JP2000063571A - 熱可塑性エラストマー組成物、該組成物よりなるパウダー及びそれをスラッシュ成形して得られる表皮材 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物、該組成物よりなるパウダー及びそれをスラッシュ成形して得られる表皮材

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JP2000063571A
JP2000063571A JP23983998A JP23983998A JP2000063571A JP 2000063571 A JP2000063571 A JP 2000063571A JP 23983998 A JP23983998 A JP 23983998A JP 23983998 A JP23983998 A JP 23983998A JP 2000063571 A JP2000063571 A JP 2000063571A
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ethylene
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Takemi Matsuno
竹己 松野
Hideo Fuwa
日出生 不破
Tatsuhiko Ogusu
達彦 小楠
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Nakata Coating Co Ltd
Tosoh Corp
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Nakata Coating Co Ltd
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取扱性、成形加工時の流動性、シボ転写性に
優れる熱可塑性エラストマー組成物、熱可塑性エラスト
マー組成物パウダー及びそれらよりなる、機械特性、耐
熱性、意匠性に優れる表皮材を提供する。 【解決手段】 スチレン系熱可塑性エラストマー(A)
30〜60重量%及びエチレン系樹脂(B)40〜70
重量%よりなる合計100重量部に対し、ゼオライト
(C)0.1〜20重量部を配合した組成物を用い、該
組成物を0〜50℃の温度範囲で機械粉砕することで熱
可塑性エラストマーパウダーを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車内装部品の
表皮材等に適する熱可塑性エラストマー組成物、該熱可
塑性エラストマー組成物よりなる熱可塑性エラストマー
パウダー及び該熱可塑性エラストマー組成物よりなる表
皮材に関し、より詳しくは常温粉砕性に優れる熱可塑性
エラストマー組成物からなる、パウダースラッシュ成形
用として優れたパウダー流動性、成形性及び製品特性を
有する熱可塑性エラストマーパウダー及び表皮材に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インストルメントパネルやドアト
リム等の自動車内装材は、主にポリオレフィン系樹脂発
泡体層に、ポリ塩化ビニル樹脂シート、熱可塑性エラス
トマーシート、トリコット等の布状物等の表皮材を積層
あるいは一体成形し、さらに、該複合化表皮層に骨材を
貼り合わせたものが使用される。これらの表皮材の内で
ポリ塩化ビニル樹脂は、従来、表面硬度や柔軟性に優れ
るため幅広く使用されている。しかし、ポリ塩化ビニル
樹脂は焼却するとダイオキシン等の有害物質が発生する
と言われており、環境汚染問題がある。そのため、近
年、ポリ塩化ビニル樹脂の代替として、熱可塑性エラス
トマーのシート成形物の開発がなされて来た。同時に、
ポリ塩化ビニル樹脂の表皮材成形に常用される、パウダ
ーを金型表面に付着させて加熱成形する、いわゆるパウ
ダースラッシュ成形が可能で、かつ、リサイクル及び焼
却可能なポリオレフィン系樹脂パウダーの開発も進めら
れて来た。
【0003】例えば、特開平8−225654号公報に
は、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオ
レフィン系樹脂とからなる(部分架橋)組成物からな
り、250℃における複素動的粘度とニュートン粘性指
数が特定な熱可塑性エラストマーからなり、球換算平均
粒径が0.7mm以下、かさ比重0.38以上、流下性
が20秒/100ml以下の熱可塑性エラストマーパウ
ダー及びそれをスラッシュ成形した成形体が知られてい
る。ここで、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム
は、鉱物油軟化剤を含有した油展EPDMゴムが使用さ
れ、エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴム100重
量部に対し鉱物油軟化剤が通常120重量部以下、好ま
しくは30〜120重量部の範囲で含有されている。そ
のため、鉱物油がパウダーのベトツキを生じさせる恐れ
がある。
【0004】さらに、特開平8−225654号公報に
示される熱可塑性エラストマーパウダーの製造方法は、
熱溶融して、小径の押出し孔を有するダイスから押し出
し、押し出したストランドを細かく切断する方法(押出
法)、熱可塑性エラストマーのガラス転移以下の温度で
粉砕し、次いで溶剤処理して球状化する方法(溶剤処理
法)が示されている。しかし、押出法はダイス内の圧力
損失が大きいために生産速度が問題となり実用的でな
い。また、溶剤処理法は工程が長く、低温粉砕のための
冷却設備と溶剤処理設備が必要となり、コスト高とな
る。
【0005】また、特開平7−227865号公報に示
される、MFRが1〜300g/10分で、オルゼン曲
げ剛性が2,600kg/cm2以下のエチレン系樹脂
から構成される、平均粒子径が10〜600μm、安息
角が60度以下、見掛けかさ密度が0.2g/ml以上
のパウダーは、常温にて機械粉砕が可能であるが、成形
体はソフト感はあっても耐熱性と耐傷付き性に劣るもの
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、粉砕性に優れるとともに、耐熱性、加工時
の流動性、シボ模様転写性に優れる熱可塑性エラストマ
ー組成物、該熱可塑性組成物よりなるパウダー及び該熱
可塑性エラストマー組成物よりなる機械特性、耐熱性、
意匠性に優れる表皮材を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
常温粉砕性とパウダー流動性の問題を解決するために鋭
意検討した結果、スチレン系熱可塑性エラストマー、エ
チレン系樹脂及びゼオライトを含有する熱可塑性エラス
トマー組成物が粉砕性に優れ、また、それよりなる熱可
塑性エラストマーパウダーが取扱性、流動性、耐熱性に
優れ、さらにそれらよりなる表皮材が機械特性、耐熱
性、シボ模様転写性に優れることを見い出し、本発明に
到達した。
【0008】即ち、第一の発明は、スチレン系熱可塑性
エラストマー(A)30〜60重量%及び、190℃の
メルトフローレート(JIS K7210−76)が1
0〜200g/10分、かつ、密度が0.865〜0.
