JPH1031149A - レンズ鏡筒 - Google Patents

レンズ鏡筒

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JPH1031149A
JPH1031149A JP8185788A JP18578896A JPH1031149A JP H1031149 A JPH1031149 A JP H1031149A JP 8185788 A JP8185788 A JP 8185788A JP 18578896 A JP18578896 A JP 18578896A JP H1031149 A JPH1031149 A JP H1031149A
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JP
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cam
optical axis
moving frame
lens group
moving
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JP8185788A
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Hideo Sugano
英夫 菅野
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定筒から前方へ繰り出される移動枠に、直
接外力が加わった場合にも、移動枠を駆動するカム機構
が損なわれることのないレンズ鏡筒を安価に提供する。 【解決手段】 固定筒(2)と、固定筒より光軸前方へ
繰り出される移動枠(3)と、移動枠を光軸方向に駆動
するカム機構と、移動枠に直接加わった外力の、カム機
構への作用を緩衝する緩衝機構とを備えるレンズ鏡筒に
おいて、緩衝機構は、カム溝の少なくとも一部分の形状
に対応する形状の緩衝面(2h)、及び緩衝面に沿って
相対移動する接触部(3b)とを有し、緩衝面は、カム
筒の内周面の突出部に設けられ、接触部は、移動枠の光
軸方向の端部に設けられ、接触部は、移動枠に外力が直
接加わったときに、緩衝面と接触する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学系の少なくと
も一部を保持し、固定筒から繰り出される移動枠を有す
るレンズ鏡筒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レンズ鏡筒では、その外形をコン
パクトにするために、種々の工夫がなされている。例え
ば、ズームレンズ鏡筒は、複雑な構成の光学系を有し、
その光軸方向長さが長くなるために、固定筒をなるべく
短くし、最も被写体側に位置する第1レンズ群がその固
定筒からズーム動作に合わせて繰り出される構造を採用
している。このような構造のズームレンズ鏡筒では、第
1レンズ群を光軸後方へ引くことにより、レンズ鏡筒の
全長を短縮し、コンパクトで、持ち運び等に便利な形態
とすることが可能だからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、上述の従来のレ
ンズ鏡筒には、第1レンズ群がズーム動作に伴いその移
動方向を転換する、いわゆるUターン移動をするものが
ある。このようなズームレンズ鏡筒では、第1レンズ群
移動枠を駆動するカム機構のカム溝が、光軸に対し直交
する部位を有する。このために、第1レンズ群を保持し
ている移動枠に、光軸前方より不慮の衝撃(外力)が加
わった場合には、その衝撃力は、上記カム溝と、そのカ
ム溝に嵌合しているカムピンの接触部位に集中する。こ
の結果、カムピンが曲がる又は破損し、その後のズーミ
ング動作が不良になるという問題があった。
【0004】上記問題に対し、第1レンズ群移動枠を駆
動するためのカム機構とは別個に、衝撃を吸収するため
のカム機構や、その他の部品を新たに設けるという解決
方法がある。衝撃を吸収するためのカム機構とは、衝撃
が加わったときにのみカムピンがカム溝の側面に接触
