JPH061750A - (ビニルフェニル)酢酸エステル - Google Patents
(ビニルフェニル)酢酸エステルInfo
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- JPH061750A JPH061750A JP15950592A JP15950592A JPH061750A JP H061750 A JPH061750 A JP H061750A JP 15950592 A JP15950592 A JP 15950592A JP 15950592 A JP15950592 A JP 15950592A JP H061750 A JPH061750 A JP H061750A
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- vinylphenyl
- acetic acid
- hexafluoroisopropyl
- acid ester
- compound
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- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 重合体の改質モノマーとして、さらに種々の
化合物合成の中間体として広く有用である化合物を提供
する。 【構成】 一般式(I) : 【化3】 (式中、Rは、2,2,2-トリフルオロエチル基、 2,2,2,
2′,2′,2′- ヘキサフルオロイソプロピルまたは2,2,
3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル基を示す)で表わ
される(ビニルフェニル)酢酸エステルである。
化合物合成の中間体として広く有用である化合物を提供
する。 【構成】 一般式(I) : 【化3】 (式中、Rは、2,2,2-トリフルオロエチル基、 2,2,2,
2′,2′,2′- ヘキサフルオロイソプロピルまたは2,2,
3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル基を示す)で表わ
される(ビニルフェニル)酢酸エステルである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な(ビニルフェニ
ル)酢酸エステルに関するものである。さらに詳しく
は、塗料または塗料添加剤、繊維処理剤、光ファイバ
ー、レジスト材料、とくに眼用レンズ(コンタクトレン
ズ、眼内レンズなど)材料(共重合体)を合成する際の
一成分として有用な(ビニルフェニル)酢酸エステルに
関する。
ル)酢酸エステルに関するものである。さらに詳しく
は、塗料または塗料添加剤、繊維処理剤、光ファイバ
ー、レジスト材料、とくに眼用レンズ(コンタクトレン
ズ、眼内レンズなど)材料(共重合体)を合成する際の
一成分として有用な(ビニルフェニル)酢酸エステルに
関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、コンタクトレンズ材料としては、シリコン含有スチ
レン誘導体とフッ素含有スチレン誘導体を必須共重合成
分として用いたものが紹介されている(特開平2-198415
号参照)。しかしながら、このようなフッ素含有スチレ
ンには、分子中にエーテル結合が存在するため、重合体
に充分な硬度を与えることができなかった。
来、コンタクトレンズ材料としては、シリコン含有スチ
レン誘導体とフッ素含有スチレン誘導体を必須共重合成
分として用いたものが紹介されている(特開平2-198415
号参照)。しかしながら、このようなフッ素含有スチレ
ンには、分子中にエーテル結合が存在するため、重合体
に充分な硬度を与えることができなかった。
【0003】したがって、所望する材料に、高屈折率、
高硬度、高機械的強度、高ガス透過性を同時に与えるこ
とが可能である新しい成分が望まれている。本発明者ら
は、上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、か
かる諸物性をすべて与えうる成分を見出し、本発明を完
成するにいたった。
高硬度、高機械的強度、高ガス透過性を同時に与えるこ
とが可能である新しい成分が望まれている。本発明者ら
は、上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、か
かる諸物性をすべて与えうる成分を見出し、本発明を完
成するにいたった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I) :
