JPH10298732A - 耐火物補修用溶射装置及び耐火物の溶射による補修法 - Google Patents
耐火物補修用溶射装置及び耐火物の溶射による補修法Info
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- JPH10298732A JPH10298732A JP10476397A JP10476397A JPH10298732A JP H10298732 A JPH10298732 A JP H10298732A JP 10476397 A JP10476397 A JP 10476397A JP 10476397 A JP10476397 A JP 10476397A JP H10298732 A JPH10298732 A JP H10298732A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐火物粉体を用いて溶射を行う従来の塩基性
耐火物補修手段では、安全かつ効率的に炉壁補修を行う
ことはできなかった。 【解決手段】 中心部から外方に向けて順に互いに独立
して形成されるとともにそれぞれの先端部に流体噴出口
11a,11b,11c を形成される第1の流路11,第2の流路1
2, 第3の流路13を有する3重管構造のバーナー14と,
第1の流路11に、第1の燃焼用酸素ガスを供給するとと
もに溶射原料粉体25a を切替え自在に供給する第1の供
給系15と,第2の流路12に燃焼用金属粉体26b および溶
射原料粉体26a の混合粉体を燃料ガスとともに供給する
第2の供給系16と,第3の流路13に第2の燃焼用酸素ガ
スを供給する第3の供給系17とを備える塩基性耐火物補
修用溶射装置10である。
耐火物補修手段では、安全かつ効率的に炉壁補修を行う
ことはできなかった。 【解決手段】 中心部から外方に向けて順に互いに独立
して形成されるとともにそれぞれの先端部に流体噴出口
11a,11b,11c を形成される第1の流路11,第2の流路1
2, 第3の流路13を有する3重管構造のバーナー14と,
第1の流路11に、第1の燃焼用酸素ガスを供給するとと
もに溶射原料粉体25a を切替え自在に供給する第1の供
給系15と,第2の流路12に燃焼用金属粉体26b および溶
射原料粉体26a の混合粉体を燃料ガスとともに供給する
第2の供給系16と,第3の流路13に第2の燃焼用酸素ガ
スを供給する第3の供給系17とを備える塩基性耐火物補
修用溶射装置10である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転炉等の窯炉の内
壁面の損傷部分、例えば出湯孔内周面の損傷部分を補修
する耐火物の補修用溶射装置および耐火物の溶射による
補修法に関し、特に耐火物の補修に際して、安全かつ効
率的に高い付着率で溶射皮膜を形成することができる耐
火物溶射用補修装置および耐火物の溶射による補修法に
関する。
壁面の損傷部分、例えば出湯孔内周面の損傷部分を補修
する耐火物の補修用溶射装置および耐火物の溶射による
補修法に関し、特に耐火物の補修に際して、安全かつ効
率的に高い付着率で溶射皮膜を形成することができる耐
火物溶射用補修装置および耐火物の溶射による補修法に
関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼製造プロセスにおいて使用される各
種の加熱炉や反応炉 (例えば転炉,取鍋, タンディッシ
ュ等の製鋼炉) 等の金属精錬容器は、長期間にわたり高
温で連続運転される。そのため、その内面には熱損傷に
よる肉厚減少を生じ、耐久性や寿命が低下する。従来よ
り、この肉厚減少を低減して金属精錬容器の耐久性や寿
命を延長するため、内面に施工する耐火物の材質改善を
行ってきた。しかし、耐火物の材質改善だけに依存して
も、所望の耐久性,寿命を得ることは難しい。
種の加熱炉や反応炉 (例えば転炉,取鍋, タンディッシ
ュ等の製鋼炉) 等の金属精錬容器は、長期間にわたり高
温で連続運転される。そのため、その内面には熱損傷に
よる肉厚減少を生じ、耐久性や寿命が低下する。従来よ
り、この肉厚減少を低減して金属精錬容器の耐久性や寿
命を延長するため、内面に施工する耐火物の材質改善を
行ってきた。しかし、耐火物の材質改善だけに依存して
も、所望の耐久性,寿命を得ることは難しい。
【0003】ところで、不定形耐火物の施工後には補修
層を完全な焼成体とするために長時間の加熱・乾燥を行
う必要がある。ところが、窯炉内壁面の補修は、通常、
出湯後といった操業時間の間隙をぬって行われることか
ら、充分な乾燥時間を確保できないことが多い。そのた
め、補修層は充分な焼成体にならないままで使用される
ことが多く、このような場合には補修層の耐用性が劣化
してしまう。このため、最近では、湿式吹き付け方法に
替えて溶射による方法が盛んに検討されるようになって
きた。
層を完全な焼成体とするために長時間の加熱・乾燥を行
う必要がある。ところが、窯炉内壁面の補修は、通常、
出湯後といった操業時間の間隙をぬって行われることか
ら、充分な乾燥時間を確保できないことが多い。そのた
め、補修層は充分な焼成体にならないままで使用される
ことが多く、このような場合には補修層の耐用性が劣化
してしまう。このため、最近では、湿式吹き付け方法に
替えて溶射による方法が盛んに検討されるようになって
きた。
【0004】火炎溶射方式の従来の技術として、特開昭
60−110362号公報には、燃焼火炎のノズル先端の中心部
に第1の粉体噴出口を設けるとともに第1の粉体噴出口
の周囲に複数の火炎口を環状に設け、さらに、これらの
火炎口群の外周に複数の第2の粉体噴出口を環状に設け
るとともに第2の粉体噴出口の外周に複数の火炎口を環
状に設けて、LPG-O2燃焼火炎を利用する手段が開示され
ている。
60−110362号公報には、燃焼火炎のノズル先端の中心部
に第1の粉体噴出口を設けるとともに第1の粉体噴出口
の周囲に複数の火炎口を環状に設け、さらに、これらの
火炎口群の外周に複数の第2の粉体噴出口を環状に設け
るとともに第2の粉体噴出口の外周に複数の火炎口を環
状に設けて、LPG-O2燃焼火炎を利用する手段が開示され
ている。
【0005】この提案では、充分に長い火炎と溶射原料
粉体とを均一に混合させるために、多孔ノズルから火炎
と溶射原料粉体とを交互に噴出しており、高温長尺の火
炎中において溶射原料粉体を溶融させて壁面に付着させ
る。
粉体とを均一に混合させるために、多孔ノズルから火炎
と溶射原料粉体とを交互に噴出しており、高温長尺の火
炎中において溶射原料粉体を溶融させて壁面に付着させ
る。
【0006】また、特開昭59−59874 号公報には、同軸
流乱流拡散燃焼火炎を形成させるとともに可視火炎長の
1/15〜1/3 の位置に溶射原料粉末を供給しながら溶射を
行うことが開示されている。これは、例えばプラズマ溶
射等においても採用される手段である。
流乱流拡散燃焼火炎を形成させるとともに可視火炎長の
1/15〜1/3 の位置に溶射原料粉末を供給しながら溶射を
行うことが開示されている。これは、例えばプラズマ溶
射等においても採用される手段である。
【0007】これらの提案にかかる手段は、いずれも、
火炎中に粉体を供給することにより火炎の熱により溶射
原料粉体を溶融させる。ここで、火炎中において溶射原
料粉体を溶融させることができるか否かは、火炎温度,
加熱時間(すなわち溶射距離)および溶射原料粉体の粒
径により決定される。火炎溶射の燃焼温度は、超高温
(数万℃)のプラズマ溶射とは異なり、高々2千数百度
程度であり、また溶射距離, 吹き出し速度をそれぞれ現
実的な数10cm, 数10〜100m/secとすると、加熱時間は0.
01〜0.001sec以下となる。このような短時間で粉体を溶
融するには、溶射原料粉体の粒径を0.数mm以下に管理す
る必要がある。
火炎中に粉体を供給することにより火炎の熱により溶射
原料粉体を溶融させる。ここで、火炎中において溶射原
料粉体を溶融させることができるか否かは、火炎温度,
加熱時間(すなわち溶射距離)および溶射原料粉体の粒
径により決定される。火炎溶射の燃焼温度は、超高温
(数万℃)のプラズマ溶射とは異なり、高々2千数百度
程度であり、また溶射距離, 吹き出し速度をそれぞれ現
実的な数10cm, 数10〜100m/secとすると、加熱時間は0.
01〜0.001sec以下となる。このような短時間で粉体を溶
融するには、溶射原料粉体の粒径を0.数mm以下に管理す
る必要がある。
【0008】一方、本出願人は、先に特開平6−71200
号公報により、燃焼用金属粉を含む溶射原料粉体と酸素
ガスとを混合し、衝突壁面での燃焼用金属粉の燃焼熱
(一種のテルミット反応)を利用して溶射を行う手段を
提案した。この手段は、溶射原料粉体と酸素ガスとを混
合したノズルだけにより構成されるため、非常に簡単な
構造である。
号公報により、燃焼用金属粉を含む溶射原料粉体と酸素
ガスとを混合し、衝突壁面での燃焼用金属粉の燃焼熱
(一種のテルミット反応)を利用して溶射を行う手段を
提案した。この手段は、溶射原料粉体と酸素ガスとを混
合したノズルだけにより構成されるため、非常に簡単な
構造である。
【0009】さらに、本発明者らは、先に、特願平8−
4374号により、衝突壁面での燃焼用金属粉の燃焼熱を主
たる熱源とする多重管バーナーを提案した。これは、各
種溶射方式による短所を補うために、多重管からなる同
軸噴流構造の溶射バーナーにより、少量の金属粉を含む
溶射原料粉体を溶射する発明である。
4374号により、衝突壁面での燃焼用金属粉の燃焼熱を主
たる熱源とする多重管バーナーを提案した。これは、各
種溶射方式による短所を補うために、多重管からなる同
軸噴流構造の溶射バーナーにより、少量の金属粉を含む
溶射原料粉体を溶射する発明である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】燃焼火炎溶射方式によ
って溶射原料粉体を溶融させるには、前述したように、
火炎温度,加熱時間の制約がいずれも大きいために粉体
の粒度を所定の範囲に管理する必要がある。そのため、
噴射する溶射原料粉体のコストを上昇させるとともにノ
ズル形状を複雑なものとしてノズル製作コストを上昇さ
せる。
って溶射原料粉体を溶融させるには、前述したように、
火炎温度,加熱時間の制約がいずれも大きいために粉体
の粒度を所定の範囲に管理する必要がある。そのため、
噴射する溶射原料粉体のコストを上昇させるとともにノ
ズル形状を複雑なものとしてノズル製作コストを上昇さ
せる。
【0011】すなわち、特開昭60−110362号公報により
提案された発明では、多孔ノズルの構造が複雑化し、流
路内における粉体詰まりの恐れがある。そのため、小型
化を図ることが難しく、鉄鋼製造プロセスにおいて使用
される各種の加熱炉,反応炉への適用範囲が著しく限定
されてしまうという問題がある。さらに、用いる火炎が
予混合方式であるためにノズル内における逆火のおそれ
もあり、安全性に関しても問題がある。
提案された発明では、多孔ノズルの構造が複雑化し、流
路内における粉体詰まりの恐れがある。そのため、小型
化を図ることが難しく、鉄鋼製造プロセスにおいて使用
される各種の加熱炉,反応炉への適用範囲が著しく限定
されてしまうという問題がある。さらに、用いる火炎が
予混合方式であるためにノズル内における逆火のおそれ
もあり、安全性に関しても問題がある。
【0012】特開平5−112807号公報により提案された
発明では、火炎は予混合方式であるために逆火のおそれ
がある。また、Al粉を熱源とするこの提案は、実用化を
図るには周辺技術の相当な開発が不可欠であり、現時点
での実用性は乏しいといわざるを得ない。
発明では、火炎は予混合方式であるために逆火のおそれ
がある。また、Al粉を熱源とするこの提案は、実用化を
図るには周辺技術の相当な開発が不可欠であり、現時点
での実用性は乏しいといわざるを得ない。
【0013】特開平6−71200 号公報により提案された
発明では、金属粉を燃焼させるために高温の壁面が不可
欠である。そのため、熱間における補修は可能である
が、温間または冷間においては、付着歩留まりが低下す
るという問題がある。さらに、逆火のおそれと大容量化
(小型化困難) という問題もある。
発明では、金属粉を燃焼させるために高温の壁面が不可
欠である。そのため、熱間における補修は可能である
が、温間または冷間においては、付着歩留まりが低下す
るという問題がある。さらに、逆火のおそれと大容量化
(小型化困難) という問題もある。
【0014】さらに、本発明者らが先に特願平8−4374
号により提案した装置によれば、確かに、溶射の安全性
と高効率化とをともに図ることが可能である。しかし、
熱間において、特に補修対象が1000℃以上である塩基性
耐火物基材への施行の際には、溶射原料粉体も塩基性骨
材を主原料とするため、溶射時の積層過程で溶射層が再
溶融して一種の溶融池を形成する。そのため、皮膜厚さ
により、溶射時にスプラッシュとなってしまい、所望の
厚さの溶射皮膜を得ることができないおそれがある。こ
れは、塩基性骨材の液相における粘性がSiO2に比較して
著しく低いためである。
号により提案した装置によれば、確かに、溶射の安全性
と高効率化とをともに図ることが可能である。しかし、
熱間において、特に補修対象が1000℃以上である塩基性
耐火物基材への施行の際には、溶射原料粉体も塩基性骨
材を主原料とするため、溶射時の積層過程で溶射層が再
溶融して一種の溶融池を形成する。そのため、皮膜厚さ
により、溶射時にスプラッシュとなってしまい、所望の
厚さの溶射皮膜を得ることができないおそれがある。こ
れは、塩基性骨材の液相における粘性がSiO2に比較して
著しく低いためである。
【0015】このように、塩基性骨材を主原料とする溶
射原料粉体を用いて溶射を行う従来の塩基性耐火物補修
手段では、そのいずれによっても、安全かつ効率的に炉
壁補修を行うことはできなかったのである。
射原料粉体を用いて溶射を行う従来の塩基性耐火物補修
手段では、そのいずれによっても、安全かつ効率的に炉
壁補修を行うことはできなかったのである。
【0016】ここに、本発明の目的は、従来の技術が有
する上記の課題を解決することができる塩基性耐火物補
修用溶射装置および塩基性耐火物の溶射による補修法を
提供することである。
する上記の課題を解決することができる塩基性耐火物補
修用溶射装置および塩基性耐火物の溶射による補修法を
提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、火炎溶射
による塩基性耐火物の補修に際しては、粉体投入状況を
左右するノズル形状の選択が極めて重要であるとの基本
認識に立ち、様々な形式のバーナーについて詳細な検討
を行った結果、3重管構造のバーナーを用いて、高融点
ながらも低粘性の塩基性材料の溶射層表面に、塩基性骨
材を主原料とする溶射原料粉体の粒子を吹き付けて固化
させることにより、効率的かつ安全に溶射を行うことが
でき、これにより、上記課題を解決することができるこ
とを知見して、本発明を完成した。
による塩基性耐火物の補修に際しては、粉体投入状況を
左右するノズル形状の選択が極めて重要であるとの基本
認識に立ち、様々な形式のバーナーについて詳細な検討
を行った結果、3重管構造のバーナーを用いて、高融点
ながらも低粘性の塩基性材料の溶射層表面に、塩基性骨
材を主原料とする溶射原料粉体の粒子を吹き付けて固化
させることにより、効率的かつ安全に溶射を行うことが
でき、これにより、上記課題を解決することができるこ
とを知見して、本発明を完成した。
【0018】ここに、本発明の要旨とするところは、中
心部から外方に向けて順に互いに独立して形成されると
ともにそれぞれの先端部に流体噴出口を形成される第1
の流路,第2の流路および第3の流路を有するバーナー
と,第1の流路に、骨材を主原料とする溶射原料粉体を
供給および非供給の切替え自在に、第1の燃焼用酸素ガ
スとともに供給する第1の供給系と,第2の流路に燃焼
用金属粉体と溶射原料粉体との混合粉体を燃料ガスとと
もに供給する第2の供給系と,第3の流路に第2の燃焼
用酸素ガスを供給する第3の供給系とを備えることを特
徴とする耐火物補修用溶射装置である。
心部から外方に向けて順に互いに独立して形成されると
ともにそれぞれの先端部に流体噴出口を形成される第1
の流路,第2の流路および第3の流路を有するバーナー
と,第1の流路に、骨材を主原料とする溶射原料粉体を
供給および非供給の切替え自在に、第1の燃焼用酸素ガ
スとともに供給する第1の供給系と,第2の流路に燃焼
用金属粉体と溶射原料粉体との混合粉体を燃料ガスとと
もに供給する第2の供給系と,第3の流路に第2の燃焼
用酸素ガスを供給する第3の供給系とを備えることを特
徴とする耐火物補修用溶射装置である。
【0019】また、本発明は、別の観点からは、窯炉の
内壁面の補修部に向けて、第1の燃焼用酸素ガスを噴出
するとともに第1の燃焼用酸素ガスの外部に燃焼用金属
粉体と骨材を主原料とする溶射原料粉体との混合粉体を
燃料ガスとともに噴出し、さらに混合粉体の外部に第2
の燃焼用酸素ガスを噴出することによる、耐火物の溶射
による補修法であって、溶射による皮膜厚さがスプラッ
シュ発生限界値に接近または一致した時に、第1の燃焼
用酸素ガスに溶射原料粉体を含有させることを特徴とす
る耐火物の溶射による補修法である。上記の本発明にか
かる耐火物の溶射による補修法では、第1の燃焼用酸素
ガスの噴出速度が、混合粉体の噴出速度よりも、50m/se
c 以上高いことが、望ましい。
内壁面の補修部に向けて、第1の燃焼用酸素ガスを噴出
するとともに第1の燃焼用酸素ガスの外部に燃焼用金属
粉体と骨材を主原料とする溶射原料粉体との混合粉体を
燃料ガスとともに噴出し、さらに混合粉体の外部に第2
の燃焼用酸素ガスを噴出することによる、耐火物の溶射
による補修法であって、溶射による皮膜厚さがスプラッ
シュ発生限界値に接近または一致した時に、第1の燃焼
用酸素ガスに溶射原料粉体を含有させることを特徴とす
る耐火物の溶射による補修法である。上記の本発明にか
かる耐火物の溶射による補修法では、第1の燃焼用酸素
ガスの噴出速度が、混合粉体の噴出速度よりも、50m/se
c 以上高いことが、望ましい。
【0020】すなわち、本発明にかかる耐火物補修用溶
射装置、および耐火物の溶射による補修法は、基本的に
前述したテルミット反応熱を利用する。一般的に、テル
ミット反応を行うには、金属粉を燃焼させるための充分
な温度と純度の高い酸素ガスの供給とが不可欠である。
しかし、金属粉を含む溶射原料粉体と燃焼用酸素ガスと
をバーナー内で予め混合させてから噴出する必要がある
のではなく、被溶射物である炉内壁面において最適な状
態に混合されていればよい。
射装置、および耐火物の溶射による補修法は、基本的に
前述したテルミット反応熱を利用する。一般的に、テル
ミット反応を行うには、金属粉を燃焼させるための充分
な温度と純度の高い酸素ガスの供給とが不可欠である。
しかし、金属粉を含む溶射原料粉体と燃焼用酸素ガスと
をバーナー内で予め混合させてから噴出する必要がある
のではなく、被溶射物である炉内壁面において最適な状
態に混合されていればよい。
【0021】本発明にかかる耐火物補修用溶射装置、お
よび耐火物の溶射による補修法は、このような基礎的認
識に立脚して、金属粉を含む溶射原料粉体と燃焼用酸素
ガスとの混合方式を種々検討した結果、三重管を用いて
同軸噴流を行うことにより、燃焼用酸素ガスと金属粉を
含む溶射原料粉体(混合粉体)との混合はノズルからの
噴出後に行い、さらに、噴出されたこの混合粉体中に火
炎を形成することにより、緻密な溶射皮膜を効率的に得
られるようにしている。
よび耐火物の溶射による補修法は、このような基礎的認
識に立脚して、金属粉を含む溶射原料粉体と燃焼用酸素
ガスとの混合方式を種々検討した結果、三重管を用いて
同軸噴流を行うことにより、燃焼用酸素ガスと金属粉を
含む溶射原料粉体(混合粉体)との混合はノズルからの
噴出後に行い、さらに、噴出されたこの混合粉体中に火
炎を形成することにより、緻密な溶射皮膜を効率的に得
られるようにしている。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる塩基性耐火
物補修用溶射装置、および塩基性耐火物の溶射による補
修法の実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明
する。
物補修用溶射装置、および塩基性耐火物の溶射による補
修法の実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明
する。
【0023】図1は、本実施形態の塩基性耐火物補修用
溶射装置10の説明図であって、図1(a) は縦断面図, 図
1(b) は塩基性耐火物補修用溶射装置10を構成するバー
ナー14の先端を示す正面図, 図1(c) は図1(a) におけ
るA部の拡大縦断面図である。また、図2は、バーナー
14の先端を透視状態で示す斜視図であり、図3は本実施
形態の塩基性耐火物補修用溶射装置10の全体構成を模式
的に示す説明図である。
溶射装置10の説明図であって、図1(a) は縦断面図, 図
1(b) は塩基性耐火物補修用溶射装置10を構成するバー
ナー14の先端を示す正面図, 図1(c) は図1(a) におけ
るA部の拡大縦断面図である。また、図2は、バーナー
14の先端を透視状態で示す斜視図であり、図3は本実施
形態の塩基性耐火物補修用溶射装置10の全体構成を模式
的に示す説明図である。
【0024】本実施形態の塩基性耐火物補修用溶射装置
10は、第1の流路11, 第2の流路12および第3の流路13
を有する3重管構造のバーナー14と、第1の流路11に溶
射原料粉体25a を供給−非供給の切替え自在に、第1の
燃焼用酸素ガスとともに供給する第1の供給系15と、第
2の流路12に燃焼用金属粉体26b および溶射原料粉体26
a を燃料ガスとともに供給する第2の供給系16と、第3
の流路13に燃焼用酸素ガスを供給する第3の供給系17と
を備える。
10は、第1の流路11, 第2の流路12および第3の流路13
を有する3重管構造のバーナー14と、第1の流路11に溶
射原料粉体25a を供給−非供給の切替え自在に、第1の
燃焼用酸素ガスとともに供給する第1の供給系15と、第
2の流路12に燃焼用金属粉体26b および溶射原料粉体26
a を燃料ガスとともに供給する第2の供給系16と、第3
の流路13に燃焼用酸素ガスを供給する第3の供給系17と
を備える。
【0025】すなわち、本実施形態で用いるバーナー14
は、中心部から外方に向けて同心円状に順に互いに独立
して形成される第1の流路11〜第3の流路13を有する3
重管構造を呈しており、第1の流路11〜第3の流路13の
先端部には、それぞれ、流体噴出口11a,12a,13a が形成
される。図1(b) に示すように、流体噴出口11a は円形
に、流体噴出口12a,13a は環状に、それぞれ形成され
る。
は、中心部から外方に向けて同心円状に順に互いに独立
して形成される第1の流路11〜第3の流路13を有する3
重管構造を呈しており、第1の流路11〜第3の流路13の
先端部には、それぞれ、流体噴出口11a,12a,13a が形成
される。図1(b) に示すように、流体噴出口11a は円形
に、流体噴出口12a,13a は環状に、それぞれ形成され
る。
【0026】第1の流路11は、その後端部において図1
(a) における第1の酸素供給口18に連通しており、この
第1酸素供給口18を介して接続される第1の供給系15か
ら、燃焼用酸素ガス, または (燃焼用酸素ガス+溶射原
料粉体25a)が供給される。
(a) における第1の酸素供給口18に連通しており、この
第1酸素供給口18を介して接続される第1の供給系15か
ら、燃焼用酸素ガス, または (燃焼用酸素ガス+溶射原
料粉体25a)が供給される。
【0027】溶射原料粉体25a,26a は、溶射皮膜をなす
ものであり、MgO,ZrO2あるいはAl2O3 等からなる粒子で
ある。本実施形態では、MgO を30重量%以上含有する骨
材の粉体を用いた。また、図3に示すように、第1の供
給系15にはホッパー15a が供給−非供給の切替え自在に
設けられており、溶射原料粉体25a はこのホッパー15a
から供給される。なお、ホッパー15a の切替え機構に
は、流路の一部に切替え弁を設置する等の公知の切替え
機構を用いればよい。
ものであり、MgO,ZrO2あるいはAl2O3 等からなる粒子で
ある。本実施形態では、MgO を30重量%以上含有する骨
材の粉体を用いた。また、図3に示すように、第1の供
給系15にはホッパー15a が供給−非供給の切替え自在に
設けられており、溶射原料粉体25a はこのホッパー15a
から供給される。なお、ホッパー15a の切替え機構に
は、流路の一部に切替え弁を設置する等の公知の切替え
機構を用いればよい。
【0028】第2の流路12は、図1に示すように粉体供
給口19に連通しており、この粉体供給口19を介して接続
される第2の供給系16から、粉体搬送用の燃料ガスおよ
び窒素ガス (空気でも可) とともに金属粉26b を含む溶
射原料粉体26a が供給される。ここで、本実施形態の説
明において、金属粉26b とは、主に、Ca−Si粉またはSi
粉等からなる燃焼用金属粉体である。また、第2の供給
系16にはホッパー16aが設けられており、溶射原料粉体2
6a および金属粉26b はこのホッパー16a から供給され
る。
給口19に連通しており、この粉体供給口19を介して接続
される第2の供給系16から、粉体搬送用の燃料ガスおよ
び窒素ガス (空気でも可) とともに金属粉26b を含む溶
射原料粉体26a が供給される。ここで、本実施形態の説
明において、金属粉26b とは、主に、Ca−Si粉またはSi
粉等からなる燃焼用金属粉体である。また、第2の供給
系16にはホッパー16aが設けられており、溶射原料粉体2
6a および金属粉26b はこのホッパー16a から供給され
る。
【0029】本実施形態では、金属粉26b を含む溶射原
料粉体26a を溶融させる熱量は、主に炉壁面21における
金属粉26b の燃焼により供給されるため、金属粉26b の
配合比率も重要である。金属粉26b の全粉体量に対する
配合比率は、8重量%以上20重量%以下が望ましい。配
合比率が8重量%未満では発熱量が足りず充分な溶射を
行うことができない。一方、20重量%超では溶射の観点
からは特に問題ないが、コストが嵩む。より望ましくは
12重量%以上15重量%以下である。
料粉体26a を溶融させる熱量は、主に炉壁面21における
金属粉26b の燃焼により供給されるため、金属粉26b の
配合比率も重要である。金属粉26b の全粉体量に対する
配合比率は、8重量%以上20重量%以下が望ましい。配
合比率が8重量%未満では発熱量が足りず充分な溶射を
行うことができない。一方、20重量%超では溶射の観点
からは特に問題ないが、コストが嵩む。より望ましくは
12重量%以上15重量%以下である。
【0030】炉壁面21における金属粉26b の燃焼量を充
分に確保することができれば、金属粉26b を含む溶射原
料粉体26a の粒度構成は特に限定する必要はない。直径
2.0mm 程度の粗粒から0.1mm 程度までと幅広い範囲の粒
度でよい。
分に確保することができれば、金属粉26b を含む溶射原
料粉体26a の粒度構成は特に限定する必要はない。直径
2.0mm 程度の粗粒から0.1mm 程度までと幅広い範囲の粒
度でよい。
【0031】金属粉26b を含む溶射原料粉体26a と燃料
ガスとを、第2の流路12から環状に噴出することによ
り、バーナー14の小型化、火炎中に直接粉体が入ること
による予熱効果向上を、ともに図ることができる。さら
に、搬送用の燃料ガスに窒素ガスを混合して発熱量の調
整を行うようにしてもよい。金属粉26b を含む溶射原料
粉体26a の搬送には、空気を用いてもよいが、本実施形
態では、安全性の観点から窒素ガスを用いている。しか
し、窒素ガスは未燃焼物として火炎中に残り、火炎温
度,酸素濃度の低下をもたらして溶射効率を低下させ
る。溶射効率の低下防止の観点からは、窒素ガスではな
く燃料ガスを用いることが好ましい。
ガスとを、第2の流路12から環状に噴出することによ
り、バーナー14の小型化、火炎中に直接粉体が入ること
による予熱効果向上を、ともに図ることができる。さら
に、搬送用の燃料ガスに窒素ガスを混合して発熱量の調
整を行うようにしてもよい。金属粉26b を含む溶射原料
粉体26a の搬送には、空気を用いてもよいが、本実施形
態では、安全性の観点から窒素ガスを用いている。しか
し、窒素ガスは未燃焼物として火炎中に残り、火炎温
度,酸素濃度の低下をもたらして溶射効率を低下させ
る。溶射効率の低下防止の観点からは、窒素ガスではな
く燃料ガスを用いることが好ましい。
【0032】このような燃料ガスとしては、特に制限は
なく、コークス炉ガス,転炉ガス等でよく、さらに発熱
量の高いプロパンガスやブタンガス等を用いることが好
ましい。
なく、コークス炉ガス,転炉ガス等でよく、さらに発熱
量の高いプロパンガスやブタンガス等を用いることが好
ましい。
【0033】さらに、第3の流路13は、第2の酸素供給
口20に連通しており、この第2の酸素供給口20を介して
接続される第3の供給系17から、燃焼用酸素ガスが供給
される。
口20に連通しており、この第2の酸素供給口20を介して
接続される第3の供給系17から、燃焼用酸素ガスが供給
される。
【0034】第1の流路11に供給された燃焼用酸素ガ
ス, または (燃焼用酸素ガス+溶射原料粉体25a)は流体
噴出口11a から、第2の流路12に供給された溶射原料粉
体26aと金属粉26b および燃料ガスは流体噴出口12a か
ら、さらに第3の流路13に供給された燃焼用酸素ガスは
流体噴出口13a から、それぞれ噴出される。
ス, または (燃焼用酸素ガス+溶射原料粉体25a)は流体
噴出口11a から、第2の流路12に供給された溶射原料粉
体26aと金属粉26b および燃料ガスは流体噴出口12a か
ら、さらに第3の流路13に供給された燃焼用酸素ガスは
流体噴出口13a から、それぞれ噴出される。
【0035】なお、後述するエジェクター効果を有効に
利用するためには、流体噴出口11aから噴出される燃焼
用酸素ガスの流速を、流体噴出口12a から噴出される溶
射原料粉体26a および金属粉26b の混合粉体の流速より
も、約50m/sec 以上大きくすることが望ましい。
利用するためには、流体噴出口11aから噴出される燃焼
用酸素ガスの流速を、流体噴出口12a から噴出される溶
射原料粉体26a および金属粉26b の混合粉体の流速より
も、約50m/sec 以上大きくすることが望ましい。
【0036】本実施形態では、第1の供給系15, 第2の
供給系16, 第3の供給系17は、公知の粉体供給系, 酸素
ガス供給系を用いることができ、特定の形式には限定さ
れない。
供給系16, 第3の供給系17は、公知の粉体供給系, 酸素
ガス供給系を用いることができ、特定の形式には限定さ
れない。
【0037】本実施形態のバーナー14は、公知の3重管
構造を流用したものであり、極めて簡単な構造である。
そのため、例えばエルボ等の屈曲部や流速変動部等が少
なく、粉体の流路詰まり等のおそれは殆どない。
構造を流用したものであり、極めて簡単な構造である。
そのため、例えばエルボ等の屈曲部や流速変動部等が少
なく、粉体の流路詰まり等のおそれは殆どない。
【0038】また、本実施形態のバーナー14は、金属粉
26b を含む溶射原料粉体26a と燃焼用酸素ガスとを噴出
後に混合する、いわゆるノズル外混合方式であるため、
ノズル内での逆火の恐れがなく、安全性が特に高いバー
ナーである。本実施形態の塩基性耐火物補修用溶射装置
10は、以上のように構成される。次に、本実施形態の塩
基性耐火物補修用溶射装置10の動作を説明する。
26b を含む溶射原料粉体26a と燃焼用酸素ガスとを噴出
後に混合する、いわゆるノズル外混合方式であるため、
ノズル内での逆火の恐れがなく、安全性が特に高いバー
ナーである。本実施形態の塩基性耐火物補修用溶射装置
10は、以上のように構成される。次に、本実施形態の塩
基性耐火物補修用溶射装置10の動作を説明する。
【0039】図4は、本実施形態の塩基性耐火物補修用
溶射装置10を構成するバーナー14の動作時の状況を模式
的に示す説明図であって、図4(a) は溶射開始時から溶
射皮膜厚さがスプラッシュ発生限界値 (本実施形態では
10mmとした) になるまでの状況を示し、図4(b) は溶射
皮膜厚さが10mm超の状況を示し、さらに図4(c) は、ス
プラッシュ防止のために金属粉供給を停止した状況を示
している。
溶射装置10を構成するバーナー14の動作時の状況を模式
的に示す説明図であって、図4(a) は溶射開始時から溶
射皮膜厚さがスプラッシュ発生限界値 (本実施形態では
10mmとした) になるまでの状況を示し、図4(b) は溶射
皮膜厚さが10mm超の状況を示し、さらに図4(c) は、ス
プラッシュ防止のために金属粉供給を停止した状況を示
している。
【0040】溶射開始時から溶射皮膜厚さが10mmになる
までは、図4(a) に示すように、第1の流路11からは燃
焼用酸素ガスのみを噴出する。すなわち、本実施形態の
塩基性耐火物補修用溶射装置10を、補修を行う炉壁面21
の補修部21a に対して使用すると、第1の流路11から高
速の燃焼用酸素ガス流22が噴出され、噴出された燃焼用
酸素ガス流22が有するエジェクター効果により、第2の
流路12から噴出された金属粉26b を含む溶射原料粉体26
a の流れ23を、燃焼用酸素ガス流22側に引き込んで充分
に混合させることができる。
までは、図4(a) に示すように、第1の流路11からは燃
焼用酸素ガスのみを噴出する。すなわち、本実施形態の
塩基性耐火物補修用溶射装置10を、補修を行う炉壁面21
の補修部21a に対して使用すると、第1の流路11から高
速の燃焼用酸素ガス流22が噴出され、噴出された燃焼用
酸素ガス流22が有するエジェクター効果により、第2の
流路12から噴出された金属粉26b を含む溶射原料粉体26
a の流れ23を、燃焼用酸素ガス流22側に引き込んで充分
に混合させることができる。
【0041】また、第2の流路12から噴出された金属粉
26b を含む溶射原料粉体26a および燃料ガス24a の外周
には、第3の流路13から噴出された燃焼用酸素ガス24b
により、火炎24が形成される。これにより、第2の流路
12から噴出された金属粉26bを含む溶射原料粉体26a
が、炉壁面21に到達する前に予熱される。
26b を含む溶射原料粉体26a および燃料ガス24a の外周
には、第3の流路13から噴出された燃焼用酸素ガス24b
により、火炎24が形成される。これにより、第2の流路
12から噴出された金属粉26bを含む溶射原料粉体26a
が、炉壁面21に到達する前に予熱される。
【0042】このように、本実施形態の塩基性耐火物補
修用溶射装置10によれば、溶射原料粉体26a と燃料ガス
24a とを、中心および最外周に位置する燃焼用酸素ガス
流22, 燃焼用酸素ガス24b により、挟み込む形となるた
めに周囲からの窒素ガス等の未燃焼の侵入を防ぐことが
でき、燃焼用酸素ガス濃度および火炎温度をいずれも高
く維持することができる。そのため、熱間時だけでなく
冷間時においても、火炎による熱により反応が促進さ
れ、安定的に補修を行うことができる。
修用溶射装置10によれば、溶射原料粉体26a と燃料ガス
24a とを、中心および最外周に位置する燃焼用酸素ガス
流22, 燃焼用酸素ガス24b により、挟み込む形となるた
めに周囲からの窒素ガス等の未燃焼の侵入を防ぐことが
でき、燃焼用酸素ガス濃度および火炎温度をいずれも高
く維持することができる。そのため、熱間時だけでなく
冷間時においても、火炎による熱により反応が促進さ
れ、安定的に補修を行うことができる。
【0043】なお、本実施形態の塩基性耐火物補修用溶
射装置10では、燃焼用酸素ガス流22と金属粉26b を含む
溶射原料粉体26a とを、互いに独立した第1の流路11,
第2の流路12からそれぞれ噴出するため、噴出した直後
における両者の混合性は低いが、炉壁面21に接近するほ
どエジェクター効果により混合性が向上する。ただし、
炉壁面21に接近するほど金属粉26b の燃焼が進むととも
に周囲からの空気の巻き込み量が増加するため、溶射効
率はむしろ低下する。したがって、本実施形態の塩基性
耐火物補修用溶射装置10には、最適な範囲の溶射距離が
存在する。本発明者らの検討によれば、最適溶射距離
は、バーナー14の各部寸法によって決定され、バーナー
14の吹き出し口径 (第3の流路13の外径) の1.5 倍以上
8倍以下である。
射装置10では、燃焼用酸素ガス流22と金属粉26b を含む
溶射原料粉体26a とを、互いに独立した第1の流路11,
第2の流路12からそれぞれ噴出するため、噴出した直後
における両者の混合性は低いが、炉壁面21に接近するほ
どエジェクター効果により混合性が向上する。ただし、
炉壁面21に接近するほど金属粉26b の燃焼が進むととも
に周囲からの空気の巻き込み量が増加するため、溶射効
率はむしろ低下する。したがって、本実施形態の塩基性
耐火物補修用溶射装置10には、最適な範囲の溶射距離が
存在する。本発明者らの検討によれば、最適溶射距離
は、バーナー14の各部寸法によって決定され、バーナー
14の吹き出し口径 (第3の流路13の外径) の1.5 倍以上
8倍以下である。
【0044】このようにして溶射を行うことにより、溶
射原料粉体26a と酸化物となった金属粉26b とが徐々に
積層されて溶射皮膜の厚さが増加するが、熱間で塩基性
耐火物に塩基性の溶射原料粉体26a を溶射すると、スプ
ラッシュを生じることなく溶射を行うことができる溶射
皮膜の厚さは10mmが限界であり、溶射皮膜の厚さが10mm
超になると、溶射層は再溶融してスプラッシュが発生し
始める。
射原料粉体26a と酸化物となった金属粉26b とが徐々に
積層されて溶射皮膜の厚さが増加するが、熱間で塩基性
耐火物に塩基性の溶射原料粉体26a を溶射すると、スプ
ラッシュを生じることなく溶射を行うことができる溶射
皮膜の厚さは10mmが限界であり、溶射皮膜の厚さが10mm
超になると、溶射層は再溶融してスプラッシュが発生し
始める。
【0045】そこで、本実施形態では、図4(b) に示す
ように、溶射皮膜の厚さが10mmになった時に、第1の流
路11に連通する粉体供給系15に設けられたホッパー15a
を切り替えて、燃焼用酸素ガス流22に溶射原料粉体25a
を含有させる。これにより、溶射層の過剰な再溶融を抑
制してスプラッシュの発生を防止しながら、溶射を継続
することができる。これにより、本実施形態において
は、溶射皮膜の厚さを10mm超にすることが可能となる。
ように、溶射皮膜の厚さが10mmになった時に、第1の流
路11に連通する粉体供給系15に設けられたホッパー15a
を切り替えて、燃焼用酸素ガス流22に溶射原料粉体25a
