JPH10305585A - 微細形状部分を有する成形金型の製造方法、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

微細形状部分を有する成形金型の製造方法、およびインクジェット記録ヘッドの製造方法

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JPH10305585A
JPH10305585A JP9114027A JP11402797A JPH10305585A JP H10305585 A JPH10305585 A JP H10305585A JP 9114027 A JP9114027 A JP 9114027A JP 11402797 A JP11402797 A JP 11402797A JP H10305585 A JPH10305585 A JP H10305585A
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forming
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JP9114027A
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Yasuhisa Tomita
泰央 冨田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録ヘッドの部品であって、
微細なインク流路溝とこれに連通した比較的大きなイン
ク溜りとを有するの溝付き体を成形するに当たり、この
溝付き体を成形するための雄型を一体化する。 【解決手段】 インク流路溝の反転形状を成すインク流
路溝成形用凸部13を有するインク流路溝反転模型10
と、インク溜りの反転形状を成すインク溜り成形用凸部
22を有するインク溜り反転模型20とをそれぞれ形成
する。これら反転模型10,20を突き合わせて一体化
し、反転模型10,20上に電鋳層を形成し、反転模型
10,20から電鋳層を剥離して、この電鋳層を金型母
型30とする。続いて、この金型母型30上に電鋳層を
形成し、金型母型30から電鋳層を剥離して、この電鋳
層を雄型40とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細形状部分を有
する成形金型の製造方法であって、特に、微細な第1の
凹部と、該第1の凹部に連通した比較的大きな第2の凹
部とを有する成形品を成形するための成形金型の製造方
法、及び、この製造方法で製造された成形金型を用いた
インクジェット記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、成形品の形状についての要求が多
様化してきており、その例として、比較的大きな凹部と
多数の微細な凹部とを有するものがある。
【0003】このような成形品の具体的な例としては、
例えば、インクジェットプリンタに用いられているイン
クジェット記録ヘッドがある。このインクジェット記録
ヘッドは、例えば、特開平8−52879号公報に記載
されているものや、図14に示すもののように、比較的
大きな凹部を成すインク溜り2と、このインク溜り2に
連通した微細な凹部を成す多数のインク流路溝3,3,
…とがある。
【0004】インクジェット記録ヘッドは、近年、印刷
の高精細化が進められるに伴い、インク流路溝の相互間
ピッチを小さくすることが要求されている。例えば、イ
ンク吐出密度(記録詳細度)が400dpiの場合、並
列に並べられるインク流路溝のピッチは63.5μmに
なるから、インク流路溝の幅を50μmとすると、イン
ク流路間の壁厚は、13.5μmになる。このため、こ
のようなインクジェット記録ヘッドを成形する金型も、
サブミクロンオーダの精度で、微細な形状を再現するこ
とが要求される。
【0005】以上のように、比較的大きな凹部と、この
凹部に連通した多数の微細な凹部とを有する成形品の成
形金型の製造方法としては、以下のような方法がある。
【0006】まず、多数の微細な凹部の反転形状を再現
した第1の金型と、比較的大きな凹部の反転形状を再現
した第2の金型とを、それぞれ個別に製造する。そし
て、これらの二つの金型を突き合わせて、これを一つの
金型とするという方法である。第2の金型は、微細形状
を再現し易くするために、機械加工が容易な黄銅を母材
として用い、これを切削加工して形成するのが一般的で
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような従来技術では、二つの金型を用いて成形品を製造
すると、二つの金型の突合せ部分に樹脂が入り込んでバ
リとなり、成形品の大きな凹部と微細な凹部との境目を
塞いでしまうことが多い。このため、従来技術では、二
つの金型で成形した後、大きな凹部と微細な凹部との境
目に形成されたバリを除く工程が必要になり、完成品と
しての成形品を得るために手間がかかるという問題点が
ある。また、従来技術では、機械加工の容易な黄銅で金
型を形成しているために、耐久性が低く、さらに、一個
一個の金型を精密に機械加工しなければならず、多数の
金型を製造する場合には、多くの労力が必要になる上に
多くの時間も必要になるという問題点もある。
【0008】本発明は、このような従来の問題点につい
て着目してなされたもので、容易に成形品を得ることが
できると共に、多数の金型を短時間でしかも少ない労力