【0005】
【化2】
【0006】(式中、Rは、2,2,2-トリフルオロエチル
基、 2,2,2,2′,2′,2′- ヘキサフルオロイソプロピル
基または2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル基を
示す)で表わされる(ビニルフェニル)酢酸エステルに
関する。
基、 2,2,2,2′,2′,2′- ヘキサフルオロイソプロピル
基または2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル基を
示す)で表わされる(ビニルフェニル)酢酸エステルに
関する。
【0007】
【実施例】本発明の一般式(I) で示される(ビニルフェ
ニル)酢酸エステルの具体例としては、(4-ビニルフェ
ニル)酢酸ヘキサフルオロイソプロピル、(4-ビニルフ
ェニル)酢酸トリフルオロエチルおよび(4-ビニルフェ
ニル)酢酸オクタフルオロペンチルがあげられるが、な
かでも(4-ビニルフェニル)酢酸ヘキサフルオロイソプ
ロピルが好ましい。
ニル)酢酸エステルの具体例としては、(4-ビニルフェ
ニル)酢酸ヘキサフルオロイソプロピル、(4-ビニルフ
ェニル)酢酸トリフルオロエチルおよび(4-ビニルフェ
ニル)酢酸オクタフルオロペンチルがあげられるが、な
かでも(4-ビニルフェニル)酢酸ヘキサフルオロイソプ
ロピルが好ましい。
【0008】本発明の一般式(I) で示される(ビニルフ
ェニル)酢酸エステルは、たとえばつぎのような方法に
より製造することができる。
ェニル)酢酸エステルは、たとえばつぎのような方法に
より製造することができる。
【0009】まず、乾燥ジエチルエーテル中、マグネシ
ウム存在下、クロロメチルスチレンを加熱下還流により
反応させる。このばあい、反応物の使用比(モル比)は
クロロメチルスチレン:マグネシウム=1:1〜1:
2、好ましくは1:1.3 〜1:1.5 である。反応温度は
30〜50℃、好ましくは35〜45℃である。反応時間は、2
〜4時間、好ましくは2〜3時間である。
ウム存在下、クロロメチルスチレンを加熱下還流により
反応させる。このばあい、反応物の使用比(モル比)は
クロロメチルスチレン:マグネシウム=1:1〜1:
2、好ましくは1:1.3 〜1:1.5 である。反応温度は
30〜50℃、好ましくは35〜45℃である。反応時間は、2
〜4時間、好ましくは2〜3時間である。
【0010】続いて、えられた反応混合物にドライアイ
スを反応させる。このばあい、反応物の使用比(モル
比)は、反応混合物:ドライアイス=1:1〜1:8、
好ましくは1:5〜1:6である。反応温度は制御しな
い。ドライアイスの添加を終了するのとほぼ同時に反応
も終了する。
スを反応させる。このばあい、反応物の使用比(モル
比)は、反応混合物:ドライアイス=1:1〜1:8、
好ましくは1:5〜1:6である。反応温度は制御しな
い。ドライアイスの添加を終了するのとほぼ同時に反応
も終了する。
【0011】続いて、えられた反応混合物に、硫酸を反
応させる。このばあい、反応物の使用比(モル比)は、
反応混合物:硫酸=1:1〜1:1.4 、好ましくは1:
1.1〜1:1.2 である。反応温度は30〜50℃、好ましく
は35〜45℃である。硫酸の添加を終了するのとほぼ同時
に反応も終了する。
応させる。このばあい、反応物の使用比(モル比)は、
反応混合物:硫酸=1:1〜1:1.4 、好ましくは1:
1.1〜1:1.2 である。反応温度は30〜50℃、好ましく
は35〜45℃である。硫酸の添加を終了するのとほぼ同時
に反応も終了する。
【0012】さらに、えられた(ビニルフェニル)酢酸
を、ベンゼン、ジエチルエーテルなどの溶媒中、トリエ
チルアミンの存在下、塩化チオニル、塩化ホスホリル、
五塩化リン、三塩化リンなどの塩化物と加熱還流により
反応させることにより、(ビニルフェニル)酢酸クロラ
イドを合成する。
を、ベンゼン、ジエチルエーテルなどの溶媒中、トリエ
チルアミンの存在下、塩化チオニル、塩化ホスホリル、
五塩化リン、三塩化リンなどの塩化物と加熱還流により
反応させることにより、(ビニルフェニル)酢酸クロラ
イドを合成する。
【0013】このばあいの反応物の使用比(モル比)
は、(ビニルフェニル)酢酸:塩化物=1:1〜1:1.
5 、好ましくは1:1.1 〜1:1.3 である。反応温度は
70〜90℃、好ましくは75〜85℃、反応時間は2〜5時
間、好ましくは3〜4時間である。
は、(ビニルフェニル)酢酸:塩化物=1:1〜1:1.
