JPH10306156A - 新規ポリカーボネート樹脂、その合成方法、これを用いた電子写真感光体および電子写真装置 - Google Patents

新規ポリカーボネート樹脂、その合成方法、これを用いた電子写真感光体および電子写真装置

Info

Publication number
JPH10306156A
JPH10306156A JP11591397A JP11591397A JPH10306156A JP H10306156 A JPH10306156 A JP H10306156A JP 11591397 A JP11591397 A JP 11591397A JP 11591397 A JP11591397 A JP 11591397A JP H10306156 A JPH10306156 A JP H10306156A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
group
polycarbonate resin
formula
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11591397A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3228177B2 (ja
Inventor
Hiroshi Nakamura
博史 中村
Masahiko Miyamoto
昌彦 宮本
Hidemi Nukada
秀美 額田
Ichiro Takegawa
一郎 竹川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP11591397A priority Critical patent/JP3228177B2/ja
Publication of JPH10306156A publication Critical patent/JPH10306156A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3228177B2 publication Critical patent/JP3228177B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 酸化防止機能に優れた新規ポリカーボネート
樹脂及び合成方法、繰返し使用時の安定性に優れた電子
写真感光体及び電子写真装置を提供すること。 【解決手段】 (1)下記一般式で示されるポリカーボ
ネート樹脂、及びその合成方法、及び(2)導電性支持
体上に(1)に記載のポリカーボネート樹脂を含有する
感光層を設けてなる電子写真感光体、及び電子写真装置
である。 【化1】 上記式中、X1 及びX2 の末端基のうち少なくとも一つ
はヒンダードフェノール構造を有する基及びヒンダード
アミン構造を有する基から選ばれる基を表し、Rはポリ
カーボネートを構成するのに必要な基を表し、pはポリ
カーボネート樹脂全体の粘度平均分子量が3000〜3
0万の範囲になり得る整数を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有用性のある新規
なポリカーボネート樹脂およびその合成方法、さらに、
該ポリカーボネート樹脂を用いた電子写真感光体および
電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真感光体(以下、単に「感光体」
という場合がある)は、高速、かつ高印字品質が得られ
るという利点を有するため、複写機およびレーザービー
ムプリンター等の電子写真装置において著しく利用され
ている。このような電子写真装置において用いられる電
子写真感光体として、従来からのセレン、セレン−テル
ル合金、セレン−ヒ素合金、硫化カドミウム等無機光導
電材料を用いた電子写真感光体に比べ、安価で製造性お
よび廃棄性の点で優れた利点を有する有機光導電材料を
用いた電子写真感光体(以下、単に「有機感光体」とい
う)が、近年主流を占める様になってきている。
【0003】なかでも、露光により電荷を発生する電荷
発生層と電荷を輸送する電荷輸送層を積層する機能分離
型積層有機感光体は、感度・帯電性およびその繰り返し
安定性等、電子写真特性の点で優れており、種々の提案
が成され、実用化されている。また、これら感光体の感
光層の結着樹脂として、特にポリカーボネート樹脂はそ
の機械的強度等優れた特性を有するため好ましいもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電子写真感光体は通
常、帯電、露光、現像、転写、クリーニング等のプロセ
スを繰り返すので、安定な特性を維持することが要求さ
れている。しかし、コロナ放電による帯電器(コロトロ
ン、スコロトロン等)を使用した場合、帯電器から発生
したオゾンやNOX 等により感光体表面層の電荷輸送物
質が劣化し、感度の低下、残留電位の変動、帯電能の低
下、画像ボケが発生する。また、比較的オゾンやNOX
の発生の少ない接触帯電器を使用しても表面層の電荷輸
送物質が劣化し、上記のトラブルが発生する。
【0005】そこで、従来は電子写真感光体の特性を安
定させるために酸化防止剤を含有させることが提案され
ている(特公平6−75205、特許2531740
等)。しかし、酸化防止剤の含有により感度の低下、残
留電位の上昇、サイクル特性の悪化がおこり、カブリの
発生やコントラストの低下、ランニング中に酸化防止剤
の析出であるブリードがおこり、表面付近の低分子量成
分が増加することで耐摩耗性が低下したり、感光層中で
の酸化防止剤の濃度が低下し、ランニング中に酸化防止
機能がなくなってくるといった問題がある。
【0006】また、電子写真感光体表面層の結着樹脂に
ヒンダードフェノール等の酸化防止剤の構造を共重合さ
せた樹脂を用いることが提案されているが(特開平8−
311190、特開平8−311191、特開平8−3
1193)、共重合することにより酸化防止機能が失わ
れていると考えられ、即ち、ヒンダードフェノールを共
重合させた場合にはヒンダードフェノール構造ではなく
なってしまい、別途酸化防止剤の添加が必要となる。
【0007】本発明は、上記のような実状に鑑みて成さ
れたものであって、従来の技術における上記の問題点を
解消することを目的とするものである。すなわち、本発
明の目的は、繰り返し使用の際の安定性に優れた電子写
真感光体および電子写真装置を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的は、上記目的を達する手段として
有用な新規ポリカーボネート樹脂およびその合成方法を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の諸
点に鑑みて種々検討した結果、少なくともヒンダードフ
ェノール構造またはヒンダードアミン構造を末端に有す
るポリカーボネート樹脂が、長期にわたって安定的に酸
化防止機能を有し、かつ機械的強度に関し極めて優れた
特性を有することを見いだし、さらに該ポリカーボネー
ト樹脂を電子写真感光体の感光層の結着樹脂として用い
ることにより、繰り返し使用の際の安定性、耐久性に関
し、極めて優れた特性を有し、電子写真装置中で長期間
繰り返し回転させた場合における感光層の繰り返し安定
性の劣化の問題を解消することができることを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、 (1)下記一般式(I)で示されるポリカーボネート樹
脂である。 ・一般式(I)
【0010】
【化13】
【0011】上記式中、X1 およびX2 の末端基のうち
少なくとも一つはヒンダードフェノール構造を有する基
およびヒンダードアミン構造を有する基から選ばれる基
を表し、Rはポリカーボネートを構成するのに必要な基
を表し、pはポリカーボネート樹脂全体の粘度平均分子
量が3000〜30万の範囲になり得る整数を表す。
【0012】(2)一般式(I)中のX1 およびX2
末端基のうち少なくとも一つが下記一般式(II)で示さ
れるヒンダードフェノール構造であることを特徴とする
発明(1)に記載のポリカーボネート樹脂である。 ・一般式(II)
【0013】
【化14】
【0014】上記式中、R1 およびR8 は分岐アルキル
基を表し、R2 〜R7 はそれぞれ独立に水素、アルキル
基、アリール基あるいはアルコキシ基を表し、nは1〜
3の整数を表し、Y1は連結基を表す。
【0015】(3)一般式(I)中のX1 およびX2
末端基のうち少なくとも一つが下記一般式(III) で示さ
れるヒンダードフェノール構造であることを特徴とする
発明(1)に記載のポリカーボネート樹脂である。 ・一般式(III)
【0016】
【化15】
【0017】上記式中、R14,R15のうち少なくとも一
方は分岐アルキル基で、残りはアルキル基、アリール基
あるいはアルコシキ基を表し、R16,R17のうち少なく
とも一方は分岐アルキル基で、残りはアルキル基、アリ
ール基あるいはアルコシキ基を表し、b,cはそれぞれ
独立に1〜3の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、
Aは−O−または−NH−を表し、Y2は連結基または
単結合を表す。
【0018】(4)一般式(I)中のX1 およびX2
末端基のうち少なくとも一つが下記一般式(IV)で示さ
れるヒンダードアミン構造であることを特徴とする発明
(1)に記載のポリカーボネート樹脂である。 ・一般式(IV)
【0019】
【化16】
【0020】上記式中、Q1 〜Q3 のうち少なくとも一
つは下記構造式で示される基であり、
【0021】
【化17】
【0022】残りは、アルキル基または下記構造式
【0023】
【化18】
【0024】で示される基を表し、Q4 は水素または炭
素数1〜13のアルキル基を表す。
【0025】(5)一般式(I)中のX1 およびX2
末端基のうち少なくとも一つが下記一般式(V)で示さ
れるヒンダードアミン構造であることを特徴とする発明
(1)に記載のポリカーボネート樹脂である。 ・一般式(V)
【0026】
【化19】
【0027】上記式中、nはポリカーボネート樹脂全体
の粘度平均分子量が3000〜30万の範囲になり得る
整数を表す。
【0028】(6)一般式(I)中のRが下記一般式
(VI)で表される構造単位で示されることを特徴とする
発明(1)〜(5)に記載のポリカーボネート樹脂であ
る。 ・一般式(VI)
【0029】
【化20】
【0030】上記式中、R18〜R21は、それぞれ独立に
水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜5のア
ルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜5
のアルコキシ基であり、これらの基は置換されていても
よい。Zは下記構造式で示される基を表す。
【0031】
【化21】
【0032】上記式中、R22〜R29はそれぞれ独立に水
素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリ
ール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、あるいは、R22
とR 23、R26とR28またはR27とR29が一緒に結合し、
炭素環または複素環を形成する基を表し、これらの基は
置換されていてもよい。dは0または1を表す。
【0033】(7)一般式(I)中のRが下記構造式で
表される構造単位で示されることを特徴とする発明
(1)〜(5)に記載のポリカーボネート樹脂である。
【0034】
【化22】
【0035】(8)ビスフェノール構造を有する中間体
