JPH10310046A - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

車両用ブレーキ装置

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JPH10310046A
JPH10310046A JP11986497A JP11986497A JPH10310046A JP H10310046 A JPH10310046 A JP H10310046A JP 11986497 A JP11986497 A JP 11986497A JP 11986497 A JP11986497 A JP 11986497A JP H10310046 A JPH10310046 A JP H10310046A
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JP
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pressure
auxiliary
hydraulic
hydraulic pressure
chamber
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JP11986497A
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English (en)
Inventor
Yutaka Onuma
豊 大沼
Masaharu Yamashita
正治 山下
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 補助液圧源を含む車両用ブレーキ装置のコス
トダウンを図る。 【解決手段】 マスタシリンダ10の補助圧室26には
補助液圧源50が接続されている。補助液圧源50にお
いては、パワーステアリングポンプ52によって加圧さ
れた作動液がアキュムレータ54に蓄えられ、アキュム
レータ54の作動液が増圧シリンダ62を経て補助圧室
26に供給される。増圧シリンダ62の大径液圧室82
の液圧は、増圧制御弁58,減圧制御弁60を制御する
ことにより制御される。ブレーキ操作部材10の操作状
態量が同じであれば、液圧室82の液圧が大きい場合は
小さい場合より、補助圧が大きくなりブレーキ液圧が大
きくなる。ここで、ポンプ52はパワーステアリングポ
ンプであるため、専用のポンプとする場合より車両用ブ
レーキ装置のコストダウンを図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ブレーキ装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平4─154467号公報には、
(1) ブレーキ操作部材と、(2) ハウジング内に加圧ピス
トンが前後に移動可能に配設され、その加圧ピストンの
前後にそれぞれ加圧室と補助圧室とが形成され、ブレー
キ操作部材の操作力に基づく加圧ピストンの前進によっ
て加圧室にブレーキ液圧が発生させられるマスタシリン
ダと、(3) 加圧室に接続され、車輪の回転を抑制するブ
レーキを作動させるホイールシリンダと、(4) 補助圧室
に接続された電気制御可能な補助液圧源と、(5) ブレー
キ操作部材の操作力または操作ストロークであるブレー
キ操作量とブレーキ液圧との対応関係を規定する関係規
定信号を出力する信号出力手段と、(6) 補助液圧源に接
続され、ブレーキ操作量に基づく大きさのブレーキ液圧
であってブレーキ操作量が同じでも、関係規定信号に応
じて大きさが異なるブレーキ液圧を加圧室に発生させる
大きさの補助圧を補助圧室に発生させるように補助液圧
源を制御する補助液圧源制御手段とを含む車両用ブレー
キ装置が記載されている。しかし、補助液圧源は高価な
ものであり、車両用ブレーキ装置の価格が高くなるとい
う問題があった。
【0003】この問題は、上記特開平4─154467
号公報に記載の車両用ブレーキ装置だけでなく、上記
(5)の信号出力手段および(6) の補助液圧源制御手段を
