JPH1030067A - 表面処理されたカーボンブラックの製造方法、並びにゴム組成物 - Google Patents
表面処理されたカーボンブラックの製造方法、並びにゴム組成物Info
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- JPH1030067A JPH1030067A JP9698697A JP9698697A JPH1030067A JP H1030067 A JPH1030067 A JP H1030067A JP 9698697 A JP9698697 A JP 9698697A JP 9698697 A JP9698697 A JP 9698697A JP H1030067 A JPH1030067 A JP H1030067A
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Abstract
性)を有し、且つシリカの難分散性、難加工性をカーボ
ンブラック並に改良した補強粒子、およびこれを配合し
てなるゴム組成物を提供すべく、カーボンブラック表面
にシリカを添着する方法を得る。 【解決手段】 200℃より高い温度で、全ての有機基
が酸素を介して珪素に結合しているシラン及び/又はポ
リシロキサンをカーボンブラックに接触させることを特
徴とする表面処理されたカーボンブラックの製造方法。
Description
ーボンブラック、詳しくはシラノール基を表面に存在さ
せたカーボンブラックの製造方法、及びこのカーボンブ
ラックを配合したゴム組成物に関する。得られるゴム組
成物はタイヤトレッドやベルトなどの製造に好適に使用
される。
返し変形を受けた際の発熱性の指標にtanδがある。
例えばタイヤトレッドの転がり抵抗を減少させ低燃費に
するには50〜70℃のtanδを小さくすれば良いことが
知られている。一方、濡れた路面での制動特性などは0
℃付近のtanδが大きい方が良好となる。このtan
δの温度依存性を改良する、即ち50〜70℃のtanδを
小さく、かつ0℃付近のtanδを大きくする方法とし
て、充填剤としてシリカ、或いはシリカとシランカップ
リング剤を配合することが試みられている。例えば特開
平3−252433号公報には溶液重合法SBRにシリ
カとシランカップリング剤を配合することが記載されて
いる。また特開平7−165991号公報にはシランカ
ップリング剤として特にシリカとゴムに反応することが
できる2官能性のものが優れていると記載されている。
子、例えばシリカ粒子は、ビス(3−トリエトキシシリ
ルプロピル)−テトラスルファンなどのシランカップリ
ング剤と共にジエン系ゴムに練り込み、加硫した際に、
カップリング剤を介して粒子とゴムが化学的に結合する
ことが知られており、これにより粒子配合加硫ゴム組成
物の60℃付近のtanδが低くなり、また耐摩耗性が
向上するなどの物性の向上がみられるものと考えられ
る。
を充填剤として配合した場合、tanδの温度依存性を
改良することはできるが、シリカ充填剤は自己凝集力が
強いためゴム中へ分散しづらく、加工性が劣るといった
問題がある。また高価なシランカップリング剤をシリカ
に対し通常5〜15%も添加する必要があるためコンパ
ウンドコストが上がるという問題もある。
配合することなく上記のような硫黄原子を有するシラン
カップリング剤を配合すると、粒子配合ゴム組成物の6
0℃付近のtanδがかなり低減されるケースがある。
しかし低温域(−10〜0℃)、低歪下(0.1〜1
%)での複素弾性率(E*)や動的弾性率(E’)が高
いため制動特性が低下するといった欠点がある。
ラックをシリカ、或はシランで表面処理することが提案
されている。例えば特開昭53−100190号公報や
特開昭61−291659号公報には、溶剤もしくは水
に溶解させたシリコンの有機化合物または有機金属化合
物をカーボンブラックに混合し乾燥させる方法が記載さ
れ、具体的にはシリコン化合物としてジメチルポリシロ
キサンやシリコンオイルが用いられている。また、特開
昭56−38357号公報には、環式アルキルポリシロ
キサン又はシリコン化合物で処理された表面を有する表
面疎水化したカーボンブラックが提案されている。特開
昭58−125249号公報には溶剤に溶解させたシラ
