JPH10304721A - 農作業装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 施肥部の折畳み時施肥部の前後に配備
される各種装置と干渉させることのない良好な折畳みを
可能とさせる。 【解決手段】 ホッパ（３７）内の肥料及び薬剤をエ
アタンク（４２）からの空気流でもって搬送して施肥及
び防除を行う農作業装置において、ホッパ（３７）の左
右両側を折畳み支点軸（８３）を介し鉛直方向に折畳み
自在に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は例えば苗載台及び植
付爪を備えて連続的に苗植作業を行う田植機にあって、
植付条の側方に施肥を行う施肥装置など農作業装置に関
する。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】例えば８条以上の多条
用田植機の施肥装置にあって、施肥ホッパの左右両側部
を水平方向に回動して中央固定側のホッパより前方或い
は後方に折畳みする構造のものにおいては、運転席や運
転席周囲の各種操作レバー類や予備苗台或いは苗載台な
どに干渉するため、折畳み条数を多くするのにも限界が
あった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】したがって本発明は、ホ
ッパ内の肥料及び薬剤をエアタンクからの空気流でもっ
て搬送して施肥及び防除を行う農作業装置において、ホ
ッパの左右両側を折畳み支点軸を介し鉛直方向に折畳み
自在に設けて、ホッパの折畳み時折畳みされたホッパが
前後方向に移動するのを解消させて、折畳み条数の多い
構造でもホッパの前後方向に配置される各種部品や装置
との干渉を回避させた良好な折畳みを可能とさせるもの
である。

【０００４】また、中央固定側のホッパより上方位置に
折畳み支点軸を配置させて、折畳み時に中央固定側のホ
ッパ上面に折畳み側のホッパ上面を近接させる状態にコ
ンパクトに折畳んで、ホッパを装備する機体の左右幅の
縮小と機体バランスの安定向上を図るものである。

【０００５】さらに、ホッパの長手方向に並設するエア
タンクの左右両側を鉛直方向に折畳み自在に設けて、ホ
ッパとは別個にエアタンク単独の容易にして支持強度に
秀れた折畳みを可能とさせると共に、中央固定側のエア
タンクに対し例えば左右両側のエアタンクを鉛直方向に
折畳み収納することによって、中央固定側のホッパ上方
のエアタンクを突出させる不都合など解消させて、嵩低
とさせたバランス良好な折畳みを可能とさせるものであ
る。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて詳述する。図１は乗用田植機の側面図、図２は同
平面図を示し、図中（１）は作業者が搭乗する走行車で
あり、エンジン（２）を車体フレーム（３）前部上方に
搭載させ、ミッションケース（４）前方にフロントアク
スルケース（５）を介して水田走行用前輪（６）を支持
させると共に、前記ギヤ変速ケース（４）の後部にリヤ
アクスルケース（７）を連設し、前記リヤアクスルケー
ス（７）に水田走行用後輪（８）を支持させる。そして
前記エンジン（２）等を覆うボンネット（９）両側に予
備苗載台（１０）を取付けると共に、ステップ（１１）
を介して作業者が搭乗する車体カバー（１２）によって
前記ミッションケース（４）等を覆い、前記車体カバー
（１２）上部に運転席（１３）を取付け、その運転席
（１３）の前方で前記ボンネット（９）後部に操向ハン
ドル（１４）を設ける。

【０００７】また、図中（１５）は８条植え用の苗載台
（１６）並びに複数の植付爪（１７）などを具備する植
付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台（１
６）を下部レール（１８）及びガイドレール（１９）を
介して植付ケース（２０）に左右往復摺動自在に支持さ
せると共に、一方向に等速回転させるロータリケース
（２１）を前記植付ケース（２０）に支持させ、該ケー
ス（２１）の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケー
ス（２２）（２２）を配設し、その爪ケース（２２）
（２２）先端に植付爪（１７）（１７）を取付ける。ま
た前記植付ケース（２０）の前側にローリング支点軸
（２３）を介して支持フレーム（２４）を設け、トップ
リンク（２５）及びロワーリンク（２６）を含むリンク
機構（２７）を介して走行車（１）後側に支持フレーム
（２４）を連結させ、前記リンク機構（２７）を介して
植付部（１５）を昇降させる昇降シリンダ（２８）をロ
ワーリンク（２６）に連結させ、前記前後輪（６）
（８）を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺
動させる苗載台（１６）から一株分の苗を植付爪（１
７）によって取出し、連続的に苗植え作業を行うように
構成する。

