JPH10302119A - 貨幣入出金処理システム - Google Patents

貨幣入出金処理システム

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JPH10302119A
JPH10302119A JP9110670A JP11067097A JPH10302119A JP H10302119 A JPH10302119 A JP H10302119A JP 9110670 A JP9110670 A JP 9110670A JP 11067097 A JP11067097 A JP 11067097A JP H10302119 A JPH10302119 A JP H10302119A
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川 正 仁 谷
誠 ▲藪▼田
Makoto Yabuta
Keisuke Takenaka
中 圭 介 武
Takashi Kobayashi
林 敬 司 小
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貨幣の入出金処理を使用する場所の条件に応
じて高効率に行えるようにすることを課題とする。 【解決手段】 預かり貨幣を入金したのちに釣貨幣を出
金する入金優先モードと、釣貨幣を出金したのちに預か
り貨幣を入金する出金優先モードを備え、このモードを
切換える手段により入金優先モードが指定されたときは
入金識別部で入金可と識別された入金貨幣の金額と必要
入金額とを比較して釣貨幣を算出して収納部から必要な
釣貨幣を出金させ、出金優先モードが指定されたときは
預かり金額入力手段により入力された金額と必要入金額
とを比較して釣貨幣を算出し、前記収納部から必要な釣
貨幣を出金させるようにしたことにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金融機関や交通機
関の窓口、あるいはスーパーマーケット等の精算所にお
いて紙幣や硬貨の入金処理および出金処理を行う貨幣入
出金処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】金融機関や交通機関の窓口、あるいはス
ーパーマーケット等の精算所においては、紙幣や硬貨の
入出金処理を機械的に自動処理するような貨幣入出金処
理システムが導入されている。
【0003】上記貨幣入出金処理システムは、紙幣の入
出金処理を行う紙幣入出金装置と、硬貨の入出金処理を
行う硬貨入出金装置と、販売額や振込額等の金額を登録
するとともに紙幣入出金装置および硬貨入出金装置に対
して入出金処理を行わせる金銭登録機とで構成され、こ
の金銭登録機はスーパーマーケット等の精算所において
はPOSレジスタがその機能を持ち、また金融機関や交
通機関の窓口においてはテラーズマシンがその機能を持
つようになされている。
【0004】前記紙幣入出金装置および硬貨入出金装置
は、一般に入金貨幣を受入れて1枚ずつ繰込む入金繰込
み部と、繰込まれた貨幣を搬送しつつ識別する入金識別
部と、この識別部で入金可と識別された貨幣を金種別に
収納するとともに1枚ずつ繰出すことができる金種別収
納部と、この金種別収納部から繰出された貨幣を外部か
ら取出し可能に投出する出金部とを少くとも有してお
り、入金貨幣の一時保留部については装置の運用仕様に
応じ設けられる場合と設けられない場合とがある。
【0005】すなわちスーパーマーケット等の精算所で
使用される場合は、顧客から預った貨幣を、釣銭を支払
って顧客が承認するまでの取引終了まで顧客から見える
位置に一時保管しておくという運用が多く、このような
運用の場合にはその保管位置が一時保留部として機能
し、貨幣の入金時には返却の必要がなくなるため装置内
には入金貨幣の一時保留部を設けずに入金貨幣を金種別
収納部へ直接収納するようになされている。
【0006】他方、金融機関等の窓口で使用される場合
は、入金される貨幣の量が多いこともあって、入金貨幣
を装置内で識別・計数して入金額を確認し、その金額が
承認されれば金種別収納部へ分類収納し、承認されない
ときは返却するようになっており、そのため装置内には
必ず入金貨幣の一時保留部が設けられていた。
【0007】つまり、預り貨幣を入金したのちに釣銭貨
幣を出金するという入金優先処理の場合には入金額の承
認行為が行われ、その結果次第では入金貨幣を返却する
ことになるが故に前述の一時保留部が設けられているの
が一般的である。また預り額をキー入力して、先ず釣銭