含むもののみならず、広く(a) 補助液圧源を電気制御す
ることにより、補助圧室の補助圧を制御し、加圧室のブ
レーキ液圧を、ブレーキ操作部材の操作状態量に基づく
大きさに制御する補助液圧源制御装置を含む車両用ブレ
ーキ装置において同様に生じる。すなわち、加圧室のブ
レーキ液圧が、ブレーキ操作状態量が同じでも異なる大
きさに制御される車両用ブレーキ装置のみならず、ブレ
ーキ操作状態量と1対1に対応する大きさに制御される
車両用ブレーキ装置等においても、事情は同じなのであ
る。ここで、ブレーキ操作部材の操作状態量は、ブレー
キ操作部材の操作力,操作ストローク,これら操作力や
操作ストロークの単位時間当たりの変化量等を表す量で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,解決手段,作用および
効果】本発明は、以上の事情を背景として、補助液圧源
を備えた車両用ブレーキ装置のコストダウンを図ること
を課題として為されたものである。この課題は、前記
(1) のブレーキ操作部材, (2)のマスタシリンダ,(3)
のホイールシリンダ,(4) の補助液圧源,(a) の補助液
圧源制御装置を含む車両用ブレーキ装置であって、補助
液圧源を、パワーステアリング装置のパワーステアリン
グ用ポンプと、そのパワーステアリング用ポンプから吐
出された作動液の補助圧室への流入を許容する増圧状態
と、補助圧室からの流出を許容する減圧状態との少なく
とも2つの状態に制御可能な電磁液圧制御弁装置とを含
むものとし、補助液圧源制御装置を、電磁液圧制御弁装
置を制御することにより、補助圧の大きさを制御する制
御弁装置制御手段を含むものとすることによって解決さ
れる。
【0005】パワーステアリング用ポンプから吐出され
た作動液の補助圧室への作動液の供給が許容されれば、
補助圧室の補助圧が大きくなり、補助圧室からの作動液
の流出が許容されれば、補助圧が小さくなる。ブレーキ
操作部材のブレーキ操作状態量が同じであれば、補助圧
が大きい場合には小さい場合よりブレーキ液圧が大きく
なる。このように、電磁液圧制御弁装置を制御すること
によりブレーキ液圧をブレーキ操作状態量に基づいた大
きさに制御することができる。そして、パワーステアリ
ング装置のポンプを補助液圧源のポンプとして利用すれ
ば、専用のポンプを設ける場合に比較して、車両用ブレ
ーキ装置のコストダウンを図ることができる。
【0006】補助液圧源を、上記電磁液圧制御弁装置に
加えて、以下に説明する増圧シリンダと、アキュムレー
タおよびアキュムレータ圧制御弁との少なくとも一方を
含むものとすることができる。増圧シリンダは、大径液
圧室にパワーステアリング用ポンプの吐出口が接続さ
れ、小径液圧室に補助圧室が接続された段付きシリンダ
と、その段付きシリンダに液密かつ摺動可能に配設され
た段付きピストンとを含むものとされる。パワーステア
リング装置において必要な作動液の液圧はそれほど大き
くないことが多いため、補助圧室の液圧としては不足で
ある場合がある。そのため、補助圧室にはパワーステア
リング用ポンプから吐出された作動液の液圧を増圧して
供給することが望ましい場合があるのである。ただし、
マスタシリンダの加圧ピストンを補助圧室側が大径であ
る段付ピストンとしても、上記液圧の不足を解消するこ
とができる。
【0007】次に、アキュムレータおよびアキュムレー
タ圧制御弁を設ける場合について説明する。この場合に
は、補助液圧源が、例えば、パワーステアリング用ポン
プの吐出口とパワーステアリング装置のステアリングギ
ヤボックスとを接続するステアリング液通路の途中に設
けられ、このステアリング液通路を連通させる連通状態
と遮断する遮断状態とに切換可能なアキュムレータ圧制
御弁と、ステアリング液通路のアキュムレータ圧制御弁
よりパワーステアリング用ポンプの吐出口側の部分にア
キュムレータ液通路により接続されたアキュムレータ
と、そのアキュムレータ液通路の途中に設けられてアキ
ュムレータ側に向かう作動液の流れは許容するが逆向き
の流れは阻止する逆止弁とを含むものとされ、補助液圧
源制御装置を、アキュムレータ圧制御弁を連通状態と遮
断状態とに切り換えることにより、アキュムレータ圧を