とホスゲンとを反応させてポリカーボネート樹脂を合成
する方法において、重合停止剤としてヒンダードフェノ
ールおよびヒンダードアミンから選ばれる化合物を重合
終了時に添加することを特徴とする発明(1)に記載の
ポリカーボネート樹脂の合成方法である。
【0036】(9)導電性支持体上に感光層を設けてな
る電子写真感光体において、該感光層が発明(1)〜
(7)に記載のポリカーボネート樹脂を含有することを
特徴とする電子写真感光体である。
【0037】(10)感光層が、同層中に電荷輸送材料
と電荷発生材料の双方を含有する単層構造であることを
特徴とする発明(9)に記載の電子写真感光体である。
【0038】(11)感光層が、少なくとも電荷輸送材
料を含有する電荷輸送層と、電荷発生材料を含有する電
荷発生層とに機能分離されていることを特徴とする発明
(9)に記載の電子写真感光体である。
【0039】(12)電荷輸送材料として、下記一般式
(VII) で示されるベンジジン系化合物を感光層に含有す
ることを特徴とする発明(9)〜(11)に記載の電子
写真感光体である。 ・一般式(VII)
【0040】
【化23】
【0041】上記式中、R30,R31’は同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、
ハロゲン原子を表し、またR31,R31’,R32およびR
32’は同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキ
ル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または置換アミノ基
を表す。また、e,e’,f,およびf’はそれぞれ独
立に1または2の整数を表す。
【0042】(13)電荷輸送材料として、下記一般式
(VIII)で示されるトリアリールアミン系化合物を感光
層に含有することを特徴とする発明(9)〜(11)に
記載の電子写真感光体である。 ・一般式(VIII)
【0043】
【化24】
【0044】上記式中、R33,R34は同一でも異なって
いてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハ
ロゲン原子を表し、またgおよびhはそれぞれ1または
2の整数を意味する。R35は水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表す。
【0045】(14)電荷発生材料として、Cukα線
を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±
0.2°)において、少なくとも7.4°,16.6
°,25.5°,28.3°の位置に回折ピークを有す
るジクロルガリウムフタロシアニンを感光層に含有する
ことを特徴とする発明(9)〜(13)に記載の電子写
真感光体である。
【0046】(15)電荷発生材料として、Cukα線
を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±
0.2°)において、少なくとも7.5°,9.9°,
12.5°,16.3°,18.6°,25.1°,2
8.1°の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウ
ムフタロシアニンを感光層に含有することを特徴とする
発明(9)〜(13)に記載の電子写真感光体である。
【0047】(16)電荷発生材料として、Cukα線
を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±
0.2°)において、少なくとも9.5°,11.7
°,15.0°,24.1°,27.3°の位置に回折
ピークを有するチタニルフタロシアニンを感光層に含有
することを特徴とする発明(9)〜(13)に記載の電
子写真感光体である。
【0048】(17)帯電装置が接触帯電装置である電
子写真装置において、発明(9)〜(16)に記載の電
子写真感光体を用いたことを特徴とする電子写真装置で
ある。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態を挙げ
て説明する。 [本発明の新規ポリカーボネート樹脂]本発明の新規ポ
リカーボネート樹脂は、末端が酸化防止剤の構造である
ヒンダードフェノール構造またはヒンダードアミン構造
を有することを特徴とするものであり、具体的には、下
記一般式(I)で示されるものである。 ・一般式(I)
【0050】
【化25】
【0051】上記式中、X1 およびX2 の末端基のうち
少なくとも一つはヒンダードフェノール構造を有する基
およびヒンダードアミン構造を有する基から選ばれる基
を表し、Rはポリカーボネートを構成するのに必要な基
を表し、pはポリカーボネート樹脂全体の粘度平均分子
量が3000〜30万の範囲になり得る整数を表す。
【0052】このように、ポリカーボネート樹脂の末端
を酸化防止剤の構造であるヒンダードフェノール構造ま
たはヒンダードアミン構造とすることにより、酸化防止
機能を併せ持つポリカーボネート樹脂とすることができ
る。即ち、ヒンダードフェノール構造またはヒンダード
アミン構造をポリカーボネート樹脂中に共重合させた場
合には、結局これら構造が破壊されてしまい、酸化防止
機能を十分に発揮することができなくなってしまうが、
本発明の如く、末端をこれら構造とすることにより、酸
化防止剤としての構造を害することなく、従って酸化防
止機能を十分に発揮することができる。本発明のポリカ
ーボネート樹脂の末端となり得るヒンダードフェノール
構造またはヒンダードアミン構造、即ち、上記一般式
(I)におけるX1 およびX2 の末端基のうち少なくと
も一つとなり得るヒンダードフェノール構造を有する基
またはヒンダードアミン構造を有する基としては、以下
のものが挙げられる。
【0053】下記一般式(II)で示されるヒンダード
フェノール構造 ・一般式(II)
【0054】
【化26】
【0055】上記式中、R1 およびR8 は分岐アルキル
基を表し、R2 〜R7 はそれぞれ独立に水素、アルキル
基、アリール基あるいはアルコキシ基を表し、nは1〜
3の整数を表し、Y1は連結基を表す。Y1の連結基と
しては以下のものが挙げられる。
【0056】
【化27】
【0057】上記式中、R19,R20は、それぞれ独立に
水素、アルキル基、アリール基、アルコキシ基を表し、
aは0〜10の整数を表す。一般式(II)で示されるヒ
ンダードフェノール構造の具体例を以下に示す。但し、
本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
【0058】
【化28】
【0059】下記一般式(III) で示されるヒンダード
フェノール構造 ・一般式(III)
【0060】
【化29】
【0061】上記式中、R14,R15のうち少なくとも一
方は分岐アルキル基で、残りはアルキル基、アリール基
あるいはアルコシキ基を表し、R16,R17のうち少なく
とも一方は分岐アルキル基で、残りはアルキル基、アリ
ール基あるいはアルコシキ基を表し、b,cはそれぞれ
独立に1〜3の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、
Aは−O−または−NH−を表し、Y2は連結基または
単結合を表す。Y2の連結基としては以下のものが挙げ
られる。
【0062】
【化30】
【0063】一般式(III) で示されるヒンダードフェノ
ール構造の具体例を以下に示す。但し、本発明は以下の
具体例に限定されるものではない。
【0064】
【化31】
【0065】
【化32】
【0066】下記一般式(IV)で示されるヒンダード
アミン構造 ・一般式(IV)
【0067】
【化33】
【0068】上記式中、Q1 〜Q3 のうち少なくとも一
つは下記構造式で示される基であり、
【0069】
【化34】
【0070】残りは、アルキル基または下記構造式
【0071】
【化35】
【0072】で示される基を表し、Q4 は水素または炭
素数1〜13のアルキル基を表す。
【0073】一般式(IV)で示されるヒンダードアミン
構造の具体例を以下に示す。但し、本発明は以下の具体
例に限定されるものではない。
【0074】
【化36】
【0075】
【化37】
【0076】下記一般式(V)で示されるヒンダード
アミン構造 ・一般式(V)
【0077】
【化38】
【0078】上記式中、nはポリカーボネート樹脂全体
の粘度平均分子量が3000〜30万の範囲になり得る
整数を表す。
【0079】本発明のポリカーボネート樹脂の末端以外
の部分、即ち重合単位としては、従来公知のポリカーボ
ネートの重合単位であればよい。例えば、ビスフェノー
ル(A)、ビスフェノール(Z)、ビスフェノール
(C)、ビスフェノール(TP)、ビスフェノール(B
P)などを用いた各種ポリカーボネート樹脂の構造単位
が挙げられる。本発明のポリカーボネート樹脂の特に好
ましい重合単位を挙げると、上記一般式(I)のRの部
分が、下記一般式(VI)で表される構造単位で示される
ものである。 ・一般式(VI)
【0080】
【化39】
【0081】上記式中、R18〜R21は、それぞれ独立に
水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜5のア
ルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜5
のアルコキシ基であり、これらの基は置換されていても
よい。Zは下記構造式で示される基を表す。
【0082】
【化40】
【0083】上記式中、R22〜R29はそれぞれ独立に水
素、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリ
ール基、炭素数1〜5のアルコキシ基、あるいは、R22
とR 23、R26とR28またはR27とR29が一緒に結合し、
炭素環または複素環を形成する基を表し、これらの基は
置換されていてもよい。dは0または1を表す。
【0084】これらの中で、特に好ましい上記一般式
(I)のRの部分としては、下記構造式で示されるもの
である。
【0085】
【化41】
【0086】上記一般式(I)のRを含む重合単位(一
般式(I)における括弧で括られた部分)の好ましい具
体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0087】
【化42】
【0088】
【化43】
【0089】
【化44】
【0090】本発明のポリカーボネートとしては、以上
の構造単位のうちの1種類のみが重合したものでもよい
し、2種以上が共重合したものであっても構わない。本
発明において共重合化する場合には、ブロック、ランダ
ム、グラフト重合法等いずれの重合方法も用いることが
できる。本発明のポリカーボネート樹脂は、共重合化し
て用いることにより、用途および目的に応じた特性のコ
ントロールが可能となる。例えば、他の樹脂等との相溶
性、溶媒への溶解性、成膜性などを調整することができ
る。本発明のポリカーボネート樹脂の分子量は、用途や
要求される性能によって適宜選択されるが、通常は粘度
平均分子量で3000〜30万の範囲が適当である。
【0091】本発明のポリカーボネート樹脂は、以下の
方法により製造することができる。 (1)ホスゲンを用いる方法 本発明のポリカーボネート樹脂は、中間体となる下記化
合物Aをホスゲンと反応させることにより製造すること
ができる。なお、下記化合物Aは市場から容易に入手可
能である。 ・化合物A HO−R−OH 式中Rは、ポリカーボネートを構成するのに必要な基を
表し、上記一般式(I)におけるRと同義である。反応
式としては以下の通りである。
