JP3349406B2 - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法

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JP3349406B2
JP3349406B2 JP23513597A JP23513597A JP3349406B2 JP 3349406 B2 JP3349406 B2 JP 3349406B2 JP 23513597 A JP23513597 A JP 23513597A JP 23513597 A JP23513597 A JP 23513597A JP 3349406 B2 JP3349406 B2 JP 3349406B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、AlGaInP系
の化合物半導体材料を用いた半導体発光素子及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、AlGaInP系半導体材料を用
いた半導体発光素子は可視領域用の発光素子として用い
られている。その理由は、AlGaInP系材料におい
てはGaAs基板と格子整合が可能であること、III−
V族化合物半導体の中で最も直接遷移のバンドギャップ
が大きいこと等の特徴を有しているためである。特に、
半導体レーザ及び発光ダイオードとして550nmから
690nmの範囲で直接遷移型の発光を行うため、高い
発光効率を得ることができる。
【0003】しかし、AlGaInP系半導体発光素子
を短波長領域で用いるためには活性層のAl組成を大き
くする必要があり、高い発光効率を得ることが困難であ
った。このため、発光効率を向上させるべく活性層のキ
ャリア濃度を最適化した半導体発光素子が報告されてい
る。
【0004】例えば特公平5−72118号には、活性
層にSiをドーピングしてn導電型としたAlGaIn
P系半導体発光素子が報告されている。この第1の従来
例は、成長中にp型クラッド層からのドーパントが活性
層に拡散するのを低減することを目的としている。
【0005】しかし、AlGaInP系材料からなる活
性層にSiをドーピングした場合、成長中にp型クラッ
ド層からドーパントが活性層に拡散するのを低減するこ
とはできるものの活性層中のSiによりn導電型におけ
る深い準位が発生し、それに起因する非発光中心が増加
すること、及び少数キャリアである正孔の拡散長が低下
することなどにより、発光効率が低減するという問題が
あった。
【0006】この問題点を解決するために、例えば特開
平4−212479号には、図19に示すようなAlG
aInP系材料を用いた発光ダイオードが記載されてい
る。
【0007】この発光ダイオードは、n型GaAs基板
181上に、n型AlGaInPクラッド層183、A
lGaInP活性層184及びp型AlGaInPクラ
ッド層185からなるダブルヘテロ構造部が設けられ、
その上にp型AlGaAs電流拡散層187が設けられ
ている。p型AlGaAs電流拡散層187の中央部上
にはp型GaAsコンタクト層188が設けられ、その
上にp型電極1811が設けられている。n型基板18
1側には全面にn型電極1810が設けられている。
【0008】この第2の従来例においては、活性層18
4を、キャリア濃度1×1017cm-3以下のp型、又は
キャリア濃度5×1016cm-3以下のn型に設定してあ
る。
【0009】その理由として、活性層184をキャリア
濃度1×1017cm-3以上のp型、又はキャリア濃度5
×1016cm-3以上のn型となるようにドーピングした
場合、非発光中心が形成されて発光効率が低下するた
め、活性層のキャリア濃度をこの範囲に限定する必要が
あるとしている。
【0010】このように活性層のキャリア濃度を設定す
ることにより、活性層のAl組成比x=0.5とした発
光波長565nm(緑)の発光ダイオードにおいて、D
C20mAで発光効率が0.7%程度であり、従来の1
0倍の発光効率が得られたと記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年に
おいてはさらなる高輝度化が要求されており、上記第2
の従来例においても発光効率が不十分で輝度が低いとい
う問題点があった。その理由として、キャリア濃度を低
減することで非発光中心を低減することができるものの
発光再結合中心も増加しないため、発光効率を増加でき
ないことが考えられる。
【0012】例えば、発光波長565nm(緑)の発光
ダイオードでは発光効率がたかだか0.7%程度であ
り、無効電流を減らす構造を採用して実際にモールドし
た素子においても光度1カンデラ程度で充分な輝度では
なく、さらなる発光効率及び輝度の改善が求められてい
る。なお、上記第2の従来例のように活性層のキャリア
濃度を設定した場合、無効電流を減らす構造を採用して
実際にモールドした素子において、発光波長555nm
(緑色)では光度1カンデラ、発光波長570nm(黄
緑色)では光度3カンデラ、発光波長590nm(黄
色)では光度7カンデラ、発光波長610nm(オレン
ジ色)では光度10カンデラ程度であった。
【0013】また、上記第1及び第2の従来例のいずれ
においても素子の信頼性が充分に得られていないという
問題点がある。
【0014】例えば、活性層のキャリア濃度が1×10
17cm-3程度に低いと、通電中に活性層のキャリア濃度
による発光再結合寿命が変化して非発光再結合として作
用するようになるため、初期に比べて光度が劣化傾向に
なる。また、活性層のキャリア濃度が1×1018cm-3
程度に高いと、非発光中心として働いていたp型ドーパ
ントが発光再結合として作用するようになるため、初期
に比べて通電により光度が良化傾向になる。よって、素
子の信頼性を充分に得るためにキャリア濃度を一定の範
囲に設定することが求められている。
【0015】さらに、通信等の用途で必要とされる半導
体発光素子においては、その応答性についても問題点が
ある。例えばAlGaInP系材料の場合、活性層のキ
ャリア濃度が1×1016cm-3程度であると再結合確率
が1×10-10cm3sec-1程度であるので、発光再結
合による再結合寿命が約30nsec程度にしかならな
ず、応答特性もそれにつれて遅くなる。このため、近年
の高速光通信の用途に用いるのには問題があった。
【0016】本発明は、このような従来技術の課題を解
決するためになされたものであり、発光効率、信頼性及
び応答性を大幅に改善することができる半導体発光素子
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体発光素子
は、GaAs基板上に第1導電型の第1クラッド層と第
2導電型の第2クラッド層とで活性層を挟んだダブルヘ
テロ構造部を有する半導体発光素子であって、該活性層
が(Al x Ga 1-x y In 1-y P(0≦x≦1、0≦y≦
1)系材料からなり、該活性層の導電型がp型であり、
そのキャリア濃度が1×1017cm-3より大きく5×1
17cm-3以下の発光ダイオードであり、そのことによ
り上記目的が達成される。
【0018】前記活性層のキャリア濃度が、2×1017
cm-3以上で5×1017cm-3以下であってもよい。
【0019】
【0020】
【0021】前記活性層のp型ドーパントが、Zn、M
g、Be、Hg、Cd、Si又はCからなってもよい。
【0022】前記ダブルヘテロ構造部上に前記活性層よ
りもバンドギャップが大きい電流拡散層が設けられてい
る構成としてもよい。
【0023】前記基板、前記ダブルヘテロ構造部及び前
記電流拡散層を挟んで一対の電極が設けられ、該電流拡
散層側の電極が該電流拡散層の中央部上又は周縁部上に
あり、該ダブルヘテロ構造部上に該電流拡散層を挟んで
