JPH1031280A - ハロゲン化銀感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀感光材料

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JPH1031280A
JPH1031280A JP9092055A JP9205597A JPH1031280A JP H1031280 A JPH1031280 A JP H1031280A JP 9092055 A JP9092055 A JP 9092055A JP 9205597 A JP9205597 A JP 9205597A JP H1031280 A JPH1031280 A JP H1031280A
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Takashi Kato
隆志 加藤
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孝嘉 小山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光吸収率の高いハロゲン化銀感光材料を提供す
る。 【解決手段】互いが2価の連結基で2箇所ずつ連結され
た連結型ストレプトシアニン色素を含有するハロゲン化
銀感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なストレプトシ
アニン色素を含有するハロゲン化銀感光材料に関し、さ
らに詳しくは互いが2価の連結基で2箇所ずつ連結され
たことを特徴とする連結型ストレプトシアニン色素を含
有するハロゲン化銀感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】ストレプトシアニン色素は写真用増感色
素として重要であるが、依然としてハロゲン化銀乳剤へ
の吸着力が弱くハロゲン化銀乳剤中での光吸収率は低く
不十分なレベルであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、光吸収率の高いハロゲン化銀感光材料を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記一般式(1)で表されるストレプトシアニン色素を含
有するハロゲン化銀感光材料によって達成された。 一般式(1)
【0005】
【化3】
【0006】式中、A1,A2及びA3は各々ストレプ
トシアニン色素を表す。L1,L2,L3及びL4は各
々2価の連結基を表す。n1は0以上の整数を表す。
【0007】特に下記一般式(2)で表されるストレプ
トシアニン色素を含有するハロゲン化銀感光材料が有効
である。 一般式(2)
【0008】
【化4】
【0009】式中、R1、R2、R3及びR4は各々ア
ルキル基またはアリール基を表す。E1,E2,E
3.,E4,E5,E6,E7,E8及びE9は各々メ
チン基を表す。L5,L6,L7及びL8は各々2価の
連結基を表す。m1、m2、m3及びn2は0以上の整
数を表す。Mは電荷中和イオンを表す。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、一般式(1)及び(2)で
表されるストレプトシアニン色素について詳細に述べ
る。A1,A2及びA3は各々ストレプトシアニン色素
を表す。ストレプトシアニン色素とは、下記一般式
(3)で表される共役系を有する化合物の総称である。 一般式(3)
【0011】
【化5】
【0012】式中、Y1、Y2及びY3は各々水素原
子、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル、エ
チル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−
ヘキシル、n−ヘプチル、n−ノニル、i−プロピル、
i−ブチル、i−ペンチル、t−ブチルなどであり、置
換されていてもよい。置換基としては例えばハロゲン原
子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素
原子)、ニトロ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ、
エトキシ)、アリール基(例えば、フェニル)、アリー
ロキシ基(例えば、フェノキシ)、アミド基、カルバモ
イル基、スルホ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アル
キルチオ基(例えば、メチルチオ)、シアノ基などが挙
げられる。以下、これらを置換基群Xという。)及び炭
素数6〜20のアリール基(例えば、フェニル、1−ナ
フチル、2−ナフチルなどであり、置換されていてもよ
い。置換基としては上記の置換基群Xが挙げられ
る。)、炭素数1〜20のアルコキシ基(たとえば、メ
トキシ、エトキシなどであり、置換されていてもよい。
置換基としては上記の置換基群Xが挙げられる。)、炭
素数1〜20のアリールオキシ基(たとえば、フェノキ
シなどであり、置換されていてもよい。置換基としては
上記の置換基群Xが挙げられる。)である。Y4,Y
5,Y6及びY7は各々水素原子、炭素数1〜20のア
ルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n
−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチ
ル、n−ノニル、i−プロピル、i−ブチル、i−ペン
チル、t−ブチルなどであり、置換されていてもよい。
置換基としては上記の置換基群Xが挙げられる。)、炭
素数1〜20のアリール基(例えば、フェニル、1−ナ
フチル、2−ナフチルなどであり、置換されていてもよ
い。置換基としては上記の置換基群Xが挙げられる。)
である。n3は0以上の整数を表す。具体的には、M. O
kawara, T. Kitao, T. Hirashima, M. Matuoka, Organi
c Colorants, A Handbook of Data of Selected Dye fo
r Electro-optical Applications, Elsvir, New York(1
988), 第306〜308頁に記載の色素のNo.610
21〜61074などがあげられる。A1とA3が同一
となり環状構造となってもよい。
【0013】L1,L2,L3L4,L5,L6,L7
及びL8は各々2価の連結基を表す。2価の連結基とし
ては、例えば、炭素数1〜20のアルキレン基(例え
ば、エチレン、プロピレン、ブチレン、1−メチルエチ
レン、2−メチルプロピレンなどであり、置換されてい
てもよい。置換基としては上記の置換基群Xが挙げられ
