JPH10303460A - 半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体素子およびその製造方法

Info

Publication number
JPH10303460A
JPH10303460A JP4211798A JP4211798A JPH10303460A JP H10303460 A JPH10303460 A JP H10303460A JP 4211798 A JP4211798 A JP 4211798A JP 4211798 A JP4211798 A JP 4211798A JP H10303460 A JPH10303460 A JP H10303460A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal layer
group
type contact
contact region
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4211798A
Other languages
English (en)
Inventor
Koichi Nitta
田 康 一 新
Haruhiko Okazaki
崎 治 彦 岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP4211798A priority Critical patent/JPH10303460A/ja
Publication of JPH10303460A publication Critical patent/JPH10303460A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)
  • Led Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 p型化合物半導体に対して、十分な付着強度
を有し、かつ接触抵抗が低く、さらに、半導体層と合金
化が生じにくい電極構造を有する半導体発光素子を提供
することを目的とするものである。 【解決手段】 p型半導体に対して付着強度の高い第1
の金属層と、p型半導体に対するドーパントであるII
族元素を含んだ第2の金属層とを積層し、熱処理するこ
とによって、第2の金属層のII族元素をp型半導体層
に拡散させて接触抵抗を低下させる。第1の金属層にI
I族元素を予め含有させても良い。このようにすれば、
電極の付着強度を維持しつつ、接触抵抗を低下すること
ができる。しかも、素子の劣化の原因となるAuなどの
金属が拡散侵入しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子および
その製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、密着
性が良好でかつ接触抵抗の低いp側電極を有する化合物
からなる半導体素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】化合物半導体を材料とした光デバイスや
電子デバイスなどの半導体素子は、種々の応用分野にお
いて広く利用されている。これらのうちで光デバイスと
しては、例えば発光ダイオードや半導体レーザ、フォト
ダイオードなどを挙げることができる。また、電子デバ
イスとしては、例えば電界効果型トランジスタやバイポ
ーラトランジスタ、ダイオードなどを挙げることができ
る。以下の説明では、発光素子を例に挙げて説明する。
【0003】赤〜緑色の波長帯において発光する半導体
発光素子は、各種表示装置や光ディスクの読みとり装置
などの広範な分野において利用されている。また、青色
の発光素子は、各種光ディスクの記録容量を倍増させ、
表示装置のフルカラー化を可能にすることができるため
に、急速に開発が進められている。
【0004】これらのLEDや半導体レーザ等の半導体
発光素子では、外部から駆動電流を供給するための電極
部が素子の諸特性に対して非常に重要な役割を有する。
特に、p型の半導体層に対しては、一般的に良好なオー
ミック接触が得られにくい等の事情があるために、その
電極の構造や材料の選定は特に重要である。
【0005】例えば、近年、高輝度の青色発光素子とし
て注目されている窒化物系のIII−V族化合物半導体
素子の場合には、そのp側の半導体層としてInx Ga
y Al1-x-y N(0≦x,y≦1,x+y≦1)が一般
的に用いられ、この半導体層に対する電極材料として
は、Auが多用されている。また、Au以外の電極材料
としては、Ni、PtあるいはAgが用いられている。
【0006】一方、赤色〜緑色の波長帯域で発光するリ
ン系のIII−V族化合物半導体素子の場合には、p型
半導体層としてInx'Gay'Al1-x'-y' P(0≦
x’,y’≦1,x’+y’≦1)が一般的に用いられ
ている。そして、この半導体層に対する電極材料として
は、従来種々の金属が検討され、AuZnが最も一般的
に用いられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、p型Inx
y Al1-x-y Nについて電極材料としてAuを使用し
た場合には、接触抵抗が高く、しかも、Inx Gay
1-x-y N層との付着強度が十分でないために、素子抵
抗の増加や電極の剥離などが生じやすいという問題があ
った。従って、素子の初期特性のみならず、信頼性も低
下するという問題が生じやすかった。さらに、電極の付
着強度が十分でないと、いわゆるフリップ・チップ実装
を実施することが困難となる。従って、フリップ・チッ
プ実装により得られる、電気的、光学的な諸特性の向上
や実装寸法の縮小などを実現することができないという
問題があった。
【0008】一方、p型Inx Gay Al1-x-y Nにつ
いて電極材料としてNiを使用した場合には、Auを使
用した場合と比較すると付着強度が改善される。しか
し、Ni電極は接触抵抗が高いという問題を有する。す
なわち、Ni電極を用いてLEDを作製し、電流−電圧
特性を評価すると、20mAにおける微分抵抗が数10
0Ωと高い。半導体レーザの場合は、LEDよりも電流
密度が高いため、電極の接触抵抗をさらに小さくする必
要がある。従って、半導体レーザの場合は、電流−電圧
特性における微分抵抗がさらに大きくなる。その結果と
して、レーザの動作電圧が上昇し、発熱により発振しき
い値が上昇したり、光出力が飽和するという問題があっ
た。すなわち、半導体レーザの温度特性が低下し、高温
における動作が困難となるという問題があった。
【0009】上述したような問題は、Niの場合だけで
なく、PtやAgを電極材料として用いる場合にも同様
に生じていた。
【0010】一方、Inx'Gay'Al1-x'-y' P系の半
導体の場合には、電極金属であるAuZnを堆積した後
に、約400℃で10分程度の熱処理を施すことによ
り、オーミック接触を形成して接触抵抗を低下させる方
法が用いられている。しかし、このようにして作製され
た発光素子を長時間に渡って動作させると、電極金属中
のAuがコンタクト層であるInx'Gay'Al1-x'-y'
P層の内部に徐々に拡散侵入して結晶欠陥を形成する。
そして、このような結晶欠陥は、通電発光動作を継続す
るに従って成長し、発光層にまで達していわゆるDLD
(dark line defect)などを形成する
ことにより素子の発光特性を劣化させるという問題があ
った。
【0011】以上説明したような従来技術の問題点は、
すべて、発光素子の電極が、付着強度と、接触抵抗、お
よび半導体コンタクト層との合金化の抑制という要求を
両立し得ないことに起因する。また、電界効果型トラン
ジスタやバイポーラトランジスタなどの電子デバイスに
おいても、p型コンタクトの部分において付着強度と接
触抵抗とを両立することが同様に困難であった。その結
果として、高周波特性などの種々の初期特性と、機械的
衝撃や熱に対する耐久性などの素子の信頼性とを併せて
改善することが困難であった。
【0012】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
である。すなわち、本発明は、p型化合物半導体に対し
て、十分な付着強度を有し、かつ接触抵抗が低く、さら
に、半導体層と合金化が生じにくい電極構造を有する半
導体素子およびその製造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明による
半導体素子は、複数の化合物半導体層を積層した積層構
造体の表面のp型コンタクト領域の上に実質的にII族
元素を含まない第1の金属層を堆積し、前記第1の金属
層の上にII族元素とII族元素以外の金属元素とを含
む第2の金属層を堆積した後に、熱処理された半導体発
光素子であって、前記第2の金属層に含まれている前記
II族元素以外の前記金属元素は、前記第1の金属層を
介して前記p型コンタクト領域まで実質的に拡散してお
らず、前記第2の金属層に含まれていた前記II族元素
の一部は前記第1の金属層を介して前記p型コンタクト
領域に拡散侵入して、前記p型コンタクト領域の表面キ
ャリア濃度を上昇させることにより、前記p型コンタク
ト領域と前記第1の金属層との接触抵抗が低減するもの
として構成される。
【0014】または、本発明の半導体素子は、複数の化
合物半導体層を積層した積層構造体の表面のp型コンタ
クト領域の上にII族元素とII族元素以外の金属元素
とを含む第1の金属層を堆積し、前記第1の金属層の上
にII族元素とII族元素以外の金属元素とを含む第2
の金属層を堆積した後に、熱処理された半導体素子であ