【0092】
【化45】
【0093】(2)ジヒドロキシ化合物のビスクロロホ
ルメート体を用いる方法 本発明のポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物
のビスクロロホルメート体と上記化合物Aを反応させる
ことにより製造することができる。反応式としては以下
の通りである。
【0094】
【化46】
【0095】式中R’は、化合物AにおけるRと同じ意
味であり、RとR’は同一であっても異なっていてもよ
い。
【0096】(3)ジヒドロキシ化合物のモノクロロホ
ルメート体を用いる方法 本発明のポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物
のモノクロロホルメート体を自己縮合反応させることに
より製造することができる。反応式としては以下の通り
である。
【0097】
【化47】
【0098】式中Rは、化合物AにおけるRと同じ意味
である。
【0099】(4)ジアルキルカーボネートを用いる方
法 本発明のポリカーボネート樹脂は、上記化合物Aをジア
ルキルカーボネートと反応させることにより製造するこ
とができる。反応式としては以下の通りである。
【0100】
【化48】
【0101】式中R”は、アルキル基を表す。
【0102】(5)ジヒドロキシ化合物のモノカーボネ
ートを用いる方法 本発明のポリカーボネート樹脂は、ジヒドロキシ化合物
のモノカーボネートを自己縮合反応させることにより製
造することができる。反応式としては以下の通りであ
る。
【0103】
【化49】
【0104】式中Rは、化合物AにおけるRと同じ意味
である。また、R”は、水素、アルキル基等を表す。
【0105】(6)環状ポリカーボネートを用いる方法 本発明のポリカーボネート樹脂は、環状ポリカーボネー
トを開環重合反応させることにより製造することができ
る。反応式としては以下の通りである。
【0106】
【化50】
【0107】式中Rは、化合物AにおけるRと同じ意味
である。
【0108】(7)二酸化炭素と環状エーテルを用いる
方法 本発明のポリカーボネート樹脂は、二酸化炭素と環状エ
ーテルを反応させることにより製造することができる。
反応式としては以下の通りである。
【0109】
【化51】
【0110】式中Rは、化合物AにおけるRと同じ意味
である。
【0111】(8)炭酸塩とジハロゲン化物を用いる方
法 本発明のポリカーボネート樹脂は、炭酸塩とジハロゲン
化物を反応させることにより製造することができる。反
応式としては以下の通りである。
【0112】
【化52】
【0113】式中Rは、化合物AにおけるRと同じ意味
である。Mは、1価の金属原子、NH4 等を表す。ま
た、Xはハロゲン原子を表す。
【0114】本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法
として、以上の方法が挙げられるが、一般的にポリカー
ボネート樹脂の製造方法として最も用いられているの
は、(1)のホスゲンを用いた方法である。
【0115】本発明のポリカーボネート樹脂の製造にお
いて、末端をヒンダードフェノール構造を有する基また
はヒンダードアミン構造を有する基に修飾する方法とし
ては、例えば、ビスフェノール構造を有する中間体(上
記化合物A)とホスゲンとを反応させてポリカーボネー
ト樹脂を合成する方法(1)においては、ヒンダードフ
ェノールおよびヒンダードアミンから選ばれる化合物を
重合終了時に重合停止剤として添加することにより行う
ことができ、このようにして本発明のポリカーボネート
樹脂を合成することができる。ヒンダードフェノールお
よびヒンダードアミンの化合物の具体例としては、前記
ヒンダードフェノール構造を有する基またはヒンダード
アミン構造を有する基の具体例における結合手部分に水
酸基が結合した化合物が挙げられる。
【0116】次に本発明のポリカーボネート樹脂の具体
的な合成例を示す。合成例 (構造式4−8に示す重合単位の末端に構造式2−1を
有するポリカーボネート樹脂の合成)2リットルの反応
器に下記構造を示すビスフェノール化合物0.2モル、
4.7%濃度の水酸化ナトリウム水溶液400ml及び
塩化メチレン350mlを添加し、激しく撹拌しながら
ホスゲンを400ml/分の割合で15分間吹き込ん
だ。
【0117】
【化53】
【0118】反応温度を15℃に保ち、更に13.7%
濃度の水酸化ナトリウム40ml、トリメチルベンジル
アンモニウムクロライド0.2g及びトリエチルアミン
0.3mlを加え、23℃で撹拌を続けて重縮合反応を
実施した。約1時間後、下記構造を示すヒンダードフェ
ノールの化合物0.003molを添加し、重縮合反応
を終了させた。
【0119】
【化54】
【0120】反応終了後、生成物を塩化メチレン400
mlで希釈し、水1リットル、0.01規定の塩酸0.
5リットル及び水1リットルで順次洗浄した。得られた
有機相を5リットルのメチルアルコールに注入して白色
重合体を沈殿させ濾別後100℃で12時間乾燥して、
構造式4−8に示す重合単位の末端に構造式2−1を有
するポリカーボネート樹脂約17gを得た。
【0121】本発明のポリカーボネート樹脂は、ポリカ
ーボネート樹脂本来の特性である、優れた機械的強度、
寸法安定性、電気絶縁性および透明性等を有すると共
に、優れた酸化防止機能を有するため、各種の分野で広
汎、かつ有用に用いることができる。例えば、電子、電
気、OAの分野においては、シャーシハウジング材等に
用いることができる。情報分野においては、電子写真感
光体、EL素子、CD、CD−ROM、MOやDVD等
のニューメディアの記録媒体として用いることができ
る。自動車の分野においては、ヘッドランプ、インナー
レンズ、ドアハンドル等に用いることができる。機械分
野においては精密機械の部品が主体で、カメラ、VTR
カメラの機構部品、外装部品等に用いることができる。
また、その他電動工具等にも用いることができる。医療
の分野においては、その透明性、安全性、耐滅菌性等の
特徴を活かし、人工透析容器、三方活栓等に用いること
ができる。雑貨の分野においては、高級雑貨製品の食器
用途として用いることができる。また、ベビー用品、電
子レンジ用容器、計量カップ等に用いることができる。
また、シートやフィルムの押し出し材は、ガラス代替素
材として用いることができる。
【0122】[電子写真感光体]次に本発明のポリカー
ボネート樹脂を用いた電子写真感光体の構成例を示す。 <支持体>本発明の電子写真感光体において、導電性支
持体としては、アルミニウム、銅、鉄、亜鉛或いはニッ
ケルなどの金属ドラムおよびシート;紙、プラスチック
またはガラス上に、アルミニウム、銅、金、銀、白金、
パラジウム、チタン、ニッケル−クロム、ステンレス鋼
或いは銅−インジウム等の金属を蒸着するか、酸化イン
ジウム、酸化錫などの導電性金属化合物を蒸着するか、
金属箔をラミネートするか、またはカーボンブラック、
酸化インジウム、酸化錫−酸化アンチモン粉、金属粉或
いは沃化銅等を結着樹脂に分散し、塗布することによっ
て導電処理したドラム状、シート状或いはプレート状の
物など公知の材料を用いることができる。金属ドラムと
して金属パイプ基材を用いる場合、表面は素管のままで
あっても、事前に鏡面切削、エッチング、陽極酸化、粗
切削、センタレス研削、サンドブラスト、ウエットホー
ニングなどの処理が行われていても構わない。表面処理
により基材表面を粗面化することによりレーザービーム
のような可干渉光源を用いた場合に発生しうる感光体内
での干渉光による木目状の濃度斑を防止することができ
る。
【0123】<下引き層>下引き層はポリビニルブチラ
ールなどのアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹
脂、カゼイン、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラ
チン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリ
ル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニ
ルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレ
イン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド
樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹
脂などの高分子樹脂化合物のほかに、ジルコニウム、チ
タニウム、アルミニウム、マンガン、シリコン原子など
を含有する有機金属化合物などがある。これらの化合物
は単独にあるいは複数の化合物の混合物あるいは重縮合
物として用いることができる。なかでも、ジルコニウム
もしくはシリコンを含有する有機金属化合物は残留電位
が低く環境による電位変化が少なく、また繰り返し使用
による電位の変化が少ないなど性能上優れている。
【0124】シリコン化合物としては、例えばビニルト
リメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル−ト
リス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニル
トリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルメチルメトキシシラン、N,N−ビス(β
−ヒドロキシエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ−クロルプロピルトリメトキシシラン等が
挙げられる。これらのなかでも特に好ましく用いられる
シリコン化合物はビニルトリエトキシシラン、ビニルト
リス(2−メトキシエトキシシラン)、3−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−
(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシ
シラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキ
シシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラ
ン、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのシラ
ンカップリング剤が挙げられる。
【0125】有機ジルコニウム化合物の例として、ジル
コニウムブトキシド、ジルコニウムアセト酢酸エチル、
ジルコニウムトリエタノールアミン、アセチルアセトネ
ートジルコニウムブトキシド、アセト酢酸エチルジルコ
ニウムブトキシド、ジルコニウムアセテート、ジルコニ
ウムオキサレート、ジルコニウムラクテート、ジルコニ
ウムホスホネート、オクタン酸ジルコニウム、ナフテン
酸ジルコニウム、ラウリン酸ジルコニウム、ステアリン
酸ジルコニウム、イソステアリン酸ジルコニウム、メタ
クリレートジルコニウムブトキシド、ステアレートジル
コニウムブトキシド、イソステアレートジルコニウムブ
トキシドなどが挙げられる。
【0126】有機チタン化合物の例としてはテトライソ
プロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネー
ト、ブチルチタネートダイマー、テトラ(2−エチルヘ
キシル)チタネート、チタンアセチルアセトネート、ポ
リチタンアセチルアセトネート、チタンオクチレングリ
コレート、チタンラクテートアンモニウム塩、チタンラ
クテート、チタンラクテートエチルエステル、チタント