で製造することができる成形金型の製造方法、及びこの
製造方法で製造された成形金型を用いたインクジェット
記録ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の成形金型の製造方法は、微細な第1の凹部と、該第1
の凹部に連通した比較的大きな第2の凹部とを有する成
形品を成形するための成形金型の製造方法において、前
記第1の凹部の反転形状を有した第1の凹部反転模型
と、前記第2の凹部の反転形状を有した第2の凹部反転
模型とをそれぞれ形成し、該第1の凹部反転模型の端面
と該第2の凹部反転模型の端面とを接触させて一体化し
た反転模型を形成する反転模型形成工程と、前記反転模
型に対して電鋳処理を施して該反転模型上に電鋳層を形
成し、該反転模型から該電鋳層を剥離して、該反転模型
から剥離された該電鋳層を金型母型とする母型形成工程
と、前記金型母型に対して電鋳処理を施して該金型母型
上に電鋳層を形成し、該金型母型から該電鋳層を剥離し
て、該金型母型から剥離された該電鋳層を金型とする金
型形成工程と、を行なうことを特徴とするものである。
【0010】ここで、前記成形金型の製造方法におい
て、前記第1の凹部反転模型と前記第2の凹部反転模型
とのうち、少なくとも一方の反転模型の前記端面は、両
模型を接触せた状態において、凹部の反転形状が再現さ
れている面と該端面との角を基点として他方の反転模型
の前記端面から次第に遠ざかる方向に傾斜したテーパ面
を有することが好ましい。この場合、前記テーパ面の傾
斜角度は、前記第1の凹部の深さに応じた角度であると
よい。
【0011】また、以上のいずれかの成形金型の製造方
法において、前記母型形成工程と前記金型形成工程との
うち、少なくとも一方の工程での前記電鋳層を成長させ
ている途中で、予め形態化された中間材をそれまでに成
長した電鋳層に接触させ、該中間材を包むように該電鋳
層を成長させて、該中間材を包んだ該電鋳層を前記金型
母型又は前記金型としてもよい。
【0012】また、以上のいずれかの成形金型の製造方
法において、前記第1の凹部反転模型は、黄銅で形成
し、前記母型形成工程と前記金型形成工程との電鋳処理
で形成される前記電鋳層は、ニッケルで形成することが
好ましい。
【0013】また、前記金型形成工程では、前記金型母
型に対して無電解ニッケルメッキを施してから、前記電
鋳処理を施し、該金型母型に形成された無電解ニッケル
メッキ層と電鋳層とを一体的に該金型母型から剥離して
前記金型としてもよい。また、この方法に換えて、前記
金型形成工程出は、前記金型母型から剥離した前記電鋳
層の少なくとも成形面に無電解ニッケルメッキを施し、
該無電解ニッケルメッキ層が形成された電鋳層を前記金
型とし、前記反転模型形成工程では、前記無電解ニッケ
ルメッキ層の厚み分だけ、小さい前記第1の凹部反転模
型及び前記第2の凹部反転模型を形成してもよい。
【0014】ここで、以上のいずれかの成形金型の製造
方法において、前記成形品は、前記第1の凹部としての
複数のインク流路溝と、前記第2の凹部としてのインク
溜りとを有するインクジェット記録ヘッドの部品であ
り、前記反転模型形成工程では、複数のインク流路溝の
反転形状を有したインク流路溝反転模型と、前記インク
溜りの反転形状を有したインク溜り反転模型とを形成す
るものであってもよい。
【0015】また、前記目的を達成するための金型の製
造方法は、流体の流路を形成するために設けられた第1
の形状を備えた第1の型部材と、該流路に連続する空間
を形成するために設けられた第2の形状を備えた第2の
型部材とを用い、前記第1の形状と前記第2の形状とが
連なるよう前記第1の型部材と前記第2の型部材とを接
触させて型を形成する型形成工程と、前記型をもとに電
鋳型を形成する電鋳型形成工程と、前記電鋳型形成後
に、前記電鋳型に生じたバリを除去するバリ除去工程
と、を行うことを特徴とするものである。この場合、前
記バリ除去工程では、前記電鋳型のうち、前記第1の形
状と前記第2の形状とが接した箇所と対応する部位に生
じたバリを除去することが好ましい。なお、ここでの金
型は、以下で述べる実施の形態では、金型母型のことで
ある。
【0016】また、前記目的を達成するためのインクジ
ェット記録ヘッドの製造方法は、複数のインク流路と、
複数の該インク流路に連通したインク溜りとを有した溝
付き体に、蓋体を接合して成るインクジェット記録ヘッ
ドの製造方法において、複数の前記インク流路溝の反転
形状を有したインク流路溝反転模型と、前記インク溜り
の反転形状を有したインク溜り反転模型とを形成し、該
インク流路反転模型の端面と該インク溜り反転模型の端
面とを接触させて一体化した反転模型を形成する反転模
型形成工程と、前記反転模型に対して電鋳処理を施して
該反転模型上に電鋳層を形成し、該反転模型から該電鋳
層を剥離して、該反転模型から剥離された該電鋳層を金
型母型とする母型形成工程と、前記金型母型に対して電
鋳処理を施して該金型母型上に電鋳層を形成し、該金型
母型から該電鋳層を剥離し、該金型母型から剥離された
該電鋳層を前記溝付き体の成形金型の一部として用い
て、該成形金型を形成する金型形成工程と、前記金型形
成工程で作成された前記成形金型内に、インクジェット
記録ヘッド形成材料を注入して、前記溝付き体を成形す
る成形工程と、前記成形工程で成形された前記溝付き体
と、予め準備された又は形成された前記蓋体とを接合す
