JPH09300617A - インクジェットヘッド及びインクジェットヘッド部品の製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェットヘッド部品の製造方法

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JPH09300617A
JPH09300617A JP11990096A JP11990096A JPH09300617A JP H09300617 A JPH09300617 A JP H09300617A JP 11990096 A JP11990096 A JP 11990096A JP 11990096 A JP11990096 A JP 11990096A JP H09300617 A JPH09300617 A JP H09300617A
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ink
nozzle
liquid chamber
manufacturing
flow path
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JP11990096A
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Kunio Ikeda
邦夫 池田
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Ricoh Co Ltd
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 歩留り、ヘッド組立精度、部品精度、コスト
などの面で高密度化に対応することができない。 【解決手段】 インク流路壁16の反転形状をなす凹部
31と、液室15の反転形状をなす凸部32及びノズル
14の反転形状をなす凸部33とを有する母型34を転
写複製して、ノズル14、液室15及びインク流路壁1
6を一体形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ド及びインクジェットヘッド部品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、記録時の振
動、騒音が殆どなく、特にカラー化が容易なことから、
コンピュータ等のデジタル処理装置のデータを出力する
プリンタの他、ファクシミリやコピー機等にも用いられ
るようになっている。このようなインクジェット記録装
置に用いられるインクジェットヘッドは、圧電素子、発
熱抵抗体等のアクチュエータ素子を記録信号に応じて駆
動することによってノズルからインク滴を吐出飛翔させ
ることによって記録媒体上に画像記録を行なうものであ
る。
【0003】このようなインクジェットヘッドは、構造
上、ヘッド構成部材の積層の端面側よりインク滴を吐出
するエッジシュータ方式のものと、ノズル形成部材に円
形のノズルを形成するサイドシュータ方式のものとに大
別することができる。このサイドシュータ方式のインク
ジェットヘッドとしては、従来、例えば特開平6−25
5099号公報に記載されているように、圧電素子上
に、ダイアフラム部を有する振動板を積層し、この振動
板上に圧電素子でダイアフラム部を介して加圧される液
室及びこの液室にインクを供給するインク供給路を形成
する流路形成部材を積層し、更にこの流路形成部材上に
ノズルを形成したノズル形成部材を積層したものが知ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、インクジェ
ット記録装置に対する高速、高画質化の要求に伴ってイ
ンクジェットヘッドは多数のノズルを高密度に配列する
ようにしているので、ノズルのみならず、各ノズルが連
通する液室、液室にインクを供給するインク供給路、振
動板のダイアフラム部等も高密度化している。
【0005】そのため、振動板や流路形成部材及びノズ
ル形成部材をそれぞれ高精度に形成してもこれらの各部
材を積層接合するに際して位置ずれ等が生じやすくな
り、歩留り、ヘッド組立精度、部品精度、コストなどの
面で十分対応できなくなっている。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、生産性、位置精度に優れたインクジェットヘッド