し、衝撃力をそのカム溝側に逃がすカム機構をいう。し
かしながら、この種の解決方法では、レンズ鏡筒に新た
な部品を追加するため、コストが大幅に増大するという
問題があった。特に、別個のカム機構を用いる場合に
は、新たなカム溝を設けるための切削加工が必要となる
ために、加工工程、加工費用の増大は顕著な問題であっ
た。
【0005】そこで、本発明の課題は、固定筒から前方
へ繰り出される移動枠に、直接外力が加わった場合に
も、移動枠を駆動するカム機構が損なわれることのない
レンズ鏡筒を安価に提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、固定筒と、光学系の少なく
とも一部を保持し、前記固定筒より光軸前方へ繰り出さ
れる移動枠と、カム筒に設けたカム溝の形状に従い前記
移動枠を光軸方向に駆動するカム機構と、前記移動枠に
直接加わった外力の、前記カム機構への作用を緩衝する
緩衝機構とを備えるレンズ鏡筒において、前記緩衝機構
は、前記カム溝の少なくとも一部分の形状に対応する形
状の緩衝面(2h)、及び前記緩衝面に沿って相対移動
する接触部(3b)とを有し、前記緩衝面は、前記カム
筒又は前記移動枠の、光軸方向の端部又は外周面若しく
は内周面の突出部に設けられ、前記接触部は、前記緩衝
面が設けられていない前記カム筒又は前記移動枠の、外
周面若しくは内周面又は光軸方向の端部に設けられ、前
記接触部は、前記移動枠に前記外力が直接加わったとき
に、前記緩衝面と接触することを特徴とする。請求項2
に係る発明は、請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
前記カム溝は、光軸となす角が直角である領域を有し、
前記緩衝面は、前カム溝のうち、前記領域及びその近傍
の形状に対応した形状を有することを特徴する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面等を参照して、本発明
に係る実施形態について、さらに詳しく説明する。図1
は、本発明の一実施形態であるズームレンズ鏡筒の断面
図である。また、図2は、内側ズームリング8及び内側
固定筒2などの部分展開図、図3は、ズームカムリング
7及び内側固定筒2の部分展開図である。なお、図1で
は図面左、また、図2及び図3では図面上が光軸前方
(被写体方向)となっている。
【0008】本実施形態は、5つのレンズ群より構成さ
れた光学系を備えている。第1レンズ群L1、L2は、
ワイド側からテレ側へ向けてズーミング動作を行うとき
に、途中でその移動方向を転換し、光軸に沿ってUター
ンを行うレンズ群である。すなわち、第1レンズ群L
1、L2は、光学系の焦点距離がワイドとテレのほぼ中
間の値となるまでは光軸後方へ移動し、そこで移動方向
を転換して、以後、光軸前方への移動する。一方、その
他のレンズ群(第2レンズ群L3、第3レンズ群L4、
第4レンズ群L5、及び第5レンズ群L6、L7)は、
ワイド側からテレ側へ向けてズーミング動作をするとき
は、終始光軸前方へ移動するレンズ群である。また、第
2レンズ群L3は、フォーカシングレンズとしての機能
をも同時に果たすレンズ群である。
【0009】次に、本実施形態を構成する各部材につい
て説明する。外側固定筒1は、光軸後方の端部にマウン
ト部1aを有し、そのマウント部1aを介して、図示し
ないカメラボディに取り付けられる部材である。外側固
定筒1は、このマウント部1aの近傍の外周部に絞りリ
ング4を回転自在に備えている。また、外側固定筒1の
外周部中央には、ズームリング5がやはり光軸中心の回
転自在に設けられている。外側固定筒1の光軸前方の端
部には、内側固定筒2との間で挟み込まれるように、フ
ォーカスリング6が光軸中心の回転が可能な状態で取り
付けられている。
【0010】内側固定筒2は、外側固定筒1より内径側
において、外側固定筒1と一体に固定された部材であ
る。内側固定筒2は、内径の異なる2つの円筒状の部
材、すなわち、大径部2a及び小径部2cを中央におい
て接続した形状を有する。大径部2aの内周部には、第