る接合工程と、を行なうことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る一実施形態と
してのインクジェット記録ヘッドの製造方法について、
図面を用いて説明する。
【0018】まず、インクジェット記録ヘッドの製造方
法について説明するまでに、図14を用いてインクジェ
ット記録ヘッドの構造について説明する。インクジェッ
ト記録ヘッドは、インク溜り2等の溝が形成されている
溝付き体1と、この溝付き体1の溝を塞ぐ蓋体7とを有
している。溝付き体1には、インクが一時的に溜められ
る比較的大きな凹部であるインク溜り(第2の凹部)2
と、このインク溜り2内にインクを供給するためのイン
ク供給孔6と、インク溜り2に連通した複数の微細な凹
部であるインク流路溝(第1の凹部)3,3,…と、各
インク流路溝3,3,…を通過してきたインクを噴射す
るインク噴出孔5,5,…とが形成されている。蓋体7
は、溝付き体1に形成されているインク溜り2の凹部開
口と複数のインク流路溝3,3,…の凹部開口を塞げる
大きさである。この蓋体7には、各インク流路溝3,
3,…を塞いでいる位置に、それぞれ、インク流路溝3
を通過しているインクを加熱するヒータ8が設けられて
いる。インクジェット記録ヘッドは、このヒータ8が取
り付けられた蓋体7を溝付き体1に接合して成る。な
お、インクジェット記録ヘッドでは、インク噴出口の大
きさを制限したオリフィス板を設けることがあるが、こ
のオリフィス板は、本発明と直接関係が無いので、ここ
では、その説明を省略する。
【0019】次に、図1を用いて、インクジェット記録
ヘッドの製造方法に付いて説明する。まず、図1(a)
に示すように、先に述べたインクジェット記録ヘッドを
成形するための金型40,51を製造する。金型40,
51としては、溝付き体1を成形するための雄型40及
び雌型51がある。溝付き体成形用雌型51は、溝付き
体1の外面を成形するものであるから、その形状が簡単
で、しかも高い精度は要求されない。従って、溝付き体
成形用雌型51は、一般的な金型の製造方法、例えば、
研削加工や切削加工や放電加工等で特に工夫することな
く、製造することができる。これに対して、溝付き体成
形用雄型40には、図10に示すように、比較的大きな
凹部であるインク溜り2を成形するインク溜り成形用凸
部42と、微細な凹部であるインク流路溝3を成形する
インク流路溝成形用凸部43とを形成しておく必要があ
るため、この型を容易に製造することはできない。特
に、インク溜り成形用凸部42に対して、複数のインク
流路溝成形用凸部43,43,…は、単に微細であるに
とどまらず、その形状精度、サイズ精度、位置精度に関
して、非常に高い精度が求められるため、この型を製造
することは難しい。そこで、この溝付き体成形用雄型4
0の製造に関しては、後で、詳細に説明する。
【0020】次に、図1(b)に示すように、溝付き体
成形用の雄型40と雌型51とを合わせて、これらの型
内の空間に樹脂を射出し、溝付き体1aを成形する。こ
の溝付き体1aには、図9に示すように、複数のインク
流路溝3と、これに連通しているインク溜り2とが形成
され、前述したインク供給孔6やインク噴出孔5,5,
…は未だ形成されていない。なお、図9中に()内の符
号は、後述する金型母型の各部を示す符号である。さら
に、一般的な半導体プロセスで、蓋体7を形成する。
【0021】溝付き体1a及び蓋体7が成形されると、
図1(c)や図14に示すように、溝付き体1にインク
供給孔6やインク噴出孔5,5,…を形成し、蓋体7に
ヒータ8を取り付ける等して、それぞれを完成させる。
最後に、図1(d)に示すように、溝付き体1に蓋体7
を接合して、インクジェット記録ヘッドを完成させる。
【0022】次に、溝付き体成形用雄型40の製造方法
について説明する。まず、図2(a)に示すように、イ
ンク溜り成形用凸部22が形成されているインク溜り反
転模型(第2の凹部反転模型)20と、インク流路溝成
形用凸部13,13,…が形成されているインク流路溝
反転模型(第1の凹部反転模型)10とを作る。インク
溜り反転模型20は、図3に示すように、直方体状のベ
ース部21と、インク溜り2の反転形状を成すインク溜
り成形用凸部22とを有している。インク溜り成形用凸
部22は、直方体状のベース部21の一の面(以下、成
形面とする。)24上であって、この成形面24の縁の
一の辺(以下、端辺とする)25に沿って形成する。イ
ンク流路溝反転模型10は、直方体状のベース部11
と、インク流路溝3,3,…の反転形状を成すインク流
路溝成形用凸部13,13,…とを有している。複数の
インク流路溝成形用凸部13,13,…は、直方体状の
ベース部11の一の面(以下、成形面とする。)14上
であって、この成形面14の縁の一の辺(以下、端辺と
する)15に沿って、並んで形成する。
【0023】図4に示すように、各模型10,20の成
形面14,24と隣合う面であって、前述した端辺1
5,25を含む端面16,26は、成形面14,24に
対して90°より僅かに小さい角度を成しているテーパ
面17,27と、このテーパ面17,27に対して平行
で且つ段差のある逃げ面18,28とを有している。こ
のこの実施形態において、テーパ面17,27は、成形
面14,24に対して90°を成す仮想面Pに、1’の
角度θを成している。また、テーパ面17,27の幅
A、言い替えると、端辺15,25からテーパ面17,
27が終る位置までの距離Aは、0.5〜1.0mmで、
テーパ面17,27に対する逃げ面18,28の段差t
