JPH10305586A - 微細形状部分を有する成形金型の製造方法、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents
微細形状部分を有する成形金型の製造方法、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法Info
- Publication number
- JPH10305586A JPH10305586A JP9114028A JP11402897A JPH10305586A JP H10305586 A JPH10305586 A JP H10305586A JP 9114028 A JP9114028 A JP 9114028A JP 11402897 A JP11402897 A JP 11402897A JP H10305586 A JPH10305586 A JP H10305586A
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- Japan
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- mold
- forming
- matrix
- ink
- electroformed layer
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- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 インクジェット記録ヘッドの部品であって、
微細なインク流路溝とこれに連通した比較的大きなイン
ク溜りとを有するの溝付き体を成形するに当たり、この
溝付き体を成形するための雄型を一体化する。 【解決手段】 インク流路溝の反転形状を成すインク流
路溝成形用凸部13を有するインク流路溝反転模型10
を形成する。この反転模型10上に電鋳層を形成し、反
転模型10から電鋳層を剥離して、母型側インク流路溝
33が形成されている電鋳層を第1の金型母型30aと
する。続いて、この第1の金型母型30aに対して放電
加工を施し、母型側インク流路溝33と連なる位置に、
母型側インク溜り32を形成し、これを第2の金型母型
30とする。この第2の金型母型30上に電鋳層を形成
し、第2の金型母型30から電鋳層を剥離して、この電
鋳層を雄型40とする。
微細なインク流路溝とこれに連通した比較的大きなイン
ク溜りとを有するの溝付き体を成形するに当たり、この
溝付き体を成形するための雄型を一体化する。 【解決手段】 インク流路溝の反転形状を成すインク流
路溝成形用凸部13を有するインク流路溝反転模型10
を形成する。この反転模型10上に電鋳層を形成し、反
転模型10から電鋳層を剥離して、母型側インク流路溝
33が形成されている電鋳層を第1の金型母型30aと
する。続いて、この第1の金型母型30aに対して放電
加工を施し、母型側インク流路溝33と連なる位置に、
母型側インク溜り32を形成し、これを第2の金型母型
30とする。この第2の金型母型30上に電鋳層を形成
し、第2の金型母型30から電鋳層を剥離して、この電
鋳層を雄型40とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細形状部分を有
する成形金型の製造方法であって、特に、微細な第1の
凹部と、該第1の凹部に連通した比較的大きな第2の凹
部とを有する成形品を成形するための成形金型の製造方
法に関する。
する成形金型の製造方法であって、特に、微細な第1の
凹部と、該第1の凹部に連通した比較的大きな第2の凹
部とを有する成形品を成形するための成形金型の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、成形品の形状についての要求が多
様化してきており、その例として、比較的大きな凹部と
多数の微細な凹部とを有するものがある。
様化してきており、その例として、比較的大きな凹部と
多数の微細な凹部とを有するものがある。
【0003】このような成形品の具体的な例としては、
例えば、インクジェットプリンタに用いられているイン
クジェット記録ヘッドがある。このインクジェット記録
ヘッドは、例えば、特開平8−52879号公報に記載
されているものや、図10に示すもののように、比較的
大きな凹部を成すインク溜り2と、このインク溜り2に
連通した微細な凹部を成す多数のインク流路溝3,3,
…とがある。
例えば、インクジェットプリンタに用いられているイン
クジェット記録ヘッドがある。このインクジェット記録
ヘッドは、例えば、特開平8−52879号公報に記載
されているものや、図10に示すもののように、比較的
大きな凹部を成すインク溜り2と、このインク溜り2に
連通した微細な凹部を成す多数のインク流路溝3,3,
…とがある。
【0004】インクジェット記録ヘッドは、近年、印刷
の高精細化が進められるに伴い、インク流路溝の相互間
ピッチを小さくすることが要求されている。例えば、イ
ンク吐出密度(記録詳細度)が400dpiの場合、並
列に並べられるインク流路溝のピッチは63.5μmに
なるから、インク流路溝の幅を50μmとすると、イン
ク流路間の壁厚は、13.5μmになる。このため、こ
のようなインクジェット記録ヘッドを成形する金型も、
サブミクロンオーダの精度で、微細な形状を再現するこ
とが要求される。
の高精細化が進められるに伴い、インク流路溝の相互間
ピッチを小さくすることが要求されている。例えば、イ
ンク吐出密度(記録詳細度)が400dpiの場合、並
列に並べられるインク流路溝のピッチは63.5μmに
なるから、インク流路溝の幅を50μmとすると、イン
ク流路間の壁厚は、13.5μmになる。このため、こ
のようなインクジェット記録ヘッドを成形する金型も、
サブミクロンオーダの精度で、微細な形状を再現するこ
とが要求される。
【0005】以上のように、比較的大きな凹部と、この
凹部に連通した多数の微細な凹部とを有する成形品の成
形金型の製造方法としては、以下のような方法がある。
凹部に連通した多数の微細な凹部とを有する成形品の成
形金型の製造方法としては、以下のような方法がある。
【0006】まず、多数の微細な凹部の反転形状を再現
した第1の金型と、比較的大きな凹部の反転形状を再現
した第2の金型とを、それぞれ個別に製造する。そし
て、これらの二つの金型を突き合わせて、これを一つの
金型とするという方法である。第2の金型は、微細形状
を再現し易くするために、機械加工が容易な黄銅を母材
として用い、これを切削加工して形成するのが一般的で
ある。
した第1の金型と、比較的大きな凹部の反転形状を再現
した第2の金型とを、それぞれ個別に製造する。そし
て、これらの二つの金型を突き合わせて、これを一つの
金型とするという方法である。第2の金型は、微細形状
を再現し易くするために、機械加工が容易な黄銅を母材
として用い、これを切削加工して形成するのが一般的で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来技術では、二つの金型を用いて成形品を製造
すると、二つの金型の突合せ部分に樹脂が入り込んでバ
リとなり、成形品の大きな凹部と微細な凹部との境目を
塞いでしまうことが多い。このため、従来技術では、二
つの金型で成形した後、大きな凹部と微細な凹部との境
目に形成されたバリを除く工程が必要になり、完成品と
しての成形品を得るために手間がかかるという問題点が
ある。また、従来技術では、機械加工の容易な黄銅で金
