JPH10300294A - Hc冷媒を用いた冷凍サイクル装置 - Google Patents

Hc冷媒を用いた冷凍サイクル装置

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JPH10300294A
JPH10300294A JP11317897A JP11317897A JPH10300294A JP H10300294 A JPH10300294 A JP H10300294A JP 11317897 A JP11317897 A JP 11317897A JP 11317897 A JP11317897 A JP 11317897A JP H10300294 A JPH10300294 A JP H10300294A
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JP
Japan
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refrigerant
refrigeration cycle
hydrocarbon
sensor
solid electrolyte
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JP11317897A
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Yuji Yoshida
雄二 吉田
Noboru Taniguchi
昇 谷口
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】冷凍サイクル装置に用いるHC冷媒の漏洩を確
実に検知し、安全性を高めること。 【解決手段】HC冷媒の単一冷媒や混合冷媒を含み、圧
縮機24、凝縮器26、絞り装置27、蒸発器28等か
らなる蒸気圧縮冷凍サイクル装置であり、固体電解質型
センサ1により、炭化水素濃度の時間変化を検出してそ
の漏洩を検知し、それを用いて換気の段階制御等の安全
装置を駆動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクル装置
に用いるHC冷媒の漏洩を検知する炭化水素センサを用
いた冷凍サイクル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の圧縮機、凝縮器、絞り装置、蒸発
器等からなる空調機や冷蔵庫等の冷凍サイクル装置にお
ける作動媒体は、地球環境問題からオゾン層に対する有
害な影響があるとされる従来のCFC冷媒やHCFC冷
媒から、オゾン層に対する脅威がない代替冷媒とされる
HFC冷媒やHC冷媒に移行されつつある。
【0003】例えば空調機用の作動媒体は、HCFC冷
媒のR22(クロロジフルオロメタン、CHClF2、沸点−
40.8℃)から、HFC冷媒のR32(ジフルオロメ
タン、CH2F2、沸点−51.7℃)、R125(ペンタ
フルオロエタン、CF3-CHF2、沸点−48.1℃)、R1
34a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン、CF 3-
CH2F、沸点−26.1℃)等の混合冷媒や、HC冷媒の
R290(プロパン、CH3-CH2-CH3、沸点−42.1
℃)、R1270(プロピレン、CH3-CH=CH2、沸点−4
7.7℃)や、R170(エタン、CH3-CH3、沸点−8
8.8℃)との混合冷媒への移行が提案されている。さ
らには、HFC冷媒のR32と、HC冷媒のR290
(プロパン)、RC270(シクロプロパン、C3H6、沸
点−32.9℃)、R600a(イソブタン、i-C
4H10、沸点−11.6℃)、R600(ブタン、n-C4H
10、沸点−0.5℃)等との混合冷媒も提案されてい
る。
【0004】ここでHFC冷媒の欠点は、地球環境問題
のもう一つの課題である地球温暖化に対する影響が、従
来のHCFC冷媒のR22と同程度に近いことである。
一方のHC冷媒の欠点は、従来のHCFC冷媒のR22
にはなかった強い可燃性があることである。
【0005】冷凍サイクル装置にHC冷媒を用いる場合
には、冷凍サイクル装置からのHC冷媒の外部への漏洩
を検知して、強い可燃性に対する安全装置を具備した冷
凍サイクル装置も提案されている。
【0006】例えば、冷凍サイクル装置の外部に設けた
可燃性冷媒のリークセンサで漏洩を検出したときに、特
開平6−180166号公報や特開平8−166171
号公報では、可燃性冷媒を空調機の室外ユニットに回収