該電流拡散層側の電極と対向するように、該電流拡散層
と異なる導電型を有する電流阻止層が設けられている構
成としてもよい。
【0024】前記基板、前記ダブルヘテロ構造部及び前
記電流拡散層を挟んで一対の電極が設けられ、該電流拡
散層側の電極が該電流拡散層の中央部上又は周縁部上に
あり、該ダブルヘテロ構造部上に該電流拡散層を挟んで
該電流拡散層側の電極と対向するように、該電流拡散層
よりも抵抗の大きい電流阻止層が設けられている構成と
してもよい。
【0025】本発明の半導体発光素子の製造方法は、
aAs基板上に第1導電型の第1クラッド層と第2導電
型の第2クラッド層とで、導電型がp型であり、そのキ
ャリア濃度が1×1017cm-3より大きく3×1018
-3以下である活性層を挟んだダブルヘテロ構造部を有
する半導体発光素子を製造する方法であって、該活性層
が(Al x Ga 1-x y In 1-y P(0≦x≦1、0≦y≦
1)系材料からなり、III族材料の供給モル流量に対
するp型ドーパントの供給モル流量の比を0.001以
上にしたMOCVD法により該活性層を成長させる工程
を含み、そのことにより上記目的が達成される。
【0026】以下、本発明の作用について説明する。
【0027】本発明にあっては活性層がp型であるの
で、後述する図2に示すように、Siドーピングにより
n型とした従来例の半導体発光素子のように非発光中心
濃度が増加することなくドーパントが活性化し、キャリ
ア濃度を増加させることができる。また、p型活性層の
キャリア濃度が1×1017cm-3より大きく3×1018
cm-3以下であることにより、後述する図2、図6およ
び図9に示すように発光効率が向上する。
【0028】p型活性層のキャリア濃度を2×1017
-3以上で5×1017cm-3以下にすることにより発光
再結合中心の濃度が通電中に変動しないため、後述する
図4、図7および図10に示すように素子の信頼性が改
善される。
【0029】p型活性層のキャリア濃度が5×1017
-3以上で2×1018cm-3以下であれば、再結合確率
が1×10-10cm3sec-1程度であっても後述する図
12に示すように発光再結合による再結合寿命が20n
sec〜5nsecに向上するので、光通信用発光ダイ
オードとして充分な応答特性が得られる。また、この程
度のキャリア濃度であればドーピングによる非発光再結
合濃度もそれほど増加せず、輝度が減少することはな
い。
【0030】活性層のp型ドーパントとしては、Zn、
Mg、Be、Hg、Cd、Si又はCなど、p型の導電
性となるドーパントであればいずれも使用可能である。
【0031】活性層としては(AlxGa1-xyIn1-y
P(0≦x≦1、0≦y≦1)系材料を用いることがで
きる。
【0032】ダブルヘテロ構造部上に活性層よりもバン
ドギャップが大きい電流拡散層を設けることにより、電
流を広い領域に拡散させて発光領域を広げることができ
るので、さらに発光効率が改善される。
【0033】電流拡散層とは異なる導電型の電流阻止層
又は電流拡散層よりも抵抗の大きい電流阻止層を、電流
拡散層を挟んで電流拡散層側の電極と対向するように設
けると、電流拡散層において電流阻止層の非形成部に電
流が導かれるので発光効率が向上する。例えば、電極を
電流拡散層の中央部上に設けてその電極に対向するよう
に電流阻止層を設けると、活性層の周縁部の広い領域に
電流が導かれて発光領域が広がるので発光効率が改善さ
れると共に、電極の非形成部である周縁部からの光の取
り出し効率が向上する。また、電極を電流拡散層の周縁
部上に設けてその電極に対向するように電流阻止層を設
けると、活性層の中央部に電流が導かれて電流密度が増
加するので発光効率が改善されると共に、電極の非形成
部である中央部からの光の取り出し効率が向上する。
【0034】本発明において、MOCVD(Metal
Organic Chemical Vapor D
eposition)法により活性層を成長させる場
合、III族材料の供給モル流量に対するp型ドーパント
の供給モル流量の比を0.001以上にすることによ
り、キャリア濃度が1×1017cm-3より大きく3×1
18cm-3以下のp型活性層を成長させることができ
る。また、MBE(Molecular Beam E
pitaxy)法によっても、キャリア濃度1×1017
cm-3より大きく3×1018cm-3以下のp型活性層を
成長させることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0036】(実施形態1)この実施形態1では、活性
層のp型ドーパントとしてZnを用いたAlGaInP
系化合物半導体発光素子について説明する。
【0037】図1に、実施形態1の半導体発光素子の断
面図を示す。
【0038】この半導体発光素子は発光ダイオードであ
り、n型GaAs基板1上にn型GaAs(例えばSi
濃度5×1017cm-3、厚み0.5μm)バッファ層2
が設けられ、その上にn型(AlxGa1-xyIn1-y
(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.0、y=
0.5、Si濃度5×1017cm-3、厚み1.0μm)
クラッド層3、p型(AlxGa1-xyIn1-yP(0≦
x≦1、0≦y≦1、例えばx=0.5、y=0.5、
Zn濃度5×1017cm-3、厚み0.5μm)活性層4
及びp型(AlxGa1-xyIn1-yP(0≦x≦1、0
≦y≦1、例えばx=1.0、y=0.5、Zn濃度5
×1017cm-3、厚み1.0μm)クラッド層5からな
るダブルヘテロ構造部が設けられている。その上にp型
GaP(例えばZn濃度5×1018cm-3、厚み5.0
μm)電流拡散層6が設けられている。p型電流拡散層
6の中央部上にはp型電極11が設けられ、n型基板1
側には全面にn型電極10が設けられている。
【0039】この発光ダイオードは、例えば以下のよう
にして製造することができる。
【0040】まず、n型GaAs基板1上に、例えばM
OCVD法によりn型GaAsバッファ層2、n型(A
xGa1-xyIn1-yPクラッド層3、p型(Alx
1-xyIn1-yP活性層4、p型(AlxGa1-xy
1-yPクラッド層5及びp型GaP電流拡散層6を順
次積層成長する。
【0041】ここで、活性層4の成長時には、そのキャ
リア濃度(Zn濃度)を5×1017cm-3にするために
III族材料の供給モル流量に対するZnの供給モル流量
の比を0.2に設定して成長を行った。
【0042】次に、p型電流拡散層6の中央部上にp型
電極11を形成し、n型基板1側に全面にn型電極10
を形成することにより、発光波長555nmの緑色発光
ダイオードが完成する。
【0043】本実施形態においては、活性層4のキャリ
ア濃度(Zn濃度)を5×1017cm-3にしているた
め、発光効率を向上させることができる。このことにつ
いて図2および図3を参照しながら説明する。
【0044】図2は、活性層にZnをドーピングした場
合について、活性層のキャリア濃度(cm-3)に対する
発光効率(%)の関係を示すグラフである。この図から
わかるように、活性層のZn濃度が1×1017cm-3
り大きく3×1018cm-3以下の範囲では、発光効率が
1.2%を上回っており、第2の従来例の半導体発光素
子に比べて約2倍の発光効率が得られることがわかる。
【0045】ここで、活性層にZnをドーピングするこ
とによって発光効率が増加する理由について説明する。
【0046】図3は、活性層にSiをドーピングしてn
型にした発光ダイオードとZnをドーピングしてp型に
した発光ダイオードについて、活性層のキャリア濃度
(cm-3)に対する非発光中心濃度NT(cm-3)の関
係を示すグラフである。この図からわかるように、活性
