JPH10303128A - 成膜方法 - Google Patents

成膜方法

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JPH10303128A
JPH10303128A JP11244397A JP11244397A JPH10303128A JP H10303128 A JPH10303128 A JP H10303128A JP 11244397 A JP11244397 A JP 11244397A JP 11244397 A JP11244397 A JP 11244397A JP H10303128 A JPH10303128 A JP H10303128A
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JP
Japan
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film
silicon
forming
group
insulating film
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JP11244397A
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Inventor
Yutaka Takizawa
裕 瀧澤
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、絶縁層上に成膜したアモルファスシ
リコン膜を加熱により再結晶化してポリシリコン膜を形
成する成膜方法に関し、微結晶化が生じない程度の強度
のレーザ光で、或いは基板が変形しない程度の温度で、
再結晶化により結晶粒径を大きくする。 【構成】基板61上に7B族元素及び0族元素のうち少
なくともいずれかを含む第1のシリコン含有絶縁膜62
を形成する工程と、第1のシリコン含有絶縁膜62上に
アモルファスシリコン膜64を形成する工程と、アモル
ファスシリコン膜64を加熱して再結晶化させ、ポリシ
リコン膜64aを形成する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成膜方法に関し、
より詳しくは、絶縁層上に成膜したアモルファスシリコ
ン膜を加熱により結晶化してポリシリコン膜を形成する
成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイでは制御トランジスタ
として薄膜トランジスタ(TFT)が用いられている
が、アモルファスシリコン膜(a−Si膜)を活性層と
して形成されているため、移動度が小さく、高速化等が
図れない。次世代の液晶ディスプレイのために、より大
きな移動度を有する薄膜トランジスタ(TFT)が望ま
れている。このため、より均一で、かつ大きな結晶粒径
を有するポリシリコン膜にTFTを形成することが必要
になっている。
【0003】従来、再結晶化によりa−Si膜をポリシ
リコン膜にする方法として、エキシマレーザを照射する
ことによりa−Siを一旦溶融状態にしてから凝固する
際に結晶化させる、いわゆるレーザ結晶化の方法や、a
−Si膜を温度600℃で、数時間乃至数十時間加熱す
ることで、固相のまま結晶化させる固相成長法が用いら
れている。
【0004】これらの方法では、図9(a)に示すよう
に、アルミニウム等の混合物であるガラス基板1とa−
Si膜3とを直接接触させないように、それらの間に、
シラン(SiH4)と水素(H2)と一酸化窒素(N2O )との
混合ガスを用いたプラズマCVD法等により形成された
シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等のシリコン含有絶縁
膜2を介在させている。
【0005】また、図9(b)に示すように、レーザ結
晶化や固相成長は、レーザ結晶化の際の光の反射率を下
げるため、シラン(SiH4)と水素(H2)と一酸化窒素
(N2O)との混合ガスを用いたプラズマCVD法等によ
り形成されたシリコン酸化膜やシリコン窒化膜のシリコ
ン含有絶縁膜4によりa−Si膜3の表面を覆った状態
