JPH10298207A - オレフィン重合用触媒の供給方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒の供給方法

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JPH10298207A
JPH10298207A JP10962497A JP10962497A JPH10298207A JP H10298207 A JPH10298207 A JP H10298207A JP 10962497 A JP10962497 A JP 10962497A JP 10962497 A JP10962497 A JP 10962497A JP H10298207 A JPH10298207 A JP H10298207A
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JP
Japan
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gcal
polymerization
catalyst
polymer
cat
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Application number
JP10962497A
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English (en)
Inventor
Shozo Kawamata
昇造 川又
Masashi Hanba
雅志 半場
Ryota Ichikawa
良太 市川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オレフィン重合用触媒を重合反応器に供給す
る際に、重合反応器内における重合用触媒の凝集による
塊化物の発生量を低減し、オレフィンの重合を効率的に
行う方法を提供する。 【解決手段】 連続気相重合反応器にオレフィン重合用
の触媒を供給する方法であって、下記の発熱量Q1が
2.7Gcal/hr以上、かつ、下記の発熱量Q2が13Gc
al/kg-cat以上の条件下に、前記触媒を少なくとも2本
の管から供給することを特徴とするオレフィン重合用触
媒の供給方法。 Q1(Gcal/hr)=重合熱(Gcal/kg-polymer )×ポリ
オレフィン生成速度(kg-polymer/hr ) Q2(Gcal/kg-cat)=重合熱(Gcal/kg-polymer )×
ポリオレフィン生成速度(kg-polymer/hr )/重合用触
媒投入量(kg-cat/hr )

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン重合用
触媒の供給方法に関する。詳しくは、連続気相重合反応
器にオレフィン重合用の触媒を供給する方法であって、
反応器内に塊化物を生じさせない前記触媒の供給方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、オレフィン重合用の遷移金属触媒
の改良により、単位遷移金属あたりのポリオレフィンの
生産能力が飛躍的に向上し、その結果重合後における触
媒除去操作が省略されるようになった。
【0003】こうした高活性触媒を用いるときは、重合
後の操作が最も簡単なことから、一般にはオレフィンの
重合を気相状態で連続的に行う方法が採用されている。
【0004】オレフィン重合用の遷移金属触媒(以下、
単に「重合用触媒」と称することもある)は、例えばチ
タン系化合物及び/またはバナジウム系化合物を用い、
共触媒は、例えばアルキルアルミニウム化合物を用いて
いる。
【0005】従来、重合用触媒は、スラリー状態または
粉体状態で1本の触媒供給管から連続気相重合反応器に
供給されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術では、重合
反応器において、単位体積当りの重合体の生産性の上昇
に伴い重合用触媒の供給量の増加及び重合用触媒の飛躍
的高活性化のために、重合反応器に供給管から重合用触
媒を供給すると、塊化物の発生する頻度が多くなってい
た。この塊化物は、重合体の排出を妨げ、最悪の場合に
は、重合を停止せざるを得なくなることもあった。
【0007】本発明の目的は、重合用触媒を重合反応器
に供給する際に、重合反応器内における重合用触媒の凝
集による塊化物の発生量を低減し、オレフィンの重合を
効率的に行う方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、重合反応
器内における塊化物の発生量を低減し、効率的な重合を
実施することについて鋭意検討した結果、重合用触媒を
複数の管から重合反応器に供給し、重合反応による局部