及びインクジェットヘッド部品の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェットヘッドは、インク滴を吐
出するノズルと、このノズルが連通する液室と、この液
室にインクを供給するインク流路を有するインクジェッ
トヘッドにおいて、前記ノズル、液室及びインク流路の
壁部はこれらの各部を反転した形状を有する母型を転写
複製して一体形成されている構成とした。
【0008】請求項2のインクジェットヘッドは、イン
ク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する液室
と、この液室にインクを供給するインク流路と、アクチ
ュエータ素子で変位されるダイアフラム部を備えた振動
板とを有するインクジェットヘッドにおいて、前記振動
板及びインク流路の壁部は一体形成されている構成とし
た。
【0009】請求項3のインクジェットヘッド部品の製
造方法は、基板にインク流路の壁部の形状に相当する凹
部をフォトファブリケーション工法で彫り込んだ後、前
記基板にノズル及び液室の反転形状となる凸部を形成し
てなる母型を形成し、この母型の形状を転写複製して前
記ノズル、液室及びインク流路の壁部を一体形成する構
成とした。
【0010】請求項4のインクジェットヘッド部品の製
造方法は、上記請求項3のインクジェットヘッド部品の
製造方法において、前記母型の形状を高分子材料に転写
複製する構成とした。
【0011】請求項5のインクジェットヘッド部品の製
造方法は、上記請求項4のインクジェットヘッド部品の
製造方法において、前記母型の形状を転写複製した高分
子材料からなる複製部材の前記ノズルの吐出面側に撥水
層を形成する構成とした。
【0012】請求項6のインクジェットヘッド部品の製
造方法は、上記請求項5のインクジェットヘッド部品の
製造方法において、前記母型の形状を転写複製した高分
子材料からなる複製部材の表面に無電界ニッケルメッキ
層を形成した後、前記撥水層を形成する構成とした。
【0013】請求項7のインクジェットヘッド部品の製
造方法は、上記請求項3のインクジェットヘッド部品の
製造方法において、前記母型の形状を金属材料に転写複
製する構成とした。
【0014】請求項8のインクジェットヘッド部品の製
造方法は、上記請求項3乃至7のいずれかのインクジェ
ットヘッド部品の製造方法において、前記母型の形状を
転写複製した複製部材の前記ノズルの吐出面側表面に凸
状枠部を形成した構成とした。
【0015】請求項9のインクジェットヘッド部品の製
造方法は、上記請求項8のインクジェットヘッド部品の
製造方法において、前記凸状枠部はハードコート材を印
刷して形成する構成とした。
【0016】請求項10のインクジェットヘッド部品の
製造方法は、基板にインク流路の壁部の形状に相当する
凹部をフォトファブリケーション工法で彫り込んだ後、
振動板のダイアフラム部に相当する厚さのメッキを施
し、このメッキ上に更に部分的にメッキを厚付けして前
記振動板と前記インク流路の壁部を一体形成する構成と
した。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明を適用したイン
クジェットヘッドの要部断面図である。このインクジェ
ットヘッドは、駆動ユニット1及び液室ユニット2から
なり、駆動ユニット1は、絶縁性の基板3上にアクチュ
エータ素子である積層型圧電素子4を配置すると共に、
液室ユニット2を支えるフレーム5を接合している。一
方、液室ユニット2は、振動板7と本発明に係るインク
ジェットヘッド部品(以下「一体部品」という。)9と
を接合している。
【0018】液室ユニット2の振動板8は、圧電素子4
に接合する島状凸部10と圧電素子4で変位されるダイ
アフラム部11及びフレーム5と接合する厚肉剛体部1
2とを有する。また、一体部品9は、インクを吐出する
ノズル14と、ノズル14が連通し振動板8のダイアフ
ラム部10を介して加圧される液室15及び液室15に
インクを供給するインク流路の壁部(以下「インク流路
壁」という。)16とを有し、この一体部品9は、ノズ
ル14、液室15及びインク流路壁16を反転した形状
を有する母型を転写複製して一体形成した複製部材に、