945g/cm3のエチレン系樹脂(B)40〜70重
量%よりなる合計100重量部に対し、ゼオライト
(C)0.1〜20重量部を配合する熱可塑性エラスト
マー組成物に関するものである。
【0009】第二の発明は、該熱可塑性エラストマー組
成物よりなる熱可塑性エラストマーパウダー関するもの
である。
【0010】第三の発明は、該熱可塑性エラストマー組
成物又は該熱可塑性エラストマーパウダーよりなる表皮
材に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0012】本発明に係る第一の発明は、スチレン系熱
可塑性エラストマー(A)30〜60重量%及び190
℃のメルトフローレート(JIS K7210−76)
が10〜200g/10分、かつ、密度が0.865〜
0.945g/cm3のエチレン系樹脂(B)40〜7
0重量%よりなる合計100重量部に対し、ゼオライト
(C)0.1〜20重量部又はゼオライト(C)0.1
〜20重量部及びポリプロピレン系樹脂5〜25重量部
を配合する熱可塑性エラストマー組成物である。 ま
た、第二の発明は、該熱可塑性エラストマー組成物より
なる熱可塑性エラストマーパウダーであり、好ましくは
0〜50℃の温度範囲で機械粉砕することにより得られ
た熱可塑性エラストマーパウダーである。更に該熱可塑
性エラストマーパウダーとしては平均粒径50〜500
μm、JIS K6721に準拠して測定されるかさ比
重が0.28〜0.50、且つ、JIS K6721に
記載のロート内の100mlのパウダーの落下秒数が5
〜12秒であるものが好ましい。
【0013】更に第三の発明は該熱可塑性エラストマー
組成物よりなる表皮材である。
【0014】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
スチレン系熱可塑性エラストマー(A)、エチレン系樹
脂(B)及びゼオライト(C)を必須成分とした熱可塑
性エラストマー組成物である。
【0015】スチレン系熱可塑性エラストマー(A)3
0〜60重量%及びエチレン系樹脂(B)40〜70重
量%よりなる合計100重量部に対し、ゼオライト
(C)0.1〜20重量部が配合される。スチレン系熱
可塑性エラストマー(A)の配合量が30重量%未満で
は、熱可塑性エラストマー組成物としての柔軟性が劣
り、60重量%を越えると熱可塑性エラストマー組成物
の粉砕性が低下したり、成形性が低下する。ゼオライト
(C)の配合量が0.1重量部未満では、熱可塑性エラ
ストマーとした場合のパウダーの粒度分布制御とパウダ
ー流動性の改良効果が無く、配合量が20重量部を越え
ると、熱可塑性エラストマー組成物の流動性が低下す
る。また、ポリプロピレン系樹脂(D)を5〜20重量
部配合すると耐熱性が改良される。
【0016】本発明の熱可塑性エラストマー組成物はゼ
オライト(C)を含有することにより、機械粉砕をおこ
ない熱可塑性エラストマーパウダーとした場合パウダー
流動性の良いパウダーが得られる。そして熱可塑性エラ
ストマーパウダーとする場合、0〜50℃の温度範囲、
即ち、常温で機械粉砕することが好ましい。
【0017】本発明に用いられるゼオライト(C)と
は、例えば結晶性アルミノ・シリケートの含水アルカリ
金属塩又はアルカリ土類金属塩であり、合成ゼオライト
若しくは天然ゼオライトを挙げることができる。アルカ
リ金属又はアルカリ土類金属塩の1価又は2価のカチオ
ンはLi+,Na+、K+、Ca+、Mg2+、Ba2+,St
2+等が挙げられる。本発明においては、0.1〜20重
量部のゼオライトを含有する熱可塑性エラストマー組成
物とすることにより、粉砕性に優れ、かつ、加工時の流
動性が優れたものとなる。また、用いるゼオライトとし
ては含水量の少ないものが好ましい。900℃で1時間
焼成した際の加熱減量で、5%以下、好ましくは3%以
下のものである。また、ゼオライトのかさ比重は0.2
〜1.5、好ましくは0.3〜1.2であり、平均粒径
は0.3〜10μmであるものを用いたものが成形品の
シボ転写性、ハンドリンク等に優れることから好まし
い。
【0018】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
熱可塑性エラストマーパウダーとすることが好ましく、
特に、取り扱い性に優れ、成形外観に優れた成形品が得
られることから平均粒径は50〜500μm、より好ま
しくは、75〜245μmのパウダーとすることが好ま
しく、かさ比重はJIS K6721に準拠して、かさ
比重測定用ロートからかさ比重測定用容器に供給された
熱可塑性エラストマーパウダーの100mlの重量で計
算される。JIS K6721に準拠して測定されるか
さ比重は、シボ模様の転写性およびパウダー流動性の点
から0.28〜0.50が好ましい。
【0019】落下秒数はJIS K6721に記載のロ
ート内に100mlの熱可塑性エラストマーパウダーを
入れ、ダンパーを引き抜いてから100mlの熱可塑性