ほぼ予め定められた設定範囲内に保つアキュムレータ圧
保持手段を含むものとされる。アキュムレータ圧制御弁
が連通状態にあれば、パワーステアリング用ポンプから
吐出された作動液は主としてステアリングギヤボックス
に供給される。ステアリングホイールの操舵力とタイヤ
の路面に対する接地抵抗との関係により、ステアリング
液通路の液圧がアキュムレータ圧より大きくなれば、作
動液がアキュムレータに供給されることもあり得るが、
これは不可欠ではない。アキュムレータに確実に作動液
が供給されるのは、アキュムレータ圧制御弁が遮断状態
に切り換えられた場合である。この場合には、パワース
テアリング用ポンプから吐出された作動液はステアリン
グギヤボックスに供給されないため、パワーステアリン
グ用ポンプの吐出圧が高くなり、作動液がアキュムレー
タ内の液圧に打ち勝ってアキュムレータに供給される。
このように、アキュムレータ圧制御弁を連通状態と遮断
状態とに切り換えることにより、アキュムレータ圧をほ
ぼ設定範囲内に保つことができる。ここで、アキュムレ
ータ圧制御弁は、アキュムレータ圧に基づいて制御さ
れ、ステアリングホイールの操舵状態とは無関係に制御
されるようにすることも可能であるが、アキュムレータ
圧制御弁が遮断状態にある間はパワーステアリング装置
に作動液が供給されず、パワーステアリング装置が本来
の助勢機能を果たさなくなるため、アキュムレータ圧制
御弁は原則としてパワーステアリング装置の非作動状態
においてのみ遮断状態とされるようにし、緊急の場合に
のみパワーステアリング装置が作動状態にあっても遮断
状態とされるようにすることが望ましい。また、アキュ
ムレータ圧制御弁の代わりに、ステアリング液通路の作
動液の流れを絞る状態と絞らない状態とに切り換え可能
な可変絞り弁装置を設けることも可能である。絞り状態
においては、パワーステアリング用ポンプの吐出圧がア
キュムレータに蓄液可能な大きさとなって作動液の一部
がアキュムレータに供給され、残りの部分がパワーステ
アリング装置に供給されるようにするのである。可変絞
り弁装置は、例えば、上記アキュムレータ圧制御弁に並
列に絞りを接続し、あるいはアキュムレータ圧制御弁を
遮断状態とする代わりに絞り状態とするものに変更する
ことによって実現でき、アキュムレータへの蓄液中でも
ある程度パワーステアリング装置に助勢機能を果たさせ
ることができる。
【0008】さらに、制御弁装置制御装置を、電磁液圧
制御弁装置を制御することによって、ブレーキ液圧をブ
レーキ操作状態量に比例した大きさに制御するブースタ
型制御弁装置制御手段と、ブレーキ液圧をブレーキ操作
状態量に対応した制動力が得られるように(減速度が得
られるように)制御する制動力対応制御弁装置制御手段
との少なくとも一方を含むものとすることができる。ブ
ースタ型制御弁装置制御手段によれば、補助圧の大きさ
が、ブレーキ液圧がブレーキ操作状態量に比例した大き
さになるように制御され、制動力対応制御弁装置制御手
段によれば、ブレーキ液圧がブレーキ操作状態量に対応
した減速度が得られるように制御される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態である車両用
ブレーキ装置を図面に基づいて詳細に説明する。図1に
おいて、10はブレーキ操作部材としてのブレーキペダ
ルであり、12は、タンデム型のマスタシリンダであ
る。マスタシリンダ12は、ハウジング16と、2個の
加圧ピストン18,20とを備えたものであり、加圧ピ
ストン18,20各々の前進側(図の左側)が加圧室2
2,24とされ、加圧ピストン20の後退側が補助圧室
26とされる。加圧ピストン20の後退面から延び出さ
せられた小径ピストン28は、ハウジング16を液密に
かつ摺動可能に貫通して大気に望まされている。小径ピ
ストン28には図示しない有底穴が形成され、この有底
穴に入力ロッドが嵌合させられ、この入力ロッドに上記
ブレーキペダル10が連結されているのである。
【0010】加圧室22,24に発生させられた液圧
は、液通路34,36によって、それぞれ、左右後輪の
リヤホイールシリンダ38および左右前輪のフロントホ
