JPH10309745A - スクリュ式押出機 - Google Patents

スクリュ式押出機

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JPH10309745A
JPH10309745A JP9122398A JP12239897A JPH10309745A JP H10309745 A JPH10309745 A JP H10309745A JP 9122398 A JP9122398 A JP 9122398A JP 12239897 A JP12239897 A JP 12239897A JP H10309745 A JPH10309745 A JP H10309745A
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screw
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frictional force
hopper
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 成形材料にブリッジ等が生じないで、安定
して一定量をシリンダの内部に供給することができると
ともに、供給した成形材料とシリンダの内壁面との摩擦
力を高め、成形材料の搬送効率を増加させた押出機を提
供する。 【解決手段】ホッパ2から投入された成形材料はシリン
ダ3内へ供給する供給部6aへ流入する。そして、この
供給部6aは、シリンダ3の押出し方向へ向けて所定の
角度でスクリュ4の軸方向へと傾斜しているため、成形
材料は、シリンダ3内に垂直方向から投入されるのでは
なく供給部6aの傾斜角度が緩衝の作用をして斜め方向
からシリンダ3内に入る。さらに、この供給部6aに続
いて設られたその内壁面にスクリュ4の軸と平行の縦溝
を有する摩擦力増大部6bで、成形材料とシリンダ3の
内壁面との摩擦力が増し、この摩擦力と、成形材料とス
クリュ4面との摩擦力の差が大きくなり成形材料を押出
し方向に押出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形材料をホッパか
ら投入し、シリンダ内に設けたスクリュで成形材料を溶
融しつつ押出す押出機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂等の成形材料を
加熱可塑化してスクリュによって連続的にダイから押出
し所定の形状に成形する押出機が用いられている。
【0003】ここで、押出機には、1本のスクリュを使
用する単軸押出機や2本のスクリュを使用する多軸押出
機等がある。そして、これらの押出機は、一般的に内壁
を研摩ホーニングしたシリンダと硬質クロームメッキし
たスクリュとから形成し、シリンダの内壁とスクリュ表
面の面粗度を小さくして成形材料を滑り易くしている。
【0004】ところで、ホッパから供給した成形材料
は、この成形材料とシリンダの内壁面との摩擦力(摩擦
力=圧力×摩擦係数)と、成形材料とスクリュ面との摩
擦力の差で成形材料を押出方向に押出す。したがって、
成形材料とシリンダの内壁面との間の摩擦係数と、成形
材料とスクリュ面との摩擦係数の差が大きいほど成形材
料の押出量は多くなる。
【0005】一方、成形材料は、シリンダ内で固体から
半溶融体そして完全溶融体へと性状が変化しながら押出
されるので、その状態によってそれぞれ摩擦係数も変化
する。さらに、供給する成形材料も純粋な熱可塑性樹脂
等だけでなく、種々の無機物をブレンドしていたり、一
度成形したボトルなどを再粉砕したものが混入している
場合もあり、成形材料といっても複数の種類がある。
【0006】これらの成形材料を単位時間内に一定量ホ
ッパからシリンダに投入し、スクリュにて成形材料を溶
融しながらダイへと押出す際の押出性能を向上させる必
要があった。ここで、押出機の押出性能を向上させるた
めには、シリンダと成形材料との摩擦力を向上させれば
押出効率が向上するが、その前にホッパから投入された
成形材料を確実に、しかも安定してスクリュに喰い込ま
せる必要がある。
【0007】また、押出性能の向上を図る手段として