で行っている。
【0006】なお、レーザ結晶化や固相成長は、a−S
i膜の表面が自然酸化膜等で覆われた状態で、或いは希
弗酸等により自然酸化膜を除去して直接外部の大気や真
空中に露出した状態で行うこともある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、a−Si膜
が表面に露出している場合には、シリコン原子が自由に
動けるために結晶成長のための核が生じやすい。また、
自然酸化膜やシリコン窒化膜などによって覆われている
場合でも、自然酸化膜等中に取り込まれている水素等の
比較的自由に動き回れる原子等が移動して核が生じ易く
なっている。
【0008】特に、大面積の低融点ガラス基板を用いる
場合には、通常シラン系ガスを用いたプラズマCVD法
による堆積が行われるため、シリコン酸化膜やシリコン
窒化膜中には多量の水素が含まれている。このため、図
9(b)の下の図に示すように、従来技術で1μm以上
の大きな粒径のポリシリコン膜3aを安定に得ることは
困難であった。
【0009】また、レーザ結晶化の場合、パルスレーザ
では照射する光量を増加させると、結晶粒同士が溶融し
て大きくなるため、結晶粒径も大きくなるが、或る閾値
を越えると過冷却現象を生じて逆に微結晶となってしま
う。更に、連続発振レーザの場合には、微結晶化は生じ
にくいものの、結晶粒径を十分に大きくしようとすると
(概略1μm以上)、下地となっているシリコン酸化膜
2或いはガラス基板1とa−Si膜3のシリコンが反応
してしまい、ポリシリコン膜3aの表面に激しい凹凸が
発生するという問題がある。
【0010】同様に、電気炉加熱による固相成長法で
は、基板温度が高いほど大きな結晶粒径を得られるが、
大面積のガラス基板1の場合には、加熱による変形が無
視できない。これは、ガラス基板1に与えるストレスが
比較的小さいとされるラピッドサーマルアニーリング法
(RTA法)でも加熱による変形は生じる。本発明は、
上記の従来例の問題点に鑑みて創作されたものであり、
微結晶化が生じない程度の強度のレーザ光で、或いは基
板が変形しない程度の温度で、結晶化により結晶粒径を
大きくすることができる成膜方法を提供するものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題は、第1の発明
である、基板上に7B族元素及び0族元素のうち少なく
ともいずれかを含む第1のシリコン含有絶縁膜を形成す
る工程と、前記第1のシリコン含有絶縁膜上にアモルフ
ァスシリコン膜を形成する工程と、前記アモルファスシ
リコン膜を加熱して結晶化させ、ポリシリコン膜を形成
する工程とを有することを特徴とする成膜方法によって
解決され、第2の発明である、基板上に7B族元素及び
0族元素のうち少なくともいずれかを含む第2のシリコ
ン含有絶縁膜を形成する工程と、前記第2のシリコン含
有絶縁膜上にアモルファスシリコン膜を形成する工程
と、前記アモルファスシリコン膜上に7B族元素及び0
族元素のうち少なくともいずれかを含む第3のシリコン
含有絶縁膜を形成する工程と、前記アモルファスシリコ
ン膜を加熱して結晶化させ、ポリシリコン膜を形成する
工程とを有することを特徴とする成膜方法によって解決
され、第3の発明である、前記第1、前記第2又は前記
第3のシリコン含有絶縁膜を形成する工程は、シリコン
含有絶縁膜を形成した後に前記7B族元素及び前記0族
元素のうち少なくともいずれかからなるイオンを前記シ
リコン含有絶縁膜に注入する工程を含むことを特徴とす
る第1又は第2の発明に記載の成膜方法によって解決さ
れ、第4の発明である、前記第1、前記第2又は前記第
3のシリコン含有絶縁膜を形成する工程は、前記7B族
元素及び前記0族元素のうち少なくともいずれかと、シ
リコンと、酸素とを含むガスを用いた気相化学成長法に
より形成する工程を含むことを特徴とする第1又は第2
の発明に記載の成膜方法によって解決され、第5の発明
である、前記第1、前記第2又は前記第3のシリコン含
有絶縁膜を形成する工程は、前記7B族元素及びシリコ
ンを含む水溶液を用いた液相成長法により形成する工程
を含むことを特徴とする第1又は第2の発明に記載の成
