JP2001334534A - 断熱金型作製方法および作製装置 - Google Patents

断熱金型作製方法および作製装置

Info

Publication number
JP2001334534A
JP2001334534A JP2000159821A JP2000159821A JP2001334534A JP 2001334534 A JP2001334534 A JP 2001334534A JP 2000159821 A JP2000159821 A JP 2000159821A JP 2000159821 A JP2000159821 A JP 2000159821A JP 2001334534 A JP2001334534 A JP 2001334534A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
mold
insulating
insulating mold
optical disk
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000159821A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4081962B2 (ja
Inventor
Shiyouzou Murata
省蔵 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2000159821A priority Critical patent/JP4081962B2/ja
Publication of JP2001334534A publication Critical patent/JP2001334534A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4081962B2 publication Critical patent/JP4081962B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】充分な転写性が得られ、低い金型温度により光
ディスク基板成形サイクルのタクトアップが図られる。
また、成形する光ディスク基板の両面の温度を制御する
ことができ、信号面側が凹形状になるような光ディスク
基板の反りが防止される。 【解決手段】本発明の断熱金型作製装置は、互いに接合
されてキャビティ54を形成する一対の金型52,53
と、キャビティ54内の一側壁面側に配置され、転写面
5とそれ以外の部分に断熱性を有するスタンパ側断熱層
が設けられたスタンパ1と、キャビティ54の一側壁面
と対面する他側壁面側に設けられた断熱層を有する断熱
金型とを用いた射出成形金型のうちの断熱金型を作製す
る工程である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク基板を
射出成形するための光ディスク基板成形装置に用いられ
る断熱金型作製方法およびその作製装置に関し、特に各
層間で強い密着性を有し、かつ成形時に剥離することが
ない断熱金型作製方法および作製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスク基板は、接合させた一対の金
型間に形成されるキャビティ内に溶融した樹脂を射出充
填した後、金型を離反させて冷却後の樹脂を取り出すこ
とにより形成される。この場合、一方の金型のキャビテ
ィ形成部分には、転写面を備えたスタンパを予め固定し
ておく。これにより、キャビティ内に充填されて冷却後
に固化した樹脂には、スタンパの転写面が転写され、情
報記録面が形成される。このような光ディスクの製造に
際しては、キャビティ内に充填した樹脂が冷却固定し易
いように、金型の温度をキャビティ内に射出充填される
樹脂の温度よりも200℃程度低い温度に設定する、と
いうような処理が一般に行われている。このような金型
の温度設定は、転写性と光ディスク基板成形サイクルの
タクトアップとのトレードオフの関係により決定され
る。すなわち、光ディスク基板形成サイクルのタクトア
ップを図るためには、金型の温度を極力低くすることが
有効であるが、金型の温度が低過ぎると転写性が劣化し
てしまう。その反面、転写性を向上させるためには、金
型の温度を高くすればよいが、それでは樹脂がスタンパ
からの離形に必要な温度に達するまでの時間が長くなり
過ぎ、その結果、光ディスクの生産性が低下してしま
う。
【0003】図4は、一対の金型の間に形成されるキャ
