JPH10300632A - 屈折率分布の測定方法及び装置 - Google Patents

屈折率分布の測定方法及び装置

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JPH10300632A
JPH10300632A JP12288297A JP12288297A JPH10300632A JP H10300632 A JPH10300632 A JP H10300632A JP 12288297 A JP12288297 A JP 12288297A JP 12288297 A JP12288297 A JP 12288297A JP H10300632 A JPH10300632 A JP H10300632A
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test
wave
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specimens
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JP12288297A
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Inventor
Hiroyuki Suhara
浩之 須原
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被検物1個当たりの測定時間を短縮でき、ま
た、試液の屈折率がおよその値しか分からない場合で
も、未知の被検物の絶対値を測定したり、良否判定を行
うことができる屈折率分布の測定方法と装置を提供す
る。 【解決手段】 被検物A1,A2,A3,A4,A5は
試液Bが充填されたセル21内に置かれる。光源1から
の可干渉光を基準となる参照波aと、複数の被検物を透
過する被検波bとに分割し、複数の被検物を光軸と垂直
な軸Oを中心として回転させつつ参照波と被検波を重畳
して干渉縞を形成し、干渉縞を解析する。これによって
複数の被検物の屈折率分布を一度に測定できる。また、
1つの被検物A1をガラスレンズ等の屈折率が既知の基
準のものとすれば、試液の屈折率が正確には分からなく
ても、ガラスレンズの屈折率から各被検物の屈折率分布
を絶対値で求めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、干渉縞の解析によ
り被検物の屈折率分布を3次元的に測定する技術に関
し、特に、被検物を屈折率がほぼ等しい試液内に浸して
測定する測定方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザプリンタやカメラなどの光
学機器に使用される光学レンズの材料として、プラスチ
ックを用いることが多くなっている。プラスチック成形
レンズはガラス研磨レンズに比較して、コスト低減や非
球面レンズの製作性に優れ、安価であるというメリット
がある。
【0003】しかし、その反面、ガラスレンズに比べ製
造上、屈折率分布が不安定でレンズの内部に不均一性を
生じることがある。レンズ内部に不均一性があると、光
学特性に大きな影響を及ぼし、画質の劣化やボケといっ
た原因につながる。したがって、レンズ内部の屈折率分
布を高精度に測定し、光学レンズの均質性を評価する必
要がある。
【0004】そこで、本発明の出願人は、先願の特願平
6−203502号において、被検物を試液中に浸した
状態で光軸と直交する軸を中心に回転させ、複数の回転
角位置の各々で干渉縞の解析を行い、これらの干渉縞か
ら透過波面量を算出し、これを一次フーリエ変換し、さ
らに、二次元逆フーリエ変換を行って屈折率の分布を求
める方法を提案した。
【0005】図6を用いて具体的に説明する。同図の装
置は、マハツェンダ型の干渉計を基本構成としており、
可干渉光としてのレーザ光を射出する光源1と、ビーム
エキスパンダ3と、光束分割用のビームスプリッタ5
と、2つの反射ミラー7、9と、光束重畳用のビームス
プリッタ11と、結像レンズ13と、CCDなどからな
る干渉縞検出器15と、高速画像処理装置、マイクロコ
ンピュータなどからなる演算処理装置17とを備えてい
る。以上の構成のうち、光源1から結像レンズ13まで
で、干渉計IAを構成している。
