JPH10298276A - 粒状ポリアリレートの製造方法 - Google Patents

粒状ポリアリレートの製造方法

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JPH10298276A
JPH10298276A JP9110617A JP11061797A JPH10298276A JP H10298276 A JPH10298276 A JP H10298276A JP 9110617 A JP9110617 A JP 9110617A JP 11061797 A JP11061797 A JP 11061797A JP H10298276 A JPH10298276 A JP H10298276A
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隆正 大脇
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリアリレートが活性末端を含まず、微粉の
割合が少なく、ハンドリングの良い粒状のポリアリレー
トを容易な装置で長時間にわたり連続かつ安定的に得る
ことができる粒状ポリアリレートの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 造粒槽内で、常圧ないし減圧で40〜1
00℃に加熱され、撹拌されているポリアリレート−水
系スラリー中へ、ポリアリレートの塩化メチレン溶液を
供給し混合し、塩化メチレンを留去しながら、混合スラ
リーを造粒槽に設けた循環ラインを通して循環させ、循
環スラリーの一部を抜き取って粒状のポリアリレートを
製造する方法において、ポリアリレートの塩化メチレン
溶液を造粒槽内の気相部から液滴状にして液相に供給す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、界面重合後のポリ
アリレート含有塩化メチレン溶液から、粒状のポリアリ
レート粉末を操業性よく製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、界面重合後の塩化メチレン溶液か
ら粒状のポリアリレートを製造する方法として種々の方
法が提案されている。例えば、ポリアリレートを溶解せ
ず、塩化メチレンと相溶するアルコールのような貧溶媒
中に界面重合後のポリアリレートの塩化メチレン溶液を
強撹拌下に添加し、ポリアリレートを沈澱とする溶剤沈
澱法、ポリアリレートの塩化メチレン溶液を押出機中で
加熱または減圧下で加熱することによって溶媒を留去し
ポリアリレート粉末を製造するニーダー法、ポリアリレ
ートの溶液を噴霧して溶媒を留去し、微粒子状粉末を製
造するスプレードライ法等である。
【0003】前記溶剤沈澱法によるポリアリレート粉末
の製造においては、貧溶媒を塩化メチレン溶液の体積の
20倍程度使用しなければならず非常にコストが高くな
り、また厳密に防爆された設備が必要であった。さら
に、この方法によって得られる粉末は嵩密度が低くハン
ドリングが良い物でなかった。また、ニーダー法による
ポリアリレート粉末の製造においては、ポリアリレート
がブロック状の塊となって固化するため内部に塩化メチ
レンが残留し易く、また、さらにこの方法は比較的高い
温度を必要とするため場合によってはポリアリレートが
着色するという問題があった。スプレードライ法による
ポリアリレート粉末の製造においては、塩化メチレン溶
液の粘度調整が必要であり、例えば高粘度の溶液を用い
た場合、ポリアリレートは繊維状になり粉末で得ること
が困難であった。また低粘度に希釈して粉末状のポリア
リレートが得られたとしても粒子径が100μm以下で
ハンドリングの良い物で無かった。
【0004】この様な問題を解決する方法として、特開
昭50−139156号公報には、常温ないし200℃
のポリアリレートの塩化メチレン溶液を、50〜80℃
に保持されている空間もしくは温水中へ細孔を通じて噴
射し、撹拌状態のその温水中で造粒作用を完結させる、
粒状ポリアリレートの製法が開示されている。この方法
では、撹拌槽内に羽付き撹拌翼を設置し、それを350
0rpmで高速回転させることによって粒子を粉砕する
ため、粒子径分布が広くなったり、微粉末が発生したり
するという問題があった。また塩化メチレンが少量残存
した柔らかく粘着性のあるポリアリレート粒子が、撹拌
翼の高速回転で器壁に高速で衝突するために、器壁に粒
子が付着しやすく、長時間運転した場合には成長した付
着粒子の樹脂塊が発生して撹拌できなくなるという致命
的な問題があった。さらにこの方法においては高速回転
できる羽付き撹拌翼のような特殊な装置が必要であっ
た。
【0005】また、特開平4−202220号公報に
は、ポリアリレートの重合を重合中にゲルまたは固形物
