JPH10298766A - 非晶質シリコン系感光体の形成装置及び形成方法 - Google Patents

非晶質シリコン系感光体の形成装置及び形成方法

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JPH10298766A
JPH10298766A JP11648497A JP11648497A JPH10298766A JP H10298766 A JPH10298766 A JP H10298766A JP 11648497 A JP11648497 A JP 11648497A JP 11648497 A JP11648497 A JP 11648497A JP H10298766 A JPH10298766 A JP H10298766A
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substrate
cylindrical substrate
forming
cylindrical
reaction vessel
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JP11648497A
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English (en)
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Hitoshi Murayama
仁 村山
Kazuhiko Takada
和彦 高田
Tatsuji Okamura
竜次 岡村
Kazuyoshi Akiyama
和敬 秋山
Toshiyasu Shirasago
寿康 白砂
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】良好な特性を有したa−Si系感光体を高い良
品率で形成可能な非晶質シリコン系感光体の形成方法を
提供する。 【解決手段】真空気密可能な反応容器を備え、該反応容
器内に原料ガス供給手段より原料ガスを供給し、高周波
電源より高周波電力を導入して反応容器内にグロー放電
を生起させ、該反応容器内の基体ホルダーに保持される
円筒状基体上に堆積膜を形成するプラズマCVD法によ
る非晶質シリコン系感光体の形成装置または形成方法に
おいて、前記基体ホルダーは、少なくとも一部が前記円
筒状基体に内包される円筒状基体密着部を有し、該円筒
状基体密着部は該円筒状基体よりも熱膨張率の大きい材
料からなり、かつ、少なくとも該円筒状基体密着部の一
部が導電性材料で構成され、少なくとも堆積膜形成時に
おいて昇温により熱膨張する該円筒状基体密着部を介し
て前記円筒状基体と前記基体ホルダーとを電気的に導通
可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマCVD法
による非晶質シリコン(以下、a−Siと称す)系感光
体の形成装置及び形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真用感光体を形成する光導電材料
としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/暗電流
(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に
適合した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早
く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体
に対して無害であること、等の特性が要求される。特
に、事務機としてオフィスで使用される電子写真装置内
に組み込まれる電子写真用光受容部材の場合には、上記
の使用時における無公害性は重要な点である。この様な
点に優れた性質を示す光導電材料に水素化アモルファス
シリコン(以下、「a−Si:H」と表記する)があ
り、例えば、特公昭60−35059号公報には電子写
真用光受容部材としての応用が記載されている。このよ
うな電子写真用感光体は、一般的には、導電性支持体を
50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD
法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa
−Siからなる光導電層を形成する。なかでもプラズマ
CVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波ある
いはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上に
a−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用
に付されている。
【0003】また、特開昭56−83746号公報にお
いては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素とし
て含むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)
光導電層からなる電子写真用感光体が提案されている。
当該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1乃至
40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、電子
写真用感光体の光導電層として良好な電気的、光学的特
性を得ることができるとしている。また、特開昭57−
115556号公報には、a−Si堆積膜で構成された
光導電層を有する光導電部材の、暗抵抗値、光感度、光
応答性等の電気的、光学的、光導電的特性及び耐湿性等
の使用環境特性、さらには経時的安定性について改善を
図るため、シリコン原子を母体としたアモルファス材料
で構成された光導電層上に、シリコン原子及び炭素原子
を含む非光導電性のアモルファス材料で構成された表面
障壁層を設ける技術が記載されている。更に、特開昭6
0−67951号公報には、アモルファスシリコン、炭
素、酸素及び弗素を含有してなる透光絶縁性オーバーコ
ート層を積層する感光体についての技術が記載され、特
開昭62−168161号公報には、表面層として、シ
リコン原子と炭素原子と41〜70原子%の水素原子を
構成要素として含む非晶質材料を用いる技術が記載され
ている。
【0004】一方、特開昭60−95551号公報に
は、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のため
に、感光体表面近傍の温度を30乃至40℃に維持して
帯電、露光、現像および転写といった画像形成行程を行
うことにより、感光体表面での水分の吸着による表面抵
抗の低下とそれに伴って発生する画像流れを防止する技
術が開示されている。また、特開昭63−149381
号公報には、複数の円筒状基体を同心円上に設置し、円
筒状基体に囲まれた放電空間にマイクロ波電力を投入す
るマイクロ波プラズマCVD法(以後「MW−PCV
D」と略記する)により、基体上に非晶質膜を形成する
技術が記載されている。これらの技術により、電子写真
用a−Si系感光体の電気的、光学的、光導電的特性及
び使用環境特性が向上し、それに伴って画像品質も向上
してきた。
【0005】このようなa−Si系感光体の製造装置及
び製造方法は概略以下のようなものである。図2は電源
としてRF帯の周波数を用いたRFプラズマCVD法
(以後「RF−PCVD」と略記する)による電子写真
用光受容部材の製造装置の一例を示す模式的な構成図で
ある。図2に示す製造装置の構成は以下の通りである。
この装置は大別すると、堆積装置2100、原料ガスの
供給装置2200、反応容器2111内を減圧にするた
めの排気装置(図示せず)から構成されている。堆積装
置2100中の反応容器2111内には基体ホルダー2
120により保持された円筒状基体2112、支持体加
熱用ヒーター2113、原料ガス導入管2114が設置
され、更に高周波マッチングボックス2115が接続さ
れている。原料ガス供給装置2200は、SiH4、G
eH4、H2、CH4、B2H6、PH3等の原料ガスのボン
ベ2221〜2226とバルブ2231〜2236,2
241〜2246,2251〜2256およびマスフロ
ーコントローラー2211〜2216から構成され、各
原料ガスのボンベはバルブ2260介して反応容器21
11内のガス導入管2114に接続されている。
【0006】この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば
以下のように行なうことができる。まず、反応容器21
11内に基体ホルダー2120により保持された円筒状
支持体2112を設置し、不図示の排気装置(例えば真
空ポンプ)により反応容器2111内を排気する。続い
て、支持体加熱用ヒーター2113により円筒状支持体
2112の温度を200℃乃至350℃の所定の温度に
制御する。堆積膜形成用の原料ガスを反応容器2111
に流入させるには、ガスボンベのバルブ2231〜22
37、反応容器のリークバルブ2117が閉じられてい
ることを確認し、叉、流入バルブ2241〜2246、
流出バルブ2251〜2256、補助バルブ2260が
開かれていることを確認して、まずメインバルブ211
8を開いて反応容器2111およびガス配管内2116
を排気する。次に真空計2119の読みが約5×10-6
Torrになった時点で補助バルブ2260、流出バル
ブ2251〜2256を閉じる。その後、ガスボンベ2
221〜2226より各ガスをバルブ2231〜223
6を開いて導入し、圧力調整器2261〜2266によ
り各ガス圧を2Kg/cm2に調整する。次に、流入バ
ルブ2241〜2246を徐々に開けて、各ガスをマス
フローコントローラー2211〜2216内に導入す
る。
【0007】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、以下の手順で各層の形成を行う。円筒状支持体21
12が所定の温度になったところで流出バルブ2251
〜2256のうちの必要なものおよび補助バルブ226
0を徐々に開き、ガスボンベ2221〜2226から所
定のガスをガス導入管2114を介して反応容器211
1内に導入する。次にマスフローコントローラー221
1〜2216によって各原料ガスが所定の流量になるよ
うに調整する。その際、反応容器2111内の圧力が1
Torr以下の所定の圧力になるように真空計2119
を見ながらメインバルブ2118の開口を調整する。内
圧が安定したところで、周波数13.56MHzのRF
電源(不図示)を所望の電力に設定して、高周波マッチ
ングボックス2115を通じて反応容器2111内にR
F電力を導入し、グロー放電を生起させる。この放電エ
ネルギーによって反応容器内に導入された原料ガスが分
解され、円筒状支持体2112上に所定のシリコンを主
成分とする堆積膜が形成されるところとなる。所望の膜
厚の形成が行われた後、RF電力の供給を止め、流出バ
ルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の
形成を終える。同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の光受容層が形成される。それぞれ
の層を形成する際には必要なガス以外の流出バルブはす
べて閉じられていることは言うまでもなく、また、それ
ぞれのガスが反応容器2111内、流出バルブ2251
〜2256から反応容器2111に至る配管内に残留す
ることを避けるために、流出バルブ2251〜2256
を閉じ、補助バルブ2260を開き、さらにメインバル
ブ2118を全開にして系内を一旦高真空に排気する操
作を必要に応じて行う。膜形成の均一化を図るために、
層形成を行なっている間は、支持体2112を駆動装置
(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効
である。さらに、上述のガス種およびバルブ操作は各々
の層の作成条件にしたがって変更が加えられることは言
うまでもない。
【0008】一方、つぎの図3に示すような複数の感光
体を同時に形成でき、生産性の極めて高い堆積膜形成装
置の開発も進められている。図3は、従来のMW帯の周
波数を用いたMWプラズマCVD法による電子写真用光
受容部材の製造装置の一例を示した模式的な構成図であ
る。図3(A)は概略断面図、図3(B)は図3
((A)の切断線B−B’に沿う概略断面図である。反
応容器301の側面には排気管304が一体的に形成さ
れ、排気管304の他端は不図示の排気装置に接続され
ている。反応容器301の上面と下面にはそれぞれ導波
管303が取り付けられ、各導波管303の他端は不図
示のマイクロ波電源に接続されている。各導波管303
の反応容器301側の端部にはそれぞれ誘電体窓302
が気密封止されている。反応容器301の中心部を取り
囲むように、堆積膜の形成される6この円筒状基体30
5が基体ホルダー311により保持され、互いに平行に
なるように配置されている。基体ホルダー311に設置
された各円筒状基体305は回転軸308によって保持
され、発熱体307によって基体ホルダー311を介し
て加熱されるようになっている。モータ309を駆動す
ると、減速ギア310を介して回転軸308が回転し、
円筒状基体305がその母線方向中心軸のまわりを自転