型を形成しているために、耐久性が低く、さらに、一個
一個の金型を精密に機械加工しなければならず、多数の
金型を製造する場合には、多くの労力が必要になる上に
多くの時間も必要になるという問題点もある。
ような従来技術では、二つの金型を用いて成形品を製造
すると、二つの金型の突合せ部分に樹脂が入り込んでバ
リとなり、成形品の大きな凹部と微細な凹部との境目を
塞いでしまうことが多い。このため、従来技術では、二
つの金型で成形した後、大きな凹部と微細な凹部との境
目に形成されたバリを除く工程が必要になり、完成品と
しての成形品を得るために手間がかかるという問題点が
ある。また、従来技術では、機械加工の容易な黄銅で金
型を形成しているために、耐久性が低く、さらに、一個
一個の金型を精密に機械加工しなければならず、多数の
金型を製造する場合には、多くの労力が必要になる上に
多くの時間も必要になるという問題点もある。
【0008】本発明は、このような従来の問題点につい
て着目してなされたもので、容易に成形品を得ることが
できると共に、多数の金型を短時間でしかも少ない労力
で製造することができる成形金型の製造方法、及びこの
製造方法で製造された成形金型を用いたインクジェット
記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
て着目してなされたもので、容易に成形品を得ることが
できると共に、多数の金型を短時間でしかも少ない労力
で製造することができる成形金型の製造方法、及びこの
製造方法で製造された成形金型を用いたインクジェット
記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の成形金型の製造方法は、微細な第1の凹部と、該第1
の凹部に連通した比較的大きな第2の凹部とを有する成
形品を成形するための成形金型の製造方法において、前
記第1の凹部の反転形状を有した第1の凹部反転模型を
形成する反転模型形成工程と、前記第1の凹部反転模型
に対して電鋳処理を施して該第1の凹部反転模型上に電
鋳層を形成し、該第1の凹部反転模型から該電鋳層を剥
離して、前記第1の凹部に対応した母型側第1の凹部が
形成された該電鋳層を第1の金型母型とする第1の母型
形成工程と、前記母型側第1の凹部が形成された前記第
1の金型母型の、該母型側第1の凹部に連通する位置
に、前記第2の凹部に対応した母型側第2の凹部を形成
し、該母型側第1の凹部及び該母型側第2の凹部が形成
された前記第1の金型母型を第2の金型母型とする第2
の母型形成工程と、前記第2の金型母型に対して電鋳処
理を施して該第2の金型母型上に電鋳層を形成し、該第
2の金型母型から該電鋳層を剥離して、該第2の金型母
型から剥離された該電鋳層を金型とする金型形成工程
と、を行なうことを特徴とするものである。
の成形金型の製造方法は、微細な第1の凹部と、該第1
の凹部に連通した比較的大きな第2の凹部とを有する成
形品を成形するための成形金型の製造方法において、前
記第1の凹部の反転形状を有した第1の凹部反転模型を
形成する反転模型形成工程と、前記第1の凹部反転模型
に対して電鋳処理を施して該第1の凹部反転模型上に電
鋳層を形成し、該第1の凹部反転模型から該電鋳層を剥
離して、前記第1の凹部に対応した母型側第1の凹部が
形成された該電鋳層を第1の金型母型とする第1の母型
形成工程と、前記母型側第1の凹部が形成された前記第
1の金型母型の、該母型側第1の凹部に連通する位置
に、前記第2の凹部に対応した母型側第2の凹部を形成
し、該母型側第1の凹部及び該母型側第2の凹部が形成
された前記第1の金型母型を第2の金型母型とする第2
の母型形成工程と、前記第2の金型母型に対して電鋳処
理を施して該第2の金型母型上に電鋳層を形成し、該第
2の金型母型から該電鋳層を剥離して、該第2の金型母
型から剥離された該電鋳層を金型とする金型形成工程
と、を行なうことを特徴とするものである。
【0010】ここで、前記第2の母型形成工程では、前
記第1の金型母型を放電加工して、該第1の金型母型に
前記母型側第2の凹部を形成してもよい。
記第1の金型母型を放電加工して、該第1の金型母型に
前記母型側第2の凹部を形成してもよい。
【0011】また、以上の成形金型の製造方法におい
て、前記第1の母型形成工程と前記金型形成工程とのう
ち、少なくとも一方の工程での前記電鋳層を成長させて
いる途中で、予め形態化された中間材をそれまでに成長
した電鋳層に接触させ、該中間材を包むように該電鋳層
を成長させて、該中間材を包んだ該電鋳層を前記第1の
金型母型又は前記金型としてもよい。
て、前記第1の母型形成工程と前記金型形成工程とのう
ち、少なくとも一方の工程での前記電鋳層を成長させて
いる途中で、予め形態化された中間材をそれまでに成長
した電鋳層に接触させ、該中間材を包むように該電鋳層
を成長させて、該中間材を包んだ該電鋳層を前記第1の
金型母型又は前記金型としてもよい。
【0012】また、以上のいずれかの成形金型の製造方
法において、前記第1の凹部反転模型は黄銅で形成し、
前記第1の母型形成工程と前記金型形成工程との電鋳処
理で形成される前記電鋳層はニッケルで形成することが
望ましい。
法において、前記第1の凹部反転模型は黄銅で形成し、
前記第1の母型形成工程と前記金型形成工程との電鋳処
理で形成される前記電鋳層はニッケルで形成することが
望ましい。
【0013】また、以上のいずれかの成形金型の製造方
法において、前記金型形成工程では、前記第2の金型母
型に対して無電解ニッケルメッキを施してから、前記電
鋳処理を施し、該第2の金型母型に形成された無電解ニ
ッケルメッキ層と電鋳層とを一体的に該第2の金型母型
から剥離して前記金型としてもよい。また、この方法に
換えて、前記金型成形工程では、前記第2の金型母型か
ら剥離した前記電鋳層の少なくとも成形面に無電解ニッ
ケルメッキを施し、該無電解ニッケルメッキ層が形成さ
れた該電鋳層を前記金型とし、前記反転模型形成工程で
は、前記無電解ニッケルメッキ層の厚み分だけ、小さい
前記第1の凹部反転模型を形成し、前記第2の金型母型
形成工程では、前記無電解ニッケルメッキ層の厚み分だ
け、大きい前記母型側第2の凹部を形成してもよい。
法において、前記金型形成工程では、前記第2の金型母
型に対して無電解ニッケルメッキを施してから、前記電
鋳処理を施し、該第2の金型母型に形成された無電解ニ
ッケルメッキ層と電鋳層とを一体的に該第2の金型母型
から剥離して前記金型としてもよい。また、この方法に
換えて、前記金型成形工程では、前記第2の金型母型か
ら剥離した前記電鋳層の少なくとも成形面に無電解ニッ
ケルメッキを施し、該無電解ニッケルメッキ層が形成さ
れた該電鋳層を前記金型とし、前記反転模型形成工程で
は、前記無電解ニッケルメッキ層の厚み分だけ、小さい
前記第1の凹部反転模型を形成し、前記第2の金型母型
形成工程では、前記無電解ニッケルメッキ層の厚み分だ
け、大きい前記母型側第2の凹部を形成してもよい。
【0014】また、以上のいずれかの成形金型の製造方
法において、前記成形品は、前記第1の凹部としての複
数のインク流路溝と、前記第2の凹部としてのインク溜
りとを有するインクジェット記録ヘッドの部品であり、
前記反転模型形成工程では、複数の前記インク流路溝の
反転形状を有したインク流路溝反転模型を形成し、前記
第2の金型母型形成工程では、前記インク溜りの形状に
対応した母型側インク溜りを前記第1の金型母型に形成
するものであってもよい。
法において、前記成形品は、前記第1の凹部としての複
数のインク流路溝と、前記第2の凹部としてのインク溜
