JPH10298238A - (メタ)アクリル酸セリンエステルの重合体および生体適合性材料 - Google Patents
(メタ)アクリル酸セリンエステルの重合体および生体適合性材料Info
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- JPH10298238A JPH10298238A JP9104075A JP10407597A JPH10298238A JP H10298238 A JPH10298238 A JP H10298238A JP 9104075 A JP9104075 A JP 9104075A JP 10407597 A JP10407597 A JP 10407597A JP H10298238 A JPH10298238 A JP H10298238A
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Abstract
よびアデノシン二リン酸(ADP)による血小板活性化
を抑制する重合体の提供。 【解決手段】ラジカル重合して(メタ)アクリル酸セリ
ンエステルに基づく構成単位を少なくとも15モル%以
上を含む重合体。
Description
酸セリンエステルの重合体およびその重合体を用いた生
体適合性材料に関する。
材料表面の化学構造を制御して血栓形成の引き金となる
蛋白質の吸着を制御したり、血小板の粘着さらには活性
化、凝集を抑制することが重要となる。したがって、材
料表面の化学構造の制御は生体適合性材料の開発におい
て重要な問題で、各種の医療用の重合体について表面特
性と生体適合性が研究されている。生体適合性を付与す
る有効な方法としては、生体膜を構成するリン脂質二分
子膜の主要な構成成分を材料表面に導入する方法が知ら
れている。例えば、リン脂質の極性部を修飾した2−メ
タクリロイルオキシホスホリルコリン(MPCと略す)
の単量体を重合した重合体は、蛋白質の吸着を制御する
ことが知られている{例えば、石原らによる、生体材
料、第9巻(5号)第243〜249頁、(1991
年)}。また、糖脂質のグルコース基を含有する2−
(グルコシルオキシ)エチルメタクリレート(GEMA
と略す)の単量体を重合した重合体は、同様に、蛋白質
の吸着を制御することが知られている{例えば、中前ら
による、高分子予稿集、第39回、I/17/09記事
(1990年)}。以上のように、汎用の高分子材料に
生体適合性を付与する有効な方法として、生体膜を構成
するリン脂質のホスホリルコリン基あるいは糖脂質の糖
を材料表面に導入する方法が行われてきた。
を構成するアミノ酸で材料表面を修飾した材料において
も生体材料との好ましい相互作用が期待される。例え
ば、アラニンメタアクリルアミド、メタクリロイルオキ
シエチルアラニンと蛋白質の相互作用が示されている
(例えば、杉山らによる、高分子学会予稿集、第44
巻、第631頁(1995年)}。発明者らは、(メ
タ)アクリル酸セリンエステルおよび該(メタ)アクリ
ル酸セリンエステルを0.5モル%〜10モル%含む重
合体を合成し、その重合体が生体適合性に優れることを
報告した。(例えば、杉山らによる、高分子学会予稿
集、第45巻(第8号)、第1880〜1881頁(1
996年)}。しかし、(メタ)アクリル酸セリンエス
テルに基づく構成成分が15モル%以上の重合体は知ら
れていなかった。また、該(メタ)アクリル酸セリンエ
ステルの重合体が、血小板の凝集を抑制することは知ら
れていなかった。またさらに、該(メタ)アクリル酸セ
リンエステルの重合体が血小板に対するアデノシン二リ
ン酸(=ADP)よる活性化を抑制する生体適合性があ
ることは知られていなかった。
は、(メタ)アクリル酸セリンエステルを構成成分とし
て少なくとも15モル%以上含む重合体を提供すること
にある。またさらに、本発明の第2の目的は、該(メ
タ)アクリル酸セリンエステルの重合体を用いた生体適
合性材料を提供することにある。
点に鑑み鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸セリン
エステルを構成成分として、それを特定量含む重合体が
生体適合性に優れることの知見を得て、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は次の(1)〜(3)で
ある。 (1)ラジカル重合して、下記一般式[1]
で示される(メタ)アクリル酸セリンエステルに基づく
構成成分を少なくとも15モル%以上含む重合体。 (2)前記の重合体が下記一般式[2]
R2は炭素数1〜20のアルキル基であり、また、m、
nは、(メタ)アクリル酸セリンエステルおよび(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルの付加モル数でそれぞ
れ、m=2〜20,000、n=0〜30,000であ
る。ただしn=0、m=2を同時に満足することはな
い。また、2≦m、2≦nの場合、[ ]内はブロック
状でもランダム状の付加でもよい。)で表される(メ
タ)アクリル酸セリンエステルの重量平均分子量2,0
00〜5,000,000の重合体。 (3)前記の(メタ)アクリル酸セリンエステルに基づ
く構成成分を少なくとも15モル%以上含む重合体を用
いてなることを特徴とする生体適合性材料。
(メタ)アクリル酸セリンエステルは、前記一般式
[1]で表され、Rは、水素原子またはメチル基であ
る。
酸セリンエステルは、例えば次のような方法によって容
易に製造することができる。すなわち、次の工程(1)
および工程(2)からなる(メタ)アクリル酸セリンエ
ステルの製造方法である。 工程(1);下記式[3]
リンと(メタ)アクリル酸クロリドを脱塩化水素剤を用
いて反応させて、下記式[4]
を用いて保護基を分解して、ついで、酸性にして(メ
タ)アクリル酸セリンエステルの塩酸塩を得た後、塩基
性化合物で塩酸塩をはずす工程。
[3]で表されるN−t−ジブトキシカルボニル−O−
L−セリンとしては、例えば、市販品(アルドリッチ社
=Aldrich社製、東京化成(株)社製、シグマ社
製など)を用いることができる。また、(メタ)アクリ
ル酸クロリドとしては、市販品をそのまま、あるいは精
製して使用できる。例えば市販品として、アルドリッチ
社製、東京化成(株)社製、和光純薬工業(株)社製の
アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド等を挙げる
ことができる。前記の工程(1)の反応において、反応
溶媒としては、反応物、生成物を溶解する溶媒、若しく
は反応物、生成物を溶解し生成する塩化水素塩を析出す
る溶媒であればよい。それらの溶媒としては、例えば、
クロロホルム、ジクロルメタン、テトラヒドロフラン
(THF)、エーテルが挙げられる。好ましくは、TH
Fである。脱塩化水素剤としては、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリプロピルアミン等のトリアルキ
ルアミン;ジメチルアニリン等の芳香族第三アミン;ピ
リジン、ジメチルアミノピリジン等の環状第三アミンが
挙げられる。取り扱いや入手性の観点からトリエチルア
ミン等が好ましく挙げられる。また、原料の式[3]で
表される化合物:(メタ)アクリル酸クロリド:脱塩化
水素剤の割合は、モル比1:0.8〜1.5:1〜2で
反応させるのが好ましい。さらに、反応温度としては、
−30℃〜室温、好ましくは−20℃〜0℃である。ま
た、反応時間としては、5〜100時間、好ましくは1
5〜30時間である。反応は窒素ガスまたは乾燥不活性
ガス気流下の雰囲気あるいは乾燥空気気流下で行うのが
好ましい。生成した塩は、濾別し、溶媒を留去後、減圧
蒸留によってアミノ基をブロック(保護)した前記の式
[4]の化合物を得ることができる。反応後は、ヘキサ
ン、石油エーテル、ジエチルエーテル等を用いて再結晶
して精製することができる。
[4]の溶液と酸性化合物を用いて、セリンのアミノ基
を保護した基をはずして目的の化合物を得ることができ
る。酸性化合物としては、トリフルオロ酢酸;臭化水素