リエタノールアミネート、ポリヒドロキシチタンステア
レートなどが挙げられる。有機アルミニウム化合物の例
としてはアルミニウムイソプロピレート、モノブトキシ
アルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレ
ート、ジエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプ
ロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテ
ート)などが挙げられる。
【0127】下引き層中には電気特性の向上や光散乱性
の向上などの目的により、各種の有機もしくは無機微粉
末を混合することができる。とくに、酸化チタン、酸化
亜鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、鉛白、リトポン等の白色顔料
やアルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔
料としての無機顔料やテフロン樹脂粒子、ベンゾグアナ
ミン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子などが有効である。添
加微粉末の粒径は0.01〜2μmのものが用いられ
る。下引き層は0.1〜10μmの範囲が望ましい。微
粉末は必要に応じて添加されるが、添加される場合には
下引き層の固形分に対して10〜80重量%、より好ま
しくは30〜70重量%添加される。下引き層塗布液の
形成において、添加微粉末を混入させる場合には樹脂成
分を溶解した溶液中に添加して分散処理が行われる。添
加微粉末を樹脂中に分散させる方法としては、ロールミ
ル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、サン
ドミル、コロイドミル、ペイントシェーカーなどの方法
を用いることができる。
【0128】<感光層>上記下引き層上に形成される感
光層は、基本的には単層構造であっても、電荷発生層と
電荷輸送層とに機能分離された積層構造であってもよ
い。また、これら感光層の上に必要に応じて表面保護層
を形成することも可能である。図1は積層構造の感光層
の場合の電子写真感光体の一例を示す断面図である。1
1は導電性支持体、12は下引き層であり、これらの構
成については、既述の通りである。13は電荷発生層で
あり、さらに電荷輸送層14ががその上に設けられてい
る。但し、積層構造の場合、電荷発生層と電荷輸送層の
積層順序はいずれが上層であっても良い。これら電荷発
生層と電荷輸送層の双方若しくは一方の結着樹脂を本発
明のポリカーボネート樹脂とすることにより、機械的強
度が高く、酸化による表面劣化を低減し、繰り返し使用
の際の安定性に優れた感光体を作製することができる。
単層構造の場合、後述の電荷発生材料と電荷輸送材料と
を一つの層に含有し、本発明のポリカーボネート樹脂を
結着樹脂として形成することにより、積層構造の場合同
様、感光体の機械的強度の向上、および酸化による表面
劣化の低減による繰り返し使用の際の安定性向上が実現
できる。
【0129】1.積層構造の感光層 まず、積層構造の感光層の場合について説明する。 (電荷発生層)電荷発生層は電荷発生物質を真空蒸着に
より形成するか、有機溶剤および結着樹脂とともに分散
し塗布することにより形成される。電荷発生物質として
は、非晶質セレン、結晶性セレン、セレン−テルル合
金、セレン−ヒ素合金、その他のセレン化合物およびセ
レン合金、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機系光導電体、
無金属フタロシアニン、チタニルフタロシアニン、銅フ
タロシアニン、錫フタロシアニン、ガリウムフタロシア
ニンなどの各種フタロシアニン顔料、スクエアリウム
系、アントアントロン系、ペリレン系、アゾ系、アント
ラキノン系、ピレン系、ピリリウム塩、チアピリリウム
塩等の各種有機顔料および染料が用いられる。また、こ
れらの有機顔料は一般に数種の結晶型を有しており、特
にフタロシアニン顔料ではα型、β型などをはじめとし
てさまざまな結晶型が知られているが、目的に合った感
度が得られる顔料であるならば、これらのいずれの結晶
型でも用いることができる。
【0130】電荷発生層と電荷輸送層の双方、若しくは
一方に含まれる本発明のポリカーボネート樹脂との関連
で、高耐久性が要求される高速の電子写真装置への適応
の為に、また感度的な意味において優れた性能が得られ
る電荷発生材料として以下の化合物が挙げられる。 1)Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ
角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.4
°,16.6°,25.5°,28.3°の位置に回折
ピークを有するジクロルガリウムフタロシアニン。 2)Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ
角度(2θ±0.2°)において、少なくとも7.5
°,9.9°,12.5°,16.3°,18.6°,
25.1°,28.1°の位置に回折ピークを有するヒ
ドロキシガリウムフタロシアニン。 3)Cukα線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ
角度(2θ±0.2°)において、少なくとも9.5
°,11.7°,15.0°,24.1°,27.3°
の位置に回折ピークを有するチタニルフタロシアニン。
【0131】電荷発生層に於ける結着樹脂としては、本
発明のポリカーボネート樹脂、または、以下のものを例
示することができる。すなわち、ビスフェノールAタイ
プあるいはビスフェノールZタイプなどのポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ
ビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体
樹脂、塩化ビニリデン−アクリルニトリル共重合体樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シ
リコーン樹脂、シリコン−アルキド樹脂、フェノール−
ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポ
リ−N−ビニルカルバゾールなどである。これらの結着
樹脂は、単独あるいは2種以上混合して用いることが可
能である。電荷発生材料と結着樹脂との配合比(重量
比)は、10:1〜1:10の範囲が望ましい。また、
電荷発生層の厚みは、一般には0.01〜5μm、好ま
しくは0.05〜2.0μmの範囲に設定される。電荷
発生材料を樹脂中に分散させる方法としては、ロールミ
ル、ボールミル、振動ボールミル、アトライター、ダイ
ノーミル、サンドミル、コロイドミルなどの方法を用い
ることができる。
【0132】(電荷輸送層)電荷輸送層は、少なくとも
電荷輸送材料と結着樹脂とからなる。電荷輸送層に用い
られる電荷輸送物質としては、下記に示すものが例示で
きる。2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾールなどのオキサジアゾール
誘導体、1,3,5−トリフェニル−ピラゾリン、1−
[ピリジル−(2)]−3−(p−ジエチルアミノスチ
リル)−5−(p−ジエチルアミノスチリル)ピラゾリ
ンなどのピラゾリン誘導体、トリフェニルアミン、トリ
(P−メチル)フェニルアミン、N,N−ビス(3,4
−ジメチルフェニル)ビフェニル−4−アミン、ジベン
ジルアニリン、9,9−ジメチル−N,N−ジ(p−ト
リル)フルオレノン−2−アミンなどの芳香族第3級ア
ミノ化合物、N,N‘−ジフェニル−N,N‘−ビス
(3−メチルフェニル)−[1,1−ビフェニル]−
4,4‘−ジアミンなどの芳香族第3級ジアミノ化合
物、3−(4‘ジメチルアミノフェニル)−5,6−ジ
−(4‘−メトキシフェニル)−1,2,4−トリアジ
ンなどの1,2,4−トリアジン誘導体、4−ジエチル
アミノベンズアルデヒド−1,1−ジフェニルヒドラゾ
ン、4−ジフェニルアミノベンズアルデヒド−1,1−
ジフェニルヒドラゾン、[p−(ジエチルアミノ)フェ
ニル](1−ナフチル)フェニルヒドラゾンなどのヒド
ラゾン誘導体、2−フェニル−4−スチリル−キナゾリ
ンなどのキナゾリン誘導体、6−ヒドロキシ−2,3−
ジ(p−メトキシフェニル)−ベンゾフランなどのベン
ゾフラン誘導体、p−(2,2−ジフェニルビニル)−
N,N−ジフェニルアニリンなどのα−スチルベン誘導
体、エナミン誘導体、N−エチルカルバゾールなどのカ
ルバゾール誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよ
びその誘導体などの正孔輸送物質。クロラニル、ブロモ
アニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシ
アノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フル
オレノン等のフルオレノン化合物、2−(4−ビフェニ
ル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−
オキサジアゾールや2,5−ビス(4−ナフチル)−
1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(4−ジ
エチルアミノフェニル)1,3,4オキサジアゾールな
どのオキサジアゾール系化合物、キサントン系化合物、
チオフェン化合物、3,3’,5,5’テトラ−t−ブ
チルジフェノキノン等のジフェノキノン化合物などの電
子輸送物質。あるいは以上に示した化合物からなる基を
主鎖または側鎖に有する重合体などが挙げられる。これ
らの電荷輸送材料は、1種又は2種以上を組み合せて使
用できる。
【0133】積層型感光体では電荷輸送材料の電荷輸送
極性により感光体の帯電極性が異なる。正孔輸送物質を
用いた場合には感光体は負帯電で用いられ、電子輸送物
質を用いた場合には正帯電で用いられる。両者を混合し
た場合には両帯電極性の感光体が可能である。
【0134】電荷輸送層で本発明のポリカーボネート樹
脂を結着樹脂として用いた場合に、本発明のポリカーボ
ネート樹脂との関連において、相溶性が良好で特に優れ
た性能が得られる電荷輸送材料として以下の化合物が挙
げられる。 1)下記一般式(VII) で示されるベンジジン系化合物 ・一般式(VII)
【0135】
【化55】
【0136】上記式中、R30,R31’は同一でも異なっ
ていてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、
ハロゲン原子を表し、またR31,R31’,R32およびR
32’は同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキ
ル基、アルコキシ基、ハロゲン原子または置換アミノ基
を表す。また、e,e’,f,およびf’はそれぞれ独
立に1または2の整数を表す。この一般式(VII) で示さ
れるベンジジン化合物の具体的化合物例を以下表1に示
す。
【0137】
【表1】
【0138】
【表2】
【0139】
【表3】
【0140】2)下記一般式(VIII)で示されるトリア
リールアミン系化合物 ・一般式(VIII)
【0141】
【化56】
【0142】上記式中、R33,R34は同一でも異なって
いてもよく、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハ
ロゲン原子を表し、またgおよびhはそれぞれ1または