って、前記第2の金属層に含まれている前記II族元素
以外の前記金属元素は、前記第1の金属層を介して前記
p型コンタクト領域まで実質的に拡散しておらず、前記
第1の金属層に含まれていた前記II族元素の一部は前
記p型コンタクト領域に拡散侵入して、前記p型コンタ
クト領域の表面キャリア濃度を上昇させることにより、
前記p型コンタクト領域と前記第1の金属層との接触抵
抗が低減するものとして構成される。
【0015】あるいは、本発明による半導体発光素子
は、複数の化合物半導体層を積層した積層構造体と、こ
の積層構造体におけるp型コンタクト領域上に堆積され
た第1の金属層と、前記第1の金属層の上に堆積された
II族元素とII族元素以外の金属元素とを含む第2の
金属層と、を有し、前記第1の金属層と前記第2の金属
層とを堆積した後の熱処理により、前記p型コンタクト
領域は、第2の金属層に含まれていた前記II族元素の
一部が前記第1の金属層を介してこのp型コンタクト領
域に拡散侵入して、このp型コンタクト領域の表面キャ
リア濃度を上昇させて、このp型コンタクト領域と前記
第1の金属層との接触抵抗が低減させられ、前記第2の
金属層に含まれている前記II族元素以外の前記金属元
素は、前記第1の金属層のバリア機能によって、このp
型コンタクト領域への拡散が阻止されているものとして
構成され。
【0016】または、本発明の半導体素子は、複数の化
合物半導体層を積層した積層構造体と、この積層構造体
におけるp型コンタクト領域上に堆積されたII族元素
とII族元素以外の金属元素とを含む第1の金属層と、
前記第1の金属層の上に堆積されたII族元素とII族
元素以外の金属元素とを含む第2の金属層と、を備え、
前記第1の金属層と前記第2の金属層とを堆積した後の
熱処理により、前記p型コンタクト領域は、第1の金属
層に含まれていた前記II族元素の一部が前記p型コン
タクト領域に拡散侵入して、このp型コンタクト領域の
表面キャリア濃度を上昇させて、このp型コンタクト領
域と前記第1の金属層との接触抵抗が低減させられ、前
記第2の金属層に含まれている前記II族元素以外の前
記金属元素は、前記第1の金属層のバリア機能によっ
て、このp型コンタクト領域への拡散が阻止されている
ものとして構成される。
【0017】ここで、本発明の望ましい実施の形態とし
ては、前述の第1または第2の半導体発光素子におい
て、前記p型コンタクト領域は、Inx Gay Al
1-x-y N(0≦x,y≦1,x+y≦1)からなること
を特徴とする。
【0018】または、本発明の望ましい実施の系他いと
しては、前述の第1または第2の素子において、前記p
型コンタクト領域は、Inx'Gay'Al1-x'-y' P(0
≦x’,y’≦1,x’+y’≦1)からなることを特
徴とする。
【0019】さらに、本発明の望ましい実施の形態とし
ては、前述の素子において、前記第1の金属層は、N
i、Pd、Pt、Ti、Zr、Hf、Cr、Mo、W、
窒化チタン、窒化タングステン或いは珪化チタンのうち
の少なくともいずれかよりなることを特徴とする。
【0020】また、本発明の望ましい実施の形態として
は、前述の素子において、前記第2の金属層は、II族
元素と、前記II族元素よりも平衡蒸気圧が低い金属と
の合金からなることを特徴とする。
【0021】また、本発明の望ましい実施の形態として
は、前述の素子において、前記II族元素は、Znまた
はMgのいずれかであることを特徴とする。
【0022】また、本発明の望ましい実施の形態として
は、前述の素子において、前記第1の金属層の膜厚は1
nm以上50nm以下であることを特徴とする。
【0023】また、本発明の望ましい実施の形態として
は、前述の素子において、前記第2の金属層の膜厚は2
nm以上50nm以下であることを特徴とする。
【0024】一方、本発明による半導体素子の製造方法
は、表面の少なくとも一部分にp型コンタクト領域を有
する半導体ウェーハの前記p型コンタクト領域の上に実
質的にII族元素を含まない第1の金属層を堆積する工
程と、前記第1の金属層の上にII族元素を含む第2の
金属層を堆積する工程と、前記半導体ウェーハを熱処理
することにより、前記第2の金属層に含まれている前記
II族元素を前記第1の金属層を介して前記p型コンタ
クト領域に拡散させて前記p型コンタクト領域の表面キ
ャリア濃度を上昇させる工程と、を備えたことを特徴と
する。
【0025】または、本発明による半導体素子の製造方
法は、表面の少なくとも一部分にp型コンタクト領域を
有する半導体ウェーハの前記p型コンタクト領域の上に
II族元素とII族元素以外の金属元素とを含む第1の
金属層を堆積する工程と、前記第1の金属層の上にII
族元素とII族元素以外の金属元素とを含む第2の金属
層を堆積する工程と、前記半導体ウェーハを熱処理する
ことにより、前記第1の金属層に含まれている前記II
族元素を前記p型コンタクト領域に拡散させて前記p型
コンタクト領域の表面キャリア濃度を上昇させる工程
と、を備えたことを特徴とする。
【0026】あるいは、本発明による方法は、表面の少
なくとも一部分にp型コンタクト領域を有する半導体ウ
ェーハの前記p型コンタクト領域に実質的にII族元素
を含まない第1の金属層を堆積する工程と、前記第1の
金属層の上にII族元素とII族元素以外の金属元素と
を含む第2の金属層を堆積する工程と、前記半導体ウェ
ーハを熱処理することにより、前記第2の金属層に含ま
れている前記II族元素以外の前記金属元素は前記第1
の金属層を介して前記p型コンタクト領域まで実質的に
拡散させず、前記第2の金属層に含まれている前記II
族元素は前記第1の金属層を介して前記p型コンタクト
領域に拡散させて、前記p型コンタクト領域のキャリア
濃度を上昇させることにより、前記p型コンタクト領域
と前記第1の金属層との接触抵抗を低減する工程と、を
備えたことを特徴とする。
【0027】または、本発明による本発明は、表面の少
なくとも一部分にp型コンタクト領域を有する半導体ウ
ェーハの前記p型コンタクト領域にII族元素とII族
元素以外の金属元素とを含む第1の金属層を堆積する工
程と、前記第1の金属層の上にII族元素とII族元素
以外の金属元素とを含む第2の金属層を堆積する工程
と、前記半導体ウェーハを熱処理することにより、前記
第2の金属層に含まれている前記II族元素以外の前記
金属元素は前記第1の金属層を介して前記p型コンタク
ト領域まで実質的に拡散させず、前記第1の金属層に含
まれている前記II族元素は前記p型コンタクト領域に
拡散させて、前記p型コンタクト領域のキャリア濃度を
上昇させることにより、前記p型コンタクト領域と前記
第1の金属層との接触抵抗を低減する工程と、を備えた
ことを特徴とする。
【0028】ここで、本発明の望ましい実施の形態とし
ては、前述の方法において、前記半導体ウェーハは、I
II−V族化合物半導体からなることを特徴とする。
【0029】また、本発明の望ましい実施の形態として
は、前述の方法において、前記p型コンタクト領域は、
Inx Gay Al1-x-y N(0≦x,y≦1,x+y≦
1)からなることを特徴とする。
【0030】また、本発明の望ましい実施の形態として
は、前述の方法において、前記p型コンタクト領域は、
Inx'Gay'Al1-x'-y' P(0≦x’,y’≦1,
x’+y’≦1)からなることを特徴とする。
【0031】また、本発明の望ましい実施の形態とてし
ては、前述の方法において、前記第1の金属層は、N
i、Pd、Pt、Ti、Zr、Hf、Cr、Mo、W、
窒化チタン、窒化タングステン或いは珪化チタンのうち
の少なくともいずれかよりなることを特徴とする。
【0032】また、本発明の望ましい実施の形態として
は、前述の方法において、前記第2の金属層は、II族
元素と、前記II族元素よりも平衡蒸気圧が低い金属と
の合金からなることを特徴とする。
【0033】また、本発明の望ましい実施の形態として
は、前述の方法において、前記II族元素は、Znまた
はMgのいずれかであることを特徴とする。
【0034】また、本発明の望ましい実施の形態として
は、前述の方法において、前記第1の金属層の膜厚は1
nm以上50nm以下であることを特徴とする。
【0035】また、本発明の望ましい実施の形態として
は、前述の方法において、前記第2の金属層の膜厚は2
nm以上50nm以下であることを特徴とする。
【0036】また、本発明の望ましい実施の形態として
は、前述の方法において、前記熱処理は、400℃〜6
00℃の温度で10秒間〜10分間の間施すことを特徴
とする。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明は、p型半導体に対して付
着強度の高い第1の金属層と、p型半導体に対するドー
パントであるII族元素を含んだ第2の金属層とを積層
し、熱処理することによって、第2の金属層のII族元
素をp型半導体層に拡散させて接触抵抗を低下すること
をひとつの特徴としている。このようにすれば、電極の
付着強度を維持しつつ、接触抵抗を低下することができ
る。ここで、半導体に対して付着強度の高い第1の金属
層は、II族元素を含まない状態で積層させた後に第2
の金属層からII族元素を拡散させても良く、または、
予めII族元素を含んだ状態で積層させ、その含有する
II族元素を半導体のコンタクト層に拡散させても良
い。
【0038】以下に図面を参照しながら本発明の実施の
形態を説明する。図1は、本発明による第1の半導体素
子の構成を表す概略断面図である。すなわち、同図に示
した発光素子10は、青色の波長帯において発光する窒
化ガリウム系発光素子である。発光素子10は、サファ
イア基板12上に積層された多層構造を有する。サファ