1レンズ群移動枠3の外周部3aが光軸方向への前後移
動可能に嵌合している。第1レンズ群移動枠3は、第1
レンズ群L1、L2を保持するための部材である。ま
た、大径部2aには、第1レンズ群L1、L2を光軸方
向に移動させるための移動カム溝2bが設けられてい
る。一方、第1レンズ群移動枠3は、その外周部3aに
カムピン9を備えている。カムピン9は、移動カム溝2
bを貫通し、その先端部を内側ズームリング8の案内溝
8aに嵌合させている。
【0011】ここで、移動カム溝2bは、図2に示され
るように、光軸後方へ凸の湾曲した形状を有するカム溝
である。したがって、カムピン9は、移動カム溝2bに
沿ってい移動すると、移動方向を途中で転換し、光軸方
向にUターンを行う。一方、内側ズームリング8は、内
側固定筒2の外周部に光軸中心の回転自在に嵌合してい
る部材であり、案内溝8aは、内側ズームリング8の前
部に光軸平行に受けられた直進案内溝である。内側ズー
ムリング8が回転すると、その運動は案内溝8aを介し
てカムピン9に伝達され、カムピン9は移動カム溝2b
に沿って移動する。この結果、第1レンズ群移動枠3
は、光軸を中心に回転しながら、移動カム溝2bの形状
に従って光軸方向に前後移動する。しかも、その前後移
動は、前述したように、はじめ光軸後方に移動しなが
ら、途中で光軸前方へ移動方向を転換するものである。
【0012】また、図2に点線で示すように、第1レン
ズ群移動枠3は、その外周部3aの後端に半円部3bを
備えている。半円部3bは、外周部3aの後端より光軸
後方へ突出した半円形の部位であり、カムピン9は、こ
の半円部3bの外周面に固定されている。一方、内側固
定筒2は、大径部2aの内周側に突起部2gを備えてい
る。突起部2gは、移動カム溝2bの光軸後方の側に、
その形状に沿って所定の範囲だけ設けられている。所定
の範囲とは、移動カム溝2bの光軸となす角が大きい範
囲をいい、具体的には、移動カム溝2bが光軸に直交す
る位置M、及びその近傍を含む範囲である。
【0013】また、突起部2gは、図1又は図2に示す
ように、その光軸前方の側にカム面2hを有する。カム
面2hは、カムピン9が移動カム溝2bに沿って移動す
るときに、前述の半円部3bと僅かなクリアランスを介
して対面する部位である。つまり、本実施形態が通常の
ズーミング動作をしているときは、半円部3bとカム面
2hとは、互いに接触することがない。しかし、例えば
第1レンズ群保持枠3が光軸後方に引いている状態で、
これに光軸前方より衝撃が加わり、カムピン9がわずか
に撓んだ場合には、半円部3bがカム面2hに衝突す
る。この結果、衝撃のエネルギーは、突起部2gへ吸収
され、カムピン9に過大な力が加わることが防止され
る。
【0014】一方、図1に示すように、内側固定筒2の
小径部2cは、その内周部においてズームカムリング7
を光軸中心の回転、及び光軸方向への前後移動が可能に
嵌合させている。ズームカムリング7は、第2レンズ群
から第5レンズ群までの各レンズ群のズーミング動作を
定める移動カム溝(7a〜7d)を備えた部材である。
また、ズームカムリング7は、外周部にカムピン15を
備えている。カムピン15は、内側固定筒2の小径部2
cに設けられている移動カム溝2dを貫通し、その先端
部を内側ズームリング8に光軸平行に設けられた案内溝
8bに嵌合させている。したがって、内側ズームリング
8とズームカムリング7とは、光軸中心の回転方向に一
体であり、内側ズームリング8が回転すると、ズームカ
ムリング7も同じ角度回転する。また、ズームカムリン
グ7が回転した場合には、カムピン15が移動カム溝2
dに沿って移動するために、ズームカムリング7も移動
カム溝2dの形状に沿って光軸前後に移動する。
【0015】ズームカムリング7の内周部には、第5レ
ンズ群L6、L7を内周部に保持している第5レンズ群
保持枠11が光軸方向に移動可能に嵌合している。第5
レンズ群保持枠11の外周部にはカムピン16が取り付
けてあり、カムピン16はズームカムリング7に設けら
れている移動カム溝7aに嵌合している。また、第5レ