る。アルキレン基の間にヘテロ原子(例えば、酸素原
子、硫黄原子、窒素原子)、アリーレン基(例えば、
1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フ
ェニレン、1,2−ナフチレン)、複素環(例えば、
2,3−ピリジレン)などが存在していてもよい。)、
炭素数1〜20のアルケニレン基(例えば、1,2−エ
テニレン、1−メチルー1,2−エテニレン、1,2−
ジメチル−1,2−エテニレン、1,3−(1−プロペ
ニレン)、1,4−(2−ブテニレン)などであり、置
換されていてもよい。置換基としては上記の置換基群X
が挙げられる。)、炭素数1〜20のアルキニレン基
(例えば、エチニレン、プロピニレンなどであり、置換
されていてもよい。置換基としては上記の置換基群Xが
挙げられる。)などが挙げられる。L1,L2,L3L
4,L5,L6,L7及びL8として好ましくは、アル
キレン基であり、特に好ましくはエチレン基である。
【0014】R1、R2、R3及びR4は各々炭素数1
〜20のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プ
ロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n
−ヘプチル、n−ノニル、i−プロピル、i−ブチル、
i−ペンチル、t−ブチルなどであり、置換されていて
もよい。置換基としては上記の置換基群Xが挙げられ
る。R1とR2及びR3とR4は環を形成してもよい。
環は4員環、5員環、6員環、7員環などであり、環の
中にヘテロ原子(例えば、酸素原子、硫黄原子、窒素原
子)、アリール基(例えば、1,2−フェニレン、1,
3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,2−ナフチ
レン)、複素環(例えば、2,3−ピリジレン)などが
存在していてもよい。)及び炭素数6〜20のアリール
基(例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルな
どであり、置換されていてもよい。置換基としては上記
の置換基群Xが挙げられる。)である。R1、R2、R
3及びR4として好ましくは、無置換のアルキル基、環
状のアルキル基及びアリール基であり、特に好ましくは
メチル基、エチル基、ピペラジン環である。
【0015】E1,E2,E3.,E4,E5,E6,
E7,E8及びE9は各々炭素数1〜20のメチン基
(置換されていてもよい。置換基としては上記の置換基
群Xが挙げられる。好ましい置換基はメチル基、エチル
基、フェニル基、塩素原子、臭素原子、メトキシ基であ
る。)を表す。E1,E2,E3,E4,E5,E6,
E7,E8及びE9として好ましくは、無置換のメチン
基である。
【0016】n1及びn2は0以上の整数を表す。上限
はないが、1000以下の場合が好ましい。ポリマー色
素の場合、n1及びn2は10以上100以下が好まし
く、特に10以上20以下が好ましい。オリゴマー体の
場合、n1及びn2は0から10以下が好ましく、特に
0、1、2、3が好ましい。n3、m1、m2及びm3
は0、1、2、3、4または5であり、好ましくは1、
2、3である。
【0017】Mは電荷中和イオンを表す。ある化合物が
陽イオン、陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電
荷を持つかどうかは、その置換基に依存する。典型的な
陽イオンはアンモニウムイオン及びアルカリ金属イオン
であり、一方陰イオンは無機イオンあるいは有機イオン
のいずれであってもよい。陽イオンとしては、たとえ
ば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、トリエチルア
ンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、1−エチルピ
リジニウムイオンであり、陰イオンとしては、たとえ
ば、ハロゲン陰イオン(例えば、塩素イオン、臭素イオ
ン、フッ素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスル
ホン酸イオン(例えば、パラトルエンスルホン酸イオ
ン)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオ
ン)、硫酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホ
ウ酸イオン、酢酸イオンなどが挙げられる。
【0018】次に好ましい組合せについて述べる。一般
式(1)の場合、好ましい組合せはA1〜A3がトリメ
チンストレプトシアニン色素、L1〜L4がアルキレン
基(n1は0以上の整数)の場合、A1〜A3がペンタ
メチンストレプトシアニン色素、L1〜L4がアルキレ
ン基、n1=0、1の場合、A1〜A3がペンタメチン
ストレプトシアニン色素、L1〜L4がアルキレン基、
n1=2以上の整数の場合、A1〜A3がヘプタメチン
ストレプトシアニン色素、L1〜L4がアルキレン基
(n1は0以上の整数)の場合である。一般式(2)の
場合、好ましい組合せはR1〜R4がアルキル基、L5
〜L8がアルキレン基、E1〜E9が無置換のメチン
基、m1〜m3が1、2または3、n2は0〜10の場
合である。
【0019】以下に本発明の一般式(1)で表される化
合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】本発明の化合物は、たとえば以下の文献記
載の方法に準じて合成することができる。S. S. Malhot
ra and M. C. Whiting, J. Chem. Soc., 1960 年、第3
812頁.
【0026】以下に合成例を示す。 合成例1.(化合物7の合成)
【0027】
【化11】
【0028】化合物(C−1)と化合物(C−2)のエ
タノール溶液に過塩素酸水溶液を添加し、50℃で15
分間加熱攪拌し、冷却後ろ別し、得られた粗結晶をDM
SO−酢酸エチルエステル−ヘキサン混合溶媒から晶析
を繰り返し、目的化合物7を得た。黄色結晶。 λmax =439 nm(MeOH)
【0029】合成例2.(化合物15の合成) 化合物15は以下のスキームに従い合成した。黄色結
晶。λmax =457 nm(MeOH)
【0030】
【化12】
【0031】合成例3(化合物37の合成)
【0032】
【化13】
【0033】化合物(C−3)1.64gと化合物(C−2)
0.86gのDMF 溶液にクロロスルホン酸1.16g を添加し加
熱下還流を2時間行い、冷却後アセトンから晶析して目
的化合物37を得た。収量1.20 g. λmax=350nm(MeOH)
【0034】合成例4(化合物38の合成)
