JPH10310689A - ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents
ポリエステル樹脂組成物およびその製造方法Info
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- JPH10310689A JPH10310689A JP12252897A JP12252897A JPH10310689A JP H10310689 A JPH10310689 A JP H10310689A JP 12252897 A JP12252897 A JP 12252897A JP 12252897 A JP12252897 A JP 12252897A JP H10310689 A JPH10310689 A JP H10310689A
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Abstract
向上できるポリエステル樹脂組成物を得る。 【解決手段】 ポリエステル樹脂組成物は、ポリアルキ
レンテレフタレートおよびポリアルキレンナフタレート
から選択された少なくとも一種のポリエステル樹脂
(A)と、(B1)分子量500〜12000程度のポリ
エチレンワックスおよび(B2)ヒンダードフェノール系
酸か防止剤などの酸化防止剤の混合物(B)とで構成さ
れている。成分(A)(B)の割合は、前者/後者(重量
比)=98.0/2.0〜99.99/0.01程度で
ある。混合物(B)中の酸化防止剤(B2)の割合は、ポ
リエチレンワックス(B1)100重量部に対して0.0
02〜1重量部程度である。
Description
有用なポリエステル樹脂組成物とその製造方法、並びに
前記ポリエステル樹脂組成物で形成された成形品に関す
る。
ば、ポリブチレンテレフタレート樹脂など)は、機械的
性質、電気的性質、その他物理的・化学的特性に優れて
いるため、エンジニアリングプラスチックとして自動
車、電気・電子機器などの広汎な用途で成形材料として
使用されている。そして、用途の拡大、多様化に伴い、
さらに高度な性能、用途に応じた特殊性能や高度な品質
が求められることが多くなってきている。例えば、射出
成形により精密機械部品を成形する場合には、成形サイ
クルを短縮させ、生産性を高めるだけでなく、射出成形
ショット間およびショット内において、個々の成形品の
寸法均一性及び重量均一性を達成させることが要求され
る。しかし、ポリブチレンテレフタレート樹脂などのポ
リエステル樹脂単独では、このような要件をすべて充分
に満足させることはできない。
工性を改良する手段として、離型剤により成形品の離型
を改善する方法、核剤によりポリブチレンテレフタレー
ト樹脂の結晶性を高める方法などが知られているが、こ
れらの方法では成形性を充分に改良できない。例えば、
特公昭47−48894号公報、特公昭47−3243
5号公報、特公昭48−4097号公報、特開昭51−
39756号公報(特公昭58−8966号公報)に
は、ポリエステル樹脂に、脂肪酸エステル、金属石鹸、
パラフィンなどを配合又は混合する方法が開示されてい
る。しかし、これらの方法では、射出成形機内において
樹脂が溶融状態で熱劣化を受けやすい、静電気の発生に
より成形上の不具合が生じる、成形機に供給するペレッ
ト同士が添加物により塊となって正常な成形の妨げとな
る、添加物の耐熱性が劣るためポリエステル樹脂(母
材)にも悪影響を与えるなどの欠点があり、諸特性にお
いて充分満足のいく結果を得ることができない。
イクルを向上させ、かつ成形品の寸法安定性及び品質安
定性を得るため、ポリブチレンテレフタレートの重合が
完結するまでの任意の段階で、反応生成混合物に、分子
量500〜12000のポリエチレンワックスを添加
し、ポリブチレンテレフタレート成形材料を製造する方
法が提案されている。しかし、この方法では、添加する
ポリエチレンワックスが耐熱性に劣るため、得られるポ
リブチレンテレフタレート成形材料の長期熱特性(熱安
定性)が著しく低下する。
は、成形加工性および熱安定性が改善されたポリエステ
ル樹脂組成物およびその製造方法を提供することにあ
る。本発明の他の目的は、簡単な操作で成形加工性およ
び熱安定性を向上できるポリエステル樹脂組成物の製造
方法を提供することにある。本発明のさらに他の目的
は、寸法精度が高く、成形加工性が向上し、しかも長期
熱特性に優れるポリステル樹脂成形品を提供することに
ある。