ンカップリング剤を表面に被覆したカーボンブラックが
記載されている。特開昭63−63755号公報にはカ
ーボンブラックを水中に分散させ、珪酸ナトリウムを硫
酸で中和させることにより、カーボンブラック表面に無
定形シリカを沈積させる方法が提案されている。しかし
これらの方法はいずれも溶剤の除去や回収、或は中和操
作などプロセス面、経済面から工業化に適していると言
い難い。また特開平4−233976号公報には特定の
有機ケイ素化合物(具体的には特定構造の硫黄含有シラ
ンカップリング剤)でカーボンブラックを化学的に変性
することが提案されている。しかしこの方法も抽出操作
や変性するための後処理などのプロセス的・経済的な問
題がある。しかも、これらカーボンブラックをシリカ、
シラン等の表面処理剤で処理する方法では、表面処理剤
が全てのカーボンブラック表面に十分に均一に付着しな
いことも予想される。
に鑑み、シリカ並の粘弾性特性(tanδの温度依存
性)を有し、且つシリカの難分散性、難加工性をカーボ
ンブラック並に改良した補強粒子、およびこれを配合し
てなるゴム組成物を提供すべく、カーボンブラック表面
にシリカを添着する方法について鋭意検討した。その結
果、特定の珪素含有化合物を用い特定方法でカーボンブ
ラックの表面処理を行うことにより、効率的かつ効果的
にシラノール基をカーボンブラック表面に存在させるこ
とができること、しかもこのようにして表面処理された
カーボンブラックを配合したゴム組成物は、優れた特性
を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
で、全ての有機基が酸素を介して珪素に結合しているシ
ラン及び/又はポリシロキサンをカーボンブラック表面
に接触させることを特徴とする表面処理されたカーボン
ブラック、及びこの表面処理されたカーボンブラックを
配合してなるゴム組成物に存する。かかる本発明によ
り、カーボンブラック表面にシラノール基を導入するこ
とができるので、シリカ粒子等シラノール基を有する粒
子の配合によって試みられていた、加硫ゴム組成物の6
0℃付近のtanδの低下等の物性の向上を、シリカ等
の粒子を配合することなく達成することができる。
で硫黄原子を有するシランカップリング剤を配合した場
合のような低温域(−10〜0℃)、低歪下(0.1〜
1%)での複素弾性率(E*)や動的弾性率(E’)が
高いため制動特性が低下するといった欠点も解消するこ
とが可能である。しかも本発明で得られる表面処理カー
ボンブラックによれば、シリカの欠点である難分散性、
難加工性及び低耐摩耗性が克服され、これらの特性をカ
ーボンブラック並に改良することが可能となる。従っ
て、本発明により、シリカとカーボンブラックの長所を
併せ持った補強粒子、即ちシリカ並の粘弾性特性(ta
nδの温度依存性)を有し、且つシリカの難分散性、難
加工性、低耐摩耗性をカーボンブラック並に改良した補
強粒子と、それを配合してなるゴム組成物を提供するこ
とが可能となる。
まず、本発明で表面処理に供される原料としてのカーボ
ンブラックは特に限定されないが、ゴムに配合する場合
にはゴム工業において用いることができるものとして公
知である種々のタイプ、例えばファーネスブラック(A
STM D 1765による分類)、チャンネルブラッ
ク、サーマルブラック、アセチレンブラック等が好適で
ある。これら原料カーボンブラックを製造するには、例
えばファーネスブラックの場合は高温ガス流中に高芳香
族重質油を導入し、この重質油の不完全燃焼又は熱分解
により得ることができる。本発明においては、カーボン
ブラックを特定珪素化合物と接触する。すなわち、全て
の有機基が酸素を介して珪素に結合しているシラン及び
/又はポリシロキサンと接触するのである。
に結合しているシラン及び/又はポリシロキサンとは、
SiにOを介して水素、アルキル基、ビニル基、フェニ
ル基又はその他の官能基が結合しているシラン、及び/
又は(Si−O)nを主鎖とし(主鎖は枝分かれした
り、環を形成していてもよい。)、SiにOを介して水
素、アルキル基、ビニル基、フェニル基又はその他の官
能基が結合しているポリシロキサンをいう。好ましく
は、SiにC1〜4のアルコキシ基が結合している、テ
トラアルコキシシラン及び/又はポリアルコキシポリシ