ノズル吐出面側表面に撥水層17を成膜したものであ
る。
【0019】このように、ノズル、液室及びインク流路
の壁部はこれらの各部を反転した形状を有する母型を転
写複製して一体形成されている構成とすることによっ
て、極めて生産性に優れ、位置整合、位置精度に優れた
インクジェットヘッド部品を得ることができる。
【0020】そこで、この一体部品9の製造方法の一例
について図2乃至図4を参照して具体的に説明する。先
ず、図2及び図3を参照して一体部品9を製造するため
の母型の作製について説明すると、図2(a)に示すよ
うに基板21上にレジスト22を塗布焼き付けする。基
板21としては、ニッケル、ステンレスなどの金属板、
シリコン単結晶板、感光性ガラス板などを用いることが
できる。シリコン単結晶板や感光性ガラス板を用いる場
合には、別途スパッタリング法などによってメッキのた
めの導体化処理を行なう。シリコン単結晶板は、異方性
エッチング法が可能で、微細で高精度な形状食刻(エッ
チング)ができるという利点がある。ここでは、後述す
るように高分子材料成形用の母型を作製するので、ニッ
ケル基板を用いた。
【0021】そして、同図(b)に示すように上記のレ
ジスト22を塗布焼き付けた基板21に対して、インク
流路壁16に相当する幅寸法でレジスト22を露光・現
像してレジスト開口部23を形成した後、化学エッチン
グによって溝24を食刻する。この溝24はインク流路
壁16の反転形状をなす凹部を形成するものであって、
その深さはインク流路壁16の高さと一致する。その
後、レジスト22を一旦除去する。
【0022】次いで、同図(d)に示すように基板21
上に液室15の高さだけレジスト26を塗布して焼き付
ける。そして、所定のマスクを用いて露光し、現像する
ことによってレジスト26の内の液室15の形状寸法に
相当する液室相当部分27を除去して開口部26aを形
成して、基板21表面を露出させる。
【0023】その後、基板21の露出部分に活性化処理
を行なった後、図3(a)に示すようにレジスト26の
開口部26aにレジスト26の厚さに至るまでニッケル
メッキ28を施す。さらに、同図(b)に示すようにこ
れらのレジスト26及びニッケルメッキ28上にノズル
14の高さだけレジスト29を塗布し焼き付ける。
【0024】そして、所定のマスクを用いて露光し、現
像することによってレジスト29のうちのノズル14の
形状寸法に相当するノズル相当部分を除去してノズル1
4の直径と一致する形状の開口部29aを形成して、ニ
ッケルメッキ28表面を露出させ、ニッケルメッキ28
の露出部分に活性化処理を行なった後、レジスト29の
開口部29aにレジスト29の厚さに至るまでニッケル
メッキ30を施す。
【0025】その後、レジスト26,29を除去するこ
とによって、同図(c)に示すように基板21にインク
流路壁16の反転形状をなす凹部31と、液室15の反
転形状をなす凸部32及びノズル14の反転形状をなす
凸部33とを有する母型34が得られる。
【0026】そこで、この母型34を金型内に配置して
ABS樹脂などの熱可塑性樹脂を用いた射出成形を行な
うことによって、この母型34と反転一致した図4に示
すようなインク流路壁16、液室15及びノズル14を
一体に転写複製した高分子材料からなる複製部材35が
得られる。
【0027】なお、母型34の転写複製方法としては、
射出成形のほかに、紫外線硬化樹脂による方法、加熱圧
縮成形による方法なども用いることができる。また、イ
ンクジェットヘッドにおいては液室15及びノズル14
の吐出面側の形状精度が重要であるので、微小な成形バ
リは、プラズマ処理やレーザーなどによって除去する。
さらに、ここでは、シングルノズルの例で説明している
が、ノズル、液室、インク流路をアレー状に配置するマ
ルチノズル構成のインクジェットヘッドの場合にも同様
なフォトファブリケーション操作で製作することができ
る。
【0028】このように、写真製版技術とメッキ・エッ
チング技術を応用したフォトファブリケーション工法を
用いて、基板にインク流路壁の形状に相当する凹部をフ
ォトファブリケーション工法で彫り込んだ後、基板にノ
ズル及び液室の反転形状となる凸部を形成してなる母型
を形成し、この母型の形状を転写複製してノズル、液室
及びインク流路壁を一体形成したインクジェットヘッド