し、特開平8−178481号公報や特開平8−247
646号公報では、冷蔵庫の圧縮機の運転や電源を停止
する手段を開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、炭化水素で
あるHC冷媒の漏洩を外部で測定あるいは検知する方法
としては、一般には半導体型センサが用いられる。
【0008】TiO2、SnO2などの材料を用いた半導
体型センサは、金属酸化物半導体と白金線コイルからな
り、金属酸化物半導体表面での炭化水素ガスの吸着によ
る熱伝導変化および電気伝導度変化を白金線コイルの両
端より見た抵抗値変化として測定するものである。半導
体型センサは、COなど他の還元ガスにも反応し、選択
性を付加させるために、半導体材料に触媒活性な材料を
混合させているが、完全に選択し、かつ定量的に検知す
ることは困難である。
【0009】また、固体電解質を用いた起電力式も提案
されているが、電極中の触媒で燃焼させるため雰囲気中
に酸素が必要であり、酸素がない状態、あるいは酸素濃
度が変化する雰囲気中では正確に炭化水素濃度を検知す
ることはできない。また、濃度に対する出力が直線的で
ない半導体式や起電力式では設定基準値との比較によっ
て漏洩を検知しているため、基準値を高めに設定する
と、早期の漏洩を検知することができず、基準値を低め
に設定すると、誤動作の原因となる。
【0010】本発明は、HC冷媒の単一冷媒や混合冷媒
を用いた冷凍サイクル装置において、どのような雰囲気
中(酸素濃度の影響を受けない)でも、炭化水素を高感
度かつ選択的に検知でき、高信頼、小型、簡便、低コス
トな炭化水素センサを用いる冷凍サイクル装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0011】また冷凍サイクル装置にHC冷媒を含む混
合冷媒を用いる場合には、混合冷媒を構成するHC冷媒
と、もう一方のHC冷媒またはHFC冷媒の沸点が異な
るため、一旦漏洩が起こると冷凍サイクル装置内部の組
成変化が生じるため、このような組成変化を冷凍サイク
ル装置の内部で検出する方法も提案されている。
【0012】例えば、特開平6−265245号公報や
特開平8−100970号公報では、混合冷媒の誘電率
を検出する方法による混合冷媒の成分比を判定する方法
を開示している。しかしながら誘電率を検出する方法で
は、実際には誘電率は温度の影響を受け、各単一冷媒や
混合冷媒の気液状態の誘電率を計測することは困難なも
のである。また特開平6−265245号公報では、混
合冷媒を用いる熱交換器の温度勾配と圧力を検出する方
法による混合冷媒の成分比を判定する方法も開示してい
る。この混合冷媒を用いる熱交換器の温度勾配と圧力を
検出する方法では、冷凍サイクルが変動し、かつ熱交換
器の二相域部分のみの温度勾配を計測することは困難な
ものである。また特開平6−300396号公報では、
濃度センサを開示しているが、具体的な構成は開示して
いない。
【0013】本発明はこのような従来の冷凍サイクル装
置の課題を考慮し、感度良く、炭化水素の漏洩を検知す
ることで、可燃性に対する安全な冷凍サイクル装置を提
供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、HC冷媒を利
用し、少なくとも圧縮機、凝縮器、絞り装置、蒸発器を
有する蒸気圧縮冷凍サイクル装置において、固体電解質
型センサを備え、その固定電解質型センサを利用して炭
化水素濃度の時間的変化を検出することにより炭化水素
の漏洩を検知することを特徴とする冷凍サイクル装置で
ある。
【0015】また、上記固体電解質型センサにより検出
された炭化水素に基づき、安全装置を駆動させる冷凍サ
イクル装置である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明における実施の形態
を、図面を参照して説明する。
【0017】一般的に固体電解質と一対の電極とから構
成されるタイプの固体型炭化水素センサは、起電力式と
電流検出式とがある。起電力式は発生する電圧を読み取
るが、電流検出式は電解質に作動電圧を印加し、そのと
きの電流値により検出する。例えばプロパン等のHC分
子を検出する電流検出式では、HC成分の一部の水素を
水素イオンにする電気分解(電解)が必要となる。作動
電圧である電解電圧はHC成分によって異なり、作動電
圧を一定の電位で検知するものを特に定電位電解型と呼
ぶ。
【0018】高プロトン伝導性の固体電解質型の炭化水
素センサは、冷凍サイクル装置からのプロパン、プロピ
レン、エタンや、シクロプロパン、イソブタン、ブタン
