JPH10306846A - 可変速度型ダンパ - Google Patents

可変速度型ダンパ

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JPH10306846A
JPH10306846A JP13042897A JP13042897A JPH10306846A JP H10306846 A JPH10306846 A JP H10306846A JP 13042897 A JP13042897 A JP 13042897A JP 13042897 A JP13042897 A JP 13042897A JP H10306846 A JPH10306846 A JP H10306846A
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JP
Japan
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damper
weight
damper weight
recess
center line
Prior art date
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Application number
JP13042897A
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English (en)
Inventor
Satoru Onuma
覚 大沼
Kimio Uehara
公夫 上原
Mineo Nishi
峰夫 西
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Mitsubishi Motors Corp
Techno Metal Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Techno Metal Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転軸に連結される可変速度型ダンパを高い
精度で、かつ、容易に製作できるようにする。 【解決手段】 アウタレース11、インナレース12及
びボール13からなるベアリングアッセンブリ10内
へ、円板状のダンパウエイト20を圧入してダンパウエ
イトアッセンブリ3を構成し、フライホイール1の側面
に周方向へ等間隔で形成された複数の円形凹部2内へ、
それぞれダンパウエイトアッセンブリ3を圧入して可変
速度型ダンパ4が構成され、ダンパウエイト20の重心
Gが凹部2の中心線O2 から偏奇している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジン出力軸等
のトルク変動を低減させるためフライホイール等に設け
られる定次数ダイナミックダンパ、すなわち、可変速度
型ダンパに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の可変速度型ダンパは、実公昭63
−11405号公報に示されているように、内燃機関の
フライホイール本体にその軸心と平行な中心線をもつ有
底丸穴を形成し、くりぬき空洞部の形成により偏心した
平たい円柱状のダンパウエイトを上記丸穴に挿入して、
ダンパウエイトの外周面と有底丸穴の内周面との間の環
状空間にローラベアリングを介装し、ローラベアリング
によりダンパウエイトを有底丸穴内で回動自在に保持さ
せると共に、有底丸穴内に封入されたオイルによりロー
ラベアリングを潤滑するように構成して、ダンパウエイ
トの低騒音化を図っているが、この場合には、ダンパウ
エイトの外周面と有底丸穴の内周面との間の環状空間に
多数のローラベアリングを精度良く組み込む必要があ
り、そのためには、多大な組み付け工数を要すると同時
に、高い精度を確保することが極めて困難であるという
根本的な不具合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、回転
軸に連結される可変速度型ダンパを高い精度で、かつ、
比較的容易に製作できるようにすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため、本発明にかか
る請求項1所載の可変速度型ダンパは、回転軸と同軸的
に連結された円板状ダンパ本体に、同ダンパ本体の回転
軸心と直角な断面が円形で中心線が上記回転軸心と平行
な凹部または孔部が形成され、上記凹部または孔部内に