イア基板12上には、まずバッファ層14が堆積されて
いる。このバッファ層14の材料は、例えばInx Ga
y Al1-x-y Nとすることができる。
【0039】このバッファ層14の上には、n型コンタ
クト層16、n型クラッド層18、活性層20、p型ク
ラッド層22およびp型コンタクト層24がこの順序で
形成されている。n型コンタクト層16は、n側電極3
4とのオーミック接触を確保するように高いキャリア濃
度を有するn型の半導体層であり、その材料は、例え
ば、InxGay Al1-x-y Nとすることができる。n
型クラッド層18およびp型クラッド層22は、それぞ
れ活性層20に光と注入キャリアを閉じこめる役割を有
し、活性層よりも低い屈折率でバンドギャップが大きい
性質を有することが必要とされる。その材料は、例え
ば、活性層20よりもバッドギャップの大きいInx
y Al1-x-y Nとすることができる。
【0040】活性層20は、発光素子に電流として注入
された電荷が再結合することにより発光を生ずる半導体
層である。その材料としては、例えば、アンドープのI
xGay Al1-x-y Nを用いることができる。
【0041】p型コンタクト層24は、p側電極とのオ
ーミック接触を確保するように高いキャリア濃度を有す
るp型の半導体層であり、その材料は、例えば、Inx
Gay Al1-x-y Nとすることができる。
【0042】p型コンタクト層24の上には、第1の金
属層26と、第2の金属層28とがこの順序で積層され
ている。第1の金属層26は、p型コンタクト層24と
の付着強度の高い材料からなることが望ましい。第1の
金属層のためには、例えば、Niを1〜50nmの厚さ
で堆積することができる。また、第2の金属層28のた
めには、例えば、II族元素を含むAuを2〜50nm
の厚さで堆積することができる。但し、これらの金属を
堆積した後に熱処理が施されているので、第1の金属層
の中にも、II族元素やAuなどの成分がある程度は含
まれている。また、第1の金属層26と第2の金属層2
8は、その界面が合金化している場合もある。そして、
II族元素は、第1の金属層26を介してp型コンタク
ト層24の中に拡散侵入し、その表面キャリア濃度を上
昇させている。
【0043】また、p型コンタクト層24の上の一部分
には、電流阻止層30が形成されている。電流阻止層3
0の上にはTi/Au等のAu系電極やCr/Au32
が堆積され、その一部分は第2の電極28と接触してい
る。Ti/AuやCr/Au等のAu系電極32は、ボ
ンディング・パッドとしての役割を有し、駆動電流を素
子に供給するためのワイアがボンディングされる。
【0044】電流阻止層30は、Ti/AuやCr/A
u等のAu系電極32の下部で発光が生ずるのを抑制す
る役割を有する。
【0045】すなわち、図1に示した発光素子では、活
性層で生じた発光を金属層26および28を透過して上
方に取り出すようにされている。しかし、ボンディング
・パッド部32では電極の厚さが厚いために光を透過さ
せることができない。従って、電極32の下で生ずる発
光は、外部に取り出すことができず無駄となる。そこ
で、電流阻止層30を設けることにより、電極32の下
に駆動電流が注入されないようにして、光の取り出し効
率を向上させるようにしている。
【0046】また、n型コンタクト層16の上には、n
側電極34およびボンディング・パッド32が積層され
ている。n側電極34としては、例えば、Ti/Au,
Ti/Alを用いることができる。ボンディング・パッ
ド32はAuを堆積することにより形成することができ
る。さらに、ボンディング・パッド32以外の表面部分
は、酸化シリコン層45により覆われている。
【0047】次に、図1に示した発光素子10の製造工
程について概略的に説明する。図2〜図4は、本発明に
よる発光素子10の製造工程を表す概略工程断面図であ
る。
【0048】発光素子10の製造に際しては、まず、図
2(a)に示したように、サファイア基板12上に各半
導体層14〜24を順次エピタキシャル成長する。この
成長方法としては、例えば、有機金属気相成長法(MO
CVD法)や分子線エピタキシー(MBE法)を用いる
ことができる。
【0049】次に、図2(b)に示したように、その最
上層24の表面にドライ・エッチング用マスクの酸化シ
リコン膜40を堆積する。
【0050】次に、図2(c)に示したように、レジス
ト41を用いて酸化シリコン膜40をパターニングす
る。
【0051】続いて、図2(d)に示したように、酸化
シリコン膜40及びレジスト41をマスクにして、半導
体層の一部分をn側コンタクト層16の層中までドライ
・エッチングする。
【0052】次に、図3(a)に示したように、酸化シ
リコン膜40及びレジスト41を剥離する。
【0053】続いて、図3(b)に示したように、酸化
シリコン膜30を堆積し、レジスト43によってパター
ニングして、n側電極パターニング用のマスクを形成す
る。次に、図3(c)に示したように、n側電極34と
して、例えばTiとAuをこの順序で蒸着し、レジスト
43を用いてリフト・オフすることにより、パターニン
グする。さらに、熱処理することにより、n側電極34
のオーミック接触を形成する。
【0054】次に、図3(d)に示したように、再びレ
ジスト44を堆積し、パターニングして、p側電極をパ
ターニングするためのマスクを形成する。
【0055】そして、図4(a)に示したように、p側
電極として、第1の金属層26’及び第2の金属層2
8’を堆積し、レジスト44を用いてリフト・オフする
ことにより、パターニングする。これらの金属層26’
および28’は、その後に熱処理が施されて、それぞ
れ、第1の金属層26および第2の金属層28となる。
【0056】第1の金属層26’は、Niなどの金属を
電子ビーム蒸着法やスパッタ法などの方法により堆積し
て形成することができる。一方、第2の金属層28’
は、II族元素を含んだAuZnなどの合金を原料とし
て抵抗加熱蒸着法などの方法によるか、または、II族
元素とそれ以外の金属とをそれぞれ蒸発源とした多元蒸
着法によっても形成することができる。
【0057】ここで、第2の金属層28’の材料として
例えばAuZnを選択した場合は、Auに比べてZnの
平衡蒸気圧が高い。従って、AuZn合金を原料として
抵抗加熱法によって蒸着すると、AuよりもZnのほう
が優先的に蒸発して、第1の金属層26’との界面付近
にZnの組成の高い領域を形成する傾向がある。このよ
うにZnの組成が第1の金属層に近い位置に偏っている
と、前述したようなコンタクト層24への拡散侵入がよ
り優先的かつ容易に生じ易いという利点がある。
【0058】また、AuとZnとを別々の蒸発源から蒸
発させる多元蒸着法によって第2の金属層28’を形成
する場合も、Auの蒸発速度とZnの蒸発速度とをそれ
ぞれ制御することにより、前述のようなZnの組成分布
を設けることが可能である。なお、前述のようなZnの
組成分布を設けなくても本発明の効果が得られることは
いうまでもない。
【0059】第2の金属層28’を堆積した後に、熱処
理することにより、第2の金属層28’に含まれている
ZnなどのII族元素が第1の金属層26’内に拡散
し、さらにp型コンタクト層24の表面層に拡散侵入す
る。すなわち、熱処理後には、第2の金属層28’に含
まれていたII族元素は、第1の金属層26’とp型コ
ンタクト層24の表面層部分に拡散して分布する。この
ようにして、p型コンタクト層24の表面層にp型の高
濃度領域が形成され、第1の金属層26との接触抵抗を
低減することができる。
【0060】一方、第2の金属層28’に含まれていた
II族元素以外のAuなどの金属成分は、熱処理によっ
てある程度は第1の金属層26’の中に拡散して分布
し、または、第1の金属層26’を構成している金属元
素と合金化する場合もある。しかし、各層厚や熱処理条
件を最適化することによって、第2の金属層28’に含
まれているAuなどの金属成分は、第1の金属層26’
にブロックされ、p型コンタクト層24の表面までは実
質的に拡散しない。すなわち、p型コンタクト層24と
の付着強度を維持しつつ、p側電極の接触抵抗を低減す
ることができる。このようにして第1の金属層26およ
び第2の金属層28からなるp側電極を形成することが
できる。
【0061】次に、図4(b)に示したように、酸化シ
リコン45を堆積し、レジスト46によってパターニン
グしてボンディング金属用のマスクを形成する。
【0062】そして、図4(c)に示したように、Au
を蒸着し、レジスト46を用いてリフト・オフすること
により、パターニングする。このパターニングによっ
て、p側電極およびn側電極の上にボンディング金属と
してAuが形成される。
【0063】以上に説明した工程によりサファイア基板
12上に形成された発光素子は、その後に劈開により分
離され、ステム、チップキャリア或いは実装基板上に所
定の方法でマウントされる。さらに、p側電極及びn側
電極にワイアがボンディングされて発光装置が完成す
る。
【0064】このようにして得られる電極の接触抵抗や
付着強度は、第1の金属層26’の層厚と、第2の金属
層28’の組成および層厚と、熱処理条件とに強く依存
する。すなわち、第1の金属層26’の層厚が厚すぎる
と、II族元素が半導体層に拡散しにくくなり、接触抵
抗を低減することができない。一方、第1の金属層2
6’の層厚が薄すぎると、Auが容易に半導体層表面に
拡散して、付着強度が低下しやすくなる。
【0065】本発明者の実験によれば、例えば、第1の
金属層26’の原料としてNiを用い、第2の金属層2
8’の原料としてAu−Mgを用いた場合には、Niの
層厚を1〜50nmとし、AuMgのMg含有量を0.