するようになっている。反応容器301内の円筒状基体
305と各誘電体窓302で囲まれた空間があり、この
空間が成膜空間306となる。また、隣接する2個の円
筒状基体305の間の隙間には、それぞれ原料ガス導入
管351が設けられている。原料ガス導入管351は原
料ガスを成膜空間306に導入するようになっている。
【0009】この装置を用いて電子写真用感光体を作製
するときは、まず、反応容器301内を10-7Torr
以下まで排気し、ついで、発熱体307により円筒状基
体305を所望の温度に加熱保持する。そして、原料ガ
ス導入管351を介して、原料ガスを反応容器301内
に導入する。これと同時並行的に周波数500MHz以
上の好ましくは2.45GHzのマイクロ波を導波管3
03、誘電体窓302を経て反応容器301内に入射さ
せる。その結果、成膜空間306においてグロー放電が
生起し、原料ガスは励起解離して円筒状基体305上に
堆積膜が形成される。このとき、モータ309を回転さ
せることにより、円筒状基体305の全周にわたって堆
積膜を形成することができる。
【0010】このような従来のa−Si系感光体製造装
置、製造方法に加え、更には近年、VHF帯の高周波電
力を用いたVHFプラズマCVD(以後「VHF−PC
VD」と略記する)法が注目を浴びており、これを用い
たa−Si系感光体製造装置の開発も積極的に進められ
ている。これはVHF−PCVD法では膜堆積速度が速
く、また高品質なa−Si膜が得られるため、製品の低
コスト化、高品質化を同時に達成し得るものと期待され
るためである。例えば特開平6−287760にはa−
Si系感光体製造に用いうる装置及び方法が開示されて
いる。
【0011】VHF−PCVD法を用いたa−Si系感
光体の製造装置及び製造方法は例えば以下のようなもの
である。図4はVHFプラズマCVD法による電子写真
用光受容部材の製造装置の一例を示す模式的な構成図で
ある。図4(A)は概略断面図、図4(B)は図4
(A)の切断線B−B’に沿う概略断面図である。反応
容器401の側面には排気管412が一体的に形成さ
れ、排気管412の他端は不図示の排気装置に接続され
ている。反応容器401の中心部を取り囲むように、堆
積膜の形成される8本の円筒状基体405が基体ホルダ
ー411により保持され、互いに平行になるように配置
されている。基体ホルダー411に設置された各円筒状
基体405は回転軸408によって保持され、発熱体4
07によって加熱されるようになっている。モータ40
9を駆動すると、減速ギア410を介して回転軸408
が回転し、円筒状基体405がその母線方向中心軸のま
わりを自転するようになっている。8本の円筒状基体4
05により囲まれた成膜空間406には原料ガスが原料
ガス供給手段413より供給さる。VHF電力はVHF
電源403よりマッチングボックス404を経て高周波
電力導入手段402より成膜空間406に供給される。
【0012】このような装置を用いた堆積膜形成は概略
以下のような手順により行なうことができる。まず、反
応容器401内に基体ホルダー411により保持された
円筒状基体405を設置し、不図示の排気装置により排
気管412を通して反応容器401内を排気する。続い
て、発熱体407により円筒状基体405を200℃〜
300℃程度の所定の温度に加熱・制御する。円筒状基
体405が所定の温度となったところで、原料ガス供給
手段413を介して、原料ガスを反応容器401内に導
入する。原料ガスの流量が設定流量となり、また、反応
容器401内の圧力が安定したのを確認した後、高周波
電源403よりマッチングボックス404を介して高周
波導入手段402へ所定のVHF電力を供給する。高周
波導入手段402より成膜空間に放射されたVHF電力
により、成膜空間においてグロー放電が生起し、原料ガ
スは励起解離して円筒状基体405上に堆積膜が形成さ
れる。所望の膜厚の形成が行なわれた後、VHF電力の
供給を止め、続いて原料ガスの供給を停止して堆積膜の
形成を終える。同様の操作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の光受容層が形成される。堆積膜形
成中、回転軸408を介して円筒状基体405をモータ
409により所定の速度で回転させることにより、円筒
状基体表面全周に渡って堆積膜が形成される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の装置及び方
法により、良好なa−Si系感光体が形成される。しか
しながら、市場における電子写真装置の低価格化、高画
質化、小型化等に対する要求に対応していくため、更な
る技術の向上が必要となっている。現在のa−Si系感
光体形成においては、感光体特性がロット間でばらつき
を生じ、これが良品率低下の一因となっている。良品率
は感光体製造コストに直結するため、このロット間での
特性ばらつきを抑制することは低価格化を実現していく
上で大きく貢献するものである。このため、この特性ば
らつき抑制に関しては、これまでにさまざまな検討・工
夫が為されているにもかかわらず、まだまだ改善の余地
が残されているのが現状である。
【0014】このばらつきを生じさせている原因の一つ
として、プラズマの均一性・安定性・再現性が不十分で
あるということが挙げられる。電子写真感光体形成工程
においては、大面積にしかも長時間にわたって膜堆積を
行なうため、極めて良好なプラズマ均一性、長時間安定
性を必要とする。このため、電子写真感光体形成におい
ては特に、プラズマ均一性、長時間安定性を常に再現性
良く維持する技術が強く求められている。また、低価格
化を達成していく上で、a−Si系感光体形成において
は、膜堆積速度の向上は極めて有効であり、さまざまな
検討・開発が進められている。電子写真感光体は一般に
必要とする堆積膜の膜厚が厚いため、感光体作製全工程
に占める堆積膜形成時間が長い。このため、膜堆積速度
の向上は感光体形成工程の大幅な時間短縮につながる。
更に、コピー画像の画質向上を目指して膜特性向上の検
討も積極的に進められている。
【0015】このような膜堆積速度の向上、膜特性の向
上を達成していく上で、成膜中に基体温度を所定の値に
維持するため、冷却手段を必要とする場合も多々生じて
きている。これは、膜堆積速度の向上、あるいは膜特性
の向上を達成するために、プラズマ密度の向上、バイア
ス印加等の手段が用いられるようになったことに起因す
る。これらは基体に入射するイオンの量、あるいはイオ
ンのエネルギーを増加するため、基体を所望の温度以上
に昇温してしまう場合が生じ、膜質の低下、膜剥れ等を
生じてしまう。また、成膜開始時、即ちプラズマが生起
された直後にプラズマによる昇温作用のために、基体温
度は急激に上昇を開始する。この急激な温度変化で堆積
膜内に構造的ストレスが生じ、膜剥れを引き起こしてし
まう場合もある。これら問題点を解決するため、今日に
おいては冷却手段を用いた基体温度の正確、迅速な制御
に関する技術も重要となっており、そのための検討もな
されているが、充分といえるものではない。
【0016】そこで、本発明は、上記従来のものにおけ
る課題を解決し、高周波−PCVD法を用いたa−Si
系感光体形成において、ロット間での特性のばらつきを
抑制することにより、良好な特性を有したa−Si系感
光体を高い良品率で形成可能な非晶質シリコン系感光体
の形成装置及び形成方法を提供することを目的としてい
る。また、本発明は、広範囲の膜堆積条件において基体
温度の正確、迅速な制御が可能であり、膜質の低下や膜
剥れ等の弊害がなく、膜堆積速度及び膜質の向上が達成
可能な非晶質シリコン系感光体の形成装置及び形成方法
を提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、非晶質シリコン系感光体の形成装置及び
形成方法をつぎのように構成したことを特徴とするもの
である。すなわち、本発明の感光体形成装置は、真空気
密可能な反応容器を備え、該反応容器内に原料ガス供給
手段より原料ガスを供給し、高周波電源より高周波電力
を導入して反応容器内にグロー放電を生起させ、該反応
容器内の基体ホルダーに保持される円筒状基体上に堆積
膜を形成するプラズマCVD法による非晶質シリコン系
感光体の形成装置において、前記基体ホルダーは、少な
くとも一部が前記円筒状基体に内包される円筒状基体密
着部を有し、該円筒状基体密着部は該円筒状基体よりも
熱膨張率の大きい材料からなり、かつ、少なくとも該円
筒状基体密着部の一部が導電性材料で構成され、少なく
とも堆積膜形成時において昇温により熱膨張する該円筒
状基体密着部を介して前記円筒状基体と前記基体ホルダ
ーとを電気的に導通可能としたことを特徴としている。
そして、本発明の感光体形成装置は、前記円筒状基体
が、該円筒状基体と該円筒状基体の両端を保持する前記
基体ホルダーと前記円筒状基体密着部とによって囲まれ
た空間内に、該円筒状基体の温度を制御するガス導入手
段が設けられており、また、前記円筒状基体密着部を加
熱する手段を有しており、また、その高周波電源の周波
数が50MHz以上450MHz以下であることを特徴
としている。また、本発明の感光体形成方法は、真空気
密可能な反応容器内に原料ガス供給手段より原料ガスを
供給し、高周波電力を印加して反応容器内にグロー放電
を生起させ、該反応容器内の基体ホルダーに保持される
円筒状基体上に堆積膜を形成するプラズマCVD法によ
る非晶質シリコン系感光体の形成方法において、前記基
体ホルダーの一部をなし、少なくとも一部が前記円筒状
基体に内包される円筒状基体密着部を、該円筒状基体よ
りも熱膨張率が大きい材料で形成し、かつ、少なくとも
該円筒状基体密着部の一部を導電性材料で構成し、少な
くとも堆積膜形成時において昇温により熱膨張する該円
筒状基体密着部を介して、該円筒状基体と該基体ホルダ
ーとを電気的に導通させながら堆積膜を形成することを
特徴としている。そして、本発明の感光体形成方法は、
前記堆積膜の形成を、該円筒状基体と前記基体ホルダー
との間に該円筒状基体の温度を制御するガスを導入して
行い、また、前記高周波電力の周波数が50MHz以上
450MHz以下であることを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、本発明者らの以下の検
討により、完成に至ったものである。すなわち、本発明
者は上記課題を達成すべく鋭意検討を行った結果、感光
体特性がロット間でばらつきを生じるのは、堆積膜形成
の際に成膜空間に導入された高周波電力により、基体上
に高周波電位が生じてしまい、基体周辺のプラズマに影
響を及ぼすことが大きな要因の1つとなっていることを
見いだした。そして、円筒状基体を設置する基体ホルダ
ーに、少なくとも一部が該円筒状基体に内包され、かつ
熱膨張率が円筒状基体材料の熱膨張率よりも大きい材料
で構成された円筒状基体密着部を設け、堆積膜形成時に
円筒状基体と基体ホルダーをこの円筒状基体密着部によ
り電気的に導通することでこの問題を解決可能であると
の知見を得、本発明を完成させるに至った。
【0019】この点について、更に説明すると、従来、
基体ホルダーは例えば図5に示すような構成となってい
た。図5において、501は基体ホルダー本体、502
はホルダーキャップ、503は基体、504はアースバ
ネである。基体ホルダーは基体ホルダー本体501及び
/またはホルダーキャップ502の一部を基体の端面に
接触させることで、基体を基体ホルダーと電気的に接続
し、これを一定電位(一般的にはアース電位)に保つよ
うにしている。また、シリンダー内面との接触により基
体−基体ホルダー間の電気的導通をとることも行なわれ
ている。この場合、接触部は基体をホルダーに設置する
際、摺擦されるため、あまり強く接触すると発塵を生じ
てしまう。このため、この接触部は発塵を生じない程度
にスムーズに基体を設置できるよう、例えば504のよ
うにばね状の部材が用いられる。このように、基体と基
体ホルダーは接触部により導通し、基体を所望の電位
(通常はアース電位)に維持する必要がある。しかしな
がら、成膜時に高周波が導入されると、従来の手段では
必ずしも所望の電位に維持され得ない。上述したような
導通手段では、導通が不十分であったり、導通手段が線
状・板状で基体−基体ホルダー間のリアクタンスが大き
いために、基体上に高周波電位が生じてしまう。
【0020】これを改善するためには、基体と基体ホル
ダー間を充分な断面積を有した経路で密着させることが
有効である。本発明においては、基体ホルダーの少なく
とも一部が基体に内包され、かつ熱膨張率が基体材料の
熱膨張率よりも大きい材料で構成された円筒状基体密着
部を有する構造とする。このため、基体設置時には基体
と基体ホルダー間に発塵なしに基体設置可能なだけのク
リアランスを確保しながら、かつ、膜形成時には円筒状
基体密着部を昇温し、基体及び基体ホルダーにこの円筒
状基体密着部を膨張により密着させることで、充分な断
面積を有した経路でこれらを導通させることが可能とな
る。この結果、基体は成膜時に高周波が導入されても常
に所望の電位に維持され、基体に高周波電力が生じ周辺
のプラズマに影響を及ぼすという問題が解消される。こ
のような作用により、形成される感光体の特性のばらつ
きを抑制でき、良品率の向上を達成することができる。
また、本発明は複雑な構造を必要としないため、基体の
径が小さい場合においても何ら問題なく用いることがで
きる。
【0021】本発明は更に、円筒状基体と円筒状基体密
着部及び基体ホルダーにより囲まれた空間を形成し、そ
こヘガスを導入可能とすることで、新たな他の効果をも
得ることができる。a−Si系感光体形成においては、
堆積膜形成時の基体温度が形成される感光体特性に大き
く影響を及ぼす。このため、堆積膜形成時の温度を正確
に、迅速に制御することが重要となる。従来、基体温度
は発熱体、例えばシース状ヒーターの巻き付けヒータ
ー、板状ヒーター、セラミックヒーター等の電気抵抗発
熱体、ハロゲンランプ、赤外線ランプ等の熱放射ランプ
発熱体等により加熱制御される。
【0022】しかしながら、今日、膜堆積速度の向上、
膜特性の向上を達成していく上で、成膜中に基体温度を
所定の値に維持するため、既に述べたように、冷却手段
を必要とする場合も多々生じてきている。基体の冷却制
御はこれまでにも為されているが、その手段は例えば図
4の装置においては、基体ホルダー411を保持する回
転軸408を冷媒により冷却したり、あるいは回転軸4
08の周りに冷却パイプ等の冷却手段を巻き付ける(不
図示)等、間接的に基体405を冷却制御するという手
段がとられていた。このような手段においては、基体4
05とそれを冷却する媒体となるもの(ここでは基体ホ
ルダー411)との間に充分な熱伝導が必要であるが、
円筒状基体を用いた電子写真感光体形成においては、基
体設置の際の摺擦による発塵防止のためにこれらの間で
の接触面を充分に取ること、即ち充分な熱伝導状態を得
ることがが困難であった。また、冷却手段と基体ホルダ
ー間は実質的に真空であるため、この間での熱伝導も充
分でなく基体温度を迅速に制御することが困難であっ
た。更には、円筒状基体の径が小さくなるとこれら冷却
手段を回転軸内、あるいは回転軸周りに設置するのが空
間的制約のために困難であった。
【0023】本発明においては、このような従来困難で
あった基体温度の正確かつ迅速な制御が可能となる。本
発明においては、円筒状基体と円筒状基体密着部及び基
体ホルダーにより囲まれた空間を形成し、そこヘガスを
導入可能とすることで、冷却媒体である導入ガスにより
基体を直接冷却可能である。このため、従来、プラズマ
によって基体が過剰に昇温してしまうような膜形成条件
においても、基体を効率よく常に所望の温度に制御する
ことができる。本発明においては、円筒状基体と円筒状
基体密着部及び基体ホルダーにより囲まれた空間(以
下、冷却空間と称す)は完全な気密状態ではないため、
冷却空間から成膜空間へ若干のガス流出は生じるもの
の、これらの間のコンダクタンスは充分小さくすること
ができるため、冷却に用いるガス種を適宜選択すること
で、膜特性への影響を実質的に回避することができる。
また、成膜空間の圧力を所望の値に維持しながら、冷却
空間の圧力を高めることが可能なため、充分な冷却能力
を得ることができる。また、基体設置時(円筒状基体密
着部を昇温する前)には円筒状基体密着部と基体の間に
クリアランスがあるため、冷却空間内の大気は、成膜空
間を真空排気する際に同時に排気され、膜形成中に大気
が成膜空間に混入し膜特性を低下させるといった問題も
生じない。
【0024】以下、図面を用いて本発明を詳しく説明す
る。図1は本発明に用いることができる円筒状基体密着
部を有した基体ホルダーの一例を断面図により示したも
のである。図1において101は基体ホルダー本体、1
02は基体ホルダーの一部を構成するホルダーキャップ
であり、基体ホルダー本体101から取りはずし可能と
なっている。103は円筒状基体、104は基体ホルダ
ー本体の一部を構成する円筒状基体密着部である。円筒
状基体密着部104は、少なくとも一部が基体材料より
も熱膨張率が大きい材料よりなり、かつ、少なくとも一
部が導電性材料で構成されており基体103と基体ホル
ダー本体101あるいはホルダーキャップ102を電気
的に導通可能である必要がある。基体材料として例えば
アルミニウムを用いる場合、円筒状基体密着部104の
少なくとも一部に、亜鉛、鉛、マグネシウム等の金属、
及び、これらを含有し熱膨張率がアルミニウムよりも大
きくなるよう調整された合金等、熱膨張率がアルミニウ
ムより大きな導電性材料を用いる。また、ポリフッ化エ
チレン等の熱膨張率がアルミニウムより大きな樹脂の一
部を導電処理して用いることもできる。また、基体材料
としてSUS304を用いる場合には、上記材料の他、
アルミニウム、銀、銅、ニッケル等が使用可能である。
このような材料を少なくとも一部に用いることにより、
円筒状基体密着部104は、昇温前はその外径が基体1
03の内径よりも小さく、成膜時の所定の温度において
実質的に等しくなるようその外径を設定する。円筒状基
体密着部104は必ずしも完全な円筒状である必要はな
く、例えば図1(C)(D)に示すように様々な形状が
使用可能であるが、いずれの場合においても円筒状基体
密着部104は基体103及び基体ホルダー本体101
あるいはホルダーキャップ102と充分な接触面積を持
ち、更に、それらの間の導電経路の断面積が小さくなり
すぎないように注意する必要がある。これら接触面積、
断面積の使用可能な具体的数値は一義的に決定されるも
のではなく、膜形成時に使用する高周波の周波数、パワ
ー、あるいはプラズマ密度といった膜形成条件、成膜空
間の大きさ、形状等により適宜決定される。
【0025】また、円筒状基体密着部104の外周部に
は緩衝的役割を持たすための補助材を設置しても良い。
具体的には、Al、Ti、Cr、Fe、Ni、Cu、M
g、等の金属、あるいは、ステンレスなどのこれらの金
属の合金等の導電性材料をスパイラル状に巻いたもの、
網状に編んだもの、多孔状としたものなどが用いられ
る。これら補助材を用いる場合には、上述したように基
体103及び基体ホルダー本体101あるいはホルダー
キャップ102との実質的な接触面積、それらの間の導
電経路の断面積に特に注意する必要がある。また、冷却
空間にガスを導入する場合には冷却空間から外部へのコ
ンダクタンスが極端に大きくならないように注意する。
このような本発明の効果は、成膜空間内に導入される高
周波電力の周波数が50MHz以上450MHz以下の
範囲において特に大きな効果を得ることができる。これ
は、基体−基体ホルダー間のリアクタンスは周波数と共
に増加するため、50MHz以上においては基体−基体
ホルダー間の導通状態がリアクタンスに大きく影響を及
ぼすためと考えられる。また、450MHzよりも周波
数が高くなると、高周波電極より導入された電力が電極
周辺で消費され、基体に及ぼす影響が減少するため、本
発明の効果はそれ以下の周波数において特に顕著に現れ
るのではないかと考えている。
【0026】図6は本発明に用いることができるa―S
i系感光体製造装置の一例を示した概略図である。図6
(A)は概略断面図、図6(B)は図6(A)の切断線
B−B’に沿う概略断面図である。図6において、60
1は反応容器、612は反応容器601の側面に一体的
に形成された排気管、605は円筒状基体、606は成
膜空間、607は発熱体、608は回転軸、609はモ
ータである。円筒状基体605は図1(A)に示した基
体ホルダー611に設置されており、基体ホルダー61
1には円筒状基体密着部614が設けられている。高周
波電源603より供給された高周波電力はマッチングボ
ックス604を経て、高周波電力導入手段602より反
応容器601中へ供給される。613は原料ガス供給手
段であり、所望の原料ガスを反応容器601中へ供給す
る。
【0027】このような本発明を用いたa−Si系感光
体製造装置による堆積膜形成は概略以下のような手順に
より行なうことができる。まず、基体ホルダー611に
円筒状基体605を設置し、反応容器601内の回転軸
608に固定する。次いで、反応容器601内を不図示
の排気装置により排気管612を通して排気する。続い
て、回転軸605を介して円筒状基体605をモータ6
09により所定の速度で回転させながら発熱体607に
より基体ホルダー611を介して円筒状基体605を2
00℃〜300℃程度の所定の温度に加熱・制御する。
この際、基体ホルダー611に設けられた円筒状基体密
着部614も同時に加熱制御される。円筒状基体605
が所定の温度となると、同時に加熱制御された円筒状基
体密着部614は熱膨張により円筒状基体605と密着
し、円筒状基体605と基体ホルダー611の電気的導
通を高める。
【0028】円筒状基体605が所定の温度となったと
ころで、原料ガス供給手段613を介して、原料ガスを
反応容器601内に導入する。原料ガスの流量が設定流
量となり、また、反応容器601内の圧力が安定したの
を確認した後、高周波電源603の出力値を所望の電力
に設定し、マッチングボックス604を介して高周波電
力導入手段602へ高周波電力を供給する。高周波電力
導入手段602より成膜空間に放射された高周波電力に
より、成膜空間においてグロー放電が生起し、原料ガス
は励起解離して円筒状基体605上に堆積膜が形成され
る。所望の膜厚の形成が行なわれた後、高周波電力の供
給を止め、続いて原料ガスの供給を停止して堆積膜の形
成を終える。同様の繰作を複数回繰り返すことによっ
て、所望の多層構造の光受容層が形成される。なお、各
層間においては、上述したように1つの層の形成が終了
した時点で一旦放電を完全に停止し、次層のガス流量、
圧力に設定が変更された後、再度放電を生起して次層の
形成を行なっても良いし、あるいは、1つの層の形成終
了後一定時間でガス流量、圧力、高周波電力を次層の設
定値に徐々に変化させることにより連続的に複数層を形
成しても良い。なお、本発明においては、円筒状基体6
05、及び円筒状基体密着部614の小温に必ずしも発
熱体を用いる必要はなく、例えば、成膜開始前にAr、
He、H2等の非成膜性ガスプラズマを生起し、これに
より昇温しても良い。また、円筒状基体、基体ホルダ
ー、円筒状基体密着部により囲まれた空間にガスを導入
し、そのガスにより基体の迅速・正確な温度制御を行な
いながら、a−Si系感光体の堆積膜形成を行なう場合
には、例えば図9に示す装置を用いて行なうことができ
る。
【0029】図9において(A)は装置の概略図、
(B)は基体ホルダーの構成を説明するための概略図で
ある。図(A)において、901は反応容器、912は
反応容器901の側面に一体的に形成された排気管、9
05は円筒状基体、906は成膜空間、907は発熱
体、909はモータである。円筒状基体905は回転軸
と一体的に構成された基体ホルダー911に設置されて
いる。基体ホルダー911は基体ホルダー本体921と
キャップ922よりなり、各々に円筒状基体密着部91
4が設けられている。基体ホルダー本体921には、ガ
ス導入路926が設けられており、ガス導入孔925を
通して基体−基体ホルダー間へのガス導入が可能となっ
ている。また、基体−基体ホルダー間に導入されたガス
はガス排出路927により排気可能となっている。高周
波電源903より供給された高周波電力はマッチングボ
ックス904を経て、高周波電力導入手段902より反
応容器901中へ供給される。913は原料ガス供給手
段であり、所望の原料ガスを反応容器901中へ供給す
る。
【0030】このような装置を用いてa−Si系感光体
の作製は例えば、概略以下のような手順で行なうことが
できる。回転軸と一体的に構成された基体ホルダー91
1にシリンダー905を設置し、反応容器901内を不
図示の排気装置により排気管912を通して充分に排気
する。この際、不図示の排気装置によりガス排出路92
7、及びガス導入路926も排気する。続いて、円筒状
基体905をモータ909により所定の速度で回転させ
る。同時に、基体ホルダー911に設けられたガス導入
路926より、ガス導入孔925を通して基体−基体ホ
ルダー間へHe、H2、Ar等のガスを導入し、基体−
基体ホルダー間の圧力が所定の値となるよう、ガス排出
路927に接続された不図示の圧力調整手段により調整
する。これらの準備が整ったところで、発熱体907に
より基体ホルダー911を介して円筒状基体905を所
定の温度に加熱・制御する。この際、原料ガス供給手段
913を介して反応容器901中にHe、H2、Ar等
のガスを導入しながら加熱・制御しても良い。
【0031】円筒状基体905、及び円筒状基体密着部
914が所定の温度となり、安定したところで、原料ガ
ス供給手段913を介して、原料ガスを反応容器901
内に導入する。原料ガスの流量が設定流量となり、ま
た、反応容器901内の圧力が安定したのを確認した
後、高周波電源903の出力値を所定の電力に設定し、
マッチングボックス904を介して高周波電力導入手段
902へ高周波電力を供給し、堆積膜の形成を行う。所
望の膜厚の形成が行なわれた後、高周波電力の供給を止
め、続いて原料ガスの供給を停止して堆積膜の形成を終
える。同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望
の多層構造の光受容層が形成される。なお、各層間にお
いては、上述したように1つの層の形成が終了した時点
で一旦放電を完全に停止し、次層のガス流量、圧力に設
定が変更された後、再度放電を生起して次層の形成を行
なっても良いし、あるいは、1つの層の形成終了後一定
時間でガス流量、圧力、高周波電力を次層の設定値に徐
々に変化させることにより連続的に複数層を形成しても
良い。
【0032】このような本発明を用いて作製しうるa−
Si系感光体の層構成は例えば以下のようなものであ
る。図7は、層構成を説明するための模式的構成図であ
る。図7(a)に示す電子写真用感光体700は、支持
体701の上にa−Si:H,Xからなり光導電性を有
する光導電層702が設けられている。図7(b)に示
す電子写真用感光体700は、支持体701の上に、a
−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層70
2と、アモルファスシリコン系表面層703とから構成
されている。図7(c)に示す電子写真用感光体700
は、支持体701の上に、a−Si:H,Xからなり光
導電性を有する光導電層702と、アモルファスシリコ
ン系表面層703と、アモルファスシリコン系電荷注入
阻止層704とから構成されている。図7(d)に示す
電子写真用感光体700は、支持体701の上に、光導
電層702が設けられている。該光導電層702はa−
Si:H,Xからなる電荷発生層705ならびに電荷輸
送層706とからなり、その上にアモルファスシリコン
系表面層703が設けられている。
【0033】感光体の支持体としては、導電性でも電気
絶縁性であってもよい。導電性支持体としては、Al、
Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、P
t、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えば
ステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリ
エチレン、ボリカーボネート、セルロースアセテート、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ
アミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、ガラス、
セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも光受容層
を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いること
ができる。支持体701の形状は平滑表面あるいは凹凸
表面の円筒状または板状無端ベルト状であることがで
き、その厚さは、所望通りの電子写真用感光体700を
形成し得るように適宜決定するが、電子写真用感光体7
00としての可撓性が要求される場合には、支持体70
1としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄
くすることができる。しかしながら、支持体701は製
造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は1
0μm以上とされる。
【0034】光導電層702は支持体701上に、所望
特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件
が設定されて作成される。光導電層702を形成するに
は、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi
供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供
給用の原料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給
し得るX供給用の原料ガスを、内部が減圧にし得る反応
容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグ
ロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置され
てある所定の支持体701上にa−Si:H,Xからな
る層を形成させる。また、光導電層702中に水素原子
または/及びハロゲン原子が含有されることが必要であ
るが、これはシリコン原子の未結合手を補償し、層品質
の向上、特に光導電性および電荷保持特性を向上させる
ために必須不可欠であるからである。よって水素原子ま
たはハロゲン原子の含有量、または水素原子とハロゲン
原子の和の量はシリコン原子と水素原子または/及びハ
ロゲン原子の和に対して10〜40原子%、より好まし
くは15〜25原子%とされるのが望ましい。
【0035】Si供給用ガスとなり得る物質としては、
SiH4、Si2H6、Si3H8、Si4H10等のガス状態
の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効
に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時の取り
扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、Si2
H6が好ましいものとして挙げられる。そして、形成さ
れる光導電層702中に水素原子を構造的に導入し、水
素原子の導入割合の制御をいっそう容易になるように図
り、良好な膜特性を得るために、これらのガスに更にH
2および/またはHeあるいは水素原子を含む珪素化合
物のガスも所望量混合して層形成することも効果的であ
る。また、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複
数種混合しても差し支えないものである。またハロゲン
原子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえばハロ
ゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンをふくむハロゲン間
化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状
のまたはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げら
れる。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを
構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン
原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げる
ことができる。好適に使用し得るハロゲン化合物として
は、具体的には弗素ガス(F2)、BrF、ClF、C
lF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等のハロゲン
間化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を含む珪
素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換されたシラン誘
導体としては、具体的には、たとえばSiF4、Si2F
6等の弗化珪素が好ましいものとして挙げることができ
る。
【0036】光導電層702中に含有される水素原子ま
たは/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば支
持体701の温度、水素原子または/及びハロゲン原子
を含有させるために使用される原料物質の反応容器内へ
導入する量、放電電力等を制御すればよい。光導電層7
02には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させ
ることが好ましい。伝導性を制御する原子は、光導電層
702中に万偏なく均一に分布した状態で含有されても
良いし、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有
している部分があってもよい。前記伝導性を制御する原
子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙
げることができ、p型伝導特性を与える周期律表第IIIb
族に属する原子(以後「第IIIb族原子」と略記する)ま
たはn型伝導特性を与える周期律表第Vb族に属する原
子(以後「第Vb族原子」と略記する)を用いることが
できる。第IIIb族原子としては、具体的には、硼素
(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、イ
ンジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特に
B、Al、Gaが好適である。第Vb族原子としては、
具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(S
b)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適
である。
【0037】光導電層702に含有される伝導性を制御
する原子の含有量としては、好ましくは1×10-2〜1
×104原子ppm、より好ましくは5×10-2〜5×
103原子ppm、最適には1×10-1〜1×103原子
ppmとされるのが望ましい。伝導性を制御する原子、
たとえば、第IIIb族原子あるいは第Vb族原子を構造的
に導入するには、層形成の際に、第IIIb族原子導入用の
原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質をガス
状態で反応容器中に、光導電層702を形成するための
他のガスとともに導入してやればよい。第IIIb族原子導
入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質
となり得るものとしては、常温常圧でガス状のまたは、
少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得るものが採
用されるのが望ましい。そのような第IIIb族原子導入用
の原料物質として具体的には、硼素原子導入用として
は、B2H6、B4H10、B5H9、B5H11、B6H10、B6
H12、B6H14等の水素化硼素、BF3、BCl3、BB
r3等のハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、Al
Cl3、GaCl3、Ga(CH3)3、InCl3、Tl
Cl3等も挙げることができる。第Vb族原子導入用の
原料物質として有効に使用されるのは、燐原子導入用と
しては、PH3、P2H4等の水素化燐、PH4I、PF
3、PF5、PCl3、PCl5、PBr3、PBr5、PI
3等のハロゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3、A
sF3、AsCl3、AsBr3、AsF5、SbH3、S
bF3、SbF5、SbCl3、SbCl5、BiH3、B
iCl3、BiBr3等も第Vb族原子導入用の出発物質
の有効なものとして挙げることができる。また、これら
の伝導性を制御する原子導入用の原料物質を必要に応じ
てH2および/またはHeにより希釈して使用してもよ
い。
【0038】さらに光導電層703に炭素原子及び/ま
たは酸素原子及び/または窒素原子を含有させることも
有効である。炭素原子及び/または酸素原子/及びまた
は窒素原子の含有量はシリコン原子、炭素原子、酸素原
子及び窒素原子の和に対して好ましくは1×10-5〜1
0原子%、より好ましくは1×10-4〜8原子%、最適
には1×10-3〜5原子%が望ましい。炭素原子及び/
または酸素原子及び/または窒素原子は、光導電層中に
万遍なく均一に含有されても良いし、光導電層の層厚方
向に含有量が変化するような不均一な分布をもたせた部
分があっても良い。光導電層702の層厚は所望の電子
写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜
所望にしたがって決定され、好ましくは1〜100μ
m、より好ましくは20〜50μm、最適には23〜4
5μmとされるのが望ましい。所望の膜特性を有する光
導電層702を形成するには、Si供給用のガスと希釈
ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならび
に支持体温度を適宜設定することが必要である。
【0039】希釈ガスとして使用するH2および/また
はHeの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選
択される。反応容器内のガス圧も同様に層設計にしたが
って適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×10
-4〜10Torr、好ましくは5×10-4〜5Tor
r、最適には1×10-3〜1Torrとするのが好まし
い。光導電層を形成するための支持体温度、ガス圧の望
ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条
件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所
望の特性を有する光受容部材を形成すべく相互的且つ有
機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
【0040】上述のようにして支持体701上に形成さ
れた光導電層702の上に、更にアモルファスシリコン
系の表面層703を形成することが好ましい。この表面
層703は主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的
耐圧性、使用環境特性、耐久性向上を主たる目的として
設けられる。表面層703は、アモルファスシリコン系
の材料であればいずれの材質でも可能であるが、例え
ば、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を
含有し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン
(以下「a−SiC:H,X」と表記する)、水素原子
(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に
酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−
SiO:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/
またはハロゲン原子(X)を含有し、更に窒素原子を含
有するアモルファスシリコン(以下「a−SiN:H,
X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲ
ン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原子、窒素
原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン
(以下「a−SiCON:H,X」と表記する)等の材
料が好適に用いられる。
【0041】表面層703は真空堆積膜形成方法によっ
て、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの
数値条件が設定されて作成される。例えば、a−Si
C:H,Xよりなる表面層703を形成するには、基本
的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の
原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原
料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料
ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得るX供
給用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内に所
望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を
生起させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電層
702を形成した支持体701上にa−SiC:H,X
からなる層を形成すればよい。表面層の材質としてはシ
リコンを含有するアモルファス材料なら何れでも良い
が、炭素、窒素、酸素より選ばれた元素を少なくとも1
つ含むシリコン原子との化合物が好ましく、特にa−S
iCを主成分としたものが好ましい。表面層をa−Si
Cを主成分として構成する場合の炭素量は、シリコン原
子と炭素原子の和に対して30%から90%の範囲が好
ましい。また、表面層703中に水素原子または/及び
ハロゲン原子が含有されることが必要であるが、これは
シリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に
光導電性特性および電荷保持特性を向上させるために重
要である。水素含有量は、構成原子の総量に対して通常
の場合30〜70原子%、好適には35〜65原子%、
最適には40〜60原子%とするのが望ましい。また、
弗素原子の含有量として、通常の場合は0.01〜15
原子%、好適には0.1〜10原子%、最適には0.6
〜4原子%とされるのが望ましい。
【0042】表面層の形成において使用されるシリコン
(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、SiH
4、Si2H6、Si3H8、Si4H10等のガス状態の、ま
たはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用
されるものとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易
さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、Si2H6が
好ましいものとして挙げられる。また、これらのSi供
給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、Ne
等のガスにより希釈して使用してもよい。炭素供給用ガ
スとなり得る物質としては、CH4、C2H6、C3H8、
C4H10等のガス状態の、またはガス化し得る炭化水素
が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時
の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でCH4、
C2H6が好ましいものとして挙げられる。また、これら
のC供給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、A
r、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。窒素
または酸素供給用ガスとなり得る物質としては、NH
3、NO、N2O、NO2、O2、CO、CO2、N2等のガ
ス状態の、またはガス化し得る化合物が有効に使用され
るものとして挙げられる。また、これらの窒素、酸素供
給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、Ne
等のガスにより希釈して使用してもよい。また、形成さ
れる表面層703中に導入される水素原子の導入割合の
制御をいっそう容易になるように図るために、これらの
ガスに更に水素ガスまたは水素原子を含む珪素化合物の
ガスも所望量混合して層形成することが好ましい。ま
た、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混
合しても差し支えないものである。
【0043】ハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効
なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲ
ンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシ
ラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化
合物が好ましく挙げられる。また、さらにはシリコン原
子とハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガ
ス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有
効なものとして挙げることができる。本発明に於て好適
に使用し得るハロゲン化合物としては、具体的には弗素
ガス(F2)、BrF、ClF、ClF3、BrF3、B
rF5、IF3、IF7等のハロゲン間化合物を挙げるこ
とができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆる
ハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体
的には、たとえばSiF4、Si2F6等の弗化珪素が好
ましいものとして挙げることができる。表面層703中
に含有される水素原子または/及びハロゲン原子の量を
制御するには、例えば支持体701の温度、水素原子ま
たは/及びハロゲン原子を含有させるために使用される
原料物質の反応容器内へ導入する量、放電電力等を制御
すればよい。炭素原子及び/または酸素原子及び/また
は窒素原子は、表面層中に万遍なく均一に含有されても
良いし、表面層の層厚方向に含有量が変化するような不
均一な分布をもたせた部分があっても良い。さらに表面
層703には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有
させることが好ましい。伝導性を制御する原子は、表面
層703中に万偏なく均一に分布した状態で含有されて
も良いし、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含
有している部分があってもよい。
【0044】前記の伝導性を制御する原子としては、半
導体分野における、いわゆる不純物を挙げることがで
き、p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族に属する原
子(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導
特性を与える周期律表第Vb族に属する原子(以後「第
Vb族原子」と略記する)を用いることができる。第II
Ib族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニ
ウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(I
n)、タリウム(Tl)等があり、特にB、Al、Ga
が好適である。第Vb族原子としては、具体的には燐
(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス
(Bi)等があり、特にP、Asが好適である。表面層
703に含有される伝導性を制御する原子の含有量とし
ては、好ましくは1×10-3〜1×103原子ppm、
より好ましくは1×10-2〜5×102原子ppm、最
適には1×10-1〜1×102原子ppmとされるのが
望ましい。伝導性を制御する原子、たとえば、第IIIb族
原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するには、層
形成の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第
Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中
に、表面層703を形成するための他のガスとともに導
入してやればよい。第IIIb族原子導入用の原料物質ある
いは第Vb族原子導入用の原料物質となり得るものとし
ては、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成条
件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが望まし
い。そのような第IIIb族原子導入用の原料物質として具
体的には、硼素原子導入用としては、B2H6、B4H1
0、B5H9、B5H11、B6H10、B6H12、B6H14等の
水素化硼素、BF3、BCl3、BBr3等のハロゲン化
硼素等が挙げられる。この他、AlCl3、GaCl3、
Ga(CH3)3、InCl3、TlCl3等も挙げること
ができる。第Vb族原子導入用の原料物質として、有効
に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P2
H4等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PCl3、
PCl5、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン化燐が
挙げられる。この他、AsH3、AsF3、AsCl3、A
sBr3、AsF5、SbH3、SbF3、SbF5、Sb
Cl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、BiBr3等
も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なものとして挙
げることができる。また、これらの伝導性を制御する原
子導入用の原料物質を必要に応じてH2、He、Ar、
Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。表面層7
03の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には
0.05〜2μm、最適には0.1〜1μmとされるの
が望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄い
と光受容部材を使用中に摩耗等の理由により表面層が失
われてしまい、3μmを越えると残留電位の増加等の電
子写真特性の低下がみられる。
【0045】表面層703は、その要求される特性が所
望通りに与えられるように注意深く形成される。即ち、
Si、C及び/またはN及び/またはO、H及び/また
はXを構成要素とする物質はその形成条件によって構造
的には結晶からアモルファスまでの形態を取り、電気物
性的には導電性から半導体性、絶縁性までの間の性質
を、又、光導電的性質から非光導電的性質までの間の性
質を各々示すので、本発明においては、目的に応じた所
望の特性を有する化合物が形成される様に、所望に従っ
てその形成条件の選択が厳密になされる。例えば、表面
層703を耐圧性の向上を主な目的として設けるには、
使用環境に於いて電気絶縁性的挙動の顕著な非単結晶材
料として作成される。又、連続繰り返し使用特性や使用
環境特性の向上を主たる目的として表面層703が設け
られる場合には、上記の電気絶縁性の度合はある程度緩
和され、照射される光に対して有る程度の感度を有する
非単結晶材料として形成される。目的を達成し得る特性
を有する表面層703を形成するには、支持体701の
温度、反応容器内のガス圧を所望にしたがって、適宜設
定する必要がある。支持体701の温度(Ts)は、層
設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の
場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは2
30〜330℃、最適には250〜300℃とするのが
望ましい。反応容器内のガス圧も同様に層設計にしたが
って適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好まし
くは1×10-4〜10 Torr、より好ましくは5×1
-4〜5Torr、最適には1×10-3〜1Torrと
するのが好ましい。。
【0046】表面層を形成するための支持体温度、ガス
圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられる
が、条件は通常は独立的に別々に決められるものではな
く、所望の特性を有する光受容部材を形成すべく相互的
且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望まし
い。また表面層703と光導電層702との間に炭素原
子及び/または酸素原子及び/または窒素原子の含有量
が光導電層702に向かって連続的に減少する領域を設
けても良い。これにより表面層と光導電層の密着性を向
上させ、界面での光の反射による干渉の影響をより少な
くすることができると同時に、界面でのキャリアのトラ
ップを防止し、感光体特性向上を達し得る。
【0047】必要に応じて導電性支持体と光導電層との
間に、導電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働き
のある電荷注入阻止層704を設けてもよい。すなわ
ち、電荷注入阻止層704は感光体が一定極性の帯電処
理をその表面に受けた際、支持体側より光導電層側に電
荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯
電処理を受けた際にはそのような機能は発揮されない、
いわゆる極性依存性を有している。そのような機能を付
与するために、電荷注入阻止層704には伝導性を制御
する原子を光導電層に比べ比較的多く含有させる。該層
に含有される伝導性を制御する原子は、該層中に万偏な
く均一に分布されても良いし、あるいは層厚方向には万
偏なく含有されてはいるが、不均一に分布する状態で含
有している部分があってもよい。分布濃度が不均一な場
合には、支持体側に多く分布するように含有させるのが
好適である。しかしながら、いずれの場合にも支持体の
表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏なく
含有されることが面内方向における特性の均一化をはか
る点からも必要である。
【0048】電荷注入阻止層704に含有される伝導性
を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆ
る不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周
期律表第IIIb族に属する原子(以後「第IIIb族原子」と
略記する)またはn型伝導特性を与える周期律表第Vb
族に属する原子(以後「第Vb族原子」と略記する)を
用いることができる。第IIIb族原子としては、具体的に
は、B(ほう素),Al(アルミニウム),Ga(ガリ
ウム),In(インジウム),Ta(タリウム)等があ
り、特にB,Al,Gaが好適である。第Vb族原子と
しては、具体的にはP(リン),As(砒素),Sb
(アンチモン),Bi(ビスマス)等があり、特にP,
Asが好適である。
【0049】電荷注入阻止層704中に含有される伝導
性を制御する原子の含有量としては、所望にしたがって
適宜決定されるが、好ましくは10 〜1×104原子p
pm、より好適には50〜5×103原子ppm、最適
には1×102〜1×103原子ppmとされるのが望ま
しい。さらに、電荷注入阻止層704には、炭素原子、
窒素原子及び酸素原子の少なくとも一種を含有させるこ
とによって、該電荷注入阻止層704に直接接触して設
けられる他の層との間の密着性の向上をよりいっそう図
ることができる。該層に含有される炭素原子または窒素
原子または酸素原子は該層中に万偏なく均一に分布され
ても良いし、あるいは層厚方向には万偏なく含有されて
はいるが、不均一に分布する状態で含有している部分が
あってもよい。しかしながら、いずれの場合にも支持体
の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万偏な
く含有されることが面内方向における特性の均一化をは
かる点からも必要である。電荷注入阻止層704の全層
領域に含有される炭素原子及び/または窒素原子および
/または酸素原子の含有量は、本発明の目的が効果的に
達成されるように適宜決定されるが、一種の場合はその
量として、二種以上の場合はその総和として、好ましく
は1×10-3〜50原子%、より好適には5×10-3
30原子%、最適には1×10-2〜10原子%とされる
のが望ましい。また、電荷注入阻止層704に含有され
る水素原子および/またはハロゲン原子は層内に存在す
る未結合手を補償し膜質の向上に効果を奏する。電荷注
入阻止層704中の水素原子またはハロゲン原子あるい
は水素原子とハロゲン原子の和の含有量は、好適には1
〜50原子%、より好適には5〜40原子%、最適には
10〜30原子%とするのが望ましい。電荷注入阻止層
704の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及
び経済的効果等の点から好ましくは0.1〜5μm、よ
り好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μm
とされるのが望ましい。
【0050】電荷注入阻止層704を形成するには、前
述の光導電層を形成する方法と同様の真空堆積法が採用
される。光導電層702と同様に、Si供給用のガスと
希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力な
らびに支持体701の温度を適宜設定することが必要で
ある。希釈ガスであるH2および/またはHeの流量
は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、
Si供給用ガスに対しH2および/またはHeを、通常
の場合1〜20倍、好ましくは3〜15倍、最適には5
〜10倍の範囲に制御することが望ましい。反応容器内
のガス圧も同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選
択されるが、通常の場合1×10-4〜10Torr、好
ましくは5×10-4〜5Torr、最適には1×10-3
〜1Torrとするのが好ましい。電荷注入阻止層70
4を形成するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電
力、支持体温度の望ましい数値範囲として前記した範囲
が挙げられるが、これらの層作成ファクターは通常は独
立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有
する表面層を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づ
いて各層作成ファクターの最適値を決めるのが望まし
い。支持体701と光導電層702あるいは電荷注入阻
止層704との間の密着性の一層の向上を図る目的で、
例えば、Si3N4、SiO2、SiO、あるいはシリコ
ン原子を母体とし、水素原子及び/またはハロゲン原子
と、炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原
子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を設けても
良い。更に、支持体からの反射光による干渉模様の発生
を防止するための光吸収層を設けても良い。
【0051】以下、実験例により本発明を更に詳しく説
明する。 (実験例1)図6に示す電子写真用感光体の製造装置を
用い、室温(27℃)において外径79.96mm、内
径70.00mm、長さ358mmの円筒状アルミニウ
ムシリンダー605上に、高周波電源603の発振周波
数を13.56MHz、30MHz、50MHz、10
0MHz、450MHz、800MHzとして表1に示
す条件でa−Si系感光体の形成を行なった。基体ホル
ダー611は図1(B)に示す構成とし、亜鉛製で室温
(27℃)における外径69.88mm、長さ50mm
の円筒状基体密着部104を基体ホルダー上部・中央・
下部の3箇所に設置した。また、高周波電力導入手段6
02は同一円周上に配置された円筒状アルミニウムシリ
ンダー605により囲まれた成膜空間606の中央に設
置した。基体ホルダー611に円筒状基体605を設置
し、反応容器601内の回転軸608に固定した後、反
応容器601内を不図示の排気装置により排気管612
を通して充分に排気した。続いて、回転軸605を介し
て円筒状基体605をモータ609により10回転/分
の速度で回転させ、原料ガス供給手段613を介して反
応容器601中にArを500sccm導入し、更に反
応容器601中の圧力を不図示の圧力調整手段により4
00mTorrに調整・維持しながら、発熱体607に
より基体ホルダー611を介して円筒状基体605を3
00℃に加熱・制御した。この際、円筒状基体密着部1
04の温度は303℃であった。
【0052】円筒状基体605、及び円筒状基体密着部
104が所定の温度となったところで、原料ガス供給手
段613を介して、原料ガスを反応容器601内に導入
した。原料ガスの流量が設定流量となり、また、反応容
器601内の圧力が安定したのを確認した後、高周波電
源603の出力値を所定の電力に設定し、マッチングボ
ックス604を介して高周波電力導入手段602へ高周
波電力を供給し、阻止層の形成を行なった。所定の膜厚
の形成が行なわれた後、高周波電力の供給を止め、続い
て原料ガスの供給を停止して阻止層の形成を終えた。同
様の操作を複数回繰り返すことによって、光導電層、表
面層を形成した。膜形成中においても円筒状基体60
5、及び円筒状基体密着部104は発熱体607により
所定の温度に制御・維持した。
【0053】このようにして、各周波数毎にa−Si系
感光体の形成を30回行なった。形成された感光体を本
実験用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6750
に設置し、帯電能、感度、光メモリーの3項目について
評価し、特性のばらつきを調べた。次いで、円筒状基体
密着部104を除去し、同様にして各周波数毎にa−S
i系感光体の形成及び特性ばらつきの評価を行なった。
帯電能、感度、光メモリーの具体的評価方法は以下のよ
うにした。 帯電能・・・複写機の主帯電器に一定の電流を流したと
きの現像器位置での暗部電位を測定する。したがって、
暗部電位が大きいほど帯電能が良好であることを示す。
帯電能測定は感光体母線方向全領域に渡って行ない、そ
の中の最低暗部電位により評価した。 感度・・・現像器位置での暗部電位が一定値となるよう
主帯電器電流を調整した後、原稿に反射濃度0.01以
下の所定の白紙を用い、現像器位置での明部電位が所定
の値となるよう像露光光量を調整した際の像露光光量に
より評価する。したがって、像露光光量が少ないほど感
度が良好であることを示す。感度測定は感光体母線方向
全領域に渡って行ない、その中の最大像露光光量により
評価した。 光メモリー・・・現像器位置における暗部電位が所定の
値となるよう主帯電器の電流値を調整した後、反射濃度
0.01以下の白紙を原稿とした際の明部電位が所定の
値となるよう像露光光量を調整する。この状態でキヤノ
ン製ゴーストチャート(部品番号:FY9−9040)
に反射濃度1.1、直径5mmの黒丸を貼りつけたもの
を原稿台に置き、その上にキヤノン製中間調チャート
(部品番号:FY9−9042)を重ねて置いた際のコ
ピー画像において、中間調コピー上に認められるゴース
トチャートの直径5mmの黒丸の反射濃度と中間調部分
の反射濃度との差を測定することにより行なった。
【0054】上記具体的方法により、全ての感光体を評
価し、その標準偏差により特性ばらつきを評価した。図
8に評価結果を示す。図8より基体ホルダーに円筒状密
着部を設置することで、感光体特性のばらつきが抑制可
能であることが明らかとなった。特に、感光体形成の際
に用いる高周波の周波数が50MHz〜450MHzの
場合には、その効果が顕著に現れることが確認された。
【0055】
【表1】
【0056】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらによりなんら制限されるものではない。 [実施例1]図6に示す電子写真用感光体の製造装置を
用い、室温(27℃)において外径79.96mm、内
径70.00mm、長さ358mmの円筒状アルミニウ
ムシリンダー605上に、高周波電源603の発振周波
数を50MHzとして、表1に示す条件でa−Si系感
光体の作製を10回行なった。基体ホルダー611は図
1(B)に示す構成とし、鉛製で室温(27℃)におけ
る外径69.95mm、長さ50mmの円筒状基体密着
部104を基体ホルダー上部・中央・下部の2箇所に設
置した。高周波電力導入手段602は同一円周上に配置
された円筒状アルミニウムシリンダー605により囲ま