解決するため鋭意検討を重ねた結果、予め酸化防止剤と
ポリエチレンワックスとを均一に混合し、この均一混合
物をポリエステル樹脂に配合すると、成形性のみならず
熱安定性に極めて優れたポリエステル樹脂組成物が得ら
れることを見いだし、本発明を完成した。
物は、ポリアルキレンテレフタレートおよびポリアルキ
レンナフタレートから選択された少なくとも一種のポリ
エステル樹脂(A)と、(B1)ポリエチレンワックスお
よび(B2)酸化防止剤の混合物(B)とで構成されてい
る。この樹脂組成物において、ポリエステル樹脂(A)
と混合物(B)との割合は、例えば、前者/後者=9
8.0/2.0〜99.99/0.01(重量比)程度
であり、混合物(B)中の酸化防止剤(B2)の割合は、
ポリエチレンワックス(B1)100重量部に対して、
0.002〜1重量部程度である。ポリエチレンワック
ス(B1)の分子量は、500〜12000程度であり、
酸化防止剤(B2)には、ヒンダードフェノール系酸化防
止剤などが含まれる。ポリエステル樹脂(A)のアルキ
レングリコール成分は、エチレングリコール、1,4−
ブタンジオールなどから選択できる。本発明の方法で
は、前記ポリエステル樹脂(A)と、(B1)ポリエチレ
ンワックスおよび(B2)酸化防止剤の混合物(B)とを
混合することによりポリエステル樹脂組成物を製造す
る。さらに、本発明には、前記ポリエステル樹脂組成物
で形成されたポリエステル樹脂成形品も含まれる。
フタル酸,ナフタレンジカルボン酸(2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸な
ど)及びそれらのエステル形成性誘導体で構成されたジ
カルボン酸成分と、アルキレングリコールで構成された
ジオール成分との重縮合により得ることができ、ホモポ
リエステル及びコポリエステルのいずれであってもよ
い。
特性を損なわない範囲で、他のジカルボン酸(例えば、
フタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジ
フェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルメタンジカ
ルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸などの芳香族
ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジ
カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族
ジカルボン酸など)又はそのエステル形成性誘導体を含
んでいてもよい。ジカルボン酸は、アルキル基(C1-4
アルキル基など)、アルコキシ基(C1-4アルコキシ基
など)、ハロゲン原子などの置換基を有していてもよ
い。ジカルボン酸は単独で又は2種以上使用できる。
チルエステル、ジエチルエステル、ジイソプロピルエス
テルなどの低級C1-4 アルキルエステル、ジフェニルエ
ステルなどのジアリールエステル、ギ酸、酢酸、プロピ
オン酸などのC1-4 脂肪族カルボン酸などとの酸無水物
(ジアシル化物)などが挙げられる。
橋構造を有するポリエステル樹脂を形成するため、必要
により、少量の多価カルボン酸(トリメリット酸、トリ
メシン酸、ピロメリット酸などの芳香族多価カルボン酸
など)を含んでいてもよい。前記多価カルボン酸は、単
独で又は2種以上混合して使用できる。
酸,ナフタレンジカルボン酸又はそれらの誘導体であ
る。
ル、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,6−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオール(例え
ば、C2-6アルキレングリコールなど)、シクロペンタ
ンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキシレ
ンジメタノールなどの脂環族ジオール、ハイドロキノ
ン、レゾルシン、ジヒドロキシビフェニル、ナフタレン
ジオール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ジエトキシ
化ビスフェノールAなどの芳香族ジオール、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリオ
キシC2-4 アルキレングリコールなどが例示でき、これ