【0035】
【化14】
【0036】化合物(C−4)2.72g と化合物(C−
2)0.86g のエタノール溶液を加熱下還流を15分間行
い、冷却後得られた結晶をろ別し、メタノール、アセト
ン、ヘキサン混合溶媒より晶析させ、目的化合物38を
得た。収量0.40g. λmax=484nm(MeOH)
【0037】本発明に用いるメチン化合物(又、その他
の増感色素についても同様)を本発明のハロゲン化銀乳
剤中に添加する時期は、これまで有用である事が認めら
れている乳剤調製の如何なる工程中であってもよい。例
えば、米国特許2,735,766号、同3,628,
960号、同4,183,756号、同4,225,6
66号、特開昭58−184142号、同60−196
749号等に開示されているように、ハロゲン化銀の粒
子形成工程または/及び脱塩前の時期、脱塩工程中及び
/または脱塩後から化学熟成の開始前迄の時期、特開昭
58−113920号等に開示されているように、化学
熟成の直前または工程中の時期、化学熟成後塗布迄の時
期の乳剤が塗布される前なら如何なる時期、工程に於い
て添加されても良い。また、米国特許4,225,66
6号、特開昭58−7629号等に開示されているよう
に、同一化合物を単独で、または異種構造の化合物と組
み合わせて、例えば、粒子形成工程中と化学熟成工程中
または化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成の前また
は工程中と完了後とに分けるなどして分割して添加して
も良く、分割して添加する化合物及び化合物の組み合わ
せの種類をも変えて添加されても良い。
【0038】本発明に用いる色素の添加量としては、ハ
ロゲン化銀粒子の形状、サイズにより異なるが、ハロゲ
ン化銀1モル当たり、1×10-6〜8×10-3モルで用
いることができる。例えば、ハロゲン化銀粒子サイズが
0.2〜1.3μmの場合には、ハロゲン化銀1モル当
たり、2×10-6〜3.5×10-3モルの添加量が好ま
しく、7.5×10-6〜1.5×10-3モルの添加量が
より好ましい。
【0039】本発明に用いる色素は、直接乳剤中へ分散
することができる。また、これらはまず適当な溶媒、例
えばメチルアルコール、エチルアルコール、メチルセロ
ソルブ、アセトン、水、ピリジンあるいはこれらの混合
溶媒などの中に溶解され、溶液の形で乳剤中へ添加する
こともできる。この際、塩基や酸、界面活性剤などの添
加物を共存させることもできる。また、溶解に超音波を
使用することもできる。また、この色素の添加方法とし
ては米国特許第3,469,987号などに記載のごと
き、該化合物を揮発性の有機溶媒に溶解し、該溶液を親
水性コロイド中に分散し、この分散物を乳剤中へ添加す
る方法、特公昭46−24185号などに記載のごと
き、水溶性溶剤中に分散させ、この分散物を乳剤中へ添
加する方法、米国特許第3,822,135号に記載の
ごとき、界面活性剤にメチン化合物を溶解し、該溶液を
乳剤中へ添加する方法、特開昭51−74624号に記
載のごとき、レッドシフトさせる化合物を用いて溶解
し、該溶液を乳剤中へ添加する方法、特開昭50−80
826号に記載のごとき、メチン化合物を実質的に水を
含まない酸に溶解し、該溶液を乳剤中へ添加する方法な
どが用いられる。その他、乳剤中への添加には米国特許
第2,912,343号、同3,342,605号、同
2,996,287号、同3,429,835号などに
記載の方法も用いられる。
【0040】また、本発明の色素は、鮮鋭度、色分解能
向上などの目的のための種々のフィルター染料、イラジ
ェーション防止染料またはアンチハレーション用染料等
として用いることができる。この色素は慣用の方法でハ
ロゲン化銀写真感光材料層、フィルター層および/また
はハレーション防止層などの塗布液に含有させることが
できる。染料の使用量は写真層を着色させるに充分な量
でよく、当業者は容易にこの量を使用目的に応じて適宜
選定できる。一般には、光学濃度が0.05ないし3.
0の範囲になるように使用するのが好ましい。添加時期
は塗布される前のいかなる工程でもよい。また、染料イ
オンと反対の荷電をもつポリマーを媒染剤として層に共
存させ、これを染料分子との相互作用によって、染料を
特性層中に局在化させることもできる。ポリマー媒染剤
としては例えば米国特許2,548,564号、同4,
124,386号、同3,625,694号、同3,9
58,995号、同4,168,976号、同3,44
5,231号に記載されているものなどを挙げることが
できる。
【0041】本発明における分光増感において有用な強
色増感剤は、例えば米国特許3,511,664号、同
3,615,613号、同3,615,632号、同
3,615,641号、同4,596,767号、同
4,945,038号、同4,965,182号、同
4,965,182号等に記載のピリミジルアミノ化合
物、トリアジニルアミノ化合物、アゾリウム化合物など
であり、その使用法に関しても上記の特許に記載されて
いる方法が好ましい。
【0042】本発明のハロゲン化銀感光材料に使用しう
るハロゲン化銀は、臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩
臭化銀および塩化銀のいずれであってもよい。好ましい
ハロゲン化銀は臭化銀、塩臭化銀、沃塩臭化銀、または
特開平2−42号に記載されている高塩化銀である。ま
た、以下に感光材料の構成、処理などについて述べる
が、特開平2−42号に記載の構成、処理は特に高塩化
銀において好ましく用いられる。また、特開昭63−2
64743号に記載の構成、処理は特に塩臭化銀におい
て好ましく用いられる。写真感光材料中のハロゲン化銀
粒子は、立方体、14面体、菱12面体のような規則的
(regular)な結晶体を有するものでもよく、また球状、
平板状などのような変則的(irregular)な結晶形をもつ
もの、あるいはこれらの結晶形の複合形をもつものでも
よい。種々の結晶形の粒子の混合から成ってもよい。
【0043】ハロゲン化銀粒子は内部と表層とが異なる
相をもっていても、均一な相から成っていてもよい。ま
た潜像が主として表面に形成されるような粒子(例えば
ネガ型感光材料)でもよく、粒子内部に主として形成さ
れるような粒子(例えば、内部潜像型感光材料)、また
は予めかぶらせた粒子(例えば直接ポジ型感光材料)で
あってもよい。前記の種々のハロゲン組成、晶癖、粒子
内構造、形状および分布を有するハロゲン化銀粒子は、
各種用途の感光性写真材料(要素)に於て使用される。
【0044】本発明の色素は、増感剤、増感色素、フィ
ルター、アンチハレーションあるいはイラジェーション
防止等の目的で下記の如き用途の感光材料に用いられ
る。これらの色素は感光性乳剤層以外に、中間層、保護