は、スクリュの形状を改良したものが用いられている。
たとえば、スクリュをフィードゾーン、コンプレッショ
ンゾーン、メータリングゾーンに分け、これら各ゾーン
での溝の深さを変更したり、それぞれのゾーンの長さを
変更するものがある。
【0008】また、スクリュ内の適当な位置に間隙の狭
い所を設けたり、スクリュ溝にピンを装着するものやス
クリュ軸に直角に切り欠いた円板を取り付けたもの等の
混合スクリュが存在する。
【0009】次に、シリンダに改良を加えて押出能力向
上を工夫したものとしては、ホッパの直後のシリンダの
内壁面にスクリュの軸方向に平行な縦溝を複数設けて、
成形材料とシリンダの内壁面との摩擦力を利用し、フィ
ードゾーンでの成形材料の搬送効率を増加させたものが
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ホッパの排
出口がスクリュに対して直角に形成されると排出口の近
傍で成形材料同士がブリッジを起こし、シリンダ内のス
クリュにこれら成形材料がスムーズに食い込まなくなる
という問題がある。
【0011】さらに、成形に用いられる成形材料の種類
や形状はそれぞれ異なるため、これらすべての成形材料
に対応し、これら成形材料を安定してシリンダ内に投入
することは難しい。
【0012】特に、成形材料の形状が、0.2mm〜1mm
程度の厚みのフィルム・シートを粉砕したものの場合
は、ブリッジを生じ易く成形材料の供給が成形の途中で
中断されてしまうという問題もある。
【0013】次に、シリンダの内壁面にスクリュの軸方
向に平行な縦溝を複数設けて、成形材料とシリンダの内
壁面との摩擦力を強化した場合は、確かに成形材料の搬
送効率は増加する。しかし、シリンダ自体の内壁面に縦
溝を設けると加工が複雑になったり、加工に手間を要し
非経済的である。
【0014】さらに、このようにシリンダ自体に縦溝を
設けると特に滑りやすい成形材料に用いるときには効果
的であるが、あまり滑らない成形材料の場合では縦溝が
ないフラットなシリンダで十分である。
【0015】そして、フラットなシリンダで押出しを行
いたい場合は、シリンダ自体に縦溝を設けるとこのシリ
ンダ自体を交換しなければならず、交換時間の無駄が生
じたり交換費用がかかるため経済的ではないという問題
もある。
【0016】本発明は、前記事項に鑑み改良を加えたも
のである。すなわち、成形材料にブリッジ等が生じない
で安定して一定量をシリンダの内部に供給することがで
きるとともに、供給した成形材料とシリンダの内壁面と
の摩擦力を高め、成形材料の搬送効率を増加させた押出
機を提供することを技術的課題とする。
【0017】さらに、シリンダ自体を交換することなし
に成形材料の形状や性質に応じて成形材料とシリンダの
内壁面との摩擦力を変更することができるとともに、こ
の摩擦力の変更に際して、摩擦力を増大させる部材をシ
リンダに装着するだけで良い押出機を提供することを技
術的課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために以下の手段を採用した。本発明に係るスク
リュ式押出機は、成形材料を投入するホッパを有し、こ
のホッパから投入された成形材料を溶融するシリンダを
有するとともに、成形材料を混練しつつ押出すスクリュ
を前記シリンダの内部に設け、前記成形材料とシリンダ
の内壁面との摩擦力と、前記成形材料とスクリュ面との
摩擦力との差で成形材料を押出す押出機であり、前記ホ
ッパと前記シリンダとの間に介装され、前記ホッパ側か
ら前記シリンダ側にかけて前記スクリュの押出し方向へ
向けて所定の角度で前記スクリュの軸方向へと傾斜する
とともに、前記ホッパから投入された成形材料を前記シ
リンダ内へと供給する供給部と、この供給部に続いて前
記シリンダ内に設けられ、前記スクリュの軸と平行な縦
溝をその内側面に設けることで成形材料との間の摩擦力
を増大させる摩擦力増大部とを有するものである。
【0019】本発明によれば、ホッパから投入した成形
材料は、ホッパの成形材料の排出口とシリンダの成形材
料の投入口とを結んでこのシリンダを覆うように装着さ
れ、ホッパから投入された成形材料をシリンダ内へと供
給する供給部へと流入する。
【0020】そして、この供給部は、シリンダの押出し