りとを有するインクジェット記録ヘッドの部品であり、
前記反転模型形成工程では、複数の前記インク流路溝の
反転形状を有したインク流路溝反転模型を形成し、前記
第2の金型母型形成工程では、前記インク溜りの形状に
対応した母型側インク溜りを前記第1の金型母型に形成
するものであってもよい。
【0015】また、前記目的を達成するためのインクジ
ェット記録ヘッドの製造方法は、複数のインク流路溝
と、複数の該インク流路溝に連通したインク溜りとを有
した溝付き体に、蓋体を接合して成るインクジェット記
録ヘッドの製造方法において、複数の前記インク流路溝
の反転形状を有したインク流路溝反転模型を形成する反
転模型形成工程と、前記インク流路溝反転模型に対して
電鋳処理を施して該インク流路溝反転模型上に電鋳層を
形成し、該インク流路溝反転模型から該電鋳層を剥離し
て、複数の前記インク流路溝に対応した形状の複数の溝
が形成された該電鋳層を第1の金型母型とする第1の母
型形成工程と、前記第1の金型母型の、複数の前記イン
ク流路溝に対応した形状の複数の前記溝に連通する位置
に、前記インク溜りに対応した形状の凹部を形成し、複
数の該インク流路溝に対応した形状の複数の該溝と前記
インク溜りに対応した形状の該凹部とが形成された該第
1の金型母型を第2の金型母型とする第2の母型形成工
程と、前記第2の金型母型に対して電鋳処理を施して該
第2の金型母型上に電鋳層を形成し、該第2の金型母型
から該電鋳層を剥離し、該第2の金型母型から剥離され
た該電鋳層を前記溝付き体の成形金型の一部として用い
て、該成形金型を形成する金型形成工程と、金型形成工
程で作成された前記成形金型内に、インクジェット記録
ヘッド形成材料を注入して、前記溝付き体を成形する成
形工程と、前記成形工程で成形された前記溝付き体と、
予め準備された又は成形された前記蓋体とを接合する接
合工程と、を行なうことを特徴とするものである。
ェット記録ヘッドの製造方法は、複数のインク流路溝
と、複数の該インク流路溝に連通したインク溜りとを有
した溝付き体に、蓋体を接合して成るインクジェット記
録ヘッドの製造方法において、複数の前記インク流路溝
の反転形状を有したインク流路溝反転模型を形成する反
転模型形成工程と、前記インク流路溝反転模型に対して
電鋳処理を施して該インク流路溝反転模型上に電鋳層を
形成し、該インク流路溝反転模型から該電鋳層を剥離し
て、複数の前記インク流路溝に対応した形状の複数の溝
が形成された該電鋳層を第1の金型母型とする第1の母
型形成工程と、前記第1の金型母型の、複数の前記イン
ク流路溝に対応した形状の複数の前記溝に連通する位置
に、前記インク溜りに対応した形状の凹部を形成し、複
数の該インク流路溝に対応した形状の複数の該溝と前記
インク溜りに対応した形状の該凹部とが形成された該第
1の金型母型を第2の金型母型とする第2の母型形成工
程と、前記第2の金型母型に対して電鋳処理を施して該
第2の金型母型上に電鋳層を形成し、該第2の金型母型
から該電鋳層を剥離し、該第2の金型母型から剥離され
た該電鋳層を前記溝付き体の成形金型の一部として用い
て、該成形金型を形成する金型形成工程と、金型形成工
程で作成された前記成形金型内に、インクジェット記録
ヘッド形成材料を注入して、前記溝付き体を成形する成
形工程と、前記成形工程で成形された前記溝付き体と、
予め準備された又は成形された前記蓋体とを接合する接
合工程と、を行なうことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る一実施形態と
してのインクジェット記録ヘッドの製造方法について、
図面を用いて説明する。
してのインクジェット記録ヘッドの製造方法について、
図面を用いて説明する。
【0017】まず、インクジェット記録ヘッドの製造方
法について説明するまでに、図10を用いてインクジェ
ット記録ヘッドの構造について説明する。インクジェッ
ト記録ヘッドは、インク溜り2等の溝が形成されている
溝付き体1と、この溝付き体1の溝を塞ぐ蓋体7とを有
している。溝付き体1には、インクが一時的に溜められ
る比較的大きな凹部であるインク溜り(第2の凹部)2
と、このインク溜り2内にインクを供給するためのイン
ク供給孔6と、インク溜り2に連通した複数の微細な凹
部であるインク流路溝(第1の凹部)3,3,…と、各
インク流路溝3,3,…を通過してきたインクを噴射す
るインク噴出孔5,5,…とが形成されている。蓋体7
は、溝付き体1に形成されているインク溜り2の凹部開
口と複数のインク流路溝3,3,…の凹部開口を塞げる
大きさである。この蓋体7には、各インク流路溝3,
3,…を塞いでいる位置に、それぞれ、インク流路溝3
を通過しているインクを加熱するヒータ8が設けられて
いる。インクジェット記録ヘッドは、このヒータ8が取
り付けられた蓋体7を溝付き体1に接合して成る。な
お、インクジェット記録ヘッドでは、インク噴出口の大
きさを制限したオリフィス板を設けることがあるが、こ
のオリフィス板は、本発明と直接関係が無いので、ここ
では、その説明を省略する。
法について説明するまでに、図10を用いてインクジェ
ット記録ヘッドの構造について説明する。インクジェッ
ト記録ヘッドは、インク溜り2等の溝が形成されている
溝付き体1と、この溝付き体1の溝を塞ぐ蓋体7とを有
している。溝付き体1には、インクが一時的に溜められ
る比較的大きな凹部であるインク溜り(第2の凹部)2
と、このインク溜り2内にインクを供給するためのイン
ク供給孔6と、インク溜り2に連通した複数の微細な凹
部であるインク流路溝(第1の凹部)3,3,…と、各
インク流路溝3,3,…を通過してきたインクを噴射す
るインク噴出孔5,5,…とが形成されている。蓋体7
は、溝付き体1に形成されているインク溜り2の凹部開
口と複数のインク流路溝3,3,…の凹部開口を塞げる
大きさである。この蓋体7には、各インク流路溝3,
3,…を塞いでいる位置に、それぞれ、インク流路溝3
を通過しているインクを加熱するヒータ8が設けられて
いる。インクジェット記録ヘッドは、このヒータ8が取
り付けられた蓋体7を溝付き体1に接合して成る。な
お、インクジェット記録ヘッドでは、インク噴出口の大
きさを制限したオリフィス板を設けることがあるが、こ
のオリフィス板は、本発明と直接関係が無いので、ここ
では、その説明を省略する。
【0018】次に、図1を用いて、インクジェット記録
ヘッドの製造方法に付いて説明する。まず、図1(a)
に示すように、先に述べたインクジェット記録ヘッドを
成形するための金型40,51を製造する。金型40,
51としては、溝付き体1を成形するための雄型40及
び雌型51がある。溝付き体成形用雌型51は、溝付き
体1の外面を成形するものであるから、その形状が簡単
で、しかも高い精度は要求されない。従って、溝付き体
成形用雌型5155は、一般的な金型の製造方法、例え
ば、研削加工や切削加工や放電加工等で特に工夫するこ
となく、製造することができる。これに対して、溝付き
体成形用雄型40には、図6に示すように、比較的大き
な凹部であるインク溜り2を成形するインク溜り成形用
凸部42と、微細な凹部であるインク流路溝3を成形す
るインク流路溝成形用凸部43とを形成しておく必要が
あるため、この型を容易に製造することはできない。特
に、インク溜り成形用凸部42に対して、複数のインク
流路溝成形用凸部43,43,…は、単に微細であるに
とどまらず、その形状精度、サイズ精度、位置精度に関
して、非常に高い精度が求められるため、この型を製造
することは難しい。そこで、この溝付き体成形用雄型4
