JPH10304764A - 苺等の蔓性作物の栽培方法と栽培用設備 - Google Patents

苺等の蔓性作物の栽培方法と栽培用設備

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JPH10304764A
JPH10304764A JP9130290A JP13029097A JPH10304764A JP H10304764 A JPH10304764 A JP H10304764A JP 9130290 A JP9130290 A JP 9130290A JP 13029097 A JP13029097 A JP 13029097A JP H10304764 A JPH10304764 A JP H10304764A
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Japan
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cultivation
pot
shelf
vine
runner
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JP9130290A
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Koichi Uehara
孝一 上原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 苺等の蔓性作物の栽培に際し、親苗株から子
株を大量に育成することができ、かつ該子株の育成・栽
培、果実の育成・栽培の作業性、管理を向上させること
ができる苺等の蔓性作物の栽培方法と栽培用設備を提供
する。 【解決手段】 親苗を植えたポットを所定間隔で棚に載
せて、該親苗株からランナーを育成し、かつ該ランナー
を垂れ状に、該棚から垂れ下がらせた後、該垂れ下がっ
たランナーを切断して子株を得て、該子株を培地に移植
して、前記蔓性作物の栽培を行う構成からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、苺等の蔓性作物の
栽培方法と栽培用設備に係り、より詳細には、苺等の蔓
性作物の親苗株から子株を大量に育成し、該子株の育成
・栽培の作業性を向上させることができる栽培方法と栽
培用設備に関する。
【0002】
【従来の技術】蔓性作物を栽培するには、例えば、苺の
場合で説明すると、苺親苗から複数子(本)の子株を育
成し、該子株を苺用畑地に移植することで行っている。
すなわち、苺用畑地に、直接、10a当り約450本の
苺親苗株を植え付けて育成し、翌年、該苺親苗株よりラ
ンナーを発生させ、該ランナーを切断して苺子株を得
て、該苺子株を培地の入った育成ポットに入れ、該育成
ポットを栽培ほ場の地面にシートをひいて、該シート上
に並べて育成・管理を行い、所定の栽培用苗に成育した
後、畑地に移植することで苺栽培を行っている。なお、
このような方法によって得られる子株(栽培用苗)は、
7500本〜8000本程度である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した苺栽
培方法の場合、次のような課題がある。すなわち、 苺親苗株を畑地に植え付けて複数本の苺子株を得る
方法であるため、その作業性が悪い。すなわち、腰を曲
げたままでの作業が殆どであるため、苺生産者の肉体的
負担が多くなる。 苺親苗株から発生するランナーは、畑地を這った状
態で延びるため、その発生本数が少なく、また1つのラ
ンナーから得られる子株数が少なく、しかも、該ランナ
ーに発生している子株の数を確認することが難しい。 複数本のランナーが絡み合ってしまうので、その成
長が遅くなる。 各苺親苗株を均等に育成させることが難しく、根腐
れや褐変根の発生割合が多い。 苺子株を良好な状態で、育成させるには、水はけ、
風通し、斜光条件の良好な環境に置く必要があるが、該
苺子株を植え付けた栽培ポットを移動させることが難し