イールシリンダ40に伝達される。液通路34,36の
途中には、図示しないが、複数の電磁弁,ポンプ,リザ
ーバ等を含むアンチスキッドアクチュエータ42が設け
られ、リヤ,フロントホイールシリンダ38,40の液
圧が、車輪の制動スリップ状態が適正状態に保たれるよ
うに制御される。図に示すように、本実施形態において
は、後輪側については共通にローセレクト制御が行わ
れ、前輪側については各輪独立に制御が行われる。液通
路34には、プロポーショニングバルブ44が設けられ
ている。
【0011】前記補助圧室26には、補助液圧源50が
接続されている。補助液圧源50は、ポンプ52,アキ
ュムレータ54,アキュムーレータ圧制御弁56,増圧
制御弁58,減圧制御弁60,増圧シリンダ62等を含
むものである。ポンプ52の吐出口は、逆止弁64を介
してアキュムレータ54に接続されるとともに、アキュ
ムレータ圧制御弁56を介してパワーステアリング装置
のステアリングギヤボックス66に接続される。このポ
ンプ52は、パワーステアリングポンプなのである。パ
ワーステアリングポンプ52は、図示しないが、エンジ
ンにより作動させられるため、イグニッションスイッチ
がON状態にある場合には継続して作動させられる。ス
テアリングギヤボックス66においては、ステアリング
ポンプ52から吐出された作動液がコントロールバルブ
を経てパワーシリンダに供給される。
【0012】パワーステアリングポンプ52によりリザ
ーバ68から汲み上げられた作動液は主として連通状態
にあるアキュムレータ圧制御弁56を経てパワーシリン
ダ66に供給される。運転者の図示しないステアリング
ホイールの操舵力とタイヤの路面に対する接地抵抗との
関係によって、パワーステアリングポンプ52の吐出口
周辺の液圧がアキュムレータ圧より大きくなり、パワー
ステアリングポンプ52から吐出された作動液がアキュ
ムレータ54に供給されることもあり得るが、アキュム
レータ圧制御弁56が遮断状態に切り換えられると、ス
テアリングギヤボックス66に作動液が供給されないた
め、パワーステアリング用ポンプの吐出圧が高くなり、
作動液がアキュムレータ内の液圧に打ち勝ってアキュム
レータ54に供給される。アキュムレータ圧が高められ
るが、アキュムレータ圧P3 は圧力センサ69によって
検出される。後述するが、このアキュムレータ圧P3
設定圧以下になると、アキュムレータ圧制御弁56が連
通状態と遮断状態とに交互に切り換えられる。アキュム
レータ圧制御弁56は、アキュムレータ圧P3 に基づい
て制御されるのであり、ステアリングホイールの操舵状
態とは無関係に制御されるのである。
【0013】アキュムレータ54は、リリーフ弁70を
介してリザーバ68に接続されるとともに、増圧制御弁
58,増圧シリンダ62を介して補助圧室26に接続さ
れる。アキュムレータ圧P3 がリリーフ弁70のリリー
フ圧より大きくなれば、アキュムレータ54から作動液
がリザーバ68へ流出させられる。増圧シリンダ62
は、大径部と小径部とを含む段付きシリンダ76と、そ
の段付きシリンダ76に液密かつ摺動可能に配設された
段付きピストン78と、段付きピストン78を大径部側
に付勢するスプリング80とを含むものである。大径部
側の大径液圧室82には、増圧制御弁58を介してアキ
ュムレータ54が接続されるとともに、減圧制御弁60
を介してリザーバ68に接続されている。また、小径部
側の小径液圧室84には前記補助圧室26が接続されて
いる。大径液圧室82の液圧が増圧されて補助圧室26
に伝達されるのであり、大径液圧室82の液圧P0 が高
いと補助圧室26の液圧(以下、補助圧と称する)が大
きくなる。大径液圧室82の液圧P0 は、増圧制御弁5
8および減圧制御弁60を制御することにより制御され
るのであり、この液圧P0 は、圧力センサ86によって
検出される。
【0014】ここで、増圧シリンダ62を設けたのは、
パワーステアリングポンプ52の液圧を増圧するため
や、パワーステアリング用作動液とブレーキ用作動液と
を分離するためである。パワーステアリングの作動にお
いて必要な作動液の液圧はブレーキの作動において必要
