JPH10304973A - 加熱効率を改善した缶体 - Google Patents

加熱効率を改善した缶体

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JPH10304973A
JPH10304973A JP14981497A JP14981497A JPH10304973A JP H10304973 A JPH10304973 A JP H10304973A JP 14981497 A JP14981497 A JP 14981497A JP 14981497 A JP14981497 A JP 14981497A JP H10304973 A JPH10304973 A JP H10304973A
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heating efficiency
heating
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秀夫 倉島
Katsuhiro Imazu
勝宏 今津
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間で加熱することができる缶を提供す
る。 【解決手段】 金属板材で成形した缶体であって、底部
の接地面積を底部面積の2%〜100%とした加熱効率
を改善した缶体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は加熱効率を向上させ
た缶体に関する。さらに詳細には底部の構造を改良する
ことにより加熱効率を改善した缶体に関する。
【0002】
【従来の技術】金属板材で成形した缶体には底部を胴部
を一体に成形した缶胴部と、缶胴と別に成形した上蓋と
からなる2ピース缶体と、別々に成形した底蓋と、上蓋
と胴部とからなる3ピース缶体の2種がある。2ピース
缶体は金属板材から成形したカップを絞り加工としごき
加工または深絞り加工のみにより底を有する胴部を形成
し、これに別に成形した後内容物を充填した後蓋を巻締
めて装置した缶である。一方3ピース缶体は金属板材か
ら成形した胴部筒状体と別に成形した上蓋体と底蓋体か
らなり、胴部筒状体の下端部に底蓋体を巻締めて有底の
胴部とし、内容物を充填した後上部開口に上蓋体を巻締
めて装置とした缶である。これらの缶は販売時に内容物
を加熱する場合店頭で加熱プレートに載置して加熱され
る。通常はキャンウォーマーとよばれる加熱プレートを
複数段設置した棚により加熱されており、加熱プレート
は手前側に傾斜し、缶を取ると後の缶が手前側に移動し
取り易くなるように形成されている。したがって缶は底
から伝導により加熱されるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】缶を加熱プレートによ
り加熱する場合手で持つことができて飲み頃の温度であ
る55℃±5℃の適切な温度まで昇温するのに長時間を
必要とする問題がある。2ピース缶体の1種である絞り
しごき缶体を用いたガスを含まない、加温される内容物
を例えばコーヒー、紅茶などの内容物を内蔵する陰圧缶
は耐圧性を向上させるため、底中央部が缶内に凸状のド
ーム形状となっており、かなり深く底上げされているの
で接地部は線接触状態で接地面積はかなり少ない。ま
た、2ピース缶体のもう1種である深絞り缶体は、周縁
近くに一つのリング状接地部があり、ボトムシンクが2
mmから4mmの深さを有する底部が形成されるが、や
はり接地部は線接触状態であり、接地面積はかなり少な
い。3ピース缶体も胴部端部と底蓋との巻締め部がある
ためカウンターシンクが3.5mm〜6.5mmの深さ
を有し、巻締め部が接地部となるが、接地部は線接触状
態であり、接地面積はかなり少ない。このため底からの
加熱に長時間を必要とした。本発明はこのような問題を
解決した缶を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、 「1. 金属板材で成形した缶体であって、底部の接地
面積を底部面積の2%〜100%とした加熱効率を改善
した缶体。 2. 缶体が2ピース缶体であって、底周縁の接地部の
巾を広くした、1項に記載された加熱効率を改善した缶
体。 3. 缶体が2ピース缶体であって、底中央部を外方に
突出する凸状の接地部を1または1以上配置した、1項
または2項に記載された加熱効率を改善した缶体。 4. 缶体が2ピース缶体であって、底部のパネルに外
