JP3630765B2 - 堆積膜の製造装置およびその製造方法 - Google Patents

堆積膜の製造装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は堆積膜、特にプラズマCVD法を用いた電子写真用非晶質シリコン(以下、a―Siと称す)系感光体の製造装置およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真用感光体を形成する光導電材料としては、高感度で、SN比〔光電流(Ip)/暗電流(Id)〕が高く、照射する電磁波のスペクトル特性に適合した吸収スペクトルを有すること、光応答性が早く、所望の暗抵抗値を有すること、使用時において人体に対して無害であること、等の特性が要求される。
特に、事務機としてオフイスで使用される電子写真装置内に組み込まれる電子写真用光受容部材の場合には、上記の使用時における無公害性は重要な点である。このような点に優れた性質を示す光導電材料に水素化アモルファスシリコン(以下、「a−Si:H」と表記する)があり、例えば、特公昭60−35059号公報には電子写真用光受容部材としての応用が記載されている。
上記した従来の電子写真用感光体は、一般的には、導電性支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を形成する。
なかでもプラズマCVD法、すなわち、原料ガスを直流または高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適なものとして実用に付されている。
また、特開昭56−83746号公報においては、導電性支持体と、ハロゲン原子を構成要素として含むa−Si(以下、「a−Si:X」と表記する)光導電層からなる電子写真用感光体が提案されている。
当該公報においては、a−Siにハロゲン原子を1乃至40原子%含有させることにより、耐熱性が高く、電子写真用感光体の光導電層として良好な電気的、光学的特性を得ることができるとしている。
また、特開昭57−115556号公報には、a−Si堆積膜で構成された光導電層を有する光導電部材の、暗抵抗値、光感度、光応答性等の電気的、光学的、光導電的特性及び耐湿性等の使用環境特性、さらには経時的安定性について改善を図るため、シリコン原子を母体としたアモルファス材料で構成された光導電層上に、シリコン原子及び炭素原子を含む非光導電性のアモルファス材料で構成された表面障壁層を設ける技術が記載されている。
更に、特開昭60−67951号公報には、アモルファスシリコン、炭素、酸素及び弗素を含有してなる透光絶縁性オーバーコート層を積層する感光体についての技術が記載され、特開昭62−168161号公報には、表面層として、シリコン原子と炭素原子と41〜70原子%の水素原子を構成要素として含む非晶質材料を用いる技術が記載されている。
一方、特開昭60−95551号公報には、アモルファスシリコン感光体の画像品質向上のために、感光体表面近傍の温度を30乃至40℃に維持して帯電、露光、現像および転写といった画像形成行程を行うことにより、感光体表面での水分の吸着による表面抵抗の低下とそれに伴って発生する画像流れを防止する技術が開示されている。
また、特開昭61−283116号公報には非晶質半導体の形成に適したマイクロ波プラズマCVD法及びその装置が記載されている。特開昭63−149381号公報には、複数の円筒状基体を同心円上に設置し、円筒状基体に囲まれた放電空間にマイクロ波電力を投入することにより、基体上に非晶質膜を形成する技術が記載されている。
これらの技術により、電子写真用a−Si系感光体の電気的、光学的、光導電的特性及び使用環境特性が向上し、それに伴って画像品質も向上してきた。
【0003】
このようなa−Si系感光体の製造装置及び製造方法は概略以下のようなものである。
図7は電源としてRF帯の周波数を用いたRFプラズマCVD法(以後「RF−PCVD」と略記する)による電子写真用光受容部材の製造装置の一例を示す模式的な構成図である。
図7に示す製造装置の構成は以下の通りである。
この装置は大別すると、堆積装置7100、原料ガスの供給装置7200、反応容器7111内を減圧にするための排気装置(図示せず)から構成されている。堆積装置7100中の反応容器7111内には円筒状支持体7112、支持体加熱用ヒーター7113、原料ガス導入管7114が設置され、更に高周波マッチングボックス7115が接続されている。
原料ガス供給装置7200は、SiH4、GeH4、H2、CH4、B2H6、PH3等の原料ガスのボンベ7221〜7226とバルブ7231〜7236,7241〜7246,7251〜7256およびマスフローコントローラー7211〜7216から構成され、各原料ガスのボンベはバルブ7260を介して反応容器7111内のガス導入管7114に接続されている。
この装置を用いた堆積膜の形成は、例えば以下のように行なうことができる。
まず、反応容器7111内に円筒状支持体7112を設置し、不図示の排気装置(例えば真空ポンプ)により反応容器7111内を排気する。続いて、支持体加熱用ヒーター7113により円筒状支持体7112の温度を200℃乃至350℃の所定の温度に制御する。
堆積膜形成用の原料ガスを反応容器7111に流入させるには、ガスボンベのバルブ7231〜7237、反応容器のリークバルブ7117が閉じられていることを確認し、又、流入バルブ7241〜7246、流出バルブ7251〜7256、補助バルブ7260が開かれていることを確認して、まずメインバルブ7118を開いて反応容器7111およびガス配管内7116を排気する。
次に真空計7119の読みが約5×10−6Torrになった時点で補助バルブ7260、流出バルブ7251〜7256を閉じる。
その後、ガスボンベ7221〜7226より各ガスをバルブ7231〜7236を開いて導入し、圧力調整器7261〜7266により各ガス圧を2Kg/cmに調整する。次に、流入バルブ7241〜7246を徐々に開けて、各ガスをマスフローコントローラー7211〜7216内に導入する。
以上のようにして成膜の準備が完了した後、以下の手順で各層の形成を行う。
円筒状支持体7112が所定の温度になったところで流出バルブ7251〜7256のうちの必要なものおよび補助バルブ7260を徐々に開き、ガスボンベ7221〜7226から所定のガスをガス導入管7114を介して反応容器7111内に導入する。次にマスフローコントローラー7211〜7216によって各原料ガスが所定の流量になるように調整する。その際、反応容器7111内の圧力が1Torr以下の所定の圧力になるように真空計7119を見ながらメインバルブ7118の開口を調整する。内圧が安定したところで、周波数13.56MHzのRF電源(不図示)を所望の電力に設定して、高周波マッチングボックス7115を通じて反応容器7111内にRF電力を導入し、グロー放電を生起させる。この放電エネルギーによって反応容器内に導入された原料ガスが分解され、円筒状支持体7112上に所定のシリコンを主成分とする堆積膜が形成されるところとなる。所望の膜厚の形成が行われた後、RF電力の供給を止め、流出バルブを閉じて反応容器へのガスの流入を止め、堆積膜の形成を終える。
同様の操作を複数回繰り返すことによって、所望の多層構造の光受容層が形成される。
それぞれの層を形成する際には必要なガス以外の流出バルブはすべて閉じられていることは言うまでもなく、また、それぞれのガスが反応容器7111内、流出バルブ7251〜7256から反応容器7111に至る配管内に残留することを避けるために、流出バルブ7251〜7256を閉じ、補助バルブ7260を開き、さらにメインバルブ7118を全開にして系内を一旦高真空に排気する操作を必要に応じて行う。
膜形成の均一化を図るために、層形成を行なっている間は、支持体7112を駆動装置(不図示)によって所定の速度で回転させることも有効である。
さらに、上述のガス種およびバルブ操作は各々の層の作成条件にしたがって変更が加えられることは言うまでもない。
一方、複数の感光体を同時に形成でき、生産性の極めて高い図8に示した堆積膜形成装置の開発も積極的に進められている。
図8(a)は概略断面図、図8(b)は図8(a)の切断線B−B’に沿う概略断面図である。反応容器801の側面には排気管804が一体的に形成され、排気管804の他端は不図示の排気装置に接続されている。反応容器801の上面と下面にはそれぞれ導波管803が取り付けられ、各導波管803の他端は不図示のマイクロ波電源に接続されている。各導波管803の反応容器801側の端部にはそれぞれ誘電体窓802が気密封止されている。
反応容器801の中心部を取り囲むように、堆積膜の形成される6この円筒状基体805が互いに平行になるように配置されている。各円筒状基体805は回転軸808によって保持され、発熱体807によって加熱されるようになっている。モータ809を駆動すると、減速ギア810を介して回転軸808が回転し、円筒状基体805がその母線方向中心軸のまわりを自転するようになっている。反応容器801内の円筒状基体805と各誘電体窓802で囲まれた空間があり、この空間が成膜空間806となる。また、隣接する2個の円筒状基体805の間の隙間には、それぞれ原料ガス導入管851が設けられている。原料ガス導入管351は原料ガスを成膜空間806に導入するようになっている。
この装置を用いて電子写真用感光体を作製するときは、まず、反応容器801内を10−7Torr以下まで排気し、ついで、発熱体807により円筒状基体805を所望の温度に加熱保持する。
そして、原料ガス導入管851を介して、原料ガスを反応容器801内に導入する。これと同時並行的に周波数500MHz以上の好ましくは2.45GHzのマイクロ波を導波管803、誘電体窓802を経て反応容器801内に入射させる。その結果、成膜空間806においてグロー放電が生起し、原料ガスは励起解離して円筒状基体805上に推積膜が形成される。