らのジオールはアルキル基(C1-4アルキル基など)、
アルコキシ基(C1-4アルコキシ基 など)、ハロゲン原
子などの置換基を有していてもよい。これらのジオール
成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ール、1,4−ブタンジオールなどのC2-6 アルキレン
グリコール、特にC2-4 アルキレングリコール、中でも
1,4−ブタンジオールである。
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールな
どの多価アルコールを含んでいてもよい。好ましいポリ
エステル樹脂には、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレートなどのポリアルキレンテレフタ
レート;ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフ
タレートなどのポリアルキレンナフタレート;ポリシク
ロヘキシレンジメチレンテレフタレートなどが含まれ
る。これらのポリエステル樹脂は単独で又は二種以上使
用できる。
粘度として、0.6〜1.8程度、好ましくは0.7〜
1.5程度である。
エステル樹脂の慣用の製造法が利用できる。例えば、ジ
カルボン酸成分又はその誘導体とジオール成分とを、適
当な触媒の存在下、エステル化又はエステル交換反応さ
せ、減圧下、反応で副生する水などの脱離成分や過剰の
モノマーを留去しつつ重縮合することによりポリエステ
ル樹脂を得ることができる。重合は、溶融重合、溶液重
合などの慣用の重合法で行うことができ、反応温度は、
例えば150〜280℃程度である。ポリエステル樹脂
の分子量を高めるため、ある程度重合が進行した後、固
相重合してもよい。固相重合は、例えば、真空条件下ま
たは不活性ガス雰囲気下、適当な時間、粒子が融着しな
い程度の高温で処理することにより行われる。
反応に用いられる慣用の触媒、例えば、テトラブトキシ
チタンなどのテトラアルコキシチタン;シュウ酸チタン
カリウムなどのシュウ酸チタン金属塩;ジブチルスズオ
キサイド、ジブチルスズラウレートなどのスズ化合物;
酢酸亜鉛、酢酸鉛、酢酸マンガン、酢酸カルシウムなど
の酢酸金属塩;三酸化アンチモンなどのアンチモン化合
物などが例示できる。触媒は単独又は二種以上使用でき
る。
ックス(B1)としては、ワックス状のエチレンホモポリ
マー、エチレン共重合体、これらの混合物などが使用で
きる。前記エチレン共重合体には、エチレンとエチレン
に対して共重合可能なモノマーとのランダム共重合体、
ブロック共重合体、グラフト共重合体やこれらの混合体
が含まれる。エチレンと共重合可能なモノマーとして
は、例えば、オレフィン(プロピレン、ブテン−1、ヘ
キセン−1、デセン−1、4−メチルブテン−1、4−
メチルペンテン−1などのα−オレフィンなど)、不飽
和カルボン酸又はその酸無水物(無水マレイン酸、(メ
タ)アクリル酸など)、(メタ)アクリル酸エステル
(アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどの(メタ)
アクリル酸C1-6 アルキルエステルなど)などの重合性
モノマーなどが挙げられる。ポリエチレンワックス(B
1)は、酸化変性物などであってもよい。好ましいポリ
エチレンワックスは、エチレンホモポリマーである。ポ
リエチレンワックスの分子量は、例えば、500〜12
000程度、好ましくは1000〜8000程度であ
る。ポリエチレンワックスの分子量が小さいと、離型性
が低下し、ポリエステル樹脂組成物成形品が変形するお
それがあり、ポリエチレンワックスの分子量が大きすぎ
ると、分散性が低下し、成形品において、剥離などが生
じ易くなる。ポリエチレンワックスは慣用の方法で製造
することができる。例えば、エチレン、又はエチレンと
共重合性モノマーとを、好ましくはラジカル開始剤の存
在下、例えば120〜150℃程度の温度で重合させる
ことにより得られる。
は、樹脂組成物の酸化を防止するために通常用いられる
広範囲の酸化防止剤を使用できる。酸化防止剤には、例
えば、フェノール系、アミン系、ヒドロキノン系、ヒド
ロキシアミン系、硫黄系、リン系酸化防止剤などが含ま
れる。
2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、1,6−ヘキサンジオールビス[3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]、ペンタエリスリチルテトラキス[3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート]メタン、トリエチレングリコール
ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメ
チル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、n−オクタデシル
−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチ
ルフェノール)プロピオネート、4,4′−メチレンビ
ス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4′−
ブチリデンビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノー
ル)、2,2′−チオジエチルビス[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]、ジステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジルホスホネート、2−t−ブチル−6−
(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジ
ル)−4−メチルフェニルアクリレートなどが挙げられ
る。
(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン、N−フェ
ニルナフチルアミンなどが挙げられる。ヒドロキノン系
酸化防止剤には、2,5−ジ(t−アミル)ヒドロキノ
ン、2,5−ジ(t−ブチル)ヒドロキノンなどが含ま
れる。硫黄系酸化防止剤として、ジラウリルチオジプロ
ピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウ
リルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチルチ
オジプロピオネートなどが挙げられる。これらの酸化防
止剤は単独で又は二種以上組合わせて使用できる。
化防止剤が含まれ、中でも、ペンタエリスリチルテトラ
キス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタン、トリエチレングリ
コールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤が好ましい。酸化防止剤の使
用量は、前記ポリエチレンワックス100重量部に対し
て0.002〜1重量部、好ましくは0.003〜0.
5重量部、さらに好ましくは0.003〜0.1重量部
(例えば、0.005〜0.1重量部)程度である。
(B1)と酸化防止剤(B2)との混合物(B)を用いる点
にある。このような均一混合物(B)をポリエステル樹
脂組成物中に含有させると、高い成形性を確保しつつ、
長時間の熱履歴に対して安定であり、機械的強度等の特
性を長期間に亘り維持できる。なお、ポリエチレンワッ
クスと酸化防止剤とを個別にポリエステル樹脂に添加し
ても、高い熱安定性は得られない。
(B)との割合は、例えば、前者/後者(重量比)=9
8.0/2.0〜99.99/0.01程度、好ましく
は98.3/1.7〜99.9/0.1程度、さらに好
ましくは98.5/1.5〜99.5/0.5程度であ
る。混合物(B)の割合が少なすぎると、滑剤としての
作用が低下しやすく、成形性、寸法安定性などが低下し
やすく、逆に多すぎると、ポリエステル樹脂の有する機
械的物性が低下する場合が生じる。
目的を阻害しない範囲で他の熱可塑性樹脂を含んでいて
もよい。このような熱可塑性樹脂には、熱安定性の高い
樹脂、例えば、ポリアミド、ポリスチレンなどのスチレ
ン系樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリフェ
ニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、ポリブ
タジエン、ブチルゴムなどのゴム、ポリメタクリル酸メ
チルなどのアクリル系樹脂などが含まれる。これらの樹
脂は、ホモポリマー、共重合体(多層グラフト共重合体
を含む)のいずれであってもよい。
的に応じて所望の特性を付与するため、一般に熱可塑性
樹脂及び熱硬化性樹脂に添加される各種添加剤を配合し