膜方法によって解決され、第6の発明である、前記水溶
液中に金属元素を添加することを特徴とする第5の発明
に記載の成膜方法によって解決され、第7の発明であ
る、前記金属元素は、ニッケル,スズ,パラジウム,ア
ルミニウム又は鉄のうち少なくともいずれかであること
を特徴とする第6の発明に記載の成膜方法によって解決
され、第8の発明である、前記7B族元素はF, Cl, I又
はBrであり、前記0族元素はAr, He, Ne又はXeであるこ
とを特徴とする第1乃至第7の発明のいずれかに記載の
成膜方法によって解決される。
【0012】本発明においては、アモルファスシリコン
膜の下面、又は上下両面に核形成を抑制する成分、例え
ば7B族元素及び0族元素のうち少なくともいずれかを
含んだ第1のシリコン含有絶縁膜、又は第2及び第3の
シリコン含有絶縁膜を形成している。第1のシリコン含
有絶縁膜、又は第2及び第3のシリコン含有絶縁膜を形
成する方法としては、例えば以下ような方法がある。
【0013】7B族元素及び0族元素のうち少なくと
もいずれかからなるイオンをシリコン含有絶縁膜に注入
する方法、 7B族元素及び0族元素のうち少なくともいずれか
と、シリコンと、酸素とを含むガスを用いた気相化学成
長法により形成する方法、 7B族元素及びシリコンを含む水溶液を用いた液相成
長法により形成する方法がある。
【0014】これらの方法では、シリコン含有絶縁膜と
アモルファスシリコン膜との界面で結晶成長のための核
の密度が大幅に低減するため、アモルファスシリコン膜
を結晶化させる際、核をもとに成長する個々の結晶粒の
粒径は大きくなる。また、特に、液相成長法による場
合、7B族元素及びシリコンを含む水溶液に金属元素を
添加したとき、加熱によりアモルファスシリコン膜中に
金属元素が導入されてシリサイドが形成される。従っ
て、シリコン含有絶縁膜とアモルファスシリコン膜との
界面での核が欠乏している状態で、このシリサイドが核
となってシリコンの結晶粒が形成される。
【0015】このように、本発明によれば、結晶成長の
ための核そのものを減らしているので、微結晶化が生じ
ない程度の強度のレーザ光で、或いは基板が変形しない
程度の温度で、結晶化によりシリコン結晶粒の粒径を大
きくすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照しながら説明する。 (1)第1の実施の形態 図1(a)〜(d),図2(a)〜(c),図3は、本
発明の第1の実施の形態に係る成膜方法を用いた薄膜ト
ランジスタの製造方法について示す断面図である。第1
の実施の形態では、核形成を抑制する元素を含むシリコ
ン含有絶縁膜をプラズマCVD法により形成する。
【0017】まず、図示しない平行平板型プラズマCV
D装置の成膜室内にある対向電極のうち第1の電極上に
ガラス基板11(コーニング社製1737)を載せる。
続いて、成膜室内に流量5SCCMのジフロロシランガス
(SiH2F2) と、流量35SCCMのシランガス(SiH4)と、
流量160SCCMの水素ガス(H2)と、流量80SCCMの笑
気ガス(N2O )とを導入し、室内の圧力を凡そ1Torrに
保持する。続いて、ガラス基板11を加熱し、温度30
0℃に保持する。
【0018】次いで、図1(a)に示すように、対向電
極間に周波数13.56 MHzのRF電力100Wを印加し
て反応ガスをプラズマ化し、反応させてガラス基板11
上に膜厚約300nmのフッ素含有のシリコン酸化膜
(第2のシリコン含有絶縁膜))12を形成する。この
とき、シリコン酸化膜12中にはフッ素が凡そ1%程度
含まれる。
【0019】なお、フッ素含有量は0.1%以上であれ
ば効果がある。反面、これがあまり多くなると、シリコ
ン酸化膜12と接するアモルファスシリコン膜(a−S
i膜)13の酸化が促進されるため、フッ素含有量を1
%以上増やさないようにすることが望ましい。次に、同
じ成膜室内に流量40SCCMのシランガス(SiH4)と、流
量160SCCMの水素ガス(H2)とを導入し、室内の圧力
を凡そ0.6Torrに保持する。また、ガラス基板11の
加熱温度を調整し、260℃に保持する。
【0020】次いで、図1(b)に示すように、対向電