層、バック層など所望の層に添加できる。本発明の色素
は、種々のカラー及び白黒用のハロゲン化銀写真感光材
料に用いられる。さらに詳しくは、カラーポジ用感光材
料、カラーペーパー用感光材料、カラーネガ用感光材
料、カラー反転用感光材料(カプラーを含む場合もあ
り、含まぬ場合もある)、直接ポジ用ハロゲン化銀写真
感光材料、製版用写真感光材料(例えばリスフィルム、
リスデュープフィルムなど)、陰極線管ディスプレイ用
感光材料、X線記録用感光材料(特にスクリーンを用い
る直接及び間接撮影用材料)、銀塩拡散転写プロセス
(Silver Salt diffusion transfer process) に用いら
れる感光材料、カラー拡散転写プロセスに用いる感光材
料、ダイ・トランスファー・プロセス(imhibition pro
cess) に用いる感光材料、銀色素漂白法に用いる感光材
料、熱現像用感光材料等に用いられる。
【0045】本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤
は、ピー・グラフキデス(P.Glafkides)著「シミー・エ
・フィジーク・フォトグラフィーク(Chimie et Physiqu
e Photograhique 」(ポールモンテル (Paul Montel)社
刊、1967年)、ジー・エフ・デフェイン(G.F.Duff
in)著「フォトグラフィク・エマルジョン・ケミストリ
ー(Photographic Emulsion Chemistry)」(ザ・フォー
カルプレス(The FocalPress) 刊、1966年)、ヴィ・エ
ル・ツエリクマンら(V.L.Zelikman et al.)著「メー
キング・アンド・コーティング・フォトグラフィク・エ
マルジョン(Making and Coating Photographic Emulsi
on)」(ザ・フォーカルプレス(The Focal Press) 刊、
1964年)などに記載された方法を用いて調製することが
できる。
【0046】またハロゲン化銀粒子の形成時には粒子の
成長をコントロールするためにハロゲン化銀溶剤として
例えばアンモニア、ロダンカリ、ロダンアンモン、チオ
エーテル化合物(例えば米国特許第3,271,157
号、同3,574,628号、同3,704,130
号、同4,297,439号、同4,276,374号
など)、チオン化合物(例えば特開昭53−14431
9号、同53−82408号、同55−77737号な
ど)、アミン化合物(例えば特開昭54−100717
号など)などを用いることができる。ハロゲン化銀粒子
形成または物理熟成の過程において、カドミウム塩、亜
鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩またはその錯塩、ロジ
ウム塩またはその錯塩、鉄塩または鉄錯塩などを共存さ
せてもよい。本発明に用いられる内部潜像型ハロゲン化
銀乳剤としては例えば米国特許2,592,250号、
同3,206,313号、同3,447,927号、同
3,761,276号、及び同3,935,014号等
に記載があるコンバージョン型ハロゲン化銀乳剤、コア
/シェル型ハロゲン化銀乳剤、異種金属を内蔵させたハ
ロゲン化銀乳剤を挙げることができる。
【0047】ハロゲン化銀乳剤は、通常は化学増感され
る。化学増感のためには、例えば、エイチ・フリーザー
(H.Frieser)編「ディ・グランドラーゲン・デア・フォ
トグラフィッシェン・プロヅェッセ・ミット・ジルベル
ハロゲニーデン(Die Grundlagen der Photographische
n Prozesse mit Silberhalogeniden) 」、アカデミッシ
ェ フェアラーグス社(Akademische Verlagsgesellsch
aft)社、(1968年)675〜734頁に記載の方法
を用いることができる。すなわち、活性ゼラチンや銀と
反応し得る硫黄を含む化合物(例えば、チオ硫酸塩、チ
オ尿素類、メルカプト化合物類、ローダニン類)を用い
る硫黄増塩感法;セレン増感法;還元性物質(例えば、
第一すず塩、アミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミ
ジンスルフィン酸、シラン化合物)を用いる還元増感
法;貴金属化合物(例えば、金錯塩のほか、Pt、I
r、Pdなどの周期律表VIII族の金属の錯塩)を用いる
貴金属増感法等を単独または組合せて用いることができ
る。
【0048】本発明に用いられる写真感光材料には、感
光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリ
を防止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種
々の化合物を含有させることができる。すなわちチアゾ
ール類たとえば米国特許第3,954,478号、同
4,942,721号、特開昭59−191032号な
どに記載されているベンゾチアゾリウム塩、また特公昭
59−26731号に記載されているその開環体、ニト
ロインダゾール類、トリアゾール類、ベンゾトリアゾー
ル類、ベンズイミダゾール類(特にニトロ−またはハロ
ゲン置換体);ヘテロ環メルカプト化合物類たとえばメ
ルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾチアゾール
類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチア
ジアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フ
ェニル−5−メルカプトテトラゾール)、メルカプトピ
リミジン類;カルボキシル基やスルホン基などの水溶性
基を有する上記のヘテロ環メルカプト化合物類;チオケ
トン化合物たとえばオキサゾリンチオン;アザインデン
類たとえばテトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ
置換(1,3,3a,7)テトラアザインデン類);ベ
ンゼンチオスルホン酸類;ベンゼンスルフィン酸;特開
昭62−87957号に記載されているアセチレン化合
物等;などのようなカブリ防止剤または安定剤として知
られた多くの化合物を加えることができる。
【0049】本発明のハロゲン化銀写真感光材料はシア
ンカプラー、マゼンタカプラー、イエローカプラーなど
のカラーカプラー及びカプラーを分散する化合物を含む
ことができる。すなわち発色現像処理において芳香族1
級アミン現像薬(例えば、フェニレンジアミン誘導体
や、アミノフェノール誘導体など)との酸化カップリン
グによって発色しうる化合物を含んでもよい。例えば、
マゼンタカプラーとして、5−ピラゾロンカプラー、ピ