貨幣を出金したのちに預り貨幣を収納するために入金す
るという出金優先処理の場合には、入金貨幣を返却する
必要がない故に前記一時保留部が設けられていないのが
一般的であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかして従来では、前
述の入金優先処理用、または出金優先処理用としてそれ
ぞれ各別に貨幣入出金装置および金銭登録機が製造され
ており、これらを導入する業種の運用仕様に応じてそれ
に適当する貨幣入出金装置および金銭登録機を導入する
ようになされているが、一旦導入してしまうと後に運用
を変更したい事態が生じても一切変更することができ
ず、仕様面における自由度がなかった。
【0009】このほか製造、販売の両面において上記2
種のシステムを製造しかつ保管しておかなければならな
いため、効率がきわめて悪いという問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の入金優
先処理と出金優先処理との双方を選択的に行えるように
し、従来技術の問題点の解消を図ることを課題としてな
されたものである。
【0011】上記課題を解決するための手段として本発
明は、販売額、振込額等の必要入金額を決定する必要入
金額決定手段と、顧客から預かった貨幣の金額を入力す
る預かり金額入力手段と、入金貨幣を受入れて1枚ずつ
繰込む入金繰込み部と、この入金繰込み部から繰込まれ
た貨幣を識別する入金識別部と、この入金識別部で入金
可と識別された貨幣を収納するとともに1枚ずつ繰出す
ことができる複数の収納部と、これら複数の収納部から
繰出される貨幣を外部から取出し可能に保持する出金部
と、預かり貨幣を入金したのちに釣貨幣を出金する入金
優先モード、釣貨幣を出金したのちに預かり貨幣を入金
する出金優先モードを切換えるモード切換手段と、この
モード切換手段により入金優先モードが指定されたとき
は前記入金識別部で入金可と識別された入金貨幣の金額
と前記必要入金額決定手段により決定された必要入金額
とを比較して釣貨幣を算出し前記収納部から必要な釣貨
幣を出金させ、出金優先モードが指定されたときは前記
預かり金額入力手段により入力された金額と前記必要入
金額決定手段により決定された必要入金額とを比較して
釣貨幣を算出し、前記収納部から必要な釣貨幣を出金さ
せる制御部とを具備せしめたことにある。
【0012】またオペレータの種別を判別するオペレー
タ判別手段を設け、前記モード切換手段が前記オペレー
タ判別手段により判別されたオペレータの種別によって
前記入金優先モードと出金優先モードとを切換えるよう
にする態様、前記入金優先モードの時間帯と出金優先モ
ードの時間帯とを予め設定して記憶する時間帯設定手段
を有し、前記モード切換手段が前記時間帯設定手段によ
り設定された時間帯によって入金優先モードと出金優先
モードとを切換えるようにする態様をとることができ、
さらには入金された貨幣の金額に対し入金承認指示また
は返却指示を行う承認手段を設け、前記制御部は、前記
モード切換手段により入金優先モードが指定されたとき
は前記入金識別部で入金可と識別された入金貨幣を前記
複数の収納部の一つに一時保留し、前記承認手段により
入金承認指示が行われたとき他の複数の収納部へ金種別
に収納させ、出金優先モードが指定されたときは入金貨
幣を一時保留することなく直接複数の収納部へ金種別に
収納させる制御を行うようにする態様をとることができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態を参照して説明する。図1は本発明による貨幣入出
金処理システムを備えた貨幣入出金装置の一実施形態の
外観を示し、図2は紙幣入出金装置1および硬貨入出金
装置2の各貨幣の流れを模式的に示しており、これら入
出金装置1,2を装置本体3内に並列に組込んだ場合を
例示している。
【0014】装置本体3の紙幣入出金装置1側の前面上
部には、紙幣の入金口4、その下方位置に紙幣の出金口
5が設けられ、上記入金口4の周辺に入力用操作キー群
を備えた操作部6、表示部7等が配設され、硬貨入出金
装置2側の装置本体3の前面上部には、硬貨の入金口
8、その下方に釣銭硬貨またはリジェクト貨の出金口9
等がそれぞれ配設された形態とされており、これら入出
金装置1,2は金銭登録機10に接続されて入出金管理
される。
【0015】なお装置本体3の前面には前扉11が横開
き状に取付けられ、キー孔12にキーを挿入して開閉操
作されるようになっており、また上記金銭登録機10は