極間に周波数13.56 MHzのRF電力100Wを印加し
て反応ガスをプラズマ化して反応させ、フッ素含有のシ
リコン酸化膜12上に膜厚約50nmのa−Si膜13
を形成する。このとき、反応ガスに含まれる水素がa−
Si膜13中に混入して、水素が凡そ10%程度含まれ
ることになる。
【0021】次に、成膜室内に流量5SCCMのジフロロシ
ランガス(SiH2F2) と、流量35SCCMのシランガス(Si
H4)と、流量160SCCMの水素ガス(H2)と、流量80
SCCMの笑気ガス(N2O )とを導入し、室内の圧力を凡そ
1Torrに保持する。続いて、ガラス基板11を加熱し、
温度300℃に保持する。次いで、図1(c)に示すよ
うに、対向電極間に周波数13.56 MHzのRF電力10
0Wを印加して反応ガスをプラズマ化し、反応させてガ
ラス基板11上に膜厚約120nmのフッ素含有のシリ
コン酸化膜(第3のシリコン含有絶縁膜)14を形成す
る。このとき、シリコン酸化膜14中にはフッ素が凡そ
1%程度含まれる。
【0022】次に、図1(d)に示すように、1気圧の
窒素雰囲気中で上記ガラス基板11を加熱し、温度45
0℃に保持した状態で3時間ほど放置する。これによ
り、a−Si膜13中に含まれる水素を放出させて、そ
の濃度を1%以下に低減させる。次いで、図2(a)に
示すように、上部のシリコン酸化膜14を通してa−S
i膜13に波長308nm,エネルギ密度300mJ/
cm2 の条件でXeClエキシマレーザを照射して加熱
し、a−Si膜13を結晶化させる。このとき、a−S
i膜13の上下両面にフッ素含有シリコン酸化膜12,
14が接しているため、図2(a)の下の図に示すよう
に、フッ素の働きにより結晶化のための核15の発生が
抑制されてその密度が小さくなり、このため、個々の核
15から成長する一つ一つの結晶粒の粒径は大きくな
る。これにより、1μm以上の粒径を有する結晶粒が集
合したポリシリコン膜(p−Si膜)13aを容易に形
成することができる。
【0023】次に、図2(b)に示すように、フォトリ
ソグラフィ技術を用いて、上部のシリコン酸化膜14及
びp−Si膜13aをエッチングし、エアアイソレーシ
ョンによる素子分離を行う。次いで、レジスト膜16を
マスクとしてシリコン酸化膜14をエッチングし、ゲー
ト絶縁膜14aを形成する。このとき、ゲート絶縁膜1
4aの両側にソース拡散領域及びドレイン拡散領域とな
るp−Si膜13bを露出させる。
【0024】次に、図2(c)に示すように、ゲート絶
縁膜14aをマスクとしてp−Si膜13bにドーズ量
1012cm-2,加速電圧15keVの条件でリンをイオ
ン注入する。続いて、エキシマレーザにより波長308
nm,エネルギ密度260mJ/cm2 の条件で、注入
イオンの活性化を行うとともに、p−Si膜13bを再
結晶化し、n型のソース拡散領域17a及びドレイン拡
散領域17bを形成する。
【0025】次いで、図3に示すように、300nmの
アルミニウム膜をDCスパッタ法により成長させた後、
フォトリソグラフィ技術によりパターニングし、ソース
電極18a、ドレイン電極18b、及びゲート電極18
cを形成する。これにより、薄膜トランジスタ(TF
T)を作成する。上記の実施の形態によれば、a−Si
膜13の上下両面にフッ素含有のシリコン酸化膜12,
14が接した状態で結晶化を行っているので、結晶成長
のための核15そのものを低減させることができる。し
かも、核15をもとに結晶化が起こるので、微結晶化が
生じない程度の強度のレーザ光で、或いはガラス基板1
1が変形しない程度の温度で、シリコン結晶粒の粒径を
大きくすることができる。これにより、キャリアの移動
度が高く、低抵抗のp−Si膜13bを形成することが
できるため、そこに形成されるトランジスタの特性を向
上させることが可能となる。
【0026】なお、上記の実施の形態では、シリコン含
有絶縁膜としてシリコン酸化膜12,14を用いている
が、その代わりにシリコン窒化膜を用いてもよい。ま
た、結晶化をレーザ照射により行っているが、これに限
られるものではない。例えば、赤外線又はヒータ等を用
いて温度600℃で8時間程度加熱し、固相成長させ
