JPH10305091A - 光触媒作用を有する部材 - Google Patents

光触媒作用を有する部材

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JPH10305091A
JPH10305091A JP9118053A JP11805397A JPH10305091A JP H10305091 A JPH10305091 A JP H10305091A JP 9118053 A JP9118053 A JP 9118053A JP 11805397 A JP11805397 A JP 11805397A JP H10305091 A JPH10305091 A JP H10305091A
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JP
Japan
Prior art keywords
oxide
layer
titanium
photocatalytic action
photocatalytic
Prior art date
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Application number
JP9118053A
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English (en)
Inventor
Takashi Sawara
敬 佐原
Toshiharu Otsuka
敏治 大塚
Yuji Eguchi
勇司 江口
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基材、特に合成樹脂製基材に光触媒機能を有
する層を形成することにより、優れた防汚性、脱臭性、
抗菌性が付与された、光触媒作用を有する部材を提供す
る。 【解決手段】 基材上に光触媒機能を有する層が形成さ
れた光触媒作用を有する部材であって、基材と光触媒機
能を有する層との間に、該基材と光触媒機能を有する層
との間に、チタン化合物よりなる中間層が設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材上に、抗菌、
防汚及び防臭等の光触媒機能を有する層が積層された光
触媒作用を有する部材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光触媒機能を利用して日常の生活
環境で生じる有害物質、悪臭物質や油分等を分解・浄化
したり、MRSAなどの人体に有害な菌を殺菌したり、
表面を親水性にして汚れの付着を防止したりする試みが
あり、光触媒機能の適用範囲が広がりつつある。光触媒
機能を具体的に利用する方法としては、例えば、基材上
に光触媒機能を有する層を形成する方法が挙げられる。
【0003】しかしながら、光触媒機能を有する層(以
下、光触媒層という)を形成するための基材として合成
樹脂材料を使用した場合には、光触媒によってラジカル
が発生して、基材の合成樹脂が劣化することがあるた
め、種々の基材に対して光触媒機能を損なうことなく、
強固に、かつ長期間にわたって接着させる方法が求めら
れている。
【0004】また、合成樹脂基材上に光触媒層を形成し
ても、外圧を与えると剥がれ易いなど十分な密着性は得
られない。基材が無機材料の場合は、通常、光触媒層の
硬度や密着性を高めるために、高温で焼成して接着して
いるが、特に、基材が合成樹脂材料の場合には、このよ
うな高温で焼成して接着する方法を採用することができ
ず、合成樹脂材料基材上に直接塗布して光触媒層を形成
することは困難であった。
【0005】このような問題点を解決するために、例え
ば、特開平7−171408号公報には、基材上にケイ
素系ポリマー、フッ素系ポリマー等の難分解性の樹脂層
を設け、その上に光触媒層を積層する方法が開示されて
いる。しかし、この方法では、光触媒層を塗布した場合
に、はじきが生じたり、十分な密着性が得られない、透
明な基材に対して十分な透明性を有する光触媒層を形成
することができない等の問題点があった。
【0006】一方、合成樹脂材料は、その成形性や軽量
性などの利点を行かして種々の製品に使用されている
が、その表面が疎水性であるために汚れが付き易く、ま
た、傷が付き易いという問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、基
材、特に合成樹脂製基材に光触媒機能を有する層を形成
することにより、優れた防汚性、脱臭性、抗菌性が付与
された、光触媒作用を有する部材を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光触媒作用を有
する部材は、基材上に光触媒機能を有する層が形成され
た光触媒作用を有する部材であって、該基材と光触媒機
能を有する層との間に、チタンアルコキシド及びその加
水分解縮合物、チタンキレート化合物、ペルオキソチタ
ン酸及びその塩、並びに、チタネート系カップリング剤
から選ばれる1種以上のチタン化合物よりなる中間層が