ロキサンが用いられる。後者は前者の低縮合物として容
易に得ることができる。後者として例えば、以下の一般
式(A)で表されるものが挙げられる。
Rは互いに相異なってもよいC1〜4のアルキル基であ
る。アルキル基が水素で置換されていてもよい。特にR
=CH3−のものとして、テトラメトキシシランの低縮
合物であるオリゴマーがあり、三菱化学(株)製「MK
CシリケートMS51」が、含有するモノマー(すなわ
ちテトラメトキシシラン)の量が1重量%以下と少な
く、このため品質安定性に優れ、しかもモノマーによる
毒性が少なく使用上安全であるので好ましい。本発明に
おいては、これら全ての有機基が酸素を介して珪素に結
合しているシラン及び/又はポリシロキサンをそのまま
用いることもできるが、これに水及び加水分解触媒等を
添加して、加水分解したり、加水分解したものを更に縮
合した加水分解縮合物を用いても良い。
メトキシシランのオリゴマーをアルコール中で加水分解
縮合した「MKCシリケートMS51SG1」(三菱化
学(株)製)が挙げられる。このものは、加水分解によ
りシラノール基が多数生成しており、好ましく用いられ
る。これらテトラアルコキシシラン及び/又はポリアル
コキシポリシロキサンは、多数のアルコキシ基を有する
ため、カーボンブラックへの付着、シラノール基の生成
に極めて優れ、得られる表面処理カーボンブラック及び
これを配合してなるゴム組成物の特性を大きく向上して
いることが考えられる。
素に結合しているシラン及び/又はポリシロキサンにシ
ランカップリング剤等他の有機成分を配合したものを、
カーボンブラックと接触させても構わない。この場合、
他の有機成分は、全ての有機基が酸素を介して珪素に結
合しているシラン及び/又はポリシロキサン100重量
部に対して50重量部以下、好ましくは20重量部以下
が望ましい。なお、これらの有機成分の特性を積極的に
発現させる場合には、0.5重量%以上とすればよい。
有機成分としては、各種シランカップリング剤の他、各
種樹脂成分等が挙げられ、必要に応じて適宜選択して、
上記シラン及び/又はポリシロキサンに配合すればよ
い。
ているシラン及び/又はポリシロキサンによるカーボン
ブラックの表面処理は、これらの化合物を、200℃よ
り高い温度でカーボンブラックと接触させることで行わ
れる。こうすることにより全ての有機基が酸素を介して
珪素に結合しているシラン及び/又はポリシロキサンの
気化が促進され、ほとんどがガス状でカーボンブラック
と接触するため、より均一な接触が可能となる。全ての
有機基が酸素を介して珪素に結合しているシラン及び/
又はポリシロキサンの使用量は特に限定されないが、カ
ーボンブラック100重量部に対し通常0.1〜60重
量部が用いられる。更に好ましくは0.2〜30重量部
である。この使用量が少なすぎるとtanδの温度依存
性の改良効果が少なく、逆に多すぎると混練中の分散加
工性が悪化し、またコスト高になる。
合しているシラン及び/又はポリシロキサンとカーボン
ブラックとの接触は、上述のように200℃より高い温
度でこれらが接触しうる態様であれば特に制限されず、
例えば一方を他方に添加することにより容易に接触させ
ることができる。特にカーボンブラックの生成反応炉内
でこれらを接触させるのが好ましい。即ちカーボンブラ
ックの製造工程においてカーボンブラックを反応炉で生
成させながらその反応炉内で全ての有機基が酸素を介し
て珪素に結合しているシラン及び/又はポリシロキサン
を添加することにより、均一に且つ簡便にシリカ源をカ
ーボンブラック表面に付着させることができる。全ての
有機基が酸素を介して珪素に結合しているシラン及び/
又はポリシロキサンの添加方法は、例えばカーボンブラ
ック生成反応の反応停止水及び/又は冷却水中に添加す
る方法がプロセス上、好ましい。さらに好ましくは、ノ
ニオン系界面活性剤等で反応停止水或は冷却水中に乳化
分散させ、添加する方法が用いられる。このように「水
或は水蒸気の存在下」で接触を行うことにより、その工
程で或は後の乾燥工程で、酸素を介して珪素に結合した
有機基の加水分解が促進されシラノール基が多数生成す
ることが考えられる。なお、カーボンブラックの生成反
応自体は、公知の反応炉を用い、公知技術により生成さ
せればよい。
たカーボンブラックは、特に限定されないが窒素比表面