【０００８】また、図中（２９）は走行変速レバー、
（３０）は植付昇降兼作業走行変速用副変速レバー、
（３１）は植付け感度調節レバー、（３２）は主クラッ
チペダル、（３３）（３３）は左右ブレーキペダル、
（３４）は２条分均平用センターフロート、（３５）は
２条分均平用サイドフロート、（３６）は８条用の側条
施肥部である。

【０００９】さらに、図３乃至図５に示す如く、肥料を
入れる施肥ホッパ（３７）と、肥料を定量供給する肥料
繰出ケース（３８）と、フロート（３４）（３５）の肥
料排出部である側条作溝器（３９）にフレキシブル形搬
送ホース（４０）を介して肥料を排出させるターボブロ
ワー型送風機（４１）と、円筒形のエアタンク（４２）
とを、前記施肥部（３６）に備えると共に、エアタンク
（４２）右側端に送風機（４１）を取付け、１０条分の
１０組の肥料繰出ケース（３８）…をエアタンク（４
２）上側に配設させている。

【００１０】またさらに、前記車体フレーム（３）後端
の左右支柱（４３）上端間に横架する水平フレーム（４
４）両側に左右ベースフレーム（４５）（４５）を取付
け、前後方向に略水平に横架させる前記ベースフレーム
（４５）を介して施肥部（３６）を設けると共に、左右
ベースフレーム（４５）（４５）にブラケット（４６）
（４６）を介してエアタンク（４２）をボルト止め固定
させるもので、ベースフレーム（４５）後端部と車体フ
レーム（３）間にサイドステー（４７）を連結させ、ベ
ースフレーム（４５）前後側に前後昇降レール（４８）
（４９）…を立設させ、前後一組左右二対の４本の該昇
降レール（４８）（４８）（４９）（４９）を介して施
肥部（３６）を昇降自在に取付けると共に、左右一対の
２本のガススプリング（５０）（５０）によって昇降自
在に施肥部（３６）を取付け、車体フレーム（３）後端
部に配置させるリヤアクスルケース（７）に施肥部（３
６）重量を支持させるように構成している。

【００１１】図６、図７に示す如く、前記昇降レール
（４８）（４９）にベアリングローラ（５１）を介して
軸受板（５２）を昇降自在に支持させ、軸受板（５２）
の前後フレーム（５３）（５４）にブラケット（５５）
（５６）を介して繰出ケース（３８）を固設するもの
で、前記繰出ケース（３８）の上面前側の取入口（５
７）に前記ホッパ（３７）の下部出口（５８）を嵌着さ
せると共に、前記繰出ケース（３８）前面下側に取出口
（５９）を形成し、着脱自在なキャップ（６０）によっ
て取出口（５８）を閉塞するもので、前記キャップ（６
０）を取外して取出口（５９）を開放するとき、ホッパ
（３７）内部の肥料を前側下方に流下させて、残留肥料
の取出しを容易とさせるように構成している。