設けられていることを特徴とする。
【0009】本発明において、光触媒機能を有する層
(以下、光触媒層という)とは、光触媒として、酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化タン
グステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化
ニッケル、酸化ルテニウム、酸化コバルト、酸化銅及び
酸化マンガンから選ばれる1種以上を含有する層をい
う。
【0010】上記光触媒層は、光触媒を含有するコーテ
ィング組成物を基材上に塗布、乾燥することにより形成
することができる。上記コーティング組成物には、必要
に応じて、光触媒以外に、バインダーポリマー;微粒子
状シリカ等の充填剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;レベ
リング剤;界面活性剤などが添加されてもよい。
【0011】上記コーティング組成物としては、市販品
をそのまま使用することができ、市販品としては、例え
ば、石原産業社製「ST−K03」、田中転写社製「T
Osol」等が挙げられる。
【0012】本発明において、基材と光触媒機能を有す
る層との間に設けられる中間層は、チタン化合物より形
成される。上記チタン化合物としては、常温で液体又は
有機溶剤に可溶なものが好ましく、酸化チタンや酸化チ
タンを分散させた液体等は好ましくない。
【0013】上記チタン化合物としては、チタンアルコ
キシド及びその加水分解縮合物、チタンキレート化合
物、ペルオキソチタン酸及びその塩、並びに、チタネー
ト系カップリング剤から選ばれる1種以上が挙げられ
る。
【0014】上記チタンアルコキシドは、一般式Ti
(OR)4 で表される。式中、Rは、炭素数1〜10の
アルキル基を示す。このようなアルキル基としては、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基
が好ましい。
【0015】上記チタンアルコキシドの具体例として
は、例えば、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラ−i
−プロポキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシル
オキシ)チタン等が挙げられ、これらは単独で用いられ
てもよく、二種以上が併用されてもよい。
【0016】上記チタンアルコキシドの加水分解縮合物
は、チタンアルコキシド同士の分岐状又は直鎖状の加水
分解縮合物であって、下記一般式(1)で表される。上
記チタンアルコキシドに塩酸等の酸触媒を含む水溶液を
加えると加水分解して、チタンアルコキシド同士の縮合
反応が起こる。
【0017】
【化1】
【0018】式中、Rは、炭素数1〜10のアルキル基
を示す。このようなアルキル基としては、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、n−オクチル基が好ましい。式中、nは、2〜20
の整数を示す。
【0019】上記チタンアルコキシドの加水分解縮合物
の市販品としては、例えば、日本曹達社製「B−2」
(R:ブチル基、n:2)、「B−4」(R:ブチル
基、n:4)、「B−10」(R:ブチル基、n:1
0)、「A−10」(R:イソプロピル基、n:10)
等が挙げられる。
【0020】上記チタンキレート化合物は、チタンにア
セチルアセトン等が配位したものであり、その特徴、用
途は、水酸基、アミノ基、チオール基等の活性酸素を有
する化合物及びエステル基を有する化合物と反応し、こ
の反応を利用してシリコーン樹脂、アルキッド樹脂等の
架橋剤、改質剤として使用されているものである。
【0021】このチタンキレート化合物を単独で用いて
加熱すると、加水分解、縮重合が起こり酸化チタンが生
成する。このようなチタンキレート化合物の好ましい具
体例としては、例えば、オキシビスアセチルアセトナト
チタン、テトラキスアセチルアセトナトチタン、ジブト
キシビスアセチルアセトナトチタン、ジイソプロポキシ
ビスアセチルアセトナトチタン、ジイソプロポキシビス
エチルアセチルアセトナトチタン、ジイソプロポキシビ
ストリエタノールアミナトチタン、ジヒドロキシビスラ
クタトチタン等が挙げられる。このようなチタンキレー
ト化合物としては、日本曹達社及び松本製薬社から市販
されている。
【0022】上記ペルオキソチタン酸は、H4 TiO5
で表される化合物であり、その塩としては、例えば、ペ
ルオキソチタン酸ナトリウム、ペルオキソチタン酸カリ
ウム等が挙げられる。
【0023】上記チタネート系カップリング剤とは、一
般的に、無機材料と有機材料、あるいは異種の有機材料
複合系において、化学的に両者を結び付けるか、又は化
学反応を伴って親和性を改善する材料である。
【0024】上記チタネート系カップリング剤の具体例
としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイル
チタネート、イソプロピルトリ−n−ドデシルベンゼン
スルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチ
ルピロホスフェート)チタネート、テトライソプロピル
ビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオ
クチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、
テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)
ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス
(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタ
ネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレン
チタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネー
ト、イソプロピルジメタクリロイルイソステアロイルチ
タネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチ
タネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェー
ト)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタ
ネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノ
エチル)チタネート等が挙げられ、これらは単独で用い
られてもよく、二種以上が併用されてもよい。
【0025】上記チタネート系カップリング剤の市販品
としては、例えば、味の素社製品が例示される。
【0026】上記中間層には、必要に応じて、微粒子状
シリカ等の充填剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;レベリ
ング剤;界面活性剤などが添加されてもよい。
【0027】本発明で用いられる基材としては、例え
ば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂等の合成樹
脂材料;セラミクス、ガラス等の無機材料;アルミニウ
ム等の金属材料;鋼等と異種金属との合金材料:不飽和
ポリエステルにガラスファイバーを分散させたFRP材
料などが挙げられる。
【0028】上記基材には、必要に応じて、密着性を向
上させるために前処理が施されてもよい。前処理として
は、例えば、コロナ放電処理;プラズマ処理;紫外線、
電子線、放射線等の電離活性線による処理;粗面化処
理;化学薬品処理;プライマー処理などが挙げられる。
【0029】本発明で用いられる中間層は、基材に上記
チタン化合物を塗布あるいは吹き付けることにより形成
される。上記塗布や吹き付けは、例えば、スプレーコー
ト、バーコート、ディッピング、ロールコート、スピン
コート等の公知の方法によって行うことができる。
【0030】上記塗布や吹き付け作業を容易に行うため
に、上記チタン化合物を有機溶剤に溶解させて溶液とし
て用いてもよい。有機溶剤としては、例えば、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類;メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;酢
酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール等のアルコール類の他、テト
ラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、水などが挙げ
られる。
【0031】上記中間層を形成する場合は、チタン化合
物を基材上に塗布あるいは吹き付けた後、80℃以上で
乾燥することが好ましい。このようにして形成された中
間層の厚みは、薄くなると均一な層を設けることが難し
くなり、厚くなるとクラックが発生したり、経済性が悪
くなるので、乾燥状態で0.01〜10μmが好まし
い。
【0032】本発明の光触媒作用を有する部材は、上記
中間層の上に、光触媒を含有するコーティング組成物を
塗布あるいは吹き付けて、光触媒層を形成することによ
り得られる。コーティング組成物の塗布あるいは吹き付
けは、中間層と同様の方法で行うことができる。
【0033】上記コーティング組成物を塗布あるいは吹
き付けた後、80℃以上で乾燥することが好ましい。使
用する基材により乾燥温度は異なるが、高温で乾燥した
方が、塗膜硬度、耐久性、親水性等の点から有利であ
る。基材が合成樹脂の場合は、耐熱性の問題から乾燥温
度は120℃以下が好ましいが、100℃前後の温度で
1〜10時間乾燥することにより、実用的な硬度の光触
媒層が得られる。
【0034】上記光触媒層の厚みは、薄くなると均一な
層を設けること難しくなり、厚くなるとクラックが発生