となって析出するような高い濃度で行い、この際に予め
分散安定剤を添加し粒状に析出したポリアリレート粉末
を製造する方法が開示されている。この方法によれば、
ポリアリレートの粉末が得られたとしても重合中にゲル
化することによって活性な酸クロライド末端が失活せ
ず、また未反応モノマーがポリマー内部に残留し、ポリ
マーの色調や熱安定性に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような状況に鑑
み、本発明の課題は、ポリアリレートが活性末端を含ま
ず、微粉の割合が少なく、ハンドリングの良い粒状のポ
リアリレートを容易な装置で長時間にわたり連続かつ安
定的に得ることができる粒状ポリアリレートの製造方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリアリ
レート塩化メチレン溶液を、特定の温度に保たれ撹拌さ
れているポリアリレート−水系スラリー中へ供給し、さ
らにこの後塩化メチレンを留去しつつスラリーを循環さ
せ、循環ライン中でスラリーに撹拌を加えることによっ
て蒿密度が高く、微粉末の少ない粒状のポリアリレート
が製造できることを見いだした。しかしながら、ポリマ
ーの塩化メチレン溶液を、そのまま供給した場合には、
槽内への樹脂の付着が発生し、連続的かつ安定な運転が
困難であることがわかり、このような問題を解決するた
めに、鋭意検討を行った結果、槽内への樹脂付着がポリ
アリレートの塩化メチレン溶液の供給方法によって著し
く異なるとの知見を得た。特に、気相部からポリマー溶
液を液滴状にしてポリアリレート−水系スラリー中へ供
給した場合には、液滴表面から塩化メチレンの蒸発が起
こることによって、表面は付着性がなくなり、槽内への
付着も抑制できるとの知見を得、この知見に基づき本発
明に到達した。
【0008】すなわち、本発明の要旨は、造粒槽内で、
常圧ないし減圧で40〜100℃に加熱され、撹拌され
ているポリアリレート−水系スラリー中へ、ポリアリレ
ートの塩化メチレン溶液を供給し混合し、塩化メチレン
を留去しながら、混合スラリーを造粒槽に設けた循環ラ
インを通して循環させ、循環スラリーの一部を抜き取っ
て粒状のポリアリレートを製造する方法において、ポリ
アリレートの塩化メチレン溶液を造粒槽内の気相部から
液滴状にして液相に供給することを特徴とする粒状ポリ
アリレートの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明の粒状ポリアリレー
トの製造方法について詳細に説明する。本発明におい
て、ポリアリレートは実質的に二価フェノールと芳香族
ジカルボン酸から構成される非晶性芳香族ポリエステル
である。
【0010】ポリアリレートを構成する二価フェノール
成分として好ましいものは、レゾルシノール、ハイドロ
キノン、4,4’−ビフェノール、2,2’−ビフェノ
ール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロ
キシルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スル
フィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)ジフェニルメタン、4,4’−(m
−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノール、
4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビス
フェノール、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピ
リデン)ビス(2,6−キシレノール)、ビス(3,5
−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテ
ル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチル
シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、4,4’−(1−メチルペン
チリデン)ビスフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジメチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’
−ジヒドロキシルビフェニル、3,3',5,5’−テト
ラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,
4’−ジヒドロキシベンゾフェノンや1,4−ジ(4−
ヒドロキシフェニル)−p−メンタン、1,4−ジ(3