エラストマーパウダーが落下し終わるまでの秒数であ
る。JIS K6721に記載のロート内の100ml
のパウダーの落下秒数は、シボ模様の転写性およびパウ
ダー流動性の点から、5〜12秒が好ましい。
【0020】さらに、熱可塑性エラストマーパウダーと
する場合、JIS Z8801の標準ふるいを複数用い
て、熱可塑性エラストマーパウダーの粒度分けを行った
際に、呼び寸法250μm(目開き250μm/線径1
60μm)の網ふるい(枠の径200mm、深さ45m
m)を通過しない(オンする)割合はパウダー流動性よ
り、8重量%以下が好ましい。
【0021】このように優れたパウダー流動性を有する
熱可塑性エラストマーパウダーを得る方法としては、熱
可塑性エラストマーのガラス転移以下の温度で粉砕し、
鋭角な角を有する平面的な脆性破壊面からなるものを得
て、次いで溶剤処理して脆性破壊面を球状化する方法等
もあるが、本発明の熱可塑性エラストマー組成物を使用
する場合、0〜50℃の温度範囲で機械粉砕しても、脆
性破壊させないために優れたパウダー流動性を有する熱
可塑性エラストマーパウダーが得られる。
【0022】ここで、機械粉砕とは、例えば、ターボミ
ル等の衝撃式粉砕機を用い、熱可塑性エラストマー組成
物を粉砕しながら、JIS Z8801の呼び寸法50
0μm(目開き500μm/線径315μm)の網ふる
いを通過、かつ、呼び寸法75μm(目開き75μm/
線径50μm)の網ふるいを通過しない熱可塑性エラス
トマーパウダーを得る方法である。
【0023】以下に、熱可塑性エラストマー組成物を形
成する各成分について説明する。
【0024】スチレン系熱可塑性エラストマー(A) 本発明に用いられるスチレン系熱可塑性エラストマー
(A)は、スチレン系ブロック共重合体ともいわれるも
ので、以下に示すハードセグメント及びソフトセグメン
トよりなるものである。即ち、分子末端の少なくとも1
つの末端がスチレンまたはその誘導体の重合体ブロック
部(ハードセグメント)からなり、該ハードセグメント
に挟まれた中間部分又は該ハードセグメントに連続した
部分がイソプレン重合体ブロック、ブタジエン重合体ブ
ロック及びイソプレン・ブタジエン共重合体ブロックか
ら選ばれる少なくとも一つの重合体ブロック部(ソフト
セグメント)からなるものである。ここで、ソフトセグ
メントの不飽和結合は、耐候性、耐熱性を向上させるた
め水素添加されたスチレン系熱可塑性エラストマーが好
ましい。水素添加されたスチレン系熱可塑性エラストマ
ーとしては、商品名「クレイトン G」(シェルジャパ
ン社製、SEBS)、商品名「タフテック H」(旭化
成(株)製、SEBS)、商品名「セプトン」(クラレ
(株)製、SEPS)、商品名「ダイナロン」(日本合
成ゴム(株)製、HSBR)、商品名「ハイブラー」
(日本合成ゴム(株)製)等が挙げられる。
【0025】本発明に用いられるスチレン系熱可塑性エ
ラストマーは、上記の水素添加されたスチレン系熱可塑
性エラストマーを単独、あるいは、組み合わせて使用で
きる。さらに、熱可塑性エラストマーの耐熱性を損なわ
ない範囲において、上記の水素添加されたスチレン系熱
可塑性エラストマーに他のスチレン系熱可塑性エラスト
マー組み合わせて使用できる。
【0026】また、本発明に用いられるスチレン系熱可
塑性エラストマー(A)としては、得られる熱可塑性エ
ラストマー組成物がよりシボ転写性及び機械強度に優れ
ることからJIS K7210−76、条件14、荷重
2.16Kg、温度230℃で測定したメルトフローレ
ート(MFR)が5〜100g/10分であることが好
ましい。
【0027】エチレン系樹脂(B) 本発明に用いられるエチレン系樹脂(B)は、JIS
K7210−76、条件4、荷重2.16Kg、190
℃で測定したMFRが10〜200g/10分、好まし
くは20〜100g/10分、かつ、JIS K711
2−80で測定した密度が0.865〜0.945g/
cm3であることが好ましい。ここで、MFRが10g
/10分未満である場合、得られる熱可塑性エラストマ
ー組成物の成形流動性が低下する。一方、200g/1
0分を越える場合、機械強度が不足する。また、密度
0.865g/cm3未満の場合、得られる熱可塑性エ
ラストマーの耐熱性が低下する。一方、0.945g/
cm3を越える場合、得られる熱可塑性エラストマーの
柔軟性が低下する。
【0028】このようなエチレン系重合体(B)は、チ
タン、ジルコニウム等の遷移金属化合物、マグネシウム
化合物及び有機アルミニウム化合物から成る高活性チー
グラー触媒、又は、ジルコニウム、ハフニウム、チタン
等の遷移金属に少なくとも一つのシクロペンタジエニル
基若しくは置換シクロペンタジエニル基を有するメタロ
セン触媒を用い、重合することにより製造することがで
きる。
【0029】具体的には、超低密度ポリエチレン、極低
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン及びエチレン−酢酸ビニル
共重合体から選ばれる少なくとも一種である。中でも、