5 、好ましくは1:1.1 〜1:1.3 である。反応温度は
70〜90℃、好ましくは75〜85℃、反応時間は2〜5時
間、好ましくは3〜4時間である。
【0014】ひきつづき、えられた(ビニルフェニル)
酢酸クロライドを、ベンゼン、ジエチルエーテルなどの
溶媒中、トリエチルアミンの存在下、ヘキサフルオロイ
ソプロピルアルコール、トリフルオロエチルアルコール
またはオクタフルオロペンチルアルコールなどのフッ素
アルコールと加熱下還流して反応させることにより(ビ
ニルフェニル)酢酸エステルをえる。
酢酸クロライドを、ベンゼン、ジエチルエーテルなどの
溶媒中、トリエチルアミンの存在下、ヘキサフルオロイ
ソプロピルアルコール、トリフルオロエチルアルコール
またはオクタフルオロペンチルアルコールなどのフッ素
アルコールと加熱下還流して反応させることにより(ビ
ニルフェニル)酢酸エステルをえる。
【0015】このばあいの反応物の使用比(モル比)
は、(ビニルフェニル)酢酸クロライド:フッ素アルコ
ール=1:1〜1:1.5 、好ましくは1:1.1 〜1:1.
4 である。反応温度は70〜90℃、好ましくは75〜85℃、
反応時間は1〜5時間、好ましくは2〜4時間である。
は、(ビニルフェニル)酢酸クロライド:フッ素アルコ
ール=1:1〜1:1.5 、好ましくは1:1.1 〜1:1.
4 である。反応温度は70〜90℃、好ましくは75〜85℃、
反応時間は1〜5時間、好ましくは2〜4時間である。
【0016】えられた(ビニルフェニル)酢酸エステル
は、通常のいかなる方法で精製してもよい。
は、通常のいかなる方法で精製してもよい。
【0017】本発明の(ビニルフェニル)酢酸エステル
は、眼用レンズ材料(共重合体)を合成するさいの1成
分として用いたばあい、えられる眼用レンズ材料に高屈
折率、高ガス透過性、高硬度、高機械的強度を同時に付
与するものである。
は、眼用レンズ材料(共重合体)を合成するさいの1成
分として用いたばあい、えられる眼用レンズ材料に高屈
折率、高ガス透過性、高硬度、高機械的強度を同時に付
与するものである。
【0018】本発明の(ビニルフェニル)酢酸エステル
は、その単独重合体、あるいはこれを用いた共重合体と
して眼用レンズ材料に供することができる。
は、その単独重合体、あるいはこれを用いた共重合体と
して眼用レンズ材料に供することができる。
【0019】また、本発明の化合物は、種々の化合物合
成の中間体としても用いることができる。
成の中間体としても用いることができる。
【0020】次に本発明を実施例に基づき、さらに具体
的に説明する。
的に説明する。
【0021】実施例1 ((4-ビニルフェニル)酢酸の合成)塩化カルシウム管
を取り付けたジムロート冷却管および温度計を装着した
2lの三つ口丸底フラスコに、乾燥ジエチルエーテル20
0ml とマグネシウム36.5g(約1.5 モル)とを入れ、乾
燥ジエチルエーテル200ml とクロロメチルスチレン152.
6 g(約1.0 モル)との混合溶液を滴下ロートを用いて
滴下した。滴下は、溶媒が緩やかに還流する程度に調節
した。滴下終了後、溶媒が緩やかに還流する程度に加熱
し、さらに1時間反応させた。
を取り付けたジムロート冷却管および温度計を装着した
2lの三つ口丸底フラスコに、乾燥ジエチルエーテル20
0ml とマグネシウム36.5g(約1.5 モル)とを入れ、乾
燥ジエチルエーテル200ml とクロロメチルスチレン152.