ビティ内に射出充填された樹脂の状態を示す模式図であ
る。金型の温度が低過ぎると転写性が劣化してしまう理
由を、図4に従って説明する。図4に示すように、キャ
ビティ102内に射出充填される溶融樹脂103は、そ
の流動層103aの部分がキャビティ102内に進入し
て充填される。図4中、樹脂103の進行方向を細い矢
印で示し、その流動方向を太い矢印で示している。樹脂
103は、キャビティ102内を流動するに伴って、金
型101に接する部分が金型101に熱を奪われて急冷
される。このために、金型101の温度が低過ぎると、
金型の近傍における樹脂103はスキン層103bとな
って瞬時に固化する。このようなスキン層103bが形
成されてしまうと、樹脂103は図示省略しているスタ
ンパの微細パターンに充分に充填されず、転写不良とな
ってしまう。その結果、信号特性が良好な高品質の光デ
ィスクが形成されなくなる。
【0004】従って、金型の温度設定は、転写性と光デ
ィスク基板成形サイクルのタクトアップとのトレードオ
フの関係により決定される。これに対して、例えば特開
平7−178774号公報、特開平10−149587
号公報および特開平6−259815号公報には、金型
やスタンパに断熱性を持たせることにより、転写性と光
ディスク基板成形サイクルのタクトアップとを共に向上
させることができるという提案がなされている。すなわ
ち、特開平7−178774号公報では、金型において
スタンパの裏面となる位置に着脱式の断熱性金型挿入体
を設置したものが開示されている。また、特開平10−
149587号公報には、金型においてスタンパの下面
となる位置にセラミクスによる断熱層を設けたものが開
示されている。さらに、特開平6−259815号公報
には、スタンパの表面(転写面)に無電解メッキ法で粒
子径が0.1μm以下のホリテトラフルオロエチレンを
20〜30%含有するニッケルメッキ膜を50〜70n
mの厚みで形成したものが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た全ての公報に記載の提案は、転写性と光ディスク基板
成形サイクルのタクトアップとを高次元に向上させるも
のではない。また、特開平6−259815号公報に示
された提案は、スタンパの転写面に成膜する構成である
ため、転写面の微細パターンが損われる、という問題が
ある。さらに、特開平7−178774号公報および特
開平10−149587号公報にそれぞれ開示された提
案は、金型自体の設計変更や交換が必要であり、既存の
金型設備が無駄になってしまう、という問題がある。図
5(a)(b)は、完成した光ディスクと、この光ディ
スクの基本になる光ディスク基板との形状を示す模式図
である。光ディスク73は、成形された光ディスク基板
71を用いて製造される。すなわち、図5(a)に示す
ように、光ディスク基板71の上に、記録層74、反射
層75、保護層76および印刷層77を順に製膜積層す
ることにより、光ディスク73が製造される。ここで、
光ディスク基板71は、各層74〜77が製膜積層され
るに従い層積層部分が凹形状となるように反ってしま
う。その結果、光ディスク73は、光ディスク基板71
の初期形状に対して層積層部分の方向に反ることにな
る。このため、光ディスク基板71を、図5(b)に示
すように層積層面(信号面)と反対面側が凹形状となる
ように、予め成形しておく、ということが従来より行わ
れている。これにより、各層74〜77が製膜積層され
るに従って光ディスク基板71が層積層部分の方向に反
り、結果的にフラットな光ディスク73が製造される。
ここで、光ディスク基板71は、その射出成形式に温度
が高い方の面が凹形状となって反ってしまう。つまり、
射出成形後、スタンパが設けられている方の面と可動金
型の側の面とで、射出成形時に温度が高くなる方の面が
凹形状に反ってしまう。
【0006】そこで、本発明の第1の目的は、これら従
来の課題を解決し、充分な転写性を得ることができ、か
つ光ディスク基板成形サイクルのタクトアップを図るこ
とができ、しかも信号面側が凹型状となるような光ディ
スク基板の反りを防止できる断熱金型作製方法および作
製装置を提供することにある(請求項1)。また、本発
明の第2の目的は、金属層、断熱層、金型母材の間に強
い密着性を与えることが可能な断熱金型作製方法および
作製装置を提供することにある(請求項2)。また、本
発明の第3の目的は、スタンパ側と同様に成形基板の両
面の温度を制御することができ、信号面側が凹形状とな
るような成形基板の反りを防止し、かつ断熱作用を適正