−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン、
1,4−ジ(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−p−メンタン等のテルペンジフェノール類等を挙
げることができる。
【0011】また、ポリマーの特性を損なわない範囲で
二価フェノールを、エチレングリコール、プロピレング
リコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサ
ンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ド
デカンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキ
サンジオール、1、4−ジヒドロキシメチルシクロヘキ
サン等の二価アルコールで置き換えてもよい。
【0012】さらに、ポリアリレートを構成する芳香族
ジカルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソ
フタル酸、オルソフタル酸、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアル
キル基が1ないし2個置換したフタル酸誘導体類、1,
5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸等のナフタレンジカルボン酸誘導体類、4,
4’−ジカルボキシビフェニル、ジフェン酸、4,4’
−ジカルボキシジフェニルエーテル、ビス(p−カルボ
キシフェニル)アルカン、4,4’−ジカルボキシジフ
ェニルスルホン等が挙げられ、これらの1種もしくは2
種以上を混合して用いてもよい。中でも好ましいのは、
テレフタル酸及びイソフタル酸であり、特に好ましいの
はテレフタル酸とイソフタル酸の混合物である。
【0013】本発明においては、ポリアリレート成分
を、前述した芳香族ジカルボン酸の他に、実質的にその
特性を損なわない範囲で、他の脂肪族ジカルボン酸類で
置き換えてもよい。そのようなジカルボン酸としては、
ジカルボキシメチルシクロヘキサン、シクロヘキサンジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、ド
デカン二酸等を挙げることができる。
【0014】また、ポリアリレートの末端は、フェノー
ルのほか、o,m,p−クレゾール、ジメチルフェノー
ル、o,m,p−エチルフェノール、o,m,p−n−
プロピルフェノール、o,m,p−イソプロピルフェノ
ール、o,m,p−n−ブチルフェノール、o,m,p
−イソブチルフェノール、o,m,p−sec−ブチル
フェノール、o,m,p−tert−ブチルフェノール
等の一価フェノールやメタノール、エタノール、n−プ
ロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノ
ール、ヘキサノール、ドデシルアルコール、ステアリル
アルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコー
ル等の一価のアルコールや酢酸、プロピオン酸、オクタ
ン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、トルイル
酸、フェニル酢酸、p−tert−ブチル安息香酸、p
−メトキシフェニル酢酸等の一価のカルボン酸で封鎖さ
れていてもよい。
【0015】また、本発明において、ポリアリレート
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し
た、ポリスチレン換算の数平均分子量が5000以上、
好ましくは10000〜300000である。分子量が
5000未満であると、ポリマーとしての機械的物性が
低下し、一方300000を超えると溶融時の加工性が
低下するので好ましくない。
【0016】本発明で得られる粒状ポリアリレートは平
均粒子径が500μm以上である。平均粒子径が500
μm未満であるとハンドリングが悪くなる。好ましくは
平均粒子径が1000μm以上である。平均粒子径の測
定方法は種々提案されているが、本発明の平均粒子径と
は光学顕微鏡によって直接測定した各サンプルの粒子径
の数平均値を単に平均粒子径と呼ぶ。
【0017】さらに、本発明で得られる粒状ポリアリレ
ートは、微粉の割合が少ない。微粉の割合の定義とし
て、250μm篩の通過重量%をとれば、本発明の方法
で得られる粒状ポリアリレートは、通過重量%が5%以
下であることが好ましく、3%以下にあることがより好
ましい。微粉が5%を超えると、成形時や押出し時のホ
ッパー供給において、粉塵の飛散が起こるので好ましく
ない。