6 g(約1.0 モル)との混合溶液を滴下ロートを用いて
滴下した。滴下は、溶媒が緩やかに還流する程度に調節
した。滴下終了後、溶媒が緩やかに還流する程度に加熱
し、さらに1時間反応させた。
【0022】続いて、反応溶液に粉砕したドライアイス
を添加した。添加終了後、ジエチルエーテル400ml をさ
らに加え、反応溶液を均一にした。
を添加した。添加終了後、ジエチルエーテル400ml をさ
らに加え、反応溶液を均一にした。
【0023】続いて、氷浴中に冷却しつつ、反応溶液に
25%硫酸水溶液(硫酸163.5 g(約1.6 モル)を水500m
l に溶解させたもの)を滴下ロートを用いて滴下した。
滴下は、溶媒が緩やかに還流する程度に調節した。
25%硫酸水溶液(硫酸163.5 g(約1.6 モル)を水500m
l に溶解させたもの)を滴下ロートを用いて滴下した。
滴下は、溶媒が緩やかに還流する程度に調節した。
【0024】えられた反応溶液より、有機層を分取し、
これを水で6回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム
で1晩乾燥させた。
これを水で6回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウム
で1晩乾燥させた。
【0025】乾燥剤を濾別したのち、有機層よりジエチ
ルエーテルを除去し減圧乾燥させ、粗生成物をえた。粗
生成物をn−ヘキサンで2回洗浄して精製し、減圧乾燥
させた。精製物の収率は41%であった。
ルエーテルを除去し減圧乾燥させ、粗生成物をえた。粗
生成物をn−ヘキサンで2回洗浄して精製し、減圧乾燥
させた。精製物の収率は41%であった。
【0026】((4-ビニルフェニル)酢酸クロライドの
合成)塩化カルシウム管を取り付けたジムロート冷却管
および温度計を装着した2lの三つ口丸底フラスコに、
ベンゼン750ml 、(4-ビニルフェニル)酢酸112.7 g
(約0.69モル)、およびトリエチルアミン数滴を入れ、
ベンゼン150ml と塩化チオニル150ml (約2.1 モル)と
の混合溶液を滴下ロートを用いて滴下した。滴下は、溶
媒が緩やかに還流する程度に調節した。滴下終了後、溶
媒が緩やかに還流する程度に加熱し、さらに3時間反応
させた。
合成)塩化カルシウム管を取り付けたジムロート冷却管
および温度計を装着した2lの三つ口丸底フラスコに、
ベンゼン750ml 、(4-ビニルフェニル)酢酸112.7 g
(約0.69モル)、およびトリエチルアミン数滴を入れ、
ベンゼン150ml と塩化チオニル150ml (約2.1 モル)と
の混合溶液を滴下ロートを用いて滴下した。滴下は、溶
媒が緩やかに還流する程度に調節した。滴下終了後、溶
媒が緩やかに還流する程度に加熱し、さらに3時間反応
させた。
【0027】えられた反応溶液より、ベンゼンおよび未
反応の塩化チオニルを除去し、蒸留して精製した。精製
物の収率は33%であった。
反応の塩化チオニルを除去し、蒸留して精製した。精製
物の収率は33%であった。
【0028】((4-ビニルフェニル)酢酸ヘキサフルオ
ロイソプロピルエステルの合成)塩化カルシウム管を取
り付けたジムロート冷却管および温度計を装着した500m
l の三つ口丸底フラスコに、ベンゼン50ml、ヘキサフル
オロイソプロピルアルコール42.0g(約0.25モル)およ
びトリエチルアミン25.3g(約0.25モル)を入れ、ベン
ゼン50mlと(4-ビニルフェニル)酢酸クロライド35.3g
(約0.2 モル)との混合溶液を滴下ロートを用い、氷浴
中にて滴下した。滴下は、溶媒が緩やかに還流する程度
に調節した。滴下終了後、溶媒が緩やかに還流する程度
に加熱し、さらに1時間反応させた。
ロイソプロピルエステルの合成)塩化カルシウム管を取
り付けたジムロート冷却管および温度計を装着した500m
l の三つ口丸底フラスコに、ベンゼン50ml、ヘキサフル
オロイソプロピルアルコール42.0g(約0.25モル)およ
びトリエチルアミン25.3g(約0.25モル)を入れ、ベン
ゼン50mlと(4-ビニルフェニル)酢酸クロライド35.3g