等のHC冷媒の漏洩濃度の時間変化に対して、センサの
出力が直線的に変化する。このため、基準値を設定する
必要がなく、漏洩時間によって高まる濃度を早期に検知
することができ、誤動作の心配もない。
【0019】さらに固体電解質型センサによる炭化水素
濃度の時間変化を用いて換気の段階制御等の安全装置を
駆動させることで、万一の冷凍サイクル装置からのHC
冷媒の漏洩に対して、可燃性から安全性を確保すること
が可能となる。
【0020】(実施の形態1)本実施の形態は、他の材
料に比べ高いプロトン伝導性を示すバリウムセリウム系
酸化物を用いた固体電解質と、一対の電極とから構成さ
れる固体型炭化水素センサの例である。
【0021】図1に、本発明の構成要素の一つの実施の
形態例である電流検知式炭化水素センサ1の構造を示
す。本センサ1は、架台2に設置されたセンサ素子3と
網体4で構成される。センサ素子3は、バリウムセリウ
ム系酸化物の焼結体からなる固体電解質5と、作動電源
6に白金電極ピン7を介して接続されたアノード8、カ
ソード9と、封着材料であるセラミック基板11と、固
体電解質5とセラミック基板11の両方に接着されたガ
ラス12、121(ガラス121の方は孔があいてい
る)と、そのガラス121の部分に形成された炭化水素
の拡散律速層10とにより構成されている。このとき炭
化水素濃度は、作動電源6の回路に接続された限界電流
出力端子13に流れる、アノード8とカソード9間の電
流に比例するものとして検出される。
【0022】バリウムセリウム系酸化物の焼結体からな
る固体電解質5としては、バリウムセリウムガドリニウ
ム酸化物(BCG)が用いられる。拡散律速層10と
は、センサ素子3に流入(拡散)する炭化水素を制限
(律速させる)するための複数または一つの孔を形成し
た層で、このタイプのセンサに必須のものである。
【0023】セラミック基板11は、アルミナ系のセラ
ミックスで、BCG基板と熱膨張率を整合させたフォル
ステライトが用いられ、熱膨張率がBCGと近く、外部
からのガスの流入を防ぐものであればどのような材料の
ものでもよい。このセンサ素子3は、ヒーター電源14
に接続されたヒーター15によって加熱できるようにな
っている。ヒーター15は、イオン導電性を確保するた
め固体電解質5を加熱するものであり、HC成分の分解
にある程度の熱的な補助を与えるものである。
【0024】このような構成において、微少の炭化水素
は、配置されたセンサ素子3内に流入し、固体電解質5
とセラミック基板11の両方に接着されたガラス121
で形成された拡散律速層10を通り、アノード8で電解
により水素イオンのプロトンに解離し、プロトン伝導性
固体電解質5中を電導し、カソード9で水素として放出
される。このとき、炭化水素の濃度に依存するプロトン
移動量に応じて出力端子13に電流が流れることにな
る。素子外部からのガス拡散が律速または制限された状
態では、供給される水素と放出される水素が平衡に到達
する電流、すなわち限界電流が現れる。炭化水素の拡散
はほぼ濃度に比例するので、炭化水素濃度に応じた電流
が観察される。
【0025】従って、どのような雰囲気中(酸素濃度の
影響を受けない)でも、炭化水素を高感度かつ選択的に
検知でき、高信頼、小型、簡便、低コストな炭化水素セ
ンサを作製することが可能となるものである。本実施の
形態は、酸素は必要条件ではなく、酸素濃度の影響を受
けずに、どのような雰囲気中でも、炭化水素を検知する
ことが可能となるものである。
【0026】図2は、被検ガスに、窒素で希釈したプロ
パンを用い、プロパンのガス濃度を変化させたときの、
500℃におけるセンサ出力を示す。ガス濃度0〜1%
の範囲において、出力は濃度に対して直線的に変化す
る。被検ガスに、空気で希釈したプロパンを用いても、
出力は濃度に対して直線的に変化する。
【0027】この固体電解質型炭化水素センサは、炭化
水素の濃度変化を直接検知することが可能なので、冷凍
サイクル装置から漏洩するプロパン、エタン等のHC冷
媒を経時的に監視することが可能となる。このセンサを
用いた場合、基準値を設定する必要がなく、漏洩時間に
よって高まる濃度を早期に検知することができ、誤動作
の心配もない。
【0028】本実施の形態では、センサ素子の電解質材
料としてバリウムセリウム系酸化物の焼結体を用いた
が、カルシウムジルコニア系酸化物や、ストロンチウム
セリウム系酸化物を用いてももちろん良い。すなわち、
電解質、電極、拡散律速層の材料や形状、作製法などは
上記実施の形態に制限されるものではない。また、セン