2の整数を意味する。R35は水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表す。
この一般式(VIII)で示されるトリアリールアミン化合
物の具体的化合物例を以下表2に示す。
【0143】
【表4】
【0144】
【表5】
【0145】本発明において、電荷輸送材料の結着樹脂
として、本発明のポリカーボネート樹脂または電荷発生
材料の結着樹脂として挙げたその他樹脂が使用される。
本発明のポリカーボネート樹脂は、電荷輸送材料の相溶
性改良、溶媒への溶解性改良、成膜性向上などの目的で
他の樹脂と混合あるいは共重合化して用いることができ
る。混合してあるいは共重合化して用いることが可能な
樹脂の例として、一般式(I)内の異なるポリカーボネ
ート樹脂、ビスフェノール(A)、ビスフェノール
(Z)、ビスフェノール(C)、ビスフェノール(T
P)、ビスフェノール(BP)などを用いた各種ポリカ
ーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、
アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン
共重合体樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重
合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹
脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フ
ェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッ
ド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール等が挙げられ
る。
【0146】本発明において共重合化させる場合には、
ブロック、ランダム、グラフト重合法等いずれの重合方
法も用いることができる。共重合化させる場合に、一般
式(I)で示される構造単位の割合としては、5〜90
%の割合が好ましく、特に共重合効果は10〜90%の
割合によって発揮される。本発明のポリカーボネート樹
脂と他の樹脂とを混合して用いる場合、その混合割合と
しては、全樹脂成分中、他の樹脂は5〜70%の割合で
混合されるのが望ましい。電荷輸送層に用いられる本発
明のポリカーボネート樹脂の分子量は、感光層の膜厚や
溶剤などの成膜条件、あるいは所望の耐摩耗性などの機
械的特性によって適宜選択されるが、通常は粘度平均分
子量で3000〜30万、より好ましくは2万〜20万
の範囲が適当である。
【0147】電荷輸送層は、上述の電荷輸送材料および
結着樹脂とを適当な溶媒に溶解させた溶液を塗布し乾燥
することによって形成することができる。電荷輸送層の
形成に使用される溶媒としては、例えば、ベンゼン、ト
ルエン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素系、アセト
ン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロ
ホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素
類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコ
ール、ジエチルエーテル等の環状あるいは直鎖状エーテ
ル、あるいはこれらの混合溶剤などを用いることができ
る。電荷輸送材料と上記結着樹脂との配合比は10:1
〜1:5が好ましい。また電荷輸送層の膜厚は一般に5
〜50μm、好ましくは10〜40μm、さらに好まし
くは10〜30μmの範囲に設定される。
【0148】電子写真装置中で発生するオゾン、酸化性
ガスあるいは熱に対しては、ポリカーボネート樹脂の末
端のヒンダードフェノール構造またはヒンダードアミン
構造で感光体の劣化を防止することができるが、より効
果的に感光体の劣化を防止する目的で、電荷輸送層中に
酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を添加する事が
できる。たとえば、有機硫黄系および有機燐系酸化防止
剤は2次酸化防止剤といわれ、本発明のポリカーボネー
ト樹脂の末端のヒンダードフェノール構造またはヒンダ
ードアミン構造を1次酸化防止剤とすれば、前記2次酸
化防止剤を併用することにより相乗効果を得ることがで
きる。
【0149】紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、ジチオカルバメート系、テ
トラメチルピペリジン系などの誘導体が挙げられる。ベ
ンゾフェノン系紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オク
トキシベンゾフェノン、2,2’−ジ−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。ベンゾト
リアゾール系系紫外線吸収剤として2−(−2’−ヒド
ロキシ−5’メチルフェニル−)−ベンゾトリアゾー
ル、2−[2’−ヒドロキシ−3’−(3”,4”,
5”,6”−テトラ−ヒドロフタルイミド−メチル)−
5’−メチルフェニル]−ベンゾトリアゾール、2−
(−2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチ
ルフェニル−)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル 5’−メチル
フェニル−)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェニル
−)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
5’−t−オクチル フェニル)−ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ア
ミルフェニル−)−ベンゾトリアゾールなどが挙げられ
る。その他の化合物として2,4,ジ−t−ブチルフェ
ニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ
ベンゾエート、ニッケルジブチル−ジチオカルバメート
などがある。
【0150】また感度の向上、残留電位の低減、繰り返
し使用時の疲労低減等を目的として少なくとも1種の電
子受容性物質を含有せしめることができる。本発明の感
光体に使用可能な電子受容性物質としては、例えば無水
琥珀酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無
水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノ
エチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベ
ンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロ
アントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン
酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル
酸などをあげる事ができる。これらのうち、フルオレノ
ン系、キノン系や、Cl,CN,NO2 等の電子吸引性
置換基を有するベンゼン誘導体が特によい。
【0151】電荷輸送層は、上記に示した電荷輸送物質
および上記ポリカーボネート樹脂とを適当な溶媒に溶解
させた溶液を塗布し、乾燥させることによって形成する
ことができる。電荷輸送層の形成に使用される溶媒とし
ては、代表的なもの、例えば、ベンゼン、トルエン、ク
ロルベンゼン等の芳香族炭化水素系、アセトン、2−ブ
タノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩
化エチレン等の、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコール、ジエ
チルエーテル等の環状或るいは直鎖状エーテル等、ある
いはこれ等の混合溶剤を用いることができる。また塗布
液には塗膜の平滑性向上のためのレベリング剤としてシ
リコーンオイルを微量添加することもできる。
【0152】塗工は、感光体の形状や用途に応じて浸漬
塗布法、リング塗布法、スプレー塗布法、ビード塗布
法、ブレード塗布法、ローラー塗布法などの塗布法を用
いて行うことが出来る。乾燥は、室温での指触乾燥の後
に加熱乾燥するのが好ましい。加熱乾燥は、30℃〜2
00℃の温度で5分〜2時間の範囲の時間で行うことが
望ましい。
【0153】2.単層構造の感光層 感光層が単層構造の場合、感光層は前述の電荷発生材
料、電荷輸送材料および結着樹脂としての本発明のポリ
カーボネート樹脂を適当な溶媒に溶解させた溶液を塗布
し乾燥することによって形成することができる。使用で
きる溶媒としては、電荷輸送層の製造において説明した
ものと同様である。また、感光層中に、電荷輸送層の製
造において説明したものと同様酸化防止剤、光安定剤、
熱安定剤、電子受容性材料などの添加剤やシリコーンオ
イルを添加する事ができ、塗工方法も電荷輸送層の製造
において説明した方法と同様である。電荷輸送材料と本
発明のポリカーボネート樹脂との配合比は1:3〜6:
4が好ましい。電荷発生材料と本発明のポリカーボネー
ト樹脂との配合比は1:1〜1:10が好ましい。本発
明のポリカーボネート樹脂が少ない場合には機械的強度
が弱く、多すぎると感度や光減衰速度が低下する。また
感光層の膜厚は一般に5〜50μm、好ましくは10〜
30μmの範囲に設定される。
【0154】<表面保護層>感光層の上には必要に応じ
表面保護層を形成することができる。表面保護層として
は、絶縁性樹脂保護層、あるいは絶縁性樹脂の中に抵抗
調整剤を添加した低抵抗保護層がある。低抵抗保護層の
場合には、例えば絶縁性樹脂中に導電性微粒子を分散し
た層があげられる。導電性微粒子として電気抵抗が10
9 Ω・cm以下で白色、灰色もしくは青白色を呈する個
数平均粒径(D50)が0.3μm以下が好ましく、より
好ましくは0.1μm以下の微粒子であり、例えば、酸
化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸
化錫、酸化チタン、酸化インジウム、酸化錫とアンチモ
ンあるいは酸化アンチモンとの固溶体の担体またはこれ
らの混合物、あるいは単一粒子中にこれらの金属酸化物
を混合したもの、あるいは被覆したものがあげられる。
中でも、酸化錫、酸化錫とアンチモンあるいは酸化アン
チモンとの固溶体は電気抵抗を適切に調節することが可
能で、かつ、保護層を実質的に透明にすることが可能で
あるので、好ましく用いられる(特開昭57−3084
7号、特開昭57−128344号参照)。
【0155】絶縁性樹脂としては、ポリアミド、ポリウ
レタン、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポ
リカーボネート等の縮合樹脂や、ポリビニルケトン、ポ
リスチレン、ポリアクリルアミドのようなビニル重合体
等が挙げられる。本発明の製造法により得られた感光体
はライトレンズ系複写機、近赤外光もしくは可視光に発
光するレーザービームプリンター、ディジタル複写機、
LEDプリンター、レーザーファクシミリなどの電子写
真装置に用いることができる。また、本感光体は一成分
系、二成分系の正規現像剤あるいは反転現像剤とも合わ
せて用いることができる。また本発明の製造法を用いて
製造された感光体は帯電ローラーや帯電ブラシを用いた