【0006】光源1より出射するレーザ光は、ビームエ
キスパンダ3によって光束径を拡大され、ビームスプリ
ッタ5によって直角に屈折して参照波aとなるレーザ光
束と、直進するもう一つのレーザ光束bとに分割され
る。後者のレーザ光束bは反射ミラー9で直角に屈折さ
せられ被検物Aとしての位相物体を透過し、被検波bと
なる。
【0007】前者の参照波aは、反射ミラー7に入射す
るが、この反射ミラー7は、ピエゾ素子などによる電気
−変位変換素子19により支持され、位相シフト法によ
る干渉縞解析を行うために、参照波aの光路長を波長の
オーダで変更できるように配置されている。
【0008】参照波aは反射ミラー7で反射された後、
ビームスプリッタ11に達し、他方の被検波bは、被検
物Aを透過してからビームスプリッタ11に達し、ここ
で参照波aと被検波bとが重なり合うが、電気−変位変
換素子19により参照波aと被検波bとの光路長には、
nπ/2の位相の差ができるように調整される。
【0009】重畳された参照波aと被検波bは、ビーム
スプリッタ11から2つに分けて射出され、一方は結像
レンズ13に入射し、干渉縞検出器15の撮像面に干渉
縞を結像する。干渉縞検出器15にはリニアCCDやア
レイ状のセンサを用いている。ビームスプリッタ11か
ら射出された他方の光束は、結像レンズ12を介してモ
ニター14に入射し、ここでモニター用の干渉縞像を結
像する。
【0010】被検物Aの屈折率は空気の屈折率とはかな
り相違しており、被検物の入射面と射出面とが平行でな
い限り、被検物Aを透過した被検波bは、不規則に収束
・発散する。一方、干渉計で干渉縞を結像させるには、
被検波bは、ほぼ平行な光束となっていなければならな
い。そこで、被検物Aがどのような形状であっても、被
検物Aを透過した被検波bがほぼ平行光束になるため
に、次のような構成としている。
【0011】すなわち、被検物Aは、被検波bの光路の
途中に設けられた容器状のセル21内に設置される。セ
ル21内には、その屈折率が被検物Aの屈折率とほぼ同
一に調合された試液Bを満たしてある。そして、被検物
Aは、回転台23上に載置され、回転台23は、図示し
ないサーボモータなどにより、被検波bに対して直交す
る軸Oを中心に任意の角度だけ回転自在である。セル2
1の両端、すなわち、被検波bの入射窓25と射出窓2
7は互いに平行で、かつ、それぞれに面精度が高いオプ
チカルフラット28,29を取り付けて液密にシールド
している。したがって、被検物Aと試液Bで充填された
セル21は、全体として均一な屈折率の物体となり、か
つ、入射面と射出面とが平行なので、セル21内を透過
した被検波bは、ほぼ平行な光束となって射出されるよ
うになる。
【0012】干渉縞像は、干渉縞検出器15で検出さ
れ、光電変換されて電気的な画像信号となり、A/D変
換器20によってA/D変換された後、演算装置17に
入力される。なお、演算装置17は、位相シフト法など
による干渉縞像の解析によって透過波面の計測演算を行
う透過波面計測部18を含んでいる。
【0013】次に上述の構成よりなる測定装置を利用し
て被検物Aの屈折率を測定する方法を説明する。まず、
被検物Aを回転台23にセットしない状態で、干渉縞検
出器15が出力する干渉縞像の画像信号を演算処理装置
17に取り込んで演算処理装置内部の透過波面計測部1
8により干渉縞像の解析を行い、初期状態の透過波面の
計測をする。この計測結果に基づいて測定装置自身の定
常的な誤差成分を排除する初期処理を行う。
【0014】次に、回転台23に被検物Aをセットし、
回転台23がθ=0の位置(初期回転位置)で干渉縞検
出器15の撮像面に干渉縞を結像し、干渉縞検出器15
が出力する干渉縞像の画像信号を演算処理装置17に取
り込んで干渉縞像の解析を行う。
【0015】回転台23が初期回転位置にある透過波面
の計測では、干渉縞像の解析結果は被検物Aの厚み方向
(光軸方向)に積算されており、これだけでは屈折率の
不均一部分の空間的な位置を特定することができない。
【0016】そこで、回転台23を初期回転位置より、
軸Oを中心にして矢印に示すように、所定角度回転さ
せ、回転台23上の被検物Aを被検波bの光軸に対して
変化させる。このように被検物Aが回転変位しても干渉
縞像は干渉縞検出器15の撮像面に結像する。この状態