装着されたダンパウエイトの重心が上記中心線から偏奇
して、上記ダンパウエイトが上記中心線の回りに揺動自
在に支持された可変速度型ダンパにおいて、環状アウタ
レースの内周側に滑動部材を介して環状インナレースが
周方向へ相対的に滑動自在に支持され、上記インナレー
スの内周側に上記ダンパウエイトが固定されたダンパウ
エイトアッセンブリを予め製作し、同ダンパウエイトア
ッセンブリを上記凹部または孔部内に嵌合固定して構成
されている。
【0005】すなわち、アウタレース、滑動部材及びイ
ンナレースからなるベアリングアッセンブリは容易に高
精度で安価に組み立てることができ、また、インナレー
スの内周側に対するダンパウエイトの固定、ならびに、
ダンパ本体の凹部または孔部内に対するダンパウエイト
アッセンブリの嵌合固定はそれぞれ比較的簡単であり、
また、それらの組み立てによりダンパウエイトアッセン
ブリの精度が何ら損なわれることはないため、可変速度
型ダンパを高い精度で、かつ、比較的容易に製作するこ
とが可能となる。なお、ダンパウエイトの側端部に、滑
動部材の側面を覆うフランジ、もしくは、インナレース
の側端部にまで張り出すフランジを一体的に形成するこ
とにより、滑動部材への異物の侵入、もしくは、インナ
レースからのダンパウエイトの脱落を防止させることも
可能となる。
【0006】また、本発明にかかる請求項4所載の可変
速度型ダンパは、回転軸と同軸的に連結された円板状ダ
ンパ本体に、同ダンパ本体の回転軸心と直角な断面が円
形で中心線が上記回転軸心と平行な凹部または孔部が形
成され、上記凹部または孔部内に装着されたダンパウエ
イトの重心が上記中心線から偏奇して、上記ダンパウエ
イトが上記中心線の回りに揺動自在に支持された可変速
度型ダンパにおいて、上記ダンパウエイトが上記中心線
を軸心とする円弧状の外周面をそなえ、上記凹部または
孔部の内周側と上記ダンパウエイトの外周面との間に介
装された環状の固体潤滑材により上記ダンパウエイトが
揺動自在に支持されている。
【0007】すなわち、ダンパ本体の凹部または孔部の
内周側とダンパウエイトの外周面との間に環状の固体潤
滑材を介装し、その固体潤滑材により上記凹部または孔
部内でダンパウエイトを揺動自在に支持させるようにし
ていて、環状の固体潤滑材は高い精度で製造することが
容易であると共に、上記凹部または孔部内に対する固体
潤滑材及びダンパウエイトの組み込みは非常に簡単であ
るので、可変速度型ダンパを高精度で、かつ、比較的容
易に製作することができるようになる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す本発明の実施形
態例について、各実施形態例の同等部分にはそれぞれ同
一符号を付けて説明する。図1において、ディーゼルエ
ンジンの出力軸と同軸的に連結された円板状フライホイ
ール1の側面には、複数の、例えば6個の有底凹部2が
周方向へ等間隔に形成され、各凹部2はフライホイール
1の回転軸心O1 と直角な断面が円形で、その中心線O
2 がそれぞれ回転軸心O1 に平行となっており、各凹部
2内にそれぞれダンパウエイトアッセンブリ3が嵌合固
定されて、可変速度型ダンパ4が構成されている。
【0009】ダンパウエイトアッセンブリ3は、図2及
び図3に示されているように、ベアリングアッセンブリ
10及びダンパウエイト20からなり、ベアリングアッ
センブリ10は環状のアウタレース11と、環状のイン
ナレース12と、両レース11、12間に環状に配置さ
れた多数のセラミック製ボールあるいはセラミック製ロ
ーラ13とにより形成され、アウタレース11及びイン
ナレース12はステンレス製や特殊鋼製、もしくは、セ
ラミック製であって、ボールあるいはローラ13がセラ
ミック製で表面がちみつのため自己潤滑性があり、また
は、図4に示されているように、ベアリングアッセンブ
リ10は環状のアウタレース11と、環状のインナレー
ス12と、両レース11、12間に配置された環状の固
体潤滑材14とにより形成されていて、いずれの場合
も、アウタレース11及びインナレース12はボールあ
るいはローラ13、または、固体潤滑材14によりそれ
ぞれ相対的に回動自在に構成され、ベアリングアッセン
ブリ10は耐熱性を有していると同時に、流動性の潤滑
材である潤滑油をとくに必要としないものである。
【0010】なお、上記固体潤滑材14としては、含浸
された油による流体潤滑、境界潤滑を基本とする含油軸
受、例えば、含油アセタール樹脂、含油ポリオレフィン
樹脂、含油ポリアミド樹脂、含油ポリエステル樹脂、粉