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合し
て得られるエチレン・α−オレフィン共重合体(B1)
が好ましい。
【0030】さらに、エチレン・α−オレフィン共重合
体(B1)は、得られる熱可塑性エラストマー組成物が
特に優れた柔軟性、シボ転写性、機械強度を有すること
から、その特性として重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比で表される単分散性(Mw/M
n)が1.5〜3の範囲であり、走査型示差熱量計によ
る融点が実質的に一つであるという特性を有するものが
好ましい。また、本発明に用いられる熱可塑性エラスト
マー組成物が特に優れた常温粉砕性を有し、常温粉砕し
たパウダーの流動性にも優れるといった取扱性が優れる
ことから、JISK7210−76、条件4、190
℃、荷重2.16kgで測定したMFRに対するJIS
K7210−76、条件7、190℃、荷重21.6
kgで測定したMFR(HLMFR)との比(HLMF
R/MFR)が20〜50、好ましくは22〜45の範
囲であるものが好ましい。この特性を有するエチレン・
α−オレフィン共重合体(B1)は上記メタロセン触媒
を用いて製造することができる。
【0031】ここで、エチレンとの共重合に用いられる
炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、プロピレ
ン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチ
ル−1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、1−デセン、1−ドデセン、1−ヘキサデセ
ン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどを挙げるこ
とが出来る。
【0032】また、本発明に用いられるエチレン系樹脂
(B)は、上記のエチレン・α−オレフィン共重合体
(B1)40〜90重量%と、190℃、2.16Kg
荷重のメルトフローレート(JIS K7210−7
6)20〜200g/10分、かつ、JIS K711
2−80で測定した密度0.920〜0.945g/c
3のエチレン・α−オレフィン共重合体(B2)60
〜10重量%からなることが、得られる熱可塑性エラス
トマー組成物の柔軟性と耐熱性をバランスさせるため好
ましい。
【0033】エチレン・α−オレフィン共重合体(B
2)は、JIS K7210−76、条件4、190℃
で測定したMFRが20〜200g/10分、好ましく
は40〜150g/10分、かつ、JIS K7112
−80で測定した密度が0.920〜0.945g/c
3,好ましくは0.920〜0.940g/cm3であ
る。また、エチレン・α−オレフィン共重合体(B2)
は、高活性チーグラー触媒又はメタロセン触媒を用い、
エチレン及び炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合
することにより製造することができる。
【0034】ポリプロピレン系樹脂(D) プロピレン系樹脂(D)は、ホモポリマー、15モル%
以下のプロピレンを除くα−オレフィンを少なくとも一
種を含むランダム共重合体及びブロック共重合体が挙げ
られる。プロピレン系樹脂(D)は、得られる熱可塑性
エラストマー組成物がシボ転写性及び機械強度に優れる
ことから、JIS K7210−76、条件14、荷重
2.16Kg、温度230℃で測定したメルトフローレ
ート(MFR)が20〜100g/10分であることが
好ましい。ポリプロピレン系樹脂(D)の添加は耐熱性
改良としてもちいるが、耐熱性、粉砕性に優れる熱可塑
性エラストマー組成物が得られることから配合量が5〜
25重量部が好ましい。
【0035】熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 本発明の熱可塑性エラストマー組成物を製造する際の製
造方法としては、本発明の熱可塑性エラストマー組成物
を製造することが可能であればいかなる方法を用いても
よく、例えば、各構成成分の所定量をヘンシェルミキサ
ー、タンブラー型ブレンダー、及びV型ブレンダー等の
混合機でドライブレンドした後、該混合物をバンバリー
ミキサー、押出機、ニーダー、ミキサー等の混練機に連
続又は非連続に供給し、加熱溶融混練した後、既知の方
法でペレット化する方法を挙げることができる。
【0036】熱可塑性エラストマーパウダーの製造方法 本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、液体窒素、ド
ライアイス等の冷媒や冷却設備を用いて−60℃以下の
温度に冷却して機械粉砕し、さらに、後処理でパウダー
形状を球状にしてパウダー流動性を改良する方法も可能
である。しかし、本発明の熱可塑性エラストマー組成物