下にて干渉縞検出器15が出力する干渉縞像の画像信号
を演算処理装置17に取り込んで透過波面の計測をす
る。こうしてたとえば、1゜刻みで180゜(π)ある
いは360゜(2π)の方向から複数回に渡って干渉縞
を形成し、この透過波面を計測して、コンピュータ、す
なわち、演算処理装置17上で再合成する。この画像の
再構成は、公知のX線CT(Computed Tomography)解
析の手法を用いて行うことができる。
【0017】図6はCT法の原理を示すものである。角
度θから入射した被検波による透過波面のデータP
(x,θ)を変数xについて一次元フーリエ変換すれ
ば、求めるべき屈折率の分布Δn(x,y)の二次元フ
ーリエ変換の極座標表現におけるθ方向成分が得られ
る。
【0018】すなわち、0≦θ≦2π又は0≦θ≦πの
角度範囲にわたって透過波面を計測し、その透過波面デ
ータを一次元フーリエ変換し、フーリエ変換された各断
面の極座標データP(x,θ)を直交座標データに変換
し、その後二次元逆フーリエ変換し、さらに屈折率に変
換する、ことにより被検物Aの二次元屈折率分布を再構
成することができる。そして、多数の断面について同様
の測定を行えば、被検物Aの三次元屈折率分布を求める
ことができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の屈折
率測定方法によれば、全方位測定であるので測定に時間
がかかる。また、上記の屈折率測定方法では試液の屈折
率を基準とした相対屈折率で求められるが、試液の屈折
率がおよその値でしか分からない場合があり、そのよう
な場合でも、絶対屈折率を測定したい、または、被検物
の良否の判断をしたい。
【0020】本発明は、上記の事実から考えられたもの
で、被検物1個当たりの測定時間を短縮できる屈折率分
布の測定方法を提供することを目的としている。また、
さらに、試液の屈折率が、およその値しか分からない場
合でも、未知の被検物の絶対値を測定したり、良否判定
を行うことができる屈折率分布の測定方法とその装置を
提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の屈折率の測定方法は、同一光源からの可干
渉光を基準となる参照波と複数の被検物を透過する被検
波とに分割し、上記複数の被検物を相対位置を変化させ
ずに光軸と垂直な軸回りに回転させつつ参照波と被検波
を重畳して干渉縞を形成し、上記干渉縞を解析すること
により複数の被検物の屈折率分布を一度に測定すること
を特徴としている。
【0022】上記複数の被検物を屈折率が被検物とほぼ
等しい試液内に保持し、上記軸回りに回転させつつ干渉
縞を解析したり、上記複数の被検物のうち少なくとも1
つを屈折率が既知のガラスレンズとしたり、上記被検物
のうち少なくとも1つを屈折率の基準となるマスターレ
ンズとしたり、屈折率が既知のガラスレンズの屈折率と
上記試液の屈折率との相対屈折率を算出し、該相対屈折
率から他の被検物の絶対屈折率を求めたり、上記マスタ
ーレンズ以外の被検物が、設計値が同一で屈折率分布が
未知であり、上記マスターレンズの屈折率と比較又は差
分演算を行うことにより、マスターレンズ以外の被検物
の屈折率分布を求めたりすることができる。
【0023】本発明の屈折率分布の測定装置は、同一光
源からの可干渉光を基準となる参照波と被検物を透過す
る被検波とに分割し、参照波と被検波を重畳して干渉縞
を形成する干渉計と、上記被検物を複数個固定し、光軸
と直交する回転軸を中心に回動自在に保持する回転支持
部と、複数個の被検物が固定された該回転支持部を屈折
率が被検物とほぼ等しい試液内に保持するとともに相互
に平行な入射窓と射出窓とを有するセルと、を有するこ
とを特徴としている。上記干渉計がコモンパス型の干渉
計である構成とすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
実施例を詳細に説明する。図1は本発明の屈折率分布の
測定装置の要部を示す。本発明の測定装置は、図6で説
明した従来の屈折率測定装置とおなじ干渉計IAを使用
するもので、セル21内における被検物の配置構成のみ
が相違し、図1に示すような構成となっている。
【0025】すなわち、本発明のセル21は、その内部
に回転支持部22を有し、ここに、複数の被検物A1,
A2,A3,A4,A5を固定し、これらを回転軸Oを