【0018】また、本発明で得られる粒状のポリアリレ
ートは、0.2以上の嵩密度を有している。より好まし
くは0.3以上である。嵩密度が0.2未満であるとハ
ンドリングが悪くなる傾向にあり好ましくない。嵩密度
は、公知の方法で測定することができる。本発明におい
ては、タッピングしない場合の嵩密度が採用される。
【0019】本発明が適用されるポリアリレートとして
は、特に限定されないが、界面重合後、液−液分離した
後のポリアリレートの塩化メチレン溶液を使用すること
が、操業を連続して行える点で好ましい。界面重合は重
合触媒の共存下で、二価フェノールと場合によっては前
述した末端封鎖剤を溶解したアルカリ水溶液に、塩化メ
チレンに溶かした芳香族ジカルボン酸ハライドを混合し
て二価フェノールと前述した芳香族ジカルボン酸のハラ
イドを2〜50℃で0.5〜5時間撹拌しながら反応さ
せることにより行われる。
【0020】界面重合時の塩化メチレンの量は、通常ポ
リマー濃度が5〜25重量%となるように用いることが
好ましい。ポリマー濃度が25重量%を超えると重合時
にポリマーがゲル状になって析出することがある。ゲル
状になったポリマー中の酸ハライド基等の活性末端は失
活させることが困難であり、この様なポリマーは成形時
の色調に悪影響を与える。また、アルカリ水の量は、通
常塩化メチレンの体積の1〜3倍の範囲であり、反応時
に用いるアルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等が挙げられる。
【0021】さらに重合触媒としては、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ
−n−プロピルアミン、トリ−イソプロピルアミン、ト
リヘキシルアミン、トリデシルアミン、N,N−ジメチ
ルシクロヘキシルアミン、ピリジン、キノリン、ジメチ
ルアニリン等の第3級アミン類、トリメチルベンジルア
ンモニウムハライド、テトラメチルベンジルアンモニウ
ムハライド、トリエチルベンジルアンモニウムハライ
ド、トリ−n−ブチルベンジルアンモニウムハライド、
テトラ−n−ブチルアンモニウムハライド等の第4級ア
ンモニウム塩等、トリメチルベンジルホスホニウムハラ
イド、テトラメチルベンジルホスホニウムハライド、ト
リエチルベンジルホスホニウムハライド、トリ−n−ブ
チルベンジルホスホニウムハライド、テトラ−n−ブチ
ルホスホニウムハライド、トリフェニルベンジルホスホ
ニウムハライド、テトラフェニルホスホニウムハライド
等の第4級ホスホニウム塩類、18−クラウン−6、1
8−ベンゾクラウン−6、18−ジベンゾクラウン−
6、15−クラウン−5等のクラウンエーテル類が挙げ
られ、特に重合速度と価格の面から第4級アンモニウム
塩が好ましい。
【0022】次に、界面重合終了後に酸を添加して反応
の停止と中和を行い塩類と未反応モノマーを含む水相と
ポリアリレートを溶解した塩化メチレン相を、デカンタ
ー、遠心分離機など公知の方法を用いて分離する。この
時に用いられる、酸としては塩酸、硫酸、リン酸および
酢酸等が好ましい。さらに、塩化メチレン相を水洗し残
留する塩類やモノマーを除去した後、引き続き本発明に
使用する。本発明においては、上記ポリアリレートの塩
化メチレン溶液を、ポリアリレート−水スラリーが循環
・混合されている造粒槽へ連続的または間欠的に供給し
懸濁状態を保ちながら塩化メチレンの蒸発を行う。
【0023】次に図面を参照しつつ本発明の実施の態様
を説明する。図1は、本発明を実施する装置の一例を示
す概略図である。図1において、造粒槽1内で、常圧な
いし減圧で40〜100℃に加熱され、撹拌機2により
撹拌されているポリアリレート−水系スラリー中へ、ポ
リアリレートの塩化メチレン溶液を供給管3から供給し
て混合する。蒸発する塩化メチレンを導出管5から留去
しながら、混合スラリーをスラリー導出管6から造粒槽
1に設けた循環ラインに導入して循環スラリー導入管1
0から造粒槽1に戻して循環させると共に、循環ライン
中を循環しているスラリーの一部をスラリー抜き出し管
9より抜き取り、回収して粒状のポリアリレートを製造
する。この際、ポリアリレートの塩化メチレン溶液を供
給するための供給管3の先端部には添加ノズル11が設
けられており、ポリアリレートの塩化メチレン溶液を造
粒槽1内の気相部から液滴状にして液相に連続的又は間
欠的に供給する。また、循環ライン内にはスラリーを循
環させるための原動力としてスラリーポンプ7が設けら
れており、造粒槽1にはスラリーを所定濃度にするため
に補給水導入管4が設けられている。
【0024】造粒槽1としては、ポリアリレートの塩化
メチレン溶液が水中で懸濁状態を保つことができる装置
であれば特に限定されない。通常の撹拌槽を用いること
ができ、邪魔板は、混合の効率から考えて、3枚ないし