は、常温粉砕性に優れるもので、常温で機械粉砕でき
る。即ち、0〜50℃の温度範囲で機械粉砕することで
得られるものであり、平均粒径50〜500μmを有す
るパウダーとすることが可能であり、本発明の熱可塑性
エラストマーパウダーはその取扱性に優れ、特にパウダ
ースラッシュ成形に供した際に得られる製品は、機械特
性、意匠性に優れたものとなる。ここで、常温粉砕と
は、ターボミル等の衝撃式粉砕機を用い、本発明の熱可
塑性エラストマー組成物を0〜50℃の温度範囲にて機
械粉砕しながら、JISZ8801の標準ふるいで、呼
び寸法500μm(目開き500μm/線径315μ
m)の網ふるいを通過し、かつ、同75μm(75μm
/50μm)のふるいを通過しない熱可塑性エラストマ
ーパウダーを得る方法である。本方法は、粉砕設備が簡
素であり、冷却等の付随設備を必要としないことからコ
スト的に優れる。
【0037】任意成分 本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、接着性を付与
するため不飽和カルボン酸又は無水物による変性ポリオ
レフィンを配合してもよく、その配合量は熱可塑性エラ
ストマー組成物100重量部に対し0〜15重量部であ
ることが好ましい。さらに、柔軟性を付与するために鉱
物油系軟化剤を配合してもよく、その配合量は熱可塑性
エラストマー組成物の耐熱性を低下させることがないこ
とから、熱可塑性エラストマー組成物100重量部に対
し0〜10重量部であることが好ましい。
【0038】本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、
本発明の目的を逸脱しない限りにおいて、例えば、フェ
ノール系、リン系、アミン系、イオウ系等の酸化防止
剤、難燃剤、充填剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、離型
剤、顔料等を添加しても良い。 表皮材の製造方法 本発明の表皮材は、本発明の熱可塑性エラストマーパウ
ダーを、例えば、パウダースラッシュ成形、圧縮成形、
ロール成形、押出成形、射出成形等の各種成形加工法に
より成形加工することにより得られる。そして、本発明
の表皮材としては、優れた機械特性、耐熱性、シボ転写
性の表皮材を得られることからパウダースラッシュ成形
により得られたものであることが好ましい。
【0039】本発明の熱可塑性エラストマー組成物、熱
可塑性エラストマー組成物パウダー及びそれらよりなる
表皮材は、自動車内装材であるインストルメントパネ
ル、天井、ドア、座席シート、ピラー、ステアリングホ
イール、取っ手等、家具、雑貨、家屋の内張り等の表皮
材として用いられる。
【0040】
【実施例】以下、本発明について実施例により説明する
が、これら実施例に限定されるものではない。
【0041】実施例及び比較例における、エチレン・α
−オレフィン共重合体(B)のMw/Mn測定、融点測
定は以下の方法に従った。
【0042】*Mw/Mn(単分散性)の測定 ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(日本ミ
リポア社製、装置名「ALC/GPC150C」(カラ
ム:東ソー(株)製、商品名「GMHHR−H(S)」
3本、溶媒:1,2,4−トリクロルベンゼン、温度:
140℃、流量1.0ml/分、注入濃度1mg/1m
l、注入量300μl)を用いて測定した。なお、東ソ
ー製標準ポリスチレンを用いて、ユニバーサルキャリブ
レーション法によりカラム溶出体積は校正した。
【0043】*融点測定 走査型示差熱量計(DSC)(パーキンエルマー社製、
装置名「DSC−7」を用いて測定した。DSC炉内で
試料を200℃で5分間溶融させた後、10℃/分の冷
却速度で30℃まで下げて固化(結晶化)した試料につ
いて、10℃/分の速度で昇温させて得られる吸熱曲線
の最大ピークの位置の温度を融点として測定した。
【0044】また、実施例及び比較例に示される熱可塑
性エラストマーパウダーは、以下に示す方法により、熱
可塑性エラストマー組成物を混練・ペレット化し、粉砕
したものである。得られた熱可塑性エラストマーパウダ
ーの測定粒度分布測定、パウダースラッシュ成形性及び
耐熱試験の評価方法を以下に示す。
【0045】*熱可塑性エラストマー組成物の製造 各成分を所定量添加してドライブレンドした後、加圧ニ
ーダー(森山製作所製DS3−7.5MHH−E型)で
混練し、ロールでシート化後ペレット化を行った。
【0046】*熱可塑性エラストマーパウダーの製造 上記の熱可塑性エラストマー組成物ペレットを粉砕機
(ターボ工業社製、装置名「ターボミルT−400
型」)を用いて、室温にて機械粉砕を行ない、粒度分布
測定用の熱可塑性エラストマーパウダーを得た。また、
パウダースラッシュ成形用の熱可塑性エラストマーパウ
ダーは、上記の熱可塑性エラストマー組成物ペレットを
JIS Z8801の呼び寸法500μm(目開き50
0μm)の網ふるいを有する上記した粉砕機を用いて、