0の製造に関しては、後で、詳細に説明する。
ヘッドの製造方法に付いて説明する。まず、図1(a)
に示すように、先に述べたインクジェット記録ヘッドを
成形するための金型40,51を製造する。金型40,
51としては、溝付き体1を成形するための雄型40及
び雌型51がある。溝付き体成形用雌型51は、溝付き
体1の外面を成形するものであるから、その形状が簡単
で、しかも高い精度は要求されない。従って、溝付き体
成形用雌型5155は、一般的な金型の製造方法、例え
ば、研削加工や切削加工や放電加工等で特に工夫するこ
となく、製造することができる。これに対して、溝付き
体成形用雄型40には、図6に示すように、比較的大き
な凹部であるインク溜り2を成形するインク溜り成形用
凸部42と、微細な凹部であるインク流路溝3を成形す
るインク流路溝成形用凸部43とを形成しておく必要が
あるため、この型を容易に製造することはできない。特
に、インク溜り成形用凸部42に対して、複数のインク
流路溝成形用凸部43,43,…は、単に微細であるに
とどまらず、その形状精度、サイズ精度、位置精度に関
して、非常に高い精度が求められるため、この型を製造
することは難しい。そこで、この溝付き体成形用雄型4
0の製造に関しては、後で、詳細に説明する。
【0019】次に、図1(b)に示すように、溝付き体
成形用の雄型40と雌型51とを合わせて、これらの型
内の空間に樹脂を射出し、溝付き体1aを成形する。こ
の溝付き体1aには、図5に示すように、複数のインク
流路溝3と、これに連通しているインク溜り2とが形成
され、前述したインク供給孔6やインク噴出孔5,5,
…は未だ形成されていない。なお、図5中に()内の符
号は、後述する金型母型の各部を示す符号である。さら
に、一般的な半導体製造プロセスで蓋体7を形成する。
成形用の雄型40と雌型51とを合わせて、これらの型
内の空間に樹脂を射出し、溝付き体1aを成形する。こ
の溝付き体1aには、図5に示すように、複数のインク
流路溝3と、これに連通しているインク溜り2とが形成
され、前述したインク供給孔6やインク噴出孔5,5,
…は未だ形成されていない。なお、図5中に()内の符
号は、後述する金型母型の各部を示す符号である。さら
に、一般的な半導体製造プロセスで蓋体7を形成する。
【0020】溝付き体1a及び蓋体7が成形されると、
図1(c)や図10に示すように、溝付き体1にインク
供給孔6やインク噴出孔5,5,…を形成し、蓋体7に
ヒータ8を取り付ける等して、それぞれを完成させる。
最後に、図1(d)に示すように、溝付き体1に蓋体7
を接合して、インクジェット記録ヘッドを完成させる。
図1(c)や図10に示すように、溝付き体1にインク
供給孔6やインク噴出孔5,5,…を形成し、蓋体7に
ヒータ8を取り付ける等して、それぞれを完成させる。
最後に、図1(d)に示すように、溝付き体1に蓋体7
を接合して、インクジェット記録ヘッドを完成させる。
【0021】次に、溝付き体成形用雄型40の製造方法
について説明する。まず、図2(a)に示すように、複
数のインク流路溝成形用凸部13,13,…が形成され
ているインク流路溝反転模型(第1の凹部反転模型)1
0を作る(反転模型形成工程)。このインク流路溝反転
模型10は、図3に示すように、直方体状のベース部1
1と、インク流路溝3,3,…の反転形状を成すインク
流路溝成形用凸部13,13,…とを有している。複数
のインク流路溝成形用凸部13,13,…は、直方体状
のベース部11の一の面14上であって、この面14の
縁の一の辺(以下、端辺とする)15に沿って、並んで
形成する。
について説明する。まず、図2(a)に示すように、複
数のインク流路溝成形用凸部13,13,…が形成され
ているインク流路溝反転模型(第1の凹部反転模型)1
0を作る(反転模型形成工程)。このインク流路溝反転
模型10は、図3に示すように、直方体状のベース部1
1と、インク流路溝3,3,…の反転形状を成すインク
流路溝成形用凸部13,13,…とを有している。複数
のインク流路溝成形用凸部13,13,…は、直方体状
のベース部11の一の面14上であって、この面14の
縁の一の辺(以下、端辺とする)15に沿って、並んで
形成する。
【0022】このインク流路溝反転模型10は、黄銅製
のブロックを切削加工して得る。切削加工の際には、切
削面を鏡面にするために、切削工具としてダイヤモンド
バイトを用いる。このように、ここでは、ダイヤモンド
バイトを用いること予定しているため、ダイヤモンドバ
イトによる切削加工に適した材料である黄銅を用いてい
る。黄銅製のブロックに対しては、切削前に、冷間圧延
と低温焼き鈍しとを施すことで、硬さの向上と結晶粒の
微細化を図って、ダイヤモンド切削による微細加工を可
能にしておく。具体的には、硬さはビッカース硬度で1
70以上、結晶粒の大きさは30μm以下が望ましい。
のブロックを切削加工して得る。切削加工の際には、切
削面を鏡面にするために、切削工具としてダイヤモンド
バイトを用いる。このように、ここでは、ダイヤモンド
バイトを用いること予定しているため、ダイヤモンドバ
イトによる切削加工に適した材料である黄銅を用いてい
る。黄銅製のブロックに対しては、切削前に、冷間圧延
と低温焼き鈍しとを施すことで、硬さの向上と結晶粒の
微細化を図って、ダイヤモンド切削による微細加工を可
能にしておく。具体的には、硬さはビッカース硬度で1
70以上、結晶粒の大きさは30μm以下が望ましい。
【0023】切削加工では、図4に示すように、複数の
インク流路溝成形用凸部13,13,…になる予定部分
がつらなった凸部13aを有する黄銅製のブロック10
aを形成した後、この凸部13aに、ダイヤモンドバイ
トを何度か平行移動させて、複数の溝を形成し、複数の
インク流路溝成形用凸部13,13,…を形成する。な
お、同図において、矢印は、ダイヤモンドバイトの移動
方向を示している。複数のインク流路溝成形用凸部13
になる予定部分がつらなった凸部13aをダイヤモンド
バイトで切削する際には、この凸部13aをダイヤモン
ドバイトで突き抜かせることができ、この凸部13aに
溝加工を施しやすい。切削過程では、同図(a)に示す
ように、ダイヤモンドバイトの切削終了端の位置にバリ
66が形成される恐れがある。そこで、このバリ66を
除くために、切削加工後、インク流路溝反転模型10を
化学研磨液に浸すとよい。インク流路溝反転模型10を
化学研磨液に浸している間の数秒間、研磨液が入ってい
る研磨液槽を振動させて、バリ除去を促す。その後、化
学研磨液から反転模型10を取り出して、これを洗浄
し、乾燥させる。また、このバリ発生を未然に防ぐため
に、同図(b)に示すように、インク流路溝反転模型1
0を形成するためのブロック10aと同形状で同サイズ
のダミーブランク用ブロック10bを用いてもよい。切
削加工の際には、このダミーブラック用ブランク10b
をインク流路溝反転模型10を形成するためのブロック
10aと突合せ、インク流路溝反転模型10を形成する
ためのブロック10aの凸部13aとダミーブランク用
ブロック10bの凸部13bとに、連なった溝加工を施
す。なお、ダミーブランク用ブロック10bを用いて切
削加工した後にも、必要に応じて化学研磨してもよい。
インク流路溝成形用凸部13,13,…になる予定部分
がつらなった凸部13aを有する黄銅製のブロック10
aを形成した後、この凸部13aに、ダイヤモンドバイ
トを何度か平行移動させて、複数の溝を形成し、複数の
インク流路溝成形用凸部13,13,…を形成する。な