は4枚設置する方が好ましい。造粒槽1に用いられる撹
拌機2の撹拌翼の形状としては、塩化メチレンの蒸発に
ともなってスラリーが浮上してくる傾向があるので、か
き下げ型のものを選択することが好ましい。例示すれ
ば、傾斜パドル型、傾斜タービン型で、2枚羽根から6
枚羽根等適宜選択することができる。撹拌速度は、造粒
した粒子が槽壁に高速で衝突して付着しない程度であれ
ば特に限定されないが、スラリーを均一に分散させ浮上
を防ぎ、かつ汎用で安価な撹拌装置を使用する点から、
撹拌翼の形状にもよるが、通常100〜800rpmの
範囲にあればよい。
【0025】本発明で用いることのできるポリアリレー
ト溶液の濃度は、5〜25重量%の濃度のものである
が、製造速度を勘案すれば10重量%〜25重量%の濃
度のものが好ましい。
【0026】造粒槽1で塩化メチレンを蒸発させるため
の水媒体の温度は通常40〜100℃とするが、塩化メ
チレンの蒸発速度、水の蒸発量及び後述する槽内の圧力
を勘案して決定され、常圧の場合には50〜90℃が好
ましい。また、造粒槽1内の圧力は常圧ないし減圧、通
常700〜760mmHgの範囲とする。造粒槽1内の
液量は、通常、槽内容積の30〜80%程度、後述する
塩化メチレン溶液の供給を気相部から行うことを勘案す
れば、40〜60%程度の量が好ましい。液量が造粒槽
内容積に対し40%未満であると、スラリーの滞留時間
を維持するために容積の大きな造粒槽が必要になり、6
0%を超えるとポリマー溶液の液滴の落下高さを維持す
ることが困難になるので好ましくない。
【0027】また、造粒槽1内では、循環させているポ
リアリレート−水系スラリーと、ポリアリレートの塩化
メチレン溶液が接触し合一するので、導出管6から循環
ラインに導入した循環スラリーを、循環ライン内に設け
た循環スラリー攪拌機8を通過させて合一した粒子を再
度分散させることが好ましい。循環スラリー撹拌機8と
しては、合一した粒子を連続して分散できるものであれ
ば特に限定しないが、好ましくは湿式粉砕機がよい。循
環スラリー撹拌機8で用いることのできる、撹拌羽根と
しては、プロペラ、タービン型、パドル型等公知のもの
が使用できる。撹拌翼径は、特に限定されないが、撹拌
効率の点から槽径に対して0.1〜0.7の径である撹
拌翼径を用いることが好ましい。
【0028】本発明においては、ポリアリレート溶液
は、造粒槽1内の気相部より液面へ向けて添加ノズル1
1を通じて液滴状にして供給することが必須である。こ
のときの供給位置は、気相部であれば特に限定はされな
いが、液滴からの蒸発をある程度促進するために、液滴
が液面に到達するまでに、後述する液滴の径にもよるが
少なくとも1秒以上の時間を要するような位置から行う
ことが好ましい。この時間が、1秒未満であると、液滴
表面からの蒸発効率が低下し、造粒槽1内への樹脂付着
の抑制効果が低下するので好ましくない。
【0029】また、液滴の径は平均で0.5〜5ミリ程
度の範囲であることが好ましい。液滴径が0.5ミリ未
満であると、蒸発が起こりすぎて粒子が固形化し蒿密度
の低い粒子が生成する傾向があり、5ミリを超えると蒸
発が起こりにくく造粒槽1内への付着の抑制効果が低下
するので好ましくない。さらに、ポリアリレートの塩化
メチレン溶液を液滴化するための添加ノズルには、公知
の装置を用いることができ、スプレーノズル、多孔ノズ
ルなどを例示することができる。液滴径は、多孔ノズル
の口径、ノズル通過流速などによってコントロールでき
る。
【0030】造粒槽1における上記粒状ポリアリレート
のスラリー濃度は、3〜30重量%の範囲、好ましくは
5〜25重量%の範囲である。また、スラリー濃度は、
できるだけ一定に保つことが好ましく、通常、ポリアリ
レート溶液の供給量、製品粒状ポリアリレートの抜き出
し量、補給水の供給量を調整することによって行う。循
環ライン内の循環スラリーの一部をスラリー抜き出し管
9から抜き出し、公知の固液分離機を用いてろ過し、真
空乾燥機、流動層乾燥機等を用いて乾燥して粒状ポリア
リレートを得る。
【0031】なお、本発明においては、ヒンダードフェ
ノール系化合物、亜燐酸系化合物、ヒンダードアミン化
合物またはチオエーテル系化合物等の酸化防止剤、着色
剤等の添加剤を重合後の塩化メチレン溶液中に添加する
ことによって各種添加剤を含有した粒状のポリアリレー
ト粒子を得ることもできる。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例および比較例によって
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で種々
の変形および応用が可能である。
【0033】参考例1(界面重合によるポリアリレート