サ素子に印加する電圧も制限されるものではなく、セン
サ作動温度も何度でも良い。さらに封着材料は、セラミ
ックスであっても、ガラスであっても良い。もちろん、
センサの形状、サイズおよび製法、作動方法も制限され
るものではない。
【0029】(実施の形態2)図3は、HC冷媒の単一
冷媒や混合冷媒を冷媒とする空調機用の冷凍サイクル装
置を示している。この冷凍サイクル装置は、室外に設置
された室外ユニット21と接続配管22と室内に設置さ
れた室内ユニット23で構成されている。また室外ユニ
ット21に配置された圧縮機24、四方弁25、凝縮器
または蒸発器として作用する室外熱交換器26、絞り装
置27、接続配管22、室内ユニット23に配置された
蒸発器または凝縮器として作用する室内熱交換器28
で、蒸気圧縮冷凍サイクルを構成している。さらに室外
ユニット21には熱交換用の室外ファン29、室内ユニ
ット23には熱交換用の室内ファン30が付設されてい
る。
【0030】本発明の実施の形態例では、室内ユニット
23の内部風路は、通常の室内への冷温風吹出口に設け
た吹出ダンパ31と緊急時の室外への換気を行う換気ダ
ンパ32によって切り換えられるように構成されてい
る。
【0031】さらに、室内ユニット23の内部に、上述
した炭化水素センサ1を配置している。
【0032】この室内ユニット23の内部に配置した炭
化水素センサ1により、冷凍サイクル装置からのHC冷
媒の漏洩を検知した際には、室内ユニット23の吹出ダ
ンパ31を閉止し、換気ダンパ32を開放することによ
って、室内への冷温風吹き出し風路側から室外への換気
風路側に切り換える。
【0033】また炭化水素センサ1による検知濃度に応
じて、室内ファン30のファン速度を段階制御すること
により、強い可燃性のあるHC冷媒を速やかに室外に排
出することが可能となる。
【0034】本実施の形態では、換気の段階等の安全装
置として、室内ユニットの内部風路中のダンパを切り換
えたが、室内ユニットに接続されたダクト(図示せず)
内のダンパを、室内への冷温風吹き出し風路側から室外
への換気風路側に切り換えてもよいことはもちろんのこ
とである。
【0035】次に、別の本発明を説明する。
【0036】高プロトン伝導性の固体電解質型の炭化水
素センサは、冷凍サイクル装置内部の混合冷媒中のプロ
パン、プロピレン、エタンや、シクロプロパン、イソブ
タン、ブタン等のHC冷媒の濃度に対して、センサの出
力が比例する。このため、冷凍サイクル装置内部の混合
冷媒の充填組成からの組成変化に反応して漏洩を検知す
ることが可能となり、基準値を設定する必要がなく、漏
洩時間によって変化する冷媒組成濃度を早期に検知する
ことができ、誤動作の心配もない。
【0037】また固体電解質型センサは、冷凍サイクル
内部の圧縮機と凝縮器の間の吐出配管中に配置したか
ら、高温高圧のガス状態である混合冷媒中の微少の炭化
水素の変化も直接センサ素子で検出できるため、応答性
良く、かつ、高精度に漏れ検知ができる。
【0038】さらに固体電解質型センサによる混合冷媒
中の炭化水素濃度の時間変化を用いて換気の段階制御等
の安全装置を駆動させため、万一の冷凍サイクル装置か
らのHC冷媒の漏洩に対して、強い可燃性から安全性を
確保することが可能となる。
【0039】(実施の形態4)本実施の形態は、他の材
料に比べ高いプロトン伝導性を示すバリウムセリウム系
酸化物を用いた固体電解質と一対の電極とから構成され
る固体型炭化水素センサを用いた冷凍サイクル装置の例
である。
【0040】図1は、HC冷媒を含む混合冷媒を冷媒と
する空調機用の冷凍サイクル装置を示している。この冷
凍サイクル装置は、室外に設置された室外ユニット41
と接続配管42と室内に設置された室内ユニット43で
構成されている。また室外ユニット41に配置された圧
縮機44、四方弁45、凝縮器または蒸発器として作用
する室外熱交換器46、絞り装置47、接続配管42、
室内ユニット43に配置された蒸発器または凝縮器とし
て作用する室内熱交換器48で、蒸気圧縮冷凍サイクル
を構成している。さらに室外ユニット41には熱交換用
の室外ファン49、室内ユニット43には熱交換用の室
内ファン410が付設されている。
【0041】414は、圧縮機44と四方弁45の間の
吐出配管413中に配置された炭化水素検出用のセンサ
素子である。
【0042】本発明の実施の形態では、室内ユニット4
3の内部風路は、通常の室内への冷温風吹出口に設けた
吹出ダンパ411と緊急時の室外への換気を行う換気ダ
ンパ412によって切り換えられるように構成されてい
る。吐出配管413中に配置したセンサ素子414によ