方に突出するリング状の接地部を1または2以上配置し
た、1項ないし3項のいずれか1項に記載された加熱効
率を改善した缶体。 5. 缶体が3ピース缶体であって、缶底蓋のカウンタ
ーシンクを4.5mm〜3mmの浅い形状とした、1項
に記載された加熱効率を改善した缶体。 6. 缶体が3ピース缶体であって、巻締め接地部を巾
広に平坦にした、1項または5項に記載された加熱効率
を改善した缶体。 7. 缶体が3ピース缶体であって、缶底蓋にパネルに
外方に突出する凸状の接地突起を1または2以上配置し
た、1項、5項、6項のいずれか1項に記載された加熱
効率を改善した缶体。 8. 缶体が3ピース缶体であって、缶底蓋のパネルに
突出するリング状の凸状の接地部を1または2以上配置
した、1項、5項、6項、7項のいずれか1項に記載さ
れた加熱効率を改善した缶体。 9. 缶底または底蓋部がアルミニウム材から構成され
ている、1項ないし8項のいずれか1項に記載された加
熱効率を改善した缶体。」に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は缶の底部の加熱プレート
を接触する接地面積を全底部面積の2%〜100%とし
た。好ましくは5%〜60%である。接地面積を全底部
面積の100%としたのは、缶の伝熱は底からの伝導が
主であるので、全底部が接地することが熱伝導効果が最
も大きくなるからであるが、陰圧缶であっても内容物の
重量により変形しないことが必要であり、底材の厚みや
材質、内容物等により、60%以下の接地面積が実用上
好ましい。ここで言う全底部面積とは缶体に囲まれた缶
底の面積である。また2%以下では伝熱効果が乏しくな
るので、2%以上であることが好ましく、特に5%以上
が好ましい。従来の缶の接地部は、ほぼ線接触状態であ
り接触している巾はおよそ0.2mmであり、接地面積
は全底部面積の0.92%から1.40%と極めて小さ
いことからみて本発明では接地部の接地面積が非常に大
きい。缶をキャンウォーマー等の加熱プレートで加熱す
ると、従来は伝導と輻射により加熱されると考えられて
来たが本発明者の研究によると実際はほとんど伝導によ
り行われることがわかった。そのため接地面積を大きく
することが有効であり、2%以下では効率が少ない。
【0006】実用されている2ピース缶体と3ピース缶
体を図面により説明する。図1〜図3は2ピース缶体で
ある。図1と図2はタルク缶を示す。タルク缶は合成樹
脂フイルムをラミネートした金属薄板を絞り、または絞
り、しごき加工して形成した2ピース缶体の一種の通称
名であり、接地部15と缶胴部1と巻締め部3で結合し
た上蓋4とからなっている。また図2に示すようにタル
ク缶の胴部に多数の三角形状の凹み14を設けたタルク
ダイヤカット缶と呼ばれるものもある。図3はアルミニ
ウム薄板を絞り、しごき加工により成形した後に塗装を
施したDI缶であり蓋4が巻締め部3で缶胴開口部と結
合している。この例では底を缶内に凸のドーム状凸状部
15を形成している。図4は缶胴部1と上蓋4、下蓋5
を夫々別々に成形し、胴部と蓋を巻締めて形成した3ピ
ース缶体である。3は巻締め部である。
【0007】これ等の缶の接地部は実質的に線接触であ
って接地面積は非常に小さい。これ等の2ピース缶体及
び3ピース缶体の接地部は巾0.2mmの狭い接地部で
ある。3ピース缶体には缶胴側面部を接着剤で接着した
缶もある。このような缶には例えば商品名トーヨーシー
ム缶等がある。図4で示される3ピース缶体の缶と胴部
との巻締め部の高さLをカウンターシンクと呼ぶ。通常
の3ピース缶体ではカウンターシンクは6.1〜3.5
mmである。通常加熱して飲む飲料缶は陰圧缶が多く、
2ピース缶体ではバキュームに耐えるために缶体の肉厚
を厚くしたり、ビードを設けたり、図3に示すように底
部を缶内に凸状ドームにしたりする。
【0008】2ピース缶体の場合、缶底からの加熱では
接地部からの伝熱は底部と胴部が一体なので胴部にも熱
が伝わり、底部からの缶内の対流と缶胴部からの缶内の
対流の相乗効果により行われる。また、2ピース缶体の
場合、底部、胴部は一体成形されるので底部形状の制約
はあまりないが、従来は取り扱い上の点から滑り性向上
のために接地面積を小さくすることが実施されている。
通常はそのため底部周縁近傍にリング状凸状接地部が形
成されており、その高さは図1の2で示す底部との距離
でボトムシンクと呼ばれているが、ボトムシンクは2.