2〜10重量%として層厚を2〜50nmとした時に、
接触抵抗の低減効果が特に顕著であった。また、この層
厚および組成の範囲では、熱処理温度として、250〜
1000℃の温度範囲が望ましく、さらに望ましくは4
00〜600℃で10秒間〜10分間程度の熱処理が有
効であった。熱処理が十分でない場合には、接触抵抗が
十分に低下しない。一方、過度の熱処理を施すと、第2
の金属層28’に含まれるAuが第1の金属層26’を
拡散通過して、p型コンタクト層24の表面に達し、電
極の付着強度を低下させる傾向がみられた。
【0066】本発明者は、図1に示した構造のGaN系
の青色発光素子を試作して、従来の発光素子と特性を比
較した。図5は、本発明による半導体発光素子の諸特性
を従来の発光素子と比較して表した特性図である。すな
わち、図5(a)は電流・電圧特性図、同図(b)は電
流・光出力特性図、同図(c)は信頼性特性図である。
本発明による発光素子は、第1の金属層として厚さ10
nmのNiを堆積し、第2の金属層として厚さ10nm
のAu−2%Mgを堆積し、400℃で10秒間の熱処
理を施してp側電極を形成した。一方、比較のために作
成した従来の発光素子においては、p側電極としてAu
を採用し、それ以外の素子構造および作成プロセスは、
本発明による素子と同一とした。
【0067】図5(a)に示したように、本発明による
素子は、従来のものより、動作電圧も微分抵抗も低い。
例えば、電流値が20mAの時の動作電圧を比較する
と、従来は5Vであったのに対して、本発明による素子
は3Vと低い。また、立ち上がり後の傾斜も本発明によ
る素子の方が従来よりも大きく、微分抵抗が低いことを
示している。
【0068】本発明によれば、このように動作電圧が低
いために、発光特性も大幅に改善される。すなわち、図
5(b)に示したように、従来の素子では動作電流30
mA程度で光出力が飽和して3mW以上の出力を得るこ
とができなかった。しかし、本発明によれば、動作電流
100mAまで光出力は飽和せず、10mW以上の出力
を得ることができる。本発明における光出力の向上は、
動作電圧が低いことに起因している。すなわち、本発明
によれば、動作電圧が従来よりも低いために、電流供給
に伴う発熱が少なく、発熱に伴う発光特性の低下が生じ
にくい。
【0069】また、本発明によれば、発光素子の寿命も
大幅に改善することができる。すなわち、図5(c)に
示したように、従来の素子では、発光動作の開始と同時
に連続的に光出力が劣化し続ける。この初期の劣化は、
非発光センタにより生ずる。すなわち、従来の素子で
は、p側電極の材料としてAu、Ag或いはCuなどの
I族元素が採用されている。これらのI族元素は、時間
の経過とともに半導体層中に拡散侵入して、深い準位を
形成する。そして、この深い準位は、非発光性の再結合
センタを形成し、発光効率を低下させる。このようにし
て、初期の劣化が生ずる。
【0070】さらに、従来の素子においては、連続動作
時間が約1000時間を経過すると、光出力は急速に劣
化する。これは、前述した非発光センタで生ずる再結合
エネルギにより、徐々に結晶欠陥が形成され、成長し
て、発光素子の活性層に達することにより生ずる。
【0071】一方、本発明による発光素子は、1000
0時間以上の動作時間に対して、光出力は極めて安定し
ている。すなわち、10000時間経過時においても、
初期値の約98%の光出力を維持している。このように
優れた信頼性を示すのは、非発光センタとなるAuなど
のI族元素が、第1の金属層26によりブロックされて
半導体結晶中に拡散侵入しにくいからである。
【0072】また、本発明によれば、p側電極の密着性
も顕著に改善される。すなわち、Au電極を採用した従
来の素子では、ワイア・ボンディング工程において電極
の剥離が80%前後も発生する場合があった。しかし、
本発明による発光素子では、ワイア・ボンディング工程
における電極剥離の割合は1%以下であり、組立歩留ま
りが顕著に改善された。
【0073】さらに、本発明によれば、サージ耐圧も改
善される。すなわち、従来の素子では、前述したp側電
極の剥離やI族元素の拡散侵入によって、サージ耐圧が
低下し、EIAJ規格による測定値は、約50Vに過ぎ
なかった。しかし、本発明による素子では、電極の付着
強度が改善され、また、I族元素の拡散侵入も抑制され
るために、EIAJ規格による測定値は300V以上と
大きく改善された。
【0074】本発明によれば、p側電極の接触抵抗が低
いために、素子の動作電圧を低下することができる。p
側の接触抵抗を低下させるためには、p側の半導体層の
表面のキャリア濃度を高くすることが必要とされる。し
かし、p側の半導体層にドーパントを高濃度にドーピン
グすると、その表面モフォロジが劣化して平坦な層を形
成することが困難である。しかし、本発明によれば、第
1の金属層26’を介してII族元素を拡散させるの
で、半導体層の表面モフォロジを劣化することなく、接
触抵抗を低下することができるという効果も得ることが
できる。
【0075】ここで、本発明における第1の金属層2
6’の材料は、半導体層との付着強度を確保するととも
に、第2の電極材料に含まれていて電極の付着強度を低
下させるAuなどの元素の拡散を抑制するバリアの役割
を果たすことが必要とされる。そのような材料として
は、Niの他に、Pd、Pt、Ti、Zr、Hf、C
r、Mo或いはWなどの金属が挙げられる。また、窒化
チタン、窒化タングステン或いは珪化チタンなどの化合
物を用いることもできる。
【0076】これらのうちで、Ni、Pd或いはPtを
用いた場合は、下地の半導体に対する密着性が特に優れ
るという効果が得られる。また、Ti、Zr或いはHf
を用いた場合は、半導体中で非発光センタを形成するI
族元素の侵入を特に抑制できるという効果が得られる。
また、Cr、Mo或いはWを用いた場合には、密着性が
優れ高温の熱処理に耐えしかも下地の半導体からの窒素
の乖離蒸発を特に抑制することができるという効果が得
られる。一方、窒化チタン或いは窒化タングステンを用
いた場合には、熱処理による下地の半導体からの窒素の
乖離蒸発を抑制するために高温での熱処理が可能とな
り、コンタクト層のキャリア濃度をさらに上昇させて接
触抵抗を低減することができるという効果が得られる。
また、珪化チタンを用いた場合には、第2の金属層28
のII族元素以外のAuなどの金属元素の半導体層への
拡散侵入を特に抑制することができ、素子のサージ耐圧
が特に改善されるという効果が得られる。
【0077】第2の電極材料に含まれるII族元素とし
ては、ZnやMgが望ましい。これは、これらの元素が
III−V族半導体中でアクセプタを形成しやすく、ま
た、毒性が少なく、取り扱いが容易だからである。しか
し、これらの元素の他に、Be、Ca、Sr、Cd、H
gなども採用することができる。また、これらのII族
元素とともに第2の金属層を構成する金属は、前述した
Auに限定されず、第1の電極材料26中での拡散速度
がII族元素よりも小さい金属であれば良い。また、均
一な組成の原料を安定して得るためには、II族元素と
所定の組成範囲において固溶体を形成する金属であるこ
とが望ましい。さらに、前述したように、II族元素よ
りも平衡蒸気圧が低い元素であることが望ましい。な
お、接触抵抗を低減するためには、第1の電極材料にI
I族元素を予め含有させることも考えられる。この構成
については、後に説明する第3実施例〜第6実施例にお
いて詳述する。本発明によれば、従来から用いられてい
るNiやAuZnなどの材料を利用して、電極の付着強
度を確保しつつ、容易に接触抵抗を低減することができ
る。
【0078】また、図1においては、p側電極として、
第1の金属層26と第2の金属層28からなる積層構造
を図示したが、本発明は、これに限定されるものではな
い。この他の例として、例えば、第1の金属層26を積
層構造とすることもできる。すなわち、p型半導体層の
上にまず、密着性の優れたNiなどの金属層を堆積し、
その上にAuの拡散に対するバリアとなるTiなどの金
属層を堆積し、さらにその上にAuZnなどの金属層を
堆積して、熱処理を施すこととしても良い。また、第2
の金属層を多層構造とすることもできる。すなわち、p
型半導体層の上にまず、密着性の優れたNiなどの金属
層を堆積し、その上にAuMgを堆積し、さらにその上
にAuZnなどの金属層を堆積して、熱処理を施すこと
としても良い。さらに、これらの金属層の上に、さら
に、第3の金属層を堆積しても良い。またボンディング
・パッド用電極は、Auを含むAu/Cr、Au/N
i、Au/TiさらにAlでも良い。
【0079】次に、本発明による第2の半導体素子につ
いて説明する。図6は、本発明による第2の半導体発光
素子の断面を表す概略構成図である。すなわち、同図に
示した発光素子50は、赤色〜緑色に発光するリン系化
合物半導体発光素子である。発光素子50は、n型Ga
As基板52上に積層された多層構造を有する。GaA
s基板52の上には、まずバッファ層54が堆積され
る。このバッファ層54の材料は、例えばn型のGaA
sとすることができる。
【0080】このバッファ層54の上には、n型クラッ
ド層56、活性層58、p型クラッド層60がこの順序
で形成されている。n型クラッド層56およびp型クラ
ッド層60は、それぞれ活性層58に光と注入キャリア
を閉じこめる役割を有し、活性層よりも低い屈折率を有
することが必要とされる。その材料は、例えば、活性層
58よりもバッドギャップの大きいInGaAlPとす
ることができる。活性層58は、発光素子に電流として
注入された電荷が再結合することにより発光を生ずる半
導体層である。その材料としては、例えば、アンドープ
のInGaAlPを用いることができる。
【0081】p型クラッド層60の上には、ボンディン
グ・パッド下での発光を抑制するための電流阻止層62
が形成されている。電流阻止層は、外部から供給される
駆動電流がボンディング・パッドの下に流れることを阻
止するための層であり、例えば、n型のInGaAlP
とすることができる。
【0082】p型クラッド層60の上には、第1の電極
金属64と、第2の電極金属66とがこの順序で積層さ
れている。第1の電極金属64のためには、p型クラッ
ド層60との付着強度の高い材料を選択することが望ま
しい。その材料としては、例えば、厚さ1〜50nmの
Niを用いることができる。また、第2の電極金属66
のためには、例えば、II族元素を含むAuを2〜50
nmの厚さで形成することができる。ただし、これらの
金属層を堆積した後に、熱処理が施されているために、