中心として360°回転させても入射光の有効径から外
れないように位置決めしている。回転支持部22は、従
来のような回転台でもよく、また上方から下方に向かっ
て設けられた支持アーム状のものでもよい。
【0026】被検物の数は図の実施例では5個である
が、上記の回転支持部22を回転しても入射光の有効径
から外れなければ、幾つでも、また形状がどんなもので
も、また、配置がどのようでも構わない。というのは、
CT解析は形状や配置などには依存しないからである。
また、干渉計も、図6に示すマハツェンダ干渉計でも、
あるいはフィゾー型やシアリング型の干渉計でもよい。
ただし、各被検物は、試液Bとほぼ同じ屈折率でなけれ
ばならないから、実際には、設計値が同じで、屈折率分
布が未知のものを複数個配置することとなる。
【0027】上記の実施例において、回転支持部22に
5個の被検物を固定し、回転支持部22を、例えば、1
°間隔で180°又は360°回転し、各回転位置での
干渉縞像を干渉縞検出器15の撮像面に結像する。そし
て、干渉縞検出器15が出力する画像信号を演算処理装
置17に取り込んで透過波面の計測をする。こうして演
算処理装置17上で再合成すれば、5個(一般には、N
個)の被検物の屈折率分布を一度に得ることができ、被
検物1個当たりの測定時間を1/5(一般には、1/
N)に短縮することができる。
【0028】ところで、上記5個の被検物A1,A2,
A3,A4,A5の任意の点(x,y)の屈折率をni
(x,y)(i=1〜5)とすると、上記CT解析によ
る測定結果は、ある基準(試液の屈折率)からの差であ
る相対屈折率Δni(x,y)として算出される。そこ
で、上記5個の被検物のうち、たとえば、被検物A1に
屈折率nが既知のガラスレンズを用いると、ガラスレン
ズの部分では屈折率が一定と考えられるから、ガラスレ
ンズ内における相対屈折率Δni(x,y)=Δn(一
定)となる。そして、他の被検物の任意の点の座標
(x,y)における相対屈折率差Δni(x,y)から
Δni(x,y)−Δnを計算し、nを加えることによ
って上記の任意の点における絶対屈折率ni(x,y)
を算出することができる。
【0029】図2はこの解析手順を示すフローチャート
である。まず被検物A1,A2,A3,A4,A5をセ
ットする(S1)。このうち、A1は基準となるガラス
レンズでその屈折率nは既知である。そして複数の被検
物相互間の相対位置を変化させずに回転させ、各回転位
置における透過波面を測定する(S2)。そしてその結
果を演算処理装置17でCT解析し(S3)、任意の点
(x,y)における相対屈折率Δni(x,y)を求め
る(S4)。そして、ガラスレンズにおける相対屈折率
をΔnとし、この相対屈折率Δnとの差Δni(x,
y)−Δnを求める(S5)。そして、各被検物A2,
A3,A4,A5の屈折率ni(x,y)は、ni
(x,y)=Δni(x,y)−Δn+nより求めるこ
とができる。このとき、被検物A2,A3,A4,A5
のそれぞれに屈折率の分布があれば、Δni(x,y)
は任意の点における屈折率を表すから、屈折率の分布と
して求めることができる。このように、この実施例で
は、試液Bの屈折率を正確に測定できない場合であって
も、各被検物の屈折率分布を絶対値でしかも、正確に測
定できる。
【0030】被検物A1にマスターレンズを使用するこ
ともできる。ガラスレンズと異なる点は、マスターレン
ズはプラスチックレンズの良品を使用したものであり、
マスターレンズ自身も温度の変化により屈折率が変化す
ることである。また、マスターレンズ内部の屈折率も一
様ではない。そこで、マスターレンズの屈折率は、平均
の屈折率、あるいは、屈折率のばらつき(たとえば、最
大値と最小値で表わすことができる)等で把握されるこ
とになる。
【0031】ところで、上記のマスターレンズの温度と
は、この測定においては、試液Bの温度と同じであるか
ら、いずれの被検物も同じ温度となり、被検物A1、す
なわち、マスターレンズとの比較をすることによって他
の被検物A2,A3,A4,A5の良否の判定ができ
る。
【0032】図3のフローチャートによって、以下に説
明する。まず被検物A1,A2,A3,A4,A5をセ
ットする(S11)。このうち、A1は基準となるマス
ターレンズである。そして各被検物の相対位置を変化さ