てもよい。このような添加剤としては、紫外線吸収剤な
どの安定剤、帯電防止剤、難燃剤、染料や顔料などの着
色剤、潤滑剤、可塑剤、結晶化促進剤、結晶核剤などが
挙げられる。
のポリエステル樹脂組成物は、例えば、(1)ポリエス
テル樹脂(A)と前記混合物(B)とを混合することに
より製造でき、両成分の混合は、ポリエステル樹脂
(A)の製造過程での任意の工程およびポリエステル樹
脂(A)の製造後に行ってもよい。
め得られた(1)ポリエステル樹脂(A)と前記混合物
(B)とを混合する方法、(2)ポリエステル樹脂
(A)の重合工程の任意の工程において、例えば、重合
反応完結前又は完結後の重合反応混合物(重合反応開始
前の反応成分混合液を含む)に、ポリエチレンワックス
(B1)と酸化防止剤(B2)との混合物(B)を添加し、
重合を完結させる方法により製造できる。後者の方法
(2)では、重合反応完結前の重合反応混合物(重合反
応開始前の反応成分混合液を含む)に、混合物(B)を
添加するのが有利である。
ックス(B1)と酸化防止剤(B2)との混合物(B)は、
2つの成分を混合(特に均一混合)可能な慣用の混合手
段、例えば、混合機、ニーダ、押出機などにより調製で
きる。例えば、前記混合物は、ポリエチレンワックスと
酸化防止剤とを加熱溶融させて混合し、必要に応じて、
溶融押出して成形し、ペレット化するなどの方法で調製
できる。また、前記溶融混合物を、冷却した後、粉砕な
どの手段により粉末化してもよい。ポリエステル樹脂組
成物において、前記混合物(B)と前記ポリエステル樹
脂(A)との混合は、通常、溶融下、前記と同様の慣用
の混合手段を用いて行うことができる。混合においてポ
リエステル樹脂(A)と混合物(B)は、それぞれ、種
々の形態、例えば、粉末状、ペレット状などの形態でも
使用でき、両成分を均一に混合するため、少なくともポ
リエステル樹脂(A)を微粉末状にして混合する場合が
多い。混合後、樹脂組成物は、必要に応じて、押出成形
機などにより成形(例えば、ペレット化)してもよく、
粉砕手段により粉末化してもよい。
エステル樹脂(A)の重合工程で行わないので、混合物
(B)が回収モノマー(例えば、1,4−ブタンジオー
ルなどのジオール成分)に混入することがなく、回収モ
ノマーを用いた他の製品の品質に悪影響を及ぼしたり、
回収・減圧系装置に付着して製造上の不具合を引き起こ
すことがない。
合反応混合物に混合物(B)を添加する前記方法(2)
において、前記ポリエチレンワックス(B1)、酸化防止
剤(B2)や混合物(B)の添加方法は特に限定されず、
例えば、ジオール成分などのモノマーや溶媒に分散させ
た混合液として添加する方法、ポリエチレンワックスや
酸化防止剤の融点又は軟化点以上の温度で軟化又は溶融
させて添加する方法、粉末状などの固体状で添加する方
法などのいずれであってもよい。重合反応終了後、慣用
の分離方法により重合体を回収し、必要に応じて、押出
成形機などにより成形(例えば、ペレット化)したり、
粉砕機などにより粉末化することにより、ポリエステル
樹脂組成物を得ることができる。本発明のポリエステル
樹脂組成物は、成形加工性に優れ、しかも熱安定性が著
しく高いので、寸法精度に優れかつ長期熱特性に優れた
成形品を、短い成形サイクルで安定に得ることができ
る。そのため、各種ポリエステル樹脂成形品、特に、精
密成形品や薄肉成形品を製造する上で有用である。上記
ポリエステル樹脂成形品は、前記ポリエステル樹脂組成
物から、慣用の成形法、例えば、射出成形、押出成形、
ブロー成形などにより製造できる。
よび方法が採用できる。例えば、各成分を混合した
後、押出し機により練込み押出してペレットを調製した
後、成形する方法、一旦組成の異なるペレットを調製
した後、ペレットを所定量混合して成形に供し、目的組
成の成形品を得る方法、成形機に各成分を直接仕込ん
で成形する方法などが利用できる。なお、樹脂成分の一
部を細かい粉体とし、他の樹脂成分と混合すると、樹脂
成分を均一に配合する上で有利である。
成形加工性および熱安定性を著しく改善できる。そのた
め、寸法精度が高く、しかも長期熱特性に優れるポリエ
ステル樹脂成形品を得ることができる。また、混合とい
う簡単な操作で、成形性、加工性および熱安定性を向上
できる。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例、比較例における特性評価は、以下の
方法に従って行った。 (1)引張強度 ASTM D638に準拠し、試験片の初期の強度および伸度、