第1の金属層64にもII族元素やAuがある程度は含
まれている。また、第1の金属層64と第2の金属層6
6の界面は合金化している場合もある。電流阻止層62
の上にはAu電極32が堆積され、第2の金属層66と
接触している。Au電極68は、ボンディング・パッド
としての役割を有し、外部から駆動電流を供給するため
の図示しないワイアがボンディングされる。
【0083】n型基板52の裏面には、n側電極70が
積層されている。n側電極70は、例えば、TiとAu
をこの順序で積層した多層構造の電極とすることができ
る。図6に示した発光素子50の製造に際しては、各半
導体層54〜62は、例えば、有機金属気相成長法(M
OCVD法)によりGaAs基板52上にエピタキシャ
ル成長することができる。
【0084】半導体発光素子50の製造工程について
は、図2〜図4に関連して前述した各工程と概略同様で
あるために詳しい説明は省略する。
【0085】本発明者は、第1の金属層64’として厚
さ10nmのNiを堆積し、第2の金属層66’として
Au−2%Znを10nmの厚さに堆積し、さらに40
0℃で約10秒間の熱処理を施した。このようにして作
成した発光素子について、オージェ分光分析を行ったと
ころ、Auの半導体層への拡散が十分に抑制されている
ことが確認された。
【0086】また、図1に示した発光素子10に関して
前述したような種々の効果も得られることが確認され
た。すなわち、図6に示した発光素子50においても、
従来の素子と比較して、駆動電圧が低下し、光出力が上
昇し、信頼性が向上するとともに、電極の剥離が抑制さ
れ、サージ耐圧も改善された。
【0087】図6においては、p側電極として、第1の
金属層64と第2の金属層66との積層構造を図示した
が、本発明は、これに限定されるものではない。この他
の例として、例えば、前述したように、各金属層が積層
構造を有していてもよい。また、これらの金属層の上
に、さらに、図示しない第3の金属層を堆積しても良
い。
【0088】また、図6に示した発光素子50は、リン
系化合物半導体の発光素子としての一例を挙げたものに
過ぎない。その他にも例えば、p型クラッド層60の上
に、図示しないp型コンタクト層を形成することもでき
る。さらに、同図に例示した各半導体層の導電型を反転
させた構造の素子も本発明の範囲に包含される。その場
合には、本発明によるp側の電極構造は、p型基板の裏
面に形成されることとなる。さらに、本発明は、その他
にも、p型半導体層において電極を形成する必要のある
すべての発光素子に対して適用することができる。
【0089】次に、本発明の第3の半導体素子について
説明する。図7は、本発明による第3の半導体発光素子
の断面を表す概略構成図である。すなわち、同図に示し
た発光素子は、GaN系の発光素子であり、サファイア
基板100の上に、InGaAlNからなるバッファ層
101、n型InGaAlNからなるコンタクト層10
2、n型InGaAlNからなるクラッド層103、n
型InGaAlNからなる活性層104、p型InGa
AlNからなるクラッド層105、p型InGaAlN
からなるコンタクト層106が形成されている。
【0090】p型コンタクト層106の上には、3層構
造のp側電極110が設けられている。すなわち、p側
電極110は、マグネシウムを含有したニッケル(Ni
−Mg)からなる第1の金属層107と、マグネシウム
を含有した金(Au−Mg)からなる第2の金属層10
8と、Auからなる第3の金属層109がこの順序に積
層されてなる。ここで、第1の金属層107は、コンタ
クト層106に対して密着し、同時に接触抵抗を低減さ
せる役割を有する。第2の金属層108は、第1の金属
層107を介してコンタクト層106のコンタクト領域
にドーパントを供給するとともに、第1の金属層107
と第3の金属層109との密着性を確保する役割を有す
る。第3の金属層109は、ボンディング・パッドとし
ての役割を有する。
【0091】一方、n型コンタクト層102の上には、
TiとAuとを積層してなる金属層111と、同じくT
iとAuとを積層してなる金属層112とからなるn側
電極113が設けられている。
【0092】本実施例においては、p側電極110の第
1の金属層107として、予めII族元素のマグネシウ
ムを添加して積層させている。このように、第1の金属
層に予めII族元素を添加して積層させることによっ
て、p型コンタクト層106との密着性を高め、さらに
効果的にオーミック性を改善することができる。すなわ
ち、第1の金属層107に含有されるII族元素は、熱
処理により容易にp型コンタクト層106のコンタクト
部分に拡散させることができる。その結果として、コン
タクト部の接触抵抗を容易に低減することができる。ま
た、第1の金属層107の上にAu−Mgからなる第2
の金属層108を形成することにより、第1の金属層1
07と第3の金属層109との密着性が改善され、Au
ワイヤボンディング時の電極剥がれが解消された。
【0093】ここで、本発明者の検討の結果、第1の金
属層を堆積する際のマグネシウムの含有量は、0.1〜
12重量%以下とすることが望ましいことが分かった。
マグネシウムの含有量がこれよりも多いと、電極の付着
強度が低下する傾向が認められたからである。また、第
1の金属層の層厚は、1〜50nmの範囲にあることが
望ましい。また、第2の金属層の層厚は、前述した各実
施例と同様に、2〜50nmの厚さで形成することが望
ましい。
【0094】本実施例においても、各金属層を堆積した
後に、熱処理を施すことが望ましい。このような熱処理
により、第1の金属層107に含まれていたII族元素
の一部をコンタクト層106に容易に拡散させることが
できるからである。また、この熱処理により、第2の金
属層108に含まれていたII族元素の一部も第1の金
属層107を介してコンタクト層106に拡散させ、接
触抵抗をさらに低減することもできる。熱処理の条件
は、250℃〜1000℃の温度範囲内であることが望
ましく、さらに望ましくは、400℃〜600℃の範囲
内で、10秒間〜10分間程度の熱処理とすることが有
効であった。熱処理が十分でない場合には、接触抵抗が
十分に低下しない傾向がみられた。また、過度の熱処理
を施すと、第2の金属層108に含まれる金が第1の金
属層107を拡散通過して、コンタクト層106の表面
に達し電極の付着強度を低下させる傾向が認められた。
【0095】本実施例における第1の金属層107を構
成する主成分としては、半導体層との付着強度を確保す
るとともに、第2の電極材料に含まれていて電極の付着
強度を低下させるAuなどの元素の拡散を抑制するバリ
アの役割を果たす材料であることが必要とされる。その
ような材料としては、Niの他に、Pd、Pt、Ti、
Zr、Hf、Cr、Mo或いはWなどの金属が挙げられ
る。また、窒化チタン、窒化タングステン或いは珪化チ
タンなどの化合物を用いることもできる。
【0096】また、第2の金属層108を構成する主成
分は、前述したAuに限定されず、第1の電極材料10
7中での拡散速度がII族元素よりも小さい金属であれ
ば良い。また、均一な組成の原料を安定して得るために
は、II族元素と所定の組成範囲において固溶体を形成
する金属であることが望ましい。さらに、前述したよう
に、II族元素よりも平衡蒸気圧が低い元素であること
が望ましい。一方、第1の金属層107と第2の金属層
にそれぞれ添加するII族元素としては、ZnやMgが
望ましい。これは、これらの元素がIII−V族半導体
中でアクセプタを形成しやすく、また、毒性が少なく、
取り扱いが容易だからである。しかし、これらの元素の
他に、Be、Ca、Sr、Cd、Hgなども採用するこ
とができる。さらに、第1の金属層107に添加するI
I族元素と第2の金属層108に添加するII族元素と
は、必ずしも同一の元素である必要はない。すなわち、
第1の金属層107を構成する主要元素と第2の金属層
108を構成する主要元素のそれぞれの物性に応じて、
添加するII族元素を適宜選択することができる。
【0097】次に、本発明の第4の半導体発光素子につ
いて説明する。図8は、本発明による第4の半導体発光
素子の断面を表す概略構成図である。すなわち、同図に
示した発光素子は、GaN系の発光素子であり、SiC
基板200の上に、lnGaAlNからなるバッファ層
201、n型InGaAlNからなるコンタクト層20
2、n型InGaAlNからなるクラッド層203、n
型InGaAlNからなる活性層204、P型InGa
AlNからなるクラッド層205、p型InGaAlN
からなるコンタクト層206が形成されている。本実施
例においても、p型コンタクト層206の上には3層構
造のp側電極210が設けられている。すなわち、p側
電極210は、マグネシウムを含有したニッケル(Ni
−Mg)からなる第1の金属層207と、マグネシウム
を含有した金(Au−Mg)からなる第2の金属層20
8と、Auからなる第3の金属層209がこの順序に積
層されてなる。ここで、第1の金属層207は、コンタ
クト層206に対して密着し、同時に接触抵抗を低減さ
せる役割を有する。第2の金属層208は、第1の金属
層207を介してコンタクト層206のコンタクト領域
にドーパントを供給するとともに、第1の金属層207
と第3の金属層209との密着性を確保する役割を有す
る。第3の金属層209は、ボンディング・パッドとし
ての役割を有する。
【0098】一方、n型コンタクト層202の上には、
TiとAuとを積層してなる金属層211と、同じくT
iとAuとを積層してなる金属層212とからなるn側
電極213が設けられている。ここで、本実施例におい
ては、金属層212がコンタクト層202とバッファ層
201の側面から基板200の裏面に延在して形成され
ているものであり、NiとAuとの積層構造、またはC
rとAuとの積層構造であっても良い。このように、n
側電極を基板200の裏面まで延在させることにより、
発光素子を図示しない所定の部材に実装すると同時にn
側電極の接続を確保することができる。
【0099】本実施例においても、第1の金属層207
にマグネシウムなどのII族元素を予め添加して積層
し、その後に、適宜熱処理を施すことにより、前述した
第3実施例と同様の種々の効果を同様に得ることができ
る。
【0100】また、第1の金属層207や第2の金属層
208の材料についても第3実施例に関して前述した種
々の元素を同様に用いることができる。
【0101】次に、本発明の第5の半導体発光素子につ
いて説明する。図9は、本発明による第5の半導体発光