に保つために断熱層の厚みを一定値以下にすることが可
能な断熱金型作製方法および作製装置を提供することに
ある(請求項3)。また、本発明の第4の目的は、金型
側断熱層材料が持つ低熱伝導率を利用し、溶融樹脂充填
直後の急冷を抑制できるような断熱金型作製方法および
作製装置を提供することにある(請求項6)。
【0007】また、本発明の第5の目的は、金属層の表
面を鏡面とし、この鏡面を転写面とすることで、表面の
ファインな成形基板を得ることができる断熱金型作製方
法および作製装置を提供することにある(請求項8)。
また、本発明の第6の目的は、金属層と断熱層、および
断熱層と金型母材とに充分な密着性を与えることができ
る断熱金型作製方法および作製装置を提供することにあ
る(請求項12)。また、本発明の第7の目的は、鏡面
同士の拡散接合を阻止し、鏡面金属層の表面性が阻害さ
れないようにし、またホットプレスにより金属層や金型
母材に接着することなく、容易に剥離することができ、
リサイクルも可能であるような断熱金型作製方法および
作製装置を提供することにある(請求項17)。また、
本発明の第8の目的は、金属層、断熱層の内外径を金型
母材に合わせ込むことが容易な断熱金型作製方法および
作製装置を提供することにある(請求項20)。さら
に、本発明の第9の目的は、高品質な成形基板、光ディ
スクの作製が可能な断熱金型作製方法および作製装置を
提供することにある(請求項21)。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の断熱金型作製装置は、光ディスク製造工
程で、互いに接合されてキャビティを形成する一対の金
型と、前記キャビティ内の一側壁面側に配置され、光デ
ィスク基板成形用の転写面と該転写面に沿わせて該転写
面以外の部分に断熱性を有するスタンパ側断熱層が設け
られた光ディスク基板成形用のスタンパと、前記キャビ
ティにおける前記一側壁面と対面する他側壁面側に該他
側壁面に沿って設けられた断熱層を有する断熱金型とを
用いた射出成形金型のうち、断熱金型を作製することを
特徴としている。また、本発明の断熱金型作製方法
は、光ディスク製造工程において、互いに接合されてキ
ャビティを形成する一対の金型と、前記キャビティ内の
一側壁面に配置され、光ディスク基板成形用の転写面と
該転写面に沿わせて該転写面以外の部分に断熱性を有す
るスタンパ側断熱層が設けられた光ディスク基板成形用
のスタンパと、前記キャビティにおける前記一側壁面と
対面する他側壁面側に該他側壁面に沿って設けられた断
熱層を有する断熱金型とを用いた射出成形金型のうち、
断熱金型を作製する際に、該断熱金型をホットプレス方
式で作製することを特徴としている。
【0009】また、該断熱金型は、断熱層が金型母材
に対して、熱伝導率が低い材料により形成されているこ
とを特徴としている。また、該断熱金型は、断熱層の
厚みが150μm以下であることを特徴としている。ま
た、前記断熱金型は、断熱層の熱伝導率が25W/m
・kより小さいことを特徴としている。また、前記断
熱金型は、断熱層が熱可塑性フィルムであることを特徴
としている。また、前記断熱金型は、断熱層が熱可塑
性ポリイミドであることを特徴としている。また、前
記断熱金型は、金型母材に対して、金属層および断熱層
をホットプレス方式で貼り合わせることを特徴としてい
る。また、前記断熱金型は、金属層の熱伝導率が、断
熱層よりも大きいことを特徴としている。
【0010】また、(10)前記断熱金型は、金属層の材質
がニッケルであることを特徴としている。また、(11)前
記断熱金型は、研磨ガラスにメタライズして、ニッケル
電鋳後、研磨ガラスから剥離することにより得ることを
特徴としている。また、(12)前記断熱金型は、30Kg
/cm2以上の型締め力でホットプレスされることを特
徴としている。また、(13)前記断熱金型は、300℃以
上の加熱温度でホットプレスされることを特徴としてい
る。また、(14)前記断熱金型は、加圧プレートで金属層
を押圧してホットプレスされることを特徴としている。
また、(15)前記断熱金型は、金属層を押圧する加圧プレ
ートの表面が、鏡面であることを特徴としている。
【0011】また、(16)前記断熱金型は、加圧プレート
で押圧される金属層の表面が、鏡面であることを特徴と
している。また、(17)前記断熱金型は、鏡面金属層を鏡
面加圧プレートで押圧する際に、スペーサーを介在させ
てホットプレスされることを特徴としている。また、(1
8)前記断熱金型は、スペーサーが熱硬化性フィルムであ