カードリーダ13を備え、オペレータのIDカードを通
して取扱責任を明確にするとともに後述するオペレータ
判別手段として機能するようになされている。
【0016】前記紙幣入出金装置1および硬貨入出金装
置2の概要を図2によって説明する。
【0017】紙幣入出金装置1は、前記紙幣入金口4に
投入された紙幣を入金繰込み部14により1枚ずつ繰込
み、繰込まれた紙幣は入金識別部15へ送られて入金紙
幣の金種、正損等が識別され、その識別結果(金種)と
繰込み順の順番とを対応させて制御部16の記憶部16
aに記憶される。
【0018】入金紙幣の一括一時保留時には、入金紙幣
をすべて一括一時保留部17へ収納し、入金に対し釣銭
を要するときは上から下に高額から低額の順に配設され
た金種別収納部18のいずれかから後述するモードにし
たがって出金部19へ出金し、一時保留紙幣を金種別収
納部18へ収納する。余剰の場合は回収カセット20へ
収納させる。また出金リジェクト紙幣は出金リジェクト
部21へ収納される。なお上記一括一時保留部17は、
使用量の多い金種の金種別収納部に使用することもでき
る。
【0019】上記釣銭紙幣の出金の流れは、入金搬送路
22の下流から出金搬送路23へ送られ、出金識別部2
4を通って出金部19へ送り込まれる。
【0020】なお前記一括一時保留部17に一括保留さ
れた紙幣を返却する場合は、一括一時保留部17と出金
部19とを直接繋ぐ返却搬送路25を通じて出金口5へ
返却するようになされている。
【0021】硬貨入出金装置2は、回転円盤方式等によ
る入金繰込み部26に投入された硬貨は入金識別部27
において金種、正損等が識別され、入金可と判断された
硬貨は硬貨を一列状に保留する硬貨通路からなる一括一
時保留部28に順番に並んだ状態で一時保留される。
【0022】収納する場合は、外径の小さい順に並ぶ金
種別収納部29(1円用、5円用、50円用、100円
用、10円用、500円用の順)へ搬送路30を通じて
金種別に収納され、余剰の場合は収納部29から出金し
て回収カセット31へ収納される。
【0023】出金の場合は、搬送路32を通じて出金部
(出金口9)へ出金される。また一括一時保留部28か
らの返却時には搬送路33を通じて出金部9へ投出さ
れ、入金時のリジェクト貨も搬送路33を通じて出金部
9へ投出される。34は硬貨入出金装置2の制御部、3
4aは記憶部を示す。
【0024】前記金銭登録機10は、図3にブロック図
として示すように、前記カードリーダ13の他に、テン
キー35をはじめ入金キー36、出金キー37、返却キ
ー38、承認キー39等の各種項目キー、およびモード
切換スイッチ40、時間帯設定キー41を有する操作部
42と、金額や設定状態を表示する表示部43と、前記
操作部42で入力された操作に基づいて販売額や振込額
等の必要入金額を登録するとともに紙幣入出金装置1お
よび硬貨入出金装置2の制御部16,34に対して入金
指令、釣銭の出金指令、収納指令、返却指令等の各種の
指令を出す制御部44とを有している。
【0025】上記制御部44の制御内容としては、操作
部42のモード切換スイッチ40により「入金優先モー
ド」が指定された場合には入金識別部15,27で入金
可能と判定された入金貨幣の金額と販売額や振込額等の
必要入金額とを比較して釣貨幣を算出し、前記収納部1
8,29から必要な釣貨幣を出金させ、「出金優先モー
ド」が指定された場合には前記テンキー35および入金
キー36により入力された預かり金額と前記必要入金額
とを比較して釣貨幣を算出し、前記収納部18,29か
ら釣貨幣を出金させるよう制御する。
【0026】上記モードの切換手段としては、前記のモ
ード切換スイッチ40を操作することにより「入金優先
モード」か「出金優先モード」に切換える手段(図4
(A))、オペレータを判別(オペレータ個有のIDカ
ードのカードリーダ13による読取り、あるいはオペレ
ータ個有の暗照番号の入力操作等)による切換え(図4
(B))、前記時間帯設定キー41の操作による切換え
(図4(C))の方式がある。
【0027】「入金優先モード」が指定された場合の制
御内容は、図5にそのフローを示すように、まず必要入
金額が決定されたか否かが判断され(S1 )、決定され
ていなければその状態で待機し、決定されれば入金口
4,8に貨幣が投入されたか否かが判断される
(S2 )。未だ投入されていなければ貨幣の投入を促
し、投入されていれば入金繰込み部14,25により貨
幣の繰込み(S3 )が行われ、繰込まれた貨幣の識別
(S4 )、入金貨幣の一括一時保留部17,28への保