5mmから3.5mmほどに設定されている。2ピース
缶体のリング状凸状接地部は空間であるため液を充填す
ると接地部近傍まで液が存在するので、ボトムシンクが
高くなっても液への熱伝達はそれほど低下しないと考え
られるが、実際はボトムシンクが低いほど加熱効率はよ
い。そこで、2ピース缶体では取り扱い上の滑り効果を
多少小さくしても接地部の接地巾を広げることにより接
地面積を大きくし、伝熱効果を向上することができるこ
とがわかった。また、2ピース缶体では図5に示すよう
に底部に外方に突出する複数の凸状の接地部6を形成す
ることや缶中央部に同心円状に複数のリング状突出部を
形成することにより耐圧性を損なうことなく接地面積を
向上することもできる。
【0009】一方、3ピース缶体の場合は図4に示すよ
うに缶の胴部下端に下蓋5を巻き締めて結合させるが、
この巻締め部は下蓋の巻締め部3にパッキングの作用す
る樹脂層が配置されており巻き締めた時、この樹脂層が
断熱材として作用するので熱は胴部に伝わり難くなるた
め、加熱はもっぱら底部からの加熱による缶内の対流に
より行われ、缶胴からの加熱は非常に少ない。カウンタ
ーシンクが深いと底内容物は接地部から離れていくため
熱伝導量の距離によるロスが大きくなる。したがって、
缶底部の加熱を大きくして内容物への熱伝導量を確保す
るためカウンターシンクを浅くすることが有効であり、
本発明者の研究によると4.5mmから3mmの浅い形
状として接地部から缶底部への伝熱量をロスさせないこ
とが非常に効果があること、さらに底が加熱材から離れ
ているので伝導だけでなく底部の輻射熱の吸収も大きく
する必要があるがことがわかった。またカウンターシン
クは4.5mmから3.5mmであることが、巻締め性
やレトルト耐性等の点から好ましい。下蓋と缶胴下端の
巻締め部の接地部を接地巾が広がるように平坦にするこ
とにより接地面積が向上できる。さらに、缶下蓋のパネ
ルの外方に凸状の接地突起を1個または複数配置するこ
とにより接地面積を大きくするとともにこの突起がビー
ドとしても作用し耐圧性を向上することができる。凸状
の接地突起は底中心と同心状のリング状突起でも、台形
状でもよく1または2以上設けることができる。また、
図6に示すように底部に適当な大きさの凸状突起部6を
複数設けて接地面積を増加させることができる。
【0010】2ピース缶体としてはスズメッキ鋼板ある
いはアルミニウム板を用いたDI缶やティンフリースチ
ールを用いたタルク缶が使用され、3ピース缶体として
はスズメッキ鋼板あるいはティンフリースチール(以下
TFSという)を用いた溶接缶や接着缶が使用される。
缶体または缶底あるいは下蓋部がアルミニウム材で構成
されている場合はスチール材で構成されている場合より
加熱効率は高いことが本発明者らの研究によりわかっ
た。これはアルミニウム材の熱伝導率がスチールのそれ
よりも高いため伝熱ロスが少なくなることと伝熱量が大
きくなるためと考えられる。したがって、缶体または缶
底あるいは下蓋部をアルミニウム材で構成することによ
り加熱効率向上の効果がある。
【0011】
【実施例】
実施例1 図7で示ずフイルムをラミネートしたTFS薄板を深絞
り成形した径52.5mm、高さ105mmのタルク缶
であって底部にリング状の巾の広い接地部7を形成し接
地面積を367.6mmとした。接地面積は底面積の
17.3%である。
【0012】実施例2〜3 接地面積と全底部面積に対する接地面積の比率を表1の
通りにした以外は実施例1と同様にしてタルク缶とし
た。
【0013】実施例4 図8に示すフイルムをラミネートしたTFS薄板を深絞