方向へ向けて所定の角度でスクリュの軸方向へと傾斜し
ているため、成形材料は、シリンダ内に垂直方向から投
入されるのではなく供給部の傾斜角度が緩衝の作用をし
て斜め方向からシリンダ内に入る。
【0021】さらに、この供給部に続いて設られたその
内壁面にスクリュの軸と平行の縦溝を有する摩擦力増大
部で、成形材料とシリンダの内壁面との摩擦力が増し、
この摩擦力と、成形材料とスクリュ面との摩擦力の差が
大きくなり成形材料を押出し方向に押出す。
【0022】次に、このスクリュ式押出機は、前記供給
部と前記摩擦力増大部とを冷却する冷却水が流入する流
入口と、この冷却水を流出させる流出口とを設け、この
冷却水が循環する流路を前記供給部と前記摩擦力増大部
の内部に設けることが好ましい。このようにすることで
成形材料との摩擦により発生する摩擦熱を冷却水が吸収
する。
【0023】また、このスクリュ式押出機は、前記供給
部の傾斜角度を13゜〜18゜にしたものである。な
お、傾斜角度は、成形材料の形状や性質等により13゜
〜18゜の角度に限らず最適な角度を選択することがで
きる。
【0024】さらに、前記供給部の長手方向の長さを前
記シリンダの内径に対して0.8倍にするとともに、前
記摩擦力増大部の長手方向の長さを前記シリンダの内径
に対して0.2倍にしている。したがって、成形材料を
搬送するフィードゾーンに対応するシリンダの位置に摩
擦力増大部を設けたことにより、成形材料がスクリュに
安定して食い込むことになる。
【0025】次に、このスクリュ式押出機は、成形材料
を投入するホッパを有し、このホッパから投入された成
形材料を溶融するシリンダを有するとともに、成形材料
を混練しつつ押出すスクリュを前記シリンダの内部に設
け、前記成形材料とシリンダの内壁面との摩擦力と、成
形材料とスクリュ面との摩擦力との差で成形材料を押出
す押出機であり、前記成形材料を搬送するフィードゾー
ンに対応する前記シリンダの位置に前記スクリュの軸と
平行の長穴を穿設し、前記スクリュの軸と平行の縦溝を
その内側面に複数条設けた摩擦力増大部を前記長穴に着
脱自在に嵌合したものである。
【0026】本発明によれば、成形材料を搬送するフィ
ードゾーンに対応するシリンダの位置に設けたスクリュ
の軸と平行の長穴に、スクリュの軸と平行の縦溝をその
内側面に複数条設けた摩擦力増大部を装着することで、
成形材料とシリンダの内壁面との摩擦力が増し、この摩
擦力と、成形材料とスクリュ面との摩擦力の差が大きく
なり成形材料を押出し方向に押出す。
【0027】また、このスクリュ式押出機は、前記摩擦
力増大部にこの摩擦力増大部を冷却する冷却水が流入す
る流入口と、この冷却水を流出させる流出口とを設け、
この冷却水が循環する流路を前記摩擦力増大部の内部に
設けている。このようにすることで成形材料と摩擦力増
大部の摩擦により発生する摩擦熱を冷却水が吸収する。
【0028】さらに、前記摩擦力増大部の長手方向の長
さを前記シリンダの内径に対して4倍にするとともに、
前記摩擦力増大部の短手方向の長さを前記シリンダの内
径に対して0.4倍にすることが好ましい。
【0029】したがって、成形材料を搬送するフィード
ゾーンに対応するシリンダの位置に摩擦力増大部を取り
付けたことにより、成形材料がスクリュに安定して食い
込むことになる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本実施の形態に係るスクリ
ュ式押出機1を図1〜5に基づいて説明する。 (1)最初に、本実施の形態に係るスクリュ式押出機1
の概略を説明する。
【0031】このスクリュ式押出機1の構成は、図1に
示すように成形材料を投入するホッパ2と、このホッパ
2の排出口からシリンダの投入口にかけて装着した供給
部6a及び摩擦力増大部6bと、供給部6aから供給さ
れた成形材料を溶融する加熱シリンダ3と、加熱シリン
ダ3の内部に装着され、成形材料を混練しながら押出す
スクリュと、加熱シリンダ3の排出先端に装着したダイ
5と、さらに加熱シリンダ3に設けた長穴に嵌合した摩
擦力増大部7で形成する。 (2)次に、本実施の形態に係るスクリュ式押出機1
を、図1〜5に基づいて具体的に説明する。