末焼結含油材、成長鋳鉄含油材等からなる軸受材と、剪
断抵抗がきわめて小さい黒鉛、二硫化モリブデン、金属
石けん、軟質金属、プラスチック等の固体潤滑剤による
固体潤滑を基本とする乾燥摩擦軸受、例えば、黒鉛系耐
熱材、黄銅系もしくは青銅系固体潤滑剤埋込材、鋳鉄系
固体潤滑剤埋込材、アルミ青銅系固体潤滑剤埋込材、固
体潤滑剤分散型焼結材、耐摩耗銅合金、金属系表面処理
材、四ふっ化エチレン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノー
ル樹脂等からなる軸受材とがある。
【0011】また、ダンパウエイト20は、凹部2の中
心線O2 と直角の断面外周が円形である円板状であっ
て、中心線O2 と平行に延びるように適宜偏奇して形成
された凹部や孔部、もしくは、内部に偏奇して形成され
た中空部、もしくは、部分的な厚みないし材質の変更等
により、重心Gの位置が中心線O2 から偏奇していて、
インナレース12内へ冷し嵌め、あるいは、圧入により
固定され、または図5(A)に例示されているように、
ダンパウエイト20はインナレース12内の1/2以上
の大きさを有するが、上記と同様にインナレース12内
へ冷し嵌め、あるいは、圧入により固定されたとき、イ
ンナレース12内の一部に空間15を残す大きさであっ
て、その重心Gの位置が中心線O2 から偏奇しており、
または図5(B)に例示されているように、ダンパウエ
イト20はインナレース12内の1/2以下の大きさを
有するが、ダンパウエイト20よりも密度の小さいスペ
ーサ15aがインナレース12内の残余の空間を満たす
ようにして、スペーサ15aと共にインナレース12内
へ圧入により固定されたとき、その重心Gの位置が上記
各例の場合よりも中心線O2 から大きく偏奇しており、
または図5(C)に例示されているように、ダンパウエ
イト20はインナレース12内の1/2以下の大きさを
有するが、ダンパウエイト20よりも密度の小さいスペ
ーサ15bがダンパウエイト20の端面とインナレース
12の内面との間に跨がるように配置され、インナレー
ス12内の一部に空間15を残すようにして、スペーサ
15bと共にインナレース12内へ圧入により固定され
たとき、その重心Gの位置が中心線O2 から大きく偏奇
したものである。なお、図5(A)、(B)、(C)に
おけるベアリングアッセンブリ10では、それぞれボー
ルあるいはローラ13が示されているが、これらを環状
の固体潤滑材14に置換してもよいことはいうまでもな
い。
【0012】すなわち、ベアリングアッセンブリ10の
インナレース12内にダンパウエイト20を固定するこ
とにより、ダンパウエイトアッセンブリ3が予め製作さ
れていて、そのダンパウエイトアッセンブリ3をフライ
ホイール1の各凹部2内へ冷し嵌め、あるいは、圧入に
よりそれぞれ嵌合固定することにより、可変速度型ダン
パ4が構成されている。
【0013】可変速度型ダンパ4におけるダンパウエイ
ト20は、ベアリングアッセンブリ10により凹部2の
中心線O2 の回りに揺動自在に支持されていて、その重
心Gの位置が中心線O2 から偏奇しており、また、中心
線O2 と直角なベアリングアッセンブリ10の中心面O
3 上に重心Gが位置しているため、フライホイール1の
回転軸心O1 と凹部2の中心線O2 との距離、凹部2の
中心線O2 とダンパウエイト20の重心Gとの距離、及
び、ダンパウエイト20の質量を適宜選定することによ
り、ディーゼルエンジン出力軸のトルク変動に基づく定
次数角加速度を効果的に低減させて、上記トルク変動を
抑制することができると共に、フライホイール1の凹部
2内に固定されたベアリングアッセンブリ10によりダ
ンパウエイト20が支持されていて、エンジンの起動時
やエンジンの停止時に、ダンパウエイト20が自重で凹
部2の内周面へ落下して衝突するようなことは全くない
ため、ダンパウエイト20の装着により騒音が発生した
り、凹部2の内周面等が損傷することを確実に防止する
ことができる。
【0014】また、アウタレース11と、インナレース
12と、両レース11、12間に配置された多数のボー
ルあるいはローラ13とにより構成されたベアリングア
ッセンブリ10は市販製品をそのまま使用することがで
き、他方、アウタレース11と、インナレース12と、
両レース11、12間に配置された固体潤滑材14とに
より構成されたベアリングアッセンブリ10は部品個数
が極めて少なくて構造が簡単であるため、いずれの場合
もベアリングアッセンブリ10に高い精度を持たせるこ