く、その作業性が悪い。また、風等により倒れたりする
ことがあり、その管理が難しい。等の課題がある。そし
て、このようなことは、苺の他に、他の蔓性作物におけ
る苗育成においても同様のことが言える。例えば、胡
瓜、南瓜、等についても同様である。
【0004】また、子株を畑地に移植して、苺苗の栽培
を行い、苺を収穫する場合、該苺に日光(光)が当たる
個所と、当たらない個所が生じて、色つきにバラツキが
生じることがある。また畑の場合、地面上に苺が接触状
態となるので、外温・夜温の温度低下により色付きが悪
くなるという課題がある。
【0005】本発明は、以上のような課題に対処して創
作したものであって、その目的とする処は、苺等の蔓性
作物の栽培に際し、親苗株から子株を大量に育成するこ
とができ、かつ該子株の育成・栽培、果実の育成・栽培
の作業性、管理を向上させることができる苺等の蔓性作
物の栽培方法と栽培用設備を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そして、上記課題を解決
するための手段としての本発明の請求項1の苺等の蔓性
作物の栽培方法は、親苗を植えたポットを所定間隔で棚
に載せて、該親苗株からランナーを育成し、かつ該ラン
ナーを垂れ状に、該棚から垂れ下がらせた後、該垂れ下
がったランナーを切断して子株を得て、該子株を培地に
移植して、前記蔓性作物の栽培を行うことを特徴とす
る。請求項2の栽培方法は、前記請求項1の発明におい
て、前記親苗株を植えたポットを複数段または多数列、
前記棚に載せてなることを特徴とする。また請求項3の
栽培方法は、前記請求項1の発明において、前記子株を
移植する培地が、前記ポットより小さい栽培ポット、ま
たは畑地、あるいは立体構造に配置した培地であること
を特徴とする。請求項4の栽培方法は、前記請求項1〜
2の発明において、前記棚の高さが、80cm〜120
cm、棚の幅が、20cm〜30cmからなることを特
徴とする。
【0007】請求項5の苺等の蔓性作物の栽培方法は、
親苗を植えたポットを所定間隔で棚に載せて、該親苗株
からランナーを育成し、かつ該ランナーを垂れ状に、該
棚から垂れ下がらせた後、該垂れ下がったランナーを切
断して子株を得て、該子株を前記ポットより小さい栽培
ポットに移植し、該栽培ポットを複数個の凹部を備えた
複数個のトレイの該凹部にはめ込むと共に、該トレイを
嵌め込み自在で、かつ脚部を折り畳みまたは分解可能な
トレイ保持台に保持させ、該栽培ポットの上方から水を
散布し、かつ肥料を供給して苗の栽培を行うことを特徴
とする。
【0008】請求項6の苺等の蔓性作物の栽培方法は、
親苗を植えたポットを所定間隔で棚に載せて、該親苗株
からランナーを育成し、かつ該ランナーを垂れ状に、該
棚から垂れ下がらせた後、該垂れ下がったランナーを切
断して子株を得て、該子株を立体的に配置した栽培棚の
培地に移植し、該培地の上方から水を散布し、また肥料
を供給して蔓性作物の栽培を行うことを特徴とすること
を特徴とする。
【0009】また、本発明の請求項7の栽培用設備は、
複数個の栽培ポットと、該栽培ポットを嵌め込む複数個
の凹部を備えた複数個のトレイ、および該トレイを嵌め
込み自在で、かつ脚部を折り畳みまたは分解可能なトレ
イ保持台を有し、前記栽培ポットは底面に水抜き孔を有
し、該該トレイは前記凹部の底面に複数個の水抜き孔を
有し、該トレイ保持台は、複数個のトレイの周縁を保持
する枠部を備えてなることを特徴とする。また、請求項
8の栽培用設備は、前記請求項5の発明において、前記
トレイ保持台は、上下が開口した外枠と、該外枠の内側
を、複数個の仕切り枠で分割し、前記複数個のトレイを
保持するトレイ保持枠を有することを特徴とする。
【0010】ここで、蔓性作物には、苺の他に胡瓜、南
瓜その他の蔓を発生し、該蔓に発生した芽を子苗株とし
て、栽培する性質の作物をいう。前記棚には、地面上よ
り所定の高さ(通常、80〜100cm程度が好まし
い)の位置にポットをおくことができる形態のものを全
て含む。また『親苗株を植えたポット』とは、種子ある