の酢酸溶液、塩化水素の酢酸溶液;塩酸あるいはギ酸の
反応溶媒溶液などが挙げられる。好ましくは、トリフル
オロ酢酸である。溶媒としては、脱水品を用いるのが望
ましい。用いる溶媒の種類としては、クロロホルム、塩
化メチレンが挙げられる。好ましくは、塩化メチレンが
挙げられる。前記式[4]の化合物:酸性化合物の割合
は、モル比で、1:1〜10である。反応温度として
は、−30℃〜50℃、好ましくは0℃〜室温である。
また、反応時間としては、0.1〜10時間、好ましく
は0.5〜3時間である。反応は窒素ガス、乾燥不活性
ガス等の気流下の雰囲気あるいは乾燥空気気流下で行う
のが好ましい。前記式[4]の化合物を酸性化合物によ
りセリンのアミノ基の保護基をはずした後、氷冷下で過
剰の塩酸を加えて、メタノール等の溶媒に溶かし、生成
物の塩酸塩型を得る。その際の塩酸は酢酸エチル溶液が
好ましい。ついで溶媒を留去した後、ジエチルエーテ
ル、THF等の溶媒で洗浄して、生成物の塩酸塩型を純
度よく得る。ついで、この生成物の塩酸塩型をアセトニ
トリル等の溶媒に分散させて、氷冷下で、等モル以上の
トリエチルアミン等の塩基性化合物を加えて、脱塩酸し
て、目的とする一般式[1]の(メタ)アクリル酸セリ
ンエステルを得ることができる。塩基性化合物として
は、トリエチルアミンの他に、前記で示した脱塩化水素
剤の化合物が挙げられる。
ルの重合体の製造方法は、次の方法により容易に得るこ
とができる。すなわち、前記の(メタ)アクリル酸セリ
ンエステル単独またはこれと共重合可能な単量体とをラ
ジカル重合することにより重合体が得られる。共重合の
場合、(メタ)アクリル酸セリンエステルに基づく構成
成分を少なくとも15モル%含む。(メタ)アクリル酸
セリンエステルに基づく構成成分が15モル%より少な
いと、構成成分として(メタ)アクリル酸セリンエステ
ルを含む量が少なくなり、生体適合性等の効果の発現が
著しくなくなるので好ましくない。重合方法としては、
通常用いられている重合方法で、例えば、溶液重合、バ
ルク重合、乳化重合、懸濁重合等が挙げられる。(メ
タ)アクリル酸セリンエステルと共重合可能な単量体と
しては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アク
リル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)
アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等
の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アク
リル酸メチルアミド、(メタ)アクリル酸エチルアミ
ド、(メタ)アクリル酸プロピルアミド、(メタ)アク
リル酸ブチルアミド、(メタ)アクリル酸ヘキシルアミ
ド、(メタ)アクリル酸ラウリルアミド、(メタ)アク
リル酸ステアリルアミド等の(メタ)アクリル酸アルキ
ルアミド;さらに、スチレン、クロルメチルスチレン等
のスチレン系モノマー;マレイン酸、マレイン酸アルキ
ルエステル等のマレイン酸系モノマー;フマル酸、フマ
ル酸エステル等のフマル酸系モノマー;イタコン酸、イ
タコン酸アルキルエステル等のイタコン酸系モノマーが
挙げられる。好ましくは、炭素数1〜4の(メタ)アク
リル酸アルキルエステルが挙げられる。重合に用いる溶
媒としては、単量体が溶解あるいは分散すればよく、具
体的には、水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、t−ブタノール、ベンゼン、トルエン、ジメチルホ
ルムアミド、テトラヒドロフラン等およびこれらの混合
物が挙げられる。重合条件としては、通常用いる条件に
よって重合できる。反応温度としては、例えば、40℃
〜100℃、反応時間としては、1時間〜50時間が挙
げられる。ラジカル重合開始剤としては、通常のラジカ
ル重合開始剤ならばいずれを用いてもよく、具体的に
は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)、アゾビスバレロニトリル、2,2’−アゾビス