とが容易であると共に、ダンパウエイト20をベアリン
グアッセンブリ10内に固定してダンパウエイトアッセ
ンブリ3を構成させた上、ダンパウエイトアッセンブリ
3をフライホイール1の凹部2内へ嵌合固定させるの
で、可変速度型ダンパ4の組立て作業が簡単であって、
その組立てによりベアリングアッセンブリ10の精度が
何ら損なわれることはなく、ダンパウエイト20はベア
リングアッセンブリ10により常に揺動自在に支持さ
れ、従って、精度の高い可変速度型ダンパ4を比較的容
易に、かつ、安価に製作することができる大きな長所が
ある。
【0015】さらに、ベアリングアッセンブリ10はそ
れぞれ耐熱性を有していると同時に、劣化、消失あるい
は偏在しやすいオイルやグリース等の流動性潤滑材をと
くに必要としないので、ディーゼルエンジンの出力軸に
連結されたフライホイール1のように、比較的高温度で
高遠心力が作用しても、可変速度型ダンパ4としての機
能を長期間にわたって良好に維持させることができる特
色がある。
【0016】しかも、上記のようにベアリングアッセン
ブリ10が高い精度をもっているため、ベアリングアッ
センブリ10からダンパウエイト20が抜け出すことは
容易に抑制できるので、ダンパウエイト20の脱落を防
止するためのプラグをフライホイール1の凹部2に設置
することを省略でき、部品点数及び加工工数を容易に低
減させることができる利点もある。
【0017】なお、ベアリングアッセンブリ10により
凹部2内でダンパウエイト20が揺動自在に支持されて
いるが、ダンパウエイト20の周速は余り大きくないの
で、セラミック製ボールあるいはローラ13を使用して
いても、ベアリングアッセンブリ10は十分の強度を有
してして、ダンパウエイト20の揺動性を確保させるこ
とができる。
【0018】また、上記第1実施形態例では、ダンパウ
エイトアッセンブリ3がフライホイール1の有底凹部2
内に嵌合固定されているが、フライホイール1の回転軸
心O1 と平行にフライホイール1を貫通する複数の孔部
を周方向へ等間隔に形成し、その孔部内にダンパウエイ
トアッセンブリ3をそれぞれ嵌合固定するようにして
も、上記実施形態例と同等の作用効果を奏することがで
きるものである。
【0019】次に、図6及び図7に示す第2実施形態例
では、第1実施形態例の場合と同様に、円板状フライホ
イール1に複数の有底凹部2が周方向へ等間隔に形成さ
れ、凹部2はフライホイール1の回転軸心と直角な断面
が円形で、その中心線O2 が上記回転軸心に平行となっ
ており、各凹部2内にそれぞれダンパウエイトアッセン
ブリ3が嵌合固定されて、可変速度型ダンパ4が構成さ
れているが、ダンパウエイトアッセンブリ3におけるベ
アリングアッセンブリ10は、第1実施形態例の場合と
同様に、環状アウタレース11、環状インナレース1
2、及び、多数のセラミック製ボールあるいはローラ1
3により構成されていて、インナレース12内に冷し嵌
め、あるいは、圧入により固定された略円板状のダンパ
ウエイト20は、一方の側端部にフランジ21が形成さ
れ、フランジ21はインナレース12の側端面に当接し
ていると共に、小隙を隔ててベアリングアッセンブリ1
0におけるアウタレース11の側端面の全部もしくは一
部と、両レース11、12間に配置されたボールあるい
はローラ13の側面とを覆っている。
【0020】また、ダンパウエイト20におけるフラン
ジ21側の端面22には、凹部2の中心線O2 とダンパ
ウエイト20の重心Gとを通る平面に対称形の比較的大
きい凹部23が形成され、ダンパウエイト20の他方の
端面24には、やはり上記平面に対称形の比較的小さい
凹部25が形成されていて、凹部23、25の形成によ
り、ダンパウエイト20の重心Gの位置が中心線O2 か
ら偏奇すると共に、中心線O2 と直角なベアリングアッ
センブリ10の中心面O3 上に重心Gが位置していて、
フライホイール1の回転によってダンパウエイト20に
遠心力が作用しても、ベアリングアッセンブリ10に対
してダンパウエイト20がこじれを起こすことが防止さ
れている。
【0021】この第2実施形態例では、第1実施形態例
と同等の作用効果を奏することができるばかりでなく、
ダンパウエイト20のフランジ21がインナレース12
の側端面に当接していて、ダンパウエイト20とインナ
レース12との接触面積が比較的大きいため、ダンパウ
エイト20がベアリングアッセンブリ10から脱落する
ことを容易に防止できると同時に、フランジ21がベア
リングアッセンブリ10におけるアウタレース11側端
面の全部もしくは一部と、ボールあるいはローラ13の