ラゾロベンズイミダゾールカプラー、シアノアセチルク
マロンカプラー、開鎖アシルアセトニトリルカプラー等
があり、イエローカプラーとして、アシルアセトアミド
カプラー(例えばベンゾイルアセトアニリド類、ピバロ
イルアセトアニリド類)等があり、シアンカプラーとし
て、ナフトールカプラーおよびフェノールカプラー等が
ある。これらのカプラーは分子中にバラスト基とよばれ
る疎水基を有する非拡散のものが望ましい。カプラーは
銀イオンに対し4当量性あるいは2当量性のどちらでも
よい。また色補正の効果をもつカラードカプラー、ある
いは現像にともなって現像抑制剤を放出するカプラー
(いわゆるDIRカプラー)であってもよい。またDI
Rカプラー以外にも、カップリング反応の生成物が無色
であって現像抑制剤を放出する無呈色DIRカップリン
グ化合物を含んでもよい。
【0050】本発明の写真感光材料には感度上昇、コン
トラスト上昇、または現像促進の目的で、例えばポリア
ルキレンオキシドまたはそのエーテル、エステル、アミ
ンなどの誘導体、チオエーテル化合物、チオモルフォリ
ン類、四級アンモニウム塩化合物、ウレタン誘導体、尿
素誘導体、イミダゾール誘導体、3−ピラゾリドン類な
どを含んでいてもよい。本発明のハロゲン化銀感光材料
にはフィルター染料として、あるいはイラジェーション
防止その他の種々の目的で、本発明のメチン化合物以外
に、種々の染料を含んでいてもよい。この様な染料に
は、例えば英国特許第506,385号、同1,17
7,429号、同1,311,884号、同1,33
8,799号、同1,385,371号、同1,46
7,214号、同1,433,102号、同1,55
3,516号、特開昭48−85130号、同49−1
14420号、同52−117123号、同55−16
1233号、同59−111640号、特公昭39−2
2069号、同43−13168号、同62−2735
27号、米国特許第3,247,127号、同3,46
9,985号、同4,078,933号等に記載された
ピラゾロン核やバルビツール酸核を有するオキソノール
染料、米国特許第2,533,472号、同3,37
9,533号、英国特許第1,278,621号、特開
平1−134447号、同1−183652号等記載さ
れたその他のオキソノール染料、英国特許第575,6
91号、同680,631号、同599,623号、同
786,907号、同907,125号、同1,04
5,609号、米国特許第4,255,326号、特開
昭59−211043号等に記載されたアゾ染料、特開
昭50−100116号、同54−118247号、英
国特許第2,014,598号、同750,031号等
に記載されたアゾメチン染料、米国特許第2,865,
752号に記載されたアントラキノン染料、米国特許第
2,533,009号、同2,688,541号、同
2,538,008号、英国特許第584,609号、
同1,210,252号、特開昭50−40625号、
同51−3623号、同51−10927号、同54−
118247号、特公昭48−3286号、同59−3
7303号等に記載されたアリーリデン染料、特公昭2
8−3082号、同44−16594号、同59−28
898号等に記載されたスチリル染料、英国特許第44
6,583号、同1,335,422号、特開昭59−
228250号等に記載されたトリアリールメタン染
料、英国特許第1,075,653号、同1,153,
341号、同1,284,730号、同1,475,2
28号、同1,542,807号等に記載されたメロシ
アニン染料、米国特許第2,843,486号、同3,
294,539号、特開平1−291247号等に記載
されたシアニン染料などが挙げられる。
【0051】このような染料の拡散を防止するために以
下の方法を用いることができる。例えば、解離したアニ
オン性染料と反対の電荷をもつ親水性ポリマーを媒染剤
として層に共存させ、染料分子との相互作用によって染
料を特定層中に局在化させる方法が、米国特許2,54
8,564号、同4,124,386号、同3,62
5,694号等に開示されている。また、水に不溶性の
染料固体を用いて特定層を染色する方法が、特開昭56
−12639号、同55−155350号、同55−1
55351号、同63−27838号、同63−197
943号、欧州特許第15,601号等に開示されてい
る。また、染料が吸着した金属塩微粒子を用いて特定層
を染色する方法が米国特許第2,719,088号、同
2,496,841号、同2,496,843号、特開
昭60−45237号等に開示されている。
【0052】本発明の写真感光材料には塗布助剤、帯電
防止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止および写真特
性改良(たとえば現像促進、硬調化、増感)など種々の
目的で種々の界面活性剤を含んでもよい。本発明を実施
するに際しては、その他添加剤がハロゲン化銀乳剤また
は他の親水性コロイドと共に用いられる、例えば、退色
防止剤、無機もしくは有機の硬膜剤、色カブリ防止剤、
紫外線吸収剤、媒染剤、可塑剤、ラテックスポリマー、
マット剤などを挙げることができる。具体的には、リサ
ーチディスクロージャー(Research Disclosure)Vol.1
76(1978、XI)、D−17643などに記載され
ている。また、本発明に用いられる写真感光材料には、
保護コロイドとしてゼラチン等の親水性ポリマーが用い
られる。完成(finished) ハロゲン化銀乳剤等は、適切
な支持体、例えばバライタ紙、レジンコート紙、合成
紙、トリアセテートフィルム、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム、その他のプラスチックベースまたはガラ
ス板の上に塗布される。
【0053】写真像を得るための露光は通常の方法を用
いて行なえばよい。すなわち、自然光(日光)、タング
ステン電灯、蛍光灯、水銀灯、キセノンアーク灯、炭素
アーク灯、キセノンフラッシュ灯、陰極線管フライング
スポットなどの公知の多種の光源をいずれでも用いるこ
とができる。露光時間は通常カメラで用いられる1/1
000秒から1秒の露光時間はもちろん、1/1000
秒より短い露光、たとえばキセノン閃光灯や陰極線管を
用いた1/104 〜1/106 秒の露光を用いることも
できるし、1秒より長い露光を用いることもできる。必
要に応じて色フィルターで露光に用いられる光の分光組
成を調節することができる。露光にレーザー光を用いる
こともできる。また電子線、X線、γ線、α線などによ
って励起された蛍光体から放出する光によって露光され
てもよい。本発明を用いて作られる感光材料の写真処理
には、例えばリサーチ・ディスクロージャー(Research
Disclosure)176号第28〜30頁(RD−1764