は、0.005〜0.01mmである。
【0024】インク流路溝反転模型10は、黄銅製のブ
ロックを切削加工して得る。切削加工の際には、切削面
を鏡面にするために、切削工具としてダイヤモンドバイ
トを用いる。このように、ここでは、ダイヤモンドバイ
トを用いること予定しているため、ダイヤモンドバイト
による切削加工に適した材料である黄銅を用いている。
黄銅製のブロックに対しては、切削前に、冷間圧延と低
温焼き鈍しとを施すことで、硬さの向上と結晶粒の微細
化を図って、ダイヤモンド切削による微細加工を可能に
しておく。具体的には、硬さはビッカース硬度で170
以上、結晶粒の大きさは30μm以下が望ましい。
【0025】切削加工では、図6に示すように、複数の
インク流路溝成形用凸部13,13,…になる予定部分
がつらなった凸部13aを有する黄銅製のブロック10
aを形成した後、この凸部13aに、ダイヤモンドバイ
トを何度か平行移動させて、複数の溝を形成し、複数の
インク流路溝成形用凸部13,13,…を形成する。な
お、同図において、矢印は、ダイヤモンドバイトの移動
方向を示している。この実施形態では、反転模型とし
て、インク流路溝成形用とインク溜り成形用とをそれぞ
れ別体で作るので、複数のインク流路溝成形用凸部13
になる予定部分がつらなった凸部13aをダイヤモンド
バイトで切削する際、この凸部13aをダイヤモンドバ
イトで突き抜かせることができ、この凸部13aに溝加
工を施しやすい。切削過程では、同図(a)に示すよう
に、ダイヤモンドバイトの切削終了端の位置にバリ66
が形成される恐れがある。そこで、このバリ66を除く
ために、切削加工後、インク流路溝反転模型10を化学
研磨液に浸すとよい。インク流路溝反転模型10を化学
研磨液に浸している間の数秒間、研磨液が入っている研
磨液槽を振動させて、バリ除去を促す。その後、化学研
磨液から反転模型10を取り出して、これを洗浄し、乾
燥させる。また、このバリ発生を未然に防ぐために、同
図(b)に示すように、インク流路溝反転模型10を形
成するためのブロック10aと同形状で同サイズのダミ
ーブランク用ブロック10bを用いてもよい。切削加工
の際には、このダミーブランク用ブロック10bをイン
ク流路溝反転模型10を形成するためのブロック10a
と突合せ、インク流路溝反転模型10を形成するための
ブロック10aの凸部13aとダミーブランク用ブロッ
ク10bの凸部13bとに、連なった溝加工を施す。な
お、ダミーブランク用ブロック10bを用いて切削加工
した後にも、必要に応じて化学研磨してもよい。
【0026】インク溜り反転模型20は、インク流路溝
反転模型10に比べて、微細で高精度を要求される形状
部分がないので、基本的に、どのような材質のもので
も、また、どのような加工法を採用してもよい。しかし
ながら、インク溜り反転模型20は、インク流路溝反転
模型10と突き合わせて使用するため、その際の温度に
よる熱膨張差が生じないよう、インク流路溝反転模型1
0と同様の黄銅で形成することが好ましい。また、加工
法に関しても、切削加工、研削加工、放電加工等のいず
れを用いてもよいが、インク流路溝反転模型10の端面
16と対向するインク溜り反転模型20の端面26に関
しては、鏡面仕上げする必要があるため、インク流路溝
反転模型10と同様に、ダイヤモンドバイトを用いた切
削加工等で形成することが好ましい。また、成形品にお
いて、インク流路溝3とインク溜り2の表面粗さや形状
精度を同一にするためには、インク溜り反転模型20
も、インク流路溝反転模型10と同様に、黄銅をダイヤ
モンドバイトで切削加工して得ることが好ましい。切削
加工等が終了すると、インク溜り反転模型20に対して
も、インク流路溝反転模型10と同様に、化学研磨を施
す。
【0027】以上のように加工された各反転模型10,
20は、成形品に求められる精度等にもよるが、その平
面部は、平行平面度が0.5μm以下で、表面粗さは
0.2μm以下であることが望ましい。
【0028】次に、図8に示すように、各反転模型1
0,20の端面16,26相互を突き合わせた状態で、
各反転模型10,20が相互に移動しないよう、つま
り、各反転模型10,20が一体化するよう、各反転模
型10,20を電鋳ベース60にボルト61等で固定す
る。この段階では、図4及び図5に示すように、インク
溜り反転模型20のテーパ面27のうち、端辺25を含
む端辺25近傍の部分と、インク流路溝反転模型10の
テーパ面17のうち、端辺15を含む端辺15近傍の部
分とが接触する。後述するように、各反転模型10,2
0の各成形面14,24側に電鋳層を形成する場合、各
反転模型10,20の端辺15,25間に隙間が在る
と、この隙間から電鋳バリが成長してしまう。特に、各
反転模型10,20の端面全体相互を接触させようとし
た場合、これら端面を非常に精度良く仕上げても、これ
らの端面の一部に僅かにでも凸部が在ると、各反転模型
10,20の端辺間に隙間が生じてしまう。この隙間
は、従来技術のように、二つの金型を突き合わせた際
に、金型相互に生じる隙間よりも遥かに小さいが、わず
かでも隙間が在ると、反転模型10,20相互を接触さ
せたものに電鋳層を形成した場合、この僅かな隙間によ
って、電鋳バリがほぼ確実に形成されてしまう。そこ
で、この実施形態では、各反転模型10,20の端面1
6,26に、テーパ面17,27を形成し、このテーパ
面17,27の端辺15,25近傍部分のみが、相互に