な液圧より小さいため、補助圧室26の液圧としては不
足である場合がある。そのため、パワーステアリングポ
ンプ52から吐出された作動液を増圧して補助圧室26
に供給するのが望ましいのである。また、パワーステア
リング用作動液とブレーキ用作動液とは異なる種類の作
動液が使用されるのが普通であり、混ざらないようにす
る必要がある。ここで、パワーステアリングポンプ52
とマスタシリンダ12との間に増圧シリンダ62を設け
れば、パワーステアリング用作動液とブレーキ用作動液
とを容易に分離することが可能となる。マスタシリンダ
10において補助圧室26と加圧室20とが完全に遮断
されていれば、これら作動液を分離するために増圧シリ
ンダ62は不可欠ではないが、これら作動液を容易に確
実に分離できるという利点がある。
【0015】増圧制御弁58は、アキュムレータ54の
液圧P3 と大径液圧室82の液圧P 0 との液圧差(厳密
にいえば、増圧制御弁56の前後の液圧差)が開弁圧以
上の場合に、アキュムレータ54から大径液圧室82へ
の作動液の流入を許容するものであり、この作動液の流
入が許容される開弁圧の大きさ、すなわち、流入許容液
圧差ΔPINが供給電流量に応じて制御される。供給電流
量が小さい場合には大きい場合より流入許容液圧差ΔP
INは大きくされるのである。また、アキュムレータ圧P
3 はほぼ一定に保たれるため、流入許容液圧差ΔPIN
大きい場合には小さい場合より、大径液圧室82の液圧
0 が小さくされる(P0 =P3 −ΔP IN)。すなわ
ち、供給電流量が小さい場合には大きい場合より、流入
許容液圧差ΔPINが大きくされ、大径液圧室82の液圧
0 が小さくされるのである。供給電流量が0の場合に
は、流入許容液圧差ΔPINは最大とされ、実質的に、ア
キュムレータ54から大径液圧室82へ作動液の供給が
阻止され、これらが遮断される。
【0016】減圧制御弁60も、同様に、大径液圧室8
2の液圧P0 とリザーバ68の液圧との液圧差が開弁圧
以上の場合、すなわち、流出許容液圧差ΔPOUT 以上の
場合に、大径液圧室82からリザーバ68への作動液の
流出を許容するものである。流出許容液圧差ΔPOUT
供給電流量が大きい場合には小さい場合より小さくされ
る。また、リザーバ68の液圧はほぼ大気圧で一定であ
るため、流出許容液圧差ΔPOUT が小さい場合には大き
い場合より、大径液圧室82の液圧が小さくされる(P
0 =ΔPOUT +PR R はリザーバの液圧)。供給電
流量が0の場合には、流出許容液圧差ΔPOUT は最大と
され、実質的に、大径液圧室82からリザーバ68への
作動液の流出が阻止され、大径液圧室82とリザーバ6
8とが遮断される。
【0017】増圧制御弁58も減圧制御弁60も、供給
電流量が大きい場合には小さい場合より、作動液の流れ
を許容する開弁圧(制御弁前後の設定液圧差)が小さく
され、供給電流量が0の場合には、作動液の流れが実質
的に阻止される。したがって、大径液圧室82の液圧を
増圧する場合には、減圧制御弁60への供給電流量を0
とし、増圧制御弁58への供給電流量を制御すればよ
く、供給電流量を大きくすれば、大径液圧室82の液圧
が大きくなる。逆に、減圧する場合には、増圧制御弁5
8への供給電流量を0とし、減圧制御弁60への供給電
流量を制御すればよく、供給電流量を大きくすれば液圧
が小さくなる。このように、増圧制御弁58,減圧制御
弁60への供給電流量を制御することにより、大径液圧
室82の液圧P0 を制御し得る。大径液圧室82の液圧
は増圧シリンダ62を経て補助圧室26へ伝達されるた
め、補助圧室26の補助圧P1は、大径液圧室82の液
圧P0 を制御することによって制御し得、加圧室24の
ブレーキ液圧P2 の大きさを制御し得る。
【0018】本車両用ブレーキ装置には、補助液圧源制
御装置94が設けられている。補助液圧源制御装置94
はコンピュータを主体とするものであり、入力部には、
前記圧力センサ69,86の他、ブレーキペダル10の
踏力を検出する踏力検出部96が接続され、出力部に
は、アキュムレータ圧制御弁56,増圧制御弁58,減
圧制御弁60のソレノイドが、図示しない駆動回路を介