層にSiをドーピングしてn型とした場合、Si濃度が
1×1017cm-3近くになるとSiによる深い準位が発
生し、それに起因する非発光再結合が増加する。これに
対して、活性層にZnをドーピングしてp型とした場
合、Zn濃度が1×1018cm-3近くになるまで深い準
位の発生に起因する非発光再結合が増加していない。
【0047】よって、第1の従来例のように、活性層に
Siをドーピングしてn型とした場合、深い準位の発生
に起因する非発光再結合が増加して発光効率が減少する
が、活性層にZnをドーピングしてp型とした場合、深
い準位の発生に起因する非発光再結合があまり増加しな
いため、キャリア濃度(Zn濃度)を1×1018cm-3
近くまで増加させて発光中心を増加させることができ、
発光効率を向上させることができると考えられる。
【0048】また、第2の従来例のように、活性層18
4のキャリア濃度を1×1017cm-3以下のp型又は5
×1016cm-3以下のn型とした場合には、キャリア濃
度が低いので非発光再結合中心は増加しないが、発光再
結合中心も増加しないので、発光効率を増加できないと
考えられる。
【0049】なお、図2に示したように、活性層のキャ
リア濃度が1×1018cm-3より大きくなると、やや発
光効率が減少するが、その理由は、非発光中心が大幅に
増加するためと考えられる。
【0050】上記発光ダイオードを樹脂でモールドした
ところ、発光波長555nmの緑色で光度2カンデラと
従来の2倍の光度が得られた。
【0051】このことは、活性層のAl組成を変化させ
ても変わらず、発光効率が増減するだけで、全てのAl
組成で発光効率を向上させる効果があった。例えば、p
型(AlxGa1-xyIn1-yP(0≦x≦1、0≦y≦
1)活性層のAl組成x=0.4とした発光波長570
nmの黄緑色で光度5カンデラ、Al組成x=0.3と
した発光波長590nmの黄色で光度15カンデラ、A
l組成x=0.2とした発光波長610nmのオレンジ
色で光度20カンデラ、Al組成x=0とした発光波長
645nmの赤色で光度30カンデラと、全ての発光色
で従来のほぼ2倍の光度が得られた。
【0052】また、本実施形態においては、活性層4の
キャリア濃度(Zn濃度)を5×1017cm-3にしてい
るため、信頼性を向上させることができる。このことに
ついて図4を参照しながら説明する。
【0053】図4は、活性層にZnをドーピングした場
合について、駆動電流30mA、60℃の条件下で50
00時間経過後の活性層のキャリア濃度(cm-3)に対
する光度劣化率(%)の関係を示すグラフである。ここ
で、光度劣化率は、初期光度に対する5000時間経過
後の光度の比を示し、光度劣化率が100%未満では5
000時間経過後の光度が初期光度よりも減少し、光度
劣化率が100%超では5000時間経過後の光度が初
期光度よりも増加しているものとする。この図からわか
るように、活性層のZn濃度が2×1017cm-3以上5
×1017cm−3以下の範囲では、光度劣化率が80%
を上回っており、信頼性が大幅に改善されていることが
わかる。
【0054】その理由は、以下の通りである。すなわ
ち、活性層のキャリア濃度が1×1017cm-3程度に低
いと、通電中に活性層のキャリア濃度による発光再結合
寿命が変化し、非発光再結合として作用するようになる
ために劣化傾向を示す。これに対して、活性層のキャリ
ア濃度が1×1018cm-3程度に高いと、非発光中心と
して働いていたp型ドーパントが逆に発光再結合として
作用するようになるため良化傾向を示す。従って、活性
層のZn濃度を2×1017cm-3以上5×1017cm-3
以下の範囲に設定することで、発光再結合寿命が通電中
に変動せず、信頼性が大幅に改善されるのである。
【0055】このことは、活性層のAl組成を変化させ
ても変わらず、全てのAl組成で信頼性を向上させる効
果があった。例えば、p型(AlxGa1-xyIn1-y
(0≦x≦1、0≦y≦1)活性層のAl組成x=0.
4とした発光波長570nmの黄緑色、Al組成x=
0.3とした発光波長590nmの黄色、Al組成x=
0.2とした発光波長610nmのオレンジ色、Al組
成x=0とした発光波長645nmの赤色と、全ての発
光色で5000時間経過後に80%以上の光度劣化率が
得られた。
【0056】なお、本実施形態において、(AlxGa
1-xyIn1-yPの組成比x及びyは適宜変更しても本
発明の効果を充分に得ることができた。このことは以下
の実施形態についても同様である。
【0057】また、半導体発光素子の構造は本実施形態
に示したものに限られず、種々の構造の半導体発光素子
に適用可能であることは言うまでもない。このことは以
下の実施形態についても同様である。
【0058】(実施形態2)この実施形態2では、活性
層のp型ドーパントとしてMgを用いたAlGaInP
系化合物半導体発光素子について説明する。
【0059】図5に、実施形態2の半導体発光素子の断
面図を示す。
【0060】この半導体発光素子は発光ダイオードであ
り、n型GaAs基板21上にn型GaAs(例えばS
i濃度5×1017cm-3、厚み0.5μm)バッファ層
22が設けられ、その上にn型(AlxGa1-xyIn
1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=0.7、
y=0.5、Si濃度5×1017cm-3、厚み1.0μ
m)クラッド層23、p型(AlxGa1-xyIn1-y
(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=0.3、y=
0.5、Mg濃度3×1017cm-3、厚み0.5μm)
活性層24及びp型(AlxGa1-xyIn1-yP(0≦
x≦1、0≦y≦1、例えばx=0.7、y=0.5、
Mg濃度5×1017cm-3、厚み1.0μm)クラッド
層25からなるダブルヘテロ構造部が設けられている。
その上にp型GaP(例えばMg濃度5×1018
-3、厚み5.0μm)電流拡散層26が設けられてい
る。p型電流拡散層26の中央部上にはp型電極211
が設けられ、n型基板21側には全面にn型電極210
が設けられている。
【0061】この発光ダイオードは、例えば以下のよう
にして製造することができる。
【0062】まず、n型GaAs基板21上に、例えば
MOCVD法によりn型GaAsバッファ層22、n型
(AlxGa1-xyIn1-yPクラッド層23、p型(A
xGa1-xyIn1-yP活性層24、p型(AlxGa
1-xyIn1-yPクラッド層25及びp型GaP電流拡
散層26を順次積層成長する。
【0063】ここで、活性層24の成長時には、そのキ
ャリア濃度(Mg濃度)を3×1017cm-3にするため
にIII族材料の供給モル流量に対するMgの供給モル流
量の比を0.1に設定して成長を行った。
【0064】次に、p型電流拡散層26の中央部上にp
型電極211を形成し、n型基板21側に全面にn型電
極210を形成することにより、発光ダイオードが完成
する。
【0065】本実施形態においては、活性層24のキャ
リア濃度(Mg濃度)を3×1017cm-3にしているた
め、発光効率を向上させることができる。このことにつ
いて図6を参照しながら説明する。
【0066】図6は、活性層にMgをドーピングした場
合について、活性層のキャリア濃度(cm-3)に対する
発光効率(%)の関係を示すグラフである。この図から
わかるように、活性層のMg濃度が1×1017cm-3
り大きく3×1018cm-3以下の範囲では、発光効率が
1.2%を上回っており、従来の半導体発光素子に比べ
て約2倍の発光効率が得られることがわかる。また、活
性層のキャリア濃度が1×1018cm-3より大きくなる
と、やや発光効率が減少する。このような発光効率が得
られる理由は、活性層にZnをドーピングした場合と同
様である。
【0067】上記発光ダイオードを樹脂でモールドした
ところ、発光波長590nmの黄色で光度15カンデラ
と従来のほぼ2倍の光度が得られた。
【0068】このことは、活性層のAl組成を変化させ
ても変わらず、発光効率が増減するだけで、全てのAl
組成で発光効率を向上させる効果があった。
【0069】また、本実施形態においては、活性層4の
キャリア濃度(Mg濃度)を3×1017cm-3にしてい
るため、信頼性を向上させることができる。このことに
ついて図7を参照しながら説明する。
【0070】図7は、活性層にMgをドーピングした場
合について、駆動電流30mA、60℃の条件下で50
00時間経過後の活性層のキャリア濃度(cm-3)に対
する光度劣化率(%)の関係を示すグラフである。この
図からわかるように、活性層のMg濃度が2×1017
-3以上5×1017cm-3以下の範囲では、光度劣化率
が80%を上回っており、信頼性が大幅に改善されてい
ることがわかる。このように信頼性を改善できる理由
は、活性層にZnをドーピングした場合と同様である。
【0071】このことは、活性層のAl組成を変化させ
ても変わらず、全てのAl組成で信頼性を向上させる効
果があった。
【0072】(実施形態3)この実施形態3では、活性
層のp型ドーパントとしてBeを用いたAlGaInP
系化合物半導体発光素子について説明する。
【0073】図8に、実施形態3の半導体発光素子の断
面図を示す。
【0074】この半導体発光素子は発光ダイオードであ
り、n型GaAs基板31上にn型GaAs(例えばS
i濃度5×1017cm-3、厚み0.5μm)バッファ層
32が設けられ、その上にn型(AlxGa1-xyIn
1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=0.7、
y=0.5、Si濃度5×1017cm-3、厚み1.0μ
m)クラッド層33、p型(AlxGa1-xyIn1-y
(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=0.05、y=
0.5、Be濃度1.2×1017cm-3、厚み0.5μ
m)活性層34及びp型(AlxGa1-xyIn1-y
(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=0.7、y=
0.5、Be濃度5×1017cm-3、厚み1.0μm)
クラッド層35からなるダブルヘテロ構造部が設けられ
ている。その上にp型GaP(例えばBe濃度5×10
18cm-3、厚み5.0μm)電流拡散層36が設けられ
ている。p型電流拡散層36の中央部上にはp型電極3
11が設けられ、n型基板31側には全面にn型電極3
10が設けられている。
【0075】この発光ダイオードは、例えば以下のよう
にして製造することができる。
【0076】まず、n型GaAs基板21上に、例えば
MBE法によりn型GaAsバッファ層32、n型(A
xGa1-xyIn1-yPクラッド層33、p型(Alx
Ga1-xyIn1-yP活性層34、p型(Alx
1-xyIn1-yPクラッド層35及びp型GaP電流
拡散層36を順次積層成長する。
【0077】ここで、活性層34の成長時には、そのキ
ャリア濃度(Be濃度)を1.2×1017cm-3にする
ためにIII族材料の供給モル流量に対するBeの供給モ
ル流量の比を0.008に設定して成長を行った。
【0078】次に、p型電流拡散層36の中央部上にp
型電極311を形成し、n型基板31側に全面にn型電
極310を形成することにより、発光ダイオードが完成
する。
【0079】本実施形態においては、活性層34のキャ
リア濃度(Be濃度)を1.2×1017cm-3にしてい
るため、発光効率を向上させることができる。このこと
について図9を参照しながら説明する。
【0080】図9は、活性層にBeをドーピングした場
合について、活性層のキャリア濃度(cm-3)に対する
発光効率(%)の関係を示すグラフである。この図から
わかるように、活性層のBe濃度が1×1017cm-3
り大きく3×1018cm-3以下の範囲では、発光効率が
1.2%を上回っており、従来の半導体発光素子に比べ
て約2倍の発光効率が得られることがわかる。このよう
な発光効率が得られる理由は、活性層にZnをドーピン
グした場合と同様である。
【0081】上記発光ダイオードを樹脂でモールドした
ところ、発光波長645nmの赤色で光度30カンデラ
の光度が得られた。
【0082】このことは、活性層のAl組成を変化させ
ても変わらず、発光効率が増減するだけで、全てのAl
組成で発光効率を向上させる効果があった。
【0083】また、本実施形態においては、活性層4の
キャリア濃度(Be濃度)を1.2×1017cm-3にし
ているが、Be濃度を2×1017cm-3以上5×1017
cm-3以下の範囲では、以下のように信頼性を向上させ
ることができる。このことについて図10を参照しなが
ら説明する。
【0084】図10は、活性層にBeをドーピングした
場合について、駆動電流30mA、60℃の条件下で5
000時間経過後の活性層のキャリア濃度(cm-3)に
対する光度劣化率(%)の関係を示すグラフである。こ
の図からわかるように、活性層のBe濃度が2×1017
cm-3以上5×1017cm-3以下の範囲では、光度劣化
率が80%を上回っており、信頼性が大幅に改善されて
いることがわかる。このように信頼性を改善できる理由
は、活性層にZnをドーピングした場合と同様である。
【0085】このことは、活性層のAl組成を変化させ
ても変わらず、全てのAl組成で信頼性を向上させる効
果があった。
【0086】なお、上記実施形態1〜3では、p型ドー
パントとしてZn、Mg、Beを用いた場合について説
明したが、p型の導電性となるドーパントであればいず
れを用いても上記実施形態で説明したような発光効率の
向上や信頼性の改善効果が得られ、例えば、Hg、C
d、Si、C等のドーパントを用いてもよい。このこと
は、以下の実施形態でも同様である。
【0087】(実施形態4)この実施形態4では、p型
活性層のキャリア濃度を5×1017cm-3以上2×10
18cm-3以下としたAlGaInP系化合物半導体発光
素子について説明する。
【0088】図11に、実施形態4の半導体発光素子の
断面図を示す。
【0089】この半導体発光素子は発光ダイオードであ
り、n型GaAs基板41上にn型GaAs(例えばS
i濃度5×1017cm-3、厚み0.5μm)バッファ層
42が設けられ、その上にn型(AlxGa1-xyIn
1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.0、
y=0.5、Si濃度5×1017cm-3、厚み1.0μ
m)クラッド層43、p型(AlxGa1-xyIn1-y
(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=0.05、y=
0.5、Zn濃度2×1018cm-3、厚み0.5μm)
活性層44及びp型(AlxGa1-xyIn1-yP(0≦
x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.0、y=0.5、
Zn濃度5×1017cm-3、厚み1.0μm)クラッド
層45からなるダブルヘテロ構造部が設けられている。
その上にp型GaP(例えばZn濃度5×1018
-3、厚み5.0μm)電流拡散層46が設けられてい
る。p型電流拡散層46の中央部上にはp型電極411
が設けられ、n型基板41側には全面にn型電極410
が設けられている。
【0090】この発光ダイオードは、例えば以下のよう
にして製造することができる。
【0091】まず、n型GaAs基板41上に、例えば
MOCVD法によりn型GaAsバッファ層42、n型
(AlxGa1-xyIn1-yPクラッド層43、p型(A
xGa1-xyIn1-yP活性層44、p型(AlxGa
1-xyIn1-yPクラッド層45及びp型GaP電流拡
散層46を順次積層成長する。
【0092】ここで、活性層44の成長時には、そのキ
ャリア濃度(Zn濃度)を2×1018cm-3にするため
にIII族材料の供給モル流量に対するZnの供給モル流
量の比を2に設定して成長を行った。
【0093】次に、p型電流拡散層46の中央部上にp
型電極411を形成し、n型基板41側に全面にn型電
極410を形成することにより、発光波長645nmの
赤色発光ダイオードが完成する。
【0094】本実施形態においては、活性層44のキャ
リア濃度(Zn濃度)を2×1018cm-3にしているの
で、発光効率を向上させることができる。図2に示した
ように、活性層のZn濃度が1×1017cm-3より大き
く3×1018cm-3以下の範囲では、発光効率が1.2
%を上回っており、従来の半導体発光素子に比べて約2
倍の発光効率を得ることができる。
【0095】また、本実施形態においては、活性層44
のキャリア濃度(Zn濃度)を2×1018cm-3にして
いるため、応答速度を大幅に改善させることができる。
このことについて図12を参照しながら説明する。
【0096】図12は、活性層にZnをドーピングした
場合について、駆動電流50mA、光出力1mWの条件
下での活性層のキャリア濃度(cm-3)に対する立ち上
がり時間(nsec)の関係を示すグラフである。この
図からわかるように、活性層のZn濃度が5×1017
-3以上2×1018cm-3以下の範囲では、立ち上がり
時間が15nsec以下と大幅に速くなり、応答速度が
大幅に改善されていることがわかる。
【0097】その理由は、以下の通りである。すなわ
ち、活性層のキャリア濃度が増加することにより、再結
合確率が1×1010cm3sec-1程度であっても、発
光再結合による再結合寿命が20〜5nsecに向上
し、それに伴って立ち上がり時間が改善されるのであ
る。
【0098】また、図3に示したように、この程度のキ
ャリア濃度であればドーピングによる非発光再結合もそ
れほど増加しないため、輝度が減少することはない。
【0099】本実施形態の半導体発光素子においては、
従来の半導体発光素子に比べて応答速度を大幅に速くす
ることができ、通信用途等に用いることが可能な大幅に
改善された応答特性を得ることができた。
【0100】このことは、活性層のAl組成を変化させ
ても変わらず、全てのAl組成で発光効率を向上させる
と共に応答速度を改善させる効果が得られた。また、p
型ドーパントを変化させても変わらず、Mg、Be、H
g、Cd、Si又はC等、p型の導電性となる全てのド
ーパントで発光効率を向上させると共に応答速度を改善
させる効果が得られた。
【0101】(実施形態5)この実施形態5では、p型
クラッド層とp型電流拡散層との間の中央部にn型電流
拡散層を設けたAlGaInP系半導体発光素子につい
て説明する。
【0102】図13に、実施形態5の半導体発光素子の
断面図を示す。
【0103】この半導体発光素子は発光ダイオードであ
り、n型GaAs基板121上にn型GaAs(例えば
Si濃度5×1017cm-3、厚み0.5μm)バッファ
層122が設けられ、その上にn型(AlxGa1-xy
In1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.
0、y=0.5、Si濃度5×1017cm-3、厚み1.
0μm)クラッド層123、p型(AlxGa1-xy
1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=0.
4、y=0.5、Zn濃度1.05×1017cm-3、厚
み0.5μm)活性層124及びp型(AlxGa1-x
yIn1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.
0、y=0.5、Zn濃度5×1017cm-3、厚み1.
0μm)クラッド層125からなるダブルヘテロ構造部
が設けられている。そのダブルヘテロ構造部の中央部上
にn型GaP(例えば厚み0.5μm)電流阻止層12
7が設けられ、その上に電流阻止層127の形成部及び
非形成部にわたってp型GaP(例えばZn濃度5×1
18cm-3、厚み5.0μm)電流拡散層126が設け
られている。p型電流拡散層126の中央部上には電流
阻止層127と対向するようにp型電極1211が設け
られ、n型基板121側には全面にn型電極1210が
設けられている。
【0104】この発光ダイオードは、例えば以下のよう
にして製造することができる。
【0105】まず、n型GaAs基板121上に、第1
回目の成長工程として、例えばMOCVD法によりn型
GaAsバッファ層122、n型(AlxGa1-xy
1-yPクラッド層123、p型(AlxGa1-xyIn
1-yP活性層124、p型(AlxGa1-xyIn1-y
クラッド層125、及び電流阻止層127となるn型G
aP層を順次積層成長する。
【0106】ここで、活性層124の成長時には、その
キャリア濃度(Zn濃度)を1.05×1017cm-3
するためにIII族材料の供給モル流量に対するZnの供
給モル流量の比を0.004に設定して成長を行った。
【0107】次に、n型GaP層の中央部を残して周縁
部をエッチング除去することによりダブルヘテロ構造部
の中央部上にn型電流阻止層127を形成する。
【0108】続いて、第2回目の成長工程として、電流
阻止層127の形成部及び非形成部にわたってp型Ga
P電流拡散層126を成長する。
【0109】その後、p型電流拡散層126の中央部上
にp型電極1211を形成し、n型基板121側に全面
にn型電極1210を形成することにより、発光波長5
70nmの黄緑色発光ダイオードが完成する。
【0110】本実施形態においては、p型クラッド層1
25とp型電流拡散層126との間の中央部にn型Ga
P電流阻止層127を設けているので、p型電極121
1から注入された電流がp型電流拡散層126において
n型電流阻止層127の設けられていない周縁部まで広
げられる。これによって、発光領域である活性層124
の広い領域で発光を得ることができるので、さらに発光
効率を向上させることができ、実施形態1の効果をさら
に向上させることができる。
【0111】上記発光ダイオードを樹脂でモールドした
ところ、発光波長570nmの黄緑色で光度9カンデラ
と従来の3倍の光度が得られた。
【0112】(実施形態6)この実施形態6では、p型
クラッド層とp型電流拡散層との間の中央部に高抵抗の
電流拡散層を設けたAlGaInP系半導体発光素子に
ついて説明する。
【0113】図14に、実施形態6の半導体発光素子の
断面図を示す。
【0114】この半導体発光素子は発光ダイオードであ
り、n型GaAs基板131上にn型GaAs(例えば
Si濃度5×1017cm-3、厚み0.5μm)バッファ
層132が設けられ、その上にn型(AlxGa1-xy
In1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.
0、y=0.5、Si濃度5×1017cm-3、厚み1.
0μm)クラッド層133、p型(AlxGa1-xy
1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=0.
4、y=0.5、Zn濃度1.5×1017cm-3、厚み
0.5μm)活性層134及びp型(AlxGa1-xy
In1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.
0、y=0.5、Zn濃度5×1017cm-3、厚み1.
0μm)クラッド層135からなるダブルヘテロ構造部
が設けられている。そのダブルヘテロ構造部の中央部上
に高抵抗のGaP(例えば厚み0.5μm)電流阻止層
137が設けられ、その上に電流阻止層137の形成部
及び非形成部にわたってp型GaP(例えばZn濃度5
×1018cm-3、厚み5.0μm)電流拡散層136が
設けられている。p型電流拡散層136の中央部上には
電流阻止層137と対向するようにp型電極1311が
設けられ、n型基板131側には全面にn型電極131
0が設けられている。
【0115】この発光ダイオードは、例えば以下のよう
にして製造することができる。
【0116】まず、n型GaAs基板131上に、第1
回目の成長工程として、例えばMOCVD法によりn型
GaAsバッファ層132、n型(AlxGa1-xy
1-yPクラッド層133、p型(AlxGa1-xyIn
1-yP活性層134、p型(AlxGa1-xyIn1-y
クラッド層135、及び電流阻止層137となる高抵抗
GaP層を順次積層成長する。
【0117】ここで、活性層134の成長時には、その
キャリア濃度(Zn濃度)を1.5×1017cm-3にす
るためにIII族材料の供給モル流量に対するZnの供給
モル流量の比を0.005に設定して成長を行った。ま
た、電流阻止層137は、p、nの導電型に関わらず高
抵抗層に設定することができ、例えば、p型又はn型の
キャリア濃度を低濃度にしてドーピングしたり、p型及
びn型のドーパントを同時にドーピングしたりすること
により成長させることができる。
【0118】次に、高抵抗GaP層の中央部を残して周
縁部をエッチング除去することによりダブルヘテロ構造
部の中央部上に電流阻止層137を形成する。
【0119】続いて、第2回目の成長工程として、電流
阻止層137の形成部及び非形成部にわたってp型Ga
P電流拡散層136を成長する。
【0120】その後、p型電流拡散層136の中央部上
にp型電極1311を形成し、n型基板131側に全面
にn型電極1310を形成することにより、発光波長5
70nmの黄緑色発光ダイオードが完成する。
【0121】本実施形態においては、p型クラッド層1
35とp型電流拡散層136との間の中央部に高抵抗G
aP電流阻止層137を設けているので、p型電極13
11から注入された電流がp型電流拡散層136におい
て高抵抗電流阻止層137の設けられていない周縁部ま
で広げられる。これによって、発光領域である活性層1
34の広い領域で発光を得ることができるので、さらに
発光効率を向上させることができ、実施形態1の効果を
さらに向上させることができる。
【0122】上記発光ダイオードを樹脂でモールドした
ところ、実施形態6と同様に、発光波長570nmの黄
緑色で光度9カンデラと従来の3倍の光度が得られた。
【0123】(実施形態7)この実施形態7では、p型
クラッド層とp型電流拡散層との間の周縁部にn型電流
拡散層を設けたAlGaInP系半導体発光素子につい
て説明する。
【0124】図15に、実施形態7の半導体発光素子の
断面図を示す。
【0125】この半導体発光素子は発光ダイオードであ
り、n型GaAs基板141上にn型GaAs(例えば
Si濃度5×1017cm-3、厚み0.5μm)バッファ
層142が設けられ、その上にn型(AlxGa1-xy
In1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.
0、y=0.5、Si濃度5×1017cm-3、厚み1.
0μm)クラッド層143、p型(AlxGa1-xy
1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=0.
5、y=0.5、Zn濃度5×1017cm-3、厚み0.
5μm)活性層144及びp型(AlxGa1-xyIn
1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.0、
y=0.5、Zn濃度5×1017cm-3、厚み1.0μ
m)クラッド層145からなるダブルヘテロ構造部が設
けられている。そのダブルヘテロ構造部の周縁部上にn
型GaP(例えば厚み0.5μm)電流阻止層147が
設けられ、その上に電流阻止層147の形成部及び非形
成部にわたってp型GaP(例えばZn濃度5×1018
cm-3、厚み5.0μm)電流拡散層146が設けられ
ている。p型電流拡散層146の周縁部上には電流阻止
層147と対向するようにp型電極1411が設けら
れ、n型基板141側には全面にn型電極1410が設
けられている。
【0126】この発光ダイオードは、例えば以下のよう
にして製造することができる。
【0127】まず、n型GaAs基板141上に、第1
回目の成長工程として、例えばMOCVD法によりn型
GaAsバッファ層142、n型(AlxGa1-xy
1-yPクラッド層143、p型(AlxGa1-xyIn
1-yP活性層144、p型(AlxGa1-xyIn1-y
クラッド層145、及び電流阻止層147となるn型G
aP層を順次積層成長する。
【0128】ここで、活性層144の成長時には、その
キャリア濃度(Zn濃度)を5×1017cm-3にするた
めにIII族材料の供給モル流量に対するZnの供給モル
流量の比を0.2に設定して成長を行った。
【0129】次に、n型GaP層の周縁部を残して中央
部をエッチング除去することによりダブルヘテロ構造部
の周縁部上にn型電流阻止層147を形成する。
【0130】続いて、第2回目の成長工程として、電流
阻止層147の形成部及び非形成部にわたってp型Ga
P電流拡散層146を成長する。
【0131】その後、p型電流拡散層146の周縁部上
にp型電極1411を形成し、n型基板141側に全面
にn型電極1410を形成することにより、発光波長5
55nmの緑色発光ダイオードが完成する。
【0132】本実施形態においては、p型クラッド層1
45とp型電流拡散層146との間の周縁部にn型Ga
P電流阻止層147を設けているので、p型電極141
1から注入された電流がp型電流拡散層146において
n型電流阻止層147の設けられていない中央部に集中
する。これによって、発光領域である活性層144の中
央部で電流密度を増加させることができるので、さらに
発光効率を向上させることができ、実施形態1の効果を
さらに向上させることができる。
【0133】上記発光ダイオードを樹脂でモールドした
ところ、発光波長555nmの緑色で光度3.5カンデ
ラと従来の3.5倍の光度が得られた。
【0134】(実施形態8)この実施形態8では、p型
クラッド層とp型電流拡散層との間の周縁部に高抵抗の
電流拡散層を設けたAlGaInP系半導体発光素子に
ついて説明する。
【0135】図16に、実施形態8の半導体発光素子の
断面図を示す。
【0136】この半導体発光素子は発光ダイオードであ
り、n型GaAs基板151上にn型GaAs(例えば
Si濃度5×1017cm-3、厚み0.5μm)バッファ
層152が設けられ、その上にn型(AlxGa1-xy
In1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.
0、y=0.5、Si濃度5×1017cm-3、厚み1.
0μm)クラッド層153、p型(AlxGa1-xy
1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=0.
5、y=0.5、Zn濃度2×1017cm-3、厚み0.
5μm)活性層154及びp型(AlxGa1-xyIn
1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.0、
y=0.5、Zn濃度5×1017cm-3、厚み1.0μ
m)クラッド層155からなるダブルヘテロ構造部が設
けられている。そのダブルヘテロ構造部の周縁部上に高
抵抗のGaP(例えば厚み0.5μm)電流阻止層15
7が設けられ、その上に電流阻止層157の形成部及び
非形成部にわたってp型GaP(例えばZn濃度5×1
18cm-3、厚み5.0μm)電流拡散層156が設け
られている。p型電流拡散層136の周縁部上には電流
阻止層157と対向するようにp型電極1511が設け
られ、n型基板151側には全面にn型電極1510が
設けられている。
【0137】この発光ダイオードは、例えば以下のよう
にして製造することができる。
【0138】まず、n型GaAs基板151上に、第1
回目の成長工程として、例えばMOCVD法によりn型
GaAsバッファ層152、n型(AlxGa1-xy
1-yPクラッド層153、p型(AlxGa1-xyIn
1-yP活性層154、p型(AlxGa1-xyIn1-y
クラッド層155、及び電流阻止層157となる高抵抗
GaP層を順次積層成長する。
【0139】ここで、活性層154の成長時には、その
キャリア濃度(Zn濃度)を2×1017cm-3にするた
めにIII族材料の供給モル流量に対するZnの供給モル
流量の比を0.05に設定して成長を行った。また、電
流阻止層157は、p、nの導電型に関わらず高抵抗層
に設定することができ、例えば、p型又はn型のキャリ
ア濃度を低濃度にしてドーピングしたり、p型及びn型
のドーパントを同時にドーピングしたりすることにより
成長させることができる。
【0140】次に、高抵抗GaP層の周縁部を残して中
央部をエッチング除去することによりダブルヘテロ構造
部の周縁部上に電流阻止層157を形成する。
【0141】続いて、第2回目の成長工程として、電流
阻止層157の形成部及び非形成部にわたってp型Ga
P電流拡散層156を成長する。
【0142】その後、p型電流拡散層156の周縁部上
にp型電極1511を形成し、n型基板151側に全面
にn型電極1510を形成することにより、発光波長5
55nmの緑色発光ダイオードが完成する。
【0143】本実施形態においては、p型クラッド層1
55とp型電流拡散層156との間の周縁部に高抵抗の
GaP電流阻止層157を設けているので、p型電極1
511から注入された電流がp型電流拡散層156にお
いて高抵抗電流阻止層157の設けられていない中央部
に集中する。これによって、発光領域である活性層15
4の中央部で電流密度を増加させることができるので、
さらに発光効率を向上させることができ、実施形態1の
効果をさらに向上させることができる。
【0144】上記発光ダイオードを樹脂でモールドした
ところ、実施形態7と同様に、発光波長555nmの緑
色で光度3.5カンデラと従来の3.5倍の光度が得ら
れた。
【0145】(実施形態9)この実施形態9では、p型
クラッド層とp型電流拡散層との間の中央部にn型電流
拡散層を設けたAlGaInP系半導体発光素子につい
て説明する。
【0146】図17に、実施形態9の半導体発光素子の
断面図を示す。
【0147】この半導体発光素子は発光ダイオードであ
り、n型GaAs基板161上にn型GaAs(例えば
Si濃度5×1017cm-3、厚み0.5μm)バッファ
層162が設けられ、その上にn型(AlxGa1-xy
In1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.
0、y=0.5、Si濃度5×1017cm-3、厚み1.
0μm)クラッド層163、p型(AlxGa1-xy
1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=0.
5、y=0.5、Zn濃度1×1018cm-3、厚み0.
5μm)活性層164及びp型(AlxGa1-xyIn
1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.0、
y=0.5、Zn濃度5×1017cm-3、厚み1.0μ
m)クラッド層165からなるダブルヘテロ構造部が設
けられている。そのダブルヘテロ構造部の中央部上にn
型GaP(例えば厚み0.5μm)電流阻止層167が
設けられ、その上に電流阻止層167の形成部及び非形
成部にわたってp型GaP(例えばZn濃度5×1018
cm-3、厚み5.0μm)電流拡散層166が設けられ
ている。p型電流拡散層166の中央部上には電流阻止
層167と対向するようにp型電極1611が設けら
れ、n型基板161側には全面にn型電極1610が設
けられている。
【0148】この発光ダイオードは、例えば以下のよう
にして製造することができる。
【0149】まず、n型GaAs基板161上に、第1
回目の成長工程として、例えばMOCVD法によりn型
GaAsバッファ層162、n型(AlxGa1-xy
1-yPクラッド層163、p型(AlxGa1-xyIn
1-yP活性層164、p型(AlxGa1-xyIn1-y
クラッド層165、及び電流阻止層167となるn型G
aP層を順次積層成長する。
【0150】ここで、活性層164の成長時には、その
キャリア濃度(Zn濃度)を1×1018cm-3にするた
めにIII族材料の供給モル流量に対するZnの供給モル
流量の比を1に設定して成長を行った。
【0151】次に、n型GaP層の中央部を残して周縁
部をエッチング除去することによりダブルヘテロ構造部
の中央部上にn型電流阻止層167を形成する。
【0152】続いて、第2回目の成長工程として、電流
阻止層167の形成部及び非形成部にわたってp型Ga
P電流拡散層166を成長する。
【0153】その後、p型電流拡散層166の中央部上
にp型電極1611を形成し、n型基板161側に全面
にn型電極1610を形成することにより、発光波長5
55nmの緑色発光ダイオードが完成する。
【0154】本実施形態においては、p型クラッド層1
65とp型電流拡散層166との間の中央部にn型Ga
P電流阻止層167を設けているので、p型電極161
1から注入された電流がp型電流拡散層166において
n型電流阻止層167の設けられていない周縁部まで広
げられる。これによって、発光領域である活性層164
の広い領域で発光を得ることができるので、さらに発光
効率を向上させることができ、実施形態1の効果をさら
に向上させることができる。また、p型活性層のキャリ
ア濃度を1×1018cm-3にしてあるので、実施形態5
に比べて応答速度をさらに速くすることができる。
【0155】上記発光ダイオードを樹脂でモールドした
ところ、発光波長555nmの緑色で光度4カンデラと
従来の4倍の光度を有する半導体発光素子を安定して製
造することができた。
【0156】(実施形態10)この実施形態10では、
p型クラッド層とp型電流拡散層との間の周縁部にn型
電流拡散層を設けたAlGaInP系半導体発光素子に
ついて説明する。
【0157】図18に、実施形態10の半導体発光素子
の断面図を示す。
【0158】この半導体発光素子は発光ダイオードであ
り、n型GaAs基板171上にn型GaAs(例えば
Si濃度5×1017cm-3、厚み0.5μm)バッファ
層172が設けられ、その上にn型(AlxGa1-xy
In1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.
0、y=0.5、Si濃度5×1017cm-3、厚み1.
0μm)クラッド層173、p型(AlxGa1-xy
1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=0.
5、y=0.5、Zn濃度1×1018cm-3、厚み0.
5μm)活性層174及びp型(AlxGa1-xyIn
1-yP(0≦x≦1、0≦y≦1、例えばx=1.0、
y=0.5、Zn濃度1×1018cm-3、厚み1.0μ
m)クラッド層175からなるダブルヘテロ構造部が設
けられている。そのダブルヘテロ構造部の周縁部上にn
型GaP(例えば厚み0.5μm)電流阻止層177が
設けられ、その上に電流阻止層177の形成部及び非形
成部にわたってp型GaP(例えばZn濃度5×1018
cm-3、厚み5.0μm)電流拡散層176が設けられ
ている。p型電流拡散層176の周縁部上には電流阻止
層177と対向するようにp型電極1711が設けら
れ、n型基板171側には全面にn型電極1710が設
けられている。
【0159】この発光ダイオードは、例えば以下のよう
にして製造することができる。
【0160】まず、n型GaAs基板171上に、第1
回目の成長工程として、例えばMOCVD法によりn型
GaAsバッファ層172、n型(AlxGa1-xy
1-yPクラッド層173、p型(AlxGa1-xyIn
1-yP活性層174、p型(AlxGa1-xyIn1-y
クラッド層175、及び電流阻止層177となるn型G
aP層を順次積層成長する。
【0161】ここで、活性層174の成長時には、その
キャリア濃度(Zn濃度)を1×1018cm-3にするた
めにIII族材料の供給モル流量に対するZnの供給モル
流量の比を1に設定して成長を行った。
【0162】次に、n型GaP層の周縁部を残して中央
部をエッチング除去することによりダブルヘテロ構造部
の周縁部上にn型電流阻止層177を形成する。
【0163】続いて、第2回目の成長工程として、電流
阻止層177の形成部及び非形成部にわたってp型Ga
P電流拡散層176を成長する。
【0164】その後、p型電流拡散層176の周縁部上
にp型電極1711を形成し、n型基板171側に全面
にn型電極1710を形成することにより、発光波長5
55nmの緑色発光ダイオードが完成する。
【0165】本実施形態においては、p型クラッド層1
75とp型電流拡散層176との間の周縁部にn型Ga
P電流阻止層177を設けているので、p型電極171
1から注入された電流がp型電流拡散層176において
n型電流阻止層177の設けられていない中央部に集中
する。これによって、発光領域である活性層174の中
央部で電流密度を増加させることができるので、さらに
発光効率を向上させることができ、実施形態1の効果を
さらに向上させることができる。また、p型活性層のキ
ャリア濃度を1×1018cm-3にしてあるので、実施形
態7に比べて応答速度をさらに速くすることができる。
【0166】上記発光ダイオードを樹脂でモールドした
ところ、発光波長555nmの緑色で光度5カンデラと
従来の5倍の光度を有する半導体発光素子を安定して製
造することができた。
【0167】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
p型活性層のキャリア濃度を1×1017cm-3より大き
く3×1018cm-3以下にすることにより、半導体発光
素子の発光効率を向上させて輝度を大幅に改善すること
ができる。
【0168】特に、請求項2に記載の半導体発光素子に
よれば、p型活性層のキャリア濃度を2×1017cm-3
以上で5×1017cm-3以下にしているので、半導体発
光素子の発光効率を向上できると共に素子の信頼性を大
幅に改善することができる。
【0169】また、請求項3に記載の半導体発光素子に
よれば、p型活性層のキャリア濃度を5×1017cm-3
以上で2×1018cm-3以下にしているので、半導体発
光素子の発光効率を向上できると共に応答特性を大幅に
改善して、光通信用用途にも用いることができる半導体
発光素子を得ることができる。
【0170】本発明において、ダブルヘテロ構造部上に
活性層よりもバンドギャップが大きい電流拡散層を設け
ることにより、さらに発光効率を改善することができ
る。
【0171】また、電流拡散層とは異なる導電型の電流
阻止層又は電流拡散層よりも抵抗の大きい電流阻止層
を、電流拡散層を挟んで電流拡散層側の電極と対向する
ように設けると、電流拡散層において電流阻止層の非形
成部に電流が導かれるのでさらに発光効率を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の半導体発光素子の断面図である。
【図2】活性層にZnをドーピングした場合について、
活性層のキャリア濃度に対する発光効率の関係を示すグ
ラフである。
【図3】活性層にSiをドーピングしてn型にした場合
とZnをドーピングしてp型にした場合とについて、活
性層のキャリア濃度に対する非発光中心濃度NTの関係
を示すグラフである。
【図4】活性層にZnをドーピングした場合について、
活性層のキャリア濃度に対する光度劣化率の関係を示す
グラフである。
【図5】実施形態2の半導体発光素子の断面図である。
【図6】活性層にMgをドーピングした場合について、
活性層のキャリア濃度に対する発光効率の関係を示すグ
ラフである。
【図7】活性層にMgをドーピングした場合について、
活性層のキャリア濃度に対する光度劣化率の関係を示す
グラフである。
【図8】実施形態3の半導体発光素子の断面図である。
【図9】活性層にBeをドーピングした場合について、
活性層のキャリア濃度に対する発光効率の関係を示すグ
ラフである。
【図10】活性層にBeをドーピングした場合につい
て、活性層のキャリア濃度に対する光度劣化率の関係を
示すグラフである。
【図11】実施形態4の半導体発光素子の断面図であ
る。
【図12】活性層にZnをドーピングした場合につい
て、活性層のキャリア濃度に対する立ち上がり時間の関
係を示すグラフである。
【図13】実施形態5の半導体発光素子の断面図であ
る。
【図14】実施形態6の半導体発光素子の断面図であ
る。
【図15】実施形態7の半導体発光素子の断面図であ
る。
【図16】実施形態8の半導体発光素子の断面図であ
る。
【図17】実施形態9の半導体発光素子の断面図であ
る。
【図18】実施形態10の半導体発光素子の断面図であ
る。
【図19】従来の半導体発光素子の断面図である。
【符号の説明】
1、21、31、41、121、131、141、15
1、161、171基板 2、22、32、42、122、132、142、15
2、162、172バッファ層 3、23、33、43、123、133、143、15
3、163、173n型クラッド層 4、24、34、44、124、134、144、15
4、164、174活性層 5、25、35、45、125、135、145、15
5、165、175p型クラッド層 6、26、36、46、126、136、146、15
6、166、176電流拡散層 127、137、147、157、167、177 電
流阻止層 10、210、310、410、1210、1310、
1410、1510、1610、1710 n型電極 11、211、311、411、1211、1311、
1411、1511、1611、1711 p型電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 倉橋 孝尚 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 村上 哲朗 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−107884(JP,A) 特開 平6−97498(JP,A) 特開 平6−5918(JP,A) 特開 平4−206585(JP,A) 特開 平1−286486(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 33/00 H01S 5/00 - 5/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 GaAs基板上に第1導電型の第1クラ
    ッド層と第2導電型の第2クラッド層とで活性層を挟ん
    だダブルヘテロ構造部を有する半導体発光素子であっ
    て、 該活性層が(AlxGa1-xyIn1-yP(0≦x≦1、
    0≦y≦1)系材料からなり、 該活性層の導電型がp型であり、そのキャリア濃度が1
    ×1017cm-3より大きく5×1017cm-3以下の発光
    ダイオードである半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記活性層のキャリア濃度が、2×10
    17cm-3以上で5×1017cm-3以下である請求項1に
    記載の半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 前記活性層のp型ドーパントが、Zn、
    Mg、Be、Hg、Cd、Si又はCからなる請求項1
    または2に記載の半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 前記ダブルヘテロ構造部上に前記活性層
    よりもバンドギャップが大きい電流拡散層が設けられて
    いる請求項1〜3のいずれかに記載の半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 前記基板、前記ダブルヘテロ構造部及び
    前記電流拡散層を挟んで一対の電極が設けられ、該電流
    拡散層側の電極が該電流拡散層の中央部上又は周縁部上
    にあり、該ダブルヘテロ構造部上に該電流拡散層を挟ん
    で該電流拡散層側の電極と対向するように、該電流拡散
    層と異なる導電型を有する電流阻止層が設けられている
    請求項4に記載の半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 前記基板、前記ダブルヘテロ構造部及び
    前記電流拡散層を挟んで一対の電極が設けられ、該電流
    拡散層側の電極が該電流拡散層の中央部上又は周縁部上
    にあり、該ダブルヘテロ構造部上に該電流拡散層を挟ん
    で該電流拡散層側の電極と対向するように、該電流拡散
    層よりも抵抗の大きい電流阻止層が設けられている請求
    項4に記載の半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 GaAs基板上に第1導電型の第1クラ
    ッド層と第2導電型の第2クラッド層とで、導電型がp
    型であり、そのキャリア濃度が1×1017cm-3より大
    きく3×1018cm-3以下である活性層を挟んだダブル
    ヘテロ構造部を有する半導体発光素子を製造する方法で
    あって、該活性層が(Al x Ga 1-x y In 1-y P(0≦x≦1、
    0≦y≦1)系材料からなり、 III 族材料の供給モル流量に対するp型ドーパントの
    供給モル流量の比を0.001以上にしたMOCVD法
    により該活性層を成長させる工程を含む半導体発光素子
    の製造方法。
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