接触し合うようにしている。但し、テーパ面17,27
の角度θは、あまりに大き過ぎると、テーパ面17,2
7相互の接触面積が極端に小さくなり、電鋳バリの形成
原因となるので、ここでは、テーパ面17,27の角度
θを前述したように、1’にしている。なお、このテー
パ面17,27の角度θは、インク流路溝3の深さが深
くなるほど接触面積を大きくした方がよいことから、イ
ンク流路溝3の深さが深くなるほど小さくした方が好ま
しい。
【0029】電鋳ベース60には、図8に示すように、
各反転模型10,20相互が突き合わせられる部分に該
当する箇所に、貫通孔62が形成されている。各反転模
型10,20を電鋳ベース60に固定する過程では、反
転模型10,20を中心として電鋳ベース60と反対側
に光源を置き、電鋳ベース60の貫通孔62から、光源
からの光が見えるか否かにより、反転模型10,20相
互の接触性の確認をする。そして、貫通孔62から光源
からの光が見えず、且つインク流路溝成形用凸部13の
左右端とインク溜り成形用凸部22の左右端とが揃うよ
う、各反転模型10,20を電鋳ベース60に固定す
る。以上のように、各反転模型10,20を一体化した
段階で、反転模型形成工程が終了する。
【0030】ところで、以上は、反転模型10,20を
用いて電鋳層を形成する際、この電鋳層に電鋳バリが形
成されるのを未然に防ぐために、反転模型10,20に
テーパ面17,27を設け、さらに、反転模型10,2
0相互の接触性を確認したが、以下で説明するように、
反転模型10,20を用いて電鋳層を形成した後に、こ
の電鋳層(金型母型)に形成された電鋳バリを、例え
ば、切削加工や放電加工等で取り除いてもよい。
【0031】次に、図2(b)に示すように、一体化し
た反転模型10,20に対して電鋳処理を施して、反転
模型10,20の成形面14,24上に電鋳層を形成
し、この電鋳層を反転模型10,20から剥離して、こ
の電鋳層を金型母型30とする(母型形成工程)。この
母型形成工程では、図7及び図8に示すように、リング
状のデルリン製の電鋳層ガイド65を用いる。この電鋳
層ガイド65は、その内径が一体化した反転模型10,
20の成形面14,24の大きさよりも小さく、その厚
さが電鋳層の厚さに併せた10mmである。そして、この
電鋳層ガイド65を一体化した反転模型10,20の成
形面14,24上に置いから、反転模型10,20、電
鋳ベース60、電鋳層ガイド65を剥離液に浸す。この
剥離液は、例えば、重クロム酸ナトリウムの0.5%水
溶液で、反転模型10,20から電鋳層の剥離を容易に
する役目を果たす。反転模型10,20等を剥離液に浸
した後、反転模型10,20等を電鋳槽に入れ、反転模
型の成形面14,24上であって、電鋳層ガイド65の
内側に電鋳層を成長させる。なお、この実施形態では、
電鋳層はニッケルで形成されている。電鋳層が必要な厚
さにまで成長すると、電鋳層が付いている反転模型1
0,20等を電鋳槽から出して、洗浄後、剥離治具等を
用いて機械的な力で反転模型10,20から電鋳層を剥
離する。剥離した電鋳層は、その外周等を切削加工又は
放電加工等して整える等、してから、再び、洗浄乾燥
し、これを金型母型30とする。
【0032】この金型母型30には、図9に示すよう
に、反転模型10,20の成形面14,24に対応した
成形面34と、この成形面34から凹み成形品1aのイ
ンク流路溝3,3,…と同じ形状の母型側インク流路溝
33,33,…と、同じく、成形面34から凹み成形品
1aのインク溜り2と同じ形状の母型側インク溜り32
とが形成されている。
【0033】金型母型30が完成すると、図2(c),
(d)に示すように、この金型母型30に対して電鋳処
理を施して金型母型30上に電鋳層を形成し、この電鋳
層を金型母型30から剥離して、剥離された電鋳層を前
述した溝付き体成形用雄型40とする(金型形成工
程)。この金型形成工程でも、金型母型30を電鋳ベー
ス(不図示)に固定して、電鋳ベースごと金型母型30
を剥離液に浸してから、図2(c)に示すように、金型
母型30等を電鋳槽に入れ、金型母型30の成形面3
4、母型側インク流路溝33、母型側インク溜り32上
に、電鋳層を成長させる。この電鋳層も、金型母型30
と同じニッケル製である。電鋳層が必要な厚さまで成長
すると、電鋳層が付いている金型母型30等を電鋳槽か
ら出して、洗浄後、剥離治具等を用いて機械的な力で金
型母型30から電鋳層40aを剥離する。剥離した電鋳
層40aは、図2(d)に示すように、その外周等を切
削加工や放電加工等で整え、さらに射出成形装置への取
付用ネジ孔46のネジ孔加工等してから、再び、洗浄乾
燥し、これを溝付き体成形用雄型40とする。
【0034】この溝付き体成形用雄型40には、図10
に示すように、金型母型30の成形面34に対応した成
形面44と、この成形面44から突出しインク流路溝3
の反転形状であるインク流路溝成形用凸部43と、同じ
く、成形面44から突出しインク溜り2の反転形状であ
るインク溜り成形用凸部42とが形成されている。従っ
て、この溝付き体成形用雄型40は、図3に示すよう
に、二つの反転模型10,20を突き合わせたものと基
本形状は同じである。
【0035】以上のようにして、金型40が製造される
と、図1を用いて前述したように、これらの金型40,
51,55,58を用いて、溝付き体1や蓋体7を射出
成形で形成する等して、インクジェット記録ヘッドを完
成させる。
【0036】以上のように、この実施形態では、比較的