素子の断面を表す概略構成図である。すなわち、同図に
示した発光素子は、GaN系の発光素子であり、サファ
イア基板300の上に、lnGaAlNからなるバッフ
ァ層301、n型InGaAlNからなるコンタクト層
302、n型InGaAlNからなるクラッド層30
3、n型InGaAlNからなる活性層304、P型I
nGaAlNからなるクラッド層305、p型InGa
AlNからなるコンタクト層306が形成されている。
【0102】本実施例においては、p型コンタクト層3
06の上には、まず透光性の電極307が形成され、そ
の上に、3層構造の金属層308〜310が設けられて
いる。透光性の電極307の材料としては、例えば、イ
ンジウム錫酸化物(ITO)を用いることができる。第
1の金属層308としては、例えば、Ni−Mg合金を
用いることができる。第2の金属層309としては、例
えば、Au−Mg合金を用いることができる。第3の金
属層310としては、Auを用いることができる。各金
属層308〜310の役割は、第3実施例に関して前述
したものと同様である。すなわち、第1の金属層308
は、透光性の電極307に対して密着し、同時に接触抵
抗を低減させる役割を有する。第2の金属層309は、
透光性電極307と第1の金属層308とを介してコン
タクト層306のコンタクト領域にドーパントを供給す
るとともに、第1の金属層308と第3の金属層310
との密着性を確保する役割を有する。第3の金属層31
0は、ボンディング・パッドとしての役割を有する。
【0103】本実施例においては、透光性の電極307
を設けたことによって、活性層304からの発光を外部
に高い効率で取り出すことができる。
【0104】また、本実施例においても、第1の金属層
308にマグネシウムなどのII族元素を予め添加して
積層し、その後に、適宜熱処理を施すことにより、透光
性の電極307を介してコンタクト層306にII族元
素を供給することができ、前述した第3実施例と同様の
種々の効果を同様に得ることができる。
【0105】また、第1の金属層308や第2の金属層
309の材料についても第3実施例に関して前述した種
々の元素を同様に用いることができる。
【0106】次に、本発明の第6の半導体発光素子につ
いて説明する。図10は、本発明による第6の半導体素
子の断面を表す概略構成図である。すなわち、同図に示
した半導体素子は、電界効果型トランジスタであり、サ
ファイア基板400の上に、lnGaAlNからなるバ
ッファ層401、n型InGaAlNからなるチャネル
層402、p型InGaAlNからなるゲート領域40
3が形成されている。p型ゲート領域403の上には、
Ni−Mg合金からなる第1の金属層404、Au−M
g合金からなる第2の金属層405、Auからなる第3
の金属層406が順次積層されてなるp側電極407が
形成されている。また、n型チャネル層402の上に
は、TiとAuとを積層してなる金属層408と、同じ
くTiとAuとを積層してなる金属層409とからなる
n側電極410が設けられている。
【0107】本実施例においても、第1の金属層404
にマグネシウムなどのII族元素を予め添加して積層
し、その後に、適宜熱処理を施すことにより、ゲート領
域403のコンタクト領域にII族元素を供給すること
ができ、前述した第3実施例と同様の種々の効果を同様
に得ることができる。また、第1の金属層404や第2
の金属層405の材料についても第3実施例に関して前
述した種々の元素を同様に用いることができる。電界効
果型トランジスタにおいては、その周波数特性などを向
上するために、ゲート領域403をできるだけ狭く形成
する必要がある。本発明によれば、このように極めて狭
いゲート領域に対してp側電極を形成しても、十分な密
着性とオーミック性を確保することができる。すなわ
ち、本発明によれば、コンタクト面積が極めて限られて
いるような場合においても、p側電極の付着強度を十分
に確保することができ、同時に接触抵抗も十分に小さく
することができる。
【0108】以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施
の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの
具体例に限定されるものではない。
【0109】例えば、前述した各実施例においては、p
側電極として、II族元素を含みあるいは含まない第1
の金属層と、II族元素を含んだ第2の金属層とを積層
させて適宜熱処理を施す構造を図示した。しかし、本発
明は、これに限定されるものではない。この他の例とし
て、例えば、各金属層が積層構造を有していてもよい。
【0110】また、前述した各具体例は、それぞれ半導
体素子としての一例を挙げたものに過ぎない。これらの
他にも、例えば、各半導体層の導電型を反転させた構造
の素子も本発明の範囲に包含される。その場合には、本
発明によるp側の電極構造は、p型半導体層のコンタク
ト面またはp型基板の裏面に形成されることとなる。さ
らに、本発明は、その他にも、p型半導体層において電
極を形成する必要のあるすべての半導体素子に対して同
様に適用することができる。
【0111】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に説明する効果を奏する。
【0112】まず、本発明によれば、半導体発光素子の
p側電極の接触抵抗が低減される。従って、動作電圧を
低下することができ、発熱に起因する光出力の低下や発
振しきい値の上昇を抑制することにより、発光特性を向
上することができる。
【0113】また、本発明によれば、半導体発光素子の
p側電極の付着強度を改善することができる。従って、
電極の剥離による素子抵抗の増大や接触不良などの信頼
性の劣化を抑制することができる。また、振動などに対
する物理的な耐久性が向上することによって、半導体発
光素子を搭載したディスプレー装置、DVDシステムや
光ディスク再生装置、光通信システムなどの信頼性を顕
著に向上させ、扱い易くすることができる。同時に、電
極の付着強度が改善された結果として、いわゆるフリッ
プ・チップ実装が容易となる。したがって、実装工程が
簡素化され、半導体発光素子の実装状態での電気的、光
学的性能が向上し、また、外形寸法も縮小することがで
きる。
【0114】さらに、本発明によれば、半導体発光素子
の半導体層に結晶欠陥を発生させるAuなどのI族元素
の拡散侵入を抑制することができる。従って、これらの
結晶欠陥に起因するDLDなどによる発光特性の劣化を
防ぐことができ、半導体発光素子の発光特性の寿命を延
ばして信頼性を改善することができる。
【0115】また、本発明によれば、サージ耐圧が改善
される。従って、発光素子の信頼性が向上し、サージに
対して従来必要とされていた保護手段や保護回路も不要
となる。
【0116】また、本発明によれば、従来の製造装置を
そのまま用い、特別な原料も用意することなく上述した
ような様々の顕著な効果を得ることができる。
【0117】以上詳述したように、本発明によれば、高
性能で高信頼性を有する半導体発光素子を簡単なプロセ
スにより高歩留まりで生産できるようになり、産業上の
メリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の半導体発光素子の構成を表
す概略断面図である。
【図2】本発明による半導体発光素子の製造工程を表す
概略工程断面図である。
【図3】本発明による半導体発光素子の製造工程を表す
概略工程断面図である。
【図4】本発明による半導体発光素子の製造工程を表す
概略工程断面図である。
【図5】本発明による半導体発光素子の特性を表す特性
図である。すなわち、同図(a)は電流・電圧特性図、
同図(b)は電流・光出力特性図、同図(c)は信頼性
特性図である。
【図6】本発明による第2の半導体発光素子の構成を表
す概略断面図である。
【図7】本発明による第3の半導体発光素子の断面を表
す概略構成図である。
【図8】本発明による第4の半導体発光素子の断面を表
す概略構成図である。
【図9】本発明による第5の半導体発光素子の断面を表
す概略構成図である。
【図10】本発明による第6の半導体素子の断面を表す
概略構成図である。
【符号の説明】
10、50 半導体素子 12 サファイア基板 14、54 バッファ層 16 nコンタクト層 18、56 n型クラッド層 20、58 活性層 22、60 p型クラッド層 24 p型コンタクト層 26、64 第1の金属層 26’ 第1の金属層 28、66 第2の金属層 28’ 第2の金属層 30、62 電流阻止層 32、68 ボンディング・パッド 34、70 n側電極 40、45 酸化シリコン 41、43、44、46 レジスト 52 基板 100、200、300、400 基板 101、201、301、401 バッファ層 102、202、302、402 n型コンタクト層 103、203、303 n型クラッド層 104、204、304 活性層 105、205、305 p型クラッド層 106、206、306 p型コンタクト層 107,207、308、404 第1の金属層 108、208、309、405 第2の金属層 109、209、310、406 金層 110、210、311、407 p側電極 111、112、211、312、313、408、4
09 Ti/Au層 113、213、314、410 n側電極 402 チャネル層 403 ゲート領域

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の化合物半導体層を積層した積層構造
    体の表面のp型コンタクト領域の上に実質的にII族元
    素を含まない第1の金属層を堆積し、前記第1の金属層
    の上にII族元素とII族元素以外の金属元素とを含む
    第2の金属層を堆積した後に、熱処理された半導体素子
    であって、前記第2の金属層に含まれている前記II族
    元素以外の前記金属元素は、前記第1の金属層を介して
    前記p型コンタクト領域まで実質的に拡散しておらず、
    前記第2の金属層に含まれていた前記II族元素の一部
    は前記第1の金属層を介して前記p型コンタクト領域に
    拡散侵入して、前記p型コンタクト領域の表面キャリア
    濃度を上昇させることにより、前記p型コンタクト領域
    と前記第1の金属層との接触抵抗が低減するものとして
    構成されていることを特徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】複数の化合物半導体層を積層した積層構造