いは苗から親苗株を育成し、これをポットに植え付ける
が、該ポットで、該種子あるいは苗から育成して、該ポ
ットに植えた状態としたものを含む。また1ポットに苺
親苗を1株を植え付けることが好ましい。このようにし
た場合、親苗株の根の発生数が多くなると共に、褐変根
の発生を軽減でき、ランナー芽数、発生数を多くでき
る。これは、これまでの試験によって得られた結果であ
る。なお、『ランナー』とは、蔓のことをいう。そし
て、この蔓には、複数個の芽が発生して、この芽の部分
が子株となる。また、該ポットとしては、直径(或いは
縦、横)が20〜30cm程度で、深さが20〜30c
m程度の大きさの合成樹脂製、あるいは金属製若しくは
木製の容器が好ましい。そして、該ポットの底面に周縁
部分には、複数個の水抜き用孔が所定間隔で形成してあ
る。また、前記栽培ポットは、該親苗株を植えるポット
より小さいポットで、底面に1個若しくは複数個の水抜
き孔が形成してある。この栽培ポットとしては、土壌中
で微生物分解、あるいは溶解する紙、布、あるいはプラ
スチック製のものを用いることが好ましい。このような
容器を用いることで、苺育成後に、該栽培ポットの取り
出し、廃棄等の作業を省略できるという利点を有する。
また、前記立体的に配置した栽培棚としては、例えば、
階段状に栽培棚を複数段配置した構成、あるいは所定の
高さの位置に栽培用棚を配置した構成のものを用いるこ
とができる。このような栽培棚の場合、日光が果実にむ
らなく当てることが可能になり、また地面に直接触れる
のを防止でき、色、形、等が綺麗な状態を維持できる。
【0011】また、前記トレイは、複数個の栽培ポット
を嵌め込み保持でき、かつ水抜きができ、かつトレイ保
持台に保持され得る形態であればよい。一般的には、周
縁部分にトレイ保持台と係合する係合部を備えた形態
で、合成樹脂製、金属製、若しくは木製のものを用いて
いることができる。取り扱いの観点から見ると、合成樹
脂製のものが好ましい。また、前記トレイ保持台は、脚
部によって、所定の高さを保持できるものである必要が
あり、運搬性、水捌けの良好な形態で、トレイを保持で
きる形態であればよい。そして、該保持台は、通常、金
属製からなる形態としている。これは強度と耐風性を考
慮したことによる。
【0012】そして、本発明においては、親苗株をポッ
トで棚上で栽培し、該親苗株から複数本のランナー
(蔓)を、垂れ状に発生、成長させ、該ランナーに複数
個の芽(子株となる部分で、1つのランナーに3〜5つ
の芽が発生する))が発生した際、ランナーを切断し、
複数本の子株を得て、該子株を栽培ポットや栽培棚等に
おける培地に移植し、この子株を栽培することで、蔓性
作物を栽培するための苗を育苗し、または該育苗した苗
をそのまま成長させて果実を収穫する。そして、この子
株の栽培には、該子株を移植した複数個の栽培ポットを
嵌め込み保持できる複数個の凹部を備えたトレイを保持
するに嵌め込み自在で、かつ脚部を折り畳みまたは分解
可能なトレイ保持台を用いることで、該トレイ保持台を
栽培条件の良好な個所に移動させ、その栽培を行うこと
ができる。
【0013】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の請求項1の苺等の蔓性作物の栽培方法によれば、親苗
を所定の高さの個所で栽培し、該親苗株から発生するラ
ンナーを下方に向かって垂れ状に成長させるので、該ラ
ンナーが絡み合うことなく、またその成育長さを長く、
あるいは成長が促進され得るので、子株を多く得ること
ができる。従って、少ない親苗株数を少なくでき、その
栽培管理、作業性を向上させることができるという効果
を有する。
【0014】請求項2の苺等の蔓性作物の栽培方法によ
れば、親苗株を植えたポットを複数段または多数列、前
記棚に載せてなるので、前記効果に加えて、その管理、
作業性をいっそう向上させることができるという効果を
有する。また、請求項3の苺等の蔓性作物の栽培方法に
よれば、子株を栽培棚等における培地に移植すること
で、そのまま果実の収穫ができるという効果を有する。