る。また、フラッシュアークランプを用いたラピッドサ
ーマルアニール法等により温度850℃程度に加熱して
もよい。
【0027】さらに、フッ素を含むシリコン酸化膜1
2,14をa−Si膜13の上下に形成したが、いずれ
か一方に形成してもよい。但し、a−Si膜13表面で
のレーザ光の反射を防ぐため、a−Si膜13の表面は
シリコン酸化膜或いはシリコン窒化膜により覆われてい
る方が望ましい。また、上記の実施の形態では、フッ素
を含むシリコン酸化膜14をゲート絶縁膜としてそのま
ま用いているが、フッ素がチャネル界面付近に存在する
場合、300〜400℃程度の加熱でも、外部の酸素と
再結合することがあり、特に不安定になることがある。
これを防ぐには、結晶化した後にシリコン膜13上のシ
リコン酸化膜14を除去し、プラズマCVD法等により
シリコン酸化膜をゲート絶縁膜として新たに形成するよ
うにする。
【0028】また、7B族(17族)のハロゲン元素と
してフッ素(F)を用いているが、他のハロゲン元素、
即ち塩素(Cl),臭素(Br)又はヨウ素(I)等を
用いることができる。さらに、0族(18族)の稀ガス
元素(ヘリウム,ネオン,アルゴン,キセノン等)を用
いても、結晶成長のための核の形成を抑制して、加熱に
よりa−Si膜を結晶化させて、大粒径の結晶粒を有す
るp−Si膜を形成することができる。
【0029】また、ハロゲン元素として、シリコン系化
合物を用いているが、フッ素ガスや塩素ガス等の単体を
用いてもよい。また、フッ素ガスをアルゴンガスで希釈
して導入する等、ハロゲンガスと稀ガスとを混合したガ
スを用いてもよい。SiH2F2+SiH4+H2+N2O を用いてい
るが、SiH2F2の代わりに、SiF4,SiH2Cl2,SiCl4, HI, H
Br, F2, Cl2, Ar, He, F2 +Ar等を用いることができ
る。 (2)第2の実施の形態 図4(a),(b)は、本発明の第2の実施の形態に係
る成膜方法を用いた薄膜トランジスタの製造方法につい
て示す断面図である。また、図6(a)は、核形成を抑
制する元素を含むシリコン酸化膜を析出させるため、ガ
ラス基板を水溶液に浸した状態を示す断面図である。
【0030】第2の実施の形態において、第1の実施の
形態と異なるところは、液相成長法により核形成を抑制
する元素を含むシリコン酸化膜を形成していることであ
る。まず、図6(a)に示すように、温度25℃の純水
中に3mol/l の割合でヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6
を溶かし、更に粉末状の酸化シリコンを20g/l の割合
で添加する。酸化シリコンは全て溶けきらず、飽和状態
になるため、これを除去するためにフィルタで濾過し、
飽和ヘキサフルオロケイ酸水溶液を作成する。
【0031】この水溶液を容器101に入れてシリコン
酸化膜を析出させるため、水溶液を40〜45℃に加熱
し、その水溶液にガラス基板21を浸漬する。これによ
り、図4(a)に示すように、ガラス基板21の表面に
は、フッ素を取り込みながらシリコン酸化膜(第2のシ
リコン含有絶縁膜)22が約10〜20nm/hの割合
で堆積する。膜厚300nmのシリコン酸化膜22を堆
積し終わったとき、シリコン酸化膜22中に含まれるフ
ッ素は約2%であった。
【0032】以降、第1の実施の形態の図1(b)〜
(d)の工程を経て、シリコン酸化膜22上にa−Si
膜23とシリコン酸化膜(第3のシリコン含有絶縁膜)
24とを順に形成する。次に、図4(b)に示すよう
に、上部のシリコン酸化膜24を通してa−Si膜23
にXeClエキシマレーザを照射して加熱し、a−Si
膜23を結晶化させる。このとき、a−Si膜23の上
下両面にフッ素含有シリコン酸化膜22,24が接して
いるため、結晶化のための核25の発生が抑制されてそ
の密度が小さくなり、このため、個々の核25から成長
する一つ一つの結晶粒の粒径は大きくなる。これによ
り、1μm以上の粒径を有する結晶粒が集合したポリシ
リコン膜(p−Si膜)23aを容易に形成することが
できる。
【0033】以降、第1の実施の形態の図2(b),