ることを特徴としている。また、(19)前記断熱金型は、
スペーサーが熱硬化性ポリイミドであることを特徴とし
ている。また、(20)前記断熱金型は、金属層、断熱層、
スペーサー、加圧プレートを金型母材の内径より小さ
く、かつ金型母材の外径より大きくしておき、金型母材
の内径に合わせたセンタリングピンを用いてセンタリン
グした後、ホットプレスされることを特徴としている。
さらに、(21)前記断熱金型は、請求項1ないし20の機
能を包含したホットプレス機により作製されることを特
徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】(実施例)以下、本発明の実施例
を、図面により詳細に説明する。図1は、本発明の一実
施例を示すホットプレス方式による断熱金型の作製プロ
セスの状態を示す模式図(断面図)である。先ず、研磨
ガラスを洗浄し、ニッケルスパッタでメタライズした
後、スパッタ面を陰極としてニッケル電鋳し、研磨ガラ
スより剥離することにより、鏡面ニッケル層35を得
る。この鏡面ニッケル層35、断熱層36である熱可塑
性ポリイミドフィルム、スペーサー34である熱硬化性
ポリイミドフィルム、鏡面加圧プレートを、それぞれ母
型金型37の内径より小さく、外径より大きいプレス機
でプレ加工しておく。金型母材37の断熱層の貼り付け
面は、アルカリ・酸脱脂を前処理として行い、鏡面ニッ
ケル層35の断熱層36の貼り付け面は、濃硝酸でエッ
チングを前処理として実施する。ホットプレス機の下側
加熱板31上に金型母材37をセットして、金型母材3
7の中央部にセンタリングピン32を差し込む。センタ
リングに合わせて断熱層36、鏡面ニッケル層35、ス
ペーサー34、鏡面加圧プレート33をセットする。
【0013】図2は、本発明の一実施例を示す完成後の
断熱金型の作製プロセスの状態を示す模式図(断面図)
である。図1の処理の後、センタリングピン32を取り
除き、上側加熱板31を下降させて、加熱および加圧を
開始する。昇温速度7℃/minで350℃まで加熱
し、350℃で50Kg/cm2となるように型締め力
を調節していく。350℃、50Kg/cm2で10分
保持した後、冷却を開始し、約90分で常温に達する。
加圧を解除して、取り出される断熱金型ブランク(鏡面
ニッケル層35′+断熱層36′+金型母材37′)の
鏡面ニッケル層35′、断熱層36′の内外径を金型母
材37′に傚(なら)うように加工することにより、断
熱金型が完成する。
【0014】図3は、本発明の一実施例を示す光ディス
ク基板成形装置の縦断側面図である。この光ディスク基
板成形装置51は、一対の金型を構成する固定金型52
と可動金型53とを主要な構成要素とする。固定金型5
2は位置不動に固定配置され、この固定金型52に対し
て可動金型53が接離自在に取り付けられている。ま
た、これらの固定金型52と可動金型53との接合部分
の間には、空胴状のキャビティ54が形成され、このキ
ャビティ54内には光ディスク基板成形用の断熱層を内
包したスタンパ(断熱スタンパ)1が、その転写面5を
キャビティ54に対面させて収納保持されている。光デ
ィスク基板成形装置51を、さらに詳細に説明する。固
定金型52には、キャビティ54の形成部分に位置して
固定コア55が設けられ、また可動金型53には、キャ
ビティ54の形成部分に位置して金型母材(可動コア)
56が設けられている。このような構成の下に、断熱ス
タンパ1は、固定コア55に沿ってキャビティ54内に
収納保持されている。
【0015】また、成形される光ディスク基板71(図
5参照)の中心に位置して、固定金型52の固定コア5
5には固定ブッシュ57が、可動金型53の金型母材5
6には可動ブッシュ58が、それぞれ設けられている。
そして、固定ブッシュ57には、固定金型52を貫通す
る固定側スプル59が固定され、可動ブッシュ58に
は、可動金型53を貫通する可動側スプル60が固定さ
れている。また、可動ブッシュ58の部分において、可
動側スプル60の先端にはカットパンチ61が設けられ
ている。このカットパンチ61は、光ディスク基板71
の中心に中心孔72を穿(うが)つものである(図5参
照)。図3に示すように、本実施例の光ディスク基板成
形装置51では、金型母材56の上に金型側断熱層6
2、鏡面金属層63がホットプレス方式により積層形成
され、断熱金型が配設されている。次いで、図5に示す
ように、光ディスク73は、本実施例により成形された
光ディスク基板71を用いて製造される。例えば、光デ
ィスク基板71の上に、記録層74、反射層75、保護