留(S5 )が行われる。
【0028】次いで上記識別されて取込まれた入金額と
前記必要入金額とが比較され(S6)、その比較の結果
入金額が不足しているときは金額不足を表示し
(S7 )、入金額が必要入金額を満しているときはその
入金額を表示して承認を促す(S8 )。
【0029】次いで入金承認がなされたか否かの判断が
なされ(S9 )、不承認のときは一時保留していた貨幣
を出金口5,9へ返却し(S10)、承認されたときは入
金額と必要入金額とを比較して釣銭の要否を判断し(S
11)、釣銭を要するときはその釣銭を収納部18,29
から出金し(S12)、次いで前記ステップS5で一時保
留した貨幣を金種別に収納部18,29へ収納(S13
して1回の取引が終了する。
【0030】「出金優先モード」が指定された場合の制
御内容は、図6にそのフローを示すように、先ず必要入
金額が決定されたか否かが判断され(S15)、決定され
ていなければその状態で待機し、決定されれば入金額の
キー入力がなされたか否かが判断される。(S16)。
【0031】入金額がキー入力されていなければキー入
力を促し、キー入力がなされていればその入金額と必要
入金額とが比較され(S17)、入金額が不足の場合は入
金額をクリアし(S18)、金額不足を表示する
(S19)。
【0032】キー入力された入金額が必要入金額を上廻
っているか否かが判断され(S20)、入金額が必要入金
額を上廻っているときはその差額(釣銭)を算出し、釣
銭として出金する(S21)。
【0033】次いで入金口4,8に貨幣が投入されたか
否かが判断され(S22)、投入されていないときはその
投入を促し、投入されていたときは入金繰込み部14,
26により貨幣の繰込みが行われる(S23)。繰込まれ
た貨幣は識別部15,27により識別され(S24)、そ
の識別結果に基づいて金種別に収納部18,29に収納
(S25)されて1回の取引が終了する。
【0034】上記「入金優先モード」と「出金優先モー
ド」の選択は貨幣入出金装置を導入する場所に応じて決
定されるが、例えば高額な貨幣で取引が行われるJRの
緑の窓口などでは入金優先モードが適し、スパーマーケ
ットのレジなどでは顧客を早くさばくことが必要である
ことから出金優先モードが適している。このほかカード
リーダ13のようにオペレータの判別手段を備える場合
は、装置を取扱う人が装置の管理者でない人(例えばア
ルバイト)では入金優先モードとなるようにして現金を
先に取込むようにし、不正やトラブルを防止するように
なされている。
【0035】また時間帯設定キー41を備える場合は、
指定した時間帯のみ入金優先または出金優先モードとし
て使用することができ、顧客が混み合う時間帯は出金優
先モードとし、すいている時間帯は入金優先モードとし
て両モードを使い分けるようにすることができる。入金
優先モードは処理時間はかかっても厳正な現金管理がで
きる。
【0036】図7は上記紙幣入出金装置1の具体的構成
例の縦断側面視の概要図を示すもので、前記紙幣入金口
4に続いて設けられてる繰込み部14は、紙幣を水平方
向に搬送するベルト46と、このベルト46の上面に転
接され紙幣を1枚ずつに分離する逆転ローラ47と、上
記搬送ベルト46の上面上の紙幣の浮き上がりを防ぐた
め先端がバネ48の付勢により奥側に向けて下降するよ
う枢支された押え板49等で構成され、上記搬送ベルト
46の駆動は専用のモータMにより行われる。
【0037】前記搬送ベルト46の後端に続いて入金紙
幣の金種、正損等を識別して入金の可否を判定する入金
識別部15を有する識別搬送路50が側面視コ字状を画
くようにベルト群により構成されており、この識別搬送
路50の末端は紙幣入出金装置1の前後方向中央位置ま
で延び、ここから垂直方向に配設された入金搬送路22
に続いている。
【0038】上記入金搬送路22の下端は装置本体3の
底部近くで折り返されて該搬送路22と平行して垂直方
向上方に延びる出金搬送路23に続いており、その折り
返し部の直後の出金搬送路23中に出金識別部24が設
けられている。この出金搬送路23の上方は前記繰込み
部14と入金識別部15との間の識別搬送路50の一部
を構成している。そしてこれら搬送系は専用のモータM
により駆動される。
【0039】前記紙幣入金口4の直下位置には紙幣出金
部19が、さらにその直下位置にはリジェクト箱21が
配設され、このリジェクト箱21の下方位置には紙幣の
回収カセット20が前記前扉11を開けて出し入れ可能
に設けられている。
【0040】上記出金部19は、前記出金口5の開口部