り、冷凍サイクル装置からのHC冷媒の漏洩を検知した
際には、室内ユニット43の吹出ダンパ411を閉止
し、換気ダンパ412を開放することによって、室内へ
の冷温風吹き出し風路側から室外への換気風路側に切り
換えるものである。またセンサ素子414による検知濃
度に応じて、室内ファン410のファン速度を段階制御
することにより、強い可燃性のあるHC冷媒を速やかに
室外に排出することが可能となる。
【0043】図2に、本発明の一つの実施の形態であ
る、吐出配管413中に配置された電流検知式炭化水素
検出用のセンサ素子414の構造を示す。センサ素子4
14は、バリウムセリウム系酸化物の焼結体からなる固
体電解質415と、外部に配置された作動電源416に
白金電極ピン417を介して接続されたアノード41
8、カソード419とで構成され、炭化水素の拡散律速
層420は、固体電解質415と封着材料であるセラミ
ック基板421の両方に接着されたガラス422により
作製される。一方のガラス422には孔があいている。
このとき炭化水素濃度は、作動電源416の回路に接続
された限界電流出力端子423に流れるアノード418
とカソード419間の電流に比例するものとして検出さ
れる。
【0044】バリウムセリウム系酸化物の焼結体からな
る固体電解質415としては、バリウムセリウムガドリ
ニウム酸化物(BCG)が用いられる。拡散律速層42
0は、センサ素子に流入(拡散)する炭化水素を制限
(律速させる)するための複数または一つの孔を形成し
た層で、このタイプのセンサに必須のものである。セラ
ミック基板421は、アルミナ系のセラミックスで、B
CG基板と熱膨張率を整合させたフォルステライトが用
いられる。
【0045】このような構成において、混合冷媒中の微
少の炭化水素は、高温高圧のガス状態である吐出配管4
13中に配置されたセンサ素子414内に流入し、固体
電解質415とセラミック基板421の両方に接着され
たガラス422で形成された拡散律速層420を通り、
アノード418で電解により水素イオンのプロトンに解
離し、プロトン伝導性固体電解質415中を電導し、カ
ソード419で水素として放出される。このとき、炭化
水素の濃度に依存するプロトン移動量に応じて出力端子
423に電流が流れることになる。素子外部からのガス
拡散が律速または制限された状態では、供給される水素
と放出される水素が平衡に到達する電流、すなわち限界
電流が現れる。炭化水素の拡散はほぼ濃度に比例するの
で、混合冷媒中の炭化水素濃度に応じた電流が観察され
る。
【0046】従って、冷凍サイクル装置にHC冷媒を含
む混合冷媒を用いる場合には、混合冷媒を構成するHC
冷媒と、もう一方のHC冷媒またはHFC冷媒の沸点が
異なるため、一旦漏洩が起こると冷凍サイクル装置内部
の組成変化が生じる。高プロトン伝導性の固体電解質型
の炭化水素センサは、冷凍サイクル装置内部の混合冷媒
中のHC冷媒の濃度に対して、センサの出力が直線的に
比例するため、混合冷媒の充填組成からの組成変化に反
応して漏洩を早期に検知することが可能となる。プロト
ン電導型の限界電流式炭化水素センサを用いれば、さら
に冷凍サイクル装置内部のような酸素濃度の影響を受け
ない雰囲気中でも、炭化水素を高感度かつ選択的に検知
でき、高信頼、小型、簡便、低コストな炭化水素センサ
を作製することが可能となるものである。
【0047】この固体電解質型炭化水素センサは、冷凍
サイクル装置内部の炭化水素の濃度変化を直接検知する
ことが可能なので、冷凍サイクル装置から漏洩するプロ
パン、エタン等のHC冷媒を経時的に監視することが可
能となる。このセンサを用いた場合、基準値を設定する
必要がなく、検知場所も吐出配管のようなガス状態の一
ケ所でよく、漏洩時間によって高まる濃度を早期に検知
することができ、誤動作をなくすことが出来る。
【0048】本実施の形態では、センサ素子の電解質材
料としてバリウムセリウム系酸化物の焼結体を用いた
が、カルシウムジルコニア系酸化物や、ストロンチウム
セリウム系酸化物を用いてももちろん良い。すなわち、
電解質、電極、拡散律速層の材料や形状、作製法、セン
サ素子に印加する電圧など制限するものではない。さら
に封着材料は、セラミックスであっても、ガラスであっ
ても良い。もちろん、センサの形状、サイズおよび製
法、作動方法は制限するものではない。例えばセンサ素
子の固体電解質層を円筒型構造として吐出配管に接続
し、これによって、強度をもたせ、外部に配置したカソ
ードで水素として放出できるものである。
【0049】本実施の形態では、換気の段階制御等の安
全装置として、室内ユニットの内部風路中のダンパを切