ンズ群保持枠11の中央の屈曲断面部11bには、直進
キー17が取り付けられている。直進キー17の先端部
は、内側固定筒2の光軸後端部に設けられている光軸平
行な案内溝2fと係合している。したがって、第5レン
ズ群移動枠11は、回転することがなく、光軸方向にの
み移動可能である。
【0016】第5レンズ群移動枠11の内周部には、第
4レンズ群L5を保持する第4レンズ群移動枠12が光
軸方向に移動可能に嵌合している。第4レンズ群移動枠
12の外周部にはカムピン18が取り付けられている。
カムピン18は、カムリング7の移動カム溝7bを貫通
して、内側固定筒2の案内溝2eの中にその先端部を嵌
合させている。ここで、案内溝2eは、光軸に平行な直
進溝である。よって、カムリング7が回転すると、第4
レンズ群移動枠12は、回転することなく、移動カム溝
7bの形状に沿って光軸方向に移動する。
【0017】第4レンズ群移動枠12の内周部には、第
3レンズ群L4を保持する第3レンズ群移動枠13が光
軸方向に移動可能に嵌合している。第3レンズ群移動枠
13の外周部にはカムピン19が取り付けられており、
カムピン19は第4レンズ群移動枠12に設けてある逃
げ溝12aを貫通し、その一部を第5レンズ群移動枠1
1に光軸平行に設けられてた案内溝11aに嵌合させて
いる。また、カムピン19の先端部は、カムリング7に
設けてある移動カム溝7cに嵌合している。したがっ
て、カムリング7が回転すると、第3レンズ群移動枠1
2は移動カム溝7cの形状に従って、回転することなく
光軸方向へ移動する。
【0018】第3レンズ群移動枠13の内周部には、第
2レンズ群L3を保持する第2レンズ群移動枠14が嵌
合している。第2レンズ群移動枠14の外周部には、カ
ムピン20が取り付けられている。カムピン20は、第
3レンズ群移動枠13、第4レンズ群移動枠12、及び
第5レンズ群保持枠11のそれぞれに設けてある逃げ溝
を貫通している。また、カムピン20の一部は、カムリ
ング7の移動カム溝7dの中に嵌合している。さらに、
カムピン20は、内側固定筒2に設けられた逃げ溝を貫
通して、その先端部をフォーカスリング6の小径部6a
に設けられた光軸平行な案内溝6bに嵌合させている。
【0019】案内溝6bは、フォーカスリング6が回転
しない場合は、カムピン20に対する直進案内溝として
の働きをする。したがって、この状態でカムリング7が
回転すると、カムピン20及びカムピン20と一体に移
動する第2レンズ群移動枠14は、回転することなく、
移動カム溝7dの形状に沿いながら光軸方向へ移動す
る。また、カムリング7が回転せず、フォーカスリング
6が回転する場合は、カムピン20は、フォーカスリン
グ6の案内溝6bより回転力を与えられ、カムリング7
の移動カム溝7dの形状に沿って、回転しながら光軸方
向に移動する。この結果、第2レンズ群移動枠14も回
転しながら光軸方向に移動し、フォーカシングが行われ
る。一方、内側ズームリング8の外周部にはピン21が
取り付けられている。ピン21の先端部は、外側固定筒
1に設けられた逃げ穴を貫通して、ズームリング5の係
合穴5aに係合している。これにより、ズームリング5
と内側ズームリング8とは、回転方向に一体となってい
る。
【0020】次に、本実施形態のズーミング動作につい
て、焦点距離をワイド側からテレ側へ変化させる場合を
例に説明する。本実施形態において、ズーミングは、ズ
ームリング5を回転操作して行う。ズームリング5を回
転させると、内側ズームリング8に取り付けてあるピン
21の先端部がズームリング5の係合穴5aに係合して
いるために、ズームリング5と内側ズームリング8とが
一体となって回転する。さらに、内側ズームリング8の
回転運動は、案内溝8aを介してカムピン9に伝達さ
れ、カムピン9は、移動カム溝2bの形状に沿って回転
する。この結果、第1レンズ群移動枠3は、光軸を中心
に回転しながら移動カム溝2bの形状に従って光軸方向
に移動する。しかもその移動は、途中で移動方向を転換
するいわゆるUターンを伴うものである。
【0021】一方、内側ズームリング8が回転すると、