(約0.2 モル)との混合溶液を滴下ロートを用い、氷浴
中にて滴下した。滴下は、溶媒が緩やかに還流する程度
に調節した。滴下終了後、溶媒が緩やかに還流する程度
に加熱し、さらに1時間反応させた。
【0029】えられた反応混合物を吸引濾過し、固体副
生成物を除去した。濾液を5%塩酸水溶液で1回洗浄
し、そののち飽和食塩水で5回洗浄した。有機層を無水
硫酸ナトリウムで1晩乾燥させた。乾燥剤を濾別したの
ち有機層を濃縮し、蒸留して精製した。生成物の収率は
79%であった。精製物は微黄色の透明な液体で、芳香を
有していた。蒸留時の沸点は、58℃(0.16mmHg下)であ
った。
生成物を除去した。濾液を5%塩酸水溶液で1回洗浄
し、そののち飽和食塩水で5回洗浄した。有機層を無水
硫酸ナトリウムで1晩乾燥させた。乾燥剤を濾別したの
ち有機層を濃縮し、蒸留して精製した。生成物の収率は
79%であった。精製物は微黄色の透明な液体で、芳香を
有していた。蒸留時の沸点は、58℃(0.16mmHg下)であ
った。
【0030】えられた化合物の赤外線吸収スペクトルを
測定した結果を図1に示す。図1から明らかなように、 波数1780cm-1付近にC=O基に由来する吸収 波数1240cm-1付近にC−O基に由来する吸収 が認められた。
測定した結果を図1に示す。図1から明らかなように、 波数1780cm-1付近にC=O基に由来する吸収 波数1240cm-1付近にC−O基に由来する吸収 が認められた。
【0031】また、 1H−核磁気共鳴スペクトルを測定
した結果を図2に示す。各シグナルの帰属は以下のとお
りである。
した結果を図2に示す。各シグナルの帰属は以下のとお
りである。
【0032】3.8ppm付近のシグナル:b 5.1 〜5.3ppm付近のシグナル:e 5.5 〜6.0ppm付近のシグナル:a,f 6.5 〜7.0ppm付近のシグナル:d 7.0 〜7.5ppm付近のシグナル:c 以上の結果より、えられた化合物は(4-ビニルフェニ
ル)酢酸ヘキサフルオロイソプロピルエステルであるこ
とが確認された。
ル)酢酸ヘキサフルオロイソプロピルエステルであるこ
とが確認された。
【0033】参考例1 (単独重合体の合成) (4-ビニルフェニル)酢酸ヘキサフルオロイソプロピル
エステル100 重量部に、アゾビスジメチルバレロニトリ
ル0.1 重量部を加えて配合液を調製し、ガラス製試験管
に配合液約30mlを注入して密栓をした。
エステル100 重量部に、アゾビスジメチルバレロニトリ
ル0.1 重量部を加えて配合液を調製し、ガラス製試験管
に配合液約30mlを注入して密栓をした。
【0034】恒温水槽中、35℃で40時間、50℃で8時間
予備重合し、そののち循環乾燥器内に試験管を移し、50
℃で5時間、ついで1〜1.5 時間当たり10℃の割合で温
度を120 ℃まで上昇させ、成分を加熱重合させ、棒状の
単独重合体をえた。
予備重合し、そののち循環乾燥器内に試験管を移し、50
℃で5時間、ついで1〜1.5 時間当たり10℃の割合で温
度を120 ℃まで上昇させ、成分を加熱重合させ、棒状の
単独重合体をえた。
【0035】つぎに、棒状の単独重合体を裁断し、切削
研磨により機械的加工を施し、試験片を作製した。えら
れた試験片の物性(外観、衝撃強度)を下記のようにし
て測定した。結果を表1に示す。
研磨により機械的加工を施し、試験片を作製した。えら
れた試験片の物性(外観、衝撃強度)を下記のようにし
て測定した。結果を表1に示す。
【0036】(外観)試験片の外観を肉眼で観察した。
【0037】(衝撃強度)荷重6.75gの鋼球を厚さ0.5m
m の試験片上に落錘させ、試験片が破断したときの高さ
(mm)を衝撃強度とした。
m の試験片上に落錘させ、試験片が破断したときの高さ
(mm)を衝撃強度とした。
【0038】参考例2 (共重合体の合成)トリス(トリメチルシロキシ)シリ
ルスチレン35重量部(30モル部)、(4-ビニルフェニ
ル)酢酸ヘキサフルオロイソプロピルエステル65重量部
(70モル部)、4-ビニルベンジルメタクリレート6重量
部、N−ビニルピロリドン5.6 重量部、メタクリル酸4.