側面とを覆っているため、ベアリングアッセンブリ10
に対する異物の侵入を抑制することができ、また、中心
線O2 から比較的離れたダンパウエイト20の側端外周
部にフランジ21を形成させることにより、ダンパウエ
イト20の慣性を簡単に増大させうる利点がある。
【0022】図8及び図9に示す第3実施形態例では、
第2実施形態例の凹部23、25に代えて、凹部2の中
心線O2 とダンパウエイト20の重心Gとを通る平面に
対称形で、かつ、中心線O2 と直角なベアリングアッセ
ンブリ10の中心面O3 に対しフランジ21側が他の側
よりも大きい中空部26が、消失中子の使用等によりダ
ンパウエイト20内に形成され、中空部26の存在によ
り、ダンパウエイト20の重心Gの位置が中心線O2 か
ら偏奇すると共に、中心面O3 上に重心Gが位置してい
て、第2実施形態例と同等の作用効果を奏することがで
きる。
【0023】図10に示す第4実施形態例は、第2実施
形態例及び第3実施形態例におけるダンパウエイト20
のフランジ21外周面形状を変更したものであり、ま
た、図11に示す第5実施形態例は、第2実施形態例及
び第3実施形態例におけるダンパウエイト20のフラン
ジ21側の端面22がフライホイール1の側端面と略一
平面上に配置されるように構成されていて、第2実施形
態例及び第3実施形態例と同等の作用効果を奏すること
ができる外、ダンパウエイト20にフランジ21が形成
されていても、フライホイール1の厚みの増大を抑止で
きる効果がある。
【0024】図12に示す第6実施形態例では、上記各
実施形態例の場合と同様に円板状フライホイール1に形
成された各有底凹部2内に、ダンパウエイトアッセンブ
リ3が嵌合固定されて、可変速度型ダンパ4が構成され
ているが、ダンパウエイトアッセンブリ3におけるベア
リングアッセンブリ10の環状インナレース12内に固
定された略円板状のダンパウエイト20は、一方の端面
22がフライホイール1及びベアリングアッセンブリ1
0の各側端面と略一平面上に配置されるように構成され
ているのに対し、凹部2の底面側に位置する他方の端面
24にはフランジ27が形成されていて、フランジ27
がインナレース12の側端面にまで張り出している。
【0025】また、図示しないが上記各実施形態例と同
様にして、ダンパウエイト20の重心Gの位置が凹部2
の中心線O2 から偏奇すると共に、中心線O2 と直角な
ベアリングアッセンブリ10の中心面O3 上に重心Gが
位置していて、フライホイール1の回転によってダンパ
ウエイト20に遠心力が作用しても、ベアリングアッセ
ンブリ10に対してダンパウエイト20がこじれを起こ
すことが防止されている。
【0026】この第6実施形態例では、第1実施形態例
と同等の作用効果を奏することができるばかりでなく、
ダンパウエイト20のフランジ27がインナレース12
の側端面にまで張り出しているため、ダンパウエイト2
0がインナレース12内から脱落することを確実に防止
できるので、インナレース12内に対するダンパウエイ
ト20の固定精度をゆるめることが可能となり、また、
中心線O2 から比較的離れたダンパウエイト20の側端
外周部にフランジ27を形成させることにより、ダンパ
ウエイト20の慣性を簡単に増大させうる利点がある。
【0027】図13に示す第7実施形態例では、第1実
施形態例の場合と同様に円板状フライホイール1の側面
に形成された各凹部2内に、ダンパウエイトアッセンブ
リ3が嵌合固定されているが、ダンパウエイトアッセン
ブリ3におけるベアリングアッセンブリ30は、前記し
たと同様な環状の固体潤滑材14のみにより構成されて
いて、ベアリングアッセンブリ30は耐熱性を有してい
ると同時に、潤滑油をとくに必要としないものである。
【0028】ダンパウエイトアッセンブリ3は、ベアリ
ングアッセンブリ30内へ略円板状のダンパウエイト2
0を冷し嵌め、もしくは、圧入により固定し、あるい
は、単に挿入することにより、予め製作されていて、そ
のダンパウエイトアッセンブリ3をフライホイール1の
各凹部2内へ冷し嵌め、あるいは、圧入によりそれぞれ
嵌合固定され、あるいは、単に挿入されて、可変速度型
ダンパが構成されている。
【0029】このとき、ダンパウエイト20の外周面と
ベアリングアッセンブリ30の内周面との間、及びまた
は、ベアリングアッセンブリ30の外周面と凹部2の内
周面との間で摺動自在となっており、また、第1実施形
態例の場合と同様に、ダンパウエイト20はその重心G
の位置が凹部2の中心線O2 から偏奇すると共に、中心