その回転運動は、案内溝8bを介してカムピン15にも
伝達される。カムピン15は、移動カム溝2dに沿って
移動し、その運動をズームカムリング7に伝達する。こ
の結果、ズームカムリング7は、移動カム溝2dの形状
に沿って光軸中心の回転をしながら光軸方向へ移動す
る。ズームカムリング7の光軸方向の移動量は、移動カ
ム溝2dの光軸方向長さD1(図3参照)に等しく、そ
の方向は光軸前方である。
【0022】次に、ズームカムリング7の運動は、移動
カム溝7a及びカムピン16を介して第5レンズ群移動
枠11に伝達される。前述のように、第5レンズ群移動
枠11は、その屈曲断面部11bに固定されている直進
キー17と、内側固定筒2の案内溝2fとの作用によ
り、光軸方向の直進移動のみが可能であり、光軸中心の
回転をしない。したがって、ズームカムリング7の光軸
方向の直進運動は、カムピン16等を介して直接第5レ
ンズ群移動枠11に伝達される。一方、その回転運動
は、移動カム溝7a及びカムピン16により光軸方向の
直進運動に変換されて第5レンズ群移動枠11に伝達さ
れる。したがって、第5レンズ群移動枠11は、ズーム
カムリング7が光軸方向に移動せず回転運動のみを行う
場合には、光軸後方へ移動カム溝7aの光軸方向長さD
2(図3参照)と等しい距離だけ移動する。ズームカム
リング7が光軸方向に移動しつつ回転運動をも行う場合
には、第5レンズ群移動枠11は、光軸方向へD1−D
2だけ移動する。ズームカムリング7自体が光軸前方へ
距離D1だけ移動するからである。
【0023】また、ズームカムリング7の運動は、移動
カム溝7b及びカムピン18を介して第4レンズ群移動
枠12にも伝達される。ここで、カムピン18は、内側
固定筒2の案内溝2eにその先端部を嵌合させているた
めに、案内溝2eに沿った光軸方向へのみ移動が可能で
ある。したがって、第4レンズ群移動枠12は、カムリ
ング7が回転すると、移動カム溝7bの形状に従い回転
することなく光軸方向へ移動する。第4レンズ群移動枠
12の光軸方向の移動量は、ズームカムリング7が光軸
方向に移動しない場合には、移動カム溝7bの光軸方向
長さD3(図3参照)と等しく、その方向は光軸後方で
ある。しかし、ズーミング時には、ズームカムリング7
が光軸前方へ距離D1だけ移動するので、結果的に、第
4レンズ群移動枠12の光軸方向の移動量は、光軸前方
へD1−D3となる。
【0024】ズームカムリング7の運動は、移動カム溝
7c及びカムピン19を介して第3レンズ群移動枠13
にも伝達される。ここで、カムピン19は、第5レンズ
群移動枠11に設けられた光軸平行な案内溝11aにそ
の一部を嵌合させている。したがって、カムピン19及
びカムピン19が取り付けられている第3レンズ群移動
枠13は、カムリング7が回転すると、移動カム溝7c
の形状に従って、回転することなく光軸方向へ移動す
る。第3レンズ群移動枠13の光軸方向の移動量は、ズ
ームカムリング7が光軸方向へ移動しない場合には、移
動カム溝7cの光軸方向長さD4(図3参照)と等し
く、その方向は光軸後方である。したがって、ズーミン
グ時の第3レンズ群移動枠13の移動量は、光軸前方へ
D1−D4となる。
【0025】さらに、ズームカムリング7の運動は、移
動カム溝7d及びカムピン20を介して第2レンズ群移
動枠14にも伝達される。前述のように、カムピン20
はその先端部をフォーカスリング6に設けられた案内溝
6bに嵌合させている。このために、フォーカスリング
6が回転しない状態では、案内溝6bがカムピン20に
対し直進案内溝として機能する。したがって、カムピン
20と、カムピン20と一体となって移動する第2レン
ズ群移動枠14とは、カムリング7が回転すると、移動
カム溝7dの形状に従い、回転することなく光軸方向へ
移動する。このときの第3レンズ群移動枠13の移動量
は、ズームカムリング7の移動量D1と、第2レンズ群
移動枠14のズームカムリング7に対する相対移動量D
4(図3参照)との差D1−D4であり、その方向は光
軸前方である。なお、移動カム溝7cは、第2レンズ群
移動枠14のズーミング動作及び合焦動作の双方を定め