室温にて機械粉砕を行なって得た。
【0047】*パウダーの粒度分布測定 熱可塑性エラストマーパウダーの粒度分布はJIS Z
8801の標準ふるいを使用し、ふるい分けされた各粒
度の重量で評価した。即ち、熱可塑性エラストマーパウ
ダー100gを以下に示す5つの呼び寸法の網ふるい
(枠の径200mm、深さ45mm)を使用し、ハンマ
ー付きふるい振とう機(飯田製作所製)で15分間振と
うした後、各ふるいにオンしているパウダーと受け皿の
パウダー重量を測定した。
【0048】 500μm(目開き500μm/線径315μm)、 250μm(目開き250μm/線径160μm)、 180μm(目開き180μm/線径125μm)、 106μm(目開き106μm/線径 71μm)、 75μm(目開き 75μm/線径 50μm)
【0049】*パウダースラッシュ成形性 熱可塑性エラストマーパウダーを一軸回転パウダースラ
ッシュ成形装置に取り付けた300mm×300mm、
深さ200mmのステンレス製角形容器(以下、パウダ
ー供給ボックスという)に2Kg投入した。該パウダー
供給ボックスの上部に予め230℃に加熱した、アンダ
ーカット部を有する階段形状のシボ付きニッケル電鋳金
型をクランプで取付、パウダー供給ボックスとシボ付き
電鋳金型を同時に左右に各5回転づつ回転を繰り返し
た。その後、シボ付き金型を木ハンマーで2〜3回たた
き、過剰のパウダーを払い落とした。供給ボックスから
シボ付き電鋳金型を外し、300℃の加熱炉中で30秒
間加熱溶融した後、水冷し、金型より成形品を取り出し
た。そして、脱離して得られた成形品の性状より、熱可
塑性エラストマー組成物パウダーのパウダースラッシュ
成形性の評価を行った。パウダースラッシュ成形性の評
価基準を以下に示す。
【0050】 ○:成形品にピンホールがない。 △:成形品に多少ピンホールがある。 ×:成形品にピンホールが目立つおよび内面の平滑不
良。
【0051】*柔軟性 上記パウダースラッシュ成形で得られた成形品を、手で
折り曲げ触感を見た。 ○:成形品を折り曲げ、成形品に白化、割れ無し。 ×:成形品を折り曲げ、成形品に白化、割れが発生し
た。 図1に実施例及び比較例で用いた熱可塑性エラストマー
パウダーの入ったパウダー供給ボックスとスラッシュ成
形用金型の断面図、図2にスラッシュ成形用金型の正面
図、図3にスラッシュ成形体の断面図を示す。また、使
用した試料を以下に記す。
【0052】熱可塑性エラストマー(A) スチレン系熱可塑性エラストマー(A) A−1:シェルジャパン社製、商品名「クレイトン G
1657」(SEBS)230℃のMFR=8g/10
分 A−2:クラレ(株)製、商品名「セプトン2002」
(SEPS) 230℃のMFR=70g/10分、JIS A硬度8
0、スチレン含量30重量% A−3:日本合成ゴム(株)製、商品名「ダイナロン1
321P」(HSBR)230℃のMFR=10g/1
0分、JIS A硬度41、スチレン含量10%
【0053】エチレン系樹脂(B) B1:エチレン・1−オクテン(E/O)共重合体(ダ
ウケミカル社製、商品名「アフィニティSM135
0」)(密度0.913g/cm3,190℃のMFR
30g/10分、Mw/Mn=2.0、DSC融点10
6℃にひとつ、HLMFR/MFR=26) B2:エチレン・1−ブテン(E/B)共重合体(日本
ユニカー製、商品名「NUCポリエチレン−LL MG
365」)(密度0.932g/cm3,190℃のM
FR=110g/10分、Mw/Mn=3.8、DSC
融点127℃にひとつ、HLMFR/MFR=22) B3:エチレン・1−ブテン(E/B)共重合体(東ソ
ー(株)製、商品名「ニポロン−L M50」(密度
0.935g/cm3,190℃のMFR=3.0g/
10分) ゼオライト(C) C1:水澤化学製、商品名「シルトンJC−50」、N
aCaアルミノケイ酸塩(平均粒径4μm、かさ比重
0.95、含水量1.5重量%)
【0054】実施例1 スチレン系熱可塑性エラストマー(A)として、シェル
ジャパン社製、商品名「クレイトン G1657」(S
EBS、試料A−1)25重量%とクラレ(株)製、商
品名「セプトン2002」(SEPS、試料A−2)2
5重量%及びポリエチレン系樹脂(B)として、E/O
共重合体(ダウケミカル社製、商品名「エンゲージ84
03」(密度0.913g/cm3,190℃のMFR
30g/10分))(試料B1)50重量%よりなる合
計100重量部に対し、ゼオライト(C)として水沢化
学製、商品名「シルトンJC−50」、NaCaアルミ
ノケイ酸塩(平均粒径4μm、かさ比重0.95、含水
量1.5重量%)(試料C)5重量部をドライブレンド
した後、加圧ニーダー(森山製作所製、装置名「DS3
−7.5MHH−E型」)で混練し、ロールでシート化
後にペレット化をすることにより得られた熱可塑性エラ
ストマー組成物ペレットを、ターボ工業社製、装置名
「ターボミルT−400型」粉砕機を用いて室温(25
℃)にて機械粉砕を行なう方法により、熱可塑性エラス