大きなインク溜り2と微細で且つ高精度が要求される複
数のインク流路溝3とを成形する溝付き体成形用雄型4
0は、一体物であるので、この雄型40のインク溜り成
形用凸部42と複数のインク流路溝成形用凸部43,4
3,…とが隙間無く連なっており、この雄型40を用い
て射出成形して得た成形品1aには、インク溜り2とイ
ンク流路溝3との間にバリが発生することはない。従っ
て、射出成形後にバリ取り作業を行なう必要がなくな
り、インクジェット記録ヘッドをあまり手間をかけずに
製造することができる。なお、この実施形態では、二つ
の反転模型10,20を用いて金型母型30を形成して
おり、金型母型30に電鋳バリが形成されるおそれがあ
るが、前述したように、反転模型10,20にテーパ面
17,27を設ける等して、金型母型30に電鋳バリが
形成されるのを未然に防ぐか、または、二つの反転模型
10,20を用いて電鋳層を形成した段階で、もし、こ
の電鋳層に電鋳バリが形成されていれば、切削加工等で
この電鋳バリを取り除くかすれば、完成した金型母型3
0には電鋳バリはなく、従って、この金型母型30を用
いて成形した金型40、さらに、この金型40を用いて
成形した成形品に、バリができることはない。
【0037】さらに、一度、反転模型10,20を形成
し、この反転模型10,20から金型母型30を作る
と、この金型母型30から簡単に多くの金型40を複製
することができるので、多数の金型40を短時間でしか
も少ない労力で製造することができる。また、この金型
40は、硬いニッケルで形成され、耐久性が非常に高い
ので、この金型40を用いて何度も射出成形を行なうこ
とができる。
【0038】ところで、母型形成工程と金型形成工程に
おいて、電鋳層を成長させるには、長時間を要する。例
えば、4A/dm2の電流密度で、3mmのニッケル電鋳
層を取得するためには、3〜4日間もかかる。そこで、
これらの工程に要する時間の短縮化を図るために、特定
の形状に形態化された中間材を予め準備しておき、これ
を電鋳層成長過程で用いるとよい。
【0039】この中間材を用いての電鋳層形成につい
て、金型形成工程を例にして、図11を用いて説明す
る。まず、図11(b)に示すように、この金型形成工
程で形成する溝付き体成形用雄型40よりも小さく、且
つその形状にある程度対応したメッシュ状の中間材69
を形成する。
【0040】次に、図11(a)に示すように、金型母
型30上に電鋳層49を形成する。この電鋳層49があ
る程度の厚さにまで成長した段階で、例えば、0.5〜
1.0mm程度の厚さにまで成長した段階で、図11
(b)に示すように、この電鋳層49の上に、中間材6
9を接触させる。そして、図11(c)に示すように、
この中間材69をコアとして、中間材69の周りにも電
鋳層を成長させ、この中間材69をコアとする電鋳層4
9bを溝付き体成形用雄型40bとする。このように、
中間材69を用いると、溝付き体成形用雄型40bとし
て必要な厚みになるまでの電鋳層量が減るので、電鋳処
理時間を大幅に短縮することができる。なお、ここで
は、電鋳処理を行なう金型形成工程において、中間材6
9を用いる例について述べたが、同じく、電鋳処理を行
なう母型形成工程において、中間材を用い、この中間材
をコアとする電鋳層を金型母型としてもよい。
【0041】また、金型の耐久性をより上げるために
は、金型の表面に硬い金属層を形成すればよい。このた
め、金型の表面には、例えば、無電解NiP(ニッケル
・リン)メッキ層を形成すればよい。金型の表面に無電
解NiPメッキ層を形成する方法としては、図12に示
す方法と、図13に示す方法とがある。
【0042】図12に示す方法では、まず、金型母型3
0を無電解NiPメッキ液に浸して、同図(a)に示す
ように、金型母型30の表面に、例えば、数μmから約
50μm程度の厚さの無電解NiPメッキ層(非晶質)
48を形成する。そして、同図(b)に示すように、こ
の無電解NiPメッキ層48上に、必要な厚さに成るま
で電鋳層(結晶質)49cを形成して、この電鋳層49
cを無電解NiPメッキ層48ごと金型母型30から剥
離して、剥離したものを金型40cとする。なお、この
方法でも電鋳層の成長過程で、前述した中間材を用いて
もよい。
【0043】また、図13に示す方法では、金型成形工
程で得た電鋳品49dの表面に無電解NiPメッキ層4
8dを形成し、この電鋳品49dの表面に無電解NiP
メッキ層48dが施されたものを金型40dとする。こ
の場合、電鋳品49dが金型40dとなる段階で、メッ
キ層48dの厚み分tだけ大きくなるので、このメッキ
層48dの厚み分tだけオフセットした母型金型30d
及び反転模型を形成する必要がある。すなわち、母型金
型30dには、凹部が形成されるので、メッキ層の厚み
分tだけ凹部の大きさを小さくし、反転模型には、凸部
が形成されるので、メッキ層の厚み分tだけ凸部の大き
さを小さくする。なお、この方法は、メッキ層48dの
形成過程でメッキ層48dの厚み管理を厳しくしなけれ
ば、目的のサイズの金型を得ることができないこと、母
型金型30の表面が金型の表面として正確に転写されな
いことから、図12に示した方法の方が有利である。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、微細な第1の凹部と、
これに連通した比較的大きな第2の凹部とを有する成形
品を成形するための金型は、一体物であるので、この金
型の第1の凹部反転形状部(凸型)と第2の凹部反転形