り成形した径52.5mm、高さ105mmのタルク缶
であって底部に2つの同心円のリング状巾の広い接地部
8を形成し接地面積を546.6mmとした。接地面
積は底面積の25.7%である。 実施例5 接地面積を735.1mmとした他は実施例4と同様
にした。接地面積は底面積の34.6%である。
【0014】実施例6 図9に示すフイルムをラミネートしたTFS薄板を深絞
り成形した径52.5mm、高さ105mmのタルク缶
であって、底中央部に接地突起9を形成し接地面積を3
14.2mmとした。接地面積は底面積の15%であ
る。 実施例7〜8 接地面積と缶底部面積に対する接地面積の比率%を表1
とした以外は実施例6と同様にしてタルク缶とした。
【0015】実施例9 図10に示すTFS薄板を別々に成形した上蓋4と下蓋
5および同じ薄板を接着した缶胴1からなり、缶胴に蓋
を夫々巻き締めた3ピース缶体であって、カウンターシ
ンクLの深さは4.1mmの長さであり、接地面積は4
3.9mmである。缶胴の外径は52.5mm、高さ
105mmである。接地面積は全底部面積の2.0%で
ある。
【0016】実施例10 図11に示すTFS薄板を別々に成形した上蓋4と下蓋
5および同じ薄板を接着した缶胴1からなり、缶胴に蓋
を夫々巻き締めた3ピース缶体であって、巻締め部は平
坦な接地部10であって、接地面積は377.0mm
である。接地面積は全底部面積の17.8%である。 実施例11、12 接地面積を表1に示すようにした他は実施例10と同様
にした3ピース缶体である。
【0017】実施例13 図12に示すTFS薄板を別々に成形した上蓋4と下蓋
5および同じ薄板を接着した缶胴1からなり、缶胴に蓋
を夫々巻き締めた3ピース缶体であって、接地部は下蓋
に設けた外方に突出するリング状突起11であり、接地
面積は546.6mmである。接地面積は全底部面積
の25.7%である。 実施例14 接地面積を735.1mmとした他は実施例13と同
様にした3ピース缶体である。
【0018】実施例15 図13に示すTFS薄板を別々に成形した上蓋4と下蓋
5および同じ薄板を接着した缶胴からなり、缶胴に蓋を
夫々巻き締めた3ピース缶体であって、接地部は下蓋中
央部に設けた外方に突出する突起12であり、接地面積
は314.2mmである。接地面積は全底部面積の1
5%である。 実施例16〜18 接地面積を表1に示すようにした他は実施例15と同様
にした3ピース缶体である。
【0019】実施例19 図14に示すアルミニウム薄板を絞り、しごき加工した
2ピース缶体であって、蓋4と巻き締めた缶である。接
地部7の接地面積は130.4mmである。接地面積
は全底部面積の6.0%である。
【0020】実施例20 図4と同じ形状であるが下蓋5をアルミニウム薄板で形
成し、缶胴1と上蓋4はTFS薄板で形成した平らな下
蓋の3ピース缶体であって、カウンターシンクの深さは
4.2mmであり、接地面積は43.9mmである。
接地面積は全底部面積の2.0%である。
【0021】比較例1 図1に示されるフイルムをラミネートしたTFSの薄板
を深絞り成形した従来のタルク缶であって、リング状の
接地部1は線接触接地部となっている。ボトムシンクの
高さは2.8mmであり、接地面積は28.8mm
ある。接地面積は全底部面積の1.33%である。 比較例2 図4に示される、従来の上蓋4と下蓋5と缶胴1をTF
S薄板で夫々成形し、缶胴は接着して形成した3ピース
缶体であって、カウンターシンクは6.1mmであり、
接地面積は31.6mmである。接地面積は全底部面
積の1.44%である。 比較例3 カウンターシンクを4.1mmとし、接地面積を31.