層76および印刷層77を順に製膜積層することによ
り、光ディスク73を製造する。
【0016】図3において、金型側断熱層62である熱
可塑性ポリイミドフィルムの厚みを20,50,15
0,250μmとして成形基板を作製してみた。その結
果、金型側断熱層62の厚みが20μm以上で光ディス
ク基板71を図5(b)に示すような層積層面(信号
面)の反射面側を凹形状で成形することが容易となり、
理想的な形状の光ディスク基板71を得ることができ
た。また、図3の断熱スタンパ1により、充分な転写性
の確保と光ディスク基板形成サイクルのタクトアップと
を高次元で両立させることができた。もっとも、金型側
断熱層62の厚みが250μmになると、光ディスク基
板71は、入射光面側(鏡面側)の温度が高くなり過ぎ
て、大きな凹形状となる、つまり信号面側が大きな凸形
状となるので、図5(a)に示すように記録層74、反
射層75、保護層76および印刷層77を順に製膜積層
しても、光ディスク基板71の反り形状を理想的な形状
にすることが不可能となる。金型側断熱層62の熱伝導
率は、25W/m・kより小さくする。また、断熱金型
は、金属層の熱伝導率が断熱層より大きくする。
【0017】(比較例1)前述の実施例と同様の方法
で、光ディスク基板71を得る。ただし、断熱スタンパ
1のみで、可動側は金型母材をそのまま用いた。その結
果、光ディスク基板71は、ハイサイクルで充分な転写
性を確保できるが、スタンパ信号面側温度が高くなり過
ぎて、大きな凹形状となり、記録層74、反射層75、
保護層76および印刷層77を順に製膜積層すると、ま
すます凹形状が増幅され、光ディスク基板71の反り形
状を理想的な形状にすることが不可能となった。
【0018】(比較例2)前述の実施例と同様の方法
で、光ディスク基板71を得る。ただし、可動側断熱金
型のみで、スタンパ1は断熱層のない一般的なスタンパ
をそのまま用いた。その結果、光ディスク基板71は、
スタンパ信号面側温度が低くなることにより、凸形状と
なり、記録層74、反射層75、保護層76および印刷
層77を順に製膜積層すると、光ディスク基板71の反
り形状を理想的な形状にすることが可能となる。しか
し、その反面、ハイサイクルでは転写性が不良であり、
転写性を確保させるためにはサイクルタイムの延長が不
可欠となるので、その点が問題である。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スタンパ側断熱層および金型側の断熱作用により、溶
融樹脂充填後、従来より低温金型を用いても、スタンパ
に接触する樹脂温度が高くなるので、充分な転写性が得
られる。その結果、高温の転写温度によって転写性を良
好に維持することができ、かつ低い金型温度により光デ
ィスク基板成形サイクルのタクトアップを図ることがで
きる。また、光ディスク基板は、その成形時に温度の高
い方が凹形状となって反ってしまうのに対して、スタン
パ側断熱層と金型側断熱層との間にキャビティが位置
し、キャビティの両側で断熱作用が生じるので、成形す
る光ディスク基板の両面の温度を制御することができ
る。従って、信号面側が凹形状となるように光ディスク
基板の反りを防止し、この光ディスク基板に基づいて製
造される光ディスクの信号面精度を維持することが可能
となる(請求項1、21)。
【0020】また、各層間に強い密着性を有し、成形
時に剥離することがない(請求項2,6,7,8,1
2,13)。 また、適正な断熱作用により、光ディスク基板の両面
の温度が制御されるので、反り形状を理想的な形状にす
ることができる(請求項3,4,5)。 また、可動金型に断熱作用が働き、光ディスク基板の
信号面側の温度を高め、凹形状にすることが可能となる
(請求項9,10)。 また、研磨ガラスの表面性を転写したファインな鏡面
ニッケル層が得られるので、ラッピングなどの研磨工程
を省略することができる(請求項11)。 また、ホットプレスによりニッケル層の鏡面性を損な
うことがなく、ファインな表面性を維持することができ
る(請求項14,15,16)。 また、加圧プレートとニッケル層の鏡面同士の拡散接
合を阻止し、ファインな鏡面ニッケル層を維持すること
ができる(請求項17,18,19)。 さらに、金型母材、断熱層、ニッケル層の内外径に同
軸度が予め得られているので、金型母材の内外径に傚わ
せる加工が容易であり、精度も得易い(請求項20)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すホットプレス方式によ