したり、経済性が悪くなるので、乾燥状態で0.01〜
20μmが好ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を説明す
る。 ・チタン化合物溶液(A)の調製 35重量%塩酸水溶液(和光純薬社製)0.1gをエチ
ルセロソルブ9.9gに溶解し、さらにテトラ−n−ブ
トキシチタン(日本曹達社製「B−1」)2.5gを加
えて混合し、20重量%のテトラ−n−ブトキシチタン
を含有する溶液を得た。
【0036】・チタン化合物溶液(B)の調製 エチルセロソルブ8.5gにオキシビスアセチルアセト
ナトチタン(和光純薬社製)1.5gを加えて混合し、
15重量%のオキシビスアセチルアセトナトチタンを含
有する溶液を得た。
【0037】・チタン化合物溶液(C)の調製 田中転写社製「PTAsol」をそのまま使用した。こ
の「PTAsol」は、ペルオキソチタン酸及びその塩
を、固形分濃度として3.5重量%含有する水溶液であ
る。
【0038】・チタン化合物溶液(D)の調製 味の素社製「38S(固形分約100重量%)」2g
を、エチルセロソルブ8gに溶解した。この「38S」
は、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェー
ト)チタネートを主成分とする。
【0039】・シラン化合物溶液(E)の調製 35重量%塩酸水溶液(和光純薬社製)0.1gをエチ
ルセロソルブ19.9gに溶解し、さらにテトラエトキ
シシラン(コルコート社製「エチルシリケート28」)
5gを加えて混合し、20重量%のテトラエトキシシラ
ンを含有する溶液を得た。
【0040】・シリコーン系ポリマー溶液(F) 東芝シリコーン社製「AS4000(固形分濃度20重
量%)」をそのまま使用した。この「AS4000」
は、熱硬化タイプのシリコーン系ポリマーを主成分とす
る。
【0041】・フッ素系ポリマー溶液(G)の調製 日本色材工業社製「PF250C(固形分濃度25重量
%)」にエチルセロソルブを加えて、フッ素系ポリマー
の含有量が20重量%となるように希釈した。この「P
F250C」は、フッ素を含有するモノマーの重合体を
主成分とする。
【0042】・光触媒を含有するコーティング組成物
(a) 石原産業社製「ST−K03」をそのまま使用した。こ
の「ST−K03」は、光触媒として酸化チタンを含有
するコーティング組成物である。
【0043】・光触媒を含有するコーティング組成物
(b)の調製 田中転写社製「TOsol」100重量部に、界面活性
剤としてポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート
(和光純薬社製)1重量部を配合してコーティング組成
物を調製した。
【0044】(実施例1〜8、比較例1〜6)表1に示
した基材(5×7cm、厚み3mm)上に、表1に示し
た中間層用溶液(A〜G)をスピンコートで塗布し、8
0℃で2分間乾燥させて、膜厚0.5〜1.5μmの中
間層を形成した。次いで、中間層上に、光触媒を含有す
るコーティング組成物をスピンコートにより塗布し、1
10℃で1時間乾燥させて、膜厚0.5〜2μmの光触
媒層を形成し、光触媒作用を有する部材を得た。
【0045】(比較例7)ポリカーボネート板基材上
に、光触媒を含有するコーティング組成物(a)「ST
−K03」を直接塗布して、光触媒作用を有する部材を
得た。
【0046】(比較例8)ポリカーボネート板基材上
に、光触媒を含有するコーティング組成物(b)「TO
sol」を直接塗布して、光触媒作用を有する部材を得
た。
【0047】
【表1】
【0048】尚、表1中、ポリカーボネート板は旭ガラ
ス社製「レキサン」、アクリル樹脂板は三菱レーヨン社
製「アクリライトEX」、ガラス板はマツナミ社製スラ
イドグラス「S9113」を、それぞれ使用した。
【0049】上記実施例及び比較例で得られた光触媒作
用を有する部材について、下記の性能評価を行い、その
結果を表2に示した。 (1)塗膜外観 目視観察により、透明性が優れ、塗膜の剥離が認められ
ないものを○とした。
【0050】(2)基材密着性の評価 光触媒層表面にカッターで傷を入れて、1mm角の碁盤
目を100個作り、その上にセロハン粘着テープ(積水
化学社製「#252」、25mm幅、SP粘着力:75
0gf/25mm幅)を貼着した。この粘着テープの一
端を光触媒層に対して直角に保った後、瞬間的に剥離す
る試験を全碁盤目について行い、剥離せずに残った碁盤
目の個数を表中に表示した。100個の碁盤目全部が剥
離した場合は0、全く剥離しなかった場合は100で示
した。
【0051】(3)耐払拭性の評価 光触媒層表面を、キムワイプ(十條キンバリー社製)に
よって、1cmφ単位円当たり500gの荷重を加えた
状態で100回払拭した後、表面を目視観察し、次の基
準で耐払拭性を評価した。 ◎:全く傷が認められなかった ○:数本の傷が認められた △:全面に傷が認められた ×:全面が剥離した
【0052】(4)耐汚染性の評価 光触媒層表面に、光源として高圧水銀灯を用いて、0.