上縁のレベルと略一致する位置が下部走行面とされ前後
のプーリー間に張装されたベルト51と、このベルト5
1の直下位置にあって図示しないソレノイド等の駆動手
段により駆動される昇降機構52を介して水平姿勢のま
ま上下動する受板53とを有し、上記出金部19の入口
側には上記受板53上に送入される紙幣の後端をはたき
落として受板53上に良好に集積させるための羽根車5
4が設けられている。また上記受板53の前後位置に
は、周面の一部が受板53の上面から突出するようにロ
ーラ55,55が軸支されており、前記ベルト51の駆
動により紙幣がスムーズに出金口5へその一部が突出し
て取出し可能とされるようになっている。
【0041】前記リジェクト箱21は、上面が開放され
たトレイ状の収納カセットからなっており、装置本体3
の前扉11を開けることにより外部に引出せるようにな
っている。
【0042】上記リジェクト箱21の入口部には、前記
出金部19のベルト51の入口側端部位置から切換爪5
6の切換えによって該出金部19の紙幣を逆送して導く
ためのベルト57,58が設けられており、出金紙幣の
リジェクト時にその紙幣をリジェクト箱21内に収納す
ることができるように構成されている。上記出金部19
のベルト51、羽根車54等は専用のモータMにより
駆動される。
【0043】前記入金搬送路22に対し装置本体3の奥
側には、紙幣の収納および1枚ずつの繰出しができる一
括一時保留部17を最上位置とし、その下方に金額の大
きい順に金種別収納部60(万円紙幣用)、61(5千
円紙幣用)、62(千円紙幣用)が配設されており、上
記一括一時保留部17の紙幣の入出に共用される入出口
部63は前記出金部19の紙幣入口部64に前記入金搬
送路22および出金搬送路23を間にして互いに正対す
る位置とされている。
【0044】上記一括一時保留部17および各金種別収
納部60,61,62は同じ構成を有するので、その一
つ(一括一時保留部17)を代表して概略を説明する
と、筐体65内の略中央位置に正逆回転自在で周面に紙
幣が巻付けられる単一の回転ドラム66が軸支され、こ
の回転ドラム66の周縁に2種のテープ67,68が共
に巻付けられ、これらテープのうち一方のテープ67は
筐体65の入出口部63の内側上部に位置するプーリ6
9、中間プーリー70を経由して巻取軸71に巻付けら
れ、他方のテープ68は前記入出口部63の内側下部に
位置するプーリー72、中間プーリー73を経由して別
の巻取軸74に巻付けられている。そして各部は専用の
モータMにより正逆駆動される。
【0045】したがって紙幣を収納するときは、回転ド
ラム66が正転(図7において矢印方向に回転)して入
出口部63から送入される紙幣をテープ67,68間に
挟み込み、回転ドラム66の周面に順次巻付けて収納
し、紙幣を繰出すときは回転ドラム66が逆転駆動(矢
印とは反対方向に回転)してテープ67,68間に挟持
されていた紙幣をプーリー69,72間から入出口部6
3へ送出するようになっている。
【0046】前記入出口部63の直近の内、外位置には
紙幣の入出を検知するセンサS,Sが通路を挟んで配設
され、その下方位置の筐体65にはコネクタ75が設け
られており、機体3側のコネクタ76と接続されてい
る。
【0047】上記一括一時保留部17、金種別収納部6
0,61,62はいずれも専用のモータM,M,M
,M、センサS、およびこれらの制御部を備えた独
立したユニット構成とされており、したがって前記のコ
ネクタ75,76により接続することにより他のユニッ
トと自由に変換が可能とされている。また前述の入金繰
込み部14、紙幣出金部19、回収カセット20もユニ
ット化されており、前記と同様にコネクタ77,78,
79と機体3側のコネクタ80,81,82とにより接
続されている。
【0048】前記回収カセット20は収納専用とした場
合を示しており、上部一側に入口部83が開口され、そ
の内部には上下対をなすベルト84,85が設けられ、
上部のベルト84の内端のプーリー軸には周面が歯車状
の凹凸面とされたギザローラ86が設けられている。ま
たこのギザローラ86の下方位置にはドラム87の周面
接線方向に可撓性のある材料製の多数の羽根を有する羽
根車88が図7において時計方向に回転自在に設けら
れ、この羽根車88の羽根間に紙幣を受入れて反転さ
せ、下方へ放出して回収カセット20内に集積するよう
になっており、羽根間に紙幣を受入れた際に紙幣の後端
がカールしているような場合には前記ギザローラ86の
周面の凹凸によってその紙幣の後端を押し上げ、次位の
紙幣の先端を羽根間に確実に受取らせるようになってい