的な発熱を抑えることが、塊化物の発生量の低減に大き
な影響を与えることを見出し、本発明を完成させるに至
った。
【0009】すなわち、本発明は、連続気相重合反応器
にオレフィン重合用の触媒を供給する方法であって、下
記の発熱量Q1が2.7Gcal/hr以上、かつ、下記の発
熱量Q2が13Gcal/kg-cat以上の条件下に、前記触媒
を少なくとも2本の管から供給することを特徴とするオ
レフィン重合用触媒の供給方法である。 Q1(Gcal/hr)=重合熱(Gcal/kg-polymer )×ポリ
オレフィン生成速度(kg-polymer/hr ) Q2(Gcal/kg-cat)=重合熱(Gcal/kg-polymer )×
ポリオレフィン生成速度(kg-polymer/hr )/重合用触
媒投入量(kg-cat/hr )
【0010】また、本発明は、連続気相重合反応器にオ
レフィン重合用の触媒を供給する方法であって、下記の
発熱量Q1が2.7Gcal/hr以上、下記の発熱量Q2が
13Gcal/kg-cat以上の条件下にあって、かつ下記の発
熱量Q1’が2.7Gcal/hr/本未満、下記の発熱量Q
2’が13Gcal/kg-cat/本未満の条件下に、前記触媒
を供給することを特徴とするオレフィン重合用触媒の供
給方法である。 Q1(Gcal/hr)=重合熱(Gcal/kg-polymer )×ポリ
オレフィン生成速度(kg-polymer/hr ) Q2(Gcal/kg-cat)=重合熱(Gcal/kg-polymer )×
ポリオレフィン生成速度(kg-polymer/hr )/重合用触
媒投入量(kg-cat/hr ) Q1’(Gcal/hr/本)=重合用触媒供給管1本当たり
の上記発熱量Q1 Q2’(Gcal/kg-cat/本)=重合用触媒供給管1本当
たりの上記発熱量Q2 以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の特徴は、下記の発熱量Q
1が2.7Gcal/hr以上、かつ、下記の発熱量Q2が1
3Gcal/kg-cat以上の条件下に、前記触媒を少なくとも
2本の管から供給することにある。 Q1(Gcal/hr)=重合熱(Gcal/kg-polymer )×ポリ
オレフィン生成速度(kg-polymer/hr ) Q2(Gcal/kg-cat)=重合熱(Gcal/kg-polymer )×
ポリオレフィン生成速度(kg-polymer/hr )/重合用触
媒投入量(kg-cat/hr )
【0012】発熱量Q1は、単位時間当たりに、連続気
相重合反応器(以下、「反応器」と称する)内で起こる
全重合反応による発熱量である。発熱量Q1は、反応器
に導入するガス量、ガス比熱及び反応器の入口、出口の
ガス温度から測定できる。重合熱とは、生成するポリオ
レフィンの単位重量当たりの発熱量である。ポリオレフ
ィン生成速度とは、単位時間当たりに、反応器内で生産
されるポリオレフィンの重量をいう。ポリオレフィン生
成速度の測定方法は、例えば計重器により測定できる。
発熱量Q2は、反応器に導入した重合用触媒の単位重量
当たりの発熱量をいい、重合用触媒の単位重量とは、遷
移金属触媒及びその担持体の合計重量である。重合用触
媒投入量とは、単位時間当たりに、反応器に導入された
遷移金属触媒及びその担持体の合計重量である。重合用
触媒投入量の測定方法は、触媒投入方法により異なる
が、例えばスラリー状態で投入する場合、スラリーの
濃度及び流量、ガスにより搬送する場合は計重器、
触媒ドラムのレベルにより、それぞれ測定できる。
【0013】発熱量Q1が2.7Gcal/hr以上、かつ、
下記の発熱量Q2が13Gcal/kg-cat以上の条件下に、
重合用触媒を1本の管から供給すると、重合用触媒の凝
集による塊化物の発生が多くなり、効率的なオレフィン
の重合が実施できない。また、上記のような条件下で
は、重合体を抜き出す配管径、例えば50〜100mm
を越える大きさの塊化物が生成し、重合反応を停止せざ
るを得ない場合も生じる。
【0014】本発明は、発熱量Q1が2.7Gcal/hr以
上、かつ、下記の発熱量Q2が13Gcal/kg-cat以上の
条件下において、重合用触媒を少なくとも2本の管から
供給し、好ましくは2〜4本の管から供給する。該管の
位置は、特に限定されるものではないが、流動層内であ
ることが好ましい。
【0015】また、本発明のもう一つの特徴は、下記の
発熱量Q1が2.7Gcal/hr以上、下記の発熱量Q2が
13Gcal/kg-cat以上の条件下にあって、かつ下記の発
熱量Q1’が2.7Gcal/hr/本未満、下記の発熱量Q
2’が13Gcal/kg-cat/本未満の条件下に、前記触媒
を供給することにある。 Q1(Gcal/hr)=重合熱(Gcal/kg-polymer )×ポリ