このとき、モータ809を回転させることにより、円筒状基体805の全周にわたって堆積膜を形成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の装置及び方法により、良好なa−Si系感光体が形成されるが、現在では、これらに対してこれまで以上の特性の向上が要求されてきており、それに対応していくため、より一層の技術の向上が必要となっている。具体的には、画像濃度むらの更なる軽減、光メモリーと呼ばれる電子写真画像上の残像現象の低減等が挙げられる。
光メモリーは前回のコピー時に形成された潜像が、次回のコピー時までに完全に消去されず、次回のコピー画像上にかすかに前回のコピー画像が形成されてしまうものである。
このような電子写真画像特性向上のために、a−Si系感光体製造技術、特にa−Si膜形成技術の更なる発展が必要不可欠となっている。
これを実現していく上での現在の課題は主に次の2つに集約される。
1つは画像濃度むらの軽減等に不可欠な大面積成膜時における膜質、及び膜厚の均一化であり、もう1つは光メモリーの低減等に不可欠な膜質の向上である。これらが同時に達成されて初めて感光体の特性向上につながるものである。
【0005】
a−Si膜の膜質向上に関しては、感光体に限らずさまざまな応用を目的として多くの工夫、改善が為され、日々着実にその技術の向上が達せられている。
しかしながら、感光体の“大面積”という特殊性のために、必ずしもこれら技術が有効に作用するものではないというのが現状である。従って、a−Si系感光体製造分野において、大面積に渡る膜質及び膜厚の均一化技術は他のa−Si膜応用分野以上に極めて重要な役割を担うものである。
例えば、a−Si膜形成技術として近年注目を浴びているものの1つにVHF帯の高周波電力を用いたVHFプラズマCVD(以後「VHF−PCVD」と略記する)法がある。VHF−PCVD法は膜堆積速度が速く、また高品質なa−Si膜が得られるため、これを用いた各種製品製造法の開発が意欲的に進められている。しかしながら、このVHF−PCVD法は広範囲にわたって均一なプラズマを得ること、即ち広範囲にわたって均一な膜質、膜厚を得ることが困難であり、このプラズマの均一化という課題の達成なくしてa−Si系感光体製造への導入は実現困難であるという状況にある。逆にいえば、この課題を達成することによりVHF−PCVDに代表される新規a−Si膜作製技術のa−Si系感光体製造技術への導入が可能となり、a−Si系感光体特性の大幅な向上が期待できるものである。
このような状況下で、プラズマCVD法を用いたa−Si系感光体開発においては大面積プラズマ均一化技術の早期向上が強く望まれているものであり、この技術の向上なくして現在における上記要求に応えていくことは困難な状況となっている。
【0006】
そこで、本発明は上記問題を解決し、膜厚、膜質の均一な大面積の成膜が可能な堆積膜の製造装置およびその製造方法、特に、a−Si系感光体における特性向上に不可欠ともいうべき大面積プラズマの均一化を達成し、その特性向上を実現し得る堆積膜の製造装置およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、成膜空間を有する反応容器内に少なくとも原料ガスと高周波電力を導入する手段を有し、前記反応容器内の基体上に堆積膜を形成するプラズマCVD法による堆積膜の製造装置において、前記高周波電力を導入する手段がその高周波電力の供給比率を調整することにより高周波電力を前記成膜空間内に均一に供給する高周波電力供給用電極により構成され、前記高周波電力の供給比率を調整するために、前記高周波電力供給用電極の外部導体と内部導体とからなる同軸構造伝送路の外部導体にスリットが形成された構成を有している。
その高周波電力の供給比率を調整するための手段としては、前記スリットによって調整する構成以外に、前記外部導体の外周に設けた高周波電力放射部の面積、高周波電力放射部と外部導体との距離、内部導体から分岐した高周波電力分割路と外部導体との距離により調整する構成を採用することができる。
また前記内部導体は、外部導体に設けられたスリットを介して外部導体の同一面、またはその外部に部分的に突出するように構成してもよい。
また、本発明においては、外部導体と内部導体との間に原料ガスを導入して電極表面より成膜空間内に供給するように構成すれば一層効果的である。
【0008】
さらに、本発明の堆積膜の製造方法は、成膜空間を有する反応容器内に少なくとも原料ガスと高周波電力を導入する手段を有し、前記反応容器内の基体上に堆積膜を形成するプラズマCVD法による堆積膜の製造方法において、前記高周波電力を導入する手段の高周波電力供給用電極から、前記成膜空間に周波数が20MHz以上450MHz以下のVHF電力を、その供給比率を前記高周波電力供給用電極の外部導体と内部導体とからなる同軸構造伝送路の外部導体に形成したスリットによって調整することにより前記成膜空間内に均一に供給し堆積膜を製造することを特徴としている。
【0009】
【作用】
本発明は、上記のように高周波電力の供給比率を調整することにより、成膜空間へのその供給がきわめて均一になされるものである。
成膜空間への高周波パワーの供給法として、本発明の手段によらず、例えば、棒状電極により行なおうとした場合、一般に高周波電力供給側と非供給側で成膜空間への高周波電力供給密度が大きく異なってしまう点に問題が生じる。
これを解消する手段としてガス流量、圧力、パワー等の成膜条件を最適化することが考えられるが、この場合、パワー供給密度が均一となる条件と膜特性が最良となる条件とが必ずしも一致しないという問題が生じてしまう。
また、他の手段として2本の棒状電極を用い、各々逆方向からパワーを供給するという方法も考えられるが、この場合、高周波電源が2つ必要となるだけでなく、これら2つの電源から供給される高周波電力の位相差によっては、安定したプラズマを得ることが困難であるという問題が生じる。
本発明は上記した構成により大面積プラズマの均一化を達成することができ、それにより装置の大型化、高価格化、プラズマの不安定化を伴うことなく、成膜条件によらず常に大面積における膜質、膜厚の均一化を可能とするものである。
また、本発明においては、周波数20〜450MHzのVHF電力の下でVHF−PCVD法に用いた場合には、VHF−PCVD法の特長である高品質膜の高速堆積を均一な膜厚、膜質を維持しながら達成することができる。
【0010】
以下、図面にもとづいて本発明を説明する。
図1−(1)は本発明に用いることができる高周波電力供給用電極の一例を示したものである。
図1(a)はその概略図、図1(b)は図1(a)における切断線B−B’に沿う概略断面図、また図1(c)は切断線A−A’に沿う概略断面図である。
図において、101は外部導体、102は内部導体、103はスリット、104は前記スリット103が形成されていない電極部(以下、この部分を実施例等において同軸部という)、105は前記スリット103が形成されている電極部(以下、この部分を実施例等において非同軸部という)である。
外部導体101は導電性材料で形成されていても良いし、絶縁性材料の表面に導電性材料をコーティングしても良く、また導電性材料の表面に絶縁性材料をコーティングしても良い。その際のコーテイング部は内面だけでも良いし、外面だけでも良く、あるいは両面行なっても良い。
内部導体102も導電性材料で形成されていても良いし、絶縁材料の表面に導電性材料をコーティングしても良く、また導電性材料の表面に絶縁性材料をコーティングしても良い。また、形状としては筒状であっても良いし、柱状であっても良い。図中には示していないが、外部導体101と内部導体102の間には絶縁材料を部分的あるいは全体的に挿入しても良い。スリット103は外部導体の一部を開口することにより形成される。
形状は特に制限はなく、図中に示したような長方形でも良いし、正方形、円形、楕円形等でも良い。また、これらのスリットは軸方向に長い形状でも良いし、周方向に長い形状でも良い。
スリットの大きさに関しても特に制限はなく、スリットから成膜空間へ所望の高周波電力が供給されるよう適宜調整すれば良いが、スリットが小さくなりすぎると成膜条件によっては反射電力が大きく所望の電力供給ができなくなったり、あるいは外部導体101と内部導体102の間で放電が生起してしまうことがあるので、各成膜条件に適したスリットの大きさを選択する。
スリットの数、配置は各装置、各条件において成膜空間への高周波電力供給が均一になされるように調整されるものであって、スリットの形状、大きさを全て同じにする必要はない。
また、内部導体102は必ずしも全領域において外部導体101内にある必要はなく、図1−(2)に示したように、内部導体102がスリット103を通して部分的に外部導体101より外に突出していても構わないし、外部導体101と同一面まで部分的に突出していても構わない。
内部導体102の一端より供給された高周波電力は、内部導体102と外部導体101で構成される同軸構造伝送路に沿って電極先端方向に伝送される。
途中、スリットが配設された非同軸部105において高周波電力の一部がスリットから成膜空間中に供給される。スリットから成膜空間へ供給される高周波電力の比率はスリットの形状、大きさにより調整することができるが、高周波電力を成膜空間に均一に供給するためのこれら寸法の最適値は生起するプラズマの特性により異なるので一義的に定まるものではなく、用いる成膜条件に応じてこれら寸法を調整する。
また、本発明においては電極の外部導体101と内部導体102の間にガスを流す構成とした場合には以下のような更なる効果を得ることができる。まず、導入するガスがHe、H2等の比較的放電生起しにくいものである場合、前述したような外部導体101と内部導体102の間での放電生起防止が可能となる。また、外部導体101と内部導体102の間で放電が生起しない条件(成膜条件、電極構造)においては、外部導体101と内部導体102の間に原料ガスを導入することができ、これによりガス管が不要となりガス管からの膜剥れによって生じる画像欠陥低減が可能となる。
【0011】
図2は、本発明における高周波電力供給用電極の他の構成例を示したものである。
図2(a)はその概略図、図2(b)は図2(a)における切断線B−B’に沿う概略断面図、また図2(c)は切断線A−A’に沿う概略断面図である。