トマーパウダーを得た。
【0055】また、上記に示す方法により得られた熱可
塑性エラストマーパウダーのパウダースラッシュ成形性
を評価したところ、得られた成形品はピンホールの無い
シボ模様がはっきり細部まで充分に再現された肉厚の均
一性に優れた製品であった。その結果を表1に示す。
【0056】実施例2 スチレン系熱可塑性エラストマー(A)として、クラレ
(株)製、商品名「セプトン2002」(SEPS、試
料A2)25重量%と日本合成ゴム(株)製、商品名
「ダイナロン1321P」(HSBR、試料A3)25
重量%及びポリエチレン系樹脂(B)としてE/O共重
合体(ダウケミカル社製、商品名「エンゲージ840
3」(試料B1)25重量%とエチレン・1−ブテン
(E/B)共重合体(日本ユニカー製、商品名「NUC
ポリエチレン−LL MG365」)25重量%よりな
る合計100重量部に対し、ゼオライト(C)として水
沢化学製、商品名「シルトンJC−50」、NaCaア
ルミノケイ酸塩(試料C)5重量部をドライブレンドし
た後、実施例1と同様の方法により熱可塑性エラストマ
ーパウダーを得た。
【0057】また、得られた熱可塑性エラストマーパウ
ダーを実施例1と同様の方法により評価しその結果を表
1に示す。
【0058】熱可塑性エラストマーパウダーより得られ
たパウダースラッシュ成形品は、ピンホールの無いシボ
模様がはっきり細部まで充分に再現された肉厚の均一性
に優れた製品であった。
【0059】その結果を表1に示す。
【0060】実施例3 スチレン系熱可塑性エラストマー(A)として、シェル
ジャパン社製、商品名「クレイトン G1657」(S
EBS、試料A−1)25重量%とクラレ(株)製、商
品名「セプトン2002」(SEPS、試料A−2)2
5重量%及びポリエチレン系樹脂(B)として、E/O
共重合体(ダウケミカル社製、商品名「エンゲージ84
03」(密度0.913g/cm3,190℃のMFR
30g/10分)(試料B1)50重量%よりなる合計
100重量部に対し、ゼオライト(C)として水沢化学
製、商品名「シルトンJC−50」、NaCaアルミノ
ケイ酸塩(平均粒径4μm、かさ比重0.95、含水量
1.5重量%)(試料C)5重量部に、ポリプロピレン
系樹脂としてランダム共重合体(トクヤマ(株)製、M
T495、230℃のMFR=60g/10分)(試料
D1)25重量部ドライブレンドした後、実施例1と同
様の方法により熱可塑性エラストマーパウダーを得た。
【0061】また、得られた熱可塑性エラストマーパウ
ダーを実施例1と同様の方法により評価しその結果を表
1に示す。
【0062】熱可塑性エラストマーパウダーより得られ
たパウダースラッシュ成形品は、ピンホールの無いシボ
模様がはっきり細部まで充分に再現された肉厚の均一性
に優れた製品であった。
【0063】その結果を表1に示す。
【0064】比較例1 スチレン系熱可塑性エラストマー(A)として、シェル
ジャパン社製、商品名「クレイトン G1657」(S
EBS、試料A1)25重量%とクラレ(株)製、商品
名「セプトン2002・(SEPS、試料A2)25重
量%及びエチレン・1−ブテン(E/B)共重合体(東
ソー(株)製、商品名・ニポロン−LM50・(試料B
3)50重量%よりなる合計100重量部に対し、ゼオ
ライト(C)として水沢化学製、商品名「シルトンJC
−50」、NaCaアルミノケイ酸塩(試料C)5重量
部をドライブレンドした後、実施例1と同様の方法によ
り熱可塑性エラストマーパウダーを得た。熱可塑性エラ
ストマーパウダーより得られたパウダースラッシュ成形
品は、ピンホールがあり、シボ模様がはっきりせず細部
まで充分に再現されない製品であった。
【0065】また、得られた熱可塑性エラストマーパウ
ダーを実施例1と同様の方法により評価しその結果を表
1に示す。
【0066】比較例2 実施例1において、ゼオライト(C)を使用せずに実施
例1と同様の方法により熱可塑性エラストマーパウダー
を得た。得られたパウダースラッシュ成形品は、ピンホ
ールがあり、シボ模様がはっきりせず細部まで充分に再
現されない製品であった。
【0067】比較例3 スチレン系熱可塑性エラストマー(A)として、シェル
ジャパン社製、商品名「クレイトン G1657」(S
EBS、試料A−1)70重量%及びポリエチレン系樹
脂(B)としてE/O共重合体(ダウケミカル社製、商
品名「エンゲージ8403」(試料B1)30重量%よ
りなる合計100重量部に対して、ゼオライト(C)と
して水沢化学製、商品名「シルトンJC−50」、Na
Caアルミノケイ酸塩(試料C)5重量部をドライブレ
ンドした後、実施例1と同様の方法により熱可塑性エラ
ストマーパウダーを得た。熱可塑性エラストマーパウダ
ーより得られたパウダースラッシュ成形品は、ピンホー
ルがあり、シボ模様がはっきりせず細部まで充分に再現
されない製品であった。
【0068】比較例4 実施例1において、ゼオライト(C)を25重量部とし
た以外は、実施例1と同様の方法により熱可塑性エラス