(c),図3の工程を経て、TFTを作成する。以上の
ように、第2の実施の形態によれば、室温で水溶液に浸
漬するだけで、シリコン酸化膜22を形成できるため、
大面積のガラス基板21についても容易に対応可能であ
る。
【0034】また、第1の実施の形態と同様に、a−S
i膜23の上下両面にフッ素含有のシリコン酸化膜2
2,24を形成しているので、a−Si膜23とシリコ
ン酸化膜22,24との界面で結晶成長のための核25
の分布密度が小さくなる。しかも、核25に基づいてa
−Si膜23の結晶化を行っているので、微結晶化が生
じない程度の強度のレーザ光で、或いはガラス基板21
が変形しない程度の温度で、シリコン結晶粒の粒径を大
きくすることができる。
【0035】これにより、キャリアの移動度が高く、低
抵抗のp−Si膜23aを形成することができるため、
そこに形成されるトランジスタの特性を向上させること
が可能となる。なお、上記ではシリコン含有絶縁膜とし
てシリコン酸化膜22,24を用いているが、その代わ
りにシリコン窒化膜を用いてもよい。
【0036】更に、ヘキサフルオロケイ酸水溶液より酸
化シリコンを析出させるために水溶液を45℃まで加熱
しているが、図6(b)に示すように、硼酸水溶液(B
(OH)3) やアンモニア水溶液(NH3 )、アルミニウム
などのフッ化水素酸と反応する物質を混入することで、
常温で酸化シリコンを析出させることが可能となる。な
お、図6(b)中、41はガラス基板である。
【0037】また、水溶液中に含まれている元素を取り
込みつつ、シリコン酸化膜22を堆積させることができ
るので、例えば、図7(a)に示すように、図6(a)
の水溶液中に塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)及
び沃化水素酸(HI)のうち少なくともいずれか一つを
加えて、塩素(Cl)、臭素(Br)及びヨウ素(I)
のうち少なくともいずれか一つの元素を添加することが
できる。なお、図7(a)中、51はガラス基板であ
る。
【0038】さらに、図7(b)に示すように、ニッケ
ル(Ni)、スズ(Sn)、パラジウム(Pd)、アル
ミニウム(Al)又は鉄(Fe)等の金属塩(酢酸ニッ
ケル(Ni(CH3COO)2 )、塩化鉄(FeCl, FeCl2 ))等を
図6(a)の水溶液中に添加し、溶解させた水溶液中に
ガラス基板31を浸漬する方法もある。この場合、その
水溶液中にガラス基板31を浸漬して所定の時間保持し
て、図5(a)に示すように、これらの金属を含むシリ
コン酸化膜(第1又は第2のシリコン含有絶縁膜)32
を形成する。
【0039】次いで、図5(b)の上の図に示すよう
に、このシリコン酸化膜32の上にa−Si膜と通常の
反応ガスを用いてシリコン酸化膜34を堆積した後、ガ
ラス基板を300〜900℃程度に加熱すると、図5
(b)の下の図に示すように、シリコン酸化膜32より
a−Si膜中に金属が拡散してシリサイド35が形成さ
れる。そして、このシリサイド35を核としてa−Si
膜が結晶化し、p−Si膜33aが形成される。
【0040】このとき、シリコン酸化膜32中にフッ素
などが含まれるため、p−Si膜33aとシリコン酸化
膜32との界面には核が形成されず、結晶化反応はシリ
コン酸化膜32中に添加した金属によってのみ起こる。
例えば、ニッケルをシリコン酸化膜32中に1018(at
oms/cc)程度添加した場合には、550℃で8時間の電
気炉中での加熱により、結晶化を行うことができる。ま
た、結晶化のための加熱は、ラピッドサーマルアニーリ
ング法などの技術を利用してもよい。
【0041】(3)第3の実施の形態 図8(a)〜(d)は、本発明の第3の実施の形態に係
る成膜方法について示す断面図である。第1及び第2の
実施の形態では、ガラス基板上に直接核形成を抑制する
元素を含むシリコン含有絶縁膜を形成したが、第3の実
施の形態では、通常のシリコン酸化膜を形成した後にそ
の表層にハロゲン元素又は稀ガス元素を導入することに
より、核形成を抑制する元素を含むシリコン酸化膜(シ
リコン含有絶縁膜)を形成している。
【0042】まず、図8(a)に示すように、ガラス基
板61上に通常のプラズマCVD法により、膜厚300