積が20〜300m2/g、DBPが50〜250cc
/100gであることが好ましい。ゴムへの配合量は、
通常ゴム成分100重量部に対して10〜200重量
部、好ましくは20〜150重量部である。
は、特に制限されないが架橋可能なゴムであることが好
ましい。更に好ましくは硫黄加硫可能なジエン系ゴムで
ある。ゴムは単独でも、また2種以上をブレンドして用
いてもよい。
法により得られた表面処理されたカーボンブラックの他
に、通常のカーボンブラックやシリカを併用してもよ
い。しかしその配合量は上記表面処理カーボンブラック
の5倍を超えないことが望ましい。
プリング剤が配合されることが好ましい。シランカップ
リング剤としては従来用いられているものを任意に配合
できるが、特にシラノール基及びゴム系重合体と反応で
きる少なくとも2官能性のものが好ましい。具体的に
は、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)−テトラ
サルファイドやメルカプトプロピルトリエトキシシラン
などが挙げられる。これは本発明により生成したカーボ
ンブラック表面のシラノール基が、混練時にシランカッ
プリング剤のアルコキシ部分と反応及び結合し、サルフ
ァイド部分は加硫反応においてゴム系重合体と反応する
からである。この場合、本発明により得られた表面処理
カーボンブラックを用いることにより、シランカップリ
ング剤の配合量は通常のシリカ配合に比べ少なくて済
む。即ち、通常のシリカ配合は高価なシランカップリン
グ剤を、シリカ100重量部に対し普通、5〜15重量
部添加する必要があるためコンパウンドコストが上がる
という問題があるが、本発明に従えば、シランカップリ
ング剤の配合量は、本発明により得られる表面処理カー
ボンブラックに対し、シリカ添着量にもよるが1〜10
重量部で十分である。これはカーボンブラック表面に存
在するシラノール基のトータル量が通常のシリカ粒子表
面のシラノール基よりも少ないことに起因しており、反
応するのに十分なシランカップリング剤量でよいことを
意味している。よって本発明によるとシリカ系配合に比
べ、コンパウンドコストも安価となるというメリットも
ある。
クを配合したゴム組成物はタイヤトレッド、アンダート
レッド、サイドトレッド等のタイヤ用途や防振ゴムやベ
ルト等の一般ゴム部材に好適に提供される。以下、実施
例によって本発明を説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
える内径500mm、長さ1400mmの燃焼域と、該
燃焼域に連結され、周辺から原料ノズルを貫設した内径
100mm、長さ410mmの狭径部からなる原料導入
域と、クエンチ(反応停止水及び冷却水)装置を備えた
内径100mm、長さ6000mmの後部反応域とを順
次結合した構造のカーボンブラック炉を用いた。図1に
おいて、1は耐火物製炉、2は反応用空気導入ノズル、
3は燃料導入用ノズル、4は原料油導入用ノズル、5は
反応停止水導入用ノズル、6は冷却水導入用ノズル、7
はバーナー、10は温度計、Aは燃焼域、Bは反応域、
Cは反応停止域及び冷却域である。
てクレオソート油を使用し、表1に示す各条件でISA
Fクラスのカーボンブラックを生成させた。この際、全
ての有機基が酸素を介して珪素に結合しているシラン及
び/又はポリシロキサンとして、テトラメトキシシラン
の低縮合物であるオリゴマー(商品名:「MKCシリケ
ートMS51」三菱化学(株))の所定量(表1に記
載)をノニオン系界面活性剤(商品名:「エマルゲン9
20」花王(株))で乳化してなる乳化液を、300k
g/hrの反応停止水と共にノズル5より炉内に導入
し、炉内で生成してきたカーボンブラックに噴霧した。
この噴霧直前の炉内温度は約1600℃、噴霧直後の炉
内温度は850℃であった。
クを造粒後、乾燥させ、実施例1〜4のカーボンブラッ
クを得た。上記の乳化液を、ノズル5の代わりにノズル
6の冷却水(200kg/h)中に添加した以外は実施
例1〜5と同様な操作を行い、実施例5の表面処理カー
ボンブラックを得た。この場合の噴霧直前の炉内温度は
850℃、噴霧直後の炉内温度240℃であった。なお
実施例5においてはノズル5からも反応停止水300k
g/hを噴霧した。