【００１２】また、前記繰出ケース（３８）下面に底蓋
（６１）を着脱自在に固定させると共に、硬質合成樹脂
製の前記底蓋（６１）下面に出口（６３）を形成するも
ので、エアタンク（４２）に前端部を嵌着させる軟質合
成樹脂製の接合パイプ（６４）を備え、該パイプ（６
４）後端に硬質合成樹脂製のホースジョイント（６５）
前端を着脱自在に嵌着させると共に、前記ジョイント
（６５）後端に前記搬送ホース（４０）を嵌着させ、前
記送風機（４１）の送風をエアタンク（４２）から各パ
イプ（６４）…及びホース（４０）に吹出させ、底蓋
（６１）の出口（６３）からジョイント（６５）中間に
落下する肥料を搬送ホース（４０）に移動させるもの
で、Ｔ字形フランジを形成する前記ジョイント（６５）
中間に入口（６６）を上向き開放に形成し、底蓋（６
２）の出口（６３）に嵌合キャップ（６７）を固定さ
せ、該キャップ（６７）を前記入口（６６）の外壁に着
脱自在に嵌着させ、出口（６３）を入口（６６）に接続
させると共に、前記エアタンク（４２）に取付板（６
８）を一体固定させ、取付板（６８）に前記ジョイント
（６５）をボルト止め固定させている。

【００１３】さらに、取入口（７３）及び吹出口（７
０）を有する入口板（７１）と、同一円周上に略四角形
の複数の繰出口（７２）…を有する繰出板（７３）と、
排出口（７４）を有する出口板（７５）を備え、略円形
平板製の前記各板（７１）（７３）（７５）を繰出ケー
ス（３８）と底蓋（６１）の間に多層状に配設させると
共に、繰出ケース（３８）に繰出軸（７６）を略垂直に
回転自在に軸支させ、各板（７１）（７３）（７５）の
中央部に繰出軸（７６）下端側を貫通させ、出口板（７
５）下面に下方側からバネ（７７）を弾圧させ、入口板
（７１）と出口板（７５）を繰出ケース（３８）に係止
させ、各板（７１）（７５）に対して繰出軸（７６）を
遊転させると共に、繰出板（７３）を繰出軸（７６）に
係合軸支させ、繰出軸（７６）によって繰出板（７３）
を強制的に回転させ、取入口（６９）から繰出口（７
２）に入った肥料を排出口（７４）に移動させて出口
（６３）方向に落下させるように構成している。

【００１４】図８乃至図１１にも示す如く、前記施肥ホ
ッパ（３７）とエアタンク（４２）の左右最外側の２条
分を鉛直方向に折畳み自在に設けるもので、中央６条分
の本体側ホッパ（３７ａ）を中央の前後フレーム（５３
ａ）（５４ａ）を介して軸受板（５２）に固定させ、こ
れら６条分の施肥ホッパ（３７ａ）を単一の蓋（７８
ａ）で覆うと共に、左右外側の各２条分の折畳み側ホッ
パ（３７ｂ）をそれぞれ２条用の蓋（７８ｂ）で覆い、
前後フレーム（５３ａ）（５４ａ）の左右両端上面に固
設する各ブラケット（７９）（８０）と、折畳み側ホッ
パ（３７ｂ）の前後フレーム（５３ｂ）（５４ｂ）の内
端上面に固設する各ブラケット（８１）（８２）とを、
ホッパ（３７）の上方位置に配置させる折畳み支点軸
（８３）を介して連結させて、該支点軸（８３）を中心
として折畳み側ホッパ（３７ｂ）を略１８０度回動させ
るとき、本体側の左右外側２条分のホッパ（３７ａ）上
面に折畳み側ホッパ（３７ｂ）上面を近接させる状態に
繰出ケース（３８）及び底蓋（６１）などと一体にホッ
パ（３７ｂ）を折畳み収納するように構成している。

【００１５】また、中央６条分の本体側エアタンク（４
２ａ）の左右両端上面に固設するブラケット（８４）
と、左右外側２条分の折畳み側エアタンク（４２ｂ）の
内端上面に固設するブラケット（８５）とを、エアタン
ク（４２）上方近傍の折畳み支点軸（８６）を介して連
結させて、該支点軸（８６）を中心として折畳み側エア
タンク（４２ｂ）を略９０度回動させるとき、本体側エ
アタンク（４２ａ）の左右両端で折畳み側エアタンク
（４２ｂ）を鉛直姿勢で折畳み収納するように構成して
いる。