nmのシリコン酸化膜62を堆積させる。次いで、図8
(b)に示すように、このガラス基板61を通常の平行
平板型のプラズマCVD装置にセットする。続いて、流
量40SCCMのCF4 ガスを導入して、圧力2Torrに保持
し、RF電源によるグロー放電によるプラズマを発生さ
せて、5分間、その状態を保持する。このプラズマによ
り、シリコン酸化膜62の表層にフッ素を含む変質層6
3を形成し、フッ素を含むシリコン酸化膜(第1のシリ
コン含有絶縁膜)62aを形成する。フッ素は結晶化の
ための核の形成を抑制する働きがある。
【0043】次に、図8(c)に示すように、シリコン
酸化膜62a上にa−Si膜64をプラズマCVD法な
どにより堆積させた後、図8(d)に示すように、レー
ザ照射によりa−Si膜64を結晶化させて、ポリシリ
コン膜64aを形成する。以降は、第1の実施の形態と
同様にしてTFTを作成する。以上のように、第3の実
施の形態によれば、a−Si膜64の下面にフッ素含有
のシリコン酸化膜62aが接した状態で結晶化を行って
いる。
【0044】従って、第1の実施の形態と同様に、フッ
素により核形成が抑制され、しかもその核に基づいてa
−Si膜64が結晶化されるので、微結晶化が生じない
程度の強度のレーザ光で、或いはガラス基板61が変形
しない程度の温度で、シリコン結晶粒の粒径を大きくす
ることができる。これにより、キャリアの移動度が高
く、低抵抗のポリシリコン膜64aを形成することがで
きるため、そこに形成されるトランジスタの特性を向上
させることが可能となる。
【0045】なお、第3の実施の形態では、シリコン酸
化膜62の表層にフッ素を導入するため、プラズマCV
D装置を用いているが、これに限られるものではなく、
RIE装置等を用いてもよい。また、ハロゲン元素や稀
ガス元素をイオン注入法により、直接シリコン酸化膜6
2中に打ち込んでも構わない。この場合、注入の際の加
速電圧が大きすぎると、シリコン酸化膜62等の内部に
入り込んでしまい、十分な効果が出ないため、表面から
30nm以内の領域にもっとも濃度の高くなるような加
速電圧が望ましい。
【0046】さらに、シリコン酸化膜62,64の代わ
りにシリコン窒化膜を用いてもよい。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、アモ
ルファスシリコン膜の下面、又は上下両面に核形成を抑
制する成分、例えば7B族元素及び0族元素のうち少な
くともいずれかを含んだ第1のシリコン含有絶縁膜、又
は第2及び第3のシリコン含有絶縁膜を形成している。
【0048】従って、シリコン含有絶縁膜とアモルファ
スシリコン膜との界面、又はアモルファスシリコン膜中
の結晶成長のための核の密度が大幅に低減するため、ア
モルファスシリコン膜を結晶化させる際、核をもとに成
長する個々の結晶粒の粒径は大きくなる。このように、
結晶成長のための核そのものを減らしているので、微結
晶化が生じない程度の強度のレーザ光で、或いは基板が
変形しない程度の温度で、ポリシリコン結晶粒の粒径を
大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(d)は、本発明の第1の実施の
形態に係る成膜方法を用いた薄膜トランジスタの製造方
法について示す断面図(その1)である。
【図2】図2(a)〜(c)は、本発明の第1の実施の
形態に係る成膜方法を用いた薄膜トランジスタの製造方
法について示す断面図(その2)である。
【図3】図3は、本発明の第1の実施の形態に係る成膜
方法を用いた薄膜トランジスタの製造方法について示す
断面図(その3)である。
【図4】図4(a),(b)は、本発明の第2の実施の
形態に係る成膜方法を用いた薄膜トランジスタの製造方
法について示す断面図である。
【図5】図5(a),(b)は、本発明の第2の実施の
形態に係る他の成膜方法を用いた薄膜トランジスタの製
造方法について示す断面図である。
【図6】図6(a),(b)は、本発明の第2の実施の
形態に係る成膜方法について示す断面図である。
【図7】図7(a),(b)は、本発明の第2の実施の
形態に係る成膜方法について示す断面図である。