[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩
酸塩等の脂肪族アゾ化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイル等の有機過酸化物、過硫酸アンモニウム、過
酸化カリウム等の無機過酸化物を例示することができ
る。重合体の分子量は特に限定されないが、2,000
〜5,000,000が好ましく、より好ましくは、
5,000〜1,000,000である。重合体の分子
量が2,000より小さいとコーテイング等ではがれや
すくなり、重合体の分子量が5,000,000より大
きくなると粘度が高くなり取り扱い難くなるので望まし
くない。
媒精製してもよく、あるいは乳化重合や懸濁重合でその
まま粒子として取り出して用いてもよい。
ルの重合体は、生体適合性を有しており、他の重合体に
生体適合性を付与することができる。該(メタ)アクリ
ル酸セリンエステルを用いた重合体は、重合体をそのま
ま粒子状で使用したり、あるいは成形加工したりするこ
とができる。また、有機溶媒からキャストしてフイルム
状として使用したり、あるいは重合体を、プラズマ、ガ
ンマ線、紫外線等のエネルギー照射して他の材料の重合
体等の表面にコーテイングして使用することができる。
具体的には、カテーテル、カニューレ、中空糸などの医
療用のデバイス、あるいは中空糸などの医療用のデバイ
スのハウジング材料、医用材料等のメディカル用品、コ
ンタクトレンズ等のアイケア用品、化粧品材料、トイレ
タリー用品等の生体適合性材料として使用できるものと
期待される。
ステルに基づく構成成分を少なくとも15モル%以上含
む重合体は、生体成分との特異的な適合性、血小板の凝
集抑制や、ADP等の血小板活性化を抑制することが有
り、医療材料、医用材料などの生体適合性としての用途
展開が期待される。
クリロイル−L−セリン(Boc−serMA)の合成 かき混ぜ機、玉付き冷却管、窒素導入管、滴下ロートを
備えた500mlの4つ口フラスコにN−t−ブトキシ
カルボニル−L−セリン25.0g(0.132mo
l)とトリエチルアミン20.03g(0.198mo
l)を取り、300mlの脱水テトラヒドロフラン(T
HF)に溶かした。−20℃で窒素気流下、かき混ぜな
がら、メタクリル酸クロリド20.70g(0.198
mol)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、−20
℃で10時間、さらに−5℃で5時間反応した。次に未
反応のメタクリル酸クロリドをメタクリル酸に誘導する
ために、50gの水を加えてかき混ぜた。反応終了後、
ジエチルエーテルを加えて、析出したトリエチルアミン
の塩酸塩をろ別した後、無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥
した。無水硫酸ナトリウムをろ別し、ロータリーエバポ
レーターで濃縮して、粘調な固体を得た。ヘキサンから
再結晶して白色結晶を19.38g得た。この化合物を
Boc−serMAと略す。Boc−serMAの収率
は53.8%であった。また、このBoc−serMA
の融点は、95〜98℃であった。
IR分析、元素分析の結果を次に示した。 1.1H−NMR(δ(ppm):TMS/DMSO) 1.28−1.48(m,9H) ;−C(CH3)3 1.87 (d,3H) ;−CH3 4.08 (m,1H) ;−CH− 4.22 (m,1H) ;−CH2 − 4.33 (m,1H) ;−CH2 − 5.69 (m,2H) ;−C=CH2 2.IR(NaCl板)νcm-1 2960cm-1;−CH3 2930 ;=CH2 1760 ;−COOH 1720 ;−CO−O− 1680 ;−CO−NH− 3.元素分析値 C12H19O6N=273.286として 計算値:C:H:N=52.74%:7.01%:5.
13% 実測値:C:H:N=52.57%:6.61%:4.