オレフィン生成速度(kg-polymer/hr ) Q2(Gcal/kg-cat)=重合熱(Gcal/kg-polymer )×
ポリオレフィン生成速度(kg-polymer/hr )/重合用触
媒投入量(kg-cat/hr ) Q1’(Gcal/hr/本)=重合用触媒供給管1本当たり
の上記発熱量Q1 Q2’(Gcal/kg-cat/本)=重合用触媒供給管1本当
たりの上記発熱量Q2
【0016】発熱量Q1が2.7Gcal/hr以上、発熱量
Q2が13Gcal/kg-cat以上の条件下にあって、かつ発
熱量Q1’が2.7Gcal/hr/本以上、発熱量Q2’が
13Gcal/kg-cat/本以上の条件下に、重合用触媒を供
給すると重合用触媒の凝集による塊化物の発生が多くな
り、効率的なオレフィンの重合が実施できない。また、
上記のような条件下では、重合体を抜き出す配管径、例
えば50〜100mmを越える大きさの塊化物が生成
し、重合反応を停止せざるを得ない場合も生じる。
【0017】本発明は、Q1が2.7Gcal/hr以上、発
熱量Q2が13Gcal/kg-cat以上の条件下において、重
合用触媒の供給管1本当りの発熱量Q1’及びQ2’を
特定値未満にする。
【0018】また、重合用触媒は、反応器に連続的また
は断続的に供給してもよい。
【0019】本発明で用いる重合用触媒は、気相で存在
するオレフィンと接触しポリオレフィンに変換させ得る
ものであれば如何なるものでもよく、いわゆる金属酸化
物型またはチーグラーナッタ型、メタロセン型等の公知
の触媒が使用できる。また、本発明で用いる重合用触媒
は、気相重合反応器に供給する前にオレフィンを予備重
合してもよい。
【0020】重合用触媒のキャリアとしては、通常、液
状及び/またはガス状のモノオレフィン炭化水素、及び
/または、液状及び/またはガス状の飽和炭化水素、ま
たは不活性ガスが挙げられる。上記モノオレフィン炭化
水素としては、例えばエチレン、プロピレン、ブテン、
ペンテン、ヘキセン、ヘプテン及びオクテン等の炭素数
2〜8のモノオレフィン炭化水素が挙げられ、これらの
中でも液状モノオレフィン炭化水素が好ましい。上記飽
和炭化水素としては、例えばメタン、エタン、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン及びオクタン等の炭素
数1〜8(異性体を含む)の飽和炭化水素が挙げられ、
これらの中でも液状飽和炭化水素が好ましい。上記モノ
オレフィン炭化水素及び飽和炭化水素の中でも炭素数4
〜7の液状飽和炭化水素がより好ましい。不活性ガスと
しては、例えば窒素、アルゴン等が挙げられ、経済性の
面から窒素が好ましい。
【0021】また、本発明は、連続気相重合反応器が連
続気相流動層式重合反応器であることが好ましい。さら
に、連続気相反応器が攪拌機を備えた連続気相流動層式
重合反応器であることが好ましい。
【0022】重合に供するオレフィンとしては、例えば
エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オ
クテン−1等のα−オレフィンが挙げられる。本発明
は、上記α−オレフィンを1種または2種以上用いるこ
とができる。これらの中でもエチレン、プロピレン及び
ブテン−1が好ましい。
【0023】気相重合の圧力は、反応器内でオレフィン
が気相として存在し得る範囲内であればよく、通常0〜
5MPa・G、好ましくは1.5〜3.0MPa・Gで
ある。反応温度は、30〜110℃が好ましい。
【0024】図1は、本発明のオレフィン重合用触媒の
供給方法の一概念図を示す。図1において、1は反応
器、2は触媒投入ライン−A、3は触媒投入ライン−B
であり、触媒投入ライン−A 2及び触媒投入ライン−
B 3より重合用触媒が供給されて、重合がガス分散板
4上の流動層内で行なわれる。5は熱交換器、6は原料
ガスの投入ライン、7は循環ガスを循環させる循環ブロ
アー、8は循環ガスの循環ライン、9は製造された重合
体を抜き出す重合体抜き出しラインである。本発明は、
上記のように触媒投入ラインを少なくとも2本必要と
し、前記ラインの位置は特に限定されるものではない。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき説明するが、
本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】実施例1 連続気相流動層式重合反応器を用いて、2本の重合用触
媒供給管からTi、Mg、Clよりなる触媒を、それぞ
れ0.15kg/hr供給し、重合温度80℃、重合圧
力20kg/cm2 の条件下、7.2t/hrでプロピ
レンを重合し、ポリプロピレンを数カ月製造したとこ
ろ、塊化物の発生は全く見られなかった。このとき、Q
1は3.8(Gcal/hr)、Q2は13(Gcal/kg-ca
t)、Q1’は1.9(Gcal/hr/本)、Q2’は6.