請求項4の苺等の蔓性作物の栽培方法によれば、前記棚
の高さが、80cm〜120cm、棚の幅が、20cm
〜30cmからなるので、前記各効果に加えて、作業者
が腰を曲げた状態での作業の割合を軽減でき、その作業
性を向上させることができるという効果を有する。
【0015】請求項5の苺等の蔓性作物の栽培方法によ
れば、前記子株を前記ポットより小さい栽培ポットに移
植し、該該栽培ポットを複数個の凹部を備えた複数個の
トレイの該凹部にはめ込むと共に、該トレイを嵌め込み
自在で、かつ脚部を折り畳みまたは分解可能なトレイ保
持台に保持させて栽培するので、水捌けを良好にできる
と共に、風通し条件、日照条件等、栽培に好ましい条件
の個所へ簡単に移動させ得るので、その栽培環境を常に
良好にして栽培できるという効果を有する。
【0016】請求項6の苺等の蔓性作物の栽培方法によ
れば、子株を立体的に配置した栽培棚の培地に移植し、
該培地の上方から水を散布し、また肥料を供給して蔓性
作物の栽培を行うので、腰を曲げての作業を軽減できる
ので、苗栽培、果実収穫作業が楽になり、また日光が
苗、果実に良好に当たるので、成育、果実の色付きが良
くなると共に、果実が地面に触れるのを軽減できるの
で、果実の形や色、糖度が上がり、良好な果実が得られ
るという効果を有する。また水、肥料の供給が楽になる
という効果をも有する。
【0017】本発明の請求項7の苺等の蔓性苗の栽培用
設備によれば、複数個の栽培ポットと、該栽培ポットを
嵌め込む複数個の凹部を備えた複数個のトレイ、および
該トレイを嵌め込み自在で、かつ脚部を折り畳みまたは
分解可能なトレイ保持台を有するので、複数個の子株の
栽培を一定の条件下におくことができることから、その
栽培管理を容易に行うことができると共に、立った状態
で作業ができるので、その作業性が良好になるとうい効
果を有する。また、トレイ保持台は、脚部を折り畳みま
たは分解可能であるので、栽培期終了後の保管が容易と
なるという効果をも有する。また、請求項8の苺等の蔓
性苗の栽培用設備によれば、前記トレイ保持台は、上下
が開口した外枠と、該外枠の内側を、複数個の仕切り枠
で分割し、前記複数個のトレイを保持するトレイ保持枠
を有するので、前記効果に加えて、トレイ保持台へのト
レイの着脱作業が容易に行えるという効果を有する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明を具体化した好ましい実施の形態について説明する。
ここに、図1〜図4は、本発明の一実施形態を示し、図
1は栽培方法の工程を示す説明図、図2はトレイの平面
図と側面図、図3はトレイ保持台の斜視図、図4は子株
を移植する栽培棚の説明図である。
【0019】−第1実施形態− 本実施形態の蔓性作物(苗)の栽培方法は、苺苗の栽培
方法であって、図1に示すような工程を有する。すなわ
ち、親苗株の植え付け工程(第1工程)、親苗株か
らランナー(蔓)を発生させる工程(第2工程)、ラ
ンナー切断して子株を得て、該子株を栽培ポットや栽培
棚に移植する工程(第3工程)、子株の育苗・栽培工
程(第4工程)、の4工程を有する。そして、これらの
工程には、図2〜図3に示すトレイ、トレイ保持台から
なる栽培設備を用いる。
【0020】−第1工程− 本工程は、図1(a)に示すように、1個の大型硬質ポ
ット1に、1株の親苗株2を植え付ける工程である。大
型硬質ポット1は、合成樹脂製のバケツ状のポットで、
底面周縁部1aに所定間隔で、複数個の水抜き孔1bが
形成してあり、ポット底面中央部には、水抜き孔1bへ
排水するための若干突出した部分が備えてある。通常、
ポット1は、直径(或いは縦、横)が20〜30cm程
度で、深さが20〜30cm程度の大きさの容器を用い
ている。この大きさは、蔓性作物によって、その根の張
り具合等によって適宜選択して用いることができる。1
個のポットに複数本の親苗株を植え付けた場合、苗の成
長が悪くなり、根腐れ、褐変根が発生したりすることが
ある。また、親苗株は、移植でなく、種子から栽培した