れた成膜空間606の中央に設置した。基体ホルダー6
11にシリンダー605を設置し、反応容器601内の
回転軸608に固定した後、反応容器601内を不図示
の排気装置により排気管612を通して充分に排気し
た。続いて、回転軸605を介して円筒状基体605を
モータ609により10回転/分の速度で回転させ、原
料ガス供給手段613を介して反応容器601中にAr
を500sccm導入し、更に反応容器601中の圧力
を不図示の圧力調整手段により400mTorrに調整
・維持しながら、発熱体607により基体ホルダー61
1を介して円筒状基体605を300℃に加熱・制御し
た。この際、円筒状基体密着部104の温度は303℃
であった。
【0057】円筒状基体605、及び円筒状基体密着部
104が所定の温度となったところで、実験例1と同様
にしてa−Si系感光体を形成した。形成されたa−S
i感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機
NP−6750に設置し、以下に示す具体的評価法によ
り、感光体の特性評価を行なった。 画像欠陥・・・キヤノン製中間調チャート(部品番号:
FY9−9042)を原稿台に置き、コピーしたときに
得られたコピー画像の同一面積内にある直径0.1mm
以上の白点について、その数を数えた。作製された全て
の感光体の平均値で評価した。 帯電能・・・実験例1に示す具体的評価法を用い、全て
の感光体の平均値により評価した。 感度・・・実験例1に示す具体的評価法を用い、全ての
感光体の平均値により評価した。 光メモリー・・・実験例1に示す具体的評価法を用い、
全ての感光体の平均値により評価した。 特性ばらつき・・・「画像欠陥」「帯電能」「感度」
「光メモリー」の4項目各々について標準偏差を求め、
その値により評価した。 評価結果を表2に示す。いずれの項目においても良好な
結果が得られ、また、本実施例により作製された感光体
を用いて得られたコピー画像は画像流れ、濃度むら等も
ない非常に良好なものであった。この結果、本発明によ
り画像欠陥、帯電能、感度、光メモリーを初めとする電
子写真特性に優れたa−Si系感光体が安定して作製さ
れることが確認された。
【0058】(比較例1)比較例1においては、実施例
1で基体ホルダー611上に円筒状基体密着部104を
設けない以外は実施例1と同様にして、室温(27℃)
において外径79.96mm、内径70.00mm、長
さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー605上
に、表1に示す条件でa−Si系感光体の作製を10回
行なった。作製されたa−Si感光体を実施例1に用い
た本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6
750に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価
項目及び具体的評価法は実施例1と同様とした。評価結
果を表2に示す。「帯電能」、「感度」、「光メモリ
ー」、「特性ばらつき」において実施例1との間に明確
な差が認められた。
【0059】
【表2】 [実施例2]実施例2においては、図6に示す電子写真
用感光体の製造装置を用い、室温(27℃)において外
径29.90mm、内径24.00mm、長さ358m
mの円筒状SUS304製シリンダー605上に、高周
波電源603の発振周波数を450MHzとして、表3
に示す条件でa−Si系感光体の作製を10回行なっ
た。基体ホルダー611は図1(C)に示す構成とし、
マグネシウム製で室温(27℃)における外径23.9
3mm、長さ40mmの円筒状基体密着部104を基体
ホルダー上部・下部の2箇所に設置した。円筒状基体密
着部104には幅3mm、長さ20mmのスリットが周
方向に6個、等間隔で設けられ、シリンダー605と基
体ホルダー611間の大気は、このスリットを通しても
排気可能となっている。高周波電力導入手段602は同
一円周上に配置された円筒状SUSシリンダー605に
より囲まれた成膜空間606の中央に設置した。基体ホ
ルダー611にシリンダー605を設置し、反応容器6
01内の回転軸608に固定した後、反応容器601内
を不図示の排気装置により排気管612を通して充分に
排気した。続いて、回転軸605を介して円筒状基体6
05をモータ609により10回転/分の速度で回転さ
せ、原料ガス供給手段613を介して反応容器601中
にArを500sccm導入し、更に反応容器601中
の圧力を不図示の圧力調整手段により400mTorr
に調整・維持しながら、発熱体607により基体ホルダ
ー611を介して円筒状基体605を250℃に加熱・
制御した。この際、円筒状基体密着部104の温度は2
52℃であった。
【0060】円筒状基体605、及び円筒状基体密着部
104が所定の温度となったところで、実験例1と同様
にしてa−Si系感光体を形成した。形成されたa−S
i感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機
NP−6030に設置し、実施例1と同様の具体的評価
法により、感光体の特性評価を行なった。評価結果を表
4に示す。いずれの項目においても良好な結果が得ら
れ、また、本実施例により作製された感光体を用いて得
られたコピー画像は画像流れ、濃度むら等もない非常に
良好なものであった。この結果、本発明により画像欠
陥、帯電能、感度、光メモリーを初めとする電子写真特
性に優れたa−Si系感光体が安定して作製されること
が確認された。
【0061】(比較例2)比較例2においては、実施例
2で基体ホルダー611上に円筒状基体密着部104を
設けない以外は実施例2と同様にして、室温(27℃)
において外径29.90mm、内径24.00mm、長
さ358mmの円筒状SUS304製シリンダー605
上に、表3に示す条件でa−Si系感光体の作製を10
回行なった。作製されたa−Si感光体を実施例1に用
いた本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−
6030に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評
価項目及び具体的評価法は実施例1と同様とした。評価
結果を表4に示す。「帯電能」、「感度」、「光メモリ
ー」、「特性ばらつき」において実施例2との間に明確
な差が認められた。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】 [実施例3]実施例3においては、図9に示す電子写真
用感光体の製造装置を用い、室温(27℃)において外
径79.96mm、内径70.00mm、長さ358m
mの円筒状アルミニウムシリンダー905上に、高周波
電源903の発振周波数を100MHzとして、表5に
示す条件でa−Si系感光体の作製を10回行なった。
図9において(A)は装置の概略図、(B)は基体ホル
ダーの構成を説明するための概略図である。図(A)に
おいて、901は反応容器、912は反応容器901の
側面に一体的に形成された排気管、905は円筒状基
体、906は成膜空間、907は発熱体、909はモー
タである。円筒状基体905は回転軸と一体的に構成さ
れた基体ホルダー911に設置されている。基体ホルダ
ー911は基体ホルダー本体921とキャップ922よ
りなり、各々に円筒状基体密着部914が設けられてい
る。基体ホルダー本体921には、ガス導入路926が
設けられており、ガス導入孔925を通して基体−基体
ホルダー間へのガス導入が可能となっている。また、基
体−基体ホルダー間に導入されたガスはガス排出路92
7により排気可能となっている。高周波電源903より
供給された高周波電力はマッチングボックス904を経
て、高周波電力導入手段902より反応容器901中へ
供給される。913は原料ガス供給手段であり、所望の
原料ガスを反応容器901中へ供給する。円筒状基体密
着部914は亜鉛製で、室温(27℃)における外径6
9.93mm、長さ50mmとした。
【0064】このような装置を用い、感光体の作製は概
略以下のような手順で行なった。回転軸と一体的に構成
された基体ホルダー911にシリンダー905を設置
し、反応容器901内を不図示の排気装置により排気管
912を通して充分に排気した。この際、不図示の排気
装置によりガス排出路927、及びガス導入路926も
排気した。続いて、円筒状基体905をモータ909に
より10回転/分の速度で回転させ、原料ガス供給手段
913を介して反応容器901中にArを500scc
m導入し、更に反応容器901中の圧力を不図示の圧力
調整手段により400mTorrに調整・維持した。同
時に、基体ホルダー911に設けられたガス導入路92
6より、ガス導入孔925を通して基体−基体ホルダー
間へHeを100sccm導入し、基体−基体ホルダー
間の圧力が10Torrとなるよう、ガス排出路927
に接続された不図示の圧力調整手段により調整した。こ
れらの準備が整ったところで、発熱体907により基体
ホルダー911を介して円筒状基体905を280℃に
加熱・制御した。この際、円筒状基体密着部914の温
度は280℃であった。
【0065】円筒状基体905、及び円筒状基体密着部
914が所定の温度となったところで、原料ガス供給手
段913を介して、原料ガスを反応容器901内に導入
した。原料ガスの流量が設定流量となり、また、反応容
器901内の圧力が安定したのを確認した後、高周波電
源903の出力値を所定の電力に設定し、マッチングボ
ックス904を介して高周波電力導入手段902へ高周
波電力を供給し、阻止層の形成を行なった。阻止層形成
開始後、円筒状基体905の温度が280℃となるよう
発熱体907の温度、基体−基体ホルダー間へ導入する
He流量、基体−基体ホルダー間の圧力を調整した。所
定の膜厚の形成が行なわれた後、高周波電力の供給を止
め、続いて原料ガスの供給を停止して阻止層の形成を終
えた。同様の操作を複数回繰り返すことによって、光導
電層、表面層を形成した。各層形成中及び、各層間の非
成膜時においても基体905の温度は常に280℃を維
持するよう、発熱体907の温度、基体−基体ホルダー
間へ導入するHe流量、基体−基体ホルダー間の圧力を
調整した。
【0066】このようにして形成されたa−Si感光体
を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6
750に設置し、実施例1と同様の具体的評価法によ
り、感光体の特性評価を行なった。評価結果を表6に示
す。いずれの項目においても良好な結果が得られ、ま
た、得られたコピー画像はなんら問題のない極めて良好
なものであった。この結果、本発明により、画像欠陥、
帯電能、感度、光メモリーを初めとする電子写真特性に
優れたa−Si系感光体が安定して作製されることが確
認された。
【0067】(比較例3−1)比較例3−1において
は、実施例3の基体ホルダー911に円筒状基体密着部
914を設けず、更にガス導入路926、ガス導入孔9
25、ガス排出路927を除去し、基体−基体ホルダー
間へのガス導入を行なわない以外は実施例3と同様にし
て、室温(27℃)において外径79.96mm、内径
70.00mm、長さ358mmの円筒状アルミニウム
シリンダー905上に、表5に示す条件でa−Si系感
光体の作製を10回行なった。阻止層、光導電層、表面
層の各層において、基体905の温度を280℃に維持
する40ことができず、各々325℃、350℃、29
5℃となってしまった。作製されたa−Si感光体は全
て膜剥れを生じており、評価不能であった。
【0068】(比較例3−2)比較例3−2において
は、図10に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、
室温(27℃)において外径79.96mm、内径7
0.00mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシ
リンダー905上に、高周波電源903の発振周波数を
100MHzとして、表5に示す条件でa−Si系感光
体の作製を10回行なった。図10において(A)は装
置の概略図、(B)は基体ホルダーの構成を説明するた
めの概略図である。図10中において、図9中と同番号
が付されているものは、図9における装置構成と同様で
ある。基体ホルダー1011は基体ホルダー本体102
1とキャップ1022よりなり、基体ホルダー本体10
21には、冷却手段1023が設けられており、冷却用
パイプ内を冷却水が循環可能となっている。
【0069】このような装置を用い、基体905の温度
制御を発熱体907、及び冷却手段1023により行な
う以外は実施例3と同様の手順で感光体の作製を行なっ
た。阻止層、光導電層においては冷却水の水量を変化さ
せても、基体905の温度を280℃に維持することが
できず、各々305℃、330℃となってしまった。作
製されたa−Si感光体の中には部分的に膜剥れを生じ
ているものもあったため、膜剥れが生じていない感光体
のみについて、感光体を実施例3に用いた本テスト用に
改造されたキヤノン製の複写機NP−6750に設置
し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目及び具体
的評価法は実施例1と同様とした。評価結果を表6に示
す。「画像欠陥」、「帯電能」、「感度」、「光メモリ
ー」、「特性ばらつき」において実施例3との間に明確
な差が認められた。
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】 [実施例4]実施例4においては、図6に示す電子写真
用感光体の製造装置において発熱体607が除去された
装置を用い、室温(27℃)において外径79.96m
m、内径70.00mm、長さ358mmの円筒状アル
ミニウムシリンダー605上に、高周波電源603の発
振周波数を200MHzとして、表7に示す条件でa−
Si系感光体の作製を10回行なった。感光体の作製は
概略以下の手順で行なった。基体ホルダー611にシリ
ンダー605を設置し、反応容器601内の回転軸60
8に固定した後、反応容器601内を不図示の排気装置
により排気管612を通して充分に排気した。続いて、
回転軸605を介して円筒状基体605をモータ609
により10回転/分の速度で回転させ、原料ガス供給手
段613を介して反応容器601中に水素を600sc
cm導入し、更に反応容器601中の圧力を不図示の圧
力調整手段により50mTorrに調整・維持しなが
ら、高周波電源903よりマッチングボックス904を
介して高周波電力導入手段902へ高周波電力を供給
し、成膜空間606に水素プラズマを生起し、基体60
5を昇温した。高周波電源903の出力を調整すること
で基体605を290℃に維持した。
【0072】円筒状基体605の温度が安定した後、原
料ガス供給手段613を介して、原料ガスを反応容器6
01内に導入した。原料ガスの流量が設定流量となり、
また、反応容器601内の圧力が安定したのを確認した
後、高周波電源603の出力値を所定の電力に設定し、
マッチングボックス604を介して高周波電力導入手段
602へ高周波電力を供給し、電荷輸送層の形成を行な
った。所定の膜厚の形成が行なわれた後、5分間でガス
流量、圧力、高周波電力を電荷発生層の設定値に徐々に
変化させることにより電荷輪送層と電荷発生層を連続的
に形成した。また、電荷発生層形成終了後、同様にして
電荷発生層と連続的に表面層を形成した。各層形成時の
基体605の温度は各々285℃、285℃、275℃
であった。このようにして形成されたa−Si系感光体
を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6
750に設置し、実施例1と同様の具体的評価法によ
り、感光体の特性評価を行なった。評価結果を表8に示
す。いずれの項目においても良好な結果が得られ、ま
た、得られたコピー画像はなんら問題のない良好なもの
であった。この結果、本発明により、画像欠陥、帯電
能、感度、光メモリーを初めとする電子写真特性に優れ
たa−Si系感光体が安定して作製されることが確認さ
れた。
【0073】
【表7】
【0074】
【表8】
【0075】
【発明の効果】本発明は、以上のように円筒状基体密着
部が該円筒状基体よりも熱膨張率の大きい材料からな
り、かつ、少なくとも該円筒状基体密着部の一部は導電
性材料で構成することにより、少なくとも堆積膜形成時
の昇温による円筒状基体密着部の膨張によって、基体及
び基体ホルダーにこの円筒状基体密着部を密着させ、充
分な断面積を有した経路でこれらを導通させることが可
能となり、高周波−PCVD法を用いたa−Si系感光
体形成において、ロット間での特性ばらつきを抑制する
ことができ、良好な特性を有したa−Si系感光体を高
い良品率で形成可能となる。また、本発明においては、
円筒状基体と前記基体ホルダーとの間に該円筒状基体の
温度を制御するガスを導入するようにすることにより、
広範囲のa−Si系感光体形成条件において基体温度の
正確、迅速な制御が可能となり、特性の低下や膜剥れ等
の弊害がなく、a−Si系感光体の形成時間を短縮する
ことができ、感光体特性の向上を図ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることができる基体ホルダーの一
例を示した模式的な構成図である。
【図2】従来のRF帯の周波数を用いたRFプラズマC
VD法による電子写真用光受容部材の製造装置の一例を
示した模式的な構成図である。
【図3】従来のMW帯の周波数を用いたMWプラズマC
VD法による電子写真用光受容部材の製造装置の一例を
示した模式的な構成図であり、図3(A)は概略断面
図、図3(B)は図3(A)の切断線B−B’に沿う概
略断面図である。
【図4】従来のVHFの周波数を用いたVHFプラズマ
CVD法による電子写真用光受容部材の製造装置の一例
を示した模式的な構成図であり、図4(A)はその概略
断面図、図4(B)は図4(A)の切断線B−B’に沿
う概略断面図である。
【図5】従来の基体ホルダーの一例を示した模式的な構
成図である。
【図6】本発明に用いることができる電子写真用光受容
部材の製造装置の一例を示した模式的な構成図である。
【図7】a−Si系感光体の層構成の一例を示した図で
ある。
【図8】本発明の効果を確認するため行なった実験例の
評価結果を示した図である。
【図9】本発明に用いることができる電子写真用光受容
部材の製造装置の一例を示した模式的な構成図であり、
図9(A)はその概略断面図、図9(B)は図9(A)
の切断線B−B’に沿う概略断面図である。
【図10】本発明に用いることができる電子写真用光受
容部材の製造装置の一例を示した模式的な構成図であ
り、図10(A)はその概略断面図、図10(B)は図
10(A)の切断線B−B’に沿う概略断面図である。
【符号の説明】
101・・・・・・・・・・基体ホルダー本体 102・・・・・・・・・・ホルダーキャップ 103・・・・・・・・・・円筒状基体 104・・・・・・・・・・円筒状基体密着部 2100・・・・・・・・・・堆積装置 2111・・・・・・・・・・反応容器 2112・・・・・・・・・・円筒状基体 2113・・・・・・・・・・支持体加熱用ヒーター 2114・・・・・・・・・・原料ガス導入管 2115・・・・・・・・・・マッチングボックス 2116・・・・・・・・・・原料ガス配管 2117・・・・・・・・・・反応容器リークバルブ 2118・・・・・・・・・・メイン排気バルブ 2119・・・・・・・・・・真空計 2200・・・・・・・・・・原料ガス供給装置 2211〜2216・・・・・・・・・・マスフローコ
ントローラー 2221〜2226・・・・・・・・・・原料ガスボン
ベ 2231〜2236・・・・・・・・・・原料ガスボン
ベバルブ 2241〜2246・・・・・・・・・・ガス流入バル
ブ 2251〜2256・・・・・・・・・・ガス流出バル
ブ 2261〜2266・・・・・・・・・・圧力調整器 301・・・・・・・・・・反応容器 302・・・・・・・・・・誘電体窓 303・・・・・・・・・・導波管 304・・・・・・・・・・排気管 305・・・・・・・・・・円筒状基体 306・・・・・・・・・・成膜空間 307・・・・・・・・・・発熱体 308・・・・・・・・・・回転軸 309・・・・・・・・・・モータ 310・・・・・・・・・・減速ギア 351・・・・・・・・・・原料ガス導入管 401・・・・・・・・・・反応容器 402・・・・・・・・・・高周波電力導入手段 403・・・・・・・・・・高周波電源 404・・・・・・・・・・マッチングボックス 405・・・・・・・・・・円筒状基体 406・・・・・・・・・・成膜空間 407・・・・・・・・・・発熱体 408・・・・・・・・・・回転軸 409・・・・・・・・・・モータ 410・・・・・・・・・・減速ギア 411・・・・・・・・・・補助部材 412・・・・・・・・・・排気管 413・・・・・・・・・・原料ガス供給手段 501・・・・・・・・・・基体ホルダー本体 502・・・・・・・・・・ホルダーキャップ 503・・・・・・・・・・円筒状基体 504・・・・・・・・・・アースばね 601・・・・・・・・・・反応容器 602・・・・・・・・・・高周波電力導入手段 603・・・・・・・・・・高周波電源 604・・・・・・・・・・マッチングボックス 605・・・・・・・・・・円筒状基体 606・・・・・・・・・・成膜空間 607・・・・・・・・・・発熱体 608・・・・・・・・・・回転軸 609・・・・・・・・・・モータ 610・・・・・・・・・・減速ギア 611・・・・・・・・・・基体ホルダー 612・・・・・・・・・・排気管 613・・・・・・・・・・原料ガス供給手段 614・・・・・・・・・・円筒状基体密着部 700・・・・・・・・・・電子写真用感光体 701・・・・・・・・・・支持体 702・・・・・・・・・・光導電層 703・・・・・・・・・・表面層 704・・・・・・・・・・電荷注入阻止層 705・・・・・・・・・・電荷発生層 706・・・・・・・・・・電荷輸送層 901・・・・・・・・・・反応容器 902・・・・・・・・・・高周波電力導入手段 903・・・・・・・・・・高周波電源 904・・・・・・・・・・マッチングボックス 905・・・・・・・・・・円筒状基体 906・・・・・・・・・・成膜空間 907・・・・・・・・・・発熱体 908・・・・・・・・・・回転軸 909・・・・・・・・・・モータ 910・・・・・・・・・・減速ギア 911・・・・・・・・・・基体ホルダー 912・・・・・・・・・・排気管 913・・・・・・・・・・原料ガス供給手段 914・・・・・・・・・・円筒状基体密着部 921・・・・・・・・・・基体ホルダー本体 922・・・・・・・・・・ホルダーキャップ 925・・・・・・・・・・ガス放出孔 926・・・・・・・・・・ガス導入路 927・・・・・・・・・・ガス排出路 1011・・・・・・・・・・基体ホルダー 1021・・・・・・・・・・基体ホルダー本体 1022・・・・・・・・・・ホルダーキャップ 1023・・・・・・・・・・冷却手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 和敬 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 白砂 寿康 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空気密可能な反応容器を備え、該反応容
    器内に原料ガス供給手段より原料ガスを供給し、高周波
    電源より高周波電力を導入して反応容器内にグロー放電
    を生起させ、該反応容器内の基体ホルダーに保持される
    円筒状基体上に堆積膜を形成するプラズマCVD法によ
    る非晶質シリコン系感光体の形成装置において、 前記基体ホルダーは、少なくとも一部が前記円筒状基体
    に内包される円筒状基体密着部を有し、該円筒状基体密
    着部は該円筒状基体よりも熱膨張率の大きい材料からな
    り、かつ、少なくとも該円筒状基体密着部の一部が導電
    性材料で構成され、少なくとも堆積膜形成時において昇
    温により熱膨張する該円筒状基体密着部を介して前記円
    筒状基体と前記基体ホルダーとを電気的に導通可能とし
    たことを特徴とする非晶質シリコン系感光体の形成装
    置。
  2. 【請求項2】前記円筒状基体は、該円筒状基体と該円筒
    状基体の両端を保持する前記基体ホルダーと前記円筒状
    基体密着部とによって囲まれた空間内に、該円筒状基体
    の温度を制御するガス導入手段が設けられていることを
    特徴とする請求項1に記載の非晶質シリコン系感光体の
    形成装置。
  3. 【請求項3】前記非晶質シリコン系感光体形成装置は、
    前記円筒状基体密着部を加熱する手段を有していること
    を特徴とする非晶質シリコン系感光体の形成装置。
  4. 【請求項4】前記高周波電源は、その周波数が50MH
    z以上450MHz以下であることを特徴とする非晶質
    シリコン系感光体の形成装置。
  5. 【請求項5】真空気密可能な反応容器内に原料ガス供給
    手段より原料ガスを供給し、高周波電力を印加して反応
    容器内にグロー放電を生起させ、該反応容器内の基体ホ
    ルダーに保持される円筒状基体上に堆積膜を形成するプ
    ラズマCVD法による非晶質シリコン系感光体の形成方
    法において、 前記基体ホルダーの一部をなし、少なくとも一部が前記
    円筒状基体に内包される円筒状基体密着部を、該円筒状
    基体よりも熱膨張率が大きい材料で形成し、かつ、少な
    くとも該円筒状基体密着部の一部を導電性材料で構成
    し、少なくとも堆積膜形成時において昇温により熱膨張
    する該円筒状基体密着部を介して、該円筒状基体と該基
    体ホルダーとを電気的に導通させながら堆積膜を形成す
    ることを特徴とする非晶質シリコン系感光体の形成方
    法。
  6. 【請求項6】前記堆積膜の形成を、該円筒状基体と前記
    基体ホルダーとの間に該円筒状基体の温度を制御するガ
    スを導入して行うことを特徴とする請求項5に記載の非
    晶質シリコン系感光体の形成方法。
  7. 【請求項7】前記高周波電力は、周波数が50MHz以
    上450MHz以下であることを特徴とする非晶質シリ
    コン系感光体の形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012118469A (ja) * 2010-12-03 2012-06-21 Canon Inc 電子写真感光体の製造方法および堆積膜形成方法
JP2012156287A (ja) * 2011-01-26 2012-08-16 Sumitomo Electric Ind Ltd 気相処理装置

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