せずに回転させ、各回転位置における透過波面を測定す
る(S12)。そしてその結果を演算処理装置17でC
T解析し(S13)、任意の点(x,y)における相対
屈折率Δni(x,y)を求める(S14)。そして、
マスターレンズとの差分をΔni(x,y)−Δn1
(x,y)として求める(S15)。Δn1(x,y)
の値としては、マスターレンズの平均値を用いる。そし
て、この値からPV値を求める(S16)。PV値とし
てはいくつかの求め方が考えられるが、ここでは、1つ
の被検物内における上記の差分(Δni(x,y)−Δ
n1(x,y))の最大値と最小値との差を求めること
によっている。そして求めたPV値(最大値と最小値と
の差)を予め設定しているスレッシュレベルと比較し
(S17)、スレッシュレベルより小さい被検物は、屈
折率分布のばらつきが小さいので良品(S18)、大き
い被検物はばらつきが大きいので不良品と判断する(S
19)。この良否判定方法は、屈折率の絶対値を求めな
くても判定可能な方法である。
【0033】なお、測定時の試液Bの温度を測定する等
により、試液Bの屈折率を正確に求められば、その値か
らマスターレンズの屈折率の平均値やばらつきを絶対値
で求めることができる。マスターレンズの屈折率が求ま
れば、上述したガラスレンズの場合とほぼ同じ手順で他
の被検物A2,A3,A4,A5の屈折率の分布を絶対
値で求めることができる。
【0034】図4は、干渉計にコモンパス型のシアリン
グ干渉計IBを用いた実施例を示す図である。コモンパ
ス型の干渉計とは、干渉させる2つの光束が同じ光路を
通るタイプの干渉計のことである。
【0035】光源1から射出されたレーザ光は、ビーム
エキスパンダ3によって光束径を拡大され、セル21と
その中にセットされた被検物を透過して2枚の平行平板
41,42に入射する。そして、表裏の平行平板の隣接
した2面、すなわち、表側の平行平板41の第2面(裏
面)と、裏側の平行平板42の第1面(表面)とで反射
される。2枚の平行平板41,42の上記各面における
反射率を適当に設定することにより、表側の平行平板4
1からの反射光束c(実線)と裏側の平行平板42から
の反射光束d(点線)とがほぼ1:1となるようにす
る。また、これら両反射光束c,dの間には、光軸と直
交する方向に微小なずれができ、これによって両光束を
重畳すると、シアリング干渉を生じる。
【0036】上記の微小なずれを調整するために、裏面
の平行平板42には、ピアゾ素子等の電気−変位変換素
子43が設けられ、平行平板42を波長λ以下の単位で
移動できるようにしている。
【0037】反射光束c,dは重畳されてビームスプリ
ッタ11に入射して2つの光束に分割される。そして、
一方は結像レンズ13を経て干渉縞検出器15へ、他方
は結像レンズ12を経てモニター14に達し、シアリン
グ干渉縞を結像する。
【0038】上記実施例において、干渉計IBでは、干
渉をする2つの光束c,dが、2枚の平行平板41,4
2のところでわずかに光路が相違するだけで殆ど同じ光
路を通過するので、振動に対して非常に安定したものと
なる。多数の製品を検査する場合等には、生産現場に近
い場所で測定する方が望ましいが、そのような場所は、
実験室に比べ、振動を受け易い場所にあることが多い。
しかし、上記のコモンパス型の干渉計を使用すれば、そ
のような場所でも安定した測定が可能となる。
【0039】なお、本発明の実施例のように、コモンパ
ス型の干渉計をシアリング干渉計とした場合は、マハツ
ェンダ干渉計で形成される干渉縞と比較して干渉縞の間
隔を広くとることができる。したがって、被検物と試液
との屈折率の差が大きい場合、マハツェンダ干渉計では
縞が多すぎて分解能を超え、測定が困難になるような場
合でも、シアリング干渉計を用いれば、容易に測定でき
ることになる。
【0040】図5は、マハツェンダ干渉計IAとシアリ
ング干渉計IBの双方を用いた実施例である。シアリン
グ干渉計IBは、コモンパス型を使用しており、振動に
強いものとなっている。このような構成とすると、マハ
ツェンダ干渉計IAでは、分解能の高い測定ができ、シ
アリング干渉計IBでは分解能は低下するが、広い範囲
の屈折率についての測定が可能となるので、いずれか一
方を選んで使用することができる。さらには、両方の干
渉計を使用し、両方のデータを活用することによって、