る。上記ベルト84,85、羽根車88等は専用のモー
タMにより駆動される。またこの回収カセット20は
収納専用であるが、繰出し機構を備えて収納・繰出しの
双方を行うようにしたものを用いるようにすることも可
能である。なお図7においてPは収納された紙幣を示
す。
【0049】前記一括一時保留部17、金種別収納部6
0,61,62の各入出口部63,63…および回収カ
セット20の入口部83には、入金搬送路22および出
金搬送路23に連通、非連通とする切換機構89がそれ
ぞれ設けられている。
【0050】上記切換機構89は上記各部において同じ
構成を有するので、入金搬送路22側の一つを図8に示
す拡大図により説明すると、入出口部63の外面側の上
下部に位置するプーリー90,91と、入金搬送路22
を構成するよう各収納部17,60,61,62にわた
って延びるベルト92に対設され前記プーリー90,9
1間の間隔より大きい間隔をおいて配設されたプーリー
93,94とに前記ベルト92に対置されるベルト9
5,96が巻回され、これらベルト95,96の前記プ
ーリー90,93および91,94間の走行部の間には
三角形状の空間部97が形成されており、プーリー9
0,91に近い位置のベルト95,96間には両ベルト
95,96に接する中間プーリー98が配設されてい
る。
【0051】上記中間プーリー98の軸99上には切換
爪100が設けられており、また前記プーリー93の直
下位置の前記空間部97内には別の切換爪101が軸1
02により支持して設けられている。
【0052】前記切換爪100は、バネ103による弱
い付勢によりその先端100aが図8の実線図示のよう
に紙幣送入路側に偏倚されており、紙幣送出路側は常時
開放状態を保つようになっている。したがって紙幣が送
入される場合はその紙幣自身が切換爪100の先端10
0aをバネ付勢に抗し押しのけて進入することになり、
出金時には矢印口のように通過することができる。
【0053】他方の切換爪101は、ソレノイド104
により切換動作されるもので、詳細は図示を省略してい
るが、紙幣の送入時にはソレノイド104が励磁されて
伝達機構105を通じ切換爪101の先端101aが図
8の鎖線図示のようにベルト95から離間して紙幣を送
入路側へ矢印イのように導き、解磁時には実線図示の位
置へ復帰して入金搬送路22を搬送される紙幣を直進さ
せるようになっている。図8において106,107は
ガイド部材を示す。なお上記切換機構89は図8の例に
限られるものではなく、要すれば紙幣の通路を切換え得
るものであれば他の構成によるものであってもよい。
【0054】前記出金部19と一括一時保留部17とが
向き合う位置の入金搬送路22と出金搬送路23との間
にはプーリー108が設けられ、このプーリー108の
下部位置に入金搬送路22と出金搬送路23とを連通さ
せることのできる切換爪109が軸により揺動可能に設
けられ、この切換爪109が入金搬送路22に交差した
とき入金搬送路22から出金部19の直前位置の出金搬
送路23へ直接通じる返却搬送路25が形成されるよう
になっている。この切換爪109の切換は図示しないソ
レノイド等により一括一時保留紙幣の一括返却指令およ
び入金時の入金リジェクト紙幣のリジェクト箱への収納
指令に基づいて行われる。その直上方の出金部19の入
口部64に対応する位置には切換爪111が設けられて
おり、出金時に切換って出金搬送路23と出金部19と
が連通される。
【0055】制御部16は、前記一括一時保留部17で
保留される紙幣の金種と順番とを記憶する記憶部16a
を有し、前記一括一時保留部17の紙幣を前記金種別収
納部60〜62へ収納するとき前記記憶部16aに記憶
された金種と順番とに応じて紙幣を対応する金種別収納
部へ収納させる制御を行う。
【0056】図7において△印は各部に設けられて紙幣
の通過を検知し、所定の信号を得るためのセンサを示
す。
【0057】次に図7の紙幣入出金装置1が「入金優先
モード」に設定された場合の作用を図9を参照しつつ説
明すると、紙幣の入金に際しては、入金口4に入金しよ
うとする紙幣を一括投入すると、入金繰込み部14のベ
ルト46、ローラ47がモータMにより、また搬送系
(識別搬送路50、入金搬送路22、出金搬送路23)
はモータMによりそれぞれ駆動され、入金繰込み部1
4に投入された紙幣はベルト46、ローラ47により1
枚ずつ繰込まれ、入金識別部15により金種が識別さ
れ、その識別結果(金種)と繰込み順の順番を対応させ
て記憶部16aに記憶される。