線O2 と直角なベアリングアッセンブリ30の中心面上
に重心Gが位置して、凹部2内で揺動自在に支持されて
いるため、第1実施形態例の場合と同等の作用効果を奏
することができる外、ベアリングアッセンブリ30が単
一の環状固体潤滑材14で構成されていると同時に、ベ
アリングアッセンブリ30に対するダンパウエイト20
の組み付け、及びまたは、凹部2内に対するダンパウエ
イトアッセンブリ3の組み付けは、それぞれを単に嵌入
するだけの簡単な操作ですむので、可変速度型ダンパの
製作を一層容易化できる長所がある。なお、上記ダンパ
ウエイト20を、上記実施形態例におけるようなフラン
ジ付きのダンパウエイト20に置き換えても、それぞれ
同等の作用効果を奏することができるのはいうまでもな
い。
【0030】図14に示す第8実施形態例は、上記各実
施形態例において円板状フライホイール1の各凹部2内
に収容されたダンパウエイトアッセンブリ3の側面を覆
うように、凹部2内の段部40へ板金製プラグ41が打
ち込まれたものであり、また、図15に示す第9実施形
態例は、上記各実施形態例において円板状フライホイー
ル1をその回転軸心と平行な方向に貫通する孔部42内
の両側段部40へそれぞれ板金製プラグ41が打ち込ま
れたものであって、いずれの場合においてもプラグ41
は、凹部2内または孔部42内からダンパウエイトアッ
センブリ3またはダンパウエイト20が万一にも脱落す
ることを確実に防止できると共に、ダンパウエイトアッ
センブリ3へクラッチ摩耗粉等の粉塵が侵入することを
容易に防止できる利点がある。なお、上記ダンパウエイ
ト20を、上記実施形態例におけるようなフランジ付き
のダンパウエイト20に置き換えても、それぞれ同等の
同等の作用効果を奏することができるのはいうまでもな
い。
【0031】図16に示す第10実施形態例は、第8実
施形態例において、板金製プラグ41を断面波形とし、
プラグ41の内面に沿うようにダンパウエイト20の側
端面を突出させることにより、ダンパウエイト20の慣
性モーメントを容易に増大させることができるものであ
って、第8実施形態例と同等の作用効果を奏することが
できるものであり、また、第9実施形態例に対しても同
様に適用できることはいうまでもない。
【0032】図17に示す第11実施形態例は、第6実
施形態例、第7実施形態例及び第8実施形態例を適宜組
み合わせたものであって、それぞれ上記各実施形態例の
場合と同様に、円板状フライホイール1に形成された凹
部2内にダンパウエイトアッセンブリ3が嵌合されて、
可変速度型ダンパ4が構成されているが、ダンパウエイ
トアッセンブリ3におけるベアリングアッセンブリ30
は環状の固体潤滑材14のみにより形成されて、ダンパ
ウエイト20の外周面とベアリングアッセンブリ30の
内周面との間、及びまたは、ベアリングアッセンブリ3
0の外周面と凹部2の内周面との間で摺動自在となって
いる。
【0033】また、ダンパウエイト20は、凹部2の底
面側に位置する端面24にフランジ26が形成されてい
て、フランジ26が固体潤滑材14の側端面にまで張り
出していると共に、凹部2内に嵌め込まれた円板状等の
平面的な固体潤滑材50に対し、ダンパウエイト20の
端面24が摺動自在に接しており、さらに、凹部2内に
嵌合されたダンパウエイトアッセンブリ3を覆うよう
に、凹部2内の段部40へ板金製プラグ41が打ち込ま
れている。
【0034】従って、上記各実施形態例と同様に、固体
潤滑材14、50により凹部2内でダンパウエイト20
が揺動自在に支持されていると共に、凹部2内からダン
パウエイト20が脱落することは、フランジ26及び固
体潤滑材50の係合と、プラグ41の存在により確実に
防止されて、上記各実施形態例とそれぞれ同等の作用効
果を奏することができる。
【0035】
【発明の効果】本発明にかかる請求項1所載の可変速度
型ダンパにおいては、アウタレース、滑動部材及びイン
ナレースからなるベアリングアッセンブリは容易に高精
度で安価に組み立てることができ、また、ベアリングア
ッセンブリに対するダンパウエイトの固定、ならびに、
ダンパ本体の凹部または孔部内に対するダンパウエイト
アッセンブリの嵌合固定はそれぞれ比較的簡単であるた
め、高精度の可変速度型ダンパを安価に製作することが
できる。
【0036】また、本発明にかかる請求項4所載の可変
速度型ダンパにおいては、ダンパ本体の凹部または孔部
の内周側とダンパウエイトの外周面との間に環状の固体
潤滑材を介装し、その固体潤滑材により上記凹部または