部品を製造することによって、極めて生産性に優れ、位
置整合や位置精度が高く、再現性に優れたインクジェッ
トヘッド部品を得ることができる。
【0029】また、母型を高分子材料に転写複製してモ
ールド一体型インクジェットヘッド部品を製造すること
によって、生産性が更に向上し、コストも一層廉価にな
ると共に、インク接液性に優れ、振動板との接合不良の
ない一体部品からなるインクジェットヘッドを構成する
ことができる。
【0030】次に、上記のようにして製作した高分子材
料からなる一体部品9のノズル14の吐出側表面には撥
水膜17を成膜して撥水性(撥インク性)を付与する。
ここで、一体部品9はABS樹脂で成形しているので、
四フッ化樹脂、窒化硼素などの微粒子をメッキ金属に共
析した複合メッキを用いて撥水膜17は複合メッキ皮膜
で形成している。
【0031】この場合、ABS樹脂を構成しているゴム
共重合体が薬品で選択的にエッチングされるので、メッ
キ皮膜のアンカー効果作用による微小凹部へのメッキ喰
いつき作用が期待できる。そこで、一体部品9のノズル
14の吐出面側表面に下処理として無電界メッキを施し
た後、電解若しくは無電解でフッ素樹脂をメッキ金属に
共析したメッキ液を用いて複合メッキ皮膜を例えば1〜
5μm厚で形成することによって、密着性の高い複合メ
ッキ皮膜による撥水層17を形成することができる。
【0032】なお、最終的なノズル精度を確保するため
には、一体部品9が予めメッキ皮膜厚分を含んだノズル
直径に成形されるように母型34を成形する。
【0033】次に、本発明に係る他のインクジェットヘ
ッド部品及びインクジェットヘッド部品の製造方法につ
いて図5を参照して説明する。先ず、図5(a)に示す
ようにステンレス基板41上にレジスト42を塗布焼き
付けする。ステンレス基板に代えて、シリコン単結晶
板、感光性ガラス板などを用いることができる。シリコ
ン単結晶板や感光性ガラス板を用いる場合には、別途ス
パッタリング法などによってニッケル、クロムなどの薄
膜を成膜してメッキのための導体化処理を行なう。
【0034】そして、同図(b)に示すように上記のレ
ジスト42を塗布焼き付けたステンレス基板41に対し
て、インク流路壁16に相当する幅寸法でレジスト42
を露光・現像してレジスト開口部43を形成する。この
開口部43はステンレス基板41が露出しているので、
化学エッチングによって食刻することができ、インク流
路壁16の高さと一致するまで食刻した後、レジスト4
2を一旦除去する。
【0035】次いで、同図(d)に示すように基板41
上に液室15の高さだけレジスト46を塗布して焼き付
ける。そして、所定のマスクを用いて露光することによ
ってレジスト46の内の液室15の形状寸法に相当する
液室相当部分47を硬化させ、更にこのレジスト46上
にノズル14の高さだけレジスト49を塗布し焼き付け
る。そして、所定のマスクを用いて露光することによっ
てレジスト49のうちのノズル14の形状寸法に相当す
るノズル相当部分50を硬化させる。
【0036】そして、これらを一括現像してレジスト4
6,49の未露光部分を除去することによって、同図
(d)に示すように基板41にインク流路壁16の反転
形状をなす凹部51と、レジストパターンで形成された
同軸の液室15の反転形状をなす凸部52及びノズル1
4の反転形状をなす凸部53とを有する母型54が得ら
れる。
【0037】そこで、この母型54にニッケルメッキを
する。基板41はステンレス基板であるので直接メッキ
することができる。メッキを続けることによってレジス
トパターン(凸部)52にせり出すように析出し、さら
に電析を続けると、レジストパターン(凸部)53の上
にせり出すので、狙いのせり出し量でメッキを停止し、
母型54をメッキから分離すると、所望のノズル、液室
及びインク流路壁を一体形成した一体部品を転写複製す
ることができる。そして、ノズル吐出面側表面に撥水膜
を成膜する。
【0038】このようにフォトファブリケーション工法
を用いて作製した母型をメッキ電鋳で金属材料に転写複
製するようにしたので、熱収縮などの生じない寸法安定
性に優れたインクジェットヘッド部品を得ることができ
る。また、金属材料からなるインクジェットヘッド部品
であるので、振動板部品との接合時において寸法変化が