【0058】一方、一括一時保留時には、一括一時保留
部17の入出口部63の切換機構89の切換爪101が
ソレノイド104の作動により図8の鎖線図示位置へ切
換えられ、前記の繰込まれた紙幣は図8の矢印イの経路
を辿って入出口部63へ送り込まれ、モータMにより
正転駆動する回転ドラム66の周面にテープ67,68
に挟まれた状態で巻付けられて一括一時保留部17に収
納される(図9(A))。
【0059】上記入金に対し釣銭紙幣を要するときは、
釣銭紙幣を金種別収納部61,62から必要金額分出金
部19へ出金する。
【0060】上記釣銭出金の流れは、切換機構89の切
換爪100は常時開となっているので入金搬送路22の
下流から出金搬送路23へ送られ、出金識別部24を通
って出金部19へ送り込まれる。この出金部19へ入っ
た紙幣は受板53上へ堆積され、所定の金額に達したと
き昇降機構52により受板53が上昇し、紙幣の上面が
ベルト51の下面に圧接され、モータMによるベルト
51の正転回動により紙幣は出金口5へ掴める程度の長
さ突出した状態で停止し、釣銭出金の動作を完了する
(図9(B))。
【0061】そして、釣銭の出金が完了したのちに前記
一括一時保留部17に一括収納された紙幣の金種別収納
部60,61,62への分類収納が行われ、その流れ
は、その回転ドラム66、テープ67,68を逆転駆動
して1枚ずつ繰出し、その紙幣に該当する金種別収納部
60(1万円用)へ切換爪101の切換えによって図8
の矢印イのように送り込まれ、その内部の回転ドラム6
6に巻取って収納される。なお一括一時保留紙幣の枚数
が複数であるときは、その金種と収納順を記憶部16a
が記憶しており、その記憶に基づいて金種別収納部60
〜62へ分類して収納される(図9(C))。
【0062】上記一括一時保留部17に一括保留された
紙幣を返却する場合は、切換爪109が図7において反
時計方向に揺動し、返却搬送路25が開通して一括一時
保留部17から繰出される紙幣はこの返却搬送路25を
通って出金部19の紙幣入口部64の直近の出金搬送路
23へ送り込まれ、その入口部64の切換爪111の切
換わりにより出金搬送路23から出金部19内へ出金識
別部24を通ることなく直接送入され、前記釣紙幣出金
時と同様にして出金口5へ出金される。
【0063】上記一時保留紙幣の返却時には、一括一時
保留部17から最短コースを辿って出金部19へ戻すこ
とができ、この際に短時間で返却することができるとと
もに、搬送路が短くしかもジャムが発生しやすい識別部
を通らないので返却時にジャム等のトラブルの発生する
確率も低くなる。
【0064】次に図7の紙幣入出金装置1が「出金優先
モード」に設定された場合の作用を図10を参照しつつ
説明すると、出金優先モードの場合は入金優先モードの
場合と違って、紙幣の入金の前にまず釣銭紙幣の出金が
行われる。そのときの釣銭出金の流れは、入金優先モー
ドの場合の釣銭出金の流れと同様になる(図10
(A))。
【0065】その後、入金紙幣が入金口4に一括投入さ
れると、入金優先モードの場合の繰込みと同様に繰込ま
れ、入金識別部15により金種が識別され、その識別結
果に基づいて該当する金種別収納部60,61,62へ
分類収納される(図10(B))。
【0066】なお、「出金優先モード」の場合は上述の
ように入金紙幣を一時保留することなく直接金種別収納
部60,61,62へ分類収納するので、一括一時保留
部が不要になるためその一括一時保留部を金種別収納部
60,61,62の中で満杯になった金種の収納部とし
て使用するようにしてもよいし、あるいは予め使用量の
多い金種の第二の収納部として設定しておくようにして
もよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、貨
幣入出金装置において入金貨幣を識別してその貨幣を取
込んでから釣銭を出金する入金優先モードと、入金額を
入力した段階で釣銭を出金する出金優先モードとを備え
るので、貨幣入出金装置の導入場所に最も適する処理モ
ードを使用することができ、顧客に対し無用な持ち時間
を与えることがなく、スピーディに処理することができ
るとともに安全な処理を図ることができる。また入金優
先処理用、出金優先処理用の2種類の貨幣入出金装置お
よび金銭登録機を用意する必要がないので、製造販売の
効率を著しく高めることができるとともに、途中で仕様
の変更の要求があっても即刻対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す外観図。
【図2】図1の内部を模式的に示す構成図。