5(Gcal/kg-cat/本)であった。
【0027】比較例1 連続気相流動層反応器において、1本の重合用触媒供給
管から、重合用触媒を0.21kg/hr供給し、5.
4t/hrでプロピレンを重合した以外は、実施例1と
同様にして重合したところ、塊化物が生成し、ついには
排出管が閉塞したため、重合を停止した。反応器を開放
し、塊化物の大きさを確認したところ、最大長さ1m、
幅200mm、厚さ30mmであった。このとき、Q1
は2.7(Gcal/hr)、Q2は13(Gcal/kg-cat)、
Q1’は2.7(Gcal/hr/本)、Q2’は13(Gcal
/kg-cat/本)であった。
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば重
合反応器内の塊化物の発生を低減し、オレフィンの重合
を効率的に行う方法が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオレフィン重合用触媒の供給方法の一
概念図を示す。
【符号の説明】
1・・・反応器、2・・・オレフィン重合用触媒投入ラ
イン−A 3・・・オレフィン重合用触媒投入ライン−B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続気相重合反応器にオレフィン重合用の
    触媒を供給する方法であって、下記の発熱量Q1が2.
    7Gcal/hr以上、かつ、下記の発熱量Q2が13Gcal/
    kg-cat以上の条件下に、前記触媒を少なくとも2本の管
    から供給することを特徴とするオレフィン重合用触媒の
    供給方法。 Q1(Gcal/hr)=重合熱(Gcal/kg-polymer )×ポリ
    オレフィン生成速度(kg-polymer/hr ) Q2(Gcal/kg-cat)=重合熱(Gcal/kg-polymer )×
    ポリオレフィン生成速度(kg-polymer/hr )/重合用触
    媒投入量(kg-cat/hr )
  2. 【請求項2】連続気相重合反応器にオレフィン重合用の
    触媒を供給する方法であって、下記の発熱量Q1が2.
    7Gcal/hr以上、下記の発熱量Q2が13Gcal/kg-cat
    以上の条件下にあって、かつ下記の発熱量Q1’が2.
    7Gcal/hr/本未満、下記の発熱量Q2’が13Gcal/
    kg-cat/本未満の条件下に、前記触媒を供給することを
    特徴とするオレフィン重合用触媒の供給方法。 Q1(Gcal/hr)=重合熱(Gcal/kg-polymer )×ポリ
    オレフィン生成速度(kg-polymer/hr ) Q2(Gcal/kg-cat)=重合熱(Gcal/kg-polymer )×
    ポリオレフィン生成速度(kg-polymer/hr )/重合用触
    媒投入量(kg-cat/hr ) Q1’(Gcal/hr/本)=重合用触媒供給管1本当たり
    の上記発熱量Q1 Q2’(Gcal/kg-cat/本)=重合用触媒供給管1本当
    たりの上記発熱量Q2
  3. 【請求項3】重合用触媒のキャリアが、液状モノオレフ
    ィン炭化水素または液状飽和炭化水素である請求項1ま
    たは2記載のオレフィン重合用触媒の供給方法。
  4. 【請求項4】連続気相重合反応器が連続気相流動層式重
    合反応器である請求項1または2記載のオレフィン重合
    用触媒の供給方法。
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