少ないヘッド組立を行なうことができる。さらに、金属
材料からなるので、撥水膜などの表面処理を直接行なう
ことができ、生産性良く表面処理を行なえる。
【0039】次に、図6を参照して、本発明に係る他の
インクジェットヘッド部品について説明する。このイン
クジェットヘッド部品60は、上述したように母型を転
写複製してノズル、液室及びインク流路壁を一体成形し
たものであり、ここではノズル14等を複数形成したマ
ルチノズルタイプの一体部品61のノズル吐出面側表面
に、硬質の凸状枠部62を形成して、この凸状枠部62
及び凸状枠部62内に上述したようなフッ素樹脂による
複合メッキ皮膜からなる撥水膜63を成膜している。
【0040】この場合、一体部品61をメッキ・電鋳で
複製するときには、フォトファブリケーション操作で凸
状枠部62を形成してもよいし、ハードコート材を印刷
して、例えば紫外線硬化タイプの有機系硬質膜を印刷、
焼き付けして形成することもできる。
【0041】このようにノズル吐出面側表面に凸状枠部
を形成することによって、硬質かつ強固な密着性を有す
るので、ノズル吐出面側表面のワイピングによる撥水膜
の摩滅と端部からの剥離を防止することができる。そし
て、ハードコート材を印刷して凸状枠部を形成すること
によって低コストで枠部を形成することができる。
【0042】次に、本発明に係る更に他のインクジェッ
トヘッド部品及びインクジェットヘッド部品の製造方法
について図7及び図8を参照して説明する。先ず、図7
(a)に示すようにステンレス基板71上に前述したレ
ジストワークと同様にしてインク流路壁16の高さと一
致するまで食刻した凹部である溝72を形成する。そし
て、レジストを除去した後、同図(b)に示すように基
板71の全面に第1層のニッケルメッキ73をする。こ
のニッケルメッキ73が振動板8のダイアフラム部10
の厚みを規定するので、5〜30μmの範囲に設定す
る。
【0043】次いで、同図(c)に示すように基板71
上に所定の厚みのレジストを塗布して焼き付け、所定の
マスクを用いて露光し、現像することによって、振動板
8の島状凸部10及び厚肉剛体部12の反転形状をなす
レジストパターン74を形成して、ニッケル面露出部7
5とニッケル面非露出部76とを形成する。そして、ニ
ッケル面露出部75を活性化処理した後、同図(d)に
示すようにニッケルの厚付けメッキ77、78をする。
【0044】その後、ニッケルメッキ部全体を基板71
から分離すると、図8に示すようにインク流路壁16
と、島状凸部10、ダイアフラム部11及び厚肉剛体部
12を有する振動板8とを一体形成したインクジェット
ヘッド部品79が得られる。
【0045】このように、基板にインク流路の壁部の形
状に相当する凹部をフォトファブリケーション工法で彫
り込んだ後、ダイアフラム部に相当する厚さのメッキを
施し、このメッキ上に更に部分的にメッキを厚付けして
ダイアフラム部とインク流路の壁部を一体形成すること
によって、生産性に優れ、位置整合や位置精度の高いイ
ンクジェットヘッド部品を得ることができる。
【0046】なお、上記実施例においては、本発明をア
クチュエータ素子として圧電素子を用いるインクジェッ
トヘッド及びインクジェットヘッド部品に適用した例で
説明したが、その他の例えば発熱抵抗体等をアクチュエ
ータ素子に用いるインクジェットヘッド及びインクジェ
ットヘッド部品にも同様に適用することができる。ま
た、上記実施例では主としてシングルノズルの例で説明
しているが、ノズル、液室、インク流路をアレー状に配
置するマルチノズル構成のインクジェットヘッドの場合
にも本発明を同様に適用することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェットヘッドによれば、インク滴を吐出するノズル
と、このノズルが連通する液室と、この液室にインクを
供給するインク流路の壁部を反転した形状を有する母型
を転写複製してノズル、液室及びインク流路の壁が一体
形成されている構成としたので、生産性が向上し、位置
精度が向上する。
【0048】請求項2のインクジェットヘッドによれ
ば、アクチュエータ素子で変位されるダイアフラム部を
備えた振動板と、液室にインクを供給するインク流路の
壁部とが一体形成されている構成としたので、生産性が
向上し、位置精度が向上する。