3)に記載されているような、公知の方法及び公知の処
理液のいずれをも適用することができる。この写真処理
は、目的に応じて、銀画像を形成する写真処理(黒白写
真処理)、あるいは色素像を形成する写真処理(カラー
写真処理)のいずれであってもよい。処理温度は普通1
8℃から50℃の間に選ばれるが、18℃より低い温度
または50℃を越える温度としてもよい。
【0054】本発明で用いてもよい磁気記録を担持した
ハロゲン化銀写真感光材料(以下「感材」ともいう。)
は、特開平6−35118、特開平6−17528、発
明協会公開技報94−6023に詳細に記載される予め
熱処理したポリエステルの薄層支持体、例えば、ポリエ
チレン芳香族ジカルボキシレート系ポリエステル支持体
で、50μm〜300μm、好ましくは50μm〜20
0μm、より好ましくは80〜115μm、特に好まし
くは85〜105μmを40℃以上、ガラス転移点温度
以下の温度で1〜1500時間熱処理(アニール)し、
特公昭43−2603、特公昭43−2604、特公昭
45−3828記載の紫外線照射、特公昭48−504
3、特開昭51−131576等に記載のコロナ放電、
特公昭35−7578、特公昭46−43480記載の
グロー放電等の表面処理し、米国特許第5,326,6
89に記載の下塗りを行い必要に応じ米国特許第2,7
61,791に記載された下引き層を設け、特開昭59
−23505、特開平4−195726、特開平6−5
9357記載の強磁性体粒子を塗布すれば良い。なお、
上述した磁性層は特開平4−124642、特開平4−
124645に記載されたストライプ状でも良い。更
に、必要に応じ、特開平4−62543の帯電防止処理
をし、最後にハロゲン化銀乳剤を塗布した物を用いる。
ここで用いるハロゲン化銀乳剤は特開平4−16693
2、特開平3−41436、特開平3−41437を用
いる。こうして作る感材は特公平4−86817記載の
製造管理方法で製造し、特公平6−87146記載の方
法で製造データを記録するのが好ましい。その後、また
はその前に、特開平4−125560に記載される方法
に従って、従来の135サイズよりも細幅のフィルムに
カットし、従来よりも小さいフォーマット画面にマッチ
するようにパーフォレーションを小フォーマット画面当
たり片側2穴せん孔する。こうして出来たフィルムは特
開平4−157459のカートリッジ包装体や特開平5
−210202実施例の図9記載のカートリッジ、また
は米国特許第4,221,479のフィルムパトローネ
や米国特許第4,834,306、US4,834,3
66、米国特許第5,226,613、米国特許第4,
846,418記載のカートリッジに入れて使用する。
ここで用いるフィルムカートリッジまたはフィルムパト
ローネは米国特許第4,848,693、米国特許第
5,317,355の様にベロが収納できるタイプが光
遮光性の観点で好ましい。さらには、米国特許第5,2
96,886の様なロック機構を持ったカートリッジや
米国特許第5,347,334に記載される使用状態が
表示されるカートリッジ、二重露光防止機能を有するカ
ートリッジが好ましい。また、特開平6−85128に
記載の様にフィルムを単にカートリッジに差し込むだけ
で容易にフィルムが装着されるカートリッジを用いても
良い。こうして作られたフィルムカートリッジは次に述
べるカメラや現像機、ラボ機器を用いて合目的に撮影、
現像処理、色々な写真の楽しみ方に使用できる。例え
ば、特開平6−8886、特開平6−99908に記載
の簡易装填式のカメラや特開平6−57398、特開平
6−101135記載の自動巻き上げ式カメラや特開平
6−205690に記載の撮影途中でフィルムの種類を
取り出し交換できるカメラや特開平5−293138、
特開平5−283382に記載の撮影時の情報、例え
ば、パノラマ撮影、ハイヴィション撮影、通常撮影(プ
リントアスペクト比選択の出来る磁気記録可能)をフィ
ルムに磁気記録出来るカメラや特開平6−101194
に記載の二重露光防止機能を有するカメラや特開平5−
150577に記載のフィルム等の使用状態表示機能の
付いたカメラなどを用いるとフィルムカートリッジ(パ
トローネ)の機能を充分発揮できる。この様にして撮影
されたフィルムは特開平6−222514、特開平6−
222545に記載の自現機で処理するか、処理の前ま
たは最中または後で特開平6−95265、特開平4−
123054に記載のフィルム上の磁気記録の利用法を
用いても良いし、特開平5−19364記載のアスペク
ト比選択機能を利用しても良い。現像処理する際シネ型
現像であれば、特開平5−119461記載の方法でス
プライスして処理する。また、現像処理する際または
後、特開平6−148805記載のアッタヂ、デタッチ
処理する。こうして処理した後で、特開平2−1848
35、特開平4−186335、特開平6−79968
に記載の方法でカラーペーパーへのバックプリント、フ
ロントプリントを経てフィルム情報をプリントへ変換し
ても良い。更には、特開平5−11353、特開平5−
232594に記載のインデックスプリント及び返却カ
ートリッジと共に顧客に返却しても良い。
【0055】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明の実施態様はこれに限定されるものではな
い。
【0056】実施例1 乳剤Bの調製 {100}AgBrCl平板乳剤の調製 反応容器にゼラチン水溶液42.6リットル(ゼラチン
−1(メチオニン含率が約40μモル/gの脱イオン化
アルカリ処理骨ゼラチン)526.5g、HNO3 1N
液211mlを含み、pH4.3)、NaCl−1液(1
00ml中にNaCl 10gを含む)を351ml入れ、
温度を40℃に保ちながら、Ag−1液(100ml中に
AgNO3 20gを含む)とX−1液(100ml中にN
aCl7.05gを含む)を1685ml/分で421ml
ずつ同時混合添加した。3分間攪拌した後、Ag−2液
(100ml中にAgNO3 2gを含む)とX−2液(1
00ml中にKBr 1.4gを含む)を2176ml/分
で761mlずつ同時混合した。3分間攪拌した後、Ag
−1液とX−1液を1685ml/分で1264mlずつ同
時混合添加した。2分間攪拌した後、ゼラチン水溶液5
481ml(ゼラチン−1 351g、NaCl 35
g、pHを5.5に調整するためにNaOH1N液を含
む)を加え、pClを1.8とした後、温度を75℃に
昇温し、pClを1.8とした後5分間熟成した。この
後、平均粒径0.07μmのAgBrCl微粒子(Br
含率60%)を硝酸銀の添加速度を7.24×10-1
ル/分に設定して、20分間成長させた。添加後10分
間熟成した後、沈降剤を加え、温度を35℃に下げ、沈
降水洗した。ゼラチン水溶液を加え、60℃でpH6.