形態であってもよいことは当然である。そして、親苗株
2を植え付けたポット1は、70cm〜100cm程度
の高さの位置に設けた棚3の上に、複数段あるいは複数
例並べて、その栽培を行う。
【0021】−第2工程− 本工程は、図1(b)に示すように、苗株からランナー
(蔓)を発生させる工程である。前記第1工程でポット
の培地に植え付けた親苗株が成育すると、複数本のラン
ナー(蔓)4が発生する。このランナー4は、ポット1
が棚3の上に載せてあるので、垂(しだれ)れ状にな
る。これに対して、畑地に植え付けた場合は、ランナー
4は、地面を這った状態になる。ランナーが垂れ状に成
長すると、該個々のランナーの成長状態を容易に把握、
管理することか可能になる。垂れ状に成長させた場合、
該ランナー4には、子株6とすることができる芽5を4
株以上得ることができる。
【0022】−第3工程− 本工程は、図1(c)に示すように、ランナー4を切断
して子株6を得て、子株6を栽培ポット7や栽培棚2
0、あるいは畑地に移植する工程である。図1(c)に
おいては、栽培(育苗)ポット7に移植した構成を示し
ている。ランナー4の切断は、芽5が、3個〜5個出芽
した段階で、ランナー4の先端部分の芽5から行うよう
にする。これにより、その切断、子株6を得る作業が簡
単になる。このように、ランナー4には、3個〜5個の
芽が出芽するので、4個〜5個出芽した段階で、そのラ
ンナー4を根元から切り取り、また各芽5を有する部分
を切断して子株6を得る。このように、ランナー4は枝
垂れ状に垂れ下がった状態にあるので、ランナー4の先
端部分から切り取り、子株6を得ることができることか
ら、その作業性が向上する。これに対して、畑地で栽培
した場合は、ランナー4が地面を這った状態にあるた
め、日照条件が悪くなると共に、湿気を含んだ状態にあ
るため、その成育が止まってしまったり、枯れることが
多々ある。そして、切断して得た子株6は、栽培ポット
7や、栽培棚20(図4参照)、あるいは畑地等の培地
に移植する。この栽培ポット7は、前記した大型硬質ポ
ット1より小さく、微生物により分解する生分解性樹脂
からなるポットを用いている。ポット7は、底面に1個
若しくは複数個の水抜き孔を有し、ポットの大きさは、
直径が5〜10cm、高さが5〜10cm程度のものを
用いている。栽培ポット7への子株6の移植は、1株づ
つ行うようにしている。
【0023】栽培ポット7を用いる場合は、トレイ8に
嵌め込んで、子株6の育苗、あるいは苺(果実)の栽培
を行う。トレイ8は、図2に示すように、複数個の栽培
ポット7を嵌め込むことができる形態の合成樹脂製等か
らなるトレイからなり、栽培ポット7をはめ込み保持で
きる凹部9を備え、各凹部9は、その底部側の直径が狭
まった狭小部分9aを有する形態からなり、またトレイ
保持台11の外枠12aまたは仕切り枠12bと係合す
る係合部8aを有している。また、全体の軽量化と、水
捌け、日照条件、あるいは風通しを良好にするために、
大きい空隙10を備えている。そして、このトレイ8と
しては、縦:47cm、横:38cm、高さ(深さ):
8.5cm程度の大きさで、凹部9が20個設けてある
形態のものを用いている。しかし、このトレイ8は、作
業性を害しないものであれば、別個のサイズとしてもよ
いことは当然である。また、このトレイ8は、図3に示
すような、トレイ保持台11に保持させた状態とする。
栽培ポット7のトレイ8へのはめ込みは、トレイ保持台
11に保持させたトレイ8、あるいはトレイ保持台11
に保持させていない状態のトレイ8の何れに対して行っ
てもよい。ここで、トレイ保持台11は、保持台本体部
12と脚部14からなる。保持台本体部12は、金属
製、例えば、鉄板あるいはパイプ材からなる四角形状を
した外枠12aと、この外枠12aに溶着した厚み:
2.5mm、高さ(幅):5cm、長さ:229cmの
複数本の仕切り枠12bとからなり、両枠12aと12
bによって、複数個の隔室13が形成してあり、隔室1
3は上下が開口した形態となる。この隔室13の個数
は、嵌め込むトレイ8の数に適応させた構成からなる。