これは真空気密可能な反応容器内に成膜空間を取り囲むように複数の円筒状基体を配置し、該成膜空間内に少なくとも原料ガスと高周波電力を導入し、成膜空間内にグロー放電を生起することにより前記基体上に堆積膜を形成するプラズマCVD法による非晶質シリコン系感光体製造装置において、該成膜空間内に該高周波電力供給用の電極を有し、該電極の少なくとも一部が2層以上の電力伝送経路を有し、前記高周波電力が該電力伝送経路の最内層より最外層へ伝送され、該最外層より該成膜空間へ供給されるように構成されている。このような構成によっても、先にに説明した構成のものと同様の効果を得ることができる。
以下、図2に基づいてこれを説明する。
図において201は外部電力伝送経路であるところの高周波電力放射部、202は同軸外部導体、203は内部電力伝送経路であるところの同軸内部導体、204は高周波電力分割路である。高周波電力放射部201、同軸外部導体202は導電性材料で形成されていても良いし、絶縁性材料の表面に導電性材料をコーテイングしても良く、また導電性材料の表面に絶縁性材料をコーテイングしても良い。その際のコーテイング部は内面だけでも良いし、外面だけでも良く、あるいは両面行なっても良い。同軸内部導体203、高周波電力分割路204も導電性材料で形成されていても良いし、絶縁材料の表面に導電性材料をコーテイングしても良く、また導電性材料の表面に絶縁性材料をコーテイングしても良い。
また、形状としては筒状であっても良いし、柱状であっても良い。高周波電力放射部201は図に示した円筒状に限られるものではなく、他の形状であっても良い。また、図中には示していないが、同軸外部導体202と同軸内部導体203の間には絶縁材料を部分的あるいは全体的に挿入しても良い。
同軸内部導体203の一端より供給された高周波電力は、同軸内部導体203と同軸外部導体202で構成される同軸構造伝送路に沿って電極先端方向に伝送される。途中、同軸内部導体203から分岐した高周波電力分割路204によりその一部は外部電力伝送経路を兼ねた高周波電力放射部201へ供給され、高周波電力放射部201より成膜空間へと供給される。各高周波電力分割路204に分割される高周波電力の比率は分岐点における高周波電力分割路204側のインピーダンスと同軸内部導体203側のインピーダンスにより決定される。
従って、各高周波電力放射部201への電力供給比率は、各々の高周波電力放射部201の面積、同軸外部導体202との距離、高周波電力分割路204と同軸外部導体202との距離により調整することができるが、高周波電力を成膜空間に均一に供給するためのこれら寸法の最適値は生起するプラズマの特性により異なるので一義的に定まるものではなく、用いる成膜条件に応じてこれら寸法を調整する。
また、本発明においては電極の同軸外部導体202と同軸内部導体203の間にガスを流す構成とした場合には以下のような更なる効果を得ることができる。まず、導入するガスがHe、H2等の比較的放電生起しにくいものである場合、同軸外部導体202と同軸内部導体203の間での異常放電防止の効果を得ることができる。また、同軸外部導体202と同軸内部導体203の間に原料ガスを導入した場合には、ガス管が不要となりガス管からの膜剥れによって生じる画像欠陥低減が可能となる。
【0012】
上記した発明を用いたa−Si系感光体製造装置による堆積膜形成は、概略以下のような手順により行なうことができる。
図3は本発明に用いることができるa−Si系感光体製造装置の一例を示した概略図である。図3において、301は反応容器、302は高周波電極、304は反応容器301の側面に一体的に形成された排気管、305は円筒状基体、306は成膜空間、307は発熱体、308は回転軸、309はモータ、310は減速ギア、311は高周波マッチングボックス、312は高周波電源、351は原料ガス導入管である。
高周波電極302として本発明に用いることができる図1、または図2の構造の電極を用い、まず、反応容器301内を10−7Torr以下まで排気し、ついで、発熱体307により円筒状基体305を所望の温度に加熱保持する。
そして、原料ガス導入管351を介して、原料ガスを反応容器301内に導入する。原料ガスの流量が設定流量となり、また、反応容器301内の圧力が安定したのを確認した後、高周波電源312よリマッチングボックス311を介して高周波電極302へ高周波電力を供給する。高周波電極302より成膜空間306に放射された高周波電力により、成膜空間306においてグロー放電が生起し、原料ガスは励起解離して円筒状基体305上に堆積膜が形成される。
このとき、モータ309を回転させることにより、円筒状基体305の全周にわたって堆積膜を形成することができる。
【0013】
本発明を用いて作製しうるa−Si系感光体の層構成は例えば以下のようなものである。
図9は、層構成を説明するための模式的構成図である。
図9(a)に示す電子写真用感光体900は、支持体901の上にa−Si:H、Xからなり光導電性を有する光導電層902が設けられている。
図9(b)に示す電子写真用感光体900は、支持体901の上に、a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層902と、アモルファスシリコン系表面層903とから構成されている。
図9(c)に示す電子写真用感光体900は、支持体901の上に、a−Si:H,Xからなり光導電性を有する光導電層902と、アモルファスシリコン系表面層903と、アモルファスシリコン系電荷注入阻止層904とから構成されている。
図9(d)に示す電子写真用感光体900は、支持体901の上に、光導電層902が設けられている。該光導電層902はa−Si:H,Xからなる電荷発生層905ならびに電荷輸送層906とからなり、その上にアモルファスシリコン系表面層903が設けられている。
【0014】
本発明における感光体の支持体としては、導電性でも電気絶縁性であってもよい。
導電性支持体としては、Al、Cr、Mo、Au、In、Nb、Te、V、Ti、Pt、Pd、Fe等の金属、およびこれらの合金、例えばステンレス等が挙げられる。また、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフイルムまたはシート、ガラス、セラミック等の電気絶縁性支持体の少なくとも光受容層を形成する側の表面を導電処理した支持体も用いることができる。
支持体901の形状は平滑表面あるいは凹凸表面の円筒状または板状無端ベルト状であることができ、その厚さは、所望通りの電子写真用感光体900を形成し得るように適宜決定するが、電子写真用感光体900としての可撓性が要求される場合には、支持体901としての機能が充分発揮できる範囲内で可能な限り薄くすることができる。しかしながら、支持体901は製造上および取り扱い上、機械的強度等の点から通常は10μm以上とされる。
【0015】
つぎに本発明によって製造される感光体の光導電層について説明する。光導電層902は支持体901上に、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件が設定されて作成される。光導電層902を形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部が減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置されてある所定の支持体901上にa―Si:H,Xからなる層を形成させる。
また、光導電層902中に水素原子または/及びハロゲン原子が含有されることが必要であるが、これはシリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性および電荷保持特性を向上させるために必須不可欠であるからである。よって水素原子またはハロゲン原子の含有量、または水素原子とハロゲン原子の和の量はシリコン原子と水素原子または/及びハロゲン原子の和に対して10〜40原子%、より好ましくは15〜25原子%とされるのが望ましい。
Si供給用ガスとなり得る物質としては、SiH4、Si2H6、Si3H8、Si4H10等のガス状態の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、Si2H6が好ましいものとして挙げられる。
そして、形成される光導電層902中に水素原子を構造的に導入し、水素原子の導入割合の制御をいっそう容易になるように図り、良好な膜特性を得るために、これらのガスに更にH2および/またはHeあるいは水素原子を含む珪素化合物のガスも所望量混合して層形成することも効果的である。また、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても差し支えないものである。
またハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられる。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げることができる。好適に使用し得るハロゲン化合物としては、具体的には弗素ガス(F2)、BrF、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的には、たとえばSiF4、Si2F6等の弗化珪素が好ましいものとして挙げることができる。
光導電層902中に含有される水素原子または/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体901の温度、水素原子または/及びハロゲン原子を含有させるために使用される原料物質の反応容器内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
光導電層902には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性を制御する原子は、光導電層902中に万遍なく均一に分布した状態で含有されても良いし、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
前記伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族に属する原子(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導特性を与える周期律表第Vb族に属する原子(以後「第Vb族原子」と略記する)を用いることができる。第IIIb族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特にB、Al、Gaが好適である。第Vb族原子としては、具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適である。
光導電層902に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、好ましくは1×10−2〜1×10原子ppm、より好ましくは5×10−2〜5×10原子ppm、最適には1×10−1〜1×10原子ppmとされるのが望ましい。伝導性を制御する原子、たとえば、第IIIb族原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するには、層形成の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、光導電層902を形成するための他のガスとともに導入してやればよい。第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質となり得るものとしては、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが望ましい。
そのような第IIIb族原子導入用の原料物質として具体的には、硼素原子導入用としては、B2H6、B4H10、B5H9、B5Hll、B6H10、B6Hl2、B6Hl4等の水素化硼素、BF3、BCl、BBr3等のハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl、GaCl、Ga(CH3)3、InCl、TlCl等も挙げることができる。
第Vb族原子導入用の原料物質として有効に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P2H4等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PCl、PCl、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3、AsF3、AsCl、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、SbF5、SbCl、SbCl、BiH3、BiCl、BiBr3等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なものとして挙げることができる。
また、これらの伝導性を制御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH2および/またはHeにより希釈して使用してもよい。
さらに光導電層903に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子を含有させることも有効である。炭素原子及び/または酸素原子/及びまたは窒素原子の含有量はシリコン原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子の和に対して好ましくは1×10−5〜10原子%、より好ましくは1×10−4〜8原子%、最適には1×10−3〜5原子%が望ましい。炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子は、光導電層中に万遍なく均一に含有されても良いし、光導電層の層厚方向に含有量が変化するような不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
光導電層902の層厚は所望の電子写真特性が得られること及び経済的効果等の点から適宜所望にしたがって決定され、好ましくは1〜100μm、より好ましくは20〜50μm、最適には23〜45μmとされるのが望ましい。
所望の膜特性を有する光導電層902を形成するには、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに支持体温度を適宜設定することが必要である。
希釈ガスとして使用するH2および/またはHeの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択される。反応容器内のガス圧も同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×10−4〜10Torr、好ましくは5×10−4〜5Torr、最適には1×10−3〜lTorrとするのが好ましい。
光導電層を形成するための支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する光受容部材を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
【0016】
つぎに、本発明によって製造される感光体の表面層について説明する。
上述のようにして支持体901上に形成された光導電層902の上に、更にアモルファスシリコン系の表面層903を形成することが好ましい。この表面層903は主に耐湿性、連続繰り返し使用特性、電気的耐圧性、使用環境特性、耐久性向上を主たる目的として設けられる。
表面層903は、アモルファスシリコン系の材料であればいれずの材質でも可能であるが、例えば、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiC:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に酸素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiO:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に窒素原子を含有するアモルファスシリコン(以下「a−SiN:H,X」と表記する)、水素原子(H)及び/またはハロゲン原子(X)を含有し、更に炭素原子、酸素原子、窒素原子の少なくとも一つを含有するアモルファスシリコン(以下「a―SiCON:H,X」と表記する)等の材料が好適に用いられる。
表面層903は真空堆積膜形成方法によって、所望特性が得られるように適宜成膜パラメーターの数値条件が設定されて作成される。
例えば、a−SiC:H,Xよりなる表面層903を形成するには、基本的にはシリコン原子(Si)を供給し得るSi供給用の原料ガスと、炭素原子(C)を供給し得るC供給用の原料ガスと、水素原子(H)を供給し得るH供給用の原料ガスまたは/及びハロゲン原子(X)を供給し得るX供給用の原料ガスを、内部を減圧にし得る反応容器内に所望のガス状態で導入して、該反応容器内にグロー放電を生起させ、あらかじめ所定の位置に設置された光導電層902を形成した支持体901上にa−SiC:H,Xからなる層を形成すればよい。
表面層の材質としてはシリコンを含有するアモルファス材料ならば何れでも良いが、炭素、窒素、酸素より選ばれた元素を少なくとも1つ含むシリコン原子との化合物が好ましく、特にa−SiCを主成分としたものが好ましい。
表面層をa−SiCを主成分として構成する場合の炭素量は、シリコン原子と炭素原子の和に対して30%から90%の範囲が好ましい。
また、表面層903中に水素原子または/及びハロゲン原子が含有されることが必要であるが、これはシリコン原子の未結合手を補償し、層品質の向上、特に光導電性特性および電荷保持特性を向上させるために重要である。水素含有量は、構成原子の総量に対して通常の場合30〜70原子%、好適には35〜65原子%、最適には40〜60原子%とするのが望ましい。また、弗素原子の含有量として、通常の場合は0.01〜15原子%、好適には0.1〜l0原子%、最適には0.6〜4原子%とされるのが望ましい。
表面層の形成において使用されるシリコン(Si)供給用ガスとなり得る物質としては、SiH4、Si2H6、Si3H8、Si4H10等のガス状態の、またはガス化し得る水素化珪素(シラン類)が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でSiH4、Si2H6が好ましいものとして挙げられる。また、これらのSi供給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
炭素供給用ガスとなり得る物質としては、CH4、C2H6、C3H8、C4H10等のガス状態の、またはガス化し得る炭化水素が有効に使用されるものとして挙げられ、更に層作成時の取り扱い易さ、Si供給効率の良さ等の点でCH4、C2H6が好ましいものとして挙げられる。また、これらのC供給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
窒素または酸素供給用ガスとなり得る物質としては、NH3、NO、N2O、NO2、O2、CO、CO2、N2等のガス状態の、またはガス化し得る化合物が有効に使用されるものとして挙げられる。また、これらの窒素、酸素供給用の原料ガスを必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
また、形成される表面層903中に導入される水素原子の導入割合の制御をいっそう容易になるように図るために、これらのガスに更に水素ガスまたは水素原子を含む珪素化合物のガスも所望量混合して層形成することが好ましい。また、各ガスは単独種のみでなく所定の混合比で複数種混合しても差し支えないものである。
ハロゲン原子供給用の原料ガスとして有効なのは、たとえばハロゲンガス、ハロゲン化物、ハロゲンをふくむハロゲン間化合物、ハロゲンで置換されたシラン誘導体等のガス状のまたはガス化し得るハロゲン化合物が好ましく挙げられる。また、さらにはシリコン原子とハロゲン原子とを構成要素とするガス状のまたはガス化し得る、ハロゲン原子を含む水素化珪素化合物も有効なものとして挙げることができる。本発明において好適に使用し得るハロゲン化合物としては、具体的には弗素ガス(F2)、BrF、ClF、ClF3、BrF3、BrF5、IF3、IF7等のハロゲン間化合物を挙げることができる。ハロゲン原子を含む珪素化合物、いわゆるハロゲン原子で置換されたシラン誘導体としては、具体的には、たとえばSiF4、Si2F6等の弗化珪素が好ましいものとして挙げることができる。
表面層903中に含有される水素原子または/及びハロゲン原子の量を制御するには、例えば支持体901の温度、水素原子または/及びハロゲン原子を含有させるために使用される原料物質の反応容器内へ導入する量、放電電力等を制御すればよい。
炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子は、表面層中に万遍なく均一に含有されても良いし、表面層の層厚方向に含有量が変化するような不均一な分布をもたせた部分があっても良い。
さらに表面層903には必要に応じて伝導性を制御する原子を含有させることが好ましい。伝導性を制御する原子は、表面層903中に万遍なく均一に分布した状態で含有されても良いし、あるいは層厚方向には不均一な分布状態で含有している部分があってもよい。
前記の伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族に属する原子(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導特性を与える周期律表第Vb族に属する原子(以後「第Vb族原子」と略記する)を用いることができる。第IIIb族原子としては、具体的には、硼素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、タリウム(Tl)等があり、特にB、Al、Gaが好適である。第Vb族原子としては、具体的には燐(P)、砒素(As)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)等があり、特にP、Asが好適である。
表面層903に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、好ましくは1×10−3〜1×10原子ppm、より好ましくは1×10−2〜5×10原子ppm、最適には1×10−1〜1×10原子ppmとされるのが望ましい。伝導性を制御する原子、たとえば、第IIIb族原子あるいは第Vb族原子を構造的に導入するには、層形成の際に、第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質をガス状態で反応容器中に、表面層903を形成するための他のガスとともに導入してやればよい。第IIIb族原子導入用の原料物質あるいは第Vb族原子導入用の原料物質となり得るものとしては、常温常圧でガス状のまたは、少なくとも層形成条件下で容易にガス化し得るものが採用されるのが望ましい。そのような第IIIb族原子導入用の原料物質として具体的には、硼素原子導入用としては、B2H6、B4H10、B5H9、B5H11、B6H10、B6H12、B6H14等の水素化硼素、BF3、BCl、BBr3等のハロゲン化硼素等が挙げられる。この他、AlCl、GaCl、Ga(CH3)3、InCl、TlCl等も挙げることができる。
第Vb族原子導入用の原料物質として、有効に使用されるのは、燐原子導入用としては、PH3、P2H4等の水素化燐、PH4I、PF3、PF5、PCl、PCl、PBr3、PBr5、PI3等のハロゲン化燐が挙げられる。この他、AsH3、AsF3、AsCl、AsBr3、AsF5、SbH3、SbF3、SbF5、SbCl、SbCl、BiH3、BiCl、BiBr3等も第Vb族原子導入用の出発物質の有効なものとして挙げることができる。
また、これらの伝導性を制御する原子導入用の原料物質を必要に応じてH2、He、Ar、Ne等のガスにより希釈して使用してもよい。
表面層903の層厚としては、通常0.01〜3μm、好適には0.05〜2μm、最適には0.1〜lμmとされるのが望ましいものである。層厚が0.01μmよりも薄いと光受容部材を使用中に摩耗等の理由により表面層が失われてしまい、3μmを越えると残留電位の増加等の電子写真特性の低下がみられる。
表面層904は、その要求される特性が所望通りに与えられるように注意深く形成される。即ち、Si、C及び/またはN及び/またはO、H及び/またはXを構成要素とする物質はその形成条件によって構造的には結晶からアモルファスまでの形態を取り、電気物性的には導電性から半導体性、絶縁性までの間の性質を、又、光導電的性質から非光導電的性質までの間の性質を各々示すので、本発明においては、目的に応じた所望の特性を有する化合物が形成される様に、所望に従ってその形成条件の選択が厳密になされる。
例えば、表面層903を耐圧性の向上を主な目的として設けるには、使用環境において電気絶縁性的挙動の顕著な非単結晶材料として作成される。
又、連続繰り返し使用特性や使用環境特性の向上を主たる目的として表面層903が設けられる場合には、上記の電気絶縁性の度合はある程度緩和され、照射される光に対して有る程度の感度を有する非単結晶材料として形成される。
目的を達成し得る特性を有する表面層903を形成するには、支持体901の温度、反応容器内のガス圧を所望にしたがって、適宜設定する必要がある。
支持体901の温度(Ts)は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは200〜350℃、より好ましくは230〜330℃、最適には250〜300℃とするのが望ましい。
反応容器内のガス圧も同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合、好ましくは1×10−4〜10Torr、より好ましくは5×10−4〜5Torr、最適には1×10−3〜lTorrとするのが好ましい。
表面層を形成するための支持体温度、ガス圧の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、条件は通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する光受容部材を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて最適値を決めるのが望ましい。
また表面層903と光導電層902との間に炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子の含有量が光導電層902に向かって連続的に減少する領域を設けても良い。これにより表面層と光導電層の密着性を向上させ、界面での光の反射による干渉の影響をより少なくすることができると同時に、界面でのキャリアのトラップを防止し、感光体特性向上を達し得る。
【0017】
つぎに、本発明によって製造される感光体の電荷注入阻止層について説明する。
必要に応じて導電性支持体と光導電層との間に、導電性支持体側からの電荷の注入を阻止する働きのある電荷注入阻止層を設けてもよい。すなわち、電荷注入阻止層は感光体が一定極性の帯電処理をその表面に受けた際、支持体側より光導電層側に電荷が注入されるのを阻止する機能を有し、逆の極性の帯電処理を受けた際にはそのような機能は発揮されない、いわゆる極性依存性を有している。そのような機能を付与するために、電荷注入阻止層には伝導性を制御する原子を光導電層に比べ比較的多く含有させる。
該層に含有される伝導性を制御する原子は、該層中に万遍なく均一に分布されても良いし、あるいは層厚方向には万遍なく含有されてはいるが、不均一に分布する状態で含有している部分があってもよい。分布濃度が不均一な場合には、支持体側に多く分布するように含有させるのが好適である。
しかしながら、いずれの場合にも支持体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万遍なく含有されることが面内方向における特性の均一化をはかる点からも必要である。
電荷注入阻止層に含有される伝導性を制御する原子としては、半導体分野における、いわゆる不純物を挙げることができ、p型伝導特性を与える周期律表第IIIb族に属する原子(以後「第IIIb族原子」と略記する)またはn型伝導特性を与える周期律表第Vb族に属する原子(以後「第Vb族原子」と略記する)を用いることができる。
第IIIb族原子としては、具体的には、B(ほう素),Al(アルミニウム),Ga(ガリウム),In(インジウム),Ta(タリウム)等があり、特にB,Al,Gaが好適である。第Vb族原子としては、具体的にはP(リン),As(砒素),Sb(アンチモン),Bi(ビスマス)等があり、特にP,Asが好適である。
電荷注入阻止層中に含有される伝導性を制御する原子の含有量としては、所望にしたがって適宜決定されるが、好ましくは10〜1×10原子ppm、より好適には50〜5×10原子ppm、最適には1×10〜1×10原子ppmとされるのが望ましい。
さらに、電荷注入阻止層には、炭素原子、窒素原子及び酸素原子の少なくとも一種を含有させることによって、該電荷注入阻止層に直接接触して設けられる他の層との間の密着性の向上をよりいっそう図ることができる。
該層に含有される炭素原子または窒素原子または酸素原子は該層中に万遍なく均一に分布されても良いし、あるいは層厚方向には万遍なく含有されてはいるが、不均一に分布する状態で含有している部分があってもよい。しかしながら、いずれの場合にも支持体の表面と平行面内方向においては、均一な分布で万遍なく含有されることが面内方向における特性の均一化をはかる点からも必要である。
電荷注入阻止層の全層領域に含有される炭素原子及び/または窒素原子および/または酸素原子の含有量は、本発明の目的が効果的に達成されるように適宜決定されるが、一種の場合はその量として、二種以上の場合はその総和として、好ましくは1×10−3〜50原子%、より好適には5×10−3〜30原子%、最適には1×10−2〜10原子%とされるのが望ましい。
また、電荷注入阻止層に含有される水素原子および/またはハロゲン原子は層内に存在する未結合手を補償し膜質の向上に効果を奏する。電荷注入阻止層中の水素原子またはハロゲン原子あるいは水素原子とハロゲン原子の和の含有量は、好適には1〜50原子%、より好適には5〜40原子%、最適には10〜30原子%とするのが望ましい。
電荷注入阻止層の層厚は所望の電子写真特性が得られること、及び経済的効果等の点から好ましくは0.1〜5μm、より好ましくは0.3〜4μm、最適には0.5〜3μmとされるのが望ましい。
電荷注入阻止層を形成するには、前述の光導電層を形成する方法と同様の真空堆積法が採用される。光導電層902と同様に、Si供給用のガスと希釈ガスとの混合比、反応容器内のガス圧、放電電力ならびに支持体901の温度を適宜設定することが必要である。
希釈ガスであるH2および/またはHeの流量は、層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、Si供給用ガスに対しH2および/またはHeを、通常の場合1〜20倍、好ましくは3〜15倍、最適には5〜10倍の範囲に制御することが望ましい。
反応容器内のガス圧も同様に層設計にしたがって適宜最適範囲が選択されるが、通常の場合1×10−4〜10Torr、好ましくは5×10−4〜5Torr、最適には1×10−3〜lTorrとするのが好ましい。
電荷注入阻止層を形成するための希釈ガスの混合比、ガス圧、放電電力、支持体温度の望ましい数値範囲として前記した範囲が挙げられるが、これらの層作成ファクターは通常は独立的に別々に決められるものではなく、所望の特性を有する表面層を形成すべく相互的且つ有機的関連性に基づいて各層作成ファクターの最適値を決めるのが望ましい。
支持体901と光導電層902あるいは電荷注入阻止層904との間の密着性の一層の向上を図る目的で、例えば、Si3N4、SiO2、SiO、あるいはシリコン原子を母体とし、水素原子及び/またはハロゲン原子と、炭素原子及び/または酸素原子及び/または窒素原子とを含む非晶質材料等で構成される密着層を設けても良い。更に、支持体からの反射光による干渉模様の発生を防止するための光吸収層を設けても良い。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらにより何等制限されるものではない。
【0019】
[実施例1]
図3に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、高周波電極として図4−(1)に示す構造の電極を用い、直径108mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は450MHzとした。電極の全長は400mm、外部導体101は外径40mm、内径36mmのSUS304製である。内部導体102は外径10mmの円柱状である。また、スリット103は外部導体軸方向に5個、周方向には3こ、合計15個を配置した。スリットの配置位置は図4−(1)中に示した通りであり、a,k=15mm、b,d,f,h,j=50mm、c,e,g,i=30mmである。スリット幅(周方向)は30mmとした。
このような条件で作製されたa−Si感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、以下の具体的評価法により各項目の評価を行なった。
「帯電能」・・・複写機の主帯電器に一定の電流を流したときの現像器位置での暗部電位を測定する。したがって、暗部電位が大きいほど帯電能が良好であることを示す。感光体軸方向測定位置は中央位置とした。
「感度」・・・現像器位置での暗部電位が一定値となるよう主帯電器電流を調整した後、原稿に反射濃度0.01以下の所定の白紙を用い、現像器位置での明部電位が所定の値となるよう像露光光量を調整した際の像露光光量により評価する。したがって、像露光光量が少ないほど感度が良好であることを示す。感光体軸方向測定位置は中央位置とした。
「光メモリー」・・・現像器位置における暗部電位が所定の値となるよう主帯電器の電流値を調整した後、所定の白紙を原稿とした際の明部電位が所定の値となるよう像露光光量を調整する。この状態でキヤノン製ゴーストテストチャート(部品番号:FY9−9040)に反射濃度1.1、直径5mmの黒丸を貼りつけたものを原稿台に置き、その上にキヤノン製中間調チャートを重ねておいた際のコピー画像において、中間調コピー上に認められるゴーストチャートの直径5mmの黒丸の反射濃度と中間調部分の反射濃度との差を測定することにより行なった。
「帯電能・感度むら」・・・帯電能及び感度を上述した方法により、感光体軸方向にlcm間隔で35点測定し、それら測定値の最大値と最小値の差により評価した。
「総合画像特性」・・・画像流れ、ドラム上球状突起に起因する画像欠陥等を含め、コピー画像を総合的に判断した。
評価結果を表2に示す。いずれの項目においても良好な結果が得られ、本発明により特性むらが充分に抑えられた状態で特性が非常に優れたa−Si系感光体が作製されることが確認された。
【0020】
[実施例2]
図3に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、実施例1と同様にして、直径108mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は実施例lと同様に450MHzとした。電極の全長は400mm、外部導体401は外径40mm、内径36mmのSUS304製である。内部導体402は外径10mmの円柱状である。また、スリット403は外部導体軸方向に5個、周方向には3こ、合計15個を配置した。スリットの配置位置は図4−(1)中に示した通りであり、a,c,e,g,i,k=25mm、b=50mm、d=40mm、f=30mm、h=60mm、j=70mmである。スリット幅(周方向)は30mmとした。
このような条件で作製されたa−Si感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例lと同様の具体的評価法により各項目の評価を行なった。
評価結果を表2に示す。いずれの項目においても良好な結果が得られ、本発明により特性むらが極めて均一に抑えられた状態で特性が非常に優れたa―Si系感光体が作製されることが確認された。
【0021】
(比較例1)
高周波電極として、直径40mm、長さ400mmのSUS304製棒状電極を用いる以外は実施例lと同様にして、図3に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、表1に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は実施例1と同様に450MHzとした。
作製されたa−Si感光体を実施例1に用いた本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例1と同様の具体的評価法により各項目の評価を行なった。
評価結果を表2に示す。実施例1、2と比較し、帯電能・感度むらが大きく、またその他の特性も実施例1、2と比べ不十分なものであった。
【0022】
【表1】
Figure 0003630765
【0023】
【表2】
Figure 0003630765
[実施例3]
図3に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、高周波電極として図4−(2)に示す構造の電極を用い、直径108mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表3に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は20MHzとした。電極の全長は400mm、外部導体401は外径20mm、内径16mmのSUS304製である。内部導体402は外径8mmの円柱状であり、各スリット部において図4−(2)に示したような突出部を設けた。突出部はスリット形状よりも各辺6mm小さく、外部導体表面より外部に2mm突出している。スリット403は外部導体軸方向に5個、周方向には3こ、合計15個を配置した。スリットの配置位置は図4−(2)中に示した通りであり、a,c,e,g,i,k=25mm、b,j=60mm、d,h=50mm、f=30mmである。スリット幅(周方向)は15mmとした。
このような条件で作製されたa−Si感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例1と同様の具体的評価法により各項目の評価を行なった。評価結果を表4に示す。いずれの項目においても良好な結果が得られ、本発明により特性むらが極めて均一に抑えられた状態で特性が非常に優れたa−Si系感光体が作製されることが確認された。
【0024】
(比較例2)
高周波電極として、直径20mm、長さ400mmのSUS304製棒状電極を用いる以外は実施例3と同様にして、図3に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、表2に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は実施例3と同様に20MHzとした。作製されたa−Si感光体を実施例2に用いた本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例1と同様の具体的評価法により各項目の評価を行なった。評価結果を表4に示す。実施例3と比較し、特性は不十分なものであり、特に帯電能・感度むらにおいて大きな差異が認められた。
【0025】
【表3】
Figure 0003630765
【0026】
【表4】
Figure 0003630765
[実施例4]
実施例2に用いた電極を改造し、図5に示すようにスリット部に直径1mmの穴を1個/cmの密度で形成したテフロン材を埋め込み、本実施例用の電極とした。図5において(b)は(a)におけるB−B’での断面を示したものであり、501は外部導体、502は内部導体、503は外部導体501に設けられたスリットであり、テフロン材により埋められている。テフロン材には上述したように、1個/cmの密度で直径1mmのガス噴出口506が設けられている。504は同軸部、505は非同軸部を示している。このような電極を図3に示すa−Si系感光体製造装置に設置し、更に図3中に示されている原料ガス導入管351を除去した。代わって図5に示した構造の高周波電極302の内部導体と外部導体の間に原料ガスを導入し、スリット部のテフロン材に設けられたガス噴出口(図5中506)より成膜空間内に原料ガスを導入した。
このような装置構成により、直径108mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表5に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は105MHzとした。電極の全長は400mm、外部導体501は外径40mm、内径36mmのSUS304製であり、内部導体502は外径10mmの円柱状である。また、スリット503は外部導体軸方向に5個、周方向には3こ、合計15個を配置されている。スリットの配置位置、各スリットの寸法は実施例2と同様とした。このような条件で作製されたa−Si感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例1と同様の具体的評価法により各項目の評価を行なった。評価結果を表6に示す。いずれの項目においても良好な結果が得られ、本発明により特性むらが極めて均一に抑えられた状態で特性が非常に優れたa−Si系感光体が作製されることが確認された。また、本実施例において高周波電極と原料ガス導入管を兼用させたことにより、作製された感光体上の球状突起が減少し、画像欠陥が非常に少ない極めて良好な電子写真画像が得られた。
【0027】
(比較例3)
図3に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、高周波電極として直径401mm、長さ400mmのSUS304製棒状電極を用いて実施例4と同様に表5に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は実施例4と同様に105MHzとした。
作製されたa−Si感光体を実施例4に用いた本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例1と同様の具体的評価法により各項目の評価を行った。
評価結果を表6に示す。実施例4と比較し、特性は不十分なものであり、特に帯電能・感度むら、及び感光体上の球状突起に起因する画像欠陥において大きな差異が認められた。
【0028】
【表5】
Figure 0003630765
【0029】
【表6】
Figure 0003630765
[実施例5]
図3に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、高周波電極として図6に示す構造の電極を用い、直径108mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表7に示す条件で電荷輸送層、電荷発生層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は200MHzとした。電極の全長は400mm、外部導体602は外径20mm、内径16mmのSUS304製である。内部導体603は外径8mmの円柱状である。高周波電力放射部601はSUS304製であり、外径30mm、厚さlmmの円筒状である。内部導体603から直径2mmの柱状の高周波電力分割路604が外部導体602に設けられた直径6mmの孔を通じて高周波電力放射部601に接続されている。高周波電力分割路604は各点において、周方向に120度間隔で3本ずつ設けられている。高周波電力分割路604は外部導体軸方向に5個配置されており、各部の寸法はa,k=15mm、b,d,f,h,j=50mm、c,e,g,i=30mmである。
このような条件で作製されたa−Si感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例1と同様の具体的評価法により各項目の評価を行なった。評価結果を表8に示す。いずれの項目においても良好な結果が得られ、本発明により特性むらが充分に抑えられた状態で特性が非常に優れたa−Si系感光体が作製されることが確認された。
【0030】
[実施例6]
図3に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、実施例5と同様にして、直径108mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表7に示す条件で電荷輸送層、電荷発生層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は200MHzとした。電極の全長は400mm、外部導体602は外径20mm、内径16mmのSUS304製である。内部導体603は外径8mmの円柱状である。高周波電力放射部601はSUS304製であり、外径30mm、厚さlmmの円筒状である。内部導体603から直径2mmの柱状の高周波電力分割路604が外部導体602に設けられた直径6mmの孔を通じて高周波電力放射部601に接続されている。高周波電力分割路604は各点において、周方向に120度間隔で3本ずつ設けられている。高周波電力分割路604は外部導体軸方向に5個配置されており、各部の寸法はa,c,e,g,i,k=25mm、b=50mm、d=40mm、f=30mm、h=60mm、j=70mmである。スリット幅(周方向)は30mmとした。
このような条件で作製されたa―Si感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例1と同様の具体的評価法により各項目の評価を行なった。評価結果を表8に示す。いずれの項目においても良好な結果が得られ、本発明により特性むらが極めて均一に抑えられた状態で特性が非常に優れたa−Si系感光体が作製されることが確認された。
【0031】
(比較例4)
高周波電極として、直径20mm、長さ400mmのSUS304製棒状電極を用いる以外は実施例5と同様にして、図3に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、表7に示す条件で電荷輸送層、電荷発生層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は実施例5、6と同様に200MHzとした。
作製されたa−Si感光体を実施例5、6に用いた本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例1と同様の具体的評価法により各項目の評価を行なった。評価結果を表8に示す。実施例5、6と比較し、帯電能・感度むらが大きく、またその他の特性も実施例5、6と比べ不十分なものであった。
【0032】
【表7】
Figure 0003630765
【0033】
【表8】
Figure 0003630765
[実施例7]
図3に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、高周波電極として実施例6と同様に図6に示す構造の電極を用い、直径108mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表9に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は450MHzとした。電極の全長は400mm、外部導体602は外径30mm、内径26mmのSUS304製である。内部導体603は外径15mmの円柱状である。高周波電力放射部601はSUS304製であり、外径40mm、厚さlmmの円筒状である。内部導体603から直径2mmの柱状の高周波電力分割路604が外部導体602に設けられた直径8mmの孔を通じて高周波電力放射部601に接続されている。高周波電力分割路604は各点において、周方向に120度間隔で3本ずつ設けられている。高周波電力分割路604は外部導体軸方向に5個配置されており、各部の寸法はa,c,e,g,i,k=25mm、b=50mm、d=40mm、f=30mm、h=60mm、j=70mmである。スリット幅(周方向)は30mmとした。
このような条件で作製されたa−Si感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例1と同様の具体的評価法により各項目の評価を行なった。評価結果を表10に示す。いずれの項目においても良好な結果が得られ、本発明により特性むらが極めて均一に抑えられた状態で特性が非常に優れたa―Si系感光体が作製されることが確認された。
【0034】
(比較例5)
高周波電極として、直径30mm、長さ400mmのSUS304製棒状電極を用いる以外は実施例7と同様にして、図3に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、表9に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は実施例7と同様に450MHzとした。
作製されたa−Si感光体を実施例7に用いた本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例1と同様の具体的評価法により各項目の評価を行なった。評価結果を表10に示す。実施例7と比較し、特性は不十分なものであり、特に帯電能・感度むらにおいて大きな差異が認められた。
【0035】
【表9】
Figure 0003630765
【0036】
【表10】
Figure 0003630765
[実施例8]
実施例6に用いた電極を外部導体602と内部導体603の間に原料ガスを流せるように改造し、その電極を図3に示すa−Si系感光体製造装置に設置し、更に図3中に示されている原料ガス導入管351を除去した。原料ガスは外部導体602と内部導体603の間を通り、外部導体602に設けられた高周波電力分割路用孔を経、外部導体602と高周波電力放射部601の間を通過した後、成膜空間ヘ供給される。