結合しているシラン及び/又はポリシロキサンとして、
「MKCシリケートMS51」をエタノール中で、MS
51のアルコキシ基に対し0.57モル倍量の水を添加
して加水分解した加水分解縮合物(商品名:「MKCシ
リケートMS51SG1」三菱化学(株))を用いて実
施例1〜4と同様な操作を行い、実施例6の表面処理カ
ーボンブラックを得た。
わない以外は実施例1と同様な操作を行い、比較例1
の、シリカが添着されていない通常のカーボンブラック
を得た。また、比較例2はシリカ単味(商品名:「Ni
psil AQ」日本シリカ工業(株))、比較例3は
カーボンブラックとシリカ(Nipsil AQ)の機
械的混合物(ブレンド物)である。
量、及びコロイダル特性の測定 表面処理カーボンブラックをJIS K6221の灰分
測定法に準拠し750℃で灰化して灰分量を求めた。こ
の灰分量から、シリカが添着されていない比較例1のカ
ーボンブラック灰分量を差し引いた量をシリカ含有量と
みなした。結果はその他のコロイダル特性値と共に表1
に示した。なお、コロイダル特性値の測定法は以下の通
りである。
ンブラックの試験方法」 DBP吸油量 :JIS K6221「ゴム用カーボ
ンブラックの試験方法」
の調製、及びゴム物性の測定 表2に示す各成分を、常法に従ってバンバリーミキサー
及びオープンロールミキサーで混合混練してゴム組成物
を調製した。これらのゴム組成物を160℃でプレス加
硫し加硫ゴム試験片を作成した。以下の試験方法で各種
試験を行い、その物性を測定した。
あるE*、tanδは、(株)レオロジ製「DVEレオ
スペクトラー」を用い、次の条件で測定した。 E*:静的歪み10%、動的歪み(振幅)0.3%、周波
数20Hz、測定温度−10℃ tanδ:静的歪み10%、動的歪み(振幅)4%、周
波数20Hz、測定温度 0℃と60℃の2レベル
用い、次の条件で測定した。 試験片:厚さ10mm、外径44mm、試験荷重4k
g、砥石と試験片のスリップ率45%、測定温度25℃
%):カーボンブラックの分散度測定法ASTM D2
663−B法(凝集塊カウント法)に準拠した。即ち、
加硫ゴムをスレッジ型ミクロトーム(Leitz社製)
で薄膜にスライスし、光学顕微鏡で配合物中の5μm以
上の補強粒子(カーボンブラック、或はシリカ)凝集塊
の占める総断面積を測り、配合物に加えた補強粒子の総
断面積(計算値)から5μm以下に分散している補強粒
子のパーセントを求め、分散度(D%)とした。(1)
〜(3)の得られた結果を表3に示す。
酸素を介して珪素に結合しているシラン及び/又はポリ
シロキサンでカーボンブラックを表面処理することによ
り、理論量の28〜36%のSiO2がカーボンブラッ
クに添着されることがわかる。即ち表面処理カーボンブ
ラックの灰分量から表面処理していないカーボンブラッ
ク(比較例1)の灰分量を差し引いた「みなしSiO2
量」が、「MKCシリケートMS51」或は「MKCシ
リケートMS51SG1」から生じるSiO2分理論値
の28〜36%であり、比較的収率良く添着されている
ことを示している。
より表面処理を行ったカーボンブラック(実施例1〜
6)を配合したゴム組成物は、表面処理していない通常
のカーボンブラックを配合したゴム組成物(比較例1−
1)に比べ、低温域(0℃)でのtanδを高く保った
まま高温域(60℃)でのtanδのみが低減されてい
る。即ち、このゴム組成物をタイヤトレッド等に用いた
場合、濡れた路面での制動性等を犠牲にすることなく転
がり抵抗性のみが低減されたタイヤとなる。また耐摩耗
性も悪化していない。
ンカップリングを添加しないが、Si69を5重量部添
加した比較例1−2は低温域と高温域のtanδバラン
スはかなりシリカ系に近づき、改善されている。しかし
ながら、低温、低歪下の複素弾性率E*が高いため特に
低摩擦係数路面などでの制動特性が劣る。一方、実施例
はこのE*が低く、改良されていることがわかる。
比べてみると、実施例は低温域と高温域のtanδバラ
ンスは同等(シリカ並)であり、耐摩耗性及び補強粒子
分散性は優れている(通常のカーボンブラック並)。即
ち、実施例はシリカ並の粘弾性特性(低温域と高温域の
tanδバランスや低温、低歪下のE*特性)と、カー
ボンブラック並の耐摩耗性及び粒子分散性を有している
ことがわかる。