0に調節した。該粒子のレプリカの透過型電子顕微鏡写
真像(以下TEMと記す)を観察した。得られた乳剤
は、銀を基準としてAgBrをおよそ53モル%含む塩
臭化銀{100}平板粒子であった。該粒子の形状特性
値は、a1 =85、a2 =9.2、a3 =1.66、a
4 =0.18、a5 =21であった。
【0057】この乳剤Bを凝集法により脱塩処理後、ゼ
ラチン62g、フェノキシエタノール1.75gを加
え、pH6.0、pAg7.5に合わせた。
【0058】「化学増感」以上の如く調製した乳剤を攪
拌しながら56℃に保った状態で最適に化学増感を施し
た。まず、チオスルフォン酸化合物−1をハロゲン化銀
1モル当たり6×10-5モル相当添加し、つぎに、平均
球相等径0.05μmのAgBr微粒子をハロゲン化銀
1モルあたり1.0モル%相当を添加して約5分間熟成
を行い、さらにハロゲン化銀1モル当たり0.2モル%
相当の1%KI水溶液を添加した。さらに3分後、二酸
化チオ尿素を1×10-6モル/モルAg添加し、22分
間そのまま保持して還元増感を施した。つぎに4−ヒド
ロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザイ
ンデンをハロゲン化銀1モルあたり1.5×10-4モル
相当を添加し、引き続きチオ硫酸ナトリウムをハロゲン
化銀1モル当たり1×10-5モル相当とセレン化合物−
1をハロゲン化銀1モル当たり2×10-6モル相当加え
た後、塩化金酸をハロゲン化銀1モル当たり2.7×1
-6モル相当およびチオシアン酸カリウムをハロゲン化
銀1モル当たり1.8×10-3モル相当添加した。さら
に核酸(山陽国策パルプ社製:商品名RNA−F)をハ
ロゲン化銀1モル当たり67mg相当添加した。その
後、塩化金酸を添加してから20分後に亜硫酸ナトリウ
ムをハロゲン化銀1モル当たり3.2×10-4モル相当
加えてさらに熟成し、亜硫酸ナトリウムを添加した5分
後、試料(101)には何も加えずに塩化金酸を添加し
てから80分後に水溶性メルカプト化合物−1を添加し
35℃に冷却した。また試料(102)には本発明化合
物No. 37をハロゲン化銀1モル当たり5×10-3モル
相当加えた後、塩化金酸を添加してから80分後に水溶
性メルカプト化合物−1を添加し35℃に冷却した。こ
うして乳剤の調整(化学熟成)を終了した。
【0059】
【化15】
【0060】(乳剤塗布層の調製)化学増感を施した乳
剤に対してハロゲン化銀1モル当たり下記の薬品を添加
して乳剤塗布液とした。 ・ゼラチン(乳剤中のゼラチンも含めて) 111 g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 21.5 g ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 5.1 g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.2 g ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 膨潤率が230%の値になるように添加量を調整 ・化合物−I 42.1 mg ・化合物−II 10.3 g ・化合物−III 0.11g ・化合物−IV 8.5 mg ・化合物−V 0.43g ・化合物−VI 0.004g ・化合物−VII 0.1 g ・化合物−VIII 0.1 g NaOHでpH6.1に調整
【0061】
【化16】
【0062】
【化17】
【0063】
【化18】
【0064】上記塗布液に対し、紫外線吸収染料−I〜
III が各々片面当たり5mg/m2となるように染料乳化物
Sを添加した試料を作成した。
【0065】
【化19】
【0066】(染料乳化物Sの調製)上記染料−I〜II
I を各々20gおよび下記高沸点有機溶媒−Iを62.
8g、−IIを62.8g及び酢酸エチル333gを60
℃で溶解した。つぎにドデシルスルホン酸ナトリウムの
5%水溶液65ccとゼラチン94g、水581ccを添加
し、ディゾルバーにて60℃、30分間乳化分散した。
つぎに下記化合物−IXを2gおよび水6リットルを加
え、40℃に降温した。つぎに旭化成製限外濾過ラボモ
ジュールACP1050を用いて、全量が2kgとなるま
で濃縮し、化合物−IXを1g加えて染料乳化物Sとし
た。
【0067】
【化20】
【0068】(表面保護層塗布液の調製)表面保護層塗
布液を、各成分が下記の塗布量となるように調製した。 ・ゼラチン 0.780g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.035g/m2 ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 0.0012g/m2 ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.7μm) 0.072g/m2 ・塗布助剤−I 0.020g/m2 ・塗布助剤−II 0.037g/m2 ・塗布助剤−III 0.0080g/m2 ・塗布助剤−IV 0.0032g/m2 ・塗布助剤−V 0.0025g/m2 ・化合物−VII 0.0022g/m2 ・1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.0010g/m2 (NaOHでpH6.8に調整)
【0069】
【化21】
【0070】(支持体の調製) (1)下塗層用染料分散物Bの調製 下記の染料−IIを特開昭63−197943号に記載の
方法でボールミル処理した。
【0071】
【化22】
【0072】水434ccおよび Triton X200(登録商
標)界面活性剤(TX−200(登録商標)の6.7%
水溶液791ccとを2リットルのボールミルに入れた。染料
20gをこの溶液に添加した。酸化ジルコニウム(Zr
2)のビーズ400ml(2mm径)を添加し、内容物を4
日間粉砕した。この後、12.5%ゼラチン160gを
添加した。脱泡した後、濾過によりZrO2 ビーズを除
去した。得られた染料分散物を観察したところ、粉砕さ
れた染料の粒径0.05〜1.15μm にかけての広い
分野を有していて、平均粒径は0.37μm であった。
さらに、遠心分離操作を行うことで0.9μm 以上の大
きさの染料粒子を除去した。こうして染料分散物Bを得
た。
【0073】(2)支持体の調製 二軸延伸された厚さ175μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にコロナ放電を行い、下記の組成より