孔部内でダンパウエイトを揺動自在に支持させるように
していて、環状の固体潤滑材は高い精度で製造すること
が容易であると共に、上記凹部または孔部内に対する固
体潤滑材及びダンパウエイトの組み込みは非常に簡単で
あるので、高精度の可変速度型ダンパを安価に製作する
ことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態例における概略側面図。
【図2】図1のII−II縦断面拡大図。
【図3】図2の III−III 縦断面図。
【図4】図3の変形図。
【図5】第1実施形態例の変形図。
【図6】本発明の第2実施形態例における要部縦断面
図。
【図7】図6の VII矢視図。
【図8】本発明の第3実施形態例における要部縦断面
図。
【図9】図8のIX矢視図。
【図10】本発明の第4実施形態例における要部縦断面
図。
【図11】本発明の第5実施形態例における要部縦断面
図。
【図12】本発明の第6実施形態例における要部縦断面
図。
【図13】本発明の第7実施形態例における要部側面
図。
【図14】本発明の第8実施形態例における要部縦断面
図。
【図15】本発明の第9実施形態例における要部縦断面
図。
【図16】本発明の第10実施形態例における要部縦断
面図。
【図17】本発明の第11実施形態例における要部縦断
面図。
【符号の説明】
1 フライホイール 2 凹部 3 ダンパウエイトアッセンブリ 4 可変速度型ダンパ 10 ベアリングアッセンブリ 11 アウタレース 12 インナレース 13 ボールあるいはローラ 14 固体潤滑材 20 ダンパウエイト 21 フランジ 23、25 凹部 26 中空部 27 フランジ 30 ベアリングアッセンブリ 41 プラグ 42 孔部 50 固体潤滑材
フロントページの続き (72)発明者 西 峰夫 福島県二本松市高田100番地 三菱自動車 テクノメタル株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸と同軸的に連結された円板状ダン
    パ本体に、同ダンパ本体の回転軸心と直角な断面が円形
    で中心線が上記回転軸心と平行な凹部または孔部が形成
    され、上記凹部または孔部内に装着されたダンパウエイ
    トの重心が上記中心線から偏奇して、上記ダンパウエイ
    トが上記中心線の回りに揺動自在に支持された可変速度
    型ダンパにおいて、環状アウタレースの内周側に滑動部
    材を介して環状インナレースが周方向へ相対的に滑動自
    在に支持され、上記インナレースの内周側に上記ダンパ
    ウエイトが固定されたダンパウエイトアッセンブリを予
    め製作し、同ダンパウエイトアッセンブリを上記凹部ま
    たは孔部内に嵌合固定して構成された可変速度型ダン
    パ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記ダンパウエイト
    の側端部に、上記滑動部材の側面を覆うフランジが一体
    的に形成された可変速度型ダンパ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、上記凹部の底面側に
    おける上記ダンパウエイトの側端部に、上記インナレー
    スの側端面に張り出したフランジが一体的に形成された
    可変速度型ダンパ。
  4. 【請求項4】 回転軸と同軸的に連結された円板状ダン
    パ本体に、同ダンパ本体の回転軸心と直角な断面が円形
    で中心線が上記回転軸心と平行な凹部または孔部が形成
    され、上記凹部または孔部内に装着されたダンパウエイ
    トの重心が上記中心線から偏奇して、上記ダンパウエイ
    トが上記中心線の回りに揺動自在に支持された可変速度
    型ダンパにおいて、上記ダンパウエイトが上記中心線を
    軸心とする円弧状の外周面をそなえ、上記凹部または孔
    部の内周側と上記ダンパウエイトの外周面との間に介装
    された環状の固体潤滑材により上記ダンパウエイトが揺
    動自在に支持された可変速度型ダンパ。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項4において、ダン
    パウエイトアッセンブリの側面、または、上記ダンパウ
    エイトと上記固体潤滑材との側面を覆うプラグが上記凹
    部または孔部に設けられた可変速度型ダンパ。
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