接触帯電方式においても電流リークの発生が少ない良好
な特性が得られる。
【0156】[電子写真装置]以上のようにして作製さ
れた本発明のポリカーボネート樹脂を用いた感光体は、
ライトレンズ系複写機、近赤外光もしくは可視光に発光
するレーザービームプリンター、ディジタル複写機、L
EDプリンター、レーザーファクシミリなどの電子写真
装置に用いることができる。また、本感光体は一成分
系、二成分系の正規現像剤あるいは反転現像剤ともあわ
せて用いることができる。また本発明のポリカーボネー
ト樹脂を用いた感光体は、帯電ローラーや帯電ブラシを
用いた接触帯電方式の電子写真装置においても電流リー
クの発生が少ない良好な特性が得られる。
【0157】図2は、帯電ローラーを用いた接触帯電方
式の電子写真装置の一例を示す概略断面図である。図2
において、21は電子写真感光体であり、その表面が本
発明のポリカーボネート樹脂を結着樹脂とした感光層と
なっている。電子写真感光体21は、図示しない駆動手
段によって矢印方向に回転駆動される。また、電子写真
感光体21の周囲には、その回転方向に沿って、帯電ロ
ーラーによる接触帯電装置22と、露光手段23と、現
像剤担持体を電子写真感光体21に対面させた現像装置
24と、転写コロトロン25と、クリーナー26と、光
除電器27とが、順次配設されている。
【0158】始めに、接触帯電装置22により電子写真
感光体21の表面を一様に帯電する。続いて、露光手段
3により画像部露光を行い潜像を形成し、この潜像は現
像装置24によりトナー現像され顕像化される。続い
て、電子写真感光体21上に形成されたトナー像は、記
録用紙28上に転写コロトロン25の帯電によって転写
される。その後、この記録用紙28は定着器29へと搬
送されトナー像が記録用紙28上に定着されて、一連の
画像記録工程が終了する。なお、トナー像の転写が終了
した電子写真感光体21の表面は、クリーナー26によ
って残留トナーが清掃された後、光除電器27による露
光を受け残留電荷が除電され、次の画像記録工程に備え
る。
【0159】
【実施例】以下本発明を実施例によって具体的に説明す
るが、本発明がこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。実施例1 4重量部のポリビニルブチラール樹脂(積水化学製エス
レックBM−S)を溶解したn−ブチルアルコール17
0重量部、有機ジルコニウム化合物(アセチルアセトン
ジルコニウムブチレート)30重量部および有機シラン
化合物の混合物(γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン)3重量部を追加混合撹拌し下引き層の塗布液を得
た。D50が30μmのアルミナ球状微粉末を用いて液体
ホーニング処理することにより中心線平均粗さRa=
0.18μmに粗面化された30mmφのED管アルミ
ニウム基体の上に、浸漬塗布装置を用いて下引き層を塗
布し、150℃1時間の硬化処理を行い、膜厚1.2μ
mの下引き層を形成した。電荷発生材料として7.4
°,16.6°,25.5°,28.3°の位置に明瞭
なX線回折ピークを有するジクロルガリウムフタロシア
ニン3重量部、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体樹脂(日
本ユニカーVMCH)2重量部、酢酸ブチル180重量
部からなる混合物をサンドミルにて4時間分散した。こ
の液を上記下引き層上に浸漬塗布、乾燥して、膜厚0.
2μmの電荷発生層を形成した。次に、化合物番号5−
1に示すN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−
メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニル]−4,
4’−ジアミン4重量部と、結着樹脂としての構造式4
−8に示すポリカーボネートの末端に構造式2−1を有
する樹脂(分子量約4万)6重量部とを塩化メチレン8
0重量部を加えて溶解した。この液を用いて、塗布し1
20℃40分の乾燥を行うことにより膜厚25μmの電
荷輸送層を形成し、三層からなる電子写真感光体を作製
した。得られた電子写真感光体を、接触帯電方式を用い
たプリンター(LP−9100:EPSON製)に装着
してプリント操作を行った。その際の感光体の残留電位
および画質を評価した。5万枚のプリントテストを行っ
たのちの画質を調べた。得られた結果を下記表4に示
す。
【0160】実施例2〜11 実施例1と同様の方法で得られた基材上に実施例1と同
じ方法で下引き層、電荷発生層を形成し、電荷輸送層に
おいて、結着樹脂としてのヒンダードフェノール構造を
末端に有するポリカーボネート樹脂をそれぞれ表3に示
す樹脂を用いた以外は実施例1と同じ方法で電荷輸送層
を形成し、三層からなる電子写真感光体を作製した。
【0161】
【表6】
【0162】得られた電子写真感光体を、接触帯電方式
の帯電装置を有するプリンター(LP−9100:EP
SON製)に装着してプリント操作を行った。その際の
感光体の残留電位および画質を評価した。5万枚のプリ
ントテストを行ったのちの画質を調べた。得られた結果
を表4に示す。
【0163】比較例1 実施例1と同様の方法で得られた基材上に実施例1と同
じ方法で下引き層、電荷発生層を形成した。この上に化
合物番号5−1に示すN,N’−ジフェニル−N,N’
−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニ
ル]−4,4’−ジアミン4重量部と、結着樹脂として
の構造式4−8に示すポリカーボネート樹脂(末端修飾
なし、分子量約4万)6重量部とをテトラヒドロフラン
80重量部を加えて溶解した。この液を用いて、塗布し
120℃、40分の乾燥を行うことにより膜厚25μm
の電荷輸送層を形成し、三層からなる電子写真感光体を
作製した。得られた電子写真感光体を、接触帯電方式の
帯電装置を有するプリンター(LP−9100:EPS
ON製)に装着してプリント操作を行った。その際の感
光体の残留電位および画質を評価した。5万枚のプリン
トテストを行ったのちの画質を調べた。得られた結果を
表4に示す。
【0164】比較例2 実施例1と同様の方法で得られた基材上に実施例1と同
じ方法で下引き層、電荷発生層を形成した。この上に化
合物番号5−1に示すN,N’−ジフェニル−N,N’
−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフェニ
ル]−4,4’−ジアミン4重量部と、結着樹脂として
の構造式4−8に示すポリカーボネート樹脂(末端修飾
なし、分子量約4万)6重量部、2,6−ジ−t−ブチ
ル−4−メチルフェノール0.2重量部とをテトラヒド
ロフラン80重量部を加えて溶解した。この液を用い
て、塗布し120℃、40分の乾燥を行うことにより膜
厚25μmの電荷輸送層を形成し、三層からなる電子写
真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を、接触
帯電方式の帯電装置を有するプリンター(LP−910
0:EPSON製)に装着してプリント操作を行った。
その際の感光体の残留電位および画質を評価した。5万
枚のプリントテストを行ったのちの画質を調べた。得ら
れた結果を表4に示す。
【0165】
【表7】
【0166】実施例12〜18 実施例1と同様の方法で得られた基材上に実施例1と同
じ方法で下引き層、電荷発生層を形成し、電荷輸送層に
おいて、結着樹脂としてのヒンダードフェノール構造を
末端に有するポリカーボネート樹脂をそれぞれ表5に示
す樹脂を用いた以外は実施例1と同じ方法で電荷輸送層
を形成し、三層からなる電子写真感光体を作製した。
【0167】
【表8】
【0168】得られた電子写真感光体を、接触帯電方式
の帯電装置を有するプリンター(LP−9100:EP
SON製)に装着してプリント操作を行った。その際の
感光体の残留電位および画質を評価した。5万枚のプリ
ントテストを行ったのちの画質を調べた。得られた結果
を表6に示す。
【0169】比較例3〜9 実施例1と同様の方法で得られた基材上に実施例1と同
じ方法で下引き層、電荷発生層を形成した。電荷輸送層
において、結着樹脂としてのポリカーボネート樹脂をそ
れぞれ表5に示す樹脂(末端修飾なし、分子量約4万)
を用いた以外は実施例1と同じ方法で電荷輸送層を形成
し、三層からなる電子写真感光体を作製した。得られた
電子写真感光体を、接触帯電方式の帯電装置を有するプ
リンター(LP−9100:EPSON製)に装着して
プリント操作を行った。その際の感光体の残留電位およ
び画質を評価した。5万枚のプリントテストを行ったの
ちの画質を調べた。得られた結果を表6に示す。
【0170】実施例19 実施例1と同様の方法で得られた基材上に実施例1と同
じ方法で下引き層、電荷発生層を形成し、電荷輸送層に
おいて、電荷輸送剤として化合物番号6−33で示す
N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル
−4−アミンを用いた以外は実施例1と同じ方法で電荷
輸送層を形成し、三層からなる電子写真感光体を作製し
た。得られた電子写真感光体を、接触帯電方式の帯電装
置を有するプリンター(LP−9100:EPSON
製)に装着してプリント操作を行った。その際の感光体
の残留電位および画質を評価した。5万枚のプリントテ
ストを行ったのちの画質を調べた。得られた結果を表6
に示す。
【0171】比較例10 実施例1と同様の方法で得られた基材上に実施例1と同
じ方法で下引き層、電荷発生層を形成した。電荷輸送層
において、電荷輸送剤として化合物番号6−33で示す
N,N−ビス(3,4−ジメチルフェニル)ビフェニル
−4−アミンを用いた以外は比較例1と同じ方法で電荷
輸送層を形成し、三層からなる電子写真感光体を作製し
た。得られた電子写真感光体を、接触帯電方式の帯電装
置を有するプリンター(LP−9100:EPSON
製)に装着してプリント操作を行った。その際の感光体
の残留電位および画質を評価した。5万枚のプリントテ
ストを行ったのちの画質を調べた。得られた結果を表6
に示す。
【0172】実施例20 実施例1と同様の方法で得られた基材上に実施例1と同
じ方法で下引き層、電荷発生層を形成した。電荷発生材
料として7.5°,9.9°,12.5°,16.3
°,18.6°,25.1°,28.1°の位置に回折
ピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン9重
量部、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学製エスレッ
クBM−1)2重量部、n−ブチルアルコール30重量
部からなる混合物をボールミルポットにとりミル部材と
して1/8インチφのSUSボールを使用し60時間ミ
リングをしたのち、さらにn−ブチルアルコール30重
量部を加えて希釈し撹拌した液を、上記下引き層上に塗
布し、乾燥して、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成し
た。電荷輸送層は実施例1と同じ方法で形成し、三層か
らなる電子写真感光体を作製した。得られた電子写真感
光体を、接触帯電方式の帯電装置を有するプリンター
(LP−9100:EPSON製)に装着してプリント
操作を行った。その際の感光体の残留電位および画質を
評価した。5万枚のプリントテストを行ったのちの画質
を調べた。得られた結果を表6に示す。
【0173】比較例11 実施例1と同様の方法で得られた基材上に実施例1と同
じ方法で下引き層を形成した。電荷発生材料として7.