このような装置構成により、直径108mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表11に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は20MHzとした。このような条件で作製されたa−Si感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例1と同様の具体的評価法により各項目の評価を行なった。評価結果を表12に示す。いずれの項目においても良好な結果が得られ、本発明により特性むらが極めて均一に抑えられた状態で特性が非常に優れたa−Si系感光体が作製されることが確認された。また、本実施例において高周波電極と原料ガス導入管を兼用させたことにより、作製された感光体上の球状突起が減少し、画像欠陥が非常に少ない極めて良好な電子写真画像が得られた。
【0037】
(比較例6)
図3に示す電子写真用感光体の製造装置を用い、高周波電極として直径20mm、長さ400mmのSUS304製棒状電極を用いて実施例4と同様に表11に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は実施例8と同様に20MHzとした。
作製されたa−Si感光体を実施例8に用いた本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例1と同様の具体的評価法により各項目の評価を行なった。評価結果を表12に示す。実施例8と比較し、特性は不十分なものであり、特に帯電能・感度むら、及び感光体上の球状突起に起因する画像欠陥において大きな差異が認められた。
【0038】
【表11】
Figure 0003630765
【0039】
【表12】
Figure 0003630765
[実施例9]
実施例6に用いた電極を外部導体602と内部導体603の間にHeガスを流せるように改造し、その電極を図3に示すa−Si系感光体製造装置に設置した。Heガスは外部導体602と内部導体603の間を通り、外部導体602に設けられた高周波電力分割路用孔を経、外部導体602と高周波電力放射部601の間を通過した後、成膜空間へ供給される。Heガスの流量は1000sccmとした。一方、原料ガスは原料ガス導入管351より成膜空間へ供給される。
このような装置構成により、直径108mm、長さ358mmの円筒状アルミニウムシリンダー上に、表13に示す条件で電荷注入阻止層、光導電層、表面層からなる感光体を作製した。VHF電源312の発振周波数は300MHzとした。
このような条件で作製されたa−Si感光体を本テスト用に改造されたキヤノン製の複写機NP−6060に設置し、感光体の特性の評価を行なった。評価項目は「帯電能」、「感度」、「光メモリー」、「帯電能・感度むら」、「総合画像特性」の5項目とし、実施例1と同様の具体的評価法により各項目の評価を行なった。評価結果を表14に示す。いずれの項目においても良好な結果が得られ、本発明により特性むらが極めて均一に抑えられた状態で特性が非常に優れたa−Si系感光体が作製されることが確認された。
【0040】
【表13】
Figure 0003630765
【0041】
【表14】
Figure 0003630765
【0042】
【発明の効果】
本発明は、以上のように、その高周波電力の供給比率を調整することによって高周波電力を成膜空間内に均一に供給することができ、大面積プラズマの均一化の達成によって、装置の大型化、高価格化、プラズマの不安定化を伴うことなく、成膜条件によらず常に大面積における膜質、膜厚の均一な堆積膜を製造することができる。
特に20〜450MHzのVHF電力を用いてa−Si系感光体を製造する場合には、帯電能、感度等の電気特性及び光メモリー、画像流れ、画像欠陥等の画像特性共に良好で、帯電能むら、感度むらが極めて軽減された良好なa−Si系感光体を製造することができる。
また、本発明に関わる高周波電力供給用電極と原料ガス導入管を兼用させた場合には、より効果的に画像欠陥の抑制を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のa−Si系感光体製造装置に用いることができる高周波電力供給用電極の一例を示した図である。
【図2】本発明のa−Si系感光体製造装置に用いることができる高周波電力供給用電極の一例を示した図である。
【図3】本発明に用いることができるa−Si系感光体製造装置の一例を示した概略図である。
【図4】(1)は本発明の実施例1〜2に、また(2)は本発明の実施例3に用いた高周波電力供給用電極の一例を示した図である。
【図5】本発明の実施例4に用いた高周波電力供給用電極の一例を示した図である。
【図6】本発明の実施例5〜9に用いた高周波電力供給用電極の一例を示した図である。
【図7】従来のRF帯の周波数を用いたRFプラズマCVD法による電子写真用光受容部材の製造装置の一例を示した模式的な構成図である。
【図8】従来のMW帯の周波数を用いたMWプラズマCVD法による電子写真用光受容部材の製造装置の一例を示した模式的な構成図である。
【図9】a−Si系感光体の層構成の一例を示した図である。
【符号の説明】
101、401、501・・・・・・・・・・外部導体
102、402、502・・・・・・・・・・内部導体
103、403、503・・・・・・・・・・スリット
104、504・・・・・・・・・・同軸部
105、505・・・・・・・・・・非同軸部
506・・・・・・・・・ ガス噴出口
201、601・・・・・・・・・・高周波電力放射部
202、602・・・・・・・・・ 外部導体
203、603・・・・・・・・・・内部導体
204、604・・・・・・・・・・高周波電力分割路
301・・・・・・・・・・反応容器
302・・・・・・・・・・VHF電極
304・・・・・・・・・・排気管
305・・・・・・・・・・円筒状基体
306・・・・・・・・・・成膜空間
307・・・・・・・・・・発熱体
308・・・・・・・・・・回転軸
309・・・・・・・・・・モータ
310・・・・・・・・・・減速ギア
311・・・・・・・・・・高周波マッチングボックス
312・・・・・・・・・・高周波電源
351・・・・・・・・・・原料ガス導入管
7100・・・・・・・・・堆積装置
7111・・・・・・・・・・反応容器
7112・・・・・・・・・・円筒状基体
7113・・・・・・・・・・支持体加熱用ヒーター
7114・・・・・・・・・・原料ガス導入管
7115・・・・・・・・・・マッチングボックス
7116・・・・・・・・・・原料ガス配管
7117・・・・・・・・・・反応容器リークバルブ
7118・・・・・・・・・・メイン排気バルブ
7119・・・・・・・・・・真空計
7200・・・・・・・・・・原料ガス供給装置
7211〜7216・・・・・・・・・・マスフローコントローラー
7221〜7226・・・・・・・・・・原料ガスボンベ
7231〜7236・・・・・・・・・・原料ガスボンベバルブ
7241〜7246・・・・・・・・・・ガス流入バルブ
7251〜7256・・・・・・・・・・ガス流出バルブ
7261〜7266・・・・・・・・・・圧力調整器
801・・・・・・・・・・反応容器
802・・・・・・・・・・誘電体窓
803・・・・・・・・・・導波管
804・・・・・・・・・・排気管
805・・・・・・・・・・円筒状基体
806・・・・・・・・・ 成膜空問
807・・・・・・・・・・発熱体
808・・・・・・・・・・回転軸
809・・・・・・・・・・モータ
810・・・・・・・・・・減速ギア
851・・・・・・・・・・原料ガス導入管
900・・・・・・・・・・電子写真用感光体
901・・・・・・・・・・支持体
902・・・・・・・・・・光導電層
903・・・・・・・・・・表面層
904・・・・・・・・・・電荷注入阻止層
905・・・・・・・・・・電荷発生層
906・・・・・・・・・・電荷輸送層

Claims (7)

  1. 成膜空間を有する反応容器内に少なくとも原料ガスと高周波電力を導入する手段を有し、前記反応容器内の基体上に堆積膜を形成するプラズマCVD法による堆積膜の製造装置において、前記高周波電力を導入する手段がその高周波電力の供給比率を調整することにより高周波電力を前記成膜空間内に均一に供給する高周波電力供給用電極により構成され、前記高周波電力の供給比率を調整するために、前記高周波電力供給用電極の外部導体と内部導体とからなる同軸構造伝送路の外部導体にスリットが形成されていることを特徴とする堆積膜の製造装置。
  2. 前記内部導体は、外部導体に設けられたスリットを介して外部導体の同一面またはその外部に部分的に突出していることを特徴とする請求項に記載の堆積膜の製造装置。
  3. 前記高周波電力の供給比率は、前記外部導体の外周に配設され内部導体から分岐した高周波電力分割路により電気的に接続された高周波電力放射部の面積、高周波電力放射部と外部導体との距離、内部導体から分岐した高周波電力分割路と外部導体との距離により調整するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の堆積膜の製造装置。
  4. 前記高周波電力供給用電極は、その外部導体と内部導体との間に原料ガスを導入して電極表面より成膜空間内に供給することを特徴とする請求項〜請求項のいずれか1項に記載の堆積膜の製造装置。
  5. 前記成膜空間が複数の円筒状基体により取り囲まれていることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の堆積膜の製造装置。
  6. 前記高周波電力の周波数が20MHz以上450MHz以下であることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の堆積膜の製造装置。
  7. 成膜空間を有する反応容器内に少なくとも原料ガスと高周波電力を導入する手段を有し、前記反応容器内の基体上に堆積膜を形成するプラズマCVD法による堆積膜の製造方法において、前記高周波電力を導入する手段の高周波電力供給用電極から、前記成膜空間に周波数が20MHz以上450MHz以下のVHF電力を、その供給比率を前記高周波電力供給用電極の外部導体と内部導体とからなる同軸構造伝送路の外部導体に形成したスリットによって調整することにより前記成膜空間内に均一に供給し堆積膜を製造することを特徴とする堆積膜の製造方法。
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