150℃で500時間加熱処理した後の伸びを測定し
た。すなわち、表に示す組成のペレットから、インライ
ン射出成形機(東芝(株)製、IS80EPN)を用い
て、下記の条件で、ASTM D638の方法に準拠した試験片
サンプル(タイプIV型;厚み1mm)を成形し、初期の
引張強度を測定すると共に、別の試験片を150℃に設
定したギヤーオーブン中に入れ、熱風循環下で500時
間加熱処理した後、引張強度を測定した(測定温度:2
3℃)。 [成形条件] シリンダー温度:250℃(ノズル)、240℃(C1)、230℃
(C2)、210℃(C3) 射出圧力 :650(kg/cm2) 射出速度 :1.0(m/分) 金型温度 :65(℃) (2)メルトインデックス(MI) 上記の引張り試験を行った試験片を粉砕し、ASTM D1238
-89 E 法に準じてメルトインデックスを測定した(バレ
ル温度235℃)。 (3)成型加工性(平均計量時間) 上記(1)の試験片サンプルを成形する時の計量時間
[保圧終了から計量値までにスクリューが回転・後退を
終了するまでの時間]を測定した。各ショットの計量時
間を記録し、25ショットの平均値をもって平均計量時
間とした。なお、計量時間の短い方が成形加工性(成形
サイクル)が良好であることを示す。
のを示す。 [ポリエステル樹脂] A-1:PBT樹脂[ポリプラスチックス(株)製、ジュ
ラネックス(商品名)メルトインデックス(235℃):
45(g/10min)] A-2:PBT樹脂[ポリプラスチックス(株)製、ジュ
ラネックス(商品名)メルトインデックス(235℃):
26(g/10min)] [ポリエチレンワックス又はポリエチレンワックスと酸
化防止剤との混合物] B-1:三井ハイワックス210P(商品名)[三井石油化学
(株)製]100重量部と下記の酸化防止剤(C-1)
0.010重量部との溶融混合物 B-2:三井ハイワックス210P(商品名)[三井石油化学
(株)製]100重量部と下記の酸化防止剤(C-1)
0.005重量部との溶融混合物 B-3:三井ハイワックス410P(商品名)[三井石油化学
(株)製]100重量部と下記の酸化防止剤(C-1)
0.005重量部との溶融混合物 B-4:三井ハイワックス210P(商品名)[三井石油化学
(株)製]100重量部と下記の酸化防止剤(C-2)
0.005重量部との溶融混合物 B′-1:三井ハイワックス210P(商品名)[三井石油化
学(株)製] [酸化防止剤] C-1:ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]メタン[日本チバガイギー(株)製、Irganox101
0(商品名)] C-2:トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブ
チル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート][日本チバガイギー(株)製、Irganox245(商
品名)] 実施例1〜5、比較例1〜4 PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート)、ポリエチ
レンワックス、酸化防止剤を表1に示す組成で配合し、
ヘンシェルミキサーを用いて混合後、30mmφ2軸押
出し機を用いて溶融混練し、ペレット状の組成物を作製
した。次いで、このペレットを140℃で3時間乾燥
後、射出成形機を用いて前記の成形条件にて試験片を成
形し、各特性を測定し、評価した。結果を表1に示す。
1,4−ブタンジオールを添加し、さらに触媒としてチ
タン酸テトラ−n−ブチル0.1重量部を添加し、窒素
雰囲気下、170℃で2時間、エステル交換反応を行っ
た。続いて、反応系を徐々に減圧し、最終的に245℃
および1.0mmHgの減圧下、2時間重縮合反応を行
った。この重合反応混合物に、ポリエチレンワックス
[三井ハイワックス210P(商品名),三井石油化学
(株)製、分子量2000]100重量部と、酸化防止
剤[ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン,日本チバガイギー(株)製、Irganox1010
(商品名)]0.010重量部との溶融混合物(B-1)
を、固形分換算で、全体の1.0重量%となるように添
加し、さらに1時間、重縮合反応を行い、ポリブチレン
テレフタレート樹脂組成物を得た。この樹脂組成物をペ
レット化し、得られたペレットを140℃で3時間乾燥