る断熱金型の作製プロセス状態の模式図(断面図)であ
る。
【図2】本発明により完成した断熱金型を示す模式図
(断面図)である。
【図3】本発明の断熱金型を用いた光ディスク基板成形
装置を示す縦断側面図である。
【図4】一対の金型の間に形成されたキャビティ内に射
出充填された樹脂の状態を示す模式図(断面図)であ
る。
【図5】完成した光ディスクとこの光ディスクの基本と
なる光ディスク基板の形状を示す模式図(断面図)であ
る。
【符号の説明】
31…加熱板、32…センタリングピン、33…鏡面加
圧プレート、34…スペーサ、35…鏡面ニッケル層、
36…断熱層、37…金型母型、1…(断熱)スタン
パ、5…転写面、51…光ディスク基板成形装置、52
…固定金型、53…可動金型、54…キャビティ、55
…固定コア、56…可動コア(金型母材)、57…固定
ブッシュ、58…可動ブッシュ、59…固定側スプル、
60…可動側スプル、61…カットパンチ、62…金型
側断熱層、63…鏡面金属層、71…光ディスク基板、
74…記録層、75…反射層、76…保護層、77…印
刷層。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ディスク製造工程において、互いに接
    合されてキャビティを形成する一対の金型と、前記キャ
    ビティ内の一側壁面側に配置され、光ディスク基板成形
    用の転写面および該転写面に沿って該転写面以外の部分
    に断熱性を有するスタンパ側断熱層が設けられた光ディ
    スク基板成形用スタンパと、前記キャビティの前記一側
    壁面と対向する他側壁面側に該他側壁面に沿って設けら
    れた断熱層を有する断熱金型とを用いた射出成形金型の
    うち、断熱金型を作製する断熱金型作製装置。
  2. 【請求項2】 光ディスク製造工程において、互いに接
    合されてキャビティを形成する一対の金型と、前記キャ
    ビティ内の一側壁面に配置され、光ディスク基板成形用
    の転写面と該転写面に沿わせて該転写面以外の部分に断
    熱性を有するスタンパ側断熱層が設けられた光ディスク
    基板成形用のスタンパと、前記キャビティにおける前記
    一側壁面と対面する他側壁面側に該他側壁面に沿って設
    けられた断熱層を有する断熱金型とを用いた射出成形金
    型のうち、断熱金型を作製する際に、該断熱金型をホッ
    トプレス方式で作製することを特徴とする断熱金型作製
    方法。
  3. 【請求項3】 前記断熱金型は、断熱層が金型母材に対
    して、熱伝導率が低い材料により形成されていることを
    特徴とする請求項2に記載の断熱金型作製方法。
  4. 【請求項4】 前記断熱金型は、断熱層の厚みが150
    μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の断熱
    金型作製方法。
  5. 【請求項5】 前記断熱金型は、断熱層の熱伝導率が2
    5W/m・kより小さいことを特徴とする請求項2に記
    載の断熱金型作製方法。
  6. 【請求項6】 前記断熱金型は、断熱層が熱可塑性フィ
    ルムであることを特徴とする請求項2に記載の断熱金型
    作製方法。
  7. 【請求項7】 前記断熱金型は、断熱層が熱可塑性ポリ
    イミドであることを特徴とする請求項2に記載の断熱金
    型作製方法。
  8. 【請求項8】 前記断熱金型は、金型母材に対して、金
    属層および断熱層をホットプレス方式で貼り合わせるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の断熱金型作製方法。
  9. 【請求項9】 前記断熱金型は、金属層の熱伝導率が、
    断熱層よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の
    断熱金型作製方法。
  10. 【請求項10】 前記断熱金型は、金属層の材質がニッ
    ケルであることを特徴とする請求項2に記載の断熱金型
    作製方法。
  11. 【請求項11】 前記断熱金型は、研磨ガラスにメタラ
    イズして、ニッケル電鋳後、研磨ガラスから剥離するこ
    とにより得ることを特徴とする請求項2に記載の断熱金
    型作製方法。
  12. 【請求項12】 前記断熱金型は、30Kg/cm2
    上の型締め力でホットプレスされることを特徴と請求項
    2に記載の断熱金型作製方法。
  13. 【請求項13】 前記断熱金型は、300℃以上の加熱