して接続されている。ROMには、図3,4のフローチ
ャートでそれぞれ表されるアキュムレータ圧制御プログ
ラムやマスタシリンダ圧制御プログラム等を含む多数の
プログラムが格納されている。
【0019】以下、本車両用ブレーキ装置の作動につい
て説明する。アキュムレータ圧P3 は、アキュムレータ
圧制御弁56の制御により、下限設定圧P4 以上、上限
設定圧P5 以下の大きさに保たれる(P4 ≦P3 ≦P
5 )。図3に示すフローチャートにおいて、ステップ1
(以下、単にS1と略称する。他のステップについての
同様とする)において、圧力センサ69によって検出さ
れたアキュムレータ圧P3 が読み込まれ、S2におい
て、そのアキュムレータ圧P3 が下限設定圧P4 より小
さいか否かが判定される。アキュムレータ圧P3が下限
設定圧P4 より小さい場合には、S3において、アキュ
ムレータ圧制御弁56が、連通状態と遮断状態とに交互
に切り換えられ、大きい場合には、さらに、S4におい
て、上限設定圧P5 より大きいか否かが判定される。上
限設定圧P 5 より大きい場合には、アキュムレータ圧制
御弁56が連通状態にされ、上限設定圧P5 より小さい
場合には、その状態が保たれる。
【0020】すなわち、アキュムレータ圧P3 が下限設
定圧P4 より小さい状態から増圧される場合には、下限
設定圧P4 を越え、上限設定圧P5 に達するまでデュー
ティ制御が続けられるが、上限設定圧P5 より大きい状
態から減圧させられる場合には、上限設定圧P5 以下に
なっても下限設定圧P4 以上の場合は、アキュムレータ
圧制御弁56は連通状態に保たれ、下限設定圧P4 より
小さくなると、デューティ制御が行われる。このよう
に、アキュムレータ圧制御弁56の制御にヒステリシス
が設けられているのである。本実施形態においては、ア
キュムレータ圧制御弁56は、アキュムレータ圧P 3
下限設定圧P4 より小さい場合に、ステアリングホイー
ルの操舵状態にかかわらず、連通状態と遮断状態とに交
互に切り換えられ、パワーステアリング用ポンプ52か
ら吐出された作動液が、アキュムレータ52に供給され
るのである。ここで、アキュムレータ圧制御弁56は、
遮断状態に保たれるのではなく、連通状態と遮断状態と
に交互に切り換えられるため、パワーステアリングギヤ
ボックス66とアキュムレータ54との両方に作動液を
供給することが可能である。
【0021】マスタシリンダ12の加圧室22,24の
ブレーキ液圧P2 は、増圧制御弁58,減圧制御弁60
の制御により制御される。図2に示すように、踏力検出
部96によって検出された踏力をFとし、加圧ピストン
20の加圧室22側の断面積をS2 ,補助圧室26側の
断面積をS1 とすれば、加圧ピストン20について、下
式で表される関係が成立する。 F+P1 ×S1 =P2 ×S2 ・・・(1) また、補助圧P1 は前述のように増圧シリンダ62の大
径液圧室82の液圧P 0 に応じて決まる値であり、これ
ら補助圧P1 と大径液圧室82の液圧P0 とは、増圧シ
リンダ62の大径液圧室82の内径や小径液圧室84の
内径等に基づく予め定められた関係がある。したがっ
て、大径液圧室82の液圧P0 を制御することによっ
て、加圧室22の液圧P2 を制御することができるので
ある。
【0022】本実施形態においては、ブレーキ液圧P2
が踏力Fに比例した大きさになるように、大径液圧室8
2の液圧P0 、すなわち、増圧制御弁58,減圧制御弁
60が制御される。S11において、踏力検出部96に
よって検出された踏力Fが読み取られ、圧力センサ86
によって検出された大径液圧室82の液圧P0 が読み取
られる。S12において、加圧室24のブレーキ液圧の
目標液圧値P2 * が、踏力Fに比例した値に定められる
(P2 * =K×F:Kは比例定数)。S13において、
補助圧の目標液圧値P1 * が(1)式に従って演算され
る{P1 * =(P2 * ×S2−F)/S1 }。S14に
おいて、補助圧の目標液圧値P1 * に基づいて、大径液
圧室82の液圧の目標液圧値P0 * が決定される。上述
のように、液圧P1 ,P0 の間には、予め定められた関