カをブレンドしたものである。粒子中のトータルシリカ
含有量がほぼ同一の実施例3と比較すれば明らかなよう
に、本発明の効果は単なるカーボンブラックとシリカの
ブレンドでは得られず、本発明の方法により表面処理さ
れたカーボンブラックを用いてのみ発現していることが
わかる。
ボンブラック表面にシラノール基を導入することができ
るので、シリカ粒子等シラノール基を有する粒子の配合
によって試みられていた、加硫ゴム組成物の60℃付近
のtanδの低下等の物性の向上を、シリカ等の粒子を
配合することなく達成することができる。また、シリカ
を添加していない系で硫黄原子を有するシランカップリ
ング剤を配合した場合のような、低温域(−10〜0
℃)、低歪下(0.1〜1%)での複素弾性率(E*)
や動的弾性率(E’)が高いため制動特性が低下すると
いった欠点も解消することが可能である。更に本発明の
表面処理カーボンブラックによれば、シリカの欠点であ
る難分散性、難加工性をカーボンブラック並に改良する
ことが可能となる。従って、本発明により、シリカとカ
ーボンブラックの長所を併せ持った補強粒子、即ちシリ
カ並の粘弾性特性(tanδの温度依存性)を有し、且
つシリカの難分散性、難加工性をカーボンブラック並に
改良した補強粒子と、それを配合してなるゴム組成物を
提供することが可能となる。
示す図
Claims (9)
- 【請求項1】200℃より高い温度で、全ての有機基が
酸素を介して珪素に結合しているシラン及び/又はポリ
シロキサンをカーボンブラックに接触させることを特徴
とする表面処理されたカーボンブラックの製造方法。 - 【請求項2】カーボンブラックの製造工程において、カ
ーボンブラックを反応炉で生成させながらその反応炉内
に、全ての有機基が酸素を介して珪素に結合しているシ
ラン及び/又はポリシロキサンを添加する請求項1記載
の表面処理されたカーボンブラックの製造方法。 - 【請求項3】全ての有機基が酸素を介して珪素に結合し
ているシラン及び/又はポリシロキサンの添加が、カー
ボンブラック生成反応の反応停止水及び/又は冷却水中
に混合或は乳化分散されて行われる請求項2記載の表面
処理されたカーボンブラックの製造方法。 - 【請求項4】全ての有機基が酸素を介して珪素に結合し
ているシラン及び/又はポリシロキサンの珪素に結合し
ている基がアルコキシ基である請求項1〜3のいずれか
に記載の表面処理されたカーボンブラックの製造方法。 - 【請求項5】アルコキシ基がメトキシ基である請求項4
記載の表面処理されたカーボンブラックの製造方法。 - 【請求項6】全ての有機基が酸素を介して珪素に結合し
ているシラン及び/又はポリシロキサンが、テトラアル
コキシシランの縮合物である請求項1〜5のいずれかに
記載の表面処理されたカーボンブラックの製造方法。 - 【請求項7】テトラアルコキシシランがテトラメトキシ
シランである請求項6に記載の表面処理されたカーボン
ブラックの製造方法。 - 【請求項8】全ての有機基が酸素を介して珪素に結合し
ているシラン及び/又はポリシロキサンの使用量がカー
ボンブラック100重量部に対して0.1〜60重量部であ
る請求項1〜6のいずれかに記載の表面処理されたカー
ボンブラックの製造方法。 - 【請求項9】請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法
で得られたカーボンブラックをゴム成分に配合してなる
ゴム組成物。
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---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (3)
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JP10691996 | 1996-04-26 | ||
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1997
- 1997-04-15 JP JP09698697A patent/JP3551691B2/ja not_active Expired - Lifetime
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