【0032】まず、加熱シリンダ3は、シリンダ3内を
加熱するため、電熱式のヒータ8を使用するものが多
く、加熱シリンダ3の全長を分割してそれぞれ独立に温
度制御できるようにしてある。また、成形材料の内部摩
擦による温度上昇を強制冷却できるように冷却ファンを
取り付ける場合もある。
【0033】そして、加熱シリンダ3内面は、磨耗や腐
食を防止する目的で窒化鋼を使用することが多いが、X
ーアロイのような特殊鋼のライナをはめ込んだものや硬
質クロムメッキ等を施したものもある。
【0034】次に、加熱シリンダ3の内部に装着したス
クリュ4は、所定の長さと溝の深さを有し成形材料の溶
融する速度や押出量等によってこれらの寸法が定められ
る。そして、このスクリュ4は、一般的にその長手方向
をフィードゾーン、コンプレッションゾーン、メータリ
ングゾーンに分け、フィードゾーンで投入した成形材料
を圧縮しながらコンプレッションゾーンへと押しやる。
ここで、フィードゾーンは、成形材料とシリンダ3の内
壁面との摩擦力と、成形材料とスクリュ4面との摩擦力
の差で成形材料を前方に押しやるものである。
【0035】したがって、フィードゾーンでのこれらの
摩擦係数の差が大きいほど成形材料の輸送量が多くな
る。次に、コンプレッションゾーンでは、フィードゾー
ンから送られた成形材料を固体から半溶融体そして完全
溶融体へと性状を変化させる役割を有する。このコンプ
レッションゾーンの長さは、成形材料の溶ける速度によ
って定められる。
【0036】次に、メータリングゾーンは、溶融した成
形材料をダイへと押出す押出し量に影響を及ぼすもの
で、メータリングゾーンの長さと溝の深さの寸法によっ
て押出し量が異なる。
【0037】さらに、このスクリュ4の数によって押出
機は、単軸式のものと多軸式のものとがある。本実施の
形態に係る押出機は、単軸押出機、2軸押出機、特殊押
出機のいずれでも使用することができる。
【0038】次に、スクリュ4の前方には、多数の孔を
あけたブレーカプレートがあり、メッシュで構成された
スクリーンを支えている。なお、本実施の形態に係る押
出機は、シリンダ3の途中にベント口を設けたベント式
押出機にも用いることもできる。
【0039】次に、このスクリュ式押出機は、ホッパ2
の排出口とシリンダ3の投入口とを結んで供給部6aと
摩擦力増大部6bとを取り付けている。そして、この供
給部6aと摩擦力増大部6bは、シリンダ3にホッパ2
の排出口(標準的には、ホッパ2の排出口の長さはシリ
ンダ3の内径Dに対して約1.5倍である)より、約1
D分長い穴(したがって、約2.5Dの長さ)を穿設
し、この穴に着脱自在に嵌合したものである。
【0040】ここで、供給部6aは、図2に示すように
ホッパ2を支える基台6eの底部に設け、摩擦力増大部
6bは、この供給部6aに続きシリンダ3の周壁とほぼ
一体になるように形成する。
【0041】そして、基台6eは、ホッパ2を十分に支
えられるように所定の厚みを有する金属等で作成し、さ
らに、ホッパ2から成形材料を取り入れるための孔をそ
のほぼ中央部に設けている。なお、本実施の形態では、
基台6eを設けているが、供給部6aのみでホッパ2を
支えられる場合は、この基台6eを設けなくとも良い。
【0042】次に、供給部6aは、シリンダ3に開けた
穴にかけてシリンダ3の押出し方向へ向けスクリュ4の
軸方向に所定の角度αで傾斜している。ここで、傾斜角
度αは、13゜〜18゜にすることが好ましい。なお、
この傾斜角度αは、成形材料の形状や材質等により適時
変更することができる。
【0043】また、摩擦力増大部6bは、供給部6aか
ら続きこの傾斜した供給部6aがシリンダ3の周壁に当
接した部分からシリンダ3の周壁とほぼ一体をなすよう
に形成している。そして、これら供給部6aと摩擦力増
大部6bの内側面に複数の縦溝6f,6f,6fを設け
ている。
【0044】ここで、本実施の形態では、図3に示すよ
うにこの縦溝6f,6f,6fを3本設けているが、縦
溝6f,6f,6fの数は、成形材料の材質等により適
時変更することが好ましい。
【0045】すなわち、成形材料が滑りやすいもので摩
擦力が小さいものの場合は、縦溝6f,6f,6fの数
を多く設けて摩擦力がより増大するようにする。これと