さらに、高精度の測定が可能になる。
【0041】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
複数の被検物を屈折率がほぼ同一の試液内に入れて回転
させつつ干渉縞像を形成し、形成された干渉縞像の透過
波面を測定して被検物の屈折率分布を測定するので、複
数の被検物について一斉に測定ができ、被検物1つあた
りの測定に要する時間を短縮することができる。
【0042】また、複数の被検物のうちの1つをガラス
レンズとすれば、他の被検物の屈折率分布を絶対値で測
定することができる。ガラスレンズの代わりにマスター
レンズを使用した場合でも、他の被検物の良不良を判断
したり、屈折率を絶対値で求めることができる。干渉計
に、コモンパス型の干渉計を用いると、振動のある場所
でも安定して測定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の屈折率分布を測定する装置の要部構成
を示す断面図である。
【図2】被検物の1つにガラスレンズを用いた場合、他
の被検物の屈折率を絶対値で求めるためのフローチャー
トである。
【図3】被検物の1つにマスターレンズを用いた場合、
他の被検物の良否を判断するためのフローチャートであ
る。
【図4】コモンパス型の干渉計を用いた測定装置の構成
を示す図である。
【図5】マハツェンダ干渉計とコモンパス型のシアリン
グ干渉計を使用した測定装置の構成を示す図である。
【図6】従来の屈折率分布を測定する装置の構成を示す
平面図である。
【図7】CT解析の原理を説明する図である。
【符号の説明】
A1,A2,A3,A4,A5 被検物 B 試液 a 参照波 b 被検波 1 光源 17 演算処理装置 21 セル 22 回転支持部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一光源からの可干渉光を基準となる参
    照波と複数の被検物を透過する被検波とに分割し、上記
    複数の被検物を相対位置を変化させずに光軸と垂直な軸
    回りに回転させつつ参照波と被検波を重畳して干渉縞を
    形成し、上記干渉縞を解析することにより複数の被検物
    の屈折率分布を一度に測定する屈折率分布の測定方法。
  2. 【請求項2】 上記複数の被検物を、屈折率が被検物と
    ほぼ等しい試液内に保持し、上記軸回りに回転させつつ
    干渉縞を解析することを特徴とする請求項1記載の屈折
    率分布の測定方法。
  3. 【請求項3】 上記複数の被検物のうち少なくとも1つ
    が屈折率が既知のガラスレンズであることを特徴とする
    請求項1又は2記載の屈折率分布の測定方法。
  4. 【請求項4】 上記被検物のうち少なくとも1つは屈折
    率の基準となるマスターレンズであることを特徴とする
    請求項1又は2記載の屈折率分布の測定方法。
  5. 【請求項5】 上記屈折率が既知のガラスレンズの屈折
    率と上記試液の屈折率との相対屈折率を算出し、該相対
    屈折率から他の被検物の絶対屈折率を求めることを特徴
    とする請求項3記載の屈折率分布の測定方法。
  6. 【請求項6】 上記マスターレンズ以外の被検物が、設
    計値が同一で屈折率分布が未知であり、上記マスターレ
    ンズの屈折率と比較又は差分演算を行うことにより、マ
    スターレンズ以外の被検物の屈折率分布を求めることを
    特徴とする請求項4記載の屈折率分布の測定方法。
  7. 【請求項7】 同一光源からの可干渉光を基準となる参
    照波と被検物を透過する被検波とに分割し、参照波と被
    検波を重畳して干渉縞を形成する干渉計と、上記被検物
    を複数個固定し、光軸と直交する回転軸を中心に回動自
    在に保持する回転支持部と、複数個の被検物が固定され
    た該回転支持部を屈折率が被検物とほぼ等しい試液内に
    保持するとともに相互に平行な入射窓と射出窓とを有す
    るセルと、を有することを特徴とする屈折率分布の測定
    装置。
  8. 【請求項8】 上記干渉計がコモンパス型の干渉計であ
    ることを特徴とする請求項7記載の屈折率分布の測定装
    置。
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