この保持台本体12の大きさは、通常、幅:100c
m、長さ:230cm、厚み:8cm程度のものを用い
ている。ここで、この高さとしたのは、作業者が、腰を
曲げることなく作業(葉かき作業、散水作業、不要分の
葉や草等の除去作業等)できることを考慮したことによ
る。また脚部13は、折り畳み、若しくは分解着脱が自
在の形態からなり、通常、パイプ材によって構成してい
る。そして、この脚部14の長さは、80cm〜90c
m程度としている。
【0024】また、子株6の移植を、図4に示すよう
に、立体構造からなる栽培棚20における栽地に対して
行うようにしてもよい.すなわち、棚20を階段状に配
置し、それぞれの棚20に栽培用容器21を載せ、この
栽培用容器21に子株6を移植し、子株苗6の育苗、更
に進めて果実収穫を行えるようにする。栽培棚20を形
成する枠体22は、側面三角形状に形成されていて、所
定間隔をおいて栽培棚20、20・・が配置形成してあ
る。そして、この各栽培棚20に載せてある栽培用容器
21の上部には、水(あるいは/および液肥)を供給す
るための配管がしてあり、スプリンクラー状に、子株6
に噴霧等して供給でき、また必要に応じて栽培用容器2
1の培地に固形あるいは液肥料を供給することができる
構成からなっている。
【0025】−第4工程− 本工程は、子株6の育苗・栽培工程である。前記工程
で、トレイ保持台11にトレイ8を介してセットした栽
培ポット7に移植している子株6に水分を補給するため
のスプリンクラー14をトレイ保持台11の上部あるい
はその他の個所に配置しする。そして、所定の環境条件
に、トレイ保持台11を移動させ、また肥料を供給し
て、子株6を育苗し、または子株を育苗すると共に、連
続して果実収穫までを行う。また、立体構造からなる栽
培棚20を用いる構成においても、同様にして、前述し
た通り、水、肥料を供給して、子株6を育苗し、または
子株を育苗すると共に、連続して果実収穫までを行う。
【0026】このような作業を行うことによって、苺等
の蔓性苗を、少ない親苗株数を少なくでき、また果実収
穫を、腰を曲げて行う作業を軽減でき、その栽培や果実
収穫管理、作業性を向上させることができる。
【0027】次に、上述した苺苗の栽培方法についての
作用・効果を確認するために、500cm2 のビニール
ハウス内に、2段積みコンテナを3m間隔で配置し、幅
30cm、長さ26mの棚の設け、該棚上に親苗株1株
を植え付けた大型硬質ポットを、13cm間隔で32鉢
配置し、かつ該ポットの上にスプリンクラーを設置し
て、1日に2〜3回散水し、かつポットの培地上に固形
肥料を供給(配置)し、これを2ケ月半にわたって育苗
した。そして、苗からランナーが発生し、棚から枝垂れ
状に垂れ下がり、1個のポットから、ランナー芽数が5
0株、ランナーが45本以上を得ることができ、120
本以上の子株を得ることかできた。ところで、従来の畑
地で、このように1株の親苗株から120本以上の子株
を得るには、10a当りの親苗株が、400〜450株
必要である。これに対して、本実施形態では、約64株
でよく、少ない親苗株で、多くの子株を得ることかでき
ることが確認できた。
【0028】また、子株を図4に示すような立体的な栽
培棚における培地に移植して、苺の苗の育苗を行うと共
に、そのまま果実栽培収穫まで行った処、色付きがよ
く、かつ形がよく、更に糖度の良い苺(果実)を得るこ
とができ、また、苺には土が付着してなく、綺麗な作物
が容易に収穫できることが確認できた。さらに、この方
法の場合、水、肥料の供給等の作業を、腰を曲げて行う
ことを必要としないので、その作業性が良好で、しかも
その管理が容易に行えることも確認できた。
【0029】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で
変形実施できる構成を含む。例えば、親苗株から子株の
育苗の段階までの栽培の形態だけでも、またこれに続い