は逆に滑りにくいものの場合は、ある程度の摩擦力が生
じるので少ない縦溝6f,6f,6fで十分である。
【0046】なお、本実施の形態における縦溝6f,6
f,6fの形状は、矩形であるが、この形状も成形材料
の材質等により適時変更することもできる。たとえば、
アーチ状の縦溝6f,6f,6fを設けることやこの縦
溝6f,6f,6fをその長手方向にかけて一定区間で
複数に分割することまたは凹凸を設けることが考えられ
る。
【0047】さらに、これら縦溝6f,6f,6fは、
供給部6aから摩擦力増大部6bにかけて設けている
が、摩擦力増大部6bのみに縦溝6f,6f,6fを設
けても良い。
【0048】次に、供給部6aの長手方向の長さをスク
リュ4の直径Dに対して0.8倍にするとともに、摩擦
力増大部6bの長手方向の長さをスクリュ4の直径Dに
対して0.2倍にしている。なお、これらの長さも成形
材料の材質等により適時変更することができる。
【0049】さらに、これら供給部6aと摩擦力増大部
6bから発生する摩擦熱を吸収するために、冷却水を注
入する注入口6dを穿設し、外部から冷却水をこれら供
給部6aと摩擦力増大部6bに注入して供給部6aと摩
擦力増大部6bの内部に設けた流路6cを循環させ摩擦
熱を吸収する。
【0050】次に、図3が示すようにシリンダ3の基端
であるホッパ2口の端から押出し方向にかけて、長さが
シリンダ3内径Dの約4倍の長さを有するとともに、こ
のシリンダ3の横断面に対して垂直方向の線を基線とし
て+−45°の位置に、スクリュ4軸と平行に長穴をそ
れぞれ穿設している。このように+−45°の位置に長
穴を設けるのは強度上の問題であるが、この角度に限定
するものではない。
【0051】そして、この長穴に2つの摩擦力増大部7
を着脱自在に嵌合している。この摩擦力増大部7は、図
4が示すように長手方向の長さlがシリンダ3の内径D
に対して4D、短手方向の長さwがシリンダ3の内径D
に対して0.4Dにしている。なお、この長さも成形材
料の材質や性質等により変更することができる。
【0052】次に、この摩擦力増大部7の内側面には、
摩擦力を増大させるため、スクリュ4軸に平行な縦溝7
a,7a,7aを3本設けている。そして、これらの縦
溝7a,7a,7aは、その長手方向にかけて一端がシ
リンダ3の内径に一致し、押出し方向にかけて一定の深
さで延び、押出し方向の端で徐々に浅くなりシリンダ3
内径に一致するようになっている。
【0053】さらに、これら縦溝7a,7a,7aの形
状は、図5に示すように深さ方向の長さよりも巾方向の
長さが広い矩形状を有する。ただし、この形状も成形材
料の材質等により適時変更することができる。たとえ
ば、台形またはアーチ状若しくは三角形の縦溝7a,7
a,7aを設けることやこの縦溝7a,7a,7aをそ
の長手方向にかけて一定区間で複数に分割することが考
えられる。
【0054】次に、摩擦力増大部7から発生する摩擦熱
を吸収するために、冷却水を注入する注入口7cを穿設
し、外部から冷却水をこの摩擦力増大部7に注入して摩
擦力増大部7の内部に設けた流路7bを循環させ摩擦熱
を吸収する。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、供給部を設けることに
より成形材料をシリンダに投入する際、この供給部が緩
衝作用を有し成形材料がブリッジ等を形成することな
く、安定して一定量をシリンダの内部に供給することが
できる。
【0056】また、供給部に続いて設けた摩擦力増大部
とフィードゾーンに対応するシリンダの位置に設けた長
穴に装着した摩擦力増大部によって、供給した成形材料
とシリンダの内壁面との摩擦力を高めることができ、成
形材料のスクリュへの食い込みが安定するので、成形材
料の搬送効率を向上させることができる。
【0057】さらに、これらを交換するだけでシリンダ
の内壁面をフラット面にすることもでき、シリンダ自体
を交換することなしに成形材料の形状や性質に応じて成
形材料とシリンダの内壁面との摩擦力を変更することが
できる。そして、この摩擦力の変更に際して、これらを
シリンダに装着するだけで良いので手間がかからず、か