【0049】請求項3のインクジェットヘッド部品の製
造方法によれば、基板にインク流路の壁部の形状に相当
する凹部をフォトファブリケーション工法で彫り込んだ
後、基板にノズル及び液室の反転形状となる凸部を形成
してなる母型を形成し、この母型の形状を転写複製して
ノズル、液室及びインク流路の壁部を一体形成する構成
としたので、生産性が向上し、位置精度に優れたインク
ジェットヘッド部品を得ることができる。
【0050】請求項4のインクジェットヘッド部品の製
造方法によれば、上記請求項3のインクジェットヘッド
部品の製造方法において、母型の形状を高分子材料に転
写複製する構成としたので、生産性が一層向上し、コス
トをより低減することができると共に、インク接液性に
優れたインクジェットヘッド部品を得ることができる。
【0051】請求項5のインクジェットヘッド部品の製
造方法によれば、上記請求項4のインクジェットヘッド
部品の製造方法において、母型の形状を転写複製した高
分子材料からなる複製部材のノズルの吐出面側に撥水層
を形成したので、安定したインク吐出特性が得られるイ
ンクジェットヘッド部品を得ることができる。
【0052】請求項6のインクジェットヘッド部品の製
造方法によれば、上記請求項5のインクジェットヘッド
部品の製造方法において、母型の形状を転写複製した高
分子材料からなる複製部材の表面に無電界ニッケルメッ
キ層を形成した後撥水層を形成するので、アンカー効果
によって撥水層の密着性が向上して剥離が防止される。
【0053】請求項7のインクジェットヘッド部品の製
造方法によれば、上記請求項3のインクジェットヘッド
部品の製造方法において、母型の形状を金属材料に転写
複製する構成としたので、熱収縮などが少なく、寸法安
定性が向上し、他の部品の接合における寸法変化の少な
いインクジェットヘッド部品が得られる。
【0054】請求項8のインクジェットヘッド部品の製
造方法によれば、上記請求項3乃至7のいずれかのイン
クジェットヘッド部品の製造方法において、母型の形状
を転写複製した複製部材のノズルの吐出面側表面に凸状
枠部を形成した構成としたので、撥水層の剥離を防止で
きると共に、耐ワイピング性に優れたインクジェットヘ
ッド部品を得ることができる。
【0055】請求項9のインクジェットヘッド部品の製
造方法によれば、上記請求項8のインクジェットヘッド
部品の製造方法において、前記凸状枠部はハードコート
材を印刷して形成する構成としたので、低コストで枠部
を形成することができる。
【0056】請求項10のインクジェットヘッド部品の
製造方法によれば、基板にインク流路の壁部の形状に相
当する凹部をフォトファブリケーション工法で彫り込ん
だ後、振動板のダイアフラム部に相当する厚さのメッキ
を施し、このメッキ上に更に部分的にメッキを厚付けし
て振動板とインク流路の壁部を一体形成する構成とした
ので、生産性が向上し、位置精度に優れたインクジェッ
トヘッド部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェットヘッドの要部
断面図
【図2】本発明に係るインクジェットヘッド部品の製造
方法の工程の一部の説明に供する模式的断面図
【図3】同インクジェットヘッド部品の製造方法の工程
の残部の説明に供する模式的断面図
【図4】同インクジェットヘッド部品の製造方法で製造
した母型を転写複製して得られる一体部品の断面図
【図5】本発明に係る他のインクジェットヘッド部品の
製造方法の工程の説明に供する模式的断面図
【図6】本発明に係る他のインクジェットヘッド部品の
概略斜視図
【図7】本発明に係る更に他のインクジェットヘッド部
品の製造方法の工程の説明に供する模式的断面図
【図8】同インクジェットヘッド部品の製造方法で製造
した母型にニッケルメッキを施して得られる一体部品の
断面図
【符号の説明】
1…駆動ユニット、2…液室ユニット、4…圧電素子、
8…振動板、9…一体部品、10…島状凸部、11…ダ
イアフラム部、12…厚肉剛体部、14…ノズル、15
…液室、16…インク流路の壁部、17…撥水膜。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通する液室と、この液室にインクを供給するイン
    ク流路を有するインクジェットヘッドにおいて、前記ノ