るカム溝である。このために、上記距離D4は、合焦動
作に必要とされるカム溝の長さ分だけ、移動カム溝7c
の全体の光軸方向長さより短い。また、本実施形態で
は、ズーミング時に、第2レンズ群移動枠14と第3レ
ンズ群移動枠13とは、全く同じ動きをする。
【0026】このように、本実施形態では、ズーム動作
時にズームカムリング7が光軸方向へ移動する。したが
って、第2から第5までの各レンズ群移動枠のズーミン
グ動作時における光軸方向移動量は、カムリング7に設
けられた、各移動カム溝(7a〜7d)の光軸方向長さ
と、カムリング7自体の光軸方向移動量D1とを合成し
た量となる。つまり、本実施形態では、移動カム溝(7
a〜7d)の光軸方向長さが、現実に各レンズ群移動枠
が移動する量からズームカムリング7が光軸方向へ移動
する量を差し引いた短いものとなる。この結果、ズーム
カムリング7も光軸方向に短くなり、延いてはレンズ鏡
筒を光軸方向にコンパクトにすることが可能となってい
る。
【0027】次に、フォーカシング時における本実施形
態の動作について説明する。ここでは、本実施形態が最
も焦点距離の短い、いわゆるワイド端側に設定されてい
るときに、合焦用レンズ(L3)を無限遠の位置から至
近位置へ移動させる場合を例に説明をする。はじめに、
フォーカスリング6は、手動により光軸後方から見て反
時計回りに回転させられる。このときに、ズームリング
5は回転操作されず、ズームリング5及びズームリング
5と回転方向に一体となっているズームカムリング7は
回転しない。フォーカスリング6の回転運動は、案内溝
6bを介してカムピン20に伝達される。このために、
カムピン20は、カムリング7の移動カム溝7d内を無
限遠の位置Iから至近の位置Kまで、その形状に沿って
移動する(図3参照)。この結果、第2レンズ群移動枠
14は、回転しながら光軸後方へ移動する。なお、この
ときの第2レンズ群移動枠14の移動量は、移動カム溝
7dのうち、位置Iから位置Kまでの部分の光軸方向長
さDに等しい。
【0028】以上説明したように、本実施形態では、移
動カム溝2bのうち、位置Kから位置Nまでの領域は、
カム溝が光軸となす角が非常に大きい。カムピン9が上
記領域にあるときに、第1レンズ群移動枠3に光軸前方
より衝撃(外力)が加わった場合は、衝撃力のほとんど
がカムピン9に集中し、カムピン9は光軸後方へ撓む。
しかし、カムピン9がわずかに撓んだところで、移動カ
ム溝2bの半円部3bが内側固定筒2の突起部2gに当
たる。この結果、衝撃力は、半円部3bから突起部2g
へ伝達され、カムピン9に過大な力が加わることがな
い。すなわち、衝撃力は、半円部3bと突起部2gとに
より緩衝されるために、カムピン9が変形、破損し、レ
ンズ鏡筒のその後のズーミング動作に支障を来すことは
ない。なお、上記において、「カムピン9がわずかに撓
む」とは、カムピン9がその弾性限界を超えない範囲で
撓むことを意味する。また、「過大な力」とは、カムピ
ン9を塑性変形させるほどの力をいう。
【0029】一方、移動カム溝2bの位置Lから位置K
までの領域では、光軸後方の側に突起部2gは設けられ
ていない。これは、この領域では、移動カム溝2bの光
軸に対してなす角が小さいことによる。カムピン9がこ
の領域にあるときに、第1レンズ群移動枠3に前述の衝
撃が加わったとしても、カム溝の接線方向に平行な衝撃
力の分力が大きいために、カムピン9は移動カム溝2b
に沿って光軸後方へ移動する。これにより、カムピン9
には過大な力が集中することがなく、カムピン9が変
形、破損することもない。つまり、本実施形態では、衝
撃等の外力を原因とする過大な力がカムピン9にかかる
領域に限り、突起部2gを設けているのである。
【0030】また、第1レンズ群移動枠3の半円部3
b、及び内側固定筒2の突起部2gは、切削加工を用い
なくとも、型物加工により、それぞれ第1レンズ群移動
枠3、又は内側固定筒2と一体に成形することが可能で
ある。したがって、本実施形態では、従来のレンズ鏡筒
と比較して、加工費、部品点数、組立行程数等を増大さ