お、同図において、矢印は、ダイヤモンドバイトの移動
方向を示している。複数のインク流路溝成形用凸部13
になる予定部分がつらなった凸部13aをダイヤモンド
バイトで切削する際には、この凸部13aをダイヤモン
ドバイトで突き抜かせることができ、この凸部13aに
溝加工を施しやすい。切削過程では、同図(a)に示す
ように、ダイヤモンドバイトの切削終了端の位置にバリ
66が形成される恐れがある。そこで、このバリ66を
除くために、切削加工後、インク流路溝反転模型10を
化学研磨液に浸すとよい。インク流路溝反転模型10を
化学研磨液に浸している間の数秒間、研磨液が入ってい
る研磨液槽を振動させて、バリ除去を促す。その後、化
学研磨液から反転模型10を取り出して、これを洗浄
し、乾燥させる。また、このバリ発生を未然に防ぐため
に、同図(b)に示すように、インク流路溝反転模型1
0を形成するためのブロック10aと同形状で同サイズ
のダミーブランク用ブロック10bを用いてもよい。切
削加工の際には、このダミーブラック用ブランク10b
をインク流路溝反転模型10を形成するためのブロック
10aと突合せ、インク流路溝反転模型10を形成する
ためのブロック10aの凸部13aとダミーブランク用
ブロック10bの凸部13bとに、連なった溝加工を施
す。なお、ダミーブランク用ブロック10bを用いて切
削加工した後にも、必要に応じて化学研磨してもよい。
【0024】以上のように加工された反転模型10は、
成形品に求められる精度等にもよるが、その平面部は、
平行平面度が0.5μm以下で、表面粗さは0.2μm以
下であることが望ましい。
成形品に求められる精度等にもよるが、その平面部は、
平行平面度が0.5μm以下で、表面粗さは0.2μm以
下であることが望ましい。
【0025】次に、図2(b)に示すように、反転模型
10に対して電鋳処理を施して、反転模型10の上に電
鋳層を形成し、この電鋳層を反転模型10から剥離し
て、この電鋳層を第1の金型母型30aとする(第1の
母型形成工程)。この第1の母型形成工程では、反転模
型10を電鋳ベース(不図示)に固定し、この電鋳ベー
スごと反転模型10を剥離液に浸す。この剥離液は、例
えば、重クロム酸ナトリウムの0.5%水溶液で、反転
模型10から電鋳層の剥離を容易にする役目を果たす。
反転模型10等を剥離液に浸した後、反転模型10等を
電鋳槽に入れ、反転模型10の上に電鋳層を成長させ
る。なお、この実施形態では、電鋳層はニッケルで形成
されている。電鋳層が必要な厚さにまで成長すると、電
鋳層が付いている反転模型10等を電鋳槽から出して、
洗浄後、剥離治具等を用いて機械的な力で反転模型10
から電鋳層を剥離する。剥離した電鋳層は、再び、洗浄
乾燥し、これを第1の金型母型30aとする。この第1
の金型母型30aには、反転模型10の複数のインク流
路溝成形用凸部13,13,…が転写された母型側イン
ク流路溝33,33,…が形成されている。
10に対して電鋳処理を施して、反転模型10の上に電
鋳層を形成し、この電鋳層を反転模型10から剥離し
て、この電鋳層を第1の金型母型30aとする(第1の
母型形成工程)。この第1の母型形成工程では、反転模
型10を電鋳ベース(不図示)に固定し、この電鋳ベー
スごと反転模型10を剥離液に浸す。この剥離液は、例
えば、重クロム酸ナトリウムの0.5%水溶液で、反転
模型10から電鋳層の剥離を容易にする役目を果たす。
反転模型10等を剥離液に浸した後、反転模型10等を
電鋳槽に入れ、反転模型10の上に電鋳層を成長させ
る。なお、この実施形態では、電鋳層はニッケルで形成
されている。電鋳層が必要な厚さにまで成長すると、電
鋳層が付いている反転模型10等を電鋳槽から出して、
洗浄後、剥離治具等を用いて機械的な力で反転模型10
から電鋳層を剥離する。剥離した電鋳層は、再び、洗浄
乾燥し、これを第1の金型母型30aとする。この第1
の金型母型30aには、反転模型10の複数のインク流
路溝成形用凸部13,13,…が転写された母型側イン
ク流路溝33,33,…が形成されている。
【0026】次に、図2(c)に示すように、第1の金
型母型30aに、インク溜り2の形状に対応した母型側
インク溜り32を形成し、第1の金型母型30aを第2
の金型母型30にする(第2の母型形成工程)。この第
2の母型形成工程では、母型側インク溜り32を形成す
る前、第1の金型母型30aを研削盤に取り付けて、第
1の金型母型30aの外周面を研削して整えると共に、
母型側インク流路溝33,33,…が形成さている面3
4aも、母型側インク流路溝33が成形品1aのインク
流路溝3の深さと一致するまで研削する。この面34a
の研削で得られた面は、第2の金型母型30の成形面3
4となる。この成形面34が得られた後、第1の金型母
型30aに対して放電加工を施し、成形品1aのインク
溜り2の形状に対応した母型側インク溜り32を、先に
形成した母型側インク流路溝33,33,…と連通する
位置に、形成する。
型母型30aに、インク溜り2の形状に対応した母型側
インク溜り32を形成し、第1の金型母型30aを第2
の金型母型30にする(第2の母型形成工程)。この第
2の母型形成工程では、母型側インク溜り32を形成す
る前、第1の金型母型30aを研削盤に取り付けて、第
1の金型母型30aの外周面を研削して整えると共に、
母型側インク流路溝33,33,…が形成さている面3
4aも、母型側インク流路溝33が成形品1aのインク
流路溝3の深さと一致するまで研削する。この面34a
の研削で得られた面は、第2の金型母型30の成形面3
4となる。この成形面34が得られた後、第1の金型母
型30aに対して放電加工を施し、成形品1aのインク
溜り2の形状に対応した母型側インク溜り32を、先に
形成した母型側インク流路溝33,33,…と連通する
位置に、形成する。
【0027】以上のように形成した第2の金型母型(以
下、単に金型母型とする。)30には、図5に示すよう
に、成形面34と、この成形面34から凹み成形品1a
のインク流路溝3,3,…と同じ形状の母型側インク流
路溝33,33,…と、同じく、成形面34から凹み成
形品1aのインク溜り2と同じ形状の母型側インク溜り
32とが形成されている。
下、単に金型母型とする。)30には、図5に示すよう
に、成形面34と、この成形面34から凹み成形品1a
のインク流路溝3,3,…と同じ形状の母型側インク流
路溝33,33,…と、同じく、成形面34から凹み成
形品1aのインク溜り2と同じ形状の母型側インク溜り
32とが形成されている。
【0028】金型母型30が完成すると、図2(d),
(e)に示すように、この金型母型30に対して電鋳処
理を施して金型母型30上に電鋳層を形成し、この電鋳
層を金型母型30から剥離して、剥離された電鋳層を前
述した溝付き体成形用雄型40とする(金型形成工
程)。この金型形成工程でも、金型母型30を電鋳ベー
ス(不図示)に固定して、電鋳ベースごと金型母型30
を剥離液に浸してから、図2(d)に示すように、金型
母型30等を電鋳槽に入れ、金型母型30の成形面3
4、母型側インク流路溝33、母型側インク溜り32上
に、電鋳層を成長させる。この電鋳層も、金型母型30
と同じニッケル製である。電鋳層が必要な厚さまで成長
すると、電鋳層が付いている金型母型30等を電鋳槽か
ら出して、洗浄後、剥離治具等を用いて機械的な力で金
型母型30から電鋳層40aを剥離する。剥離した電鋳
層40aは、図2(e)に示すように、その外周等を切
削加工や放電加工等で整え、さらに射出成形装置への取
付用ネジ孔46のネジ孔加工等してから、再び、洗浄乾