係が成立するため、目標液圧値P1 * に基づいて目標液
圧値P0 * を決定することができるのである。
【0023】S15において、圧力センサ86によって
検出された実際の大径液圧室82の液圧P0 から目標液
圧値P0 * を引いた差圧ΔP0 が演算され(ΔP0 =P
0 −P0 * )、S16において、差圧ΔP0 が0より小
さいか否かが判定される。差圧ΔP0 が0より小さい場
合、すなわち、目標液圧値の方が実際の液圧より大きい
場合には、大径液圧室82の液圧を大きくする制御が行
われる。S17において、減圧制御弁60には電流が供
給されず、増圧制御弁58においては供給電流量が制御
される。大径液圧室82とリザーバ68とが遮断された
状態において、大径液圧室82に作動液が供給され、増
圧されるのである。大径液圧室82の液圧が大きくなれ
ば、補助圧室26の液圧が大きくなり、ブレーキ液圧が
大きくなる。ブレーキ液圧を目標液圧に近づけることが
できるのである。また、差圧ΔP0 が0以上の場合、す
なわち、目標液圧値の方が小さい場合には、大径液圧室
82の液圧を小さくする制御が行われる。S18におい
て、増圧制御弁58には電流が供給されず、減圧制御弁
58において供給電流量が制御される。アキュムレータ
54と大径液圧室82とが遮断された状態で、大径液圧
室82からリザーバ68へ作動液が流出させられ、減圧
されるのである。大径液圧室82の液圧が小さくなれ
ば、補助圧室26の液圧が小さくなり、ブレーキ液圧が
小さくなる。
【0024】このように、補助液圧源50を制御するこ
とにより、ブレーキ液圧がブレーキペダル10の踏力F
に比例した大きさにすることができる。補助液圧源50
は、ブースタと同様の機能を備えたものなのである。こ
こで、目標液圧値P2 * を決定する際の比例定数Kを大
きくすれば、ブースタの倍力率を大きくしたのと同様な
効果が得られる。また、補助液圧源50が電気的に制御
可能なものであるため、ブースタにおける助勢限界に相
当する液圧がない。したがって、ブレーキ液圧と踏力と
の比例定数Kを全範囲について一定の大きさにすること
ができる。さらに、ブレーキ液圧を、ブレーキペダル1
0の操作速度に応じて制御することができる。例えば、
緊急制動時には、ブレーキペダル10の操作速度が非常
に早くなるため、操作速度が早い場合に、補助圧を大き
くすれば、ブレーキ液圧を制動初期時に大きくすること
ができる。このように、補助液圧源50はブレーキアシ
ストの機能も備えたものなのである。また、本実施形態
に係る車両用ブレーキ装置に、車両の減速度を検出する
減速度センサを設ければ、踏力に対応した減速度が得ら
れるように、補助液圧源50を制御することもできる。
ブレーキパッドの磨耗の程度の相違等により、ブレーキ
ペダル10の操作状態量が同じでも、実際の減速度の大
きさが異なるため、制御される補助圧(ブレーキ液圧)
の大きさも異なることになる。さらに、アキュムレータ
制御弁56は、原則としてステアリングギヤボックス6
6の非作動状態においてのみ遮断状態とされるように
し、緊急の場合にのみ作動状態にあっても遮断状態とさ
れるようにしてもよい。
【0025】以上のように、本実施形態に係るブレーキ
装置においては、補助液圧源50に含まれるポンプ52
をパワーステアリングポンプとしたため、補助液圧弁5
0に専用のポンプとする場合より、車両用ブレーキ装置
のコストダウンを図ることができる。また、補助液圧源
50が故障した場合には、ブレーキペダル10によって
加圧ピストン20が前進させられるため、踏力に対応す
るブレーキ力を確保することが可能である。ここで、本
実施形態においては、増圧制御弁58,減圧制御弁60
等によって電磁液圧制御弁装置が構成されることにな
る。
【0026】なお、上記実施形態においては、補助液圧
源50に増圧シリンダ62が設けられていたが、増圧シ
リンダ62は不可欠ではない。パワーステアリングポン
プ52から吐出された作動液の液圧を増圧するために
は、補助圧室26の内径を加圧室22の内径より大きく
すればよい。マスタシリンダが増圧シリンダを兼ねるこ
とになるのである。また、上記実施形態においては、増