の調製) 撹拌装置を備えた反応容器中に2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン100重量部、p−tert
−ブチルフェノール3.4重量部、水酸化ナトリウム4
1.4重量部、トリメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド0.6重量部を仕込み、水1350重量部に溶解し
た(水相)。これとは別に塩化メチレン767重量部
に、テレフタル酸クロライド/イソフタル酸クロライド
=1/1混合物93重量部を溶解した(有機相)。この
有機相を先に調製した水相中に強撹拌下で添加し、3時
間重合反応を行った。この後酢酸50重量部を添加して
反応を停止し、水相と有機相を分離し、有機相が中性と
なるまで水洗を繰り返し17重量%のポリアリレートの
溶解した塩化メチレン溶液を得た。
【0034】実施例1 図1に示す装置を用い、粒状ポリアリレートの製造を行
った。まず、槽容積が250Lである造粒槽1に50℃
の温水135Lを仕込み、乾燥したポリアリレート粒子
22.95kgを仕込みスラリー濃度を17%に調整し
た。次いで、参考例1で得られた17重量%のポリアリ
レート塩化メチレン溶液を供給管3から25.9kg/
hrの速度でスラリー液相に供給した。供給管3の供給
位置は液面から60cmの高さに設置し、供給管3の先
端には1mmφで10ホールの添加ノズル11を設置し
て溶液を気相部から液相に液滴状にして液相に供給し
た。また、補給水導入管4より25.9kg/hrの速
度で50℃の温水を供給した。槽内のスラリーをスラリ
ー導出管6により循環ラインに導入してスラリーポンプ
7によりQ=150L/minで行い、さらに4枚ター
ビン型撹拌翼を持つ循環スラリー撹拌機8を用いてスラ
リーをN=50S-1の撹拌速度で分散撹拌し、スラリー
の全量を循環スラリー導入管10より造粒槽1に戻し
た。蒸発する塩化メチレンは、導出管5により抜き出し
た。このとき、造粒槽1は常圧で50℃に温度を保ち、
傾斜パドル翼を用いて250rpmで撹拌を行った。
【0035】ポリアリレート塩化メチレン溶液の供給開
始と共に、スラリー抜き出し管9から循環スラリー中の
ポリアリレート−水系スラリー(樹脂分17重量%)を
30.3kg/hr(0.49L/min)で抜き出
し、残りは循環スラリー導入管10より造粒槽に戻して
引きつづき循環させた。抜き出した粒状ポリアリレート
−水系スラリーは、固液分離機を用いてろ過し、乾燥を
行い粒状ポリアリレートを得た。
【0036】実施例2〜4および比較例1〜2 実施例1と同様に、ポリアリレート溶液の供給方法と添
加ノズル径を変化させ粒状ポリアリレートの製造を行っ
た。条件を表1に示す。なお、造粒の状態は運転開始か
ら48時間後および96時間後の槽内の観察結果であ
り、48hr後の蒿密度ならびに粒子径を測定した。嵩
密度の測定はタッピングせずに測定し、さらに粒子径の
測定は顕微鏡法を用いて行った。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、造粒槽内に樹脂付着を
起こすことなく長時間にわたり、連続的かつ安定的な運
転が可能となるので、操業性、生産性において極めて有
利である。さらに、本発明で得られる粒状ポリアリレー
トは、ポリアリレートが活性末端を含むまず、蒿密度が
高く、微粉も少ないのでハンドリングがよく、各種成形
材料やアロイ等の原料、フィルム原料、バインダー樹脂
の原料として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための装置の1例を示す概略
断面図である。
【符号の説明】
1:造粒槽 2:攪拌機 3:供給管 4:補給水導入管 5:蒸発塩化メチレン導出管 6:スラリー導出管 7:スラリーポンプ 8:循環スラリー撹拌機 9:スラリー抜き出し管 10:循環スラリー導入管 11:添加ノズル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 造粒槽内で、常圧ないし減圧で40〜1
    00℃に加熱され、撹拌されているポリアリレート−水
    系スラリー中へ、ポリアリレートの塩化メチレン溶液を
    供給し混合し、塩化メチレンを留去しながら、混合スラ
    リーを造粒槽に設けた循環ラインを通して循環させ、循
    環スラリーの一部を抜き取って粒状のポリアリレートを
    製造する方法において、ポリアリレートの塩化メチレン
    溶液を造粒槽内の気相部から液滴状にして液相に供給す
    ることを特徴とする粒状ポリアリレートの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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