5J/cm2 の紫外線を照射して光触媒層表面を親水性
とし、対水接触角を測定した後耐汚染性の評価を行っ
た。疑似汚染物質として、日本粉体工業協会から市販さ
れている「関東ローム(8種)」50重量部、ホルベイ
ン工業社から市販されている「カーボンブラック」10
重量部、ディーゼルオイル10重量部、及び水200重
量部からなる混合物を塗布した。80℃で10分間乾燥
後水を流下させて汚れを落とし、さらに乾燥させて目視
観察し、次の基準で耐汚染性を評価した。 ○:汚れが殆ど残っていなかった △:汚れがやや残っていた ×:汚れが全面に残っていた
【0053】(5)耐水接触角の評価 光触媒層表面につき、23℃、相対湿度50%の室内
で、協和界面科学社製FACE接触角計「CA−X15
0型」を用いて、液滴法によって耐水接触角の3点測定
を行い、その平均値を表中に表示した。
【0054】(6)基材の劣化評価 光触媒層表面につき、カラアナライザー(東京電色社製
「トップスキャンモデルTC−1800MKII」)で測
定した黄変度の初期値と、塗料褪色試験機(スガ試験機
社製「FM−1型」)で400時間紫外線を照射した後
で測定した黄変度との差で劣化評価を行った。この差
は、基材や塗膜の劣化によって大きくなるため、小さい
もの程劣化していないことになる。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明の光触媒作用を有する部材は、上
述の構成であり、基材上に硬度、密着性及び耐侯性に優
れた光触媒層を形成することによって、防汚性、脱臭
性、抗菌性が付与されるので、表面の汚れを水洗によっ
て簡単に除去することができる。従って、特に風雨に曝
される屋外での使用を目的とした部材に好適である。ま
た、基材と光触媒層との間に中間層を設けることによっ
て、光触媒層の密着性が優れると共に、基材の劣化を引
き起こすことがないので、特に合成樹脂材料を基材とし
て選択することが可能であり、その用途が拡がる。ま
た、光触媒層は透明性が優れるので、透明性を有する基
材の透明性を損なうことなく、防汚性、脱臭性、抗菌性
を付与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 3/00 C09K 3/00 S 112 112Z

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に光触媒機能を有する層が形成さ
    れた光触媒作用を有する部材であって、該基材と光触媒
    機能を有する層との間に、チタンアルコキシド及びその
    加水分解縮合物、チタンキレート化合物、ペルオキソチ
    タン酸及びその塩、並びに、チタネート系カップリング
    剤から選ばれる1種以上のチタン化合物よりなる中間層
    が設けられていることを特徴とする光触媒作用を有する
    部材。
  2. 【請求項2】 前記基材が、合成樹脂材料であることを
    特徴とする請求項1記載の光触媒作用を有する部材。
JP9118053A 1997-05-08 1997-05-08 光触媒作用を有する部材 Pending JPH10305091A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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