て果実収穫まで一連に行う形態としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】栽培方法の工程を示す説明図である。
【図2】トレイの平面図と側面図である。
【図3】トレイ保持台の斜視図である。
【図4】子株を移植する栽培棚の説明図である。
【符号の説明】
1・・・大型硬質ポット、1a・・・底面周縁部、1b
・・・水抜き孔、2・・・親苗株、3・・・棚、4・・
・ランナー(蔓)、5・・・芽、6・・・子株、7・・
・栽培(育苗)ポット、20・・・栽培棚、8・・・ト
レイ、9・・・凹部、10・・・空隙、11・・・トレ
イ保持台、12・・・保持台本体部、12a・・・外
枠、12b・・・仕切り枠、14・・・脚部、13・・
・隔室、21・・・栽培用容器、22・・・枠体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 苺等の蔓性作物の栽培方法において、親
    苗を植えたポットを所定間隔で棚に載せて、該親苗株か
    らランナーを育成し、かつ該ランナーを垂れ状に、該棚
    から垂れ下がらせた後、該垂れ下がったランナーを切断
    して子株を得て、該子株を培地に移植して、前記蔓性作
    物の栽培を行うことを特徴とする苺等の蔓性作物の栽培
    方法。
  2. 【請求項2】 前記親苗株を植えたポットを複数段また
    は多数列、前記棚に載せてなる請求項1に記載の苺等の
    蔓性作物の栽培方法。
  3. 【請求項3】 前記子株を移植する培地が、前記ポット
    より小さい栽培ポット、または畑地、あるいは立体構造
    に配置した培地である請求項1に記載の苺等の蔓性作物
    の栽培方法。
  4. 【請求項4】 前記棚の高さが、80cm〜120c
    m、棚の幅が、20cm〜30cmからなる請求項1ま
    たは2に記載の苺等の蔓性作物の栽培方法。
  5. 【請求項5】 苺等の蔓性作物の栽培方法において、親
    苗を植えたポットを所定間隔で棚に載せて、該親苗株か
    らランナーを育成し、かつ該ランナーを垂れ状に、該棚
    から垂れ下がらせた後、該垂れ下がったランナーを切断
    して子株を得て、該子株を前記ポットより小さい栽培ポ
    ットに移植し、該該栽培ポットを複数個の凹部を備えた
    複数個のトレイの該凹部にはめ込むと共に、該トレイを
    嵌め込み自在で、かつ脚部を折り畳みまたは分解可能な
    トレイ保持台に保持させ、該栽培ポットの上方から水を
    散布し、また肥料を供給して蔓性作物の栽培を行うこと
    を特徴とすることを特徴とする苺等の蔓性作物の栽培方
    法。
  6. 【請求項6】 苺等の蔓性作物の栽培方法において、親
    苗を植えたポットを所定間隔で棚に載せて、該親苗株か
    らランナーを育成し、かつ該ランナーを垂れ状に、該棚
    から垂れ下がらせた後、該垂れ下がったランナーを切断
    して子株を得て、該子株を立体的に配置した栽培棚の培
    地に移植し、該培地の上方から水を散布し、また肥料を
    供給して蔓性作物の栽培を行うことを特徴とすることを
    特徴とする苺等の蔓性作物の栽培方法。
  7. 【請求項7】 複数個の栽培ポットと、該栽培ポットを
    嵌め込む複数個の凹部を備えた複数個のトレイ、および
    該トレイを嵌め込み自在で、かつ脚部を折り畳みまたは
    分解可能なトレイ保持台を有し、前記栽培ポットは底面
    に水抜き孔を有し、該該トレイは前記凹部の底面に複数
    個の水抜き孔を有し、該トレイ保持台は、複数個のトレ
    イの周縁を保持する枠部を備えてなることを特徴とする
    苺等の蔓性作物の栽培用設備。
  8. 【請求項8】 前記トレイ保持台は、上下が開口した外
    枠と、該外枠の内側を、複数個の仕切り枠で分割し、前
    記複数個のトレイを保持するトレイ保持枠を有する請求
    項7に記載の苺等の蔓性作物の栽培用設備。
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