燥し、これを溝付き体成形用雄型40とする。
(e)に示すように、この金型母型30に対して電鋳処
理を施して金型母型30上に電鋳層を形成し、この電鋳
層を金型母型30から剥離して、剥離された電鋳層を前
述した溝付き体成形用雄型40とする(金型形成工
程)。この金型形成工程でも、金型母型30を電鋳ベー
ス(不図示)に固定して、電鋳ベースごと金型母型30
を剥離液に浸してから、図2(d)に示すように、金型
母型30等を電鋳槽に入れ、金型母型30の成形面3
4、母型側インク流路溝33、母型側インク溜り32上
に、電鋳層を成長させる。この電鋳層も、金型母型30
と同じニッケル製である。電鋳層が必要な厚さまで成長
すると、電鋳層が付いている金型母型30等を電鋳槽か
ら出して、洗浄後、剥離治具等を用いて機械的な力で金
型母型30から電鋳層40aを剥離する。剥離した電鋳
層40aは、図2(e)に示すように、その外周等を切
削加工や放電加工等で整え、さらに射出成形装置への取
付用ネジ孔46のネジ孔加工等してから、再び、洗浄乾
燥し、これを溝付き体成形用雄型40とする。
【0029】この溝付き体成形用雄型40には、図6に
示すように、金型母型30の成形面34に対応した成形
面44と、この成形面44から突出しインク流路溝3の
反転形状であるインク流路溝成形用凸部43と、同じ
く、成形面44から突出しインク溜り2の反転形状であ
るインク溜り成形用凸部42とが形成されている。
示すように、金型母型30の成形面34に対応した成形
面44と、この成形面44から突出しインク流路溝3の
反転形状であるインク流路溝成形用凸部43と、同じ
く、成形面44から突出しインク溜り2の反転形状であ
るインク溜り成形用凸部42とが形成されている。
【0030】以上のようにして、金型40が製造される
と、図1を用いて前述したように、これらの金型40,
51を用いて、溝付き体1を射出成形で形成する等し
て、インクジェット記録ヘッドを完成させる。
と、図1を用いて前述したように、これらの金型40,
51を用いて、溝付き体1を射出成形で形成する等し
て、インクジェット記録ヘッドを完成させる。
【0031】以上のように、この実施形態では、比較的
大きなインク溜り2と微細で且つ高精度が要求される複
数のインク流路溝3とを成形する溝付き体成形用雄型4
0は、一体物であるので、この雄型40のインク溜り成
形用凸部42と複数のインク流路溝成形用凸部43,4
3,…とが隙間無く連なっており、この雄型40を用い
て射出成形して得た成形品1aには、インク溜り2とイ
ンク流路溝3との間にバリが発生することはない。従っ
て、射出成形後にバリ取り作業を行なう必要がなくな
り、インクジェット記録ヘッドをあまり手間をかけずに
製造することができる。さらに、一度、反転模型10を
形成し、この反転模型10から金型母型30を作ると、
この金型母型30から簡単に多くの金型40を複製する
ことができるので、多数の金型40を短時間でしかも少
ない労力で製造することができる。また、この金型40
は、硬いニッケルで形成され、耐久性が非常に高いの
で、この金型40を用いて何度も射出成形を行なうこと
ができる。
大きなインク溜り2と微細で且つ高精度が要求される複
数のインク流路溝3とを成形する溝付き体成形用雄型4
0は、一体物であるので、この雄型40のインク溜り成
形用凸部42と複数のインク流路溝成形用凸部43,4
3,…とが隙間無く連なっており、この雄型40を用い
て射出成形して得た成形品1aには、インク溜り2とイ
ンク流路溝3との間にバリが発生することはない。従っ
て、射出成形後にバリ取り作業を行なう必要がなくな
り、インクジェット記録ヘッドをあまり手間をかけずに
製造することができる。さらに、一度、反転模型10を
形成し、この反転模型10から金型母型30を作ると、
この金型母型30から簡単に多くの金型40を複製する
ことができるので、多数の金型40を短時間でしかも少
ない労力で製造することができる。また、この金型40
は、硬いニッケルで形成され、耐久性が非常に高いの
で、この金型40を用いて何度も射出成形を行なうこと
ができる。
【0032】ところで、母型形成工程と金型形成工程に
おいて、電鋳層を成長させるには、長時間を要する。例
えば、4A/dm2の電流密度で、3mmのニッケル電鋳
層を取得するためには、3〜4日間もかかる。そこで、
これらの工程に要する時間の短縮化を図るために、特定
の形状に形態化された中間材を予め準備しておき、これ
を電鋳層成長過程で用いるとよい。
おいて、電鋳層を成長させるには、長時間を要する。例
えば、4A/dm2の電流密度で、3mmのニッケル電鋳
層を取得するためには、3〜4日間もかかる。そこで、
これらの工程に要する時間の短縮化を図るために、特定
の形状に形態化された中間材を予め準備しておき、これ
を電鋳層成長過程で用いるとよい。
【0033】この中間材を用いての電鋳層形成につい
て、金型形成工程を例にして、図7を用いて説明する。
まず、図7(b)に示すように、この金型形成工程で形
成する溝付き体成形用雄型40よりも小さく、且つその
形状にある程度対応したメッシュ状の中間材69を形成
する。
て、金型形成工程を例にして、図7を用いて説明する。
まず、図7(b)に示すように、この金型形成工程で形
成する溝付き体成形用雄型40よりも小さく、且つその
形状にある程度対応したメッシュ状の中間材69を形成
する。
【0034】次に、図7(a)に示すように、金型母型
30上に電鋳層49を形成する。この電鋳層49がある
程度の厚さにまで成長した段階で、例えば、0.5〜
1.0mm程度の厚さにまで成長した段階で、図7(b)
に示すように、この電鋳層49の上に、中間材69を接
触させる。そして、図7(c)に示すように、この中間
材69をコアとして、中間材69の周りにも電鋳層を成
長させ、この中間材69をコアとする電鋳層49bを溝
付き体成形用雄型40bとする。このように、中間材6
9を用いると、溝付き体成形用雄型40bとして必要な
厚みになるまでの電鋳層量が減るので、電鋳処理時間を
大幅に短縮することができる。なお、ここでは、電鋳処
理を行なう金型形成工程において、中間材69を用いる
例について述べたが、同じく、電鋳処理を行なう第1の
母型形成工程において、中間材を用い、この中間材をコ
アとする電鋳層を第1の金型母型としてもよい。
30上に電鋳層49を形成する。この電鋳層49がある
程度の厚さにまで成長した段階で、例えば、0.5〜
1.0mm程度の厚さにまで成長した段階で、図7(b)
に示すように、この電鋳層49の上に、中間材69を接
触させる。そして、図7(c)に示すように、この中間
材69をコアとして、中間材69の周りにも電鋳層を成
長させ、この中間材69をコアとする電鋳層49bを溝
付き体成形用雄型40bとする。このように、中間材6
9を用いると、溝付き体成形用雄型40bとして必要な
厚みになるまでの電鋳層量が減るので、電鋳処理時間を
大幅に短縮することができる。なお、ここでは、電鋳処
理を行なう金型形成工程において、中間材69を用いる
例について述べたが、同じく、電鋳処理を行なう第1の
母型形成工程において、中間材を用い、この中間材をコ
アとする電鋳層を第1の金型母型としてもよい。
【0035】また、金型の耐久性をより上げるために
は、金型の表面に硬い金属層を形成すればよい。このた
め、金型の表面には、例えば、無電解NiP(ニッケル
・リン)メッキ層を形成すればよい。金型の表面に無電
解NiPメッキ層を形成する方法としては、図8に示す
方法と、図9に示す方法とがある。
は、金型の表面に硬い金属層を形成すればよい。このた