【００１６】このように、左右外側２条分のホッパ（３
７ｂ）及びエアタンク（４２ｂ）の折畳み時に前後方向
に移動させることなく鉛直方向に移動させて折畳みする
ことによって、施肥ホッパ（３７）の前後に配備させる
運転席（１３）や各種レバー（２９）（３０）（３１）
や苗載台（１６）などとこれらホッパ（３７ｂ）及びエ
アタンク（４２ｂ）との干渉も解消されて、２条分以上
の多条数のホッパ（３７ｂ）及びエアタンク（４２ｂ）
の支障のない折畳みを可能とすることができる。

【００１７】また、ホッパ（３７ｂ）とエアタンク（４
２ｂ）のそれぞれの折畳み部材を別個とする支持強度に
秀れてその取扱い操作も容易な折畳みが行えると共に、
使用状態に拡張時には本体側ホッパ（３７ａ）及びエア
タンク（４２ａ）に折畳み側ホッパ（３７ｂ）及びエア
タンク（４２ｂ）をそれぞれ容易にして正確に接合可能
とさせて、折畳みや拡張作業での作業性を向上させるこ
とができる。

【００１８】さらに図１０に示す如く、後輪（８）近傍
の隣接するホッパ（３７）間に、後輪（８）上端を臨ま
せるもので、後輪（８）上端より前記ホースジョイント
（６５）の最下面位置を寸法（Ｔ）だけ低い位置に配置
可能とさせて、施肥部全体を嵩低に形成して、苗載台
（１６）への苗補給性や後方視認性を向上させると共
に、全高を一定保持させてのホッパ容量の増大などを図
るように構成している。

【００１９】図１２に示すものは、８条用の施肥装置に
あって、中央４条分の施肥ホッパ（３７ａ）及びエアタ
ンク（４２ａ）と、左右外側２条分の施肥ホッパ（３７
ｂ）及びエアタンク（４２ｂ）とを、各ブラケット（８
７）（８８）及び水平回動支点軸（８９）を介して連結
させ、左右外側２条分の施肥ホッパ（３７ｂ）及びエア
タンク（４２ａ）を支点軸（８９）を中心として略９０
度水平回動させて機体前方側に折畳み可能とさせると共
に、前記送風機（４１）を中央固定側４条分のエアタン
ク（４２ａ）に分流管（９０）を介して連結させ、固定
側エアタンク（４２ａ）に重量分物の送風機（４１）を
安定良好に設置させ、また２方向に分流させる分流管
（９０）によって管内損失を最小とさせた送風機（４
１）のエアタンク（４２）に対する送風の供給を可能と
させるように構成している。

【００２０】図１３に示すものは、８条用の植付部（１
５）を中央で２分割し、各４条分の左右の植付部（１５
ａ）を略９０度内側に回動させて、植付部（１５ａ）の
前側を対向とさせる如く前後方向に略平行に折畳みして
機体の前後バランスを向上させると共に、図３にも示す
如くホースジョイント（６５）より外したホース（４
０）を折畳んだ苗載台（１６）裏側のホースガイド（９
１）に保持させてホース（４０）の安全保護を図るよう
に構成したものである。