せることなく、安価に、上記効果を奏することが可能で
ある。
【0031】(その他の実施形態)なお、本発明は、上
記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態
は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された
技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効
果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技
術的範囲に包含される。例えば、上記実施形態において
は、第1レンズ群移動枠がズーム動作中にその移動方向
を転換する場合について説明したが、これは、本発明の
必須の要件ではない。したがって、本発明に係る技術的
思想は、第1レンズ群移動枠が、ズーム動作中にその移
動方向を転換しないものについても適用可能である。ま
た、上記実施形態では、移動カム溝2bが、第1レンズ
群移動枠のズーム動作を規定するカム溝である場合につ
いて説明したが、これは、合焦用動作を規定するカム溝
であってもよい。
【0032】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によ
れば、固定筒から前方へ繰り出される移動枠に、直接外
力が加わった場合にも、移動枠を駆動するカム機構が損
なわれることのないレンズ鏡筒を安価に提供するするこ
とが可能となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるズームレンズ鏡筒の
断面図である。
【図2】図1に示したズームレンズ鏡筒で用いる内側ズ
ームリング8及び内側固定筒2などの部分展開図である
【図3】図1に示したズームレンズ鏡筒で用いるズーム
カムリング7及び内側固定筒2の部分展開図である。
【符号の説明】
1 外側固定筒 11 第5レン
ズ群保持枠 2 内側固定筒 12 第4レン
ズ群移動枠 2b、2d 移動カム溝 13 第3レン
ズ群移動枠 2g 突起部 14 第2レン
ズ群移動枠 2h カム面 15、16 カ
ムピン 3 第1レンズ群移動枠 17 直進キー 4 絞りリング 18、19、2
0 カムピン 5 ズームリング 21 ピン 6 フォーカスリング L1、L2 第
1レンズ群 7 ズームカムリング L3 第2レン
ズ群 7a〜7d 移動カム溝 L4 第3レン
ズ群 8 内側ズームリング L5 第4レン
ズ群 9 カムピン L6、L7 第
5レンズ群

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定筒と、 光学系の少なくとも一部を保持し、前記固定筒より光軸
    前方へ繰り出される移動枠と、 カム筒に設けたカム溝の形状に従い前記移動枠を光軸方
    向に駆動するカム機構と、 前記移動枠に直接加わった外力の、前記カム機構への作
    用を緩衝する緩衝機構とを備えるレンズ鏡筒において、 前記緩衝機構は、前記カム溝の少なくとも一部分の形状
    に対応する形状の緩衝面、及び前記緩衝面に沿って相対
    移動する接触部とを有し、 前記緩衝面は、前記カム筒又は前記移動枠の、光軸方向
    の端部又は外周面若しくは内周面の突出部に設けられ、 前記接触部は、前記緩衝面が設けられていない前記カム
    筒又は前記移動枠の、外周面若しくは内周面又は光軸方
    向の端部に設けられ、 前記接触部は、前記移動枠に前記外力が直接加わったと
    きに、前記緩衝面と接触することを特徴とするレンズ鏡
    筒。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のレンズ鏡筒において、 前記カム溝は、光軸となす角が直角である領域を有し、 前記緩衝面は、前カム溝のうち、前記領域及びその近傍
    の形状に対応した形状を有することを特徴するレンズ鏡
    筒。
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