4 重量部を均一に配合し、アゾビスジメチルバレロニト
リル0.1 重量部を加えて配合液を調製し、参考例1と同
様にして共重合体をえた。
ルスチレン35重量部(30モル部)、(4-ビニルフェニ
ル)酢酸ヘキサフルオロイソプロピルエステル65重量部
(70モル部)、4-ビニルベンジルメタクリレート6重量
部、N−ビニルピロリドン5.6 重量部、メタクリル酸4.
4 重量部を均一に配合し、アゾビスジメチルバレロニト
リル0.1 重量部を加えて配合液を調製し、参考例1と同
様にして共重合体をえた。
【0039】つぎに、参考例1と同様にして試験片を作
製し、えられた試験片の物性(外観、衝撃強度)を測定
した。また、ロックウェル硬度(30X)についても下記
のようにして測定した。結果を表1に示す。
製し、えられた試験片の物性(外観、衝撃強度)を測定
した。また、ロックウェル硬度(30X)についても下記
のようにして測定した。結果を表1に示す。
【0040】(ロックウェル硬度(30X))厚さ4mmの
ブロック状試験片を用いてロックウェルスーパーフィッ
シャル硬度計(明石製作所(株)製、商品名ASD)に
より、荷重30kg、圧子1/4インチ、温度25℃の測定条
件下で測定した。
ブロック状試験片を用いてロックウェルスーパーフィッ
シャル硬度計(明石製作所(株)製、商品名ASD)に
より、荷重30kg、圧子1/4インチ、温度25℃の測定条
件下で測定した。
【0041】比較例1 (共重合体の合成)トリス(トリメチルシロキシ)シリ
ルスチレン43重量部(30モル部)、4-ビニルベンジル-
3′,3′,3′- トリフルオロプロピルエーテル57重量部
(70重量部)、4-ビニルベンジルメタクリレート6重量
部、N−ビニルピロリドン5.6 重量部、メタクリル酸4.
4 重量部を均一に配合し、アゾビスジメチルバレロニト
リル0.1 重量部を加えて配合液を調製し、参考例1と同
様にして共重合体をえた。
ルスチレン43重量部(30モル部)、4-ビニルベンジル-
3′,3′,3′- トリフルオロプロピルエーテル57重量部
(70重量部)、4-ビニルベンジルメタクリレート6重量
部、N−ビニルピロリドン5.6 重量部、メタクリル酸4.