め、金型の表面には、例えば、無電解NiP(ニッケル
・リン)メッキ層を形成すればよい。金型の表面に無電
解NiPメッキ層を形成する方法としては、図8に示す
方法と、図9に示す方法とがある。
【0036】図8に示す方法では、まず、金型母型30
を無電解NiPメッキ液に浸して、同図(a)に示すよ
うに、金型母型30の表面に、例えば、数μmから約5
0μm程度の厚さの無電解NiPメッキ層(非晶質)4
8を形成する。そして、同図(b)に示すように、この
無電解NiPメッキ層48上に、必要な厚さに成るまで
電鋳層(結晶質)49cを形成して、この電鋳層49c
を無電解NiPメッキ層48ごと金型母型30から剥離
して、剥離したものを金型40cとする。なお、この方
法でも電鋳層の成長過程で、前述した中間材を用いても
よい。
を無電解NiPメッキ液に浸して、同図(a)に示すよ
うに、金型母型30の表面に、例えば、数μmから約5
0μm程度の厚さの無電解NiPメッキ層(非晶質)4
8を形成する。そして、同図(b)に示すように、この
無電解NiPメッキ層48上に、必要な厚さに成るまで
電鋳層(結晶質)49cを形成して、この電鋳層49c
を無電解NiPメッキ層48ごと金型母型30から剥離
して、剥離したものを金型40cとする。なお、この方
法でも電鋳層の成長過程で、前述した中間材を用いても
よい。
【0037】また、図9に示す方法では、金型成形工程
で得た電鋳品49dの表面に無電解NiPメッキ層48
dを形成し、この電鋳品49dの表面に無電解NiPメ
ッキ層48dが施されたものを金型40dとする。この
場合、電鋳品49dが金型40dとなる段階で、メッキ
層48dの厚み分tだけ大きくなるので、このメッキ層
48dの厚み分tだけオフセットした母型金型30d及
び反転模型を形成する必要がある。すなわち、母型金型
30dには、凹部が形成されるので、メッキ層の厚み分
tだけ凹部の大きさを小さくし、反転模型には、凸部が
形成されるので、メッキ層の厚み分tだけ凸部の大きさ
を小さくする。なお、この方法は、メッキ層48dの形
成過程でメッキ層48dの厚み管理を厳しくしなけれ
ば、目的のサイズの金型を得ることができないこと、母
型金型30の表面が金型の表面として正確に転写されな
いことから、図8に示した方法の方が有利である。
で得た電鋳品49dの表面に無電解NiPメッキ層48
dを形成し、この電鋳品49dの表面に無電解NiPメ
ッキ層48dが施されたものを金型40dとする。この
場合、電鋳品49dが金型40dとなる段階で、メッキ
層48dの厚み分tだけ大きくなるので、このメッキ層
48dの厚み分tだけオフセットした母型金型30d及
び反転模型を形成する必要がある。すなわち、母型金型
30dには、凹部が形成されるので、メッキ層の厚み分
tだけ凹部の大きさを小さくし、反転模型には、凸部が
形成されるので、メッキ層の厚み分tだけ凸部の大きさ
を小さくする。なお、この方法は、メッキ層48dの形
成過程でメッキ層48dの厚み管理を厳しくしなけれ
ば、目的のサイズの金型を得ることができないこと、母
型金型30の表面が金型の表面として正確に転写されな
いことから、図8に示した方法の方が有利である。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、微細な第1の凹部と、
これに連通した比較的大きな第2の凹部とを有する成形
品を成形するための金型は、一体物であるので、この金
型の第1の凹部反転形状部(凸型)と第2の凹部反転形
状部(凸型)とは隙間無く連なっており、この金型を用
いて射出成形して得た成形品には、第1の凹部と第2の
凹部との間にバリが発生することはない。従って、射出
成形後にバリ取り作業を行なう必要がなくなり、成形品
をあまり手間をかけずに製造することができる。さら
に、一度、反転模型を形成し、この反転模型から第2の
金型母型を作ると、この第2の金型母型から簡単に多く
の金型を複製することができるので、多数の金型を短時
間でしかも少ない労力で製造することができる。このた
め、本発明で得られた金型を用いて成形品を製造する
と、多数の成形品を短時間でしかも少ない労力で製造す
ることができる。
これに連通した比較的大きな第2の凹部とを有する成形
品を成形するための金型は、一体物であるので、この金
型の第1の凹部反転形状部(凸型)と第2の凹部反転形
状部(凸型)とは隙間無く連なっており、この金型を用
いて射出成形して得た成形品には、第1の凹部と第2の
凹部との間にバリが発生することはない。従って、射出
成形後にバリ取り作業を行なう必要がなくなり、成形品
をあまり手間をかけずに製造することができる。さら
に、一度、反転模型を形成し、この反転模型から第2の
金型母型を作ると、この第2の金型母型から簡単に多く
の金型を複製することができるので、多数の金型を短時
間でしかも少ない労力で製造することができる。このた
め、本発明で得られた金型を用いて成形品を製造する
と、多数の成形品を短時間でしかも少ない労力で製造す
ることができる。
【0039】また、本発明では、金型の形成過程で、第
2の金型母型が破損したとしても、反転模型を用いれ
ば、非常に簡単に新たな第2の金型母型を得ることがで
きる。
2の金型母型が破損したとしても、反転模型を用いれ
ば、非常に簡単に新たな第2の金型母型を得ることがで
きる。
【0040】さらに、本発明で得られる金型は、電鋳で
形成し、切削加工等の機械加工の容易な比較的柔らかい
材料で形成する必要がないので、耐久性を高めることが
できる。
形成し、切削加工等の機械加工の容易な比較的柔らかい
材料で形成する必要がないので、耐久性を高めることが
できる。
【図1】本発明に係る一実施形態としてのインクジェッ
ト記録ヘッドの製造過程を示す説明図である。
ト記録ヘッドの製造過程を示す説明図である。
【図2】本発明に係る一実施形態としての溝付き体成形
用雄型の製造過程を示す説明図である。
用雄型の製造過程を示す説明図である。
【図3】本発明に係る一実施形態としての反転模型の斜
視図である。
視図である。
【図4】本発明に係る一実施形態としての反転模型の加
工方法を示す説明図である。
工方法を示す説明図である。
【図5】本発明に係る一実施形態としての金型母型及び
溝付き体の斜視図である。
溝付き体の斜視図である。
【図6】本発明に係る一実施形態としての溝付き体成形
用雄型の斜視図である。
用雄型の斜視図である。
【図7】本発明に係る一実施形態としての電鋳処理時間
の短縮化方法を示す説明図である。
の短縮化方法を示す説明図である。
【図8】本発明に係る一実施形態としての金型の表面に
無電解メッキ層の形成方法を示す説明図である。
無電解メッキ層の形成方法を示す説明図である。
【図9】本発明に係る他の実施形態としての金型の表面
に無電解メッキ層の形成方法を示す説明図である。
に無電解メッキ層の形成方法を示す説明図である。
【図10】インクジェット記録ヘッドの分解斜視図であ
る。
る。
1,1a…溝付き体、2…インク溜り、3…インク流路
溝、5…インク噴射孔、6…インク供給孔、7…蓋体、
8…ヒータ、10…インク流路溝反転模型、13…イン
ク流路溝反転模型のインク流路溝成形用凸部、30a…
第1の金型母型、30…第2の金型母型、32…母型側
インク溜り溝、33…母型側インク流路溝、34…金型
母型の成形面、40,40b,40c,40d…溝付き
体成形用雄型(金型)、42…溝付き体成形用雄型のイ
ンク溜り成形用凸部、43…溝付き体成形用雄型のイン
ク流路溝成形用凸部、44…溝付き体成形用雄型の成形