状部(凸型)とは隙間無く連なっており、この金型を用
いて射出成形して得た成形品には、第1の凹部と第2の
凹部との間にバリが発生することはない。従って、射出
成形後にバリ取り作業を行なう必要がなくなり、成形品
をあまり手間をかけずに製造することができる。さら
に、一度、反転模型を形成し、この反転模型から金型母
型を作ると、この金型母型から簡単に多くの金型を複製
することができるので、多数の金型を短時間でしかも少
ない労力で製造することができる。このため、本発明で
得られた金型を用いて成形品を製造すると、多数の成形
品を短時間でしかも少ない労力で製造することができ
る。
【0045】また、本発明では、金型の形成過程で、金
型母型が破損したとしても、反転模型を用いれば、非常
に簡単に新たな金型母型を得ることができる。
【0046】さらに、本発明で得られる金型は、電鋳で
形成し、切削加工等の機械加工の容易な比較的柔らかい
材料で形成する必要がないので、耐久性を高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態としてのインクジェッ
ト記録ヘッドの製造過程を示す説明図である。
【図2】本発明に係る一実施形態としての溝付き体成形
用雄型の製造過程を示す説明図である。
【図3】本発明に係る一実施形態としての反転模型の斜
視図である。
【図4】本発明に係る一実施形態としての反転模型の側
面図である。
【図5】本発明に係る一実施形態としてのインク溜り反
転模型とインク流路溝反転模型とを突合せた際のこれら
の断面図である。
【図6】本発明に係る一実施形態としてのインク流路溝
反転模型の加工方法を示す説明図である。
【図7】本発明に係る一実施形態としての反転模型に電
鋳処理を施す際の反転模型等の斜視図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII線断面図である。
【図9】本発明に係る一実施形態としての金型母型及び
溝付き体の斜視図である。
【図10】本発明に係る一実施形態としての溝付き体成
形用雄型の斜視図である。
【図11】本発明に係る一実施形態としての電鋳処理時
間の短縮化方法を示す説明図である。
【図12】本発明に係る一実施形態としての金型の表面
に無電解メッキ層の形成方法を示す説明図である。
【図13】本発明に係る他の実施形態としての金型の表
面に無電解メッキ層の形成方法を示す説明図である。
【図14】インクジェット記録ヘッドの分解斜視図であ
る。
【符号の説明】 1,1a…溝付き体、2…インク溜り、3…インク流路
溝、5…インク噴射孔、6…インク供給孔、7…蓋体、
8…ヒータ、10…インク流路溝反転模型、13…イン
ク流路溝反転模型のインク流路溝成形用凸部、14…イ
ンク流路溝反転模型の成形面、15…インク流路溝反転
模型の端辺、16…インク流路溝反転模型の端面、17
…インク流路溝反転模型のテーパ面、20…インク溜り
反転模型、22…インク溜り反転模型のインク溜り成形
用凸部、24…インク溜り反転模型の成形面、25…イ
ンク溜り反転模型の端辺、26…インク溜り反転模型の
端面、27…インク溜り反転模型のテーパ面、30…金
型母型、32…母型側インク溜り溝、33…母型側イン
ク流路溝、34…金型母型の成形面、40,40b,4
0c,40d…溝付き体成形用雄型(金型)、42…溝
付き体成形用雄型のインク溜り成形用凸部、43…溝付
き体成形用雄型のインク流路溝成形用凸部、44…溝付
き体成形用雄型の成形面、48,48d…無電解NiP
メッキ層、69…中間材。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微細な第1の凹部と、該第1の凹部に連通
    した第2の凹部とを有する成形品を成形するための成形
    金型の製造方法において、 前記第1の凹部の反転形状を有した第1の凹部反転模型
    と、前記第2の凹部の反転形状を有した第2の凹部反転
    模型とをそれぞれ形成し、該第1の凹部反転模型の端面
    と該第2の凹部反転模型の端面とを接触させて一体化し
    た反転模型を形成する反転模型形成工程と、 前記反転模型に対して電鋳処理を施して該反転模型上に
    電鋳層を形成し、該反転模型から該電鋳層を剥離して、
    該反転模型から剥離された該電鋳層を金型母型とする母
    型形成工程と、 前記金型母型に対して電鋳処理を施して該金型母型上に
    電鋳層を形成し、該金型母型から該電鋳層を剥離して、
    該金型母型から剥離された該電鋳層を金型とする金型形
    成工程と、 を行なうことを特徴とする成形金型の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の成形金型の製造方法におい
    て、 前記第1の凹部反転模型と前記第2の凹部反転模型との
    うち、少なくとも一方の反転模型の前記端面は、両模型
    を接触せた状態において、凹部の反転形状が再現されて
    いる面と該端面との角を基点として他方の反転模型の前
    記端面から次第に遠ざかる方向に傾斜したテーパ面を有
    することを特徴とする成形金型の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の成形金型の製造方法におい
    て、 前記テーパ面の傾斜角度は、前記第1の凹部の深さに応