4 重量部を均一に配合し、アゾビスジメチルバレロニト
リル0.1 重量部を加えて配合液を調製し、参考例1と同
様にして共重合体をえた。
【0042】つぎに、参考例1と同様にして試験片を作
製し、えられた試験片の物性(外観、衝撃強度、ロック
ウェル硬度(30X))を同様に測定した。結果を表1に
示す。
製し、えられた試験片の物性(外観、衝撃強度、ロック
ウェル硬度(30X))を同様に測定した。結果を表1に
示す。
【0043】表中、各配合成分の配合量の単位はいずれ
も重量部であり、カッコ内の数字はモル部を表す。
も重量部であり、カッコ内の数字はモル部を表す。
【0044】
【表1】
【0045】(表1における略号の説明) SiSt:トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン 6FPVAc:(4-ビニルフェニル)酢酸ヘキサフルオロイソ
プロピルエステル FSt:4-ビニルベンジル-3′,3′,3′- トリフルオロプ
ロピルエーテル VBMA:4-ビニルベンジルメタクリレート N-VP:N−ビニルピロリドン MAA :メタクリル酸 V-65:アゾビスジメチルバレロニトリル 参考例および比較例の物性測定結果から明らかなよう
に、参考例1の共重合体は比較例に比べていちじるしく
高い衝撃強度を示し、また、参考例2の共重合体(つま
り、本発明の化合物より合成されたもの)は、比較例1
の共重合体の約2倍のロックウェル硬度(30X)、ま
た、衝撃強度に関しては1.6 倍の値を示しており、本発
明の化合物を用いることにより、従来に比べて、高い硬
度、高い機械的強度を有する共重合体がえられることが
わかる。
プロピルエステル FSt:4-ビニルベンジル-3′,3′,3′- トリフルオロプ
ロピルエーテル VBMA:4-ビニルベンジルメタクリレート N-VP:N−ビニルピロリドン MAA :メタクリル酸 V-65:アゾビスジメチルバレロニトリル 参考例および比較例の物性測定結果から明らかなよう
に、参考例1の共重合体は比較例に比べていちじるしく
高い衝撃強度を示し、また、参考例2の共重合体(つま
り、本発明の化合物より合成されたもの)は、比較例1
の共重合体の約2倍のロックウェル硬度(30X)、ま
た、衝撃強度に関しては1.6 倍の値を示しており、本発
明の化合物を用いることにより、従来に比べて、高い硬
度、高い機械的強度を有する共重合体がえられることが
わかる。
【0046】
【発明の効果】本発明により、新規な(ビニルフェニ
ル)酢酸エステル、すなわち重合体の改質モノマーとし
て、さらには種々の化合物合成の中間体として広く有用
である、新規な有機フッ素化合物が提供される。
ル)酢酸エステル、すなわち重合体の改質モノマーとし
て、さらには種々の化合物合成の中間体として広く有用
である、新規な有機フッ素化合物が提供される。
【図1】実施例1でえられた(4-ビニルフェニル)酢酸
ヘキサフルオロイソプロピルの赤外線吸収スペクトルを
示すチャートである。
ヘキサフルオロイソプロピルの赤外線吸収スペクトルを
示すチャートである。
【図2】実施例2でえられた(4-ビニルフェニル)酢酸
ヘキサフルオロイソプロピルの1H−核磁気共鳴スペク
トルを示すチャートである。
ヘキサフルオロイソプロピルの1H−核磁気共鳴スペク
トルを示すチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/027 502
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式(I) : 【化1】 (式中、Rは、2,2,2-トリフルオロエチル基、 2,2,2,
2′,2′,2′- ヘキサフルオロイソプロピル基または2,
2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル基を示す)で表
わされる(ビニルフェニル)酢酸エステル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15950592A JPH061750A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | (ビニルフェニル)酢酸エステル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15950592A JPH061750A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | (ビニルフェニル)酢酸エステル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH061750A true JPH061750A (ja) | 1994-01-11 |
Family
ID=15695240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15950592A Pending JPH061750A (ja) | 1992-06-18 | 1992-06-18 | (ビニルフェニル)酢酸エステル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH061750A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US8349534B2 (en) | 2009-03-09 | 2013-01-08 | Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. | Positive resist composition and method of forming resist pattern |
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US8642244B2 (en) | 2008-02-06 | 2014-02-04 | Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. | Resist composition for immersion exposure, method of forming resist pattern using the same, and fluorine-containing compound |
US8846838B2 (en) | 2009-07-03 | 2014-09-30 | Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. | Fluorine-containing block copolymeric compound |
US8980524B2 (en) | 2010-01-05 | 2015-03-17 | Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. | Positive resist composition and method of forming resist pattern |
-
1992
- 1992-06-18 JP JP15950592A patent/JPH061750A/ja active Pending
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