JPH10299686A - 排水ポンプ及び空気調和機 - Google Patents

排水ポンプ及び空気調和機

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JPH10299686A
JPH10299686A JP9113766A JP11376697A JPH10299686A JP H10299686 A JPH10299686 A JP H10299686A JP 9113766 A JP9113766 A JP 9113766A JP 11376697 A JP11376697 A JP 11376697A JP H10299686 A JPH10299686 A JP H10299686A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排水ポンプを極力小形でかつ簡易な構造とし
て高効率化と軽量化を図り、周波数によるトルク変動を
除去するとともに、排水ポンプの起動時や停止時のモー
タを制御して、空気調和機の小型化・静音化を図る。 【解決手段】 下端部に設けた吸水口111と上部側面
に設けた排水口112とを有するケース11と、上記ケ
ース11内に回転自在に納められた回転体12と、上記
回転体12を回転させるモータ13とを備える排水ポン
プ1において、ポンプ起動時又は停止時に上記モータ1
3を徐々に回転速度を上昇又は下降するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱交換器に結露し
た凝縮水を排出する排水ポンプ、特に天井裏設置型の空
気調和機に適した排水ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の天井取付型空気調和機の排水ポン
プ部分の構造を、図6に示す。排水ポンプ1´は、ケー
ス11´と、回転体12´と、モータ13´とを備えて
いる。
【0003】ケース11´は、下端部に設けられた吸水
口111´と上部側面に設けられた排水口112´とを
有している。回転体12´は、ケース11´内に回転自
在に納められており、三角板上をしたインペラ121´
を同軸状に取付けていて、このインペラ121´のボス
´部分に設けた軸孔に、縦向きに設置したモータ13´
の駆動軸131´が軸嵌されている。モータ13´は、
回転体12´を回転させる駆動源であり、交流モータ
(例えばくま取りモータ)が使用されている。ドレンパ
ン2´は、熱交換器の表面に結露して落下する凝縮水
(ドレン水)を一時的に貯留しており、ドレンパン2´
内の水面が吸水口111´を塞ぐ水位に達した状態で、
モータ13´を駆動させると、インペラ121´の高速
回転に伴って、その下端に接触した水が遠心力によって
インペラ121´に沿いながら上昇して排水口112´
の位置に達し、排水管116´を介して空気調和機の外
に排出されるようになっている。
【0004】従来の排水ポンプ1´は、起動時における
停止状態から定常回転になるまでの時間又は定常状態か
ら停止するまで時間については、なるべく早く定常回転
にする又は停止するようにしていた。このため、これら
の時間における排水ポンプ1´の振舞について、あまり
考慮されていなかった。
【0005】例えば、空気調和機の運転を始めると、冷
媒によって冷された空気調和機の表面に結露したドレン
水21´はドレンパン2´に貯留される。そして、ドレ
ンパン2´に一定量貯留されたドレン水21´は排水ポ
ンプ1´の吸水口111´に達すると、モータ13´に
より回転する回転羽根121´に触れて揚水され、排水
口112´及び排水管116´より室内ユニット外に排
出されるようになる。その際、ドレン水21´が排水ポ
ンプ1´内へ急激に入り込み、回転羽根121´に多量
の空気が混入したドレン水21´が当たり、排水ポンプ
1´は、異常音や振動を発生する。また、空気調和機の
運転をやめると、排水ポンプ1´の排水管116´に残
っている水が戻り水となってポンプ排出口112´より
逆流し、ケース11´からあふれてモータ13´を濡ら
してしまったり、戻り水により、排水管116´、排水
口112´、吸水口111´を通りドレンパン2´に戻
る過程で、水の流れる音が生じて騒音の原因になってい
た。
【0006】また、排水ポンプ1´に使用されるモータ
13´として、交流モータ(くま取りモータ)を使用し
ているため、以下のような改善すべき問題点が挙げられ
る。1)排水ポンプは、天井裏の狭い空間に室内ユニッ
トを設置する空気調和機に用いられるのであるが、交流
モータを用いるため効率が悪く、その構造上外形が嵩張
ることとなり、上記ポンプ自体の大型化と重量化を招
き、しいては空気調和機の小型化を妨げている。2)交
流モータを使用することから、周波数によるトルク変動
が発生しやすく、このため振動が発生し、騒音の原因と
なり空気調和機の静音化を妨げている。これらを解決す
るために直流モータを使用する排水ポンプも提案されて
いるが(例えば、特開平6−193582号公報)、排
水ポンプの起動時や停止時については考慮されてはいな
かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記排水ポンプを極力小形でかつ簡易な構造として
高効率化と軽量化を図り、周波数によるトルク変動を除
去するとともに、排水ポンプの起動時や停止時について
も考慮することにより、上述の不都合をもたらす問題を
解消して、空気調和機の小型化・静音化を実現できるよ
うにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明は、
下端部に設けた吸水口と上部側面に設けた排水口とを有
するケースと、上記ケース内に回転自在に納められた回
転体と、上記回転体を回転させるモータとを備える排水
ポンプにおいて、上記モータは、ポンプ起動時に徐々に
回転速度を上昇するものである排水ポンプである。ま
た、本発明は、上記モータは、ポンプ起動時に断続的に
回転速度を上昇するものである排水ポンプである。そし
て、本発明は、下端部に設けた吸水口と上部側面に設け
た排水口を有するケースと、上記ケース内に回転自在に
納められた回転体と、上記回転体を回転させるモータと
を備える排水ポンプにおいて、上記モータは、ポンプ停
止時に徐々に回転速度を下降するものである排水ポンプ
である。更に、本発明は、上記モータは、ポンプ停止時
に断続的に回転速度を下降するものである排水ポンプで
ある。また、本発明は、上記モータは、直流モータであ
る排水ポンプである。そして、本発明は、室内ユニット
側の熱交換機と、上記熱交換機の表面に結露したドレン
水を貯水するドレンパンと、上記ドレンパンのドレン水
を排水する上記排水ポンプとを備える空気調和機であ
る。
【0009】
【作用】ポンプ起動時に徐々に回転速度を上昇するモー
タを使用するので、羽根回転数を停止状態から徐々に定
常回転数に立ち上げることができる。このため、排水ポ
ンプ内の空気と水のキャビテーションは緩和され、ドレ
ン水がポンプ内へ急激に入り込み回転羽根に多量の空気
が混入したドレン水が当たることなく徐々に揚程するこ
とができるので、揚程し排水を開始するまでの間、排水
ポンプは異常音や振動を発生することはない。
【0010】また、ポンプ停止時に徐々に回転速度を下
降するモータを使用するので、羽根回転数を定常回転数
から停止状態に徐々に下げることができる。このため、
排水管からの戻り水が少しずつドレンパンに戻り、戻り
水が噴出することはなく、排水ポンプ連通口より噴出し
てモータを濡らすことはない。そして、戻り水が排水管
・ポンプ内・吸込口を通りドレンパンに戻る過程で生じ
る水の流れる音もなくなり、耳ざわりな戻り水音の発生
を防止することができる。
【0011】なお、直流モータを使用すれば、交流モー
タに比較して構造上外形が嵩張ることはなく、更に、徐
々に低速回転や減速回転となるように制御することもで
き、例えば使用する直流の電圧値を調整することによ
り、容易に実行することができて、排水ポンプの小型
化、軽量化や低振動騒音とすることが可能であり、空気
調和機の室内ユニットの小型化・軽量化や静音化が実現
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の発明の実施の形態を説明
する。以下、本発明の排水ポンプ及びそれを用いた空気
調和機の室内ユニットの要部の一実施例について、第1
図〜第5図を用いて説明する。
【0013】本実施例の排水ポンプ1は、ケース11
と、回転体12と、モータ13とを備えている。ケース
11は、下端部に設けられた吸水口111と上部側面に
設けられた排水口112とを有している。吸水口111
は、ドレンパン2内のドレン水21中に浸漬されてい
る。ドレン水21は、空気調和機3に結露して落下する
ことにより、ドレンパン2内に貯留される。また、上記
排水ポンプ1のケース11の上方の位置にはモータとし
て直流ブラシレスモータ13が配置されており、その駆
動軸131はケース11の内部へと導入されている。回
転体12は、ケース11内に回転自在に納められてお
り、三角板上をしたインペラ(回転羽根)121はモー
タの駆動軸131に同軸状に取り付けられており、この
インペラ121のボス部分に設けた軸孔に、縦向きに設
置したモータ13の駆動軸131を軸嵌させている。駆
動軸131の先端部には、揚水手段としての回転羽根1
21が取着されており、この回転羽根121の回転によ