圧制御弁58,減圧制御弁60の代わりに、単なる開閉
弁としてもよく、1つの方向切換弁等としてもよい。さ
らに、アキュムレータ圧が下限設定圧より小さくなった
場合には、アキュムレータ制御弁56を遮断状態に切り
換えてもよい。遮断状態に切り換えても、アキュムレー
タ圧が直ちに増圧されれば、遮断状態に保たれる時間は
短くなり、パワーステアリングの作動への影響は小さく
なる。また、マスタシリンダ10とブレーキペダル10
との間にブースタを設けることもできる。この場合に
は、例えば、ブレーキアシスト制御をブースタの助勢限
界後に行ったり、倍力率をブースタのみの場合より大き
くしたりすることも可能である。その他、いちいち例示
することはしないが、特許請求の範囲を逸脱することな
く当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態
様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である車両用ブレーキ装置
全体を示す回路図である。
【図2】上記車両用ブレーキ装置の要部を示す図であ
る。
【図3】上記車両用ブレーキ装置の補助液圧源制御装置
のROMに格納されたアキュムレータ圧制御プログラム
を表すフローチャートである。
【図4】上記補助液圧源制御装置のROMに格納された
マスタシリンダ圧制御プログラムを表すフローチャート
である。
【符号の説明】
26 補助圧室 50 補助液圧源 52 パワーステアリングポンプ 58 増圧制御弁 60 減圧制御弁 94 補助液圧源制御装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ブレーキ操作部材と、 ハウジング内に加圧ピストンが前後に移動可能に配設さ
    れ、その加圧ピストンの前後にそれぞれ加圧室と補助圧
    室とが形成され、前記ブレーキ操作部材の操作力に基づ
    く加圧ピストンの前進によって加圧室にブレーキ液圧が
    発生させられるマスタシリンダと、 前記加圧室に接続され、車輪の回転を抑制するブレーキ
    を作動させるホイールシリンダと、 前記補助圧室に接続された電気制御可能な補助液圧源
    と、 その補助液圧源を電気制御することにより、前記補助圧
    室の補助圧を制御し、前記加圧室のブレーキ液圧を、前
    記ブレーキ操作部材の操作状態量に基づく大きさに制御
    する補助液圧源制御装置とを含む車両用ブレーキ装置で
    あって、 前記補助液圧源が、パワーステアリング装置のパワース
    テアリング用ポンプと、そのパワーステアリング用ポン
    プから吐出された作動液の前記補助圧室への流入を許容
    する増圧状態と、補助圧室からの流出を許容する減圧状
    態との少なくとも2つの状態に制御可能な電磁液圧制御
    弁装置とを含み、前記補助液圧源制御装置が、前記電磁
    液圧制御弁装置を制御することにより、前記補助圧の大
    きさを制御する制御弁装置制御手段を含むことを特徴と
    する車両用ブレーキ装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1312533A2 (de) * 2001-11-17 2003-05-21 Still Gmbh Mobile Arbeitsmaschine mit einer elektrisch angetriebenen Lenkpumpe
KR100435754B1 (ko) * 2001-12-18 2004-06-10 현대자동차주식회사 차량용 브레이크시스템의 보조유압공급장치

Cited By (3)

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EP1312533A3 (de) * 2001-11-17 2004-03-17 Still Gmbh Mobile Arbeitsmaschine mit einer elektrisch angetriebenen Lenkpumpe
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