    ズル、液室及びインク流路の壁部はこれらの各部を反転
    した形状を有する母型を転写複製して一体形成されてい
    ることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通する液室と、この液室にインクを供給するイン
    ク流路と、アクチュエータ素子で変位されるダイアフラ
    ム部を備えた振動板とを有するインクジェットヘッドに
    おいて、前記振動板及びインク流路の壁部は一体形成さ
    れていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 インク滴を吐出するノズルと、このノズ
    ルが連通する液室と、この液室にインクを供給するイン
    ク流路を有するインクジェットヘッドの製造方法におい
    て、基板に前記インク流路の壁部の形状に相当する凹部
    をフォトファブリケーション工法で彫り込んだ後、前記
    基板に前記ノズル及び液室の反転形状となる凸部を形成
    してなる母型を形成し、この母型の形状を転写複製して
    前記ノズル、液室及びインク流路の壁部を一体形成する
    ことを特徴とするインクジェットヘッド部品の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のインクジェットヘッド
    部品の製造方法において、前記母型の形状を高分子材料
    に転写複製することを特徴とするインクジェットヘッド
    部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のインクジェットヘッド
    部品の製造方法において、前記母型の形状を転写複製し
    た高分子材料からなる複製部材の前記ノズルの吐出面側
    に撥水層を形成することを特徴とするインクジェットヘ
    ッド部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のインクジェットヘッド
    部品の製造方法において、前記母型の形状を転写複製し
    た高分子材料からなる複製部材の表面に無電界ニッケル
    メッキ層を形成した後、前記撥水層を形成することを特
    徴とするインクジェットヘッド部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載のインクジェットヘッド
    部品の製造方法において、前記母型の形状を金属材料に
    転写複製することを特徴とするインクジェットヘッド部
    品の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項3乃至7のいずれかに記載のイン
    クジェットヘッド部品の製造方法において、前記母型の
    形状を転写複製した複製部材の前記ノズルの吐出面側表
    面に凸状枠部を形成したことを特徴とするインクジェッ
    トヘッド部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のインクジェットヘッド
    部品の製造方法において、前記凸状枠部はハードコート
    材を印刷して形成することを特徴とするインクジェット
    ヘッド部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 インク滴を吐出するノズルと、このノ
    ズルが連通する液室と、この液室にインクを供給するイ
    ンク流路と、アクチュエータ素子で変位されるダイアフ
    ラム部を備えた振動板とを有するインクジェットヘッド
    の製造方法において、基板に前記インク流路の壁部の形
    状に相当する凹部をフォトファブリケーション工法で彫
    り込んだ後、前記振動板のダイアフラム部に相当する厚
    さのメッキを施し、このメッキ上に更に部分的にメッキ
    を厚付けして前記振動板と前記インク流路の壁部を一体
    形成することを特徴とするインクジェットヘッド部品の
    製造方法。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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