って、ドレンパン2内のドレン水21を上記吸水口11
1から汲上げ、上記排水口112を経由して外部へと排
出し得るようになされている。モータ13はネジ114
にて筒状の受け部材113に固定されており、そして、
受け部材113は直流ブラシレスモータ13とケース1
1との間に設けられ、消音ボックスを兼用している。な
お、115は水切りであって、排水ポンプ1の運転を止
めたとき、排水口112に接続された排水管116の水
が戻り、受け部材113と回転羽根121の駆動軸13
1間の気体均圧空間より吹き出す水がモータ13にかか
るのを防止する目的で取付けられたものである。
【0014】かかる構成の排水ポンプ1において、ポン
プ起動時とポンプ停止時の運転について、図3〜図5に
示す実験データを用いて説明する。排水ポンプ1に直流
モータ13を使用しているため、モータ13の使用電圧
の値を上昇又は下降させて徐々に低速回転又は減速回転
させる。その際、連続的に制御する方法と断続的に制御
する方法がある。
【0015】まず、回転数を制御する際に連続的に電圧
を徐々に上昇又は下降させることについて、図3及び図
4を用いて説明する。電圧上昇時、電源投入して直流電
圧を0Vから21Vまで連続的にそして徐々に上昇させ
る。具体的には、電圧が21Vになるまでに要する時間
を0、3、6、9、12及び15秒としてそれぞれ上昇
させる(図3(a)に示す。)。また、電圧下降時、直
流電圧を21Vで排水ポンプを運転した後、0Vまで連
続的にそして徐々に下降させる。具体的には、0、3、
6、9、12及び15秒にてそれぞれ下降させる(図3
(b)に示す。)。そして、これらの結果を図3(c)
に示す。図3(c)において、上昇時の測定結果を実線
で、下降時の測定結果を点線で、それぞれ示す。横軸
は、電圧上昇時間(電圧が0Vから21Vになるまでに
要する時間)又は電圧下降時間(電圧が21Vから0V
になるまでに要する時間)を表しており、縦軸は図4に
示す、ドレンパン2内のドレン水21の水位10mm、
揚程300mmであるときの排水ポンプ1の上方1mで
マイク4を使用して騒音を測定して得られた騒音値dB
(A)を示す。なお、図4において、116は排水管、
5は電圧を制御することができる可変電源である。そし
て、排水ポンプ1の吸水口は、ドレンパン2の底面より
8mmの位置に設けている。この実験データをみると、
運転起動時の騒音は、起動時に低速運転をせずに、即
ち、電圧上昇時間がほとんど0秒のときは、38dB
(A)であるが、電圧上昇時間を6秒以上にすると低下
が見られ、12秒以上では通常運転時(0秒)と比較し
て9dB(A)低下していることがわかる。また、運転
停止時は、電圧下降時間3秒にすると騒音値が低下し、
9秒以上では通常運転時(0秒)と比較して5dB
(A)低下している。なお、電源5を切ると排水管11
6内の水がドレンパン2に戻るのに約1秒必要である。
【0016】次に、断続的に電圧を徐々に上昇又は下降
させる場合について、図5を用いて説明する。使用する
排水ポンプ1等は、図4と同じである。電圧上昇時、電
源投入後、電圧を0Vから12Vまで連続的に上昇さ
せ、そして12Vにて所定時間保ったのち、再度電圧を
21Vまで連続的にそして徐々に上昇させる。具体的に
は、電圧が0Vから12Vまでの時間を1秒、そして1
2Vでの時間を2秒としたのち、12Vから21Vまで
達する時間を1、3、5及び7秒にてそれぞれ行う(図
5(a)に示す。)。また、電圧下降時、電圧を21V
でポンプを運転した後、電圧を21Vから12Vまで連
続的に下降させ、そして12Vで所定時間保ったのち、
再度電圧を12Vから0Vまで連続的にそして徐々に下
降させる。具体的には、電圧が21Vから12Vまでの
時間を1、3、5及び7秒とし、そして12Vでの時間
を2秒としたのち、電源を切る(図5(b)に示
す。)。その際、排水管116内の水がドレンパン2に
戻るのに約1秒かかった。その結果を図5(c)に示
す。上昇時の測定結果を実線で、下降時の測定結果を点
線で、それぞれ示す。横軸は、電圧上昇時間(電圧が1
2Vから21Vに達する時間)又は電圧下降時間(電圧
が21Vから12Vに達する時間)を表しており(括弧
内は、0Vから又は21Vからの経過時間を示す。)、
縦軸は図4に示すような水位10mm、揚程300mm
の排水ポンプ1の上方1mのマイク4で騒音を測定した
ときの騒音値dBを示す。これをみると、運転起動時の
騒音は、電圧上昇時間(電圧が12Vから21Vに達す
る時間)を3秒以上にて低下が見られ、5秒以上では通
常運転時(0秒)と比較して9dB(A)低下している
ことがわかる。また、運転停止時は、電圧下降時間(電
圧が21Vから12Vに達する時間)が1秒にて騒音値
が低下し、5秒以降では通常運転時(0秒)と比較して
5dB(A)低下している。
【0017】なお、電圧を徐々に上昇又は下降させるの
を連続的にするのと断続的にするのとを比較すると(図
3(c)及び図5(c)を参照)、上昇時について騒音
が9dB(A)低下するのは、連続的のときは0Vから
12秒であるが、断続的のときは0Vから8秒であり、
また、下降時について騒音が5dB(A)低下するの
は、連続的のときは21Vから9秒であるが、断続的の
ときは21Vから7秒であって、上昇時及び下降時とも
断続的にするほうが、騒音について低速回転又は減速回
転とする時間を少なくしても騒音が低下するという良好
な結果が得られた。
【0018】このように、ポンプ起動時及びポンプ停止
時に徐々に低速回転又は減速回転するモータを使用する
ことにより、騒音や振動を低下させることができる。
【0019】なお、モータの使用電圧として21Vのと
きの実験データを示したが、これ以外の使用電圧のとき
でも騒音や振動を低下させることはできる。また、断続
的に電圧を上昇又は下降するときの途中の一定の電圧や
時間は、12Vや2秒以外でも騒音や振動を低下させる
ことは可能である。そして、回転数を徐々に変化させる
のに電圧値を制御して実行する以外の方法も可能であ
り、使用するモータとして直流モータ以外のもの、例え
ば交流モータのときでも、その回転数を制御すれば騒音
や振動を低下させることができる。
【0020】
【発明の効果】本発明の排水ポンプにおいては、小型化
・軽量化及び静音化することが可能となり、空気調和機
の室外ユニットの小型化・軽量化を一層向上することが
できる。また、可変電源等により、凝縮水の発生量に応
じて、直流モータの回転数を変えることにより、効率の
よい排水ポンプを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排水ポンプの一実施例の説明図。
【図2】本発明の排水ポンプを使用した空気調和機の一
例の説明図。
【図3】本発明の排水ポンプを使用したときの一例の騒
音測定データの説明図。
【図4】本発明の排水ポンプを使用したときの一例の騒
音測定の説明図。
【図5】本発明の排水ポンプを使用したときの一例の騒
音測定データの説明図。
【図6】従来の排水ポンプの説明図。
【符号の説明】
1 排水ポンプ 11 ケース 111 吸水口 112 排水口 113 受け部材 114 ネジ 115 水切り 116 排水管 12 回転体 121 回転羽根 13 モータ 131 駆動軸 2 ドレンパン 21 ドレン水 3 空気調和機 4 マイク 5 電源

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下端部に設けた吸水口と上部側面に設け
    た排水口とを有するケースと、上記ケース内に回転自在
    に納められた回転体と、上記回転体を回転させるモータ
    とを備える排水ポンプにおいて、 上記モータは、ポンプ起動時に徐々に回転速度を上昇す
    るものであることを特徴とする排水ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の排水ポンプにおいて、 上記モータは、ポンプ起動時に断続的に回転速度を上昇
    するものであることを特徴とする排水ポンプ。
  3. 【請求項3】 下端部に設けた吸水口と上部側面に設け
    た排水口を有するケースと、上記ケース内に回転自在に
    納められた回転体と、上記回転体を回転させるモータと
    を備える排水ポンプにおいて、 上記モータは、ポンプ停止時に徐々に回転速度を下降す
    るものであることを特徴とする排水ポンプ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の排水ポンプにおいて、 上記モータは、ポンプ停止時に断続的に回転速度が下降
    するものであることを特徴とする排水ポンプ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の排
    水ポンプにおいて、 上記モータは、直流モータであることを特徴とする排水
    ポンプ。
  6. 【請求項6】 室内ユニット側の熱交換機と、上記熱交
    換機の表面に結露したドレン水を貯水するドレンパン
    と、上記ドレンパンのドレン水を排水する排水ポンプと
    を備える空気調和機において、 上記排水ポンプは、請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の排水ポンプであることを特徴とする空気調和機。
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