    温度でホットプレスされることを特徴とする請求項2に
    記載の断熱金型作製方法。
  14. 【請求項14】 前記断熱金型は、加圧プレートで金属
    層を押圧してホットプレスされることを特徴とする請求
    項2に記載の断熱金型作製方法。
  15. 【請求項15】 前記断熱金型は、金属層を押圧する加
    圧プレートの表面が、鏡面であることを特徴とする請求
    項2に記載の断熱金型作製方法。
  16. 【請求項16】 前記断熱金型は、加圧プレートで押圧
    される金属層の表面が、鏡面であることを特徴とする請
    求項2に記載の断熱金型作製方法。
  17. 【請求項17】 前記断熱金型は、鏡面金属層を鏡面加
    圧プレートで押圧する際に、スペーサーを介在させてホ
    ットプレスされることを特徴とする請求項2に記載の断
    熱金型作製方法。
  18. 【請求項18】 前記断熱金型は、スペーサーが熱硬化
    性フィルムであることを特徴とする請求項2に記載の断
    熱金型作製方法。
  19. 【請求項19】 前記断熱金型は、スペーサーが熱硬化
    性ポリイミドであることを特徴とする請求項2に記載の
    断熱金型作製方法。
  20. 【請求項20】 前記断熱金型は、金属層、断熱層、ス
    ペーサー、加圧プレートを金型母材の内径より小さく、
    かつ金型母材の外径より大きくしておき、金型母材の内
    径に合わせたセンタリングピンを用いてセンタリングし
    た後、ホットプレスされることを特徴とする請求項2に
    記載の断熱金型作製方法。
  21. 【請求項21】 前記断熱金型は、請求項1ないし20
    の機能を包含したホットプレス機により作製されること
    を特徴とする請求項2に記載の断熱金型作製方法。
JP2000159821A 2000-05-30 2000-05-30 断熱金型製造方法と装置および断熱金型 Expired - Fee Related JP4081962B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000159821A JP4081962B2 (ja) 2000-05-30 2000-05-30 断熱金型製造方法と装置および断熱金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000159821A JP4081962B2 (ja) 2000-05-30 2000-05-30 断熱金型製造方法と装置および断熱金型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001334534A true JP2001334534A (ja) 2001-12-04
JP4081962B2 JP4081962B2 (ja) 2008-04-30

Family

ID=18664097

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000159821A Expired - Fee Related JP4081962B2 (ja) 2000-05-30 2000-05-30 断熱金型製造方法と装置および断熱金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4081962B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004078446A1 (ja) * 2003-03-03 2004-09-16 Matsushita Electric Industrial Co. Ltd. ディスク基板成形用金型およびディスク基板の製造方法
US7497916B2 (en) 2002-03-27 2009-03-03 Panasonic Corporation Method of manufacturing multilayer optical information recording medium
JP2010508554A (ja) * 2006-10-31 2010-03-18 オーワイ モディネス エルティディ. 複雑な三次元形状をもつ光学製品の製造方法および製造機構
KR101867237B1 (ko) * 2017-09-13 2018-06-12 강대웅 바틀링 사출금형장치