    体の表面のp型コンタクト領域の上にII族元素とII
    族元素以外の金属元素とを含む第1の金属層を堆積し、
    前記第1の金属層の上にII族元素とII族元素以外の
    金属元素とを含む第2の金属層を堆積した後に、熱処理
    された半導体素子であって、前記第2の金属層に含まれ
    ている前記II族元素以外の前記金属元素は、前記第1
    の金属層を介して前記p型コンタクト領域まで実質的に
    拡散しておらず、前記第1の金属層に含まれていた前記
    II族元素の一部は前記p型コンタクト領域に拡散侵入
    して、前記p型コンタクト領域の表面キャリア濃度を上
    昇させることにより、前記p型コンタクト領域と前記第
    1の金属層との接触抵抗が低減するものとして構成され
    ていることを特徴とする半導体素子。
  3. 【請求項3】複数の化合物半導体層を積層した積層構造
    体と、この積層構造体におけるp型コンタクト領域上に
    堆積された第1の金属層と、前記第1の金属層の上に堆
    積されたII族元素とII族元素以外の金属元素とを含
    む第2の金属層と、を備え、 前記第1の金属層と前記第2の金属層とを堆積した後の
    熱処理により、前記p型コンタクト領域は、第2の金属
    層に含まれていた前記II族元素の一部が前記第1の金
    属層を介してこのp型コンタクト領域に拡散侵入して、
    このp型コンタクト領域の表面キャリア濃度を上昇させ
    て、このp型コンタクト領域と前記第1の金属層との接
    触抵抗が低減させられ、前記第2の金属層に含まれてい
    る前記II族元素以外の前記金属元素は、前記第1の金
    属層のバリア機能によって、このp型コンタクト領域へ
    の拡散が阻止されているものとして構成されていること
    を特徴とする半導体素子。
  4. 【請求項4】複数の化合物半導体層を積層した積層構造
    体と、この積層構造体におけるp型コンタクト領域上に
    堆積されたII族元素とII族元素以外の金属元素とを
    含む第1の金属層と、前記第1の金属層の上に堆積され
    たII族元素とII族元素以外の金属元素とを含む第2
    の金属層と、を備え、 前記第1の金属層と前記第2の金属層とを堆積した後の
    熱処理により、前記p型コンタクト領域は、第1の金属
    層に含まれていた前記II族元素の一部が前記p型コン
    タクト領域に拡散侵入して、このp型コンタクト領域の
    表面キャリア濃度を上昇させて、このp型コンタクト領
    域と前記第1の金属層との接触抵抗が低減させられ、前
    記第2の金属層に含まれている前記II族元素以外の前
    記金属元素は、前記第1の金属層のバリア機能によっ
    て、このp型コンタクト領域への拡散が阻止されている
    ものとして構成されていることを特徴とする半導体素
    子。
  5. 【請求項5】前記第1の金属層の膜厚は1nm以上50
    nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か1つに記載の半導体素子。
  6. 【請求項6】前記第2の金属層の膜厚は2nm以上50
    nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か1つに記載の半導体素子。
  7. 【請求項7】表面の少なくとも一部分にp型コンタクト
    領域を有する半導体ウェーハの前記p型コンタクト領域
    の上に実質的にII族元素を含まない第1の金属層を堆
    積する工程と、 前記第1の金属層の上にII族元素を含む第2の金属層
    を堆積する工程と、 前記半導体ウェーハを熱処理することにより、前記第2
    の金属層に含まれている前記II族元素を前記第1の金
    属層を介して前記p型コンタクト領域に拡散させて前記
    p型コンタクト領域の表面キャリア濃度を上昇させる工
    程と、を備えたことを特徴とする半導体素子の製造方
    法。
  8. 【請求項8】表面の少なくとも一部分にp型コンタクト
    領域を有する半導体ウェーハの前記p型コンタクト領域
    の上にII族元素とII族元素以外の金属元素とを含む
    第1の金属層を堆積する工程と、 前記第1の金属層の上にII族元素とII族元素以外の
    金属元素とを含む第2の金属層を堆積する工程と、 前記半導体ウェーハを熱処理することにより、前記第1
    の金属層に含まれている前記II族元素を前記p型コン
    タクト領域に拡散させて前記p型コンタクト領域の表面
    キャリア濃度を上昇させる工程と、を備えたことを特徴
    とする半導体素子の製造方法。
  9. 【請求項9】表面の少なくとも一部分にp型コンタクト
    領域を有する半導体ウェーハの前記p型コンタクト領域
    に実質的にII族元素を含まない第1の金属層を堆積す
    る工程と、 前記第1の金属層の上にII族元素とII族元素以外の
    金属元素とを含む第2の金属層を堆積する工程と、 前記半導体ウェーハを熱処理することにより、前記第2
    の金属層に含まれている前記II族元素以外の前記金属
    元素は前記第1の金属層を介して前記p型コンタクト領
    域まで実質的に拡散させず、前記第2の金属層に含まれ
    ている前記II族元素は前記第1の金属層を介して前記
    p型コンタクト領域に拡散させて、前記p型コンタクト
    領域のキャリア濃度を上昇させることにより、前記p型
    コンタクト領域と前記第1の金属層との接触抵抗を低減
    する工程と、 を備えたことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  10. 【請求項10】表面の少なくとも一部分にp型コンタク
    ト領域を有する半導体ウェーハの前記p型コンタクト領
    域にII族元素とII族元素以外の金属元素とを含む第
    1の金属層を堆積する工程と、 前記第1の金属層の上にII族元素とII族元素以外の
    金属元素とを含む第2の金属層を堆積する工程と、 前記半導体ウェーハを熱処理することにより、前記第2
    の金属層に含まれている前記II族元素以外の前記金属
    元素は前記第1の金属層を介して前記p型コンタクト領
    域まで実質的に拡散させず、前記第1の金属層に含まれ
    ている前記II族元素は前記p型コンタクト領域に拡散
    させて、前記p型コンタクト領域のキャリア濃度を上昇
    させることにより、前記p型コンタクト領域と前記第1
    の金属層との接触抵抗を低減する工程と、を備えたこと
    を特徴とする半導体素子の製造方法。
  11. 【請求項11】前記第1の金属層の膜厚は1nm以上5
    0nm以下であることを特徴とする請求項7〜10のい
    ずれか1つに記載の方法。
  12. 【請求項12】前記第2の金属層の膜厚は2nm以上5
    0nm以下であることを特徴とする請求項7〜11のい
    ずれか1つに記載の方法。
  13. 【請求項13】前記熱処理は、400℃〜600℃の温
    度で10秒間〜10分間の間施すことを特徴とする請求
    項7〜12のいずれか1つに記載の方法。
JP4211798A 1997-02-27 1998-02-24 半導体素子およびその製造方法 Pending JPH10303460A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4211798A JPH10303460A (ja) 1997-02-27 1998-02-24 半導体素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4412197 1997-02-27
JP9-44121 1997-02-27
JP4211798A JPH10303460A (ja) 1997-02-27 1998-02-24 半導体素子およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10303460A true JPH10303460A (ja) 1998-11-13

Family

ID=26381763

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4211798A Pending JPH10303460A (ja) 1997-02-27 1998-02-24 半導体素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10303460A (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000077726A (ja) * 1998-08-27 2000-03-14 Seiwa Electric Mfg Co Ltd 半導体素子とその製造方法
JP2001085750A (ja) * 1999-09-16 2001-03-30 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体発光チップ
JP2001127382A (ja) * 1999-10-29 2001-05-11 Nichia Chem Ind Ltd 半導体レーザ装置、半導体レーザパッケージおよび半導体レーザ素子の製造方法
JP2001210868A (ja) * 1999-12-22 2001-08-03 Lumileds Lighting Us Llc 半導体デバイス用多層・高反射性オーミック接点
JP2002094117A (ja) * 2000-09-06 2002-03-29 Renyu Kagi Kofun Yugenkoshi 発光ダイオード素子及びその製造方法
JP2004336021A (ja) * 2003-05-07 2004-11-25 Samsung Electronics Co Ltd 薄膜電極、及びその製造方法
JP2005210051A (ja) * 2004-01-19 2005-08-04 Samsung Electro Mech Co Ltd フリップチップ用窒化物半導体発光素子
JP2006019705A (ja) * 2004-06-04 2006-01-19 Sharp Corp 半導体レーザ素子、半導体レーザ素子の製造方法、半導体素子の電極構造、光ディスク装置および光伝送システム