した後、射出成形機を用いて前記の成形条件にて試験片
を成形し、各特性を測定し、評価した。
を0.005重量部添加した溶融混合物(B-2)を用い
る以外は、実施例6と同様の操作により樹脂組成物を製
造し、実施例6と同様にして特性を評価した。
イワックス410P(商品名)[三井石油化学(株)製、分
子量4000]を用いた溶融混合物(B-3)を用いる以
外は、実施例7と同様の操作により樹脂組成物を製造
し、実施例6と同様にして特性を評価した。
リコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート][日本チバガ
イギー(株)製、Irganox245(商品名)]を用いた溶融
混合物(B-4)を用いる以外は、実施例7と同様の操作
により樹脂組成物を製造し、実施例6と同様にして特性
を評価した。
混合物(B-1)を、固形分として全体の0.5重量%と
なるように添加した以外は、実施例6と同様の操作によ
り樹脂組成物を製造し、実施例6と同様にして特性を評
価した。
ワックス[三井ハイワックス210P(商品名)、三井石油
化学(株)製、分子量2000](B′-1)を、固形分
として全体の1.0重量%となるように添加した以外
は、実施例6と同様の操作により樹脂組成物を製造し、
実施例6と同様にして特性を評価した。
加することなく、実施例6と同様の操作により樹脂組成
物を製造し、実施例6と同様にして特性を評価した。
代えて、酸化防止剤であるペンタエリスリチルテトラキ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタン[日本チバガイギー
(株)製、Irganox1010(商品名)]を、固形分として
全体の0.0001重量%となるように添加した以外
は、実施例6と同様の操作により樹脂組成物を製造し、
実施例6と同様にして特性を評価した。
加に代えて、ポリエチレンワックス[三井ハイワックス
210P(商品名)、三井石油化学(株)製、分子量200
0]と、酸化防止剤であるペンタエリスリチルテトラキ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタン[日本チバガイギー
(株)製、Irganox1010(商品名)]とを、別々に、そ
れぞれ固形分として全体の1.0重量%及び0.000
1重量%となるように添加した以外は、実施例6と同様
の操作により樹脂組成物を製造し、実施例6と同様にし
て特性を評価した。
Claims (8)
- 【請求項1】 ポリアルキレンテレフタレートおよびポ
リアルキレンナフタレートから選択された少なくとも一
種のポリエステル樹脂(A)と、(B1)ポリエチレンワ
ックスおよび(B2)酸化防止剤の混合物(B)とで構成
されているポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項2】 ポリエステル樹脂(A)と混合物(B)
との割合が、前者/後者=98.0/2.0〜99.9
9/0.01(重量比)である請求項1記載のポリエス
テル樹脂組成物。 - 【請求項3】 混合物(B)中の酸化防止剤(B2)の割
合が、ポリエチレンワックス(B1)100重量部に対し
て、0.002〜1重量部である請求項1記載のポリエ
ステル樹脂組成物。 - 【請求項4】 ポリエステル樹脂(A)のアルキレング
リコール成分が、エチレングリコール及び1,4−ブタ
ンジオールから選択された少なくとも一種である請求項
1記載のポリエステル樹脂組成物。 - 【請求項5】 ポリエチレンワックス(B1)の分子量が
500〜12000である請求項1記載のポリエステル
樹脂組成物。 - 【請求項6】 酸化防止剤(B2)がヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤である請求項1記載のポリエステル樹脂
組成物。 - 【請求項7】 ポリアルキレンテレフタレートおよびポ
リアルキレンナフタレートから選択された少なくとも一
種のポリエステル樹脂(A)と、(B1)ポリエチレンワ
ックスおよび(B2)酸化防止剤の混合物(B)とを混合
するポリエステル樹脂組成物の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかの項に記載のポ
リエステル樹脂組成物で形成されたポリエステル樹脂成
形品。
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