り換えたが、室内ユニットに接続されたダクト(図示せ
ず)内のダンパを、室内への冷温風吹き出し風路側から
室外への換気風路側に切り換えてもよいことはもちろん
のことである。また他の安全装置として、可燃性のHC
冷媒を含む混合冷媒を空調機の室外ユニットに回収した
り、圧縮機の運転や電源を停止してもよいことはもちろ
んのことである。
【0050】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明は、オゾン層に対する有害な影響があるとされる
CFC冷媒やHCFC冷媒を用いず、オゾン層に対する
脅威がないHC冷媒の単一冷媒や混合冷媒を含み、圧縮
機、凝縮器、絞り装置、蒸発器等からなる蒸気圧縮冷凍
サイクルにおいて、固体電解質型センサによる炭化水素
濃度の時間変化を利用して漏洩を検知するものであり、
センサの限界電流値が直線的に変化するため、基準値を
設定する必要がなく、漏洩時間によって高まる濃度を早
期に検知することができ、誤動作の心配もない。
【0051】さらに固体電解質型センサによる炭化水素
濃度の時間変化を用いて換気の段階制御等の安全装置を
駆動させため、万一の冷凍サイクル装置からのHC冷媒
の漏洩に対して、強い可燃性から安全性を確保すること
が可能となる。
【0052】また、固体電解質型センサは、冷凍サイク
ル内部の圧縮機と凝縮器の間の吐出配管中に配置した場
合、高温高圧のガス状態である混合冷媒中の微少の炭化
水素の変化も直接センサ素子で検出できるため、応答性
良く、かつ、高精度に漏れ検知ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における炭化水素センサの
構造を示す断面図。
【図2】本発明の実施の形態におけるセンサの炭化水素
濃度と出力の関係を示すグラフ。
【図3】本発明の実施の形態である冷凍サイクル装置を
示す概略図。
【図4】本発明の一実施の形態である冷凍サイクル装置
を示す回路図。
【図5】本発明の実施の形態である冷凍サイクル装置の
炭化水素センサの構造を示す断面図。
【符号の説明】
1 炭化水素センサ 2 架台 3 センサ素子 4 網体 5 固体電解質 6 作動電源 7 電極ピン 8 アノード 9 カソード 10 拡散律速層 11 セラミック基板 12 ガラス 13 出力端子 14 ヒーター電源 15 ヒーター 21 室外ユニット 22 接続配管 23 室内ユニット 24 圧縮機 25 四方弁 26 室外熱交換器 27 絞り装置 28 室内熱交換器 29 室外ファン 30 室内ファン 31 吹出ダンパ 32 換気ダンパ 41 室外ユニット 42 接続配管 43 室内ユニット 44 圧縮機 45 四方弁 46 室外熱交換器 47 絞り装置 48 室内熱交換器 49 室外ファン 410 室内ファン 411 吹出ダンパ 412 換気ダンパ 413 吐出配管 414 センサ素子 415 固体電解質 416 作動電源 417 電極ピン 418 アノード 419 カソード 420 拡散律速層 421 セラミック基板 422 ガラス 423 出力端子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HC冷媒を利用し、少なくとも圧縮機、
    凝縮器、絞り装置、蒸発器を有する蒸気圧縮冷凍サイク
    ル装置において、固体電解質型センサを備え、その固定
    電解質型センサを利用して炭化水素濃度の時間的変化を
    検出することにより炭化水素の漏洩を検知することを特
    徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 【請求項2】 固体電解質型センサにより検出された炭
    化水素に基づき、安全装置を駆動させることを特徴とす
    る請求項1記載の冷凍サイクル装置。
  3. 【請求項3】 固体電解質型センサは、冷凍サイクルの
    外に配置されているこことを特徴とする請求項1記載の
    冷凍サイクル装置。
  4. 【請求項4】 固定電解質型センサによって、冷凍サイ
    クル内部の炭化水素濃度の変化を検出して炭化水素の漏
    洩を検知することを特徴とする請求項1記載の冷凍サイ
    クル装置。
  5. 【請求項5】 固体電解質型センサは、冷凍サイクル内
    部の前記圧縮機と凝縮器の間の吐出配管中に配置されて
    いることを特徴とする請求項4記載の冷凍サイクル装
    置。
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