JP2007059508A (ja) * 2005-08-23 2007-03-08 Nec Corp n型窒化物半導体の電極及びn型窒化物半導体の電極の形成方法
JP2008244503A (ja) * 2005-10-07 2008-10-09 Samsung Electro Mech Co Ltd 窒化物系半導体発光素子及びその製造方法
US8552447B2 (en) 2010-02-17 2013-10-08 Toyoda Gosei Co., Ltd. Semiconductor light-emitting element
KR20140032794A (ko) * 2012-09-07 2014-03-17 엘지디스플레이 주식회사 발광소자 및 그 제조방법
US9000477B2 (en) 2002-04-09 2015-04-07 Lg Innotek Co., Ltd. Vertical topology light-emitting device
JP2015082612A (ja) * 2013-10-23 2015-04-27 旭化成株式会社 窒化物発光素子および窒化物発光素子の製造方法
JP2016171141A (ja) * 2015-03-11 2016-09-23 旭化成株式会社 窒化物発光素子および窒化物発光素子の製造方法
US9620677B2 (en) 2001-10-26 2017-04-11 Lg Innotek Co., Ltd. Diode having vertical structure

Cited By (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000077726A (ja) * 1998-08-27 2000-03-14 Seiwa Electric Mfg Co Ltd 半導体素子とその製造方法
JP2001085750A (ja) * 1999-09-16 2001-03-30 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体発光チップ
JP2001127382A (ja) * 1999-10-29 2001-05-11 Nichia Chem Ind Ltd 半導体レーザ装置、半導体レーザパッケージおよび半導体レーザ素子の製造方法
JP2001210868A (ja) * 1999-12-22 2001-08-03 Lumileds Lighting Us Llc 半導体デバイス用多層・高反射性オーミック接点
JP2002094117A (ja) * 2000-09-06 2002-03-29 Renyu Kagi Kofun Yugenkoshi 発光ダイオード素子及びその製造方法
US10032959B2 (en) 2001-10-26 2018-07-24 Lg Innotek Co., Ltd. Diode having vertical structure
US10326055B2 (en) 2001-10-26 2019-06-18 Lg Innotek Co., Ltd. Diode having vertical structure
US9620677B2 (en) 2001-10-26 2017-04-11 Lg Innotek Co., Ltd. Diode having vertical structure
US10453998B2 (en) 2002-04-09 2019-10-22 Lg Innotek Co. Ltd. Vertical topology light emitting device
US10147847B2 (en) 2002-04-09 2018-12-04 Lg Innotek Co., Ltd. Vertical topology light emitting device
US10644200B2 (en) 2002-04-09 2020-05-05 Lg Innotek Co., Ltd. Vertical topology light emitting device
US9847455B2 (en) 2002-04-09 2017-12-19 Lg Innotek Co., Ltd. Vertical topology light emitting device
US9000477B2 (en) 2002-04-09 2015-04-07 Lg Innotek Co., Ltd. Vertical topology light-emitting device
JP2011199319A (ja) * 2003-05-07 2011-10-06 Samsung Led Co Ltd 薄膜電極、及びその製造方法
JP2004336021A (ja) * 2003-05-07 2004-11-25 Samsung Electronics Co Ltd 薄膜電極、及びその製造方法
JP2005210051A (ja) * 2004-01-19 2005-08-04 Samsung Electro Mech Co Ltd フリップチップ用窒化物半導体発光素子
JP2006019705A (ja) * 2004-06-04 2006-01-19 Sharp Corp 半導体レーザ素子、半導体レーザ素子の製造方法、半導体素子の電極構造、光ディスク装置および光伝送システム
JP2007059508A (ja) * 2005-08-23 2007-03-08 Nec Corp n型窒化物半導体の電極及びn型窒化物半導体の電極の形成方法
US8525196B2 (en) 2005-10-07 2013-09-03 Samsung Electronics Co., Ltd. Nitride-based semiconductor light emitting diode
US7994525B2 (en) 2005-10-07 2011-08-09 Samsung Led Co., Ltd. Nitride-based semiconductor light emitting diode
US7977134B2 (en) 2005-10-07 2011-07-12 Samsung Led Co., Ltd. Nitride-based semiconductor light emitting diode and method of manufacturing the same
JP2011071540A (ja) * 2005-10-07 2011-04-07 Samsung Led Co Ltd 窒化物半導体発光素子の製造方法
US7893447B2 (en) 2005-10-07 2011-02-22 Samsung Led Co., Ltd. Nitride-based semiconductor light emitting diode
JP2008244503A (ja) * 2005-10-07 2008-10-09 Samsung Electro Mech Co Ltd 窒化物系半導体発光素子及びその製造方法
US8552447B2 (en) 2010-02-17 2013-10-08 Toyoda Gosei Co., Ltd. Semiconductor light-emitting element
KR20140032794A (ko) * 2012-09-07 2014-03-17 엘지디스플레이 주식회사 발광소자 및 그 제조방법
JP2015082612A (ja) * 2013-10-23 2015-04-27 旭化成株式会社 窒化物発光素子および窒化物発光素子の製造方法
JP2016171141A (ja) * 2015-03-11 2016-09-23 旭化成株式会社 窒化物発光素子および窒化物発光素子の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6281526B1 (en) Nitride compound light emitting device and method for fabricating same
US7648849B2 (en) Nitride semiconductor light emitting diode having mesh DBR reflecting layer
US8679869B2 (en) Contact for a semiconductor light emitting device
JP4568379B1 (ja) 窒化物系半導体素子およびその製造方法
KR100725610B1 (ko) 오믹 전극 형성 방법 및 반도체 발광 소자
KR100845037B1 (ko) 오믹 전극 및 그 형성 방법, 이를 구비하는 반도체 발광소자
US20230024651A1 (en) Light-emitting diode
JPH10303460A (ja) 半導体素子およびその製造方法
JP5608589B2 (ja) 半導体発光素子および半導体発光素子の製造方法
JPH11340506A (ja) 半導体発光素子およびその製法
JP2008171997A (ja) GaN系半導体発光素子
KR100755649B1 (ko) GaN계 반도체 발광소자 및 그 제조방법
KR100506736B1 (ko) 질화갈륨계 반도체 발광 소자 및 그 제조방법
JP2005183592A (ja) 半導体発光素子およびその製法
JP3776538B2 (ja) 半導体発光素子およびその製法
JP3239350B2 (ja) n型窒化物半導体層の電極
JP2001332760A (ja) Iii族窒化物系化合物半導体発光素子
JP3777869B2 (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
JP3187284B2 (ja) n型窒化物半導体層の電極
JP3144534B2 (ja) n型窒化物半導体層の電極
JP3349406B2 (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
JPH10173226A (ja) 半導体発光素子
JP2004103709A (ja) 半導体発光素子
JP3663869B2 (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体素子
JP2004228212A (ja) 酸化物半導体発光素子

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040702