トマーパウダーを得た。得られたパウダースラッシュ成
形品は、ピンホールがあり、シボ模様がはっきりせず細
部まで充分に再現されない製品であった。
【0069】
【表1】
【0070】
【発明の効果】本発明の熱可塑性エラストマーパウダー
は常温粉砕可能であって、粒度分布が狭くて流動性に優
れる。該パウダーを用いてスラッシュ成形を行う際、パ
ウダリング時間が短縮され、アンダーカット部を有する
製品形状もピンホールの発生が無く、生産性と意匠性に
優れる。また、表皮材は耐熱性とシボ模様転写性に優れ
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例で用いた熱可塑性エラストマ
ーパウダーの入ったパウダー供給ボックスとスラッシュ
成形用金型の断面図。
【図2】実施例及び比較例で用いたスラッシュ成形用金
型の正面図。
【図3】実施例及び比較例で用いたスラッシュ成形体の
断面図。
【符号の説明】
1;スラッシュ成形用金型 2;パウダー供給ボックス 3;熱可塑性エラストマーパウダー 4;回転軸 5;スラッシュ成形体 6;スラッシュ成形体のアンダーカット部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 23:00 25:00 (72)発明者 小楠 達彦 三重県四日市市羽津戊746−36 Fターム(参考) 4F205 AA03 AA04C AA11 AA13 AA45B AA47 AB16 AC04 AH26 GA13 GB01 GC04 GE02 GE03 GE24 GF01 GF02 GF21 GW21 GW41 4J002 BB03W BB05W BB06W BB123 BB143 BB15W BB153 BP01X BP023 DJ006 FD070 GL00 GN00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系熱可塑性エラストマー(A)
    30〜60重量%及び、190℃のメルトフローレート
    (JIS K7210−76)が10〜200g/10
    分、かつ、密度が0.865〜0.945g/cm3
    エチレン系樹脂(B)40〜70重量%よりなる合計1
    00重量部に対し、ゼオライト(C)0.1〜20重量
    部を配合したことを特徴とする熱可塑性エラストマー組
    成物。
  2. 【請求項2】 スチレン系熱可塑性エラストマー(A)
    30〜60重量%及び、190℃のメルトフローレート
    (JIS K7210−76)が10〜200g/10
    分、かつ、密度が0.865〜0.945g/cm3
    エチレン系樹脂(B)40〜70重量%よりなる合計1
    00重量部に対し、ゼオライト(C)0.1〜20重量
    部及びポリプロピレン系樹脂(D)5〜25重量部を配
    合したことを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 エチレン系樹脂がエチレン・α−オレフ
    ィン共重合体(B1)である請求項1又は請求項2に記
    載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 エチレン・α−オレフィン共重合体のゲ
    ル・パーミエイション・クロマトグラフィー測定におけ
    る単分散性(重量平均分子量/数平均分子量)が1.5
    〜3.0の範囲であることを特徴とする請求項3に記載
    の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載の熱可塑性エラストマー組成物よりなる熱可塑性
    エラストマーパウダー。
  6. 【請求項6】 平均粒径が50〜500μm、JIS
    K6721に準拠して測定されるかさ比重が0.28〜
    0.50、かつ、JIS K6721に記載のロート内
    の100mlのパウダーの落下秒数が5〜12秒である
    ことを特徴とする請求項5に記載の熱可塑性エラストマ
    ーパウダー。
  7. 【請求項7】 0〜50℃の温度範囲で機械粉砕された
    ものであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記
    載の熱可塑性エラストマーパウダー。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載の熱可塑性エラストマー組成物よりなることを特
    徴とする表皮材。
  9. 【請求項9】 請求項5ないし請求項7のいずれか1項
    に記載の熱可塑性エラストマーパウダーよりスラッシュ
    成形されてなることを特徴とする表皮材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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