【図8】図8(a)〜(d)は、本発明の第3の実施の
形態に係る成膜方法を用いた薄膜トランジスタの製造方
法について示す断面図である。
【図9】図9(a),(b)は、従来例に係る成膜方法
について示す断面図である。
【符号の説明】
11,21,31,41,51,61 ガラス基板、 12,22 フッ素含有シリコン酸化膜(第2のシリコ
ン含有絶縁膜)、 14,24 フッ素含有シリコン酸化膜(第3のシリコ
ン含有絶縁膜)、 13,23,64 アモルファスシリコン膜、 13a,13b,23a,33a,64a ポリシリコ
ン膜、 14a ゲート絶縁膜、 15,25 結晶成長のための核、 17a ソース拡散領域、 17b ドレイン拡散領域、 18a ソース電極、 18b ドレイン電極、 18c ゲート電極、 32 金属を含むシリコン酸化膜(第1又は第2のシリ
コン含有絶縁膜)、 35 シリサイド(結晶成長のための核)、 62 シリコン酸化膜、 62a フッ素含有シリコン酸化膜(第1のシリコン含
有絶縁膜)、 63 変質層、 101 容器。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に7B族元素及び0族元素のうち
    少なくともいずれかを含む第1のシリコン含有絶縁膜を
    形成する工程と、 前記第1のシリコン含有絶縁膜上にアモルファスシリコ
    ン膜を形成する工程と、 前記アモルファスシリコン膜を加熱して結晶化させ、ポ
    リシリコン膜を形成する工程とを有することを特徴とす
    る成膜方法。
  2. 【請求項2】 基板上に7B族元素及び0族元素のうち
    少なくともいずれかを含む第2のシリコン含有絶縁膜を
    形成する工程と、 前記第2のシリコン含有絶縁膜上にアモルファスシリコ
    ン膜を形成する工程と、 前記アモルファスシリコン膜上に7B族元素及び0族元
    素のうち少なくともいずれかを含む第3のシリコン含有
    絶縁膜を形成する工程と、 前記アモルファスシリコン膜を加熱して結晶化させ、ポ
    リシリコン膜を形成する工程とを有することを特徴とす
    る成膜方法。
  3. 【請求項3】 前記第1、前記第2又は前記第3のシリ
    コン含有絶縁膜を形成する工程は、シリコン含有絶縁膜
    を形成した後に前記7B族元素及び前記0族元素のうち
    少なくともいずれかからなるイオンを前記シリコン含有
    絶縁膜に注入する工程を含むことを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載の成膜方法。
  4. 【請求項4】 前記第1、前記第2又は前記第3のシリ
    コン含有絶縁膜を形成する工程は、前記7B族元素及び
    前記0族元素のうち少なくともいずれかと、シリコン
    と、酸素とを含むガスを用いた気相化学成長法により形
    成する工程を含むことを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の成膜方法。
  5. 【請求項5】 前記第1、前記第2又は前記第3のシリ
    コン含有絶縁膜を形成する工程は、前記7B族元素及び
    シリコンを含む水溶液を用いた液相成長法により形成す
    る工程を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の成膜方法。
  6. 【請求項6】 前記水溶液中に金属元素を添加すること
    を特徴とする請求項5に記載の成膜方法。
  7. 【請求項7】 前記金属元素は、ニッケル,スズ,パラ
    ジウム,アルミニウム又は鉄のうち少なくともいずれか
    であることを特徴とする請求項6に記載の成膜方法。
  8. 【請求項8】 前記7B族元素はF, Cl, I又はBrであ
    り、前記0族元素はAr, He, Ne又はXeであることを特徴
    とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の成膜方
    法。
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