    じた角度であることを特徴とする成形金型の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれか一項に記載の成
    形金型の製造方法において、 前記母型形成工程と前記金型形成工程とのうち、少なく
    とも一方の工程での前記電鋳層を成長させている途中
    で、予め形態化された中間材をそれまでに成長した電鋳
    層に接触させ、該中間材を包むように該電鋳層を成長さ
    せて、該中間材を包んだ該電鋳層を前記金型母型又は前
    記金型とすることを特徴とする成形金型の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれか一項に記載の成
    形金型の製造方法において、 前記第1の凹部反転模型は、黄銅で形成されていること
    を特徴とする成形金型の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれか一項記載の成形
    金型の製造方法において、 前記母型形成工程と前記金型形成工程との電鋳処理で形
    成される前記電鋳層は、ニッケルであることを特徴とす
    る成形金型の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6記載の成形金型の製造方法におい
    て、 前記金型形成工程では、前記金型母型に対して無電解ニ
    ッケルメッキを施してから、前記電鋳処理を施し、該金
    型母型に形成された無電解ニッケルメッキ層と電鋳層と
    を一体的に該金型母型から剥離して前記金型とすること
    を特徴とする成形金型の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項6記載の成形金型の製造方法におい
    て、 前記金型成形工程では、前記金型母型から剥離した前記
    電鋳層の少なくとも成形面に無電解ニッケルメッキを施
    し、該無電解ニッケルメッキ層が形成された電鋳層を前
    記金型とし、 前記反転模型形成工程では、前記無電解ニッケルメッキ
    層の厚み分だけ、小さい前記第1の凹部反転模型及び前
    記第2の凹部反転模型を形成することを特徴とする成形
    金型の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項1から8のいずれか一項に記載の成
    形金型の製造方法において、 前記成形品は、前記第1の凹部としての複数のインク流
    路溝と、前記第2の凹部としてのインク溜りとを有する
    インクジェット記録ヘッドの部品であり、 前記反転模型形成工程では、複数のインク流路溝の反転
    形状を有したインク流路溝反転模型と、前記インク溜り
    の反転形状を有したインク溜り反転模型とを形成するこ
    とを特徴とする成形金型の製造方法。
  10. 【請求項10】複数のインク流路と、複数の該インク流
    路に連通したインク溜りとを有した溝付き体に、蓋体を
    接合して成るインクジェット記録ヘッドの製造方法にお
    いて、 複数の前記インク流路溝の反転形状を有したインク流路
    溝反転模型と、前記インク溜りの反転形状を有したイン
    ク溜り反転模型とを形成し、該インク流路反転模型の端
    面と該インク溜り反転模型の端面とを接触させて一体化
    した反転模型を形成する反転模型形成工程と、 前記反転模型に対して電鋳処理を施して該反転模型上に
    電鋳層を形成し、該反転模型から該電鋳層を剥離して、
    該反転模型から剥離された該電鋳層を金型母型とする母
    型形成工程と、 前記金型母型に対して電鋳処理を施して該金型母型上に
    電鋳層を形成し、該金型母型から該電鋳層を剥離し、該
    金型母型から剥離された該電鋳層を前記溝付き体の成形
    金型の一部として用いて、該成形金型を形成する金型形
    成工程と、 前記金型形成工程で作成された前記成形金型内に、イン
    クジェット記録ヘッド形成材料を注入して、前記溝付き
    体を成形する成形工程と、 前記成形工程で成形された前記溝付き体と、予め準備さ
    れた又は形成された前記蓋体とを接合する接合工程と、 を行なうことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの
    製造方法。
  11. 【請求項11】流体の流路を形成するために設けられた
    第1の形状を備えた第1の型部材と、該流路に連続する
    空間を形成するために設けられた第2の形状を備えた第
    2の型部材とを用い、前記第1の形状と前記第2の形状
    とが連なるよう前記第1の型部材と前記第2の型部材と
    を接触させて型を形成する型形成工程と、 前記型をもとに電鋳型を形成する電鋳型形成工程と、 前記電鋳型形成後に、前記電鋳型に生じたバリを除去す
    るバリ除去工程と、 を行うことを特徴とする金型の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項11記載の金型の製造方法におい
    て、 前記バリ除去工程では、前記電鋳型のうち、前記第1の
    形状と前記第2の形状とが接した箇所と対応する部位に
    生じたバリを除去することを特徴とする金型の製造方
    法。
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