5°,9.9°,12.5°,16.3°,18.6
°,25.1°,28.1°の位置に回折ピークを有す
るヒドロキシガリウムフタロシアニン9重量部、ポリビ
ニルブチラール樹脂(積水化学製エスレックBM−1)
2重量部、n−ブチルアルコール30重量部からなる混
合物をボールミルポットにとりミル部材として1/8イ
ンチφのSUSボールを使用し60時間ミリングをした
のち、さらにn−ブチルアルコール30重量部を加えて
希釈し撹拌した液を、上記下引き層上に塗布し、乾燥し
て、膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。電荷輸送
層は比較例1と同じ方法で形成し、三層からなる電子写
真感光体を作製した。得られた電子写真感光体を、接触
帯電方式の帯電装置を有するプリンター(LP−910
0:EPSON製)に装着してプリント操作を行った。
その際の感光体の残留電位および画質を評価した。5万
枚のプリントテストを行ったのちの画質を調べた。得ら
れた結果を表6に示す。
【0174】実施例21 実施例1と同様の方法で得られた基材上に実施例1と同
じ方法で下引き層、電荷発生層を形成した。電荷発生材
料として9.5°,11.7°,15.0°,24.1
°,27.3°の位置に明瞭なX線回折ピークを有する
チタニルフタロシアニン15重量部、ポリビニルブチラ
ール樹脂(積水化学製エスレックBM−S)10重量
部、n−ブチルアルコール300重量部からなる混合物
をサンドグラインドミルにて4時間分散した。この液を
上記下引き層上に塗布、乾燥して、膜厚0.2μmの電
荷発生層を形成した。電荷輸送層は実施例1と同じ方法
で形成し、三層からなる電子写真感光体を作製した。得
られた電子写真感光体を、接触帯電方式の帯電装置を有
するプリンター(LP−9100:EPSON製)に装
着してプリント操作を行った。その際の感光体の残留電
位および画質を評価した。5万枚のプリントテストを行
ったのちの画質を調べた。得られた結果を表6に示す。
【0175】比較例12 実施例1と同様の方法で得られた基材上に実施例1と同
じ方法で下引き層形成した。電荷発生材料として9.5
°,11.7°,15.0°,24.1°,27.3°
の位置に明瞭なX線回折ピークを有するチタニルフタロ
シアニン15重量部、ポリビニルブチラール樹脂(積水
化学製エスレックBM−S)10重量部、n−ブチルア
ルコール300重量部からなる混合物をサンドグライン
ドミルにて4時間分散した。この液を上記下引き層上に
塗布、乾燥して、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成し
た。電荷輸送層においては比較例1と同じ方法で形成
し、三層からなる電子写真感光体を作製した。得られた
電子写真感光体を、接触帯電方式の帯電装置を有するプ
リンター(LP−9100:EPSON製)に装着して
プリント操作を行った。その際の感光体の残留電位およ
び画質を評価した。5万枚のプリントテストを行ったの
ちの画質を調べた。得られた結果を表6に示す。
【0176】
【表9】
【0177】実施例22 電荷発生材料として7.4°,16.6°,25.5
°,28.3°の位置に明瞭なX線回折ピークを有する
ジクロルガリウムフタロシアニン1重量部と、結着樹脂
としての構造式4−8に示すポリカーボネートの末端に
構造式2−1を有する樹脂(分子量約4万)を5重量部
と、テトラヒドロフラン溶液45重量部を、化合物番号
5−1に示す電荷輸送材料N,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’−ビフ
ェニル]−4,4’−ジアミン1重量部、2,6−ジメ
チル−2’,6’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジフェ
ノキノン1重量部とともにボールミルを用いて分散した
後に、テトラヒドロフランを新たに300重量部を追加
して、リング塗布法にて中心線平均粗さRa=0.18
μmに粗面化された84mmφのED管アルミニウム基
体上に塗布して、100℃60分の乾燥を行い、膜厚1
5μmの単層構造の電子写真感光体を作製した。得られ
た電子写真感光体を、接触帯電方式の帯電装置を有する
プリンター(LP−9100:EPSON製)に装着し
てプリント操作を行った。その際の感光体の残留電位お
よび画質を評価した。5万枚のプリントテストを行った
のちの画質を調べた。得られた結果を表7に示す。
【0178】比較例13 実施例22において、結着樹脂を構造式4−8に示すポ
リカーボネート樹脂(末端修飾なし、分子量約4万)に
変更した以外は、実施例21と同様にして、15μmの
単層構造の電子写真感光体を作製した。得られた電子写
真感光体を、接触帯電方式の帯電装置を有するプリンタ
ー(LP−9100:EPSON製)に装着してプリン
ト操作を行った。その際の感光体の残留電位および画質
を評価した。5万枚のプリントテストを行ったのちの画
質を調べた。得られた結果を表7に示す。
【0179】
【表10】
【0180】実施例23〜24 実施例1と同様の方法で得られた基材上に実施例1と同
じ方法で下引き層、電荷発生層を形成し、電荷輸送層に
おいて、結着樹脂として、それぞれ表8に示すヒンダー
ドアミン構造を末端に有するポリカーボネート樹脂を用
いた以外は実施例1と同じ方法で電荷輸送層を形成し、
三層からなる電子写真感光体を作製した。
【0181】
【表11】
【0182】
【化57】
【0183】得られた電子写真感光体を、接触帯電方式
の帯電装置を有するプリンター(LP−9100:EP
SON製)に装着してプリント操作を行った。その際の
感光体の残留電位および画質を評価した。5万枚のプリ
ントテストを行ったのちの画質を調べた。得られた結果
を表9に示す。
【0184】
【表12】
【0185】比較例14 実施例1と同様の方法で得られた基材上に実施例1と同
じ方法で下引き層、電荷発生層を形成し、電荷輸送層に
おいて、結着樹脂を構造式4−8および下記構造式(ヒ
ンダードフェノール構造)の両構造単位からなるランダ
ム共重合体(共重合比9:1)であるポリカーボネート
樹脂(末端修飾なし、分子量約4万)に変更した以外
は、実施例1と同じ方法で電荷輸送層を形成し、三層か
らなる電子写真感光体を作製した。
【0186】
【化58】
【0187】得られた電子写真感光体を、接触帯電方式
の帯電装置を有するプリンター(LP−9100:EP
SON製)に装着してプリント操作を行った。その際の
感光体の残留電位および画質を評価した。5万枚のプリ
ントテストを行ったのちの画質を調べた。得られた結果
を表10に示す。
【0188】
【表13】
【0189】
【発明の効果】本発明によれば、その末端にヒンダード
フェノール構造またはヒンダードアミン構造を有する為
に、酸化防止機能に優れた新規かつ有用なポリカーボネ
ート樹脂を提供することができる。また、本発明の電子
写真感光体においては、電子写真感光体の感光層にヒン
ダードフェノール構造またはヒンダードアミン構造を末
端に有するポリカーボネート樹脂を用いたために形成さ
れた感光層は繰り返し使用においても電気特性や画質も
優れた特性を有している。従って、本発明の電子写真感
光体は高い耐久性を有しており、本発明の電子写真感光
体を用いることにより、安定性の高い画質を長期間にわ
たって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電子写真感光体の一例である、積層
構造の電子写真感光体表面の断面図を示す。
【図2】 本発明の電子写真感光体を適用するに適した
電子写真装置の概略断面図である。
【符号の説明】
11:導電性支持体 12:下引き層 13:電荷発生層 14:電荷輸送層 21:電子写真感光体 22:接触帯電装置 23:露光手段 24:現像装置 25:転写コロトロン 26:クリーナー 27:光除電器 28:記録用紙 29:定着器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹川 一郎 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示されるポリカーボ
    ネート樹脂。 ・一般式(I) 【化1】 上記式中、X1 およびX2 の末端基のうち少なくとも一
    つはヒンダードフェノール構造を有する基およびヒンダ
    ードアミン構造を有する基から選ばれる基を表し、Rは
    ポリカーボネートを構成するのに必要な基を表し、pは
    ポリカーボネート樹脂全体の粘度平均分子量が3000
    〜30万の範囲になり得る整数を表す。
  2. 【請求項2】 一般式(I)中のX1 およびX2 の末端
    基のうち少なくとも一つが下記一般式(II)で示される
    ヒンダードフェノール構造であることを特徴とする請求
    項1に記載のポリカーボネート樹脂。 ・一般式(II) 【化2】 上記式中、R1 およびR8 は分岐アルキル基を表し、R
    2 〜R7 はそれぞれ独立に水素、アルキル基、アリール
    基あるいはアルコキシ基を表し、nは1〜3の整数を表
    し、Y1は連結基を表す。
  3. 【請求項3】 一般式(I)中のX1 およびX2 の末端
    基のうち少なくとも一つが下記一般式(III) で示される
    ヒンダードフェノール構造であることを特徴とする請求
    項1に記載のポリカーボネート樹脂。 ・一般式(III) 【化3】 上記式中、R14,R15のうち少なくとも一方は分岐アル
    キル基で、残りはアルキル基、アリール基あるいはアル
    コシキ基を表し、R16,R17のうち少なくとも一方は分
    岐アルキル基で、残りはアルキル基、アリール基あるい
    はアルコシキ基を表し、b,cはそれぞれ独立に1〜3
    の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、Aは−O−ま
    たは−NH−を表し、Y2は連結基または単結合を表
    す。
  4. 【請求項4】 一般式(I)中のX1 およびX2 の末端
    基のうち少なくとも一つが下記一般式(IV)で示される
    ヒンダードアミン構造であることを特徴とする請求項1
    に記載のポリカーボネート樹脂。 ・一般式(IV) 【化4】 上記式中、Q1 〜Q3 のうち少なくとも一つは下記構造
    式で示される基であり、 【化5】 残りは、アルキル基または下記構造式 【化6】 で示される基を表し、Q4 は水素または炭素数1〜13
    のアルキル基を表す。
  5. 【請求項5】 一般式(I)中のX1 およびX2 の末端
    基のうち少なくとも一つが下記一般式(V)で示される
    ヒンダードアミン構造であることを特徴とする請求項1
    に記載のポリカーボネート樹脂。 ・一般式(V) 【化7】 上記式中、nはポリカーボネート樹脂全体の粘度平均分
    子量が3000〜30万の範囲になり得る整数を表す。
  6. 【請求項6】 一般式(I)中のRが下記一般式(VI)
    で表される構造単位で示されることを特徴とする請求項
    1〜5に記載のポリカーボネート樹脂。 ・一般式(VI) 【化8】 上記式中、R18〜R21は、それぞれ独立に水素、フッ
    素、塩素、臭素、ヨウ素、炭素数1〜5のアルキル基、
    炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜5のアルコキ
    シ基であり、これらの基は置換されていてもよい。Zは
    下記構造式で示される基を表す。 【化9】 上記式中、R22〜R29はそれぞれ独立に水素、炭素数1
    〜5のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素