6mmとした以外は比較例2と同じにした3ピース缶
体である。接地面積は全底部面積の1.44%である。
【0022】比較試験 段ボール箱に囲まれた70℃から90℃に設定されてい
るホットプレートに液体(水を使用した)を同量充填し
た実施例および比較例の各缶種を10缶載せ、各缶内の
ほぼ中間点の内容液の温度上昇の過程を熱電対で測定し
た。 (評価方法)比較試験により各缶種の内容液の温度上昇
を測定して、15℃から55℃になるまでの経過時間
(秒)を計った。また、比較例の昇温時間TOに対する
実施例の昇温時間Tnの短縮率((TO−Tn)/TO
*100%)を求めた。昇温時間が短いほど、また、昇
温時間短縮率が大きいほど加熱効率向上の効果が大きく
なる。測定結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】(註)昇温経過時間は缶内の水が15℃か
ら55℃になる経過時間である。昇温短縮率は比較例の
昇温時間TOに対する実施例の昇温時間Tnの短縮率で
あって(TO−Tn)/TO*100%で示され、実施
例1〜8は比較例1と、実施例9は比較例2と、実施例
10〜18は比較例3と対比した。実施例19は比較例
3と対比した。実施例20は比較例3と対比した。表1
中の接地面積は全底部面積に対する接地面積の%であ
る。
【0025】実施例1〜8と比較例1の測定結果を対比
すると、実施例1〜8は全底部面積に対する接地面積の
比率は約15%〜60%を占めていて、昇温時間短縮率
はほぼ比例して上昇しているのがわかった。したがっ
て、全底部面積に対する接地面積の比率が100%まで
昇温時間短縮率は上昇傾向にある。また、15%より以
下の場合も比較例1に対して昇温時間短縮率が大きい。
すなわち、比較例1より接地面積が大きければ昇温時間
短縮率は大きくなり、加熱効率向上の効果がある。実施
例9と比較例2の測定結果を対比すると、カウンターシ
ンクは浅い方が加熱効率が高いことがわかる。したがっ
て接地面積が増加すれば加熱効率が向上することがわか
る。
【0026】実施例10〜18と比較例3の測定結果を
対比すると、比較例3での昇温時間は約6700秒であ
ったが、実施例10から18の巻締め部巾広平坦接地部
の缶、リング状接地部の缶及び中央凸状接地部の缶では
その形状に関わらず、昇温時間はほぼ接地面積に反比例
して低減しているのがわかった。しかし、2ピース缶体
と異なっている点として接地面積が400mm程の領
域において昇温時間はかなり短くなることがわかった。
すなわち、3ピース缶体の場合は接地面積が少しでも大
きくなると昇温時間がかなり短縮できる効果がある。ま
た、実施例10から18は全底部面積に対する接地面積
の比率は約15%から約85%の間を占めていて、昇温
時間短縮率はほぼ比例して上昇しているのがわかった。
したがって、全底部面積に対する接地面積の比率が10
0%までは昇温時間短縮率が上昇傾向にある。また、1
5%より以下の場合も比較例3に対して昇温時間短縮率
が大きい。また、全底部面積に対する接地面積の比率が
20%位までに昇温時間短縮率は大きく変化しているこ
とがわかる。したがって、3ピース缶体の場合は接地面
積の増加が少しでも加熱効率の向上が効果は大きいこと
がわかった。すなわち、比較例3より接地面積が大きけ
れば昇温時間短縮率は大きくなり、加熱効率向上の効果
があることが証明された。
【0027】実施例19、20と比較例3の測定結果を
対比すると、昇温時間は実施例19が5300秒、実施
例20が5720秒比較例3が6655秒であった。実
施例19、20とも昇温時間が短いことがわかった。昇
温時間短縮率は、実施例19が20.4%であり、実施
例20が140%である。したがって、実施例19、2
0のようにアルミ製の缶底や缶蓋の場合、TFS製のも