81% 以上のことより、Boc−serMAが次式のN−t−
ブトキシカルボニル−O−メタクリロイル−L−セリン
であると同定した。
セリン(=メタクリル酸セリンエステル;serMA)
の合成 かき混ぜ機、玉付き冷却管、窒素導入管、滴下ロートを
備えた200mlの4つ口フラスコに前記の合成例1−
1で得たBoc−serMA、16.44g(0.06
0mol)とトリフルオロ酢酸40.0g(0.358
mol)および脱水塩化メチレン100mlを入れ、室
温でかき混ぜながら1時間反応を続けた。反応終了後、
ロータリーエバポレーターで溶媒の塩化メチレンを留去
して、ジエチルエーテル50mlを加えて、かき混ぜた
後上澄みをデカンテーションして未反応のトリフルオロ
酢酸を抽出した。残留物を脱水メタノール400mlに
溶かし氷冷下でかき混ぜながら、モル比で1.5倍の4
H−HClの酢酸エチル溶液を加えて酸性とした。ロー
タリーエバポレーターでメタノールを留去して、室温で
真空乾燥した後、得られた粘調な固体を50mlのジエ
チルエーテルで白色結晶が得られるまで繰り返し洗浄
し、serMAの塩酸塩を得た。さらにこのserMA
の塩酸塩を200mlのアセトニトリルに分散させて、
氷冷下でserMAの塩酸塩と等モルのトリエチルアミ
ン(6.06g)を加えてかき混ぜた。グラスフィルタ
ー(17G−4)でろ過し、クロロホルムで繰り返し洗
浄してserMAの白色結晶を5.02g得た。ser
MAの収率は48.2%であった。また、このserM
Aの分解点は、114〜119℃であり、等電点は5.
08であった。
IR分析、元素分析の結果を次に示した。 1.1H−NMR(δ(ppm):TMS/DMSO) 1.86 (s,3H) ;−CH3 4.07 (m,1H) ;−CH− 4.53 (m,2H) ;−CH2 − 5.70−6.11(m,2H) ;−C=CH2 − 2.IR(NaCl板)νcm-1 2100cm-1;−NH3 + 1720 ;−CO−O− 1620 ;−NH3 + 1520 ;−NH3 + 1470 ;−COO- 3.元素分析値 C7H11O4N=173.169として 計算値:C:H:N=48.55%:6.40%:8.
09% 実測値:C:H:N=48.50%:6.32%:8.
19% 以上のことより、Boc−serMAが次式のN−t−
ブトキシカルボニル−O−メタクリロイル−L−セリン
であると同定した。
MA共重合体の合成(20/80) 合成例1−2で合成したserMA 8.304g(4
8mmol)とn−ブチルメタクリレート(n−BM
A)27.26g(192mmol)をラジカル重合開
始剤として過硫酸カリウム0.648g(2.4mmo
l)(全単量体に対して1モル%使用)およびイオン交
換水150gとともに温度計、窒素吹き込み管、冷却
管、かき混ぜ機を付した500mlの4つ口フラスコに
とり、窒素気流下で70℃、350r.p.m.のかき混
ぜ速度、6時間の条件で乳化重合を行った。その結果ポ
リマー粒子は得られなかったが凝集したポリマーを水洗
およびメタノール洗浄を繰り返して精製した後、コポリ
マー中にserMAに基づく構成単位を有するポリマー
を得た。このポリマーを100〜200メッシュ粉砕
し、生理食塩水に分散させた。重合体を26.7g得
た。重合体収率は、75%(全モノマー重量に対して)
であった。結果を表1に示した。
MA共重合体の合成(50/50) 実施例1−1において用いたserMA 8.304g
(48mmol)をserMA20.76g(120m
mol)に代え、n−BMA 27.26g(192m
mol)を17.04g(120mmol)に代えた以
外は実施例1−1と全く同様にして重合を行った。重合
体を20.0g得た。重合体収率は、53%であった。
得られた重合体は、同様に試験を行った。結果を同じく
表1に示した。
MA共重合体の合成(75/25) 実施例1−1において用いたserMA 8.304g
(48mmol)をserMA31.14g(180m
mol)に代え、n−BMA 27.26g(192m
mol)を8.52g(60mmol)に代えた以外は
実施例1−1と全く同様にして重合を行った。重合体を
12.3g得た。重合体収率は、31%であった。得ら
れた重合体は、同様に試験を行った。結果を同じく表1
に示した。
(100/0) 実施例1−1において用いたserMA 8.304g
(48mmol)をserMA31.14g(240m
mol)に代えた以外は実施例1−1と全く同様にして
重合を行った。重合体6.64g得た。重合体収率は、