【図3】図1の金銭登録機の制御系を示すブロック図。
【図4】(A)〜(C)は請求項1〜3に対応するモー
ド切換手段例におけるフローチャート。
【図5】入金優先モード時のフローチャート
【図6】出金優先モード時のフローチャート。
【図7】図1における紙幣入出金装置の一実施形態を示
す略示縦断側面図。
【図8】図7における切換機構の拡大図。
【図9】(A)〜(C)は図7の入金時の入金優先モー
ド時の紙幣の流れを示し、(A)は入金時、(B)は釣
銭出金時、(C)は分類収納時の紙幣の流れを示す説明
図。
【図10】(A),(B)は同、出金優先モード時の紙
幣の流れを示し、(A)は釣銭出金時、(B)は分類収
納時の紙幣の流れを示す説明図。
【符号の説明】
1 紙幣入出金装置 2 硬貨入出金装置 3 装置本体 4 紙幣入金口 5 紙幣出金口 8 硬貨入金口 9 硬貨出金口 10 金銭登録機 22 入金搬送路 23 出金搬送路 25 返却搬送路 60〜62 金種別収納部 89 切換機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小 林 敬 司 兵庫県姫路市下手野一丁目3番1号 グロ ーリー工業株式会社内 (72)発明者 沼 木 真 志 大阪府大阪市北区西天満4丁目8番17号 グローリー商事株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】貨幣の入出金処理を行う貨幣入出金装置
    と、金銭の登録および前記貨幣入出金装置に対し貨幣の
    入出金処理を行わせる金銭登録機とを具有する貨幣入出
    金処理システムにおいて、販売額、振込額等の必要入金
    額を決定する必要入金額決定手段と、顧客から預かった
    貨幣の金額を入力する預かり金額入力手段と、入金貨幣
    を受入れて1枚ずつ繰込む入金繰込み部と、この入金繰
    込み部から繰込まれた貨幣を識別する入金識別部と、こ
    の入金識別部で入金可と識別された貨幣を収納するとと
    もに1枚ずつ繰出すことができる複数の収納部と、これ
    ら複数の収納部から繰出される貨幣を外部から取出し可
    能に保持する出金部と、預かり貨幣を入金したのちに釣
    貨幣を出金する入金優先モード、釣貨幣を出金したのち
    に預かり貨幣を入金する出金優先モードを切換えるモー
    ド切換手段と、このモード切換手段により入金優先モー
    ドが指定されたときは前記入金識別部で入金可と識別さ
    れた入金貨幣の金額と前記必要入金額決定手段により決
    定された必要入金額とを比較して釣貨幣を算出し前記収
    納部から必要な釣貨幣を出金させ、出金優先モードが指
    定されたときは前記預かり金額入力手段により入力され
    た金額と前記必要入金額決定手段により決定された必要
    入金額とを比較して釣貨幣を算出し、前記収納部から必
    要な釣貨幣を出金させる制御部とを具備することを特徴
    とする貨幣入出金処理システム。
  2. 【請求項2】オペレータの種別を判別するオペレータ判
    別手段を有し、前記モード切換手段が前記オペレータ判
    別手段により判別されたオペレータの種別によって前記
    入金優先モードと出金優先モードとを切換えるようにな
    されている請求項1記載の貨幣入出金処理システム。
  3. 【請求項3】前記入金優先モードの時間帯と出金優先モ
    ードの時間帯とを予め設定して記憶する時間帯設定手段
    を有し、前記モード切換手段が前記時間帯設定手段によ
    り設定された時間帯によって入金優先モードと出金優先
    モードとを切換えるようになされている請求項1記載の
    貨幣入出金処理システム。
  4. 【請求項4】入金された貨幣の金額に対し入金承認指示
    または返却指示を行う承認手段を有し、前記制御部は、
    前記モード切換手段により入金優先モードが指定された
    ときは前記入金識別部で入金可と識別された入金貨幣を
    前記複数の収納部の一つに一時保留し、前記承認手段に
    より入金承認指示が行われたとき他の複数の収納部へ金
    種別に収納させ、出金優先モードが指定されたときは入
    金貨幣を一時保留することなく直接複数の収納部へ金種
    別に収納させる制御を行うようにされている請求項1〜
    3のいずれか1項記載の貨幣入出金処理システム。
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