、前記感温部および前記導電部の合計の抵抗値の少なくとも0.99倍以上であることを特徴とする請求項1に記載の温度センサ。
  3. 前記感温部および前記導電部は、前記基体とともに同時焼結されて埋設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の温度センサ。
  4. 前記基体は緻密体であって、前記基体の全体における気孔の存在率が、少なくとも5%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の温度センサ。
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