成る第1下塗液を塗布量が4.9cc/m2と成るようにワ
イヤーコンバーターにより塗布し、185℃にて1分間
乾燥した。つぎに反対面にも同様にして第1下塗層を設
けた。使用したポリエチレンテレフタレートには染料−
IVが0.06wt%、染料−Vが0.06wt%含有さ
れているものを用いた。
【0074】
【化23】
【0075】 ・ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固形分40%ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 158 cc ・2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム 塩4%溶液 41 cc ・蒸留水 801 cc ※ラテックス溶液中には、乳化分散剤として下記化合物をラテックス固形分に 対し0.4wt%含有
【0076】
【化24】
【0077】(3)下塗層の塗布 上記の両面の第1下塗層上に下記の組成からなる第2の
下塗層を塗布量が下記に記載の量となるように片側ず
つ、両面にワイヤー・バーコーダー方式により塗布し、
155℃で乾燥した。 ・ゼラチン 80mg/m2 ・染料分散物B(染料固形分として) 8mg/m2 ・塗布助剤−VI 1.8mg/m2 ・化合物−X1 0.27mg/m2 ・マット剤 平均粒径2.5μm のポリメチルメタクリレート 2.5mg/m2
【0078】
【化25】
【0079】(写真材料の調製)前述のごとく準備した
支持体上に先の乳剤層と表面保護層とを組み合わせ同時
押し出し法により両面に塗布した。片面当りの塗布銀量
は0.80g/m2とした。
【0080】(写真性能の評価)写真材料をDu Po
nt社製ウルトラビジョンファーストディテールを使用
して両側に密着させ、両側から、0.05秒の露光を与
え、X線センシトメトリーをおこなった。露光量の調整
は、X線管球とカセッテとの距離を変化させることによ
り行った。露光後、下記現像液と定着液にて自動現像機
処理を行った。感度は試料(101)を基準とした時の
相対値(△logE) で表1に示した。
【0081】(処理) 自動現像機・・・富士フイルム(株)社製CEPROS
−30 濃縮液の調製 PartA 水酸化カリウム 18.0g 亜硫酸カリウム 30.0g 炭酸ナトリウム 30.0g ジエチレングリコール 10.0g ジエチレントリアミン五酢酸 2.0g 1−(N,N−ジエチルアミノ)エチル−5−メルカプト テトラゾール 0.1g L−アスコルビン酸 43.2g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3− ピラゾリドン 2.0g 水を加えて 300ml PartB トリエチレングリコール 45.0g 3,3′−ジチオビスヒドロ桂皮酸 0.2g 氷酢酸 5.0g 5・ニトロインダゾール 0.3g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 3.5g 水を加えて 60ml PartC グルタールアルデヒド(50%) 10.0g 臭化カリウム 4.0g メタ重亜硫酸カリウム 10.0g 水を加えて 50ml PartA300mlとPartB60mlとPartC5
0mlに水を加えて1リットルとしてpH10.90に合
わせる。PartA4.50リットル、PartB0.
90リットル、PartC0.75リットルを富士フイ
ルム(株)社製CE−DF1ボトルに使用液1.5リッ
トル用として充填して使用した。現像開始液 前記現像補充液に酢酸を添加してpH=10.20にし
たものを現像開始液とした。
【0082】 <定着液> チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol %) 3000 ml エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム・二水塩 0.45 g 亜硫酸ナトリウム 225 g ホウ酸 60 g 1−(N,N−ジエチルアミン)−エチル−5−メルカプ トテトラゾール 15 g 酒石酸 48 g 氷酢酸 675 g 水酸化ナトリウム 225 g 硫酸(36N) 58.5 g 硫酸アルミニウム 150 g 水を加えて 6000 ml pH 4.68
【0083】また、水あか防止剤として、放線菌を平均
粒径100μm、平均孔径3μmのパーライトに担持さ
せたもの0.4gをポリエチレン製のビン(ビン開口部
を300メッシュのナイロン布で覆い、この布より水お
よび菌の流通が可能)に充填したものを3個用意し、そ
のうちの2個を水洗槽の底部に、1個を水洗水のストッ
クタンク(液量0.2リットル)の底部にそれぞれ沈め
た。
【0084】表1より、本発明化合物を添加した場合、
写真感度が向上することがわかる。
【0085】
【表1】
【0086】上記の試料について、反射スペクトルをク
ベルカ・ムンク変換した後、横軸をエネルギー値でプロ
ットした吸収スペクトルに関して、340nmより長波長
側の吸収を積分した値Sを求めた。試料(101)を基
準とした場合、試料(102)はS=1.40となり、
ハロゲン化銀乳剤の光吸収率が向上していることがわか
った。
【0087】
【発明の効果】本発明の化合物はハロゲン化銀乳剤中に
おける光吸収率が高い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるメチン化合
    物を含有することを特徴とするハロゲン化銀感光材料。 一般式(1) 【化1】 式中、A1,A2及びA3は各々ストレプトシアニン色
    素を表す。L1,L2,L3及びL4は各々2価の連結
    基を表す。n1は0以上の整数を表す。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2)で表されるメチン化合
    物を含有することを特徴とするハロゲン化銀感光材料。 一般式(2) 【化2】 式中、R1、R2、R3及びR4は各々アルキル基また
    はアリール基を表す。E1,E2,E3.,E4,E
    5,E6,E7,E8及びE9は各々メチン基を表す。
    L5,L6,L7及びL8は各々2価の連結基を表す。
    m1、m2、m3及びn2は0以上の整数を表す。Mは
    電荷中和イオンを表す。
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