つ、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るスクリュ式押出機の縦断面
【図2】本実施の形態に係る供給部と摩擦力増大部の斜
視図
【図3】本実施の形態に係るスクリュ式押出機の横断面
【図4】本実施の形態に係る摩擦力増大部の斜視図
【図5】本実施の形態に係る摩擦力増大部の横断面図
【符号の説明】
1 ・・・スクリュ式押出機 2 ・・・ホッパ 3 ・・・シリンダ 4 ・・・スクリュ 5 ・・・ダイ 6a・・・供給部 6b・・・摩擦力増大部 6c・・・流路 6d・・・注入口 6e・・・基台 6f・・・縦溝 7 ・・・摩擦力増大部 7a・・・縦溝 7b・・・流路 7c・・・注入口 D ・・・シリンダ内径 α ・・・傾斜角度

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成形材料を投入するホッパを有し、このホ
    ッパから投入された成形材料を溶融するシリンダを有す
    るとともに、成形材料を混練しつつ押出すスクリュを前
    記シリンダの内部に設け、前記成形材料とシリンダの内
    壁面との摩擦力と、前記成形材料とスクリュ面との摩擦
    力との差で成形材料を押出す押出機において、 前記ホッパと前記シリンダとの間に介装され、前記ホッ
    パ側から前記シリンダ側にかけて前記スクリュの押出し
    方向へ向けて所定の角度で前記スクリュの軸方向へと傾
    斜するとともに、前記ホッパから投入された成形材料を
    前記シリンダ内へと供給する供給部と、 この供給部に続いて前記シリンダ内に設けられ、前記ス
    クリュの軸と平行な縦溝をその内側面に設けることで成
    形材料との間の摩擦力を増大させる摩擦力増大部とを有
    することを特徴とするスクリュ式押出機。
  2. 【請求項2】前記供給部と前記摩擦力増大部とを冷却す
    る冷却水が流入する流入口と、この冷却水を流出させる
    流出口とを設け、この冷却水が循環する流路を前記供給
    部と前記摩擦力増大部の内部に設けたことを特徴とする
    請求項1記載のスクリュ式押出機。
  3. 【請求項3】前記供給部の傾斜角度を13゜〜18゜に
    したことを特徴とする請求項1または請求項2記載のス
    クリュ式押出機。
  4. 【請求項4】前記供給部の長手方向の長さを前記シリン
    ダの内径に対して0.8倍にするとともに、前記摩擦力
    増大部の長手方向の長さを前記シリンダの内径に対して
    0.2倍にすることを特徴とする請求項1ないし請求項
    3いずれかに記載のスクリュ式押出機。
  5. 【請求項5】成形材料を投入するホッパを有し、このホ
    ッパから投入された成形材料を溶融するシリンダを有す
    るとともに、成形材料を混練しつつ押出すスクリュを前
    記シリンダの内部に設け、前記成形材料とシリンダの内
    壁面との摩擦力と、成形材料とスクリュ面との摩擦力と
    の差で成形材料を押出す押出機において、 前記成形材料を搬送するフィードゾーンに対応する前記
    シリンダの位置に前記スクリュの軸と平行の長穴を穿設
    し、前記スクリュの軸と平行の縦溝をその内側面に複数
    条設けた摩擦力増大部を前記長穴に着脱自在に嵌合した
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれかに記
    載のスクリュ式押出機。
  6. 【請求項6】前記摩擦力増大部にこの摩擦力増大部を冷
    却する冷却水が流入する流入口と、この冷却水を流出さ
    せる流出口とを設け、この冷却水が循環する流路を前記
    摩擦力増大部の内部に設けたことを特徴とする請求項1
    ないし請求項5いずれかに記載のスクリュ式押出機。
  7. 【請求項7】前記摩擦力増大部の長手方向の長さを前記
    シリンダの内径に対して4倍にするとともに、前記摩擦
    力増大部の短手方向の長さを前記シリンダの内径に対し
    て0.4倍にすることを特徴とする請求項1ないし請求
    項6いずれかに記載のスクリュ式押出機。
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