    数1〜5のアルコキシ基、あるいは、R22とR 23、R26
    とR28またはR27とR29が一緒に結合し、炭素環または
    複素環を形成する基を表し、これらの基は置換されてい
    てもよい。dは0または1を表す。
  7. 【請求項7】 一般式(I)中のRが下記構造式で表さ
    れる構造単位で示されることを特徴とする請求項1〜5
    に記載のポリカーボネート樹脂。 【化10】
  8. 【請求項8】 ビスフェノール構造を有する中間体とホ
    スゲンとを反応させてポリカーボネート樹脂を合成する
    方法において、ヒンダードフェノールおよびヒンダード
    アミンから選ばれる化合物を重合終了時に重合停止剤と
    して添加することを特徴とする請求項1に記載のポリカ
    ーボネート樹脂の合成方法。
  9. 【請求項9】 導電性支持体上に感光層を設けてなる電
    子写真感光体において、該感光層が請求項1〜7に記載
    のポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする電
    子写真感光体。
  10. 【請求項10】 感光層が、同層中に電荷輸送材料と電
    荷発生材料の双方を含有する単層構造であることを特徴
    とする請求項9に記載の電子写真感光体。
  11. 【請求項11】 感光層が、少なくとも電荷輸送材料を
    含有する電荷輸送層と、電荷発生材料を含有する電荷発
    生層とに機能分離されていることを特徴とする請求項9
    に記載の電子写真感光体。
  12. 【請求項12】 電荷輸送材料として、下記一般式(VI
    I) で示されるベンジジン系化合物を感光層に含有する
    ことを特徴とする請求項9〜11に記載の電子写真感光
    体。 ・一般式(VII) 【化11】 上記式中、R30,R31’は同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原
    子を表し、またR31,R31’,R32およびR32’は同一
    でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、アル
    コキシ基、ハロゲン原子または置換アミノ基を表す。ま
    た、e,e’,f,およびf’はそれぞれ独立に1また
    は2の整数を表す。
  13. 【請求項13】 電荷輸送材料として、下記一般式(VI
    II)で示されるトリアリールアミン系化合物を感光層に
    含有することを特徴とする請求項9〜11に記載の電子
    写真感光体。 ・一般式(VIII) 【化12】 上記式中、R33,R34は同一でも異なっていてもよく、
    水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を
    表し、またgおよびhはそれぞれ1または2の整数を意
    味する。R35は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基ま
    たは炭素数6〜12のアリール基を表す。
  14. 【請求項14】 電荷発生材料として、Cukα線を用
    いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2
    °)において、少なくとも7.4°,16.6°,2
    5.5°,28.3°の位置に回折ピークを有するジク
    ロルガリウムフタロシアニンを感光層に含有することを
    特徴とする請求項9〜13に記載の電子写真感光体。
  15. 【請求項15】 電荷発生材料として、Cukα線を用
    いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2
    °)において、少なくとも7.5°,9.9°,12.
    5°,16.3°,18.6°,25.1°,28.1
    °の位置に回折ピークを有するヒドロキシガリウムフタ
    ロシアニンを感光層に含有することを特徴とする請求項
    9〜13に記載の電子写真感光体。
  16. 【請求項16】 電荷発生材料として、Cukα線を用
    いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2
    °)において、少なくとも9.5°,11.7°,1
    5.0°,24.1°,27.3°の位置に回折ピーク
    を有するチタニルフタロシアニンを感光層に含有するこ
    とを特徴とする請求項9〜13に記載の電子写真感光
    体。
  17. 【請求項17】 帯電装置が接触帯電装置である電子写
    真装置において、請求項9〜16に記載の電子写真感光
    体を用いたことを特徴とする電子写真装置。
JP11591397A 1997-05-06 1997-05-06 電子写真感光体および電子写真装置 Expired - Fee Related JP3228177B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11591397A JP3228177B2 (ja) 1997-05-06 1997-05-06 電子写真感光体および電子写真装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11591397A JP3228177B2 (ja) 1997-05-06 1997-05-06 電子写真感光体および電子写真装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10306156A true JPH10306156A (ja) 1998-11-17
JP3228177B2 JP3228177B2 (ja) 2001-11-12

Family

ID=14674320

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11591397A Expired - Fee Related JP3228177B2 (ja) 1997-05-06 1997-05-06 電子写真感光体および電子写真装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3228177B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009151329A (ja) * 2009-03-04 2009-07-09 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2009544782A (ja) * 2006-07-26 2009-12-17 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 多官能性超分岐ポリカーボネート、並びにその製造及び使用
KR101318617B1 (ko) * 2004-05-20 2013-10-15 이데미쓰 고산 가부시키가이샤 폴리카보네이트 수지 및 이를 이용한 전자사진 감광체

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101318617B1 (ko) * 2004-05-20 2013-10-15 이데미쓰 고산 가부시키가이샤 폴리카보네이트 수지 및 이를 이용한 전자사진 감광체
JP2009544782A (ja) * 2006-07-26 2009-12-17 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 多官能性超分岐ポリカーボネート、並びにその製造及び使用
US8853331B2 (en) 2006-07-26 2014-10-07 Basf Se Highly functional, hyperbranched polycarbonates and production and use thereof
JP2009151329A (ja) * 2009-03-04 2009-07-09 Konica Minolta Business Technologies Inc 有機感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3228177B2 (ja) 2001-11-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7498107B2 (en) Electrophotographic photoreceptor, process cartridge, and image forming apparatus
US8709689B2 (en) Electrophotographic photoreceptor, image-forming apparatus, and electrophotographic cartridge
JP3273542B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有するプロセスカ−トリッジ及び電子写真装置
JP4019809B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP4463961B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JP3080444B2 (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ
JP3228177B2 (ja) 電子写真感光体および電子写真装置
JP3797033B2 (ja) 電子写真感光体、電子写真プロセスカートリッジ、及び電子写真装置
JP2007094226A (ja) 電子写真感光体及び電子写真感光体の製造方法
JP2002341569A (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置
JP3823852B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JPH06236061A (ja) 電子写真感光体
JP4266647B2 (ja) 電子写真感光体の製造方法
JPH11147947A (ja) ポリカーボネート樹脂、該樹脂を含む電子写真感光体及び該感光体を用いる電子写真装置
JP3700421B2 (ja) 電子写真感光体及びそれを用いた電子写真装置
JP3740309B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JPH0675415A (ja) 電子写真感光体、該電子写真感光体を有する電子写真装置及び装置ユニット
JP3728928B2 (ja) 電子写真感光体
JPH10298278A (ja) 新規ポリカーボネート樹脂、これを用いた電子写真感光体および電子写真装置
JPH11184102A (ja) 電子写真感光体及びそれを用いる電子写真装置
JPH11174698A (ja) 電子写真感光体及びそれを用いた電子写真装置
JP6622553B2 (ja) 電子写真感光体、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JPH10265564A (ja) 新規化合物、これを用いた電子写真感光体および電子写真装置
JP2000338690A (ja) 電子写真感光体
JPH11149166A (ja) 電子写真感光体及びそれを用いた電子写真装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees