JPH10298306A - プロピレン系樹脂フィルム及びその製造方法 - Google Patents

プロピレン系樹脂フィルム及びその製造方法

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JPH10298306A
JPH10298306A JP9151163A JP15116397A JPH10298306A JP H10298306 A JPH10298306 A JP H10298306A JP 9151163 A JP9151163 A JP 9151163A JP 15116397 A JP15116397 A JP 15116397A JP H10298306 A JPH10298306 A JP H10298306A
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JP
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film
propylene
weight
copolymer
based resin
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JP9151163A
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English (en)
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Masahiko Hiragori
正彦 平郡
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性、透明性及び風合い(触感)に優れ、
かつ、低コストで得られる外観の良好なプロピレン系樹
脂フィルムとその製造方法を提供する。 【解決手段】 メルトフローレートが0.5〜5g/1
0分、エチレン含有量が3〜4重量%のプロピレン−エ
チレンランダム共重合体100重量部及びメルトフロー
レートが0.3〜8g/10分、芳香族系ビニルモノマ
ー含有量が5〜36重量%の芳香族系ビニルモノマー−
共役ジエン共重合体又はその水素添加物3〜9重量部か
らなる樹脂組成物から形成されるフィルムで、そのヘイ
ズ、グロス、厚さ及び引張弾性率が所定の式を満足する
プロピレン系樹脂フィルム及びTダイより押し出した
後、表面温度が40℃以下のロールで冷却する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は各種包装材料やシー
ト等に使用されるプロピレン系樹脂フィルム及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維、食品、日用品等の各種包装
材料やシートに使用されるフィルムには、透明性、光沢
感、柔軟性等の性能が要求されている。プロピレン系樹
脂フィルムでは、柔軟性を向上させる方法として、例え
ば、特開平7−290649号公報には、フィルムを構
成するプロピレン系樹脂に水添ジエン系共重合体を添加
する方法が例示されている。しかし、水添ジエン系共重
合体は高価なものが多く、通常使用されているプロピレ
ン系樹脂では多量に添加しないとフィルムの良好な風合
いが得られないため、コストが高くなり実際の使用には
不向きであり、触感にも優れないという問題があった。
【0003】上記ジエン系共重合体を添加する方法以外
では、例えば、柔軟性に優れたエチレン−プロピレンゴ
ムを少量添加することで柔軟化できるが、樹脂への分散
性が悪いため単軸押出成形による成形法では安定した物
性のフィルムを得ることは困難である。
【0004】また、プロピレン主体のプロピレン−エチ
レン共重合体のようなオレフィン系材料を配合すると少
量でも成形性を改良できる効果はあるが、柔軟性を付与
するためには30重量部以上の配合量が必要である。
【0005】さらに、スチレン系エラストマ−において
は汎用のポリプロピレンとの配合では最低でも10重量
部以上を配合しなければ充分な柔軟性が得られず、大量
配合による分散性の問題や大幅なコスト増加等の問題が
あり、充分に分散しても成膜時の条件により透明性は大
きな影響を受ける。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、透明
性、柔軟性及び風合い(触感)に優れ、かつ、低コスト
で得られる外観の良好なプロピレン系樹脂フィルムとそ
の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
プロピレン系樹脂フィルムは、メルトフローレートが
0.5〜5g/10分、エチレン含有量が3〜4重量%
のプロピレン−エチレンランダム共重合体100重量部
及びメルトフローレートが0.3〜8g/10分、芳香
族系ビニルモノマー含有量が5〜36重量%の芳香族系
ビニルモノマー−共役ジエン共重合体又はその水素添加
物3〜9重量部からなる樹脂組成物から形成されるフィ
ルムで、そのヘイズをH(%)、グロスをG(%)、厚
さをT(μm)及び引張弾性率をE(kg/cm2 )と
するとき、以下の式を満足することを特徴とする。 7
5≦(7.5−H)×(G/6.5) 8≦T×E×10-4≦35
【0008】請求項1記載の発明で使用されるプロピレ
ン−エチレンランダム共重合体のエチレン含有量は、少
なくなるとフィルムの風合いが低下し、多くなるとフィ
ルムが柔軟になり過ぎて使用しにくくなる傾向があるの
で、3〜4重量%に限定される。
【0009】プロピレン−エチレンランダム共重合体の
メルトフローレート(以下、MFRと記す)は、小さく
なるとフィルムの透明性が低下し、大きくなるとフィル
ムの引張破断強度やシール強度が低下する傾向があるの
で、0.5〜5g/10分に限定される。MFRは、J
IS K 7210に準拠して測定した値である。
【0010】請求項1記載の発明で使用される芳香族系
ビニルモノマー−共役ジエン共重合体は、ランダム共重
合体でもブロック共重合体でもよく、成膜時にフィッシ
ュアイ等の問題が低減するという点で、水素添加されて
いるものが好ましい。
【0011】上記芳香族系ビニルモノマーとしては、例
えば、スチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン等が挙げられる。上記共役ジ
エンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−
ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、
1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オ
クタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロ
ロプレン等が挙げられる。
【0012】芳香族系ビニルモノマー−共役ジエン共重
合体又はその水素添加物の芳香族系ビニルモノマー含有
量は、少なくなるとフィルムの透明性が低下し、多くな
ると分散性が悪くなり、フィルムの透明性及び柔軟性が
低下する傾向があるので、5〜36重量%に限定され
る。芳香族系ビニルモノマー−共役ジエン共重合体又は
その水素添加物のMFRは、小さくなると分散性が悪く
なり、フィルムの透明性及び柔軟性が低下し、大きくな
ると芳香族系ビニルモノマー−共役ジエン共重合体又は
その水素添加物が分散後に再凝集してしまい、フィルム
の透明性が低下する傾向があるので、0.3〜8g/1
0分に限定される。
【0013】請求項1に記載のプロピレン系樹脂フィル
ムを構成する樹脂組成物は、上記プロピレン−エチレン
ランダム共重合体及び芳香族系ビニルモノマー−共役ジ
エン共重合体又はその水素添加物からなり、芳香族系ビ
ニルモノマー−共役ジエン共重合体又はその水素添加物
の添加量は、少なくなるとフィルムの風合いが低下し、
多くなるとフィルムが柔軟になり過ぎて使用しにくくな
り、コストも高くなる傾向があるので、上記プロピレン
−エチレンランダム共重合体100重量部に対し、3〜
9重量部に限定される。
【0014】請求項1記載のプロピレン系樹脂フィルム
は、そのヘイズをH(%)、グロスをG(%)、厚さを
T(μm)及び引張弾性率をE(kg/cm2 )とする
とき、以下の式(1)及び(2)を満足するものであ
る。 75≦(7.5−H)×(G/6.5)・・・(1) 8≦T×E×10-4≦35・・・(2)
【0015】ヘイズは、(散乱光線透過率/全光線透過
率)×100により算出した値であり、散乱光線透過率
及び全光線透過率は、JIS K 7105に準拠して
測定した値である。
【0016】グロスは、JIS Z 8741に準拠し
て60°鏡面光沢により測定した鏡面光沢度(%)の値
である。
【0017】引張弾性率は、JIS K 7113に準
拠して測定した値である。
【0018】上記式(1)は、透明性を示すヘイズと光
沢性を示すグロスが関係する式であり、その値は、小さ
くなるとフィルムの透明性又は光沢性が低下する傾向が
あるので、75以上に限定される。75以上では、フィ
ルムを通して透視物が鮮明に見え、かつ、透視物の照明
が目によく入るので、透明性と光沢性の両方に優れた、
外観の良好なフィルムとなる。
【0019】式(2)は、一般に触感の代用特性値に使
用されている引張弾性率と、触感に大きな影響を及ぼす
厚さが関係する式であり、その値は、小さすぎたり、大
きすぎたりすると、フィルムの風合いが低下する傾向が
あるので、8〜35に限定される。
【0020】上記樹脂組成物から請求項1に記載のプロ
ピレン系樹脂フィルムを得る方法としては従来公知の任
意の方法が採用できるが、フィルムの表面の平滑性及び
透明性が向上するという点で、Tダイより押し出した
後、ロールにより冷却する方法が好ましい。その際の冷
却ロールの表面温度は、高くなるとフィルムの透明性が
低下したり、或いは、ロールに微小ゲル物が付着し易く
なるためフィルムの表面の平滑性が低下する傾向がある
ので40℃以下が好ましく、より好ましくは30℃以下
である。
【0021】上記プロピレン系樹脂フィルムの厚さは、
薄くなると引張破断強度が低下し、厚くなると柔軟性が
低下する傾向があるので、25〜300μmが好まし
い。
【0022】次に請求項3記載のプロピレン系樹脂フィ
ルムは、MFRが0.8〜10g/10分、エチレン含
有量が2〜4重量%のプロピレン−エチレンランダム共
重合体100重量部及びスチレン系エラストマー3〜9
重量部からなる樹脂組成物から形成されるフィルムで、
水冷インフレーション法により成膜されたことを特徴と
するものである。
【0023】ポリプロピレンを主成分とする樹脂フィル
ムが柔軟性に欠けるのは、ポリプロピレンの中でも弾性
率が非常に高い結晶部分によるものであり、非常に柔ら
かい非晶部分を多くすることにより柔軟性を与えること
ができる。この手段としてポリプロピレン中に分散が可
能なスチレン系エラストマ−を配合・分散させると、エ
ラストマ−自体による軟化作用とともに、分散したスチ
レン系エラストマ−により結晶化度が抑制される。
【0024】プロピレン系樹脂の場合には主としてプロ
ピレンの球晶が成長し、光の波長以上に大きくなった結
晶による光の乱反射がフィルムの透明性に大きく影響す
る。そこで押出成形直後のフィルムを水冷により安定的
に急冷すると結晶化を抑制して透明性にすぐれ、且つ柔
軟なフィルムを容易に得ることができる。
【0025】押出成形直後のフィルムを水冷により安定
的に急冷するには、インフレーション法により金型から
押出成形された直後のチューブ状のフィルムを水冷す
る。インフレーション法による押出成形は樹脂を上向き
に押し出し、上方に配置したピンチロールに送った後巻
き取る方法もあるが、水冷に使用する水が金型に落下す
るのを防止する点で樹脂を下向きに押し出し、下方に配
置したピンチロールに送るのが好ましい。
【0026】ここで使用するポリプロピレンはそのフィ
ルムを手で揉んでも主原料自体が有するしゃりしゃりし
た感じの音が少ないものが好ましく、エチレンが2〜4
重量%含有されたものである。エチレンが2重量%より
も少ないと充分な風合いを得るためのスチレン系エラス
トマ−が多量に必要であり、混練工程や価格面で不利と
なる。逆に4重量%を超えると柔軟になりすぎてスチレ
ン系エラストマ−を添加することができないことがあ
り、風合いの調節が困難となったり取扱い難くなる。ま
た、ポリプロピレン製造プラントでの製造が困難にな
る。
【0027】プロピレン−エチレンランダム共重合体の
MFRが0.8g/10分よりも低いと溶融時の粘度が
高すぎるため押し出し時にフィルム表面を平滑に維持し
難く、透明性を得ることが困難となる。MFRが10g
/10分を超えると破断強度やシール強度が低くなり品
質が低下する。従ってこの発明で使用するプロピレン−
エチレンランダム共重合体のMFRは0.8〜10g/
10分の範囲とする。
【0028】スチレン系エラストマ−としては、前記請
求項1記載の発明に用いられるものと同様のものが好適
に使用できる。
【0029】用途によっては、柔軟でありながら硬質フ
ィルム独特のしゃりしゃりした音が出ない方が好まれる
場合がある。このような場合にはスチレン系エラストマ
−のエラストマ−層のtanδがピークとなる温度が−
10〜25℃の範囲であることが好ましい。上記の温度
領域にtanδのピーク及び損失弾性率のピークをおく
ことにより音の減衰効果は一層良好となる。tanδの
ピーク温度が−10℃よりも低い場合はしゃりしゃり音
の減衰効果は少なくなるが実用上特に支障はない。しか
し、25℃を超えると使用中に急激に音の減衰効果が無
くなるので使用できない。
【0030】上記スチレン系エラストマ−としては、ス
チレンとイソプレンのブロック共重合体であり、イソプ
レンの50%以上が3,4結合よりなるように重合され
たものが好ましい。また、フィルムとして使用するの
で、連続製造時のフィッシュアイの発生を防止するため
に、イソプレンのジエン部分が50%以上水素添加され
ていることが好ましい。しかし、ジエン部分を100%
水素添加するとオレフィンに対する相溶性が低下し、透
明性も低下するので8%以上は水素添加されていない部
分を残しているものが好ましい。一般的にこのようなエ
ラストマ−は非常に高価であるから、エチレン量が2〜
4%以上のプロピレン−エチレンランダム共重合体を使
用することにより少量の配合で効果を得ることができ
る。
【0031】プロピレン−エチレンランダム共重合体1
00重量部に上記スチレン系エラストマ−を3〜9重量
部配合することにより、プロピレンの結晶の成長が抑制
され、透明性がよく光沢のあるフィルムが得られる。こ
のフィルムをTダイ法で製造する場合は、成膜されたフ
ィルムを高能力で冷却することにより透明性を向上させ
ることができる。しかし、製造速度が速くなるにつれよ
り高い冷却能力が必要となる。
【0032】そこで、フィルムの成形をインフレーショ
ン法で行い、成膜されたフィルムを水により急激に冷却
すると高度な透明性をTダイ法よりも容易に得ることが
できる。水冷インフレーション法は一般に使用されてい
る設備を用いればよく、30℃以下の水で冷却すれば充
分な効果を得ることができる。また、インフレーション
法を採用することによりチューブ状のフィルムが得ら
れ、特に規格サイズが決まっている繊維製品の包装用な
どには製袋加工も底部シールするだけでよいので簡易な
設備で加工できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明の態
様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
【0034】
【実施例】以下に実施例1〜3及び比較例1〜11で使
用した樹脂を列挙する。 P−E共重合体(1);MFR=1g/10分、エチレ
ン含有量=3.5重量%のプロピレン−エチレン共重合
体 P−E共重合体(2);MFR=7g/10分、エチレ
ン含有量=1.2重量%のプロピレン−エチレン共重合
体 P−E共重合体(3);MFR=15g/10分、エチ
レン含有量=3.5重量%のプロピレン−エチレン共重
合体
【0035】S−B共重合体(1);MFR=3.5g
/10分、スチレン含有量=10重量%のスチレン−ブ
タジエン共重合体 S−B共重合体(2);MFR=3.5g/10分、ス
チレン含有量=20重量%のスチレン−ブタジエン共重
合体 S−I共重合体;MFR=0.5g/10分、スチレン
含有量=13重量%のスチレン−イソプレンブロック共
重合体 PER;MFR=6g/10分、エチレン含有量35重
量%のプロピレン−エチレンゴム
【0036】(実施例1〜3、比較例1〜6)表1に示
した所定量のP−E共重合体(1)〜(3)、S−B共
重合体(1)、(2)、S−I共重合体及びPERから
なる樹脂組成物をTダイより押し出した後、表1に示し
た所定の温度のロールで冷却し、表1に示した所定の厚
さのフィルムを得た。比較例4では成膜時にフィルムが
ロールに付着し、比較例6で得られたフィルムは、PE
Rの分散性が悪く、不均一なものであった。
【0037】実施例1〜3及び比較例1〜11で得られ
たフィルムについて、ヘイズ、グロス及び引張弾性率を
測定し、結果を表1に示した。次に、その値から式
(1)及び式(2)の値を算出し、結果を表1に示し
た。また、フィルムの外観及び風合いについて以下のよ
うに評価した。
【0038】(外観)任意の10人にフィルムを見せ、
各人が下記の評価点を付け、10人の評価点の平均値を
表2に示した。 3点;非常に見栄えが良い。 2点;見栄えが良い。 1点;あまり見栄えがよくない。 0点;見栄えが悪い。
【0039】(風合い)外観と同様にして、10人各人
が以下のように評価点を付け、10人の平均点を表1に
示した。 3点;非常に風合いが良い。 2点;風合いが良い。 1点;あまり風合いがよくない。 0点;風合いが悪い。
【0040】(比較例7〜11)以下に示した市販のフ
ィルムを使用し、上記と同様にしてヘイズ、グロス及び
引張弾性率を測定し、その値から式(1)及び(2)の
値を算出した。また、フィルムの外観及び風合いを上記
と同様にして評価した。
【0041】比較例7;延伸ポリプロピレンフィルム
(東洋紡績社製、商品名「パイレンフィルムST−P6
181」)。 比較例8;オレフィン系樹脂共押出フィルム(三菱化学
社製、商品名「ユカラップ」) 比較例9;オレフィン系樹脂共押出フィルム(大化工業
社製、商品名「タピレンDC−1」 比較例10;オレフィン系樹脂共押出フィルム(林一二
社製、商品名「ハイラックUL」) 比較例11;オレフィン系樹脂共押出フィルム(北越化
成社製、商品名「レンソールSP303」)
【0042】
【表1】
【0043】次に、請求項3記載の発明の実施例を説明
する。実施例4〜8及び比較例12〜16で使用したス
チレン系エラストマ−は表2に示した通りである。
【0044】
【表2】 tanδは粘弾性スペクトロメーターにより昇温速度1
0℃/min、周波数100Hzで測定した。
【0045】(実施例4〜8、比較例12〜15)表3
に示した通り、各種プロピレン−エチレンランダム共重
合体と各種スチレン系エラストマ−とを配合した樹脂組
成物を水冷インフレーション法により押出成形して厚み
50μmのフィルムを作製した。
【0046】(比較例16)表3に示すプロピレン−エ
チレンランダム共重合体とスチレン系エラストマ−とを
配合した樹脂組成物をTダイ法により押出成形して厚み
50μmのフィルムを作製した。Tダイで最初のロール
温度を45℃に設定した。
【0047】実施例4〜8及び比較例12〜16で得た
フィルムについて、以下の方法でしゃりしゃり音、引張
弾性率及びヘイズを測定し、その結果を表3に示した。 (しゃりしゃり音の評価)1辺が15cmの正方形に切
り取ったフィルムを20℃の条件下でくしゃくしゃに丸
めるときの音を聞いて次の基準で評価した。 ◎;殆ど音が聞こえない ○;多少音が聞こえる程度 △;はっきりと音が聞こえる ×;かなり大きい音が聞こえる (引張弾性率の測定)JIS K7113に準ずる。 (ヘイズの測定)JIS K7105に準ずる。
【0048】
【表3】 表3の通り、実施例4〜8のフィルムはヘイズ値が低く
透明性に優れており、実施例4、6、7のものはしゃり
しゃり音が殆ど出ないが、実施例5、8のものはスチレ
ン系エラストマ−としてtanδのピーク温度が−50
℃と−52℃のものを用いたので、しゃりしゃり音が聞
こえたが実用上の問題はない。これに比べ比較例13〜
15のものは音の評価、透明性のいずれも悪く、比較例
12、16のものは減音の評価はよくても透明性が悪か
った。
【0049】
【発明の効果】請求項1記載の本発明のプロピレン系樹
脂フィルムによると、柔軟性に優れ、かつ、透明性、外
観及び風合い(触感)にも優れている。また、芳香族系
ビニルモノマー−共役ジエン含有量の添加量が少量であ
るので、低コストである。このプロピレン系樹脂フィル
ムに使用されるプロピレン系樹脂は、塩化ビニル、ビニ
ロン等に比べて製袋性に優れているので生産性が良く、
焼却廃棄の際には有毒ガスが発生せず、湿気による品質
の変化も少ない。また、請求項2記載の発明の製造方法
では、Tダイより押し出した後冷却ロールにより急冷す
るので、樹脂の結晶の生成が減少し、表面の平滑性及び
透明性に優れたフィルムが得られる。請求項3記載のプ
ロピレン系樹脂フィルムによると、特に透明性がよく柔
軟性に富むので視覚的、触感的に被包装物に高級感を与
える。また、取扱い中にしゃりしゃりという音が出ない
か、出ても極く僅かであるから高級感を損ねることがな
い。更にインフレーション法で製造するのでチューブ状
のフィルムが得られ、包装等の加工を能率よくできる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 23:00 B29L 7:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレートが0.5〜5g/1
    0分、エチレン含有量が3〜4重量%のプロピレン−エ
    チレンランダム共重合体100重量部及びメルトフロー
    レートが0.3〜8g/10分、芳香族系ビニルモノマ
    ー含有量が5〜36重量%の芳香族系ビニルモノマー−
    共役ジエン共重合体又はその水素添加物3〜9重量部か
    らなる樹脂組成物から形成されるフィルムで、そのヘイ
    ズをH(%)、グロスをG(%)、厚さをT(μm)及
    び引張弾性率をE(kg/cm 2 )とするとき、以下の
    式を満足するプロピレン系樹脂フィルム。 75≦(7.5−H)×(G/6.5) 8≦T×E×10-4≦35
  2. 【請求項2】 Tダイより押し出した後、表面温度が4
    0℃以下のロールで冷却することを特徴とする、請求項
    1記載のプロピレン系樹脂フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 メルトフローレートが0.8〜10g/
    10分、エチレン含有量が2〜4重量%のプロピレン−
    エチレンランダム共重合体100重量部及びスチレン系
    エラストマ−3〜9重量部からなる樹脂組成物から形成
    されるフィルムで、水冷インフレーション法により成膜
    されたことを特徴とするプロピレン系樹脂フィルム。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005005533A1 (ja) * 2003-07-10 2005-01-20 Toyo Seikan Kaisha, Ltd. 酸素吸収性樹脂組成物
CN100424125C (zh) * 2003-07-10 2008-10-08 东洋制罐株式会社 吸氧性树脂组合物

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