【００２１】また、図１４、図１５に示すものは、８条
用の施肥ホッパ（３７）の左右最外側の１条分を分割し
て車体カバー（１２）のリヤフエンダ（９２）を形成す
る前部傾斜面（９２ａ）内に収納する構成例を示すもの
で、前部傾斜面（９２ａ）には分割ホッパ（３７ｃ）の
背面など側部形状に合った収納凹部（９３）を形成し、
分割ホッパ（３７ｃ）の作業位置と収納凹部（９３）間
に分割ホッパ（３７）を移動案内する収納レール（９
４）を設け、分割ホッパ（３７ｃ）の分離時収納レール
（９４）に沿って収納凹部（９３）までホッパ（３７
ｃ）を移動させ、凹部（９３）へのホッパ（３７ｃ）収
納時車体カバー（１２）にゴムバンド（９５）でホッパ
（３７ｃ）を固定保持するもので、ホッパ（３７ｃ）を
余剰空間を利用した凹部（９３）に収納して他の部品な
どとの干渉を有効に防止するように構成したものであ
る。またこの場合収納レール（９４）も中間で分割し
て、折畳み支点軸（９６）を介し外側のレール（９４
ａ）を機体内側に折畳み自在に設けて、機体の左右幅を
縮小させるものである。

【００２２】

【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明
は、ホッパ（３７）内の肥料及び薬剤をエアタンク（４
２）からの空気流でもって搬送して施肥及び防除を行う
農作業装置において、ホッパ（３７）の左右両側を折畳
み支点軸（８３）を介し鉛直方向に折畳み自在に設けた
ものであるから、ホッパ（３７）の折畳み時折畳みされ
たホッパ（３７）が前後方向に移動するのを解消させ
て、折畳み条数の多い構造でもホッパ（３７）の前後方
向に配置される各種部品や装置との干渉を回避させた良
好な折畳みを可能とさせることができるものである。

【００２３】また、中央固定側のホッパ（３７）より上
方位置に折畳み支点軸（８３）を配置させたものである
から、折畳み時に中央固定側のホッパ（３７）上面に折
畳み側のホッパ（３７）上面を近接させる状態にコンパ
クトに折畳んで、ホッパ（３７）を装備する機体の左右
幅の縮小と機体バランスの安定向上を図ることができる
ものである。

【００２４】さらに、ホッパ（３７）の長手方向に並設
するエアタンク（４２）の左右両側を鉛直方向に折畳み
自在に設けたものであるから、ホッパ（３７）とは別個
にエアタンク（４２）単独の容易にして支持強度に秀れ
た折畳みを可能とさせることができると共に、中央固定
側のエアタンク（４２）に対し例えば左右両側のエアタ
ンク（４２）を鉛直方向に折畳み収納することによっ
て、中央固定側のホッパ（３７）上方のエアタンク（４
２）を突出させる不都合など解消させて、嵩低とさせた
バランス良好な折畳みを可能とさせることができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】田植機の全体側面図である。

【図２】田植機の全体平面図である。

【図３】施肥部の側面説明図である。

【図４】施肥部の平面説明図である。

【図５】施肥部の背面説明図である。

【図６】施肥部の側面説明図である。

【図７】施肥部の断面説明図である。

【図８】施肥部の折畳み状態を示す平面説明図である。

【図９】施肥部の折畳み状態を示す背面説明図である。

【図１０】折畳み部の背面説明図である。

【図１１】折畳み状態を示す背面説明図である。

【図１２】送風機の他の設置構造例を示す説明図であ
る。

【図１３】苗載台の折畳み構造例を示す説明図である。

【図１４】ホッパの分離収納構造例を示す側面説明図で
ある。

【図１５】ホッパの分離収納構造例を示す平面説明図で
ある。

【符号の説明】

（３７） ホッパ （４２） エアタンク （８３） 支点軸

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホッパ内の肥料及び薬剤をエアタンクか
   らの空気流でもって搬送して施肥及び防除を行う農作業
   装置において、ホッパの左右両側を折畳み支点軸を介し
   鉛直方向に折畳み自在に設けたことを特徴とする農作業
   装置。
2. 【請求項２】 中央固定側のホッパより上方位置に折畳
   み支点軸を配置させたことを特徴とする請求項１記載の
   農作業装置。
3. 【請求項３】 ホッパの長手方向に並設するエアタンク
   の左右両側を鉛直方向に折畳み自在に設けたことを特徴
   とする請求項１記載の農作業装置。