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7497916B2 (en) 2002-03-27 2009-03-03 Panasonic Corporation Method of manufacturing multilayer optical information recording medium
WO2004078446A1 (ja) * 2003-03-03 2004-09-16 Matsushita Electric Industrial Co. Ltd. ディスク基板成形用金型およびディスク基板の製造方法
US7311516B2 (en) 2003-03-03 2007-12-25 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Die for molding disk substrate and method of manufacturing disk substrate
JP2010508554A (ja) * 2006-10-31 2010-03-18 オーワイ モディネス エルティディ. 複雑な三次元形状をもつ光学製品の製造方法および製造機構
KR101867237B1 (ko) * 2017-09-13 2018-06-12 강대웅 바틀링 사출금형장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP4081962B2 (ja) 2008-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3382281B2 (ja) 熱可塑性樹脂射出成形用金型
JP3366739B2 (ja) 熱可塑性樹脂の射出成形用金型
JP3162522B2 (ja) 半導体装置の樹脂モールド方法及び樹脂モールド装置
JP2001334534A (ja) 断熱金型作製方法および作製装置
JPS62208919A (ja) 成形金型入子
JP3279859B2 (ja) プラスチック成形品の製造方法
JP2005313330A (ja) 射出成形金型
JPS6371325A (ja) デイスク基板製造装置とその製造方法
JPH09155986A (ja) 貼り合わせディスクおよびその製造装置ならびにその製造方法
JP3831147B2 (ja) 光ディスク基板成形装置
JP2002361689A (ja) 薄肉基板の成形方法、光ディスクメディア製造方法及び薄肉基板成形用スタンパ
JPH08127032A (ja) プラスチック成形品の製造方法
JPH11291292A (ja) 成形金型
JP3835626B2 (ja) 成形金型
JPH10149587A (ja) 光ディスク基板成形方法
JP3979841B2 (ja) 光ディスクの製造方法及び金型
JP3557520B2 (ja) ディスク基板成形方法
JP2001084652A (ja) 光ディスク成形用スタンパ、該スタンパの製造方法、該スタンパの製造装置、および該スタンパを用いた光ディスク基板の製造方法
JP2000263615A (ja) 光情報記録媒体基板の成形金型
JPS62208916A (ja) 精密成形品の成形方法および装置
JP2002347093A (ja) 射出成形金型
TW200826093A (en) Optical disk mold and method of forming the same
JPH09207176A (ja) 射出圧縮成形用の金型組立体及び射出圧縮成形方法
JPH10225962A (ja) 射出成形用金型
JP2001236697A (ja) スタンパ及びその製造方法、及びそのスタンパを用いたメディア製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20040721

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051122

A521 Written amendment

Effective date: 20060119

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20080122

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20080204

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110222

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees