JPH10303245A - 半導体チップ、半導体装置の製造方法および半導体装置 - Google Patents

半導体チップ、半導体装置の製造方法および半導体装置

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JPH10303245A
JPH10303245A JP9110674A JP11067497A JPH10303245A JP H10303245 A JPH10303245 A JP H10303245A JP 9110674 A JP9110674 A JP 9110674A JP 11067497 A JP11067497 A JP 11067497A JP H10303245 A JPH10303245 A JP H10303245A
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solder
bump
semiconductor chip
melting point
solder portion
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JP9110674A
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Masaya Sakurai
雅也 櫻井
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Oki Electric Industry Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/10Bump connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/11Manufacturing methods
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/30Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor
    • H05K3/32Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits
    • H05K3/34Assembling printed circuits with electric components, e.g. with resistor electrically connecting electric components or wires to printed circuits by soldering
    • H05K3/341Surface mounted components
    • H05K3/3431Leadless components
    • H05K3/3436Leadless components having an array of bottom contacts, e.g. pad grid array or ball grid array components

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  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
  • Wire Bonding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実装高さを高くし、これにより半田バンプの
疲労寿命を長くする。 【解決手段】 半導体素子が形成された基体2の表面に
バンプ3が設けられてなり、実装基板の表面に形成され
た半田部と上記バンプ3を介して接合される半導体チッ
プ1であって、バンプ3が、基体2の表面に形成されて
いるとともに、上記半田部の半田の融点よりも高い融点
を有する半田からなるバンプ本体3aと、バンプ本体3
aの表面を覆った状態で形成されているとともに、半田
部の半田の融点よりも高い融点を有しかつ半田部の半田
が溶融している状態にてこの半田が濡れない材料からな
る不濡れ材料膜3bと、半田部との接合側にバンプ本体
3aを外部に露出させた状態で形成された露出部3cと
から構成されるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体チップと該
半導体チップを用いた半導体装置の製造方法と半導体装
置とに関し、詳細には基体の回路形成面にバンプが形成
されているフリップチップからなるLSIチップ等の半
導体チップ、この半導体チップを用いた半導体装置の製
造方法および半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フリップチップからなる半導体チップの
実装基板上への一般的な実装方法としては、例えばUnit
ed States Patent No.5,147,084(Sep.15.1992)、特開昭
63−152136号公報、特開昭64−28931号
公報等に開示されている図11に示す方法が知られてい
る。
【0003】すなわち、まず図11(a)に示すよう
に、予め半導体素子が形成された基体52の表面に鉛
(Pb)とスズ(Sn)とからなる半田バンプ53を形
成して半導体チップ51を得るとともに、実装基板54
のパッド上に同じくPbとSnとからなる半田部55を
形成しておく。上記半田バンプ53はPbとSnとの組
成比が例えばPb:Sn=95:5、上記半田部55は
PbとSnとの組成比が例えばPb:Sn=63:37
であり、半田バンプ53の融点が半田部55の融点より
も高いものとなっている。
【0004】次いで、実装基板54上の半田部55側に
半田バンプ53を向けかつ半田部55と半田バンプ53
とを位置合わせした状態で実装基板54上に半導体チッ
プ51を配置する。そして図11(b)に示すように、
半田部55が溶融しかつ半田バンプ53が溶融しないよ
うな温度に加熱して半田部11の半田のみを溶融させ、
半田バンプ53と半田部55とを接合する。このことに
より、実装基板54上に半導体チップ51が実装された
半導体装置56が得られる。
【0005】上記半田バンプ53と半田部55との接合
に際して、半田バンプ53は溶融しないため初期の形状
を保つ。一方、実装基板54の半田部55の半田は半田
バンプ53と同じSnとPbとからなるため、溶融させ
た状態にて半田バンプ53に対して良好に濡れ、図11
(b)に示すように半田バンプ53の表面全体を覆うよ
うに拡がる。よって、半導体チップ51を実装基板54
に実装した後の半導体チップ51の基体52から実装基
板54までの距離(以下、この明細書中ではこれを実装
高さと記す)h4 は、半導体チップ51を実装基板54
に実装する前の半田バンプ53の高さ(以下、この明細
書中ではこれをバンプ高さと記す)h1とほぼ同一にな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したバ
ンプ接合により実装基板上に半導体チップを実装した半
導体装置では、半導体チップの基体と実装基板との線膨
張係数に差があることから、半導体素子の動作/休止に
よる温度サイクルにより接合部に繰り返し歪みが発生す
る。したがって半田バンプが金属疲労を起こし易く、疲
労寿命が短いという難点がある。半田バンプが金属疲労
を起こすと、クラック等の破壊を生じて接合部の電気的
信頼性が低下してしまうのである。
【0007】半田バンプの疲労寿命を長くするには、下
記の(1)、(2)式から知見されるように半導体装置
における実装高さをより高くすることが有効である。
【数1】 Nf :疲労寿命 C,n,m:材料定数 f :温度サイクルの周波数 ΔεP :最大剪断塑性歪振幅 E :半田バンプ材料の活性化エネルギー K :ボルツマン定数 Tmax :使用最高温度 L :基体中心から最も離れた半田バンプまでの距離 Δα :半導体チップの基体と実装基板との線膨張係数
の差 ΔT :温度サイクルの温度差 H :実装高さ
【0008】(1)式はCoffin-Manson の寿命式と呼ば
れ、一般的に半田バンプの歪み量と疲労寿命との関係を
表したものである。この式によれば、疲労寿命Nf は歪
み量Δεp の−m乗に比例していることから、歪み量Δ
εp が少ないほど疲労寿命Nf が長くなることが判る。
【0009】また(2)式は歪み量と半導体装置の各パ
ラメータとの関係を材料力学の観点から表したものであ
る。この(2)式によれば、歪み量Δεp は半導体チッ
プの基体中心から最も離れた箇所の半田バンプまでの距
離Lに比例し、また実装高さHの−1乗に比例する。よ
って、実装高さHを高くすると歪み量Δεp の値が小さ
くなり、ひいては疲労寿命Nf が長くなる。以上のこと
から、半導体装置における半田バンプの疲労寿命をより
長くするには、実装高さをより高くすることが有効であ
ることが知見される。
【0010】しかしながら、前述したように従来技術で
は、実装基板の半田部を溶融させて半田バンプを接合し
ているため、半田バンプの高さ以上の実装高さを得るこ
とができず、よって製造された半導体装置の半田バンプ
の疲労寿命が短いものとなっている。したがって、実装
高さを高くすることができ、これにより半田バンプの疲
労寿命を長くできる技術の確立が求められている。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
するためにこの発明に係る半導体チップは、半導体素子
が形成された基体の表面に設けられたバンプが、この基
体の表面に形成されているとともに、実装基板の表面に
形成された半田部の半田の融点よりも高い融点を有する
半田からなるバンプ本体と、バンプ本体の表面を覆った
状態で形成されているとともに、半田部の半田の融点よ
りも高い融点を有しかつ半田部の半田が溶融している状
態にてこの半田が濡れない材料からなる不濡れ材料膜
と、半田部との接合側にバンプ本体を外部に露出させた
状態で形成された露出部とから構成されたものとなって
いる。
【0012】またこの発明に係る半導体装置の製造方法
は、半導体素子を形成した基体の表面にバンプを設けた
半導体チップを用い、表面に半田部を形成した実装基板
の該半田部と上記バンプとの接合により半導体チップを
実装基板に実装する方法であって、予め、基体の表面に
半田部の半田よりも融点の高い半田からなるバンプ本体
を形成し、半田部の半田の融点よりも高い融点を有しか
つこの半田部の半田が溶融している状態にてこの半田が
濡れない材料でバンプの表面を覆い、半田部との接合側
にバンプ本体を外部に露出させた状態で露出部を形成し
てバンプを基体の表面に形成する。次いで露出部を実装
基板の半田部側に向けかつ露出部を半田部に当接させ、
続いて半田部の半田の融点より高い温度でかつバンプの
半田の融点よりも低い温度にて半田部の半田を溶融させ
て半田部とバンプとを接合することにより半導体チップ
を実装基板に実装する。
【0013】この発明に係る半導体装置は、表面に半田
部が形成されている実装基板と、上記発明の半導体チッ
プとを備え、半導体チップの露出部が実装基板の半田部
に接合されて半導体チップが実装基板に実装されて構成
されたものである。
【0014】この発明に係る半導体チップでは、露出部
を除くバンプの表面が不濡れ材料膜で覆われており、露
出部においてバンプ本体を構成する半田が露出してい
る。またバンプ本体の半田は半田部の半田の融点よりも
高い融点を有している。このため、実装基板の表面の半
田部にバンプの露出部を当接させた状態で実装基板上に
半導体チップを配置し、半田部の半田の融点より高くか
つバンプ本体の半田の融点よりも低い温度にて加熱処理
すると、半田部の半田のみが溶融してバンプの形状が保
たれる。そして、溶融した半田が露出部の半田に濡れて
接合される一方、この溶融した半田が不濡れ材料膜に濡
れず、バンプの表面全体に濡れ拡がることが防止され
る。
【0015】またこの発明に係る半導体装置の製造方法
では、半導体チップのバンプ本体の表面を実装基板の半
田部の半田が濡れない材料で覆い、さらに露出部を形成
した後、実装基板の半田部の半田の融点より高くかつバ
ンプ本体の半田の融点よりも低い温度にて半田部の半田
を溶融するので、バンプの形状が保たれつつ半田部と露
出部とが接合され、しかも溶融した半田が露出部以外の
バンプの表面に濡れ拡がるのが防止される。
【0016】またこの発明に係る半導体装置は、上記発
明の半導体チップを用いかつ上記発明の半導体装置の製
造方法を用いて製造されるものであることから、実装基
板の半田部の半田が半導体チップの露出部以外のバンプ
の表面に濡れ拡がらずに半田部とバンプとが接合された
ものとなる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の実施形態を図
面に基づいて説明する。図1はこの発明に係る半導体チ
ップの第1実施形態を示す側断面図である。図1に示す
ようにこの半導体チップ1は、半導体素子(図示略)が
形成された例えばシリコンチップからなる基体2の回路
形成面にバンプ3が設けられて構成されており、後述す
るように実装基板の表面に形成された半田部とバンプ3
を介して接合されるものである。
【0018】バンプ3は、基体2の表面に形成されてい
るバンプ本体3aと、バンプ本体3aの表面を覆った状
態で形成されている不濡れ材料膜3bと、実装基板の半
田部との接合側に形成された露出部3cとから構成され
ている。バンプ本体3aは、上記半田部の半田の融点よ
りも高い融点を有するとともにこの半田部の半田との濡
れ性が良く、さらに少なくともPbを含んで濃硫酸との
間で硫酸鉛(II) (PbSO4 )等の硫酸化合物、また
は硫化鉛(II) (PbS)等の硫化物を形成可能な半田
からなる。ここでは、例えばバンプ本体3aはPbとS
nとからなるとともに組成比がPb:Sn=95:5で
あり、濃硫酸との間で主にPbSO4 を形成する半田
(融点=314℃)で形成されている。
【0019】また不濡れ材料膜3bは、上記半田部の半
田の融点よりも高い融点を有し、かつこの半田部の半田
が溶融している状態にて半田が濡れない材料で形成され
ている。なお、一般に定義されているのと同様、この明
細書中において「濡れる」「濡れない」は次のように定
義することとする。すなわち、固体面上に液体を滴下し
た場合に、液体の表面が固体面と交わる点において液体
面に引いた接線と固体面とのなす角で液体を含む側の角
度(接触角)θが、θ<90°の場合を濡れる、θ≧9
0°の場合を濡れないと定義する。したがって、溶融し
ている半田部の半田を不濡れ材料膜3bの面に滴下した
場合に、半田の表面に引いた接線と不濡れ材料膜3bの
面とのなす接触角θがθ≧90°となるような材料で不
濡れ材料膜3bが形成されている。
【0020】ここでは、後述するように実装基板の半田
部が例えばPbとSnとからなり、その組成比がPb:
Sn=63:37の半田で構成されてバンプ3のバンプ
本体3aの融点よりも低い融点(融点=183℃)のも
のからなっている。これに対して不濡れ材料膜3bは、
半田部の半田の融点よりも高い融点を有しかつこの半田
が濡れない主にPbSO4 (融点=1070℃〜108
4℃)で形成されている。
【0021】バンプ3の露出部3cは、実装基板の半田
部との接合側にバンプ本体3aを外部に露出させた状態
で形成されたものである。この露出部3cは、実装基板
の半田部と直接接触して接合される部分であり、半田部
と接合した際に接合後の強度が小さくならず、しかも実
装高さが低くならない適切な大きさに設定されている。
【0022】図2はこのような半導体チップ1の形成方
法の一例を示す工程図である。半導体チップ1を形成す
るにあたっては、まず図2(a)に示すようにダイシン
グを行う前でかつ半導体素子およびバンプ本体3aが形
成されたシリコンのウエハ2aを用意する。バンプ本体
3aは、ウエハ2aに予め設けられているパッド上に、
既知のバンプ形成技術によって形成されたもので、バン
プ本体3aの高さは例えば図11に示した従来のバンプ
高さh1 と同じ高さとなっている。
【0023】次いで約96wt%の濃硫酸溶液の入った
容器を用意し、これにウエハ2aを約10秒間浸漬す
る。このとき、バンプ本体3aの表面では例えは下記式
で表される化学反応が進行し、図2(b)に示すように
バンプ本体3aの表面には主にPbSO4 からなる不濡
れ材料膜3bが数十Åの厚みで形成される。 H2 SO4 +Pb→PbSO4 +H2
【0024】濃硫酸溶液に浸漬した後はウエハ2aを超
純水に浸漬し、さらに流水で余分な硫酸を洗浄した後に
乾燥させる。続いて図2(c)に示すように露出部3c
を形成する。この露出部3cの形成は、例えばプロービ
ングにより、バンプ本体3aの実装基板の半田部との接
合側、つまり先端側の不濡れ材料膜3bを破壊すること
によって行う。このとき、露出部3cの大きさが小さ過
ぎると半田部と接合した際に接合後の強度が小さくな
り、大き過ぎると実装高さが低くなってしまうため、露
出部3cをこれらの不都合が生じない大きさに形成する
ことが重要である。そして、露出部3cを形成した後に
ウエハ2aをダイシングすることにより、シリコンチッ
プからなる基体2の回路形成面にバンプ3が形成されて
なる半導体チップ1が得られる。
【0025】上記のように形成される半導体チップ1で
は、バンプ3の表面が露出部3cを除いて不濡れ材料膜
3bで覆われている。またバンプ本体3aの半田は半田
部の半田の融点よりも高い融点を有している。このた
め、半導体チップ1を実装基板に実装するに際し、実装
基板の表面の半田部にバンプ3を向けかつ半田部にバン
プ3の露出部3cを当接させた状態で実装基板上に半導
体チップ1を配置し、半田部の半田の融点より高くかつ
バンプ本体3aの半田の融点よりも低い温度にて加熱処
理すると、半田部の半田のみが溶融してバンプ3の形状
が保たれる。そして、溶融した半田部の半田がバンプ本
体3aの露出部3cにおいて露出している半田に良好に
濡れて接合される一方、この溶融した半田がバンプ3の
表面全体に濡れ拡がることが防止される。
【0026】次に、上記のように形成される半導体チッ
プ1を用いた半導体装置の製造方法に基づき、この発明
に係る半導体装置の製造方法の第1実施形態を図3を用
いて説明する。半導体装置を製造するにあたっては、予
め、上記の工程を行って半導体チップ1を用意するとと
もに、図3(a)〜(c)に示す工程を行って表面に半
田部5が形成された実装基板4を用意する。
【0027】すなわち、図3(a)に示すように実装基
板2の表面に設けられているパッド(図示略)上にメッ
キ等の方法によって半田部5を形成する。上記パッド
は、接合する半導体チップ1のバンプ3に対応する位置
に設けておく。半田部5は、バンプ3のバンプ本体3a
を構成する半田の融点よりも低い融点で、かつそのバン
プ本体3aの半田と濡れ性が良い半田であればいかなる
ものを用いることができる。ここでは、前述したように
例えばPb:Sn=63:37の半田を用いて半田部5
を形成する。
【0028】次いで図3(b)に示すように、半田部5
を清浄でかつ平坦な例えば金属等からなる治具で押しつ
ぶし、半田部5上に半導体チップ1のバンプ3を配置し
て半田部5を溶融してもバンプ3がズレ落ちないように
しておく。その後、このように平坦化処理された半田部
5上にフラックス6を塗布する。
【0029】こうして半導体チップ1と実装基板4とを
用意した後は、次いで図3(d)に示すように半導体チ
ップ1のバンプ3の露出面3cを実装基板4の半田部5
側に向け、かつ露出面3cを半田部5に当接させる。つ
まり半田部5を上方に向けて配置した実装基板4上に、
半田部5とバンプ3とを位置合わせした状態で半導体チ
ップ1を配置する。続いてリフロー炉に通し、半田部5
の半田を溶融する。このリフロー時には、半導体チップ
1および実装基板4が加熱される加熱温度Tma x を、半
田部5の半田の融点T1 より高くかつバンプ本体3aの
半田の融点T2よりも低い温度に設定する(T1 <T
max <T2 )。
【0030】これは、加熱温度Tmax がバンプ本体3a
の半田の融点T2 よりも高いと、バンプ本体3aが溶融
してバンプ本体3a表面の不濡れ材料膜3bが破壊され
てしまうためである。不濡れ材料膜3bが破壊される
と、半田部5の半田がバンプ3の表面全体に濡れ拡が
り、結果的に実装高さが従来技術の実装高さと同じ程度
になってしまうのである。またバンプ本体3a自体も溶
融するため、半導体チップ1の荷重が加わるとバンプ3
全体が変形してしまい、従来技術の実装高さよりも低い
実装高さになる恐れもある。一方、加熱温度Tmax が半
田部5の半田の融点T1 より低い場合にはこの半田が溶
融しないため、半田部5とバンプ3との接合がなされな
くなる。
【0031】前述したようにこの実施形態では、半田部
5の半田の融点T1 は183℃、半導体チップ1のバン
プ本体3aの半田の融点T2 は314℃となっている。
よって、加熱温度Tmax を183℃より高くかつ314
℃より低い温度に設定する。なお、半導体チップ1のバ
ンプ3を溶融せずに実装基板4の半田部5の半田を完全
に溶融し、露出部3cのみに濡れるようにするために
は、上記温度範囲においてさらに加熱温度Tmax を半田
部5の半田の融点T1 よりも50℃程度高い230℃付
近に設定することが好適である(Tmax −T1 ≒50
℃)。
【0032】上記リフローによって、実装基板4の半田
部5の半田のみが溶融し、この半田がバンプ3の露出部
3cにて露出している半田と良好に濡れて半田部4と露
出部3cとが接合される一方、露出部3cを除くバンプ
3の表面には不濡れ材料膜3bが形成されているため、
溶融した半田は露出部3c以外のバンプ3の表面に濡れ
拡がらない。またリフロー時にはフラックス6の有機成
分が蒸発し、これによりフラックス6がほとんど除去さ
れる。この際、実装基板4上にはフラックス6の残さが
若干残るが、これは後の洗浄工程にて除去される。以上
の工程により図3(e)に示すように、実装基板4上に
半導体チップ1が実装されて構成された、この発明に係
る半導体装置の第1実施形態となる半導体装置7が製造
される。
【0033】このように第1実施形態の半導体装置の製
造方法によれば、半導体チップ1のバンプ本体3aの表
面を不濡れ材料膜3bで覆い、さらに露出部3cを形成
した後、実装基板4の半田部5の半田の融点より高くか
つバンプ3のバンプ本体3aの半田の融点よりも低い温
度にて半田部5の半田を溶融するので、バンプ3の形状
を保ちつつ半田部5と露出部3cとを良好に接合するこ
とができ、しかも溶融した半田が露出部3c以外のバン
プ3の表面に濡れ拡がるのを防止することができる。こ
の結果、従来ではバンプ高さがほぼ実装高さとなってい
たのに対し、溶融した半田が濡れ拡がらない分だけバン
プ高さよりも高い実装高さh2 を得ることができる。
【0034】したがって、従来技術の方法と比較して実
装高さを高くできるので、半導体チップ1の基体2と実
装基板4との線膨張係数の差から熱によってバンプ3等
に生じる歪みの量を低減することができ、バンプ3の疲
労寿命を延伸することができる。また半導体装置7はこ
のような方法により製造されたものであるので、疲労寿
命が長く、長時間にわたって接合部の電気的信頼性を確
保できるものとなる。
【0035】ここで、第1実施形態の製造方法を用い、
下記の条件にて半導体チップ1を実装基板4に実装する
場合の実装高さを調べた結果について述べる。 半導体チップ1の基体2:10mm平方×600μmのシリコン材質 バンプ3 :組成;Pb:Sn=95:5、高さ;100μm パッド径;120μm、個数;100個 露出部3cの直径;100μm 実装基板4の半田部5 :組成;Pb:Sn=63:37、 体積;バンプ3の半分、 パッド径;120μm
【0036】上記条件にて半導体チップ1の重量や半田
の表面張力等を考慮して演算を行ったところ、130μ
mの実装高さが得られた。一方、同一材料を用いて従来
技術の方法により実装を行った際の実装高さを演算した
結果、実装高さは100μmであった。したがって、第
1実施形態によれば従来よりも実装高さが30%程度増
加することが演算結果からも確認された。
【0037】なお、第1実施形態では、半導体チップ1
のバンプ3のバンプ本体3aおよび実装基板4の半田部
5の半田組成を指定したが、この例に限定されない。バ
ンプ本体3aの半田と半田部5の半田との間の濡れ性が
良く、かつ少なくともバンプ本体3aの半田にPbが含
まれていればどのような半田材料であってもよい。
【0038】またバンプ本体3aの表面の不濡れ材料膜
3bが主にPbSO4 からなる場合を述べたが、PbS
(融点=1114℃)で形成されていてもよく、またP
bSとPbSO4 とから形成されていてもよい。さらに
上記実施形態では、プロービングによって不濡れ材料膜
3bを破壊して露出部3cを形成したが、不濡れ材料膜
3bを除去してバンプ本体3aの半田を外部に露出でき
る方法であれば、いずれの方法を用いることもできる。
例えば研磨によって不濡れ材料膜3bを除去してもよ
い。
【0039】次に、この発明に係る半導体チップの第2
実施形態を図4に示す側断面図を用いて説明する。な
お、図において第1実施形態と同一の形成要素には同一
の符号を付して説明を省略する。この半導体チップ11
において第1実施形態の半導体チップ1と相違するとこ
ろは、バンプ13の不濡れ材料膜13bが半導体チップ
11を実装する実装基板の半田部の半田の融点よりも高
い融点を有する樹脂で形成されている点、および不濡れ
材料膜13bが半導体チップ11の基体2の回路形成面
にも形成されている点にある。
【0040】すなわち、半導体チップ11において基体
2の回路形成面に設けられたバンプ13は、基体2の表
面に形成されているバンプ本体13aと、バンプ本体1
3aの表面を覆った状態で形成されている不濡れ材料膜
13bと、実装基板の半田部との接合側に形成された露
出部13cとから構成されている。バンプ本体13a
は、上記半田部の半田の融点よりも高い融点を有すると
ともにこの半田部の半田との濡れ性が良い半田からな
る。ここでは、第1実施形態と同様にバンプ本体13a
は、組成および組成比がPb:Sn=95:5である半
田で形成されている。
【0041】また不濡れ材料膜13bは、実装基板の半
田部の半田の融点よりも高い融点を有しかつ絶縁性を有
する樹脂で形成されている。通常、樹脂は半田部の半田
が溶融している状態にて半田が濡れないものである。こ
のような樹脂としては、例えば芳香環や複素環を主鎖に
持ち、かつ脂肪族部分が少なく高極性のヘテロ原子基を
含む樹脂、例えばポリイミド、芳香族ポリアミド、ポリ
ベンゾイミダゾール等の樹脂が挙げられる。ここでは、
第1実施形態と同様に実装基板の半田部が、バンプ13
のバンプ本体13aの融点よりも低い融点のPb:Sn
=63:37の半田で構成されている。これに対して不
濡れ材料膜13bは、半田部の半田の融点よりも高い融
点を有するポリイミドで形成されている。
【0042】またバンプ13の露出部13cは、第1実
施形態の露出部3cと同様に実装基板の半田部との接合
側にバンプ本体13aを外部に露出させた状態で形成さ
れている。また半田部と接合した際に接合後の強度が小
さくならず、しかも実装高さが低くならない適切な大き
さに設定されている。そして、半導体チップ11の回路
形成面には、このようなバンプ本体13aと不濡れ材料
膜13bと露出部13cとからなるバンプ13が設けら
れているとともに、バンプ13が設けられた箇所以外の
回路形成面が不濡れ材料膜13bで覆われている。
【0043】図5はこのような半導体チップ11の形成
方法の一例を示す工程図である。半導体チップ11を形
成するにあたっては、まず図5(a)に示すようにダイ
シングを行う前でかつ半導体素子およびバンプ本体13
aが形成されたシリコンのウエハ2aを用意する。バン
プ本体13aは、ウエハ2aに予め設けられているパッ
ド上に、既知のバンプ形成技術によって形成されたもの
で、バンプ本体13aの高さは例えば図11に示した従
来のバンプ高さh1 と同じ高さとなっている。
【0044】次いで、ウエハ2a表面にポリイミド前駆
体(例えばパイラリンPD PI2742 デュポン社
製)を滴下する。この量は、例えば不濡れ材料膜13a
を約10μmの厚みで形成する場合には、ウエハ2の直
径が6インチであれば、4cc程度が適当である。続い
て、スピンコーターを使用して例えば800rpmの回
転数で約10秒間ウエハ2aを回転させた後、1800
rpmの回転数で30秒間ウエハ2aを回転させ、ポリ
イミド前駆体の膜をウエハ2a表面全体およびバンプ本
体13aの表面に均一に塗布する。
【0045】その後、プリベークホットプレートにて8
5℃程度で約4分、100℃程度で約4分、さらにオー
ブンにて80℃程度で約60分間プリベークを行う。こ
れによりウエハ2a表面およびバンプ本体13aの表面
に約20μmの厚みのポリイミド前駆体の膜が形成され
る。その後、ウエハ2aを硬化炉に投入し、窒素雰囲気
中において100℃程度で約30分間ポリイミド前駆体
の膜を硬化(イミド化)させてポリイミドを得る。な
お、この硬化時間ではポリイミド前駆体は完全にはイミ
ド化しないが、得られるポリイミドは不濡れ材料膜13
bとして支障がない。こうしてウエハ2a表面およびバ
ンプ本体13aの表面に約10μmの厚みのポリイミド
からなる不濡れ材料膜13bが形成される。
【0046】不濡れ材料膜13bを形成した後は、図5
(c)に示すように第1実施形態と同様にして露出部1
3cを形成し、続いてウエハ2aをダイシングすること
により、シリコンチップからなる基体2の回路形成面に
バンプ13が形成されてなる半導体チップ11を得る。
【0047】上記のように形成される半導体チップ11
では、バンプ13の表面が露出部13cを除いて不濡れ
材料膜13bで覆われている。このため、第1実施形態
の半導体チップ1と同様に、半導体チップ11を実装基
板に実装するに際し、実装基板の表面の半田部とバンプ
13とを位置合わせした状態で実装基板上に半導体チッ
プ11を配置し、半田部の半田のみを溶融させれば、露
出部13cにおける半田に溶融した半田部の半田が良好
に濡れて接合され、しかもこの溶融した半田がバンプ1
3の表面全体に濡れ拡がることが防止される。また、不
濡れ材料膜13bは絶縁性のポリイミドからなるため、
基体2の回路形成面に不濡れ材料膜13bが形成されて
いてもバンプ13以外の箇所で実装基板と半導体チップ
11とが導通することが防止される。
【0048】次に、上記のように形成される半導体チッ
プ11を用いた半導体装置の製造方法に基づき、この発
明に係る半導体装置の製造方法の第2実施形態を図6を
用いて説明する。半導体装置を製造するにあたっては、
予め、上記の工程を行って半導体チップ11を用意する
とともに、前述した図3(a)〜(c)に示す工程と同
じ図6(a)〜(c)に示す工程を行って表面に半田部
5が形成された実装基板4を用意する。半田部5は、バ
ンプ3のバンプ本体3aを構成する半田の融点よりも低
い融点で、かつそのバンプ本体3aの半田と濡れ性が良
い半田であればいかなるものを用いることができる。こ
こでは、前述したように例えばPb:Sn=63:37
の半田で半田部5を形成する。
【0049】半導体チップ11と実装基板4とを用意し
た後は、次いで図6(d)に示すように半導体チップ1
1のバンプ13の露出面3cを実装基板4の半田部5側
に向け、半田部5とバンプ3とを位置合わせした状態で
実装基板4上に半導体チップ1を配置する。続いてリフ
ロー炉に通し、第1実施形態と同様の条件にて半田部5
の半田を溶融する。
【0050】上記リフローによって、実装基板4の半田
部5の半田のみが溶融し、この半田がバンプ13の露出
部13cにおける半田と良好に濡れて半田部4と露出部
13cとが接合される一方、露出部13cを除くバンプ
13の表面には不濡れ材料膜13bが形成されているた
め、溶融した半田は露出部13c以外のバンプ13の表
面に濡れ拡がらない。以上の工程により図6(e)に示
すように実装基板4上に半導体チップ11が実装されて
構成された、この発明に係る半導体装置の第2実施形態
となる半導体装置17が製造される。
【0051】このように第2実施形態の半導体装置の製
造方法によっても、バンプ13の形状を保ちつつ実装基
板4の半田部5と露出部13cとを良好に接合すること
ができ、しかも溶融した半田が露出部13c以外のバン
プ13の表面に濡れ拡がるのを防止することができるこ
とから、第1実施形態と同様にバンプ高さよりも高い実
装高さh2 を得ることができる。したがって、従来技術
の方法と比較して実装高さを高くできるので、バンプ1
3の疲労寿命を延伸することができる。また疲労寿命が
長く、長時間にわたって接合部の電気的信頼性を確保で
きる半導体装置17を実現できるのは、先の実施形態と
同様である。
【0052】なお、この第2実施形態においても、半導
体チップ11のバンプ本体13aおよび実装基板4の半
田部5の半田組成を指定したが、この例に限定されな
い。バンプ本体13aの半田の融点が半田部5の半田の
融点よりも高く、かつバンプ本体13aの半田と半田部
5の半田との間の濡れ性が良ければどのような半田材料
を用いることもできる。特に、バンプ本体13aの半田
の融点と半田部5の半田の融点との差が80℃程度以上
ある材料を用いるとリフロー時に半田部5の半田を確実
に溶融できる等の点で好適である。
【0053】また、不濡れ材料膜13bの形成において
塗布厚み以外の全ての数値データや工程は、使用する樹
脂によって適宜変更される。また第2実施形態では、半
導体チップ11の回路形成面にも不濡れ材料膜13bを
形成した場合について述べたが、バンプ本体13aの表
面のみに不濡れ材料膜13bを形成してもよいのはもち
ろんである。
【0054】次に、この発明に係る半導体チップの第3
実施形態を図7に示す側断面図を用いて説明する。な
お、図において第1実施形態と同一の形成要素には同一
の符号を付して説明を省略する。この半導体チップ21
において第1実施形態の半導体チップ1と相違するとこ
ろは、バンプ23の不濡れ材料膜23cが半導体チップ
21を実装する実装基板の半田部の半田の融点よりも高
い融点を有する電着レジスト膜で形成されている点にあ
る。
【0055】すなわち、半導体チップ21において基体
2の回路形成面に設けられたバンプ23は、基体2の表
面に形成されているバンプ本体23aと、バンプ本体2
3aの表面を覆うクロム膜23bと、バンプ本体23a
の表面をクロム膜23bを介して覆う不濡れ材料膜23
cと、実装基板の半田部との接合側に形成された露出部
23dとから構成されている。バンプ本体23aは、上
記半田部の半田の融点よりも高い融点を有するとともに
この半田部の半田との濡れ性が良い半田からなる。ここ
では、例えばバンプ本体23aはPbとSnとからなる
とともに組成比がPb:Sn=95:5である半田で形
成されている。
【0056】バンプ本体23aの表面を覆うクロム膜2
3bは、例えば230Åの膜厚に形成されている。また
クロム膜23bを覆う不濡れ材料膜23cは、実装基板
の半田部の半田の融点よりも高い融点を有する電着レジ
スト膜からなっている。通常、レジストは半田部の半田
が溶融している状態にて半田が濡れないものである。こ
こでは、第1実施形態と同様に実装基板の半田部が、バ
ンプ本体23aの融点よりも低い融点のPb:Sn=6
3:37の半田で構成されている。これに対して不濡れ
材料膜23cは、半田部の半田の融点よりも高い融点を
有する例えばポジ型のレジスト膜で形成されている。
【0057】またバンプ23の露出部23dは、第1実
施形態と同様に実装基板の半田部との接合側にバンプ本
体23aを外部に露出させた状態で形成されている。そ
して、半導体チップ21の回路形成面には、このような
バンプ本体23aとクロム膜23bと不濡れ材料膜23
cと露出部23dとからなるバンプ23が設けられてい
る。
【0058】図8、図9はこのような半導体チップ21
の形成方法の一例を示す工程図である。半導体チップ2
1を形成するにあたっては、まず図8(a)に示すよう
にダイシングを行う前でかつ半導体素子およびバンプ本
体23aが形成されたシリコンのウエハ2aを用意す
る。バンプ本体23aは、ウエハ2aに予め設けられて
いるパッド上に、既知のバンプ形成技術によって形成さ
れたもので、バンプ本体23aの高さは例えば図11に
示した従来のバンプ高さh1 と同じ高さとなっている。
【0059】次いで図8(b)に示すように、半導体チ
ップ21の回路形成面となるウエハ2a表面およびバン
プ本体23a表面に、蒸着等のドライプロセスによりク
ロム膜23bを形成する。次に、高精度メッキ用のポジ
型フォトレジスト(例えばAZ−LP−10 ヘキスト
ジャパン社製)の溶液にウエハ2aを浸漬させ、先に形
成したクロム膜23bをマイナス側のカソード電極とし
て電着メッキを行って電着レジスト膜23c1 を得る。
【0060】その後、図9(d)に示すように、バンプ
本体23aに対応する箇所だけ孔の開いていないフォト
マスク31を用いて電着レジスト膜23c1 を露光す
る。この際の露光量は、次の現像処理にて余分な電着レ
ジスト膜23c1 を除去できる露光量、例えば800m
J/cm2 以上とする。そして現像液(例えば現像液A
Z303Nデベロッパー ヘキストジャパン社製)に半
導体チップ21を浸漬させて、図9(e)に示すように
余分な電着レジスト膜23c1 、つまり露光されたウエ
ハ2a表面の電着レジスト膜23c1 を除去する。除去
後は、例えばイソプロピルアルコールを用いてリンス
し、瞬時に大量の純水で水洗する。
【0061】以上の工程により、図9(f)に示すよう
に、バンプ本体23aの表面に電着レジスト膜23c1
からなる不濡れ材料膜23cが形成されるが、余分な電
着レジスト膜23c1 を除去した後も、ウエハ2a表面
にはクロム膜23bが残留しているため、半導体チップ
21を濃硫酸溶液内に浸漬させた状態で超音波をかけな
がら、約30秒をかけてウエハ2a表面クロム膜23b
をエッチングする。その後は、図9(g)に示すように
第1実施形態と同様にして露出部23dを形成し、続い
てウエハ2aをダイシングすることにより、シリコンチ
ップからなる基体2の回路形成面にバンプ23が形成さ
れてなる半導体チップ21を得る。
【0062】上記のように形成される半導体チップ21
では、バンプ23の表面が露出部23dを除いて不濡れ
材料膜23cで覆われている。このため、第1実施形態
の半導体チップ1と同様に、実装基板の表面の半田部と
バンプ23とを位置合わせした状態で実装基板上に半導
体チップ21を配置し、半田部の半田のみを溶融させれ
ば、バンプ23の形状が保たれつつ露出部3cにおける
半田に溶融した半田部の半田が良好に濡れて接合され、
しかもこの溶融した半田がバンプ23の表面全体に濡れ
拡がることが防止される効果が得られる。また、不濡れ
材料膜23cはメッキ方法により形成されるため、バン
プ本体23aの表面全体に確実かつ均一に形成されたも
のとなる。よって、実装基板の半田部の溶融した半田が
バンプ23の表面全体に濡れ拡がるのを確実に防止する
ことができる。
【0063】次に、上記のように形成される半導体チッ
プ21を用いた半導体装置の製造方法に基づき、この発
明に係る半導体装置の製造方法の第3実施形態を図10
を用いて説明する。半導体装置を製造するにあたって
は、予め、上記の工程を行って半導体チップ21を用意
するとともに、前述した図3(a)〜(c)に示す工程
と同じ図10(a)〜(c)に示す工程を行って表面に
半田部5が形成された実装基板4を用意する。半田部5
は、バンプ3のバンプ本体3aを構成する半田の融点よ
りも低い融点で、かつそのバンプ本体3aの半田と濡れ
性が良い半田であればいかなるものを用いることができ
る。ここでは、前述したように例えばPb:Sn=6
3:37の半田で半田部5を形成する。
【0064】半導体チップ21と実装基板4とを用意し
た後は、次いで図10(d)に示すように半導体チップ
21のバンプ23の露出面23dを実装基板4の半田部
5側に向け、半田部5とバンプ23とを位置合わせした
状態で実装基板4上に半導体チップ21を配置する。続
いてリフロー炉に通し、第1実施形態と同様の条件にて
半田部5の半田を溶融する。
【0065】上記リフローによって、実装基板4の半田
部5の半田のみが溶融し、この半田がバンプ23の露出
部23dにおける半田と良好に濡れて半田部4と露出部
23dとが接合される一方、露出部23dを除くバンプ
23の表面には不濡れ材料膜23cが形成されているた
め、溶融した半田は露出部23dc以外のバンプ23の
表面に濡れ拡がらない。以上の工程により図10(e)
に示すように実装基板4上に半導体チップ21が実装さ
れて構成された、この発明に係る半導体装置の第3実施
形態となる半導体装置27が製造される。
【0066】このように第3実施形態の半導体装置の製
造方法によっても、バンプ23の形状を保ちつつ実装基
板4の半田部5と露出部23dとを良好に接合すること
ができ、しかも溶融した半田が露出部23d以外のバン
プ23の表面に濡れ拡がるのを防止することができるこ
とから、第1実施形態と同様にバンプ高さよりも高い実
装高さh2 を得ることができる。したがって、従来技術
の方法と比較して実装高さを高くできるので、バンプ2
3の疲労寿命を延伸することができる。また疲労寿命が
長く、長時間にわたって接合部の電気的信頼性を確保で
きる半導体装置27を実現できるのは、先の実施形態と
同様である。
【0067】なお、この第3実施形態においても、半導
体チップ21のバンプ本体23aおよび実装基板4の半
田部5の半田組成を指定したが、この例に限定されな
い。バンプ本体23aの半田の融点が半田部5の半田の
融点よりも高く、かつバンプ本体23aの半田と半田部
5の半田との間の濡れ性が良ければどのような半田材料
を用いることもできる。特に、バンプ本体23aの半田
の融点と半田部5の半田の融点との差が80℃程度以上
ある材料を用いるとリフロー時に半田部5の半田を確実
に溶融できる等の点で好適である。
【0068】また、不濡れ材料膜23cが例えば電着ポ
ジ型レジスト膜からなる場合について述べたが、半田部
5の半田よりも融点の高い電着レジスト膜であればいず
れのレジストで形成されていてもよい。また電着レジス
ト膜の形成における全ての数値データは、使用する電着
レジスト膜によって適宜変更される。
【0069】さらに第1、第2および第3実施形態で
は、この発明に係る半導体チップをシリコンチップにバ
ンプが形成されてなる、いわゆる小型の半導体チップに
適用したが、構造をそのままとして全体を大きくするだ
けで、セラミックBGA(BallGrid Array)パッケージ
等の大型の半導体チップにも適用することが可能であ
る。さらに第2実施形態に関しては、半導体チップのバ
ンプ本体の半田の融点にも耐えられる耐熱性に優れた例
えばポリイミド基板(例えばBN−300 三井東圧化
学社製)等の基板を使用すれば、プラスチックBGAに
も適用することができる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明に係る半導
体チップによれば、露出部を除くバンプの表面が不濡れ
材料膜で覆われており、露出部においてバンプ本体を構
成する半田が露出しているので、実装基板の表面の半田
部にバンプの露出部を当接させた状態で実装基板上に半
導体チップを配置し、半田部の半田のみを溶融させれ
ば、この溶融した半田と露出部の半田とを接合でき、し
かも溶融した半田がバンプの表面全体に濡れ拡がること
を防止できる。したがって、この半導体チップを用いれ
ば、溶融した半田が濡れ拡がらない分だけバンプ高さよ
りも高い実装高さを得ることが可能になる。
【0071】またこの発明に係る半導体装置の製造方法
では、半導体チップのバンプ本体の表面を実装基板の半
田部の半田が濡れない材料で覆い、さらに露出部を形成
した後、実装基板の半田部の半田の融点より高くかつバ
ンプ本体の半田の融点よりも低い温度にて半田部の半田
を溶融することから、バンプの形状を保ちつつ半田部と
露出部とが接合でき、しかも溶融した半田が露出部以外
のバンプの表面に濡れ拡がるのを防止できる。したがっ
て、溶融した半田が濡れ拡がらない分だけバンプ高さよ
りも高い実装高さを有する半導体装置を得ることができ
るので、半導体チップの基体と実装基板との線膨張係数
の差から熱によってバンプ等に生じる歪みの量を低減す
ることができ、バンプの疲労寿命を延伸することができ
る。
【0072】またこの発明に係る半導体装置は、上記発
明の半導体チップを用いかつ上記発明の半導体装置の製
造方法を用いて製造されるものであることから、バンプ
の接合部の疲労寿命が長く、長時間にわたって接合部の
電気的信頼性を確保できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る半導体チップの第1実施形態を
示す側断面図である。
【図2】(a)〜(c)は第1実施形態に係る半導体チ
ップの形成方法の一例を示す工程図である。
【図3】(a)〜(e)はこの発明に係る半導体装置の
製造方法の第1実施形態を工程順に示す側断面図であ
る。
【図4】この発明に係る半導体チップの第2実施形態を
示す側断面図である。
【図5】(a)〜(c)は第2実施形態に係る半導体チ
ップの形成方法の一例を示す工程図である。
【図6】(a)〜(e)はこの発明に係る半導体装置の
製造方法の第2実施形態を工程順に示す側断面図であ
る。
【図7】この発明に係る半導体チップの第3実施形態を
示す側断面図である。
【図8】(a)〜(c)は第3実施形態に係る半導体チ
ップの形成方法の一例を示す工程図(その1)である。
【図9】(d)〜(g)は第3実施形態に係る半導体チ
ップの形成方法の一例を示す工程図(その2)である。
【図10】(a)〜(e)はこの発明に係る半導体装置
の製造方法の第3実施形態を工程順に示す側断面図であ
る。
【図11】(a)、(b)は従来の半導体装置の製造方
法を工程順に示す側断面図である。
【符号の説明】
1、11、21 半導体チップ 2 基体 3、13、23 バンプ 3a、13a、23a バンプ本体 3b、13b、23c 不濡れ材料膜 3c、13c、23d 露出部 4 実装基板 5 半田部 7、17、27 半導体装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素子が形成された基体の表面にバ
    ンプが設けられてなり、実装基板の表面に形成された半
    田部と前記バンプを介して接合される半導体チップにお
    いて、 前記バンプは、前記基体の表面に形成されているととも
    に、前記半田部の半田の融点よりも高い融点を有する半
    田からなるバンプ本体と、 前記バンプ本体の表面を覆った状態で形成されていると
    ともに、前記半田部の半田の融点よりも高い融点を有し
    かつ該半田部の半田が溶融している状態にてこの半田が
    濡れない材料からなる不濡れ材料膜と、 前記半田部との接合側に前記バンプ本体を外部に露出さ
    せた状態で形成された露出部とから構成されることを特
    徴とする半導体チップ。
  2. 【請求項2】 前記バンプ本体は、少なくとも鉛を含む
    半田からなり、 前記不濡れ材料膜は、前記鉛の硫化物または硫酸化合物
    からなることを特徴とする請求項1記載の半導体チッ
    プ。
  3. 【請求項3】 前記不濡れ材料膜は、前記半田部の半田
    の融点よりも高い融点を有する樹脂からなることを特徴
    とする請求項1記載の半導体チップ。
  4. 【請求項4】 前記不濡れ材料膜は、メッキ方法により
    形成された電着レジスト膜からなることを特徴とする請
    求項1記載の半導体チップ。
  5. 【請求項5】 半導体素子を形成した基体の表面にバン
    プを設けた半導体チップを用い、表面に半田部を形成し
    た実装基板の該半田部と前記バンプとの接合により前記
    半導体チップを前記実装基板に実装する半導体装置の製
    造方法であって、 予め、前記基体の表面に前記半田部の半田よりも融点の
    高い半田からなるバンプ本体を形成し、前記半田部の半
    田の融点よりも高い融点を有しかつ該半田部の半田が溶
    融している状態にてこの半田が濡れない材料で前記バン
    プの表面を覆い、前記半田部との接合側に前記バンプ本
    体を外部に露出させた状態で露出部を形成して前記バン
    プを前記基体の表面に形成し、 次いで前記露出部を前記実装基板の半田部側に向けかつ
    該露出部を前記半田部に当接させ、 前記半田部の半田の融点より高い温度でかつ前記バンプ
    の半田の融点よりも低い温度にて前記半田部の半田を溶
    融させて前記半田部と前記バンプとを接合することによ
    り前記半導体チップを前記実装基板に実装することを特
    徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 表面に半田部が形成された実装基板と、 半導体素子が形成された基体の表面にバンプが設けられ
    た半導体チップとを備え、 前記バンプが、前記基体の表面に形成されているととも
    に、前記半田部の半田よりも融点の高い半田からなるバ
    ンプ本体と、該バンプ本体の表面を覆った状態で形成さ
    れているとともに前記半田部の半田の融点よりも高い融
    点を有しかつ該半田部の半田が溶融している状態にてこ
    の半田が濡れない材料からなる不濡れ材料膜と、前記半
    田部との接合側に前記バンプ本体を外部に露出させた状
    態で形成された露出部とからなり、 前記バンプの露出部と前記半田部とが接合されて前記半
    導体チップが前記実装基板に実装されてなることを特徴
    とする半導体装置。
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