を含有させる。これにより、溶射層の過剰な再溶融を抑
制してスプラッシュの発生を防止しながら、溶射を継続
することができる。これにより、本実施形態において
は、溶射皮膜の厚さを10mm超にすることが可能となる。
【0046】この溶射原料粉体25a には、安全性確保の
ため、金属粉は含有させないことが望ましい。また、第
1の流路11から噴出させる溶射原料粉体25a の総供給量
は、第2の流路12から噴出させる混合粉体の総供給量に
対して、5〜25重量%の範囲が望ましい。この範囲内で
あれば、溶射開始直後に供給しても溶射を確実に行うこ
とができ、またスプラッシュ発生時点以降において第1
の流路11からの溶射原料粉体25a を間欠的に供給するこ
とも可能である。溶射原料粉体25a の総供給量が5重量
%未満であると溶射層の過剰な再溶融を抑制してスプラ
ッシュの発生を防止することができないおそれがあり、
一方25重量%を超えると溶射フレーム全域へ溶射原料粉
体25a を冷材として投入することになり、溶射効率を低
下させ、強固な溶射皮膜が得られないおそれがある。
ため、金属粉は含有させないことが望ましい。また、第
1の流路11から噴出させる溶射原料粉体25a の総供給量
は、第2の流路12から噴出させる混合粉体の総供給量に
対して、5〜25重量%の範囲が望ましい。この範囲内で
あれば、溶射開始直後に供給しても溶射を確実に行うこ
とができ、またスプラッシュ発生時点以降において第1
の流路11からの溶射原料粉体25a を間欠的に供給するこ
とも可能である。溶射原料粉体25a の総供給量が5重量
%未満であると溶射層の過剰な再溶融を抑制してスプラ
ッシュの発生を防止することができないおそれがあり、
一方25重量%を超えると溶射フレーム全域へ溶射原料粉
体25a を冷材として投入することになり、溶射効率を低
下させ、強固な溶射皮膜が得られないおそれがある。
【0047】なお、溶射皮膜の形成状況によっては、溶
射原料粉体25a,26a を供給する2台の粉体供給器を相互
に間欠的に操作することにより、図4(c) に示すよう
に、溶射原料粉体25a,26a を互いに間欠的に一方のみか
ら噴出することが、スプラッシュ発生抑制の観点から、
さらに望ましい。
射原料粉体25a,26a を供給する2台の粉体供給器を相互
に間欠的に操作することにより、図4(c) に示すよう
に、溶射原料粉体25a,26a を互いに間欠的に一方のみか
ら噴出することが、スプラッシュ発生抑制の観点から、
さらに望ましい。
【0048】なお、第1の流路11から噴出させる溶射原
料粉体25a の粒度構成は、特に限定を要するものではな
く、2.0mm の粗粒から0.1mm までの微粒までと幅広い範
囲の粒度分布でよい。
料粉体25a の粒度構成は、特に限定を要するものではな
く、2.0mm の粗粒から0.1mm までの微粒までと幅広い範
囲の粒度分布でよい。
【0049】
【実施例】次に、本発明にかかる塩基性耐火物補修用溶
射装置及び、塩基性耐火物の溶射による補修法の効果
を、実験データを参照しながら、より具体的に説明す
る。図1から図3に示す構成を有する本発明にかかる塩
基性耐火物補修用溶射装置10を用いて、溶射条件を種々
に変更して溶射試験を行った。
射装置及び、塩基性耐火物の溶射による補修法の効果
を、実験データを参照しながら、より具体的に説明す
る。図1から図3に示す構成を有する本発明にかかる塩
基性耐火物補修用溶射装置10を用いて、溶射条件を種々
に変更して溶射試験を行った。
【0050】溶射条件および溶射結果を表1にまとめて
示す。なお、本溶射試験では、溶射開始時には第2の流
路12のみで溶射原料粉体26a を噴出しておき、溶射皮膜
の厚さが約10mmになった時点 (この時点ではスプラッシ
ュは発生していない。) で第1の流路11からも溶射原料
粉体25a を噴出させた。
示す。なお、本溶射試験では、溶射開始時には第2の流
路12のみで溶射原料粉体26a を噴出しておき、溶射皮膜
の厚さが約10mmになった時点 (この時点ではスプラッシ
ュは発生していない。) で第1の流路11からも溶射原料
粉体25a を噴出させた。
【0051】
【表1】
【0052】表1において、試料No.1〜試料No.10 は本
発明例であり、試料No.11 〜試料No.13 はそれぞれへの
比較例である。表1から、本発明例によれば、溶射皮膜
の付着率を比較例よりも20%以上確保することができた
ことがわかる。また、溶射の際にも、スプラッシュを生
じることなく、安定して溶射を行うことができた。
発明例であり、試料No.11 〜試料No.13 はそれぞれへの
比較例である。表1から、本発明例によれば、溶射皮膜
の付着率を比較例よりも20%以上確保することができた
ことがわかる。また、溶射の際にも、スプラッシュを生
じることなく、安定して溶射を行うことができた。
【0053】また、本発明例によれば、金属粉26b の含
有量が10重量%以上であるため、金属粉26b のテルミッ
ト反応を有効に利用することができ、安定して溶射を行
うことができた。
有量が10重量%以上であるため、金属粉26b のテルミッ
ト反応を有効に利用することができ、安定して溶射を行
うことができた。
【0054】また、試料No.5は、他の試料よりも溶射距
離が近過ぎたために付着率が低下し、一方、試料No.10
では溶射距離が遠過ぎたために付着率が低下した。他の
試料の溶射距離は、第3の流路13の外径の1.5倍から
8倍の範囲にあるため、安定した溶射を行うことができ
た。
離が近過ぎたために付着率が低下し、一方、試料No.10
では溶射距離が遠過ぎたために付着率が低下した。他の
試料の溶射距離は、第3の流路13の外径の1.5倍から
8倍の範囲にあるため、安定した溶射を行うことができ
た。
【0055】なお、本実施例の塩基性耐火物補修用溶射
装置10では、粉体供給量を増加する余裕があり、さらに
大容量化をしても安定した溶射を行うことができる。こ
れに対し、試料No.11 〜試料No.13 では、溶射皮膜の厚
さが約15mmになった時点以降も第2流路12のみから溶射
原料粉体26a を噴出させていたため過剰な熱で、スプラ
ッシュが発生して、付着率が著しく低下した。
装置10では、粉体供給量を増加する余裕があり、さらに
大容量化をしても安定した溶射を行うことができる。こ
れに対し、試料No.11 〜試料No.13 では、溶射皮膜の厚
さが約15mmになった時点以降も第2流路12のみから溶射
原料粉体26a を噴出させていたため過剰な熱で、スプラ
ッシュが発生して、付着率が著しく低下した。
【0056】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
かかる塩基性耐火物補修用溶射装置および塩基性耐火物
の溶射による補修法によれば、安全かつ効率的に耐火物
粉体を溶射することができ、炉壁補修を行うことができ
た。
かかる塩基性耐火物補修用溶射装置および塩基性耐火物
の溶射による補修法によれば、安全かつ効率的に耐火物
粉体を溶射することができ、炉壁補修を行うことができ
た。
【0057】すなわち、本発明によれば、製作の容易な
構造であって燃料 (金属粉) と燃焼用酸素ガスとを別系
統により投入するため、逆火等のおそれがない安全性に
優れた塩基性耐火物補修用溶射装置を得ることができ
た。
構造であって燃料 (金属粉) と燃焼用酸素ガスとを別系
統により投入するため、逆火等のおそれがない安全性に
優れた塩基性耐火物補修用溶射装置を得ることができ
た。
【0058】また、第1の流路から噴出される燃焼用酸
素ガスの有するエジェクター効果により、溶射原料粉体
と燃焼用酸素ガスとの混合が促進されるために高付着率
で溶射を行うことができる。さらに、外周に火炎を形成
することにより、溶射原料粉体の予熱を行い溶融を促
し、幅広い粒度構成においても緻密で強固な溶射皮膜を
簡単に形成することができる。
素ガスの有するエジェクター効果により、溶射原料粉体
と燃焼用酸素ガスとの混合が促進されるために高付着率
で溶射を行うことができる。さらに、外周に火炎を形成
することにより、溶射原料粉体の予熱を行い溶融を促
し、幅広い粒度構成においても緻密で強固な溶射皮膜を
簡単に形成することができる。
【0059】さらに、スプラッシュ発生前に溶射原料粉
体だけを溶射層に増量して噴出することができるため、
スプラッシュ発生を抑制しながら、溶射皮膜の厚さを増
加することが可能である。
体だけを溶射層に増量して噴出することができるため、
スプラッシュ発生を抑制しながら、溶射皮膜の厚さを増
加することが可能である。
【0060】以上のように、本発明にかかる塩基性耐火
物補修用溶射装置および塩基性耐火物の溶射による補修
法によれば、炉壁の損傷に対して安全かつ効率よく補修
を行うことができ、炉の延命に大きく貢献することがで
きる。かかる効果を有する本発明の意義は極めて著し
い。
物補修用溶射装置および塩基性耐火物の溶射による補修
法によれば、炉壁の損傷に対して安全かつ効率よく補修
を行うことができ、炉の延命に大きく貢献することがで
きる。かかる効果を有する本発明の意義は極めて著し
い。
【図1】実施形態の塩基性耐火物補修用溶射装置の説明
図であって、図1(a) は縦断面図, 図1(b) は塩基性耐
火物補修用溶射装置を構成するバーナーの先端を示す正
面図, 図1(c) は図1(a) におけるA部の拡大縦断面図
である。
図であって、図1(a) は縦断面図, 図1(b) は塩基性耐
火物補修用溶射装置を構成するバーナーの先端を示す正
面図, 図1(c) は図1(a) におけるA部の拡大縦断面図
である。
【図2】実施形態の塩基性耐火物補修用溶射装置を構成
するバーナーの先端を透視状態で示す斜視図である。
するバーナーの先端を透視状態で示す斜視図である。
【図3】実施形態の塩基性耐火物補修用溶射装置の全体
構成を模式的に示す説明図である。
構成を模式的に示す説明図である。
【図4】実施形態の塩基性耐火物補修用溶射装置を構成
するバーナーの動作時の状況を模式的に示す説明図であ
って、図4(a) は溶射開始時から溶射皮膜厚さがスプラ
ッシュ発生限界値になるまでの状況を示し、図4(b) は
溶射皮膜厚さがスプラッシュ発生限界値を超えた状況で
あって、溶射原料粉体の二次供給を開始した状況を示
し、さらに、図4(c) はスプラッシュ防止のために金属
粉供給を全く停止した状況を示している。
するバーナーの動作時の状況を模式的に示す説明図であ
って、図4(a) は溶射開始時から溶射皮膜厚さがスプラ
ッシュ発生限界値になるまでの状況を示し、図4(b) は
溶射皮膜厚さがスプラッシュ発生限界値を超えた状況で
あって、溶射原料粉体の二次供給を開始した状況を示
し、さらに、図4(c) はスプラッシュ防止のために金属
粉供給を全く停止した状況を示している。
10 塩基性耐火物補修用溶射装置 11 第1の流路 12 第2の流路 13 第3の流路 11a,11b,11c 流体噴出口 14 バーナー 15 第1の供給系 16 第2の供給系 17 第3の供給系 25a,26a 溶射原料粉体 26b 燃焼用金属粉体
Claims (3)
- 【請求項1】 中心部から外方に向けて順に互いに独立
して形成されるとともにそれぞれの先端部に流体噴出口
を形成される第1の流路,第2の流路および第3の流路
を有するバーナーと,前記第1の流路に、骨材を主原料
とする溶射原料粉体を供給および非供給の切替え自在
に、第1の燃焼用酸素ガスとともに供給する第1の供給
系と,前記第2の流路に燃焼用金属粉体と前記溶射原料
粉体との混合粉体を燃料ガスとともに供給する第2の供
給系と,前記第3の流路に第2の燃焼用酸素ガスを供給
する第3の供給系とを備えることを特徴とする耐火物補
修用溶射装置。 - 【請求項2】 窯炉の内壁面の補修部に向けて、第1の
燃焼用酸素ガスを噴出するとともに当該第1の燃焼用酸
素ガスの外部に燃焼用金属粉体と骨材を主原料とする溶
射原料粉体との混合粉体を燃料ガスとともに噴出し、さ
らに当該混合粉体の外部に第2の燃焼用酸素ガスを噴出
することによる、耐火物の溶射による補修法であって、
前記溶射による皮膜厚さがスプラッシュ発生限界値に接
近または一致した時に、前記第1の燃焼用酸素ガスに前
記溶射原料粉体を含有させることを特徴とする耐火物の
溶射による補修法。 - 【請求項3】 前記第1の燃焼用酸素ガスの噴出速度
は、前記混合粉体の噴出速度よりも、50m/sec 以上高い
ことを特徴とする請求項2記載の耐火物の溶射による補
修法。
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