のと比較して加熱効率向上の効果があることがわかっ
た。
【0028】
【発明の効果】本発明により、缶底あるいは底蓋部の接
地面積を大きくしたのでキャンウォーマー等のように缶
底から加温する装置により内容液を温める場合加熱効率
を向上させる効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】2ピース缶体の概略図である。
【図2】2ピース缶体のもう一つの概略図である。
【図3】2ピース缶体のさらにもう一つの概略図であ
る。
【図4】3ピース缶体の概略図である。
【図5】2ピース缶体の缶底に複数の凸状接地部を設け
た説明図である。
【図6】3ピース缶体の缶底蓋に複数の凸状接地部を設
けた説明図である。
【図7】底部にリング状の巾広の接地部を設けた2ピー
ス缶体の説明図である。
【図8】底部に2つの同心円のリング状の巾広の接地部
を設けた2ピース缶体の説明図である。
【図9】底中央部に接地突起を形成した2ピース缶体の
説明図である。
【図10】実施例9の3ピース缶体の説明図である。
【図11】下蓋の巻締め部が平坦な接地部である3ピー
ス缶体の説明図である。
【図12】下蓋に設けた外方に突出するリング状突起の
ある3ピース缶体の説明図である。
【図13】下蓋中央部に突出する突起のある3ピース缶
体の説明図である。
【図14】アルミ製缶胴と缶底の2ピース缶体の説明図
である。
【符号の説明】
1 缶胴部 2 ボトムシンク 3 巻締め部 4 上蓋 5 下蓋 6 凸状接地部 7 巾広接地部 8 リング状接地部 9 中央接地突起 10 平坦な接地部 11 リング状突起 12 外方に突出した突起 13 接地部 14 三角状の凹み L カウンターシンク

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板材で成形した缶体であって、底部
    の接地面積を底部面積の2%〜100%とした加熱効率
    を改善した缶体。
  2. 【請求項2】 缶体が2ピース缶体であって、底周縁の
    接地部の巾を広くした、請求項1に記載された加熱効率
    を改善した缶体。
  3. 【請求項3】 缶体が2ピース缶体であって、底中央部
    を外方に突出する凸状の接地部を1または1以上配置し
    た、請求項1または2に記載された加熱効率を改善した
    缶体。
  4. 【請求項4】 缶体が2ピース缶体であって、底部のパ
    ネルに外方に突出するリング状の接地部を1または2以
    上配置した、請求項1ないし3のいずれか1項に記載さ
    れた加熱効率を改善した缶体。
  5. 【請求項5】 缶体が3ピース缶体であって、缶底蓋の
    カウンターシンクを4.5mm〜3mmの浅い形状とし
    た、請求項1に記載された加熱効率を改善した缶体。
  6. 【請求項6】 缶体が3ピース缶体であって、巻締め接
    地部を巾広に平坦にした、請求項1または5に記載され
    た加熱効率を改善した缶体。
  7. 【請求項7】 缶体が3ピース缶体であって、缶底蓋に
    パネルに外方に突出する凸状の接地突起を1または2以
    上配置した、請求項1、5、6のいずれか1項に記載さ
    れた加熱効率を改善した缶体。
  8. 【請求項8】 缶体が3ピース缶体であって、缶底蓋の
    パネルに突出するリング状の凸状の接地部を1または2
    以上配置した、請求項1、5、6、7のいずれか1項に
    記載された加熱効率を改善した缶体。
  9. 【請求項9】 缶底または底蓋部がアルミニウム材から
    構成されている、請求項1ないし8のいずれか1項に記
    載された加熱効率を改善した缶体。
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