面、48,48d…無電解NiPメッキ層、69…中間
材。
溝、5…インク噴射孔、6…インク供給孔、7…蓋体、
8…ヒータ、10…インク流路溝反転模型、13…イン
ク流路溝反転模型のインク流路溝成形用凸部、30a…
第1の金型母型、30…第2の金型母型、32…母型側
インク溜り溝、33…母型側インク流路溝、34…金型
母型の成形面、40,40b,40c,40d…溝付き
体成形用雄型(金型)、42…溝付き体成形用雄型のイ
ンク溜り成形用凸部、43…溝付き体成形用雄型のイン
ク流路溝成形用凸部、44…溝付き体成形用雄型の成形
面、48,48d…無電解NiPメッキ層、69…中間
材。
Claims (9)
- 【請求項1】微細な第1の凹部と、該第1の凹部に連通
した比較的大きな第2の凹部とを有する成形品を成形す
るための成形金型の製造方法において、 前記第1の凹部の反転形状を有した第1の凹部反転模型
を形成する反転模型形成工程と、 前記第1の凹部反転模型に対して電鋳処理を施して該第
1の凹部反転模型上に電鋳層を形成し、該第1の凹部反
転模型から該電鋳層を剥離して、前記第1の凹部に対応
した母型側第1の凹部が形成された該電鋳層を第1の金
型母型とする第1の母型形成工程と、 前記母型側第1の凹部が形成された前記第1の金型母型
の、該母型側第1の凹部に連通する位置に、前記第2の
凹部に対応した母型側第2の凹部を形成し、該母型側第
1の凹部及び該母型側第2の凹部が形成された前記第1
の金型母型を第2の金型母型とする第2の母型形成工程
と、 前記第2の金型母型に対して電鋳処理を施して該第2の
金型母型上に電鋳層を形成し、該第2の金型母型から該
電鋳層を剥離して、該第2の金型母型から剥離された該
電鋳層を金型とする金型形成工程と、 を行なうことを特徴とする成形金型の製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の製造方法において、 前記第2の母型形成工程では、前記第1の金型母型を放
電加工して、該第1の金型母型に前記母型側第2の凹部
を形成することを特徴とする成形金型の製造方法。 - 【請求項3】請求項1及び2のいずれか一項に記載の成
形金型の製造方法において、 前記第1の母型形成工程と前記金型形成工程とのうち、
少なくとも一方の工程での前記電鋳層を成長させている
途中で、予め形態化された中間材をそれまでに成長した
電鋳層に接触させ、該中間材を包むように該電鋳層を成
長させて、該中間材を包んだ該電鋳層を前記第1の金型
母型又は前記金型とすることを特徴とする成形金型の製
造方法。 - 【請求項4】請求項1から3のいずれか一項に記載の成
形金型の製造方法において、 前記第1の凹部反転模型は、黄銅で形成されていること
を特徴とする成形金型の製造方法。 - 【請求項5】請求項1から4のいずれか一項に記載の成
形金型の製造方法において、 前記第1の母型形成工程と前記金型形成工程との電鋳処
理で形成される前記電鋳層は、ニッケルであることを特
徴とする成形金型の製造方法。 - 【請求項6】請求項5記載の成形金型の製造方法におい
て、 前記金型形成工程では、前記第2の金型母型に対して無
電解ニッケルメッキを施してから、前記電鋳処理を施
し、該第2の金型母型に形成された無電解ニッケルメッ
キ層と電鋳層とを一体的に該第2の金型母型から剥離し
て前記金型とすることを特徴とする成形金型の製造方
法。 - 【請求項7】請求項5記載の成形金型の製造方法におい
て、 前記金型成形工程では、前記第2の金型母型から剥離し
た前記電鋳層の少なくとも成形面に無電解ニッケルメッ
キを施し、該無電解ニッケルメッキ層が形成された該電
鋳層を前記金型とし、 前記反転模型形成工程では、前記無電解ニッケルメッキ
層の厚み分だけ、小さい前記第1の凹部反転模型を形成
し、 前記第2の金型母型形成工程では、前記無電解ニッケル
メッキ層の厚み分だけ、大きい前記母型側第2の凹部を
形成することを特徴とする成形金型の製造方法。 - 【請求項8】請求項1から7のいずれか一項に記載の成
形金型の製造方法において、 前記成形品は、前記第1の凹部としての複数のインク流
路溝と、前記第2の凹部としてのインク溜りとを有する
インクジェット記録ヘッドの部品であり、 前記反転模型形成工程では、複数の前記インク流路溝の
反転形状を有したインク流路溝反転模型を形成し、 前記第2の金型母型形成工程では、前記インク溜りの形
状に対応した母型側インク溜りを前記第1の金型母型に
形成することを特徴とする成形金型の製造方法。 - 【請求項9】複数のインク流路溝と、複数の該インク流
路溝に連通したインク溜りとを有した溝付き体に、蓋体
を接合して成るインクジェット記録ヘッドの製造方法に
おいて、 複数の前記インク流路溝の反転形状を有したインク流路
溝反転模型を形成する反転模型形成工程と、 前記インク流路溝反転模型に対して電鋳処理を施して該
インク流路溝反転模型上に電鋳層を形成し、該インク流
路溝反転模型から該電鋳層を剥離して、複数の前記イン
ク流路溝に対応した形状の複数の溝が形成された該電鋳
層を第1の金型母型とする第1の母型形成工程と、 前記第1の金型母型の、複数の前記インク流路溝に対応
した形状の複数の前記溝に連通する位置に、前記インク
溜りに対応した形状の凹部を形成し、複数の該インク流
路溝に対応した形状の複数の該溝と前記インク溜りに対
応した形状の該凹部とが形成された該第1の金型母型を
第2の金型母型とする第2の母型形成工程と、 前記第2の金型母型に対して電鋳処理を施して該第2の
金型母型上に電鋳層を形成し、該第2の金型母型から該
電鋳層を剥離し、該第2の金型母型から剥離された該電
鋳層を前記溝付き体の成形金型の一部として用いて、該
成形金型を形成する金型形成工程と、 金型形成工程で作成された前記成形金型内に、インクジ
ェット記録ヘッド形成材料を注入して、前記溝付き体を
成形する成形工程と、 前記成形工程で成形された前記溝付き体と、予め準備さ
れた又は成形された前記蓋体とを接合する接合工程と、 を行なうことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9114028A JPH10305586A (ja) | 1997-05-01 | 1997-05-01 | 微細形状部分を有する成形金型の製造方法、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9114028A JPH10305586A (ja) | 1997-05-01 | 1997-05-01 | 微細形状部分を有する成形金型の製造方法、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10305586A true JPH10305586A (ja) | 1998-11-17 |
Family
ID=14627240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9114028A Pending JPH10305586A (ja) | 1997-05-01 | 1997-05-01 | 微細形状部分を有する成形金型の製造方法、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10305586A (ja) |
-
1997
- 1997-05-01 JP JP9114028A patent/JPH10305586A/ja active Pending
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