16%であった。得られた重合体は、同様に試験を行っ
た。結果を同じく表1に示した。
IBN0.054g(0.068mmol)、エタノー
ル/THF(=90/10V/V%)の混合溶媒10m
lをガラス製重合管に入れ減圧下で溶封した。反応温度
60℃、12時間、ふり混ぜの重合条件で重合した後、
内容物を多量のジエチルエーテル中に注入してポリMP
Cを析出させて、重合体を得た。得られた重合体は、同
様にして後述の比較例2−1の試料として用いた。
を用いて行なった。
ス製円筒型キュベットに入れ、37℃で回転子でかき混
ぜながら濁度計(エンジニアリング カンパニー社=E
ngineerinng Company社製、NKK
HEME Tracer装置)で測定した濁度を上限
値{透過率(T)}=0%とした。次に被検液を貧血小
板血漿(PPP)400μlに変え、得られた濁度を下
限値{透過率(T)}=100%として設定してレコー
ダーに記録した。その後以下のように調整した。被試験
体として前記の実施例1−1の分散液を44μl添加し
て(このとき溶液中のserMAに基づく構成単位の濃
度として3μml/lとした。)血小板凝集試験を評価
した。 <血小板凝集阻害効果の評価>実施例1−1のserM
A−co−n−BMAの約100〜200メッシュに粉
砕した共重合体を生理食塩水に分散させ、その分散液、
44μlを多血小板血漿(PRP)にserMAユニッ
トが3μmol/lになるように添加して、血小板凝集
活性を調べた。また、途中で系に血小板を活性化させる
ためにアデノシン二リン酸(=ADP)を13μmol
/lになるように添加して濁度を経時的に調べた。結果
を図1に示した。
2〜1−4の重合体を用いて実施例2−1と同様にし
て、血小板凝集阻害を評価を行った。結果を図1に示し
た。
を用いて、serMAユニット3μmol/lの代わり
に、MPCユニットが10μmol/lになるように添
加した以外は、実施例2−1と同様にして試験を行っ
た。結果を併せて図1に示した。
0モル%、50モル%、75モル%および100モル%
(単独重合体)仕込みモル比で含有した重合体は、血小
板の凝集阻害効果がポリ(MPC)よりあることがわか
る。また、ADP添加による血小板の凝集効果を抑制す
ることがわかる
Claims (3)
- 【請求項1】ラジカル重合して、下記一般式[1] 【化1】 (ただし、式中、Rは水素原子またはメチル基を示す)
で示される(メタ)アクリル酸セリンエステルに基づく
構成成分を少なくとも15モル%以上含む重合体。 - 【請求項2】請求項1記載の重合体が下記一般式[2] 【化2】 (式中、R、R1は、水素原子またはメチル基を示し、
R2は炭素数1〜20のアルキル基であり、また、m、
nは、(メタ)アクリル酸セリンエステルおよび(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルの付加モル数でそれぞ
れ、m=2〜20,000、n=0〜30,000であ
る。ただしn=0、m=2を同時に満足することはな
い。また、2≦m、2≦nの場合、[ ]内はブロック
状でもランダム状の付加でもよい。)で表される(メ
タ)アクリル酸セリンエステルの重量平均分子量2,0
00〜5,000,000の重合体。 - 【請求項3】請求項1記載の(メタ)アクリル酸セリン
エステルに基づく構成成分を少なくとも15モル%以上
含む重合体を用いてなることを特徴とする生体適合性材
料。
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JP10407597A JP4016446B2 (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | (メタ)アクリル酸セリンエステルの重合体および生体適合性材料 |
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JP10407597A JP4016446B2 (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | (メタ)アクリル酸セリンエステルの重合体および生体適